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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080256
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】移動式簡易住宅
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/343 20060101AFI20220520BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
E04B1/343 Q
E04H1/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132739
(22)【出願日】2021-08-17
(62)【分割の表示】P 2020191137の分割
【原出願日】2020-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】520451337
【氏名又は名称】株式会社勢和
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 和昭
(57)【要約】
【課題】移動式簡易住宅において、容易に移動可能で設置の自由度を高くしつつも、外部環境からの影響を抑制可能な生活空間を可及的に広く確保する。
【解決手段】本開示の移動式簡易住宅は、壁部、屋根部、及び床部を含んだ略直方体形状の本体が所定の設置場所へ移動可能に構成され、複数の該本体を組み合わせて形成される移動式簡易住宅である。この移動式簡易住宅において、本体は、壁部を構成する一対の長辺側側面と一対の短辺側側面のうちの該短辺側側面の少なくとも一方に設けられた扉部と、長辺側側面の少なくとも一方に設けられ、ユーザが通り抜け可能に構成された開口部と、を備える。そして、開口部には、その周縁における少なくとも屋根部の側を含んで構成された枠組が形成され、枠組の周囲の壁部には、本体同士を接続する締結構造が設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁部、屋根部、及び床部を含んだ略直方体形状の本体が所定の設置場所へ移動可能に構成され、複数の該本体を組み合わせて形成される移動式簡易住宅であって、
前記本体は、
前記壁部を構成する一対の長辺側側面と一対の短辺側側面のうちの該短辺側側面の少なくとも一方に設けられた扉部と、前記長辺側側面の少なくとも一方に設けられ、ユーザが通り抜け可能に構成された開口部と、を備え、
前記開口部には、その周縁における少なくとも前記屋根部の側を含んで構成された枠組が形成され、
前記枠組の周囲の前記壁部には、前記本体同士を接続する締結構造が設けられる、
移動式簡易住宅。
【請求項2】
前記枠組は、前記開口部の周縁を含んで構成されたロの字状の四方枠であって、
前記締結構造は、少なくとも前記四方枠の前記屋根部の側の2つの角部の周囲を含んだ複数の締結位置に設けられ、
前記本体の外側における前記壁部である外壁において、前記開口部の周囲には、前記本体同士が接続された状態で生じる隙間を埋める被覆構造が設けられる、
請求項1に記載の移動式簡易住宅。
【請求項3】
前記壁部は、
前記本体の外側における前記壁部である外壁から内側に向かって、鉄板、ポリウレタン樹脂、及び石膏ボードを含んで構成され、
前記外壁に遮熱塗装が施される、
請求項1又は請求項2に記載の移動式簡易住宅。
【請求項4】
前記本体の内側における前記壁部である内壁と、前記本体の内側における前記床部である床面とが、繊維強化プラスチックにより形成される、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の移動式簡易住宅。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の移動式本体を組み合わせて形成される移動式簡易住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
