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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080281
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】加湿装置用積層ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20220520BHJP
   F24F 6/00 20060101ALI20220520BHJP
   B01D 53/22 20060101ALI20220520BHJP
   B01D 63/08 20060101ALI20220520BHJP
   B01D 63/00 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
H01M8/04 N
F24F6/00 Z
B01D53/22
B01D63/08
B01D63/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181604
(22)【出願日】2021-11-08
(31)【優先権主張番号】10 2020 214 430.3
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カイザー スヴェン アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
3L055
4D006
5H127
【Fターム(参考)】
3L055BA10
4D006GA41
4D006HA48
4D006JA04A
4D006JA22A
4D006JA22C
4D006JB06
4D006KA16
4D006PA10
4D006PB17
4D006PB65
4D006PC80
5H127BB33
5H127BB34
5H127EE17
(57)【要約】
【課題】加湿装置用積層ユニットを単純かつ費用効果の高い構造及び/又は単純化された組立体によって特徴付けられるものにする。
【解決手段】本発明は、加湿装置2の積層ユニット1に関し、この積層ユニット1は、2つの流体間の湿度交換のための膜4と、加湿装置2内に隣接する積層ユニット1の膜4から離間して他の膜4と間隔を置くためのスペーサ8とを備える。積層ユニット1及び関連する加湿装置2の簡略化された費用効果の高い製造は、積層ユニット1が2枚の接着テープ7を含み、それぞれの接着テープ7が膜4の両端縁部領域9のうちの関連する1つに配置されることを実現する。本発明はさらに、複数のこのような積層ユニット1を有する加湿装置2に関する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流体を第2流体により加湿するための積層方向(3)に互いに積層された複数の積層ユニット(1)を備える加湿装置(2)用の積層ユニット(1)であって、
膜(4)と2枚の接着テープ(7)とを含む機構(6)を有し、
前記膜(4)が、互いに対向する2つの平坦側面(5)を含み、前記2つの平坦側面(5)を介して、前記第1流体及び前記第2流体が、動作中に湿度を交換し、
前記積層方向(3)に隣接する積層ユニット(1)の膜(4)から他の膜(4)を離間させるために、前記膜(4)に接続された貫流可能なスペーサ(8)を有し、
前記接着テープ(7)が、前記膜(4)の平坦側面(5)の少なくとも1つの両端縁部領域(9)上に配置される
ことを特徴とする加湿装置用積層ユニット。
【請求項2】
前記加湿装置用積層ユニット(1)は、前記積層方向(3)における前記加湿装置用積層ユニット(1)が、前記両端縁部領域(9)のうちの少なくとも1つに隣接する前記接着テープ(7)のうちの少なくとも1つによって接着性を有するように構成される
ことを特徴とする、請求項1に記載の加湿装置用積層ユニット。
【請求項3】
前記両端縁部領域(9)上の機構(6)が、それぞれ、縁部側で前記スペーサ(8)を取り囲み、前記スペーサ(8)が配置されるポケット(10)を形成する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の加湿装置用積層ユニット。
【請求項4】
前記スペーサ(8)が前記ポケット(10)の少なくとも1つに緩く配置されている
ことを特徴とする、請求項3に記載の加湿装置用積層ユニット。
【請求項5】
前記ポケット(10)のうちの少なくとも1つが、前記接着テープ(7)のうちの関連する1つによって形成され、前記ポケット(10)を形成するための前記接着テープ(7)が裏返され、特に折り畳まれる
