(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080267
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】電磁加熱のための非燃焼加熱式タバコ用巻紙及びその製造方法と使用
(51)【国際特許分類】
D21H 27/00 20060101AFI20220520BHJP
D21H 17/67 20060101ALI20220520BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20220520BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20220520BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20220520BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20220520BHJP
【FI】
D21H27/00 D
D21H17/67
A24D1/02
A24D1/20
A24F40/20
A24F40/465
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021155874
(22)【出願日】2021-09-24
(31)【優先権主張番号】202011289416.1
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517283640
【氏名又は名称】雲南中煙工業有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】何沛
(72)【発明者】
【氏名】司暁喜
(72)【発明者】
【氏名】劉春波
(72)【発明者】
【氏名】楊晨
(72)【発明者】
【氏名】向能軍
(72)【発明者】
【氏名】唐石云
(72)【発明者】
【氏名】張鳳梅
(72)【発明者】
【氏名】李振杰
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
4L055
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA50
4B045AB14
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC14
4L055AG04
4L055AG10
4L055AG34
4L055AG44
4L055AH01
4L055AH13
4L055AH33
4L055AH50
4L055BE08
4L055EA16
4L055EA32
4L055FA11
4L055GA50
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電磁加熱に使用される場合に、通常の電磁加熱式の非燃焼加熱式タバコの回避不可能な金属臭の影響を大幅に減少させ、タバコの官能品質を向上させることができるタバコ用巻紙を提供する。
【解決手段】巻紙は、その中に分散されている強磁性粉末を含み、巻紙の表面にゲル膜が塗布されている。本発明の巻紙は、周方向加熱式の非燃焼加熱式タバコの製造に使用されると、従来のタバコに比べて、周方向抵抗加熱方式でも周方向電磁加熱方式でも、煙量が著しく増加され、満足感が上昇し、混在臭が低減される。特に、本発明の巻紙で製造されたタバコは、周方向加熱式喫煙具に使用される場合に、ゲル膜の存在が原因で、巻紙の焦げ臭が大幅に低減される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁加熱のための非燃焼加熱式タバコ用巻紙であって、その中に分散されている強磁性粉末を含み、前記巻紙の表面にゲル膜が塗布されている、ことを特徴とする、巻紙。
【請求項2】
前記巻紙の両面にゲル膜が塗布されているか、又は前記巻紙のタバコ材料と接触する面のみにゲル膜が塗布されている、ことを特徴とする、請求項1に記載の巻紙。
【請求項3】