被災地などの一時的に人が集まり、宿泊施設が不足する場所等においては、簡易住宅の需要があり、プレハブ式住宅が一般的に利用されていた。しかしながら、プレハブ式住宅の場合は不動産であって、その場所に固定されてしまうものであり、その設置と撤去を簡単に行うことはできないものであった。そこで、近年、建築申請が不要で設置の自由度が高い、移動式簡易住宅の需要が高まっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、生活に必要な部材を効率良く設置したコンテナ簡易ハウスが開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、幅の狭い一方の側壁側にドア、幅の狭い他方の側壁側に浴槽、トイレ及び流し台を設け、幅の広い側壁側に沿ってベッドを設けることで、限られたコンテナの内部にベッド、浴槽、トイレ等の生活に必要な部材を効率良く設置することができる。
【0004】
また、特許文献2には、簡易な構成でありながら、設置後でも外観を変化させることが可能なトレーラーハウス、及び、このトレーラーハウスを複数用いてなる連結トレーラーハウス群が開示されている。特許文献2に記載の連結トレーラーハウス群は、トレーラーハウスを2つ以上組み合わせ、開いた床部同士を連結することによって形成された通路を有し、例えば、ホテル又は複数の部屋がある家屋のように使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6-67701号公報
【特許文献2】特開2018-16223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来から知られている移動式簡易住宅では、限られた空間内にベッド、浴槽、トイレ等の生活に必要な部材を設置する必要があり、その結果、生活空間に余裕をもたせることが困難であった。そこで、移動式簡易住宅を構成するコンテナやトレーラーハウスを大きくすることが考えられるが、そうすると、設置場所までの移動が困難となったり、設置の自由度が低下するという問題があった。
【0007】
一方、例えば、特許文献2に記載の連結トレーラーハウス群によれば、開いた床部同士を連結することによって通路を形成し、複数の部屋がある家屋のように使用することができる。しかしながら、これらの空間を往来可能にする床部は車外に突出したものであって、特許文献2に記載のトレーラーハウスを複数連結したとしても、風雨等の外部環境から影響を受けることを抑制できる一つの閉じた空間を形成することができない。
【0008】
本開示の目的は、移動式簡易住宅において、容易に移動可能で設置の自由度を高くしつつも、外部環境からの影響を抑制可能な生活空間を可及的に広く確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の移動式簡易住宅は、壁部、屋根部、及び床部を含んだ略直方体形状の本体が所定の設置場所へ移動可能に構成され、複数の該本体を組み合わせて形成される移動式簡易住宅である。この移動式簡易住宅において、前記本体は、前記壁部を構成する一対の長辺側側面と一対の短辺側側面のうちの該短辺側側面の少なくとも一方に設けられた扉部と、前記長辺側側面の少なくとも一方に設けられ、ユーザが通り抜け可能に構成された開口部と、を備える。そして、前記開口部には、その周縁における少なくとも前記屋根部の側を含んで構成された枠組が形成され、前記枠組の周囲の前記壁部には、前記本体同士を接続する締結構造が設けられる。
【0010】
ここで、扉部が設けられる本体には、周知の貨物輸送用コンテナ等を用いることができ、牽引車や積載車によって移動可能に構成されることで、被災地等の所定の場所に設置され得る。そして、上記の構成によると、ユーザが開口部を介して移動式簡易住宅間を通り抜け可能になることで、外部環境からの影響を抑制可能な生活空間を可及的に広く確保することができる。しかしながら、移動式簡易住宅の複数の本体の各開口部が重なり合うように設置されるのみでは、この重なり合う開口部に生じる隙間から生活空間に風雨等が侵入してしまう虞がある。そこで、本開示に係る移動式簡易住宅によれば、上述した枠組と締結構造とが設けられることで、重なり合う開口部に生じ得る隙間が可及的に小さくされる。したがって、生活空間に風雨等が侵入してしまう事態が可及的に抑制される。
【0011】
なお、本開示の移動式簡易住宅では、上記の構成において、前記枠組は、前記開口部の周縁を含んで構成されたロの字状の四方枠であって、前記締結構造は、少なくとも前記四方枠の前記屋根部の側の2つの角部の周囲を含んだ複数の締結位置に設けられ、前記本体の外側における前記壁部である外壁において、前記開口部の周囲には、前記本体同士が接続された状態で生じる隙間を埋める被覆構造が設けられてもよい。ロ
【0012】