ことを特徴とする、請求項3又は4のいずれか1項に記載の加湿装置用積層ユニット。
【請求項6】
前記ポケット(10)の少なくとも1つが膜(4)によって形成され、
前記ポケット(10)を形成するための膜(4)が横方向に再成形される
ことを特徴とする、請求項3から5のいずれか1項に記載の加湿装置用積層ユニット。
【請求項7】
前記接着テープ(7)の少なくとも1つは、一方の側面が接着性を有し、
前記接着テープ(7)の接着性を有する側面(11)を裏返すことによって、積層方向(3)において互いに反対側に面する2つの接着部(13)を形成するように裏返される
ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の加湿装置用積層ユニット。
【請求項8】
前記接着テープ(7)の少なくとも1つは、一方の側面が接着性を有し、
前記接着テープ(7)の接着性を有する側面(11)を裏返すことによって、積層方向(3)において互いに反対側に面する2つの接着部(13)を形成するように裏返され、
前記接着テープ(7)が、裏返されることによって前記ポケット(10)を形成する
ことを特徴とする、請求項5に記載の加湿装置用積層ユニット。
【請求項9】
前記接着テープ(7)の少なくとも1つが両側面に接着性を有する
ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の加湿装置用積層ユニット。
【請求項10】
第1流体を第2流体によって、特に燃料電池システム(21)のために加湿する加湿装置(2)であって、
前記第1流体のための第1流路(15)と、前記第2流体のための、前記第1流路(15)から離れた第2流路(16)とが前記加湿装置(2)を通過するように導かれ、
請求項1から9のいずれか1項に記載の加湿装置用積層ユニット(1)を有し、前記複数の加湿装置用積層ユニット(1)が積層方向(3)において互いに対向する平坦側面(5)の間に、互いに対向する膜(4)の積層方向(3)において、第1及び第2流路(15,16)の1つが通るように、互いに対向するスペーサ(8)がそれぞれ配置され、
前記積層方向(3)に続く前記加湿装置用積層ユニット(1)が、前記積層方向(3)に平行に走る軸(14)を中心として互いにねじられるように配置され、前記積層方向(3)に沿って前記第1流路(15)と前記第2流路(16)とがそれぞれのスペーサ(8)を交互に通るようになっている
ことを特徴とする加湿装置用積層ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に燃料電池システム用に、積層方向に互いに積層された複数の積層ユニットを備える加湿装置用の積層ユニット(加湿装置用積層ユニット)に関する。さらに、本発明は、複数のこのような積層ユニットを有する加湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加湿装置において、第1流体は、第2流体によって加湿される。このような加湿装置は、例えば、関連する燃料電池の作動中に発生する排気ガス中に存在する湿度を、燃料電池に供給される空気に移して空気を加湿するために、燃料電池システムに採用される。
【0003】
この目的のために、このような加湿装置は、通常、互いに離れて面する側で2つの流体によって循環され、流体間の湿度交換を可能にする、互いに連なる複数の膜を備える。基本的に、このような加湿装置の構造は、各々が膜を含む複数のユニットを連続的に配置することによって実現することができる。これらのユニットは、それぞれ積層ユニットとも呼ばれ、通常、互いに積み重ねられる。
【0004】
特許文献1から、互いに積み重ねられた積層ユニットを有する加湿装置が知られている。それぞれの積層ユニットは、2枚の膜と、前記2枚の膜の間に配置されたガス透過性拡散層と、前記拡散層の間に配置されたフローウェブとを含む。フローウェブは、前記フローウェブと隣接する拡散層との接続を実現するために、少なくとも片面に接着性があってもよい。ここで、フローウェブは、それぞれ、2つの反対側上に固体で形成され、これにより、それぞれの積層ユニットを通り、また、加湿装置を通る流体伝導を実現するために、流体的に封止される。関連する加湿装置では、積層ユニットはカセット内に配置され、カセットは積層ユニットを互いに密閉的に押圧する。ここでの欠点は、それぞれの積層ユニット及び加湿装置の複雑な構造並びに高い製造コストである。
【0005】