前記巻紙は、その中に分散されているステアリン酸ナトリウム及び無機充填材をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の巻紙。
【請求項4】
前記強磁性粉末の粒径が0.5~1.5μmであることを特徴とする、請求項1に記載の巻紙。
【請求項5】
前記巻紙において、前記強磁性粉末の質量:前記強磁性粉末と無機充填材との合計質量=0.1~0.2であることを特徴とする、請求項1に記載の巻紙。
【請求項6】
前記巻紙において、ステアリン酸ナトリウムの含有量が、前記強磁性粉末の質量の5~10%であることを特徴とする、請求項1に記載の巻紙。
【請求項7】
前記ゲル膜がアルギン酸ナトリウム膜であることを特徴とする、請求項1に記載の巻紙。
【請求項8】
巻紙の製造プロセスにおいて、無機充填材の一部を強磁性粉末に代え、ステアリン酸ナトリウムを分散剤として添加し、通常の巻紙の製造法により巻紙を製造した後、その表面にゲル膜を塗布する、ことを特徴とする、請求項3に記載の巻紙の製造方法。
【請求項9】
電気加熱式タバコの吸引時において巻紙の焦げ臭及び金属臭が発生することを防止するための、請求項1に記載の巻紙の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非燃焼加熱式タバコの技術分野に属し、特に電磁加熱のための非燃焼加熱式タバコ用巻紙及びその製造方法と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
生活水準の向上に伴い、人々が自身の健康をますます重視するようになり、近年、喫煙による健康問題に大きな関心が寄せられている。国内外の各大手企業は、多様な消費ニーズを満たすために、従来の紙巻きタバコに代わる完全中空型タバコ製品の開発を盛んに行っている。これらの増加しつつある完全中空型タバコ製品のうち、電子タバコ及び非燃焼加熱式タバコはその主流である。
【0003】
電子タバコは、電子製品のタバコ業界における拡大使用として、香喫味の可変性が高く、リキッドの成分を調整することで煙の香喫味を任意に調整することができるという利点を有するが、煙が主に電子霧化器により生成されるため、その口当たり、特に温度は、加熱により煙を発生させる従来の紙巻きタバコとは依然としてある程度の差があるので、紙巻きタバコ喫煙者に受け入れられにくい。
【0004】
非燃焼加熱式タバコは、タバコシートに担持された担持香料を加熱して煙を発生させ、発煙原理が従来の紙巻きタバコと類似するため、煙の口当たりが受け入れられやすい。現在市販されている非燃焼加熱式タバコは、加熱位置の点から、IQOSなどの中央加熱式と、GLOなどの周方向加熱式との2つに大別されるが、この2つの加熱式タバコは、いくつかの欠陥があるため、製造や喫煙の際に一連の問題が発生してしまう。
(1)中央加熱式タバコは、ヒーターが挿入されるため、霧化煙を生成する基材(通常、再構成タバコ葉)がタバコの径方向に沿って規則的に配列される必要があり、最も典型的なのはフィリップモリス社のIQOS製品である。さらに、基材の後端には、ヒーターが挿入される際に基材部が後方へ移動することを防止するために、支持部(通常、中空の管状物)を設ける必要がある;
(2)周方向加熱式タバコは、中央加熱式タバコの上記欠陥を回避することができるが、加熱源がタバコ巻紙と接触するため、タバコ巻紙の焦げ臭が強くなる;
(3)2つの加熱方式には、両方とも抵抗線加熱方式を採用し、この方式の電力利用率が50%未満であるため、大容量のバッテリーを必要とするという欠陥がある。
【0005】
現在、電磁加熱方式を用いた喫煙具やタバコが出回っており、強磁性物質は、喫煙具の加熱室内に設けられた金属管であるか、又は、タバコの煙草部内に直接設けられ、電磁誘導の原理により発熱させる。しかしながら、このプロセスにおいて、強磁性物質が金属臭を発生させ、強磁性物質が吸引通路と連通するので、最終的に発生した煙に強い金属臭がしてしまい、喫煙者の喫煙体験に悪影響を与える。
【発明の概要】
【0006】
上記問題点のうち少なくとも1つを解消するために、本発明を提出する。
【0007】