また、本開示の移動式簡易住宅では、上記の構成において、前記壁部は、前記本体の外側における前記壁部である外壁から内側に向かって、鉄板、ポリウレタン樹脂、及び石膏ボードを含んで構成され、前記外壁に遮熱塗装が施されてもよい。更に、前記本体の内側における前記壁部である内壁と、前記本体の内側における前記床部である床面とが、繊維強化プラスチックにより形成されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、移動式簡易住宅において、容易に移動可能で設置の自由度を高くしつつも、外部環境からの影響を抑制可能な生活空間を可及的に広く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態における移動式簡易住宅の概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態における締結構造を説明するための図である。
図3】第1実施形態における断熱構造を説明するための図である。
図4】第2実施形態における移動式簡易住宅の概略構成を示す図である。
図5】移動式簡易住宅の内部構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0016】
<第1実施形態>
第1実施形態における移動式簡易住宅の概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における移動式簡易住宅の概略構成を示す図である。本実施形態に係る移動式簡易住宅100は、移動式簡易住宅100aと移動式簡易住宅100bとが接続されている。なお、本開示の移動式簡易住宅の構成について、移動式簡易住宅100aを例にして以下に説明する。また、本開示の移動式簡易住宅は、後述する本体が牽引車や積載車によって移動可能に構成され、所定の場所に設置される。ここで、移動式簡易住宅の所定の設置場所とは、例えば、被災地等である。
【0017】
移動式簡易住宅100aは、壁部11a、屋根部12a、及び床部13aを含んだ略直方体形状の本体10aにより構成される。そして、本体10aは、該本体10a内へのアクセスを可能とする扉部14aと、ユーザが移動式簡易住宅間を通り抜け可能に構成された開口部15aと、を備える。ここで、扉部14aは、壁部11aを構成する一対の長辺側側面と一対の短辺側側面のうちの該短辺側側面の一方に設けられる。そして、このように扉部14aが設けられる本体10aには、周知の貨物輸送用コンテナ等を用いることができる。なお、図1には、扉部14aが壁部11aの短辺側側面の一方に設けられる例を示すが、扉部14aは、壁部11aの短辺側側面の両方に設けられてもよい。
【0018】
開口部15aは、図1(b)に示すように、壁部11aの長辺側側面の一方に設けられた開口である。移動式簡易住宅100aと同様に移動式簡易住宅100bにも開口部15bが設けられており、開口部15aと開口部15bとが重なり合うように移動式簡易住宅100aおよび移動式簡易住宅100bが設置されることで、ユーザが移動式簡易住宅間を通り抜け可能になる。なお、開口部15aの説明のため、図1(b)には、屋根部12aを省略した移動式簡易住宅100aを示している。また、図1には、開口部15aが壁部11aの長辺側側面の一方に設けられる例を示すが、開口部15aは、壁部11aの長辺側側面の両方に設けられてもよい。そして、開口部15aには、その周縁に後述する枠組16aが形成され、枠組16aの周囲の壁部11aには、移動式簡易住宅100aの本体10aと移動式簡易住宅100bの本体10bとを接続する締結構造17aが設けられる。
【0019】
ここで、図1(c)に、移動式簡易住宅100の内部構造の一例を示す。図1(c)に示す移動式簡易住宅100は、移動式簡易住宅100aの内部にキッチン、ユニットバス、手洗い場を備える。一方、移動式簡易住宅100bの内部には何も備えられておらず、広いスペースが確保されている。つまり、このように構成される移動式簡易住宅100によれば、ユーザの生活空間に余裕をもたせることができる。更に、上述したように、開口部15aと開口部15bとが重なり合うように移動式簡易住宅100aおよび移動式簡易住宅100bが設置されることで、ユーザが移動式簡易住宅間を通り抜け可能になる。そうすると、風雨等の外部環境から影響を受けることを抑制できる一つの閉じた空間を形成することができ、以て、外部環境からの影響を抑制可能な生活空間を可及的に広く確保することができる。なお、このような移動式簡易住宅を形成する各本体が、牽引車や積載車によって移動可能に構成されることで、容易な移動と高い設置の自由度が実現される。