特許文献2から、積層ユニットを有する加湿装置が知られている。それぞれの積層ユニットは、再成形されたS字形の膜を備え、この膜の側面は、関連した別個の境界部分によって境界付けられている。さらに、それぞれの積層ユニットは、膜の側面に配置され、分離している封止要素を備える。一方側では、互いに後続する積層ユニットを互いに接続するために、接着テープが封止要素に取り付けられる。従って、それぞれの積層ユニットの製造は複雑である。さらに、関連する加湿装置の組立は複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2012 218 303号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2014 009 329号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明は、上述のタイプの積層ユニット、及び複数のそのような積層ユニット有する加湿装置の、改善された実施形態又は少なくとも他の実施形態を提供することを目的とし、それらの実施形態は、特に、単純かつ費用効果の高い構造及び/又は単純化された組立体によって特徴付けられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は独立クレームの主題によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0009】
本発明は、媒体である第1流体を第2流体によって加湿するための加湿装置のための積層ユニットを、膜と、2枚の接着テープと、スペーサとを備える機構を有し、膜は、互いに離れて面する2つの大きな平坦な側面(以下、平坦側面ともいう)を備え、接着テープの1つがそれぞれ横方向に配置され、膜がスペーサと接続されるように構成する、という一般的な考えに基づく。従って、積層ユニットは、単純かつ費用効果の高い方法で形成される。これに加えて、積層ユニットは、このようにして、関連する加湿装置内に挿入して取り付けることができ、この場合、複数のそのような積層ユニットが、積層方向に互いに積み重ねられ、それにより、関連する加湿装置の製造も単純化され、より費用対効果が高い。
【0010】
本発明の概念によれば、積層ユニットは、膜と2枚の接着テープとを有する機構を備える。膜は、互いに対向する平坦側面を含み、それらを介して、動作中に流体は湿度を交換する。さらに、積層ユニットは、加湿装置内に隣接する積層ユニットの膜から他の膜を離間させるために、貫流可能なスペーサを含む。ここで、接着テープは、それぞれ、膜の少なくとも1つの平坦側面のうちの1つに関連する両端縁部領域上に配置される。好ましくは、接着テープは、膜の、同じ平坦側面の両端縁部領域に配置される。
【0011】
膜は、流体間の湿度交換を可能にするために、実質的に湿度透過性である。
【0012】
接着テープは、好ましくは、積層ユニット、特に膜を、積層方向に加湿装置内で隣接する積層ユニットと接続する目的に役立つ。従って、好ましくは、積層方向における積層ユニットが縁部領域の少なくとも1つに隣接する接着テープの少なくとも1つによって接着されるように、積層ユニットが構成される。これは、特に、接着テープの少なくとも1つの構成、すなわち、特に、配置及び/又は再成形及び/又は形成によって行われる。
【0013】
接着テープの少なくとも1つは、膜をスペーサと一緒に結合するために、代替的に又は追加的に使用することができる。
【0014】
それぞれの接着テープは、膜の延在部全体にわたって、関連する縁部領域の隙間方向に対して交差するように延在すると有利である。
【0015】
膜及び接着テープに加えて、前記機構は、原則として、さらなる構成部品を含むこともできる。
【0016】
好ましくは、前記機構は、膜及び接着テープのみを含む。これは、特に、前記機構が膜及び接着テープからなることを意味する。これは、積層ユニットの設計及び生産のさらなる単純化につながる。加湿装置についても同様である。
【0017】
特に好ましい実施形態では、縁部領域上の機構は、それぞれ、縁部側でスペーサを取り囲み、スペーサが配置されるポケットを形成する。特に好ましくは、ポケットは、縁側でスペーサを流体的に封止する。このようにして、加湿装置内の2つの流体の流路を互いに分離するために、それぞれの加湿装置内のそれぞれの積層ユニットの別個のシールが不要となる。従って、これは、加湿装置の、特に単純で費用効果の高い製造につながる。
【0018】
有利な実施形態では、スペーサは、ポケットの少なくとも1つに、好ましくはそれぞれのポケットに緩く配置される。言い換えれば、特に接着テープによってスペーサを機構に固定することはなく、それは必ずしも必要ではない。これはまた、積層ユニット及び加湿装置の両方の製造のさらなる単純化につながる。同時に、そうでない場合、貫流可能なスペーサの適切な封止が、ポケットによって実現される。ここで、積層方向への積層ユニットの機械的負荷は、関連する加湿装置において行われ得、それは、スペーサがそれぞれのポケットに固定されることにつながる。