本発明は、周方向加熱式タバコに対して、中央加熱式タバコの設計欠陥を回避するとともに、巻紙の焦げ臭を減少させ、電力利用率を向上させることができる電磁加熱のための巻紙を提出する。特に、電磁加熱方式に特有の望ましくない金属臭が除去される。
【0008】
本発明は、分散されている強磁性粉末を含み、表面にゲル膜が塗布されている電磁加熱のための非燃焼加熱式タバコ用巻紙を提供する。
【0009】
好ましくは、巻紙の両面にゲル膜が塗布されているか、又は巻紙のタバコ材料と接触する面のみにゲル膜が塗布されている。
【0010】
好ましくは、巻紙は、分散されているステアリン酸ナトリウム及び無機充填材をさらに含む。
無機充填材が炭酸カルシウム粉末から選ばれてもよい。
【0011】
ゲル膜が、アルギン酸塩膜、ゼラチン膜、ポリエチレングリコール膜、キトサン膜から選ばれてもよい。例えば、アルギン酸ナトリウム膜は、安全性が高く、特に食品グレードのアルギン酸ナトリウムが食用可能である。
【0012】
好ましくは、強磁性粉末の粒径が0.5~1.5μmである。強磁性粉末が鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉から選ばれてもよい。
より好ましい実施形態において、ミクロン鉄粉の粒径が平均で約1μmであり、許容差が±500nmである。この範囲のミクロン鉄粉は、ナノ鉄粉の高活性を備えないので、生産プロセスの安定性を確保するのに有利であり、また、炭酸カルシウムと均一に混合できるので、巻紙の品質を確保することができる。
【0013】
好ましくは、巻紙において、強磁性粉末の質量:強磁性粉末と炭酸カルシウム粉末との合計質量=0.1~0.2である。
【0014】
好ましくは、巻紙において、ステアリン酸ナトリウムの含有量が、強磁性粉末の質量の5~10%である。ステアリン酸ナトリウムは主に分散剤として使用され、強磁性粉末と無機充填材との凝集を防止し、紙の均一性を確保し、この限られた添加量により、該巻紙で製造された非燃焼加熱式タバコに強い混在臭がないことを確保することができる。
【0015】
好ましくは、アルギン酸ナトリウム膜に用いられるアルギン酸ナトリウムの粘度が650cpsである。
【0016】
アルギン酸ナトリウム膜などのゲル膜の塗布方法としては、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等を採用することができ、表面(製造時の上を向く面)に塗布することもできるし、両面に塗布することもできるが、フレキソ印刷及び両面塗布が好ましく、片面の塗布量がアルギン酸ナトリウム3~5g/m2であることが好ましい。フレキソ印刷方式を低粘度のアルギン酸ナトリウムと合わせて使用することで、塗布膜をより薄くし、伝熱ロスを減少させることができるとともに、電磁加熱のプロセスにおいて発生する巻紙の焦げ臭、金属臭などの望ましくない匂いを抑制することができる。
【0017】
本発明のゲル膜が巻紙の焦げ臭を抑制できる理由は、電磁加熱のプロセスにおいて、ゲル膜が加熱され溶融して巻紙を降温させる役割を果たすからであると考えられ、また、巻紙が加熱され焦げてしまっても、その表面のゲル膜が焦げ臭を気流通路に漏れることなく遮断することができる。本発明のゲル膜が金属臭を抑制できる理由は、ゲル膜が巻紙内の強磁性物質が電磁誘導により放出する金属臭を気流通路に漏れることなく遮断するからであると考えられる。したがって、好ましくは、巻紙の両面にゲル膜が塗布されている。
【0018】
ゲル膜の別の役割は、巻紙内の強磁性物質の酸化を遅らせることである。
【0019】
本発明の第2態様は、巻紙の製造プロセスにおいて、巻紙の設計坪量に基づいて、無機充填材の一部を強磁性粉末に代えて、ステアリン酸ナトリウムを分散剤として添加し、通常の巻紙の製造方法により巻紙を製造した後、その表面にゲル膜を塗布する本発明の第1態様に記載の巻紙の製造方法を提供する。
【0020】
本発明の第3態様は、第1態様に記載の巻紙の、電気加熱式タバコの吸引時における巻紙の焦げ臭及び金属臭を防止するための使用を提供する。上述した電気加熱式は、電磁加熱式や抵抗加熱式などを備える。
