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  • 特開-算数教育用教具 図1
  • 特開-算数教育用教具 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080236
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】算数教育用教具
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/02 20060101AFI20220520BHJP
【FI】
G09B19/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020202280
(22)【出願日】2020-11-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】520479515
【氏名又は名称】一般社団法人テトラcoco
(72)【発明者】
【氏名】池田 美奈子
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一つの教具を多様な方法で使用することで、算数の学習の中で学ぶ内容や単元を関連付けていくことが簡易になり、体験的、視覚的に数量と数字の関連性や数と量の概念の獲得、数の操作など算数の学習をすすめることができる算数教育用教具を提供する。
【解決手段】数字1が表記された第一の収納手段とN倍(Nは自然数)の長さを有し数字N(Nは自然数)が表記された第Nの収納手段と、前記第一の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に1個のマークが形成された第一の表示板と、前記第Nの収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面にN個のマークが形成された第Nの表示板とを少なくとも備えたことで、多種に渡る教具の役割を一つの教具に収束する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
数字1が表記された第一の収納手段と、前記第一の収納手段の2倍の長さを有し数字2が表記された第二の収納手段と、前記第一の収納手段の3倍の長さを有し数字3が表記された第三の収納手段と、前記第一の収納手段の4倍の長さを有し数字4が表記された第四の収納手段と、前記第一の収納手段とN倍(Nは自然数)の長さを有し数字N(Nは自然数)が表記された第Nの収納手段と、前記第一の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に1個のマークが形成された第一の表示板と、前記第二の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に2個のマークが形成された第二の表示板と、前記第三の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に3個のマークが形成された第三の表示板と、前記第四の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に4個のマークが形成された第四の表示板と、前記第Nの収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面にN個のマークが形成された第Nの表示板とを少なくとも備えたことを特徴とする算数教育用教具。
【請求項2】
前記第一の表示板乃至第Nの表示板には表と裏にそれぞれ異なったマークが形成されており、表面には普通の赤丸などの抽象図、裏面には関心を持たせるイラストが形成されており、教える対象者に応じて教え易いものを選択して使用できるようになっている請求項1に記載の算数教育用教具。
【請求項3】
前記第一の収納手段乃至第Nの収納手段は表面が中の表示板が見えない素材で形成されており、且つ裏面は中身の表示板が見える(ように)透明の素材または中身が見えない不透明な素材で形成され、教える子どもの必要性に応じて、表示板が収納手段の中に収納されたとき、収納手段の裏面からは収納手段の中の表示板に形成されたマークの数が同時的に目で見て確認できるようにするか否かを選択して使用できるようになっている請求項1または請求項2に記載の算数教育用教具。
【請求項4】
前記第一の表示板乃至第Nの表示板は、前記第一の収納手段乃至第Nの収納手段に収納可能であり収納手段裏面に指かけ部分が形成されており、指で取り出しやすくなっている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の算数教育用教具。
【請求項5】
前記第一の収納手段乃至第Nの収納手段の端を揃えて長さの順に重ねた際に、収納手段表面に記載された数字によって数の並びや数の大きさの順が一目で理解できる位置に前記収納手段表面の数字が設けられている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の算数教育用教具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計数の能力と序数性や基数性といった数の概念の獲得と数の概念の操作について習得するために幼児や小学校の児童に用いられる算数教育用教具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小学校の第一学年の算数では、初めに「個数を比べること」や「個数や順番を数えること」という課題が設定されている。教科書に書かれた絵と算数ブロックの数を対応させ、数詞を唱えながら数えたり比べたりすることで具体物と半具体物の数の関連付けを行い、計数の能力を養い、基数性を獲得していく。同様に数図カードでも、数と数詞を対応させる学習を行うことで、具体物・半具体物と数図・数を関連付け、数字カードも使用しながら数と数字を対応させていき数の概念を獲得する活動を行う。この時、具体物、半具体物、数図、数字をそれぞれ異なる教具を用いて学習活動を行う。