【0019】
ポケットの少なくとも1つは、接着テープの関連する1つによって形成されることが考えられる。この目的のために、接着テープは、再成形され、特に裏返され、例えば折り畳まれる。これは、ポケットを形成するための接着テープが裏返され、スペーサがこのように形成されたポケット内に配置され、受け入れられることを意味する。特に、両方の接着テープは、それぞれ、そのようなポケットを形成することができる。
【0020】
代替的に又は追加的に、ポケットの少なくとも1つは、膜によって形成することができる。この目的のために、膜は横方向に再成形される。この場合、膜とスペーサとの接続は、ポケット内にスペーサを受け入れることによって実現することができる。
【0021】
それぞれの接着テープは、少なくとも一部領域において少なくとも片面に接着性があれば、原則として任意の方法で構成することができる。これは、接着テープが、少なくとも一方の側面に接着剤が設けられた基材を含むことを意味する。これは、液体が硬化した接着剤とすることができる。代替的に、接着剤は、活性化熱によって軟化されて接着性を発揮し、その後再び硬化するように構成されることが考えられる。
【0022】
基材は、原則として、任意のものとすることができる。好ましくは、基材は布製基材であり、従って、接着テープは、より容易に加工することができ、特に再成形することができる。
【0023】
接着テープの少なくとも1つは、片面全体に接着性があることが考えられる。
【0024】
また、接着テープの少なくとも1つが片面に接着性があり、特に裏返しにされて再成形され、その結果、裏返しによって、接着テープの接着側が、積層方向に互いに対向する2つの接着部を備える実施形態も考えられる。
【0025】
ここで、ポケットが裏返しによって形成される場合が特に好ましい。これは、接着テープが裏返しによってポケットを形成することを意味する。このようにして、積層ユニットの簡単な製造が実現され、スペーサはポケット内に緩く配置される。
【0026】
同様に、接着テープの少なくとも1つが、両側面に接着性を有することも考えられる。ここで、接着テープのそれぞれの側面全体が接着性を有するようにすることが可能である。
【0027】
あるいは、両側面に接着性がある接着テープのそれぞれの側面を、単に一部領域で接着性を有するようにすることが考えられる。ここで、接着テープは、積層方向における再成形された接着テープが、互いに対向する2つの接着部を含むように再成形することができる。この変形例では、前記機構の関連するポケットは、接着テープの再成形によって形成することもでき、そのポケット内にスペーサが受け入れられる。
【0028】
積層ユニットの他に、複数のそのような積層ユニットを有する加湿装置も本発明の範囲に属することを理解されたい。
【0029】
ここで、それぞれの流体に対して実質的に互いに分離された関連する流路は、積層ユニットを通って導かれる。これは、第1流体のための第1流路と、第1流路から分離している第2流体のための第2流路とが、加湿装置を通ることを意味する。積層ユニットは、積層方向に互いに連続して配置され、その結果、互いに連続する膜の積層方向において互いに対向する平坦側面の間に、各スペーサが配置され、2つの流路のそれぞれは別々のスペーサを通る。積層方向に続く積層ユニット同士は、実際に積層方向に平行な軸回りに互いに対してねじられて配置されており、第1流路と第2流路とが積層方向に沿ってそれぞれのスペーサを交互に通るようになっている。
【0030】
ねじりは、原則として、任意の方法で構成することができる。特に、互いに後続する積層ユニットは、互いに対して90°ねじられていると有利である。これは、加湿装置内の流体の有利で簡単な流れの伝導と、加湿されるべき流体の有利で効率的な加湿とをもたらす。
【0031】
加湿装置は、原則として、対応する流体を加湿するための任意の用途に使用することができる。
【0032】
特に、加湿装置は、少なくとも1つの燃料電池を備える燃料電池システムに使用される。運転中、燃料電池は、酸素含有反応物、例えば空気、及び水素含有反応物を供給され、湿った、特に蒸気含有排気ガスを生成する。好ましくは、加湿装置は、排気ガスに含まれる湿気を酸素含有反応物に移すために使用される。
【0033】
本発明のさらなる重要な特徴及び利点は、従属請求項、図面、及び図面による関連する図面の説明から得られる。
【0034】
上述され、以下に説明される特徴は、記載されたそれぞれの組み合わせにおいてのみ使用されるのではなく、本発明の範囲を離れることなく、他の組み合わせにおいて、又は単独で使用されることも理解されるべきである。