【0020】
そして、移動式簡易住宅の本体に周知の貨物輸送用コンテナ等が用いられる場合には、その内部に床材や壁材が設けられてもよい。例えば、移動式簡易住宅100aの壁部11aの室内側、即ち本体10aの内壁には、石膏ボードが配置され該石膏ボードの室内側の面にクロスが貼付されてもよい。
【0021】
また、図1(c)に示す移動式簡易住宅100によれば、移動式簡易住宅100aのエントランスの横に手洗い場が備えられている。これによれば、移動式簡易住宅100のユーザは、生活空間に入る前に手洗いやうがいを行うことができる。そうすると、ユーザの手や喉に付着していたウイルス等を洗い流すことができ、ウイルス等が移動式簡易住宅100の生活空間に拡散してしまう事態が可及的に抑制される。つまり、移動式簡易住宅100の生活空間がより衛生的に保たれることになる。
【0022】
以上に述べたように、本開示の移動式簡易住宅によれば、ユーザが開口部を介して移動式簡易住宅間を通り抜け可能になることで、外部環境からの影響を抑制可能な生活空間を可及的に広く確保することができる。しかしながら、開口部15aと開口部15bとが重なり合うように移動式簡易住宅100aおよび移動式簡易住宅100bが設置されるのみでは、この重なり合う開口部に生じる隙間から生活空間に風雨等が侵入してしまう虞がある。
【0023】
そこで、本実施形態に係る移動式簡易住宅100aでは、開口部15aの周縁に枠組16aが形成される。そして、枠組16aの周囲の壁部11aには、移動式簡易住宅100aの本体10aと移動式簡易住宅100bの本体10bとを接続する締結構造17aが設けられる。これについて、図2に基づいて説明する。
【0024】
図2は、本実施形態における締結構造を説明するための図である。本実施形態では、図2(a)に示すように、枠組16aは、開口部15aの周縁を含んで構成されたロの字状の四方枠である。そして、締結構造17aが、この四方枠の屋根部12aの側の2つの角部と床部13aの側の2つの角部との周囲を含んだ複数の締結位置に設けられる。なお、図2(a)に示すような四方枠が用いられることで、移動式簡易住宅100aの生活空間の気密性の観点で好適であるが、これに限定する意図はなく、例えば、開口部15aの周縁における床部13aの側以外を含んで構成される三方枠が用いられてもよい。この場合、例えば、開口部15aに合わせて移動式簡易住宅100a内の床を上げることで、床に枠による段差が生じないためバリアフリーが実現される。また、図2(a)には、移動式簡易住宅100aの例を示すが、移動式簡易住宅100bにも同様に枠組16bおよび締結構造17bが設けられる。
【0025】
また、図2(b)は、図2(a)のA―A断面を表す図である。図2(b)に示される締結構造によると、移動式簡易住宅100aの壁部11aおよび移動式簡易住宅100bの壁部11bには、略正方形の開口が形成されていて各開口に角パイプ部材171aおよび角パイプ部材171bが配置されている。そして、角パイプ部材171bには、締結ナット173b(例えばM12ナット)が溶接されていて、角パイプ部材171a側から挿入される締結ボルト172a(例えばM12ボルト)と係合することにより、移動式簡易住宅100aの本体10aと移動式簡易住宅100bの本体10bとが締結されることになる。このようにして、移動式簡易住宅100aの本体10aと移動式簡易住宅100bの本体10bとが接続されると、重なり合う開口部15aと開口部15bとの間に生じ得る隙間が可及的に小さくされる。したがって、生活空間に風雨等が侵入してしまう事態が可及的に抑制される。なお、図2(b)に示される締結構造が室内から見えないようにするために、上記の略正方形の開口の室内側には化粧板が貼付されてもよい。
【0026】
また、本体10aの外側における壁部11aである外壁において、開口部15aの周囲には、本体同士が接続された状態で生じる隙間を埋める被覆構造が設けられてもよい。例えば、図2(b)に示すように、壁部11aと壁部11bとの間において、屋根部12aの側にはゴムパッキン21が挟み込まれてもよい。更に、壁部11aと壁部11bとの間において、床部13aの側にはコーキング剤が塗布されてもよい。このような被覆構造によって隙間が埋められることで、生活空間に風雨等が侵入してしまう事態をより好適に抑制することができる。
【0027】
以上に述べた移動式簡易住宅100によれば、容易に移動可能で設置の自由度を高くしつつも、外部環境からの影響を抑制可能な生活空間を可及的に広く確保することができる。