「数の大小比較」や「数順の理解(序数性)」、足し算引き算の基礎となる「数の合成と分解」の課題においても、数図カードや数字カード、おはじきなど、それぞれ異なる教具を利用し学習活動が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3139060号
【特許文献2】特開2019-128459号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
小学校の学習活動では、様々な教具を使用しながら、それぞれを関連付けていくことで数の概念や序数性、基数性を獲得させ、さらに合成と分解という数の操作を学んでいく。従来の様々な教具であれば、その単元や学習内容の必要に応じて教具を使い分けたり、複合して使用したりすることが可能である。しかし、それぞれの教具同士を関連付けて数の概念を獲得していくことが難しい場合があり、学習活動の中で学ぶべきことを正しく学ぶことができるとはいいがたい。特許文献1でもあるように具体物である5個のおはじきと抽象化された数図カードの5、数字カードの5が繋がらず、すべて同じ「5」であると認識できないという場合があり、基数性の獲得や数の概念の定着に支障が生じる。それは、数の大小比較や合成と分解の課題においても同様である。
また、教具の種類が多種に渡ることで、操作する教具の数が増え、物が紛失してしまったり、多くの教具の中から指定されたものを探すのに手間取ったりすることもある。
以上のように、現状の小学校で使用されている教具では、取り扱いが難しく、種類が多いことが原因で本来教具同士を関連付けながら学んでいく数の概念や基数性、序数性、数の大小比較、合成と分解についての理解を妨げてしまうことがある。そのため、幼児や小学校低学年の児童が扱いやすく、数や数図、数字などを関連付けやすい教具の発明が必要である。例えば特許文献2のように、ブロックを数図カードに抽象化した教具などがあるが、教具の持つ機能や使用法が限定的で、数図カードと数カードを繋げていくような基数性・序数性などの量や数の概念形成や概念操作を一つの教具を使って幅広く学ぶには不十分であると言える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
数字1が表記された第一の収納手段と、前記第一の収納手段の2倍の長さを有し数字2が表記された第二の収納手段と、前記第一の収納手段の3倍の長さを有し数字3が表記された第三の収納手段と、前記第一の収納手段の4倍の長さを有し数字4が表記された第四の収納手段と、前記第一の収納手段とN倍(Nは自然数)の長さを有し数字N(Nは自然数)が表記された第Nの収納手段と、前記第一の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に1個のマークが形成された第一の表示板と、前記第二の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に2個のマークが形成された第二の表示板と、前記第三の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に3個のマークが形成された第三の表示板と、前記第四の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に4個のマークが形成された第四の表示板と、前記第Nの収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面にN個のマークが形成された第Nの表示板とを少なくとも備えたことを特徴とする。
又、本発明の算数教育用教具にあっては、前記第一の表示板乃至第Nの表示板には表と裏にそれぞれ異なったマークが形成されている。表面には普通の赤丸などの抽象図、裏面には関心を持たせるイラストが形成されており、教える対象者に応じて教え易いものを選択して使用できるようになっているのが望ましい。
又、本発明の算数教育用教具にあっては、前記第一の収納手段乃至第Nの収納手段は表面が中の表示板が見えない素材で形成されており、且つ裏面は中身の表示板が見える透明の素材で形成され、表示板が収納手段の中に収納されたとき、収納手段の裏面からは収納手段の中の表示板に形成されたマークの数が同時的に目で見て確認できるようになっているのが望ましい。
又、本発明の算数教育用教具にあっては、前記第一の表示板乃至第Nの表示板は、前記第一の収納手段乃至第Nの収納手段に収納可能であり収納手段裏面に指かけ部分が形成されており、指で取り出しやすくなっているのが望ましい。
又、本発明の算数教育用教具にあっては、前記第一の収納手段乃至第Nの収納手段の端を揃えて長さの順に重ねた際に、収納手段表面に記載された数字によって数の並びや数の大きさの順が一目で理解できる位置に前記収納手段表面の数字が設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