第1態様に記載の巻紙は、特に、電磁加熱式タバコの吸引時における巻紙の焦げ臭及び金属臭を防止するために使用できる。
【0021】
該巻紙を使用して非燃焼加熱式タバコを巻装する場合に、表面(製造時の上を向く面)を刻みタバコと接触させる。表面の炭酸カルシウムの付着量が裏面よりも著しく多いため、熱伝達に有利であり、熱損失が低減される。
【0022】
上記の技術的手段は、矛盾しないことを前提として自由に組み合わせてもよい。
【0023】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。
1、本発明の巻紙は、周方向加熱式の非燃焼加熱式タバコの製造に使用されると、従来のタバコに比べて、周方向抵抗加熱方式でも周方向電磁加熱方式でも、煙量が著しく増加され、満足感が上昇し、混在臭が低減される。煙量が増加される理由は、本発明の加熱源が巻紙に分散されている強磁性粉末であり、発煙物質との接触が密であり、加熱室に金属管を内蔵する加熱方式よりも、本発明の熱伝達効果が高く、電気エネルギーの変換効率が高いからであると考えられる。
特に、本発明の巻紙で製造されたタバコは、周方向加熱式喫煙具に使用される場合に、ゲル膜の存在が原因で、巻紙の焦げ臭が大幅に低減される。本発明の巻紙で製造されたタバコは、電磁加熱に使用される場合に、通常の電磁加熱式タバコの回避不可能な金属臭の影響を大幅に減少させ、タバコの官能品質を向上させることができる。
2、本発明に係る巻紙は、電磁加熱式喫煙具に使用でき、電気エネルギーの変換効率を50%未満から95%以上(理論値)に向上させ、電気エネルギーの利用率を向上させ、喫煙具設計におけるバッテリーの大きさの制限を緩和した。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、具体的な実施形態により本発明を詳細に説明する。
【0025】
実施例1
従来の巻紙の製造プロセスは、叩解後のパルプに炭酸カルシウムを混合して抄紙し、乾燥してサイジングを行い、助燃剤を加えて二次乾燥を行い、その後巻き取り、巻き戻し、分断して所望の巻紙を得るというものである。原料の添加量及びサイズ剤の塗布量によって、巻紙の異なるパラメータを制御することができ、一般的に注目されるパラメータは主に巻紙の坪量及び通気度である。比較を容易にするために、本発明の全ての実施例に使用される比較用巻紙原紙(鉄粉を加えず、アルギン酸ナトリウム膜を塗布せず)のパラメータは、坪量が32g/m2であり、通気度が70CUである。
電磁加熱のための非燃焼加熱式タバコ用巻紙は、上述した従来の巻紙の製造プロセスにおいて、本実施例1では、元の炭酸カルシウムの使用量の10%に代えてミクロン鉄粉を添加し、ミクロン鉄粉の粒径が平均で約1μmであり、許容差が±500nmであり、ステアリン酸ナトリウムを分散剤として添加し、ステアリン酸ナトリウムの添加量がミクロン鉄粉の添加量の5%であり、通常の巻紙の製造方法により巻紙を製造した後、その表面にアルギン酸ナトリウム膜を塗布した。
塗布方法は、アルギン酸ナトリウムに水を加えて撹拌して塗布用のゲル状物質を得、塗布に用いられるアルギン酸ナトリウムの粘度が650cpsであり、スクリーン印刷によりアルギン酸ナトリウム3g/m2の塗布量で表面に塗布し、乾燥してアルギン酸ナトリウム膜を得た。
該巻紙を使用して非燃焼加熱式タバコを巻装する場合に、表面(製造時の上を向く面)を刻みタバコと接触させた。製造されたタバコをタバコサンプル1とした。
【0026】
実施例2
電磁加熱のための非燃焼加熱式タバコ用巻紙は、本実施例2では、炭酸カルシウムの使用量の20%に代えてミクロン鉄粉を添加し、ミクロン鉄粉の粒径が平均で約1μmであり、許容差が±500nmであり、ステアリン酸ナトリウムの添加量がミクロン鉄粉の添加量の10%であり、アルギン酸ナトリウムの粘度が650cpsであり、スクリーン印刷によりアルギン酸ナトリウム5g/m2の塗布量で両面に塗布したこと以外は、実施例1と同様である。
該巻紙を使用して非燃焼加熱式タバコを巻装する場合に、表面を刻みタバコと接触させた。製造されたタバコをタバコサンプル2とした。
【0027】
実施例3