【0035】
本発明の好ましい例示的な実施形態は、図面に示され、以下の説明においてより詳細に説明され、ここで、同じ参照番号は、同じ、又は類似の、又は機能的に同じ構成要素に関連する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】加湿装置のための積層ユニットを示す等角投影図である。
図2】積層ユニットの側面図である。
図3】積層ユニットの接着テープを示す側面図である。
図4】積層ユニットを製造中の様子を示す側面図である。
図5】積層ユニットを製造中の様子を示す側面図である。
図6】複数の積層ユニット及び各積層ユニットの製造工程を有する加湿装置の製造中の様子の概略を示す等角投影図である。
図7図6のVIIで示される領域の拡大図である。
図8図7においてVIIIで示される領域の拡大図である。
図9】別の例示的な実施形態における積層ユニットの側面図である。
図10図9の積層ユニットの製造時を示す側面図である。
図11図9の積層ユニットの製造時を示す側面図である。
図12図9の積層ユニットの接着テープの側面図である。
図13】さらなる例示的な実施形態における積層ユニットの側面図である。
図14図13の積層ユニットの製造中の側面図である。
図15図13の積層ユニットの接着テープの側面図である。
図16図13の積層ユニットの製造中の側面図である。
図17】別の例示的な実施形態における積層ユニットの側面図である。
図18図17の積層ユニットの製造中の様子の側面図である。
図19図17の積層ユニットの接着テープの側面図である。
図20図17の積層ユニットの製造中の側面図である。
図21】加湿装置を備えた燃料電池システムの、高度に単純化された回路基板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1図2図6から図9並びに図13及び図17に示すような積層ユニット(加湿装置用積層ユニット)1は、図6から図8及び図21に示す加湿装置2に使用される。加湿装置2では、各積層ユニット1は、第2流体によって第1流体を加湿する役割を果たす。加湿装置2には、複数のこのような積層ユニット1が設けられており、これらの積層ユニット1は、積層方向3において、交互に配置され、互いに積み重ねられている。
【0038】
湿度交換のために、それぞれの積層ユニット1は、適切に構成された、流体間の膜4を備える。膜4は、平坦に設計され、互いに反対側に面する2つの平坦側面5を含み、それを介して流体の湿度交換が行われる。図示の例示的な実施形態では、膜4は、平坦な直方体形状を有し、その結果、平坦側面5は、実質的に長方形に形成される。膜4は、積層ユニット1の機構6の一部であり、膜4に加えて、2枚の接着テープ7を含む。図示の実施例では、機構6は、膜4と2枚の接着テープ7とからなる。さらに、積層ユニット1は、貫流可能なスペーサ8を含み、図では、直方体の態様で簡略化されて示されている。スペーサ8は、積層方向3に隣接する積層ユニット1の膜4から他の膜4を離間させる役割を果たす。加えて、作動中に一方の流体がスペーサ8を通って流れる。
【0039】
接着テープ7は、膜4の平坦側面5の1つの、両端縁部領域9上に配置される。これは、接着テープ7が、膜4の両端縁部領域9と、平坦側面5の関連する1つとに配置されることを意味する。ここで、接着テープ7は、図示の例示的な実施形態では、好ましくは、膜4の延在部全体にわたって両端縁部領域9の隙間方向に対して交差する方向に延在する。図示された例示的な実施形態では、それぞれの接着テープ7は、関連する積層ユニット1を、積層方向3において加湿装置2に隣接する、少なくとも積層ユニット1に接着する役割を果たす。この目的のために、それぞれの積層ユニット1が適切に構成される。具体的には、それぞれの接着テープ7は、関連する積層ユニット1が、接着テープ7によって両端縁部領域9のうちの1つに少なくとも隣接して積層方向3に接着されるように構成される、すなわち、設計され、かつ/又は形成され、かつ/又は配置される。
【0040】
図示の実施例では、それぞれの機構6は、両端縁部領域9にポケット10をそれぞれ形成している。ここで、スペーサ8は、2つのポケット10内に配置され、その結果、スペーサ8は、縁側でそれぞれのポケット10によって取り囲まれる。このように、スペーサ8を受け入れて、機構6と接続するのに加えて、それぞれの関連する縁部側のスペーサ8の封止が、それぞれのポケット10と共に行われる。
【0041】
ここで、それぞれのポケット10は、図1から図8並びに図13及び図14の例示的な実施形態では、接着テープ7の関連する1つによって形成される。この目的のために、それぞれの接着テープ7は裏返され、かくして再成形される。これは、特に接着テープ7を折り曲げることによって行われる。