数字1が表記された第一の収納手段と、前記第一の収納手段の2倍の長さを有し数字2が表記された第二の収納手段と、前記第一の収納手段の3倍の長さを有し数字3が表記された第三の収納手段と、前記第一の収納手段の4倍の長さを有し数字4が表記された第四の収納手段と、前記第一の収納手段とN倍(Nは自然数)の長さを有し数字N(Nは自然数)が表記された第Nの収納手段と、前記第一の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に1個のマークが形成された第一の表示板と、前記第二の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に2個のマークが形成された第二の表示板と、前記第三の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に3個のマークが形成された第三の表示板と、前記第四の収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面に4個のマークが形成された第四の表示板と、前記第Nの収納手段と同一の長さで収納手段に収納可能に設けられ表面にN個のマークが形成された第Nの表示板とを少なくとも備えたことを特徴とするものであるから、一つの教具を多様に操作することで、基数性や序数性の獲得、数の大小比較、合成と分解を学ぶことができるという効果がある。また、数と数字を繋げるための数図カードと数カードを組み合わせた使い方や数の大小、合成と分解が目で見て理解しやすい効果がある。
又、請求項2のように、前記第一の表示板乃至第Nの表示板に形成されたマークは、表面には普通の赤丸などが形成されており、裏面には関心を持たせるものが形成されており、教える対象者に応じて教え易いものを選択して使用できるようになっているものは、数字と数を繋げるための数図カードと数カードを組み合わせた使い方や数の大小、合成と分解を学習する際に学習者の特性や興味関心に合わる事で注意集中が続き学習意欲が向上するという効果がある。
又、請求項3のように、前記第一の収納手段乃至第Nの収納手段は表面が中の表示板が見えない素材で形成されており、且つ裏面は中身の表示板が見える透明の素材で形成され、表示板が収納手段の中に収納されたとき、収納手段の裏面からは収納手段の中の表示板に形成されたマークの数が同時的に目で見て確認できるようになっているものは、数字と数を繋げるための数図カードと数カードを組み合わせた使い方や数の大小、合成と分解が目で見て理解しやすくなっているという効果がある。
又、請求項4のように、前記第一の表示板乃至第Nの表示板を、前記第一の収納手段乃至第Nの収納手段に収納した時、収納手段裏面に指かけ部分が形成されており、表示板を指で取り出しやすくなっているという効果がある。
又、請求項5のように、前記第一の収納手段乃至第Nの収納手段の端を揃えて長さの順に重ねた際に、収納手段表面に記載された数字によって数の並びや数の大きさの順が一目で理解できる位置に前記収納手段表面の数字が設けられているものは、前記第一の収納手段乃至第Nの収納手段の端を揃えて長さの順に重ねた際に、収納手段表面に記載された数字によって数の並びや数の大きさの順が一目で理解できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の算数教育用教具の第一乃至第Nの収納手段と第一乃至第Nの表示板の斜視図。
図2】同上の算数教育用教具の収納手段から表示板を抜いた状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図1及び図2に基づいて詳説すると、算数教育用教具1は、数字1が表記された第一の収納手段▲1▼と、前記第一の収納手段▲1▼と同一の幅で2倍の長さを有し数字2が表記された第二の収納手段▲3▼と、前記第一の収納手段▲3▼と同一の幅で3倍の長さを有し数字3が表記された第三の収納手段▲5▼と、前記第一の収納手段と同一の幅での4倍の長さを有し数字4が表記された第四の収納手段▲7▼と、前記第一の収納手段と同一の幅でN(Nは自然数)倍の長さを有し数字N(Nは自然数)が表記された第Nの収納手段▲9▼と、前記第一の収納手段▲1▼に同一の長さで収納手段▲1▼に完全に収納可能に設けられ表面に1個のマークが形成された第一の表示板▲2▼と前記第二の収納手段▲3▼と同一の長さで収納手段に完全に収納可能に設けられ表面に2個のマークが形成された第二の表示板▲4▼と、前記第三の収納手段と同一の長さで収納手段▲5▼に完全に収納可能に設けられ表面に3個のマークが形成された第三の表示板▲6▼と、前記第四の収納手段と同一の長さで収納手段▲7▼に完全に収納可能に設けられ表面に4個のマークが形成された第四の表示板▲8▼と、前記第Nの収納手段と同一の長さで収納手段▲9▼に完全に収納可能に設けられ表面にN個のマークが形成された第Nの表示板▲10▼である。
【0009】
第一の収納手段▲1▼乃至第Nの収納手段▲9▼は紙又は木材又は合成樹脂材で形成されており、第一の表示板▲2▼乃至第Nの表示板▲10▼をスムーズに引き出したり収納できるように形成されており、引出し方向に対し直交する方向の断面形状がコ字型に形成されていて開口部から第一の表示板▲2▼乃至第Nの表示板▲10▼の側面を突出させたり、第一の表示板▲2▼乃至第Nの表示板▲10▼の先端が第一の収納手段▲1▼乃至第Nの収納手段▲9▼の先端から突出させて引出し易くしても構わないものである。
【0010】
第一の表示板▲2▼乃至第Nの表示板▲10▼は、紙又は木材又は合成樹脂材で形成されている。マークは、等間隔に同一の形状の絵・写真などが貼着・記載されており、表面には普通の赤丸などが記載されており、裏面には例えば動物が記載されており、教える対象者が興味を持って学べるように対象者に応じて教え易いものを選択して使用できるようになっている。
【0011】