【0028】
なお、上記の図2には、枠組16aが、開口部15aの周縁を含んで構成されたロの字状の四方枠である例を示したが、これに限定する意図はなく、枠組16aは、開口部15aの周縁における少なくとも屋根部12aの側を含んで構成されればよい。そして、この場合、締結構造17aは、屋根部12aの側に設けられた枠組16aの周囲を含んだ締結位置に設けられる。これによれば、重なり合う開口部15aと開口部15bとの間に生じ得る隙間のうち屋根部12aの側に生じ得る隙間が可及的に小さくされるため、屋根部12aからの雨が落下してこれら開口部から生活空間に侵入してしまう事態が可及的に抑制される。
【0029】
また、本開示の移動式簡易住宅は、断熱構造を備えていてもよい。これについて、図3に基づいて説明する。図3は、本実施形態における断熱構造を説明するための図である。本実施形態における壁部11aは、図3に示すように、室外側の外壁から室内側に向かって、鉄板111a、ポリウレタン樹脂112a、支柱113a、および石膏ボード114aを含んで構成される。そして、外壁(鉄板111a)に遮熱塗装が施される。このように、壁部11aがポリウレタン樹脂112aや遮熱塗装を含んで構成されることによって、室内を室外から可及的に断熱することができる。これにより、ユーザは、生活空間でより快適に過ごすことができる。なお、移動式簡易住宅100の内部構造には、エアコンや換気システムが備えられてもよい。また、上述したように、石膏ボード114aの室内側の面にクロスが貼付されてもよい。
【0030】
<第2実施形態>
第2実施形態における移動式簡易住宅について、図4に基づいて説明する。図4は、本実施形態における移動式簡易住宅の概略構成を示す図である。本実施形態の移動式簡易住宅100では、移動式簡易住宅100aと移動式簡易住宅100bと移動式簡易住宅100cとが、コの字型に設置されている。
【0031】
詳しくは、図4に示すように、移動式簡易住宅100aの開口部15aと移動式簡易住宅100cの開口部15cとが向かい合うように、移動式簡易住宅100aおよび移動式簡易住宅100cが設置される。そして、これらの間のスペースに開口部15bが対面するように、移動式簡易住宅100bが設置される。ここで、上述したように、本開示の移動式簡易住宅によれば、壁部の長辺側側面にユーザが通り抜け可能な開口部が設けられる。そのため、図4に示すように移動式簡易住宅100が設置されると、ユーザは、上記のスペースを含めて生活空間を広く確保することができる。なお、好ましくは、天候が良好な場合にこのような配置にされる。
【0032】
<その他の変形例>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。上記の実施形態では、移動式簡易住宅100aの本体10aの壁部11aにおいて、室内側に石膏ボード114aが設けられその表面にクロスが貼付される例について説明したが、本体10aの内側における壁部11aである内壁と、本体10aの内側における床部13aである床面とが、繊維強化プラスチック(FRP)により形成されてもよい。
【0033】
ここで、図5は、移動式簡易住宅100の内部構造の一例を示す第2の図である。図5に示す移動式簡易住宅100では、移動式簡易住宅100cの内部にペット用ケージが備えられている。そして、このようにペット用ケージが備えられた移動式簡易住宅100cは、ペット用のスペースとして用いられる。ここで、仮に、移動式簡易住宅100cの本体10cの壁部11cにおいて、室内側に石膏ボード114cが設けられその表面にクロスが貼付されると、ペットによってクロスが傷つけられてしまう虞がある。また、ユーザは水洗い可能なペット用のスペースを望むことがあるが、室内側に石膏ボード114cが設けられた構成ではそれが困難となる。そこで、上述したように、内壁と床面とが、繊維強化プラスチック(FRP)により形成されてもよい。これによると、傷つきにくく水洗い可能なペット用のスペースを実現することができる。また、繊維強化プラスチック(FRP)は、軽量でありながら強度と剛性が高いため、容易に移動可能で設置の自由度を高くしつつも、衝撃や変形等に強い移動式簡易住宅を実現することができる。
【符号の説明】
【0034】
10a・・・本体
11a・・・壁部
12a・・・屋根部
13a・・・床部
14a・・・扉部
15a・・・開口部
16a・・・枠組
17a・・・締結構造
100・・・移動式簡易住宅
図1
図2
図3
図4
図5