電磁加熱のための非燃焼加熱式タバコ用巻紙は、本実施例3では、炭酸カルシウムの使用量の15%に代えてミクロン鉄粉を添加し、ミクロン鉄粉の粒径が平均で約1μmであり、許容差が±500nmであり、ステアリン酸ナトリウムの添加量がミクロン鉄粉の添加量の7%であり、アルギン酸ナトリウムの粘度が650cpsであり、スクリーン印刷によりアルギン酸ナトリウム4g/m2の塗布量で両面に塗布したこと以外は、実施例1と同様である。
該巻紙を使用して非燃焼加熱式タバコを巻装する場合に、表面を刻みタバコと接触させた。製造されたタバコをタバコサンプル3とした。
【0028】
実施例4
電磁加熱のための非燃焼加熱式タバコ用巻紙は、本実施例4では、炭酸カルシウムの使用量の12%に代えてミクロン鉄粉を添加し、ミクロン鉄粉の粒径が平均で約1μmであり、許容差が±500nmであり、ステアリン酸ナトリウムの添加量がミクロン鉄粉の添加量の7%であり、アルギン酸ナトリウムの粘度が650cpsであり、スクリーン印刷によりアルギン酸ナトリウム3.5g/m2の塗布量で両面に塗布したこと以外は、実施例1と同様である。
該巻紙を使用して非燃焼加熱式タバコを巻装する場合に、表面を刻みタバコと接触させた。製造されたタバコをタバコサンプル4とした。
【0029】
実施例5
電磁加熱のための非燃焼加熱式タバコ用巻紙は、本実施例5では、炭酸カルシウムの使用量の17%に代えてミクロン鉄粉を添加し、ミクロン鉄粉の粒径が平均で約1μmであり、許容差が±500nmであり、ステアリン酸ナトリウムの添加量がミクロン鉄粉の添加量の9%であり、アルギン酸ナトリウムの粘度が650cpsであり、スクリーン印刷によりアルギン酸ナトリウム4.5g/m2の塗布量で両面に塗布したこと以外は、実施例1と同様である。
該巻紙を使用して非燃焼加熱式タバコを巻装する場合に、表面を刻みタバコと接触させた。製造されたタバコをタバコサンプル5とした。
【0030】
実施例6
実施例1に記載された従来の巻紙の製造方法を用いて製造された巻紙で製造されたタバコを比較サンプルとし、比較サンプルの巻紙の坪量は、タバコサンプル1~4の巻紙の坪量と同じである。比較サンプルは、巻紙を除き、刻みタバコ、フィルターなどの他の指標がタバコサンプル1~4と同じである。
【0031】
比較サンプル、タバコサンプル1、タバコサンプル2、タバコサンプル3、タバコサンプル4及びタバコサンプル5をそれぞれ寸法が合致した周方向抵抗加熱式喫煙具及び周方向電磁加熱式喫煙具に挿入して吸引した(注:比較サンプルに使用された周方向電磁加熱式喫煙具は金属管壁を有する;タバコサンプル1、タバコサンプル2、タバコサンプル3、タバコサンプル4及びタバコサンプル5に使用された周方向電磁加熱式喫煙具は金属管壁を有しない;2種の電磁加熱式喫煙具のバッテリーの容量が同じである)。
【0032】
表1 異なるタバコサンプルの周方向抵抗加熱式喫煙具における官能評価結果
【0033】
表2 異なるタバコサンプルの周方向電磁加熱式喫煙具における官能評価結果
【0034】
『官能技術要求』(GB5606.4-2005)国家標準に基づいて、複数名の官能評価者は、主にタバコの煙量、バッテリーの満充電状態で吸引可能なタバコの本数及び煙中の混在臭状況についてタバコを官能評価し、煙量の点数が0~10点であり、点数が高いほど、煙量が多くなることを示す。6つの異なるタバコサンプルの官能評価結果は表1及び表2に示した。
【0035】
表1及び表2からわかるように、本発明の巻紙は、周方向加熱式の非燃焼加熱式タバコの製造に使用されると、従来のタバコに比べて、どの加熱方式でも、煙量が著しく増加され、満足感が上昇し、混在臭が低減される。特に、電磁加熱式喫煙具に使用される場合に、煙量の増加がさらに著しく、巻紙の焦げ臭及び金属臭がほとんどない。
【0036】
以上は、本発明の具体的な実施形態のみであるが、本発明の保護範囲はこれらに限定されるものではなく、当業者が本発明に開示された技術的範囲内で容易に想到できる任意の変更又は置換は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準じるべきである。
【外国語明細書】