第一の収納手段▲1▼乃至第Nの収納手段▲9▼は紙又は木材又は合成樹脂材で形成されており、収納手段裏面に半円形に切り抜いた指かけ部分が形成されており、第一の表示板▲2▼乃至第Nの表示板▲10▼を出し入れする際に指で取り出しやすくなっている。
【0012】
第一の収納手段▲1▼乃至第Nの収納手段▲9▼に表記された数字1乃至数字Nは、購入者が記載しても構わないし、数字1乃至数字Nが表記されたシールを第一の収納手段▲1▼乃至第Nの収納手段▲9▼に貼着しても構わないものである。また、第一の収納手段▲1▼乃至第Nの収納手段▲9▼に表記された数字1乃至数字Nの表記位置を端に寄せると、長さの順に重ねた際に数字1乃至数字Nの数順を視認できるようになり、数の並びが一目で理解できるようになっている。
【0013】
本教具は[図2]に示す通り、ケースと呼ばれる収納手段(図2-▲1▼)に数字(図2-▲4▼)が書いてあり、その中に絵やドット(図2-▲3▼)が描かれたスライドシートと呼ばれる表示板(図2-▲2▼)を収納して使用する。小学校の算数教材である数図ブロックや数図カード、数字カードの機能を一つの教具として組合せものであり、ケースにスライドシートを収納することで、数量と数字の関連性を体感的に理解していくことができる。また、その他様々な数の概念や量の概念、数の操作などを理解するのにも応用できる。使い方としては以下の通りである。
ケースの長さがそれぞれの量を含意しており、ケースの長さを比較し合うことで基準とするケースから相対的に他のケースが含意する量を視覚的に捉えることができる(量の理解)。
スライドシートに描かれたマークの数を、数字を唱えながら一つずつ数えることで、物と数を1対1対応で数えることを習得する(計数の力)。
数えた後、ケースに書かれている数字を見ながら、スライドシートに書かれたマークの個数に対応する数字の箱に収納し長さを合わせることで、数えた一番最後の数がその量(個数)を表していることを体験的に学び、個数と数字の関係を理解する(基数性)。
1からnまでを順に並べることで、前後の数字によって一つずつ数が増減する様を視覚的に理解し、数の順序を獲得する(序数性)。
複数のスライドシートに描かれたマークの個数同士を比べることで、数の多少を視覚的に理解できる。また、スライドシートをケースに収納した上で同様に比べることで、ケースの長さの比較を利用しながら、数の多少から数の大小への概念の置き換えを学ぶ(数の多少・大小比較)。更に、ケース同士を立てて並べることで物理的な長短や高低の感覚を視覚的に学ぶことができる(長短・高低比較)。
2つのケースを横に並べ、それと同じ長さのケースを探し比較することで、その数と同数になる数の組み合わせを体験的に理解する(数の合成)。また、一つのケースを提示し、同数になる組合せを他の箱から探し出すことで一つの数がいくつかの数で成り立っていることを体験的に理解する(数の分解)。同じ方法で、2つ以上のケースの組み合わせを考えることで、2数での合成と分解だけではなく、3数以上での合成や分解も可能となる。長さを比較することで、同数になっているかの確認をしながら学習を行うことができる。
ケースからスライドシートを引き出しつつ、表記されているマークを一つずつ提示しながら、外に出てきた個数とケースの中に隠されている個数を考えることで、もともとの数がいくつだったかを理解(数の保存)しながら、合成と分解について学ぶ。反対に、スライドシートをケースに収納する際に、いくつかをケースの中に隠し、いくつかを出しておくことで、中に入った数を考えることができ、数の操作の感覚を実体験として獲得していく。ケースの中にスライドシートを収納したり出したりする回数を増やすことで、3数以上の数の操作についても感覚的に身につけることができる。合成と分解は「足し算や引き算」へと繋がっていくため、小学校第1学年において学ぶ計算の基礎を築くことが可能となる。
スライドシートが両面にそれぞれ異なる図柄が描かれていることで、対象者の年齢や能力に応じてどちらを使用するかを選択することができる。また、ケース裏面が透明であるため、数の保存を学ぶ際に、元の数がいくつなのか、ケースの中に収納されたマークの数がいくつなのかを確認しながら学習を進めることができる。
子ども自身が自由にスライドシートをケースに収納したり出したりする経験をする中で、数の概念や概念の操作を多感覚的に学び、理解していく。
【符号の説明】
【0014】
▲1▼ 第一の収納手段
▲2▼ 第一の表示板
▲3▼ 第二の収納手段
▲4▼ 第二の表示板
▲5▼ 第三の収納手段
▲6▼ 第三の表示板
▲7▼ 第四の収納手段
▲8▼ 第四の表示板
▲9▼ 第Nの収納手段
▲10▼ 第Nの表示板
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2021-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
前記第一の表示板乃至第Nの表示板には表と裏にそれぞれ異なったマークが形成されており、表面には抽象図、裏面には関心を持たせるイラストが形成されており、教える対象者に応じて教え易いものを選択して使用できるようになっている請求項1に記載の算数教育用教具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
前記第一の収納手段乃至第Nの収納手段は表面が中の表示板が見えない素材で形成されており、且つ裏面は中身の表示板が見える透明の素材または中身が見えない不透明な素材で形成され、教える子どもの必要性に応じて、表示板が収納手段の中に収納されたとき、収納手段の裏面からは収納手段の中の表示板に形成されたマークが目で見て確認できるものと確認できないものとを選択して使用できるようになっている請求項1または請求項2に記載の算数教育用教具。