【0042】
図9に示す例示的な実施形態では、それぞれのポケット10は、膜4によって形成される。この目的のために、膜4は再成形され、両端縁部領域9上でそれぞれ裏返される。
【0043】
それぞれの接着テープ7は、好ましくは、少なくとも1つの側面11における、少なくとも一部領域に接着剤12が設けられた布製の接着テープ7である。従って、それぞれの接着テープ7は、2つの側面11を有し、2つの側面11のうちの少なくとも1つは、少なくとも一部領域において接着剤12によって接着性を有する。図示の実施例では、それぞれ同一の接着テープ7が使用されている。これは、液体が硬化した接着剤12とすることができる。代替的に、接着剤12は、活性化熱によって軟化されて接着性を発揮し、その後再び硬化するように構成されることが考えられる。
【0044】
図3は、図1から図8の例示的な実施形態で使用される、2枚の接着テープ7のうちの1つを示す。ここで、接着テープ7は、片面に接着剤12を備え、その結果、片面のみに接着性を有することが分かる。図9図13及び図17の例示的な実施形態では、それぞれの関連する例示的な実施形態について、図12図15及び図19に示される接着テープ7が使用される。これらの図から明らかなように、両面に接着性を有する接着テープ7が、これらの例示的な実施形態のそれぞれにおいて使用されている。これは、接着テープ7が、少なくとも部分的に、それぞれの側面11上に接着剤12を備えることを意味する。
【0045】
図3から図5は、図1及び図2に示す積層ユニット1の製造手順の一例を示す。図4によれば、それぞれの接着テープ7は、接着剤12が設けられた側面11に対応する縁部領域9上に配置され、その結果、接着テープ7は、関連する縁部領域9上から横方向に突出する。次いで、スペーサ8は、接着テープ7の側面11上に接着剤12を介さずに配置される。図5に示唆されているように、次いで、関連するポケット10が形成されるように、かつ、反転によって、接着テープ7が、積層方向3において互いに反対側に面する2つの接着部13を備えるように、それぞれの接着テープ7の反転が行われる。従って、スペーサ8はポケット10内に緩く配置される。積層ユニット1が互いに積み重ねられるとき、スペーサ8は、所定の圧力のために、この工程中に2つのポケット10内に固定される。ここで、接着剤12は、図示の例示的な実施形態では、接着テープ7の関連する側面11全体に設けられている。このようにして、接着部13の1つは、関連する縁部領域9に接着される。特に図6から図8から明らかなように、積層方向3に隣接する積層ユニット1への関連する積層ユニット1の接合は、他の接着部13によって行われる。
【0046】
さらに、図6から図8から明らかなように、積層方向3に互いに続く積層ユニット1は、積層方向3に平行に延びる軸14の周りで互いに対してねじられる。図示の例示的な実施形態では、積層方向3において互いに続く積層ユニット1は、それぞれ90度ねじられている。この結果、互いに続く積層ユニット1の縁部領域9、つまりポケット10は、互いに対してねじられる、すなわち、図示の例では90度ねじられる。特に図8から明らかなように、これにより、第1流体用の流路15が加湿装置2を通って導かれ、それとは別に第2流体用の第2流路16が加湿装置2を通って導かれる。ここで、一方の流路15,16は、それぞれ一方のスペーサ8を介して導通し、積層方向3においては、第1流路15又は第2流路16のいずれか一方が、それぞれのスペーサ8を介して導かれることを特徴とする。積層ユニット1の配置は、互いに90度ねじられた状態で続いて、加湿装置2を通る2つの流体の横断流が実現する結果となる。ここで、ポケット10は、それぞれのスペーサ8の適切な密封を保証し、従って、2つの流路15,16の確実な分離を保証する。
【0047】
図6から明らかなように、それぞれの積層ユニット1は、単純化されて、異なるテープ7,17,18から製造することができる。ここでは、両方の接着テープ7のロール19と、膜4を構成する膜テープ17のロール19と、スペーサ8を構成するスペーサテープ18のロール19とがそれぞれ設けられている。次に、これらは、図4及び図5を参照して上述した説明に従って配置され、再成形される。これに続いて、積層ユニット1は、切断工具20を用いて所望の長さに切断される。図6から明らかなように、互いに対してねじられた方向で互いに積み重ねられる積層ユニット1は、それぞれの関連するロール19及び関連する切断工具20によってそれぞれ製造することができる。加湿装置2を製造するために、全ての積層ユニット1を同じロール19及び同じ切断工具20で製造し、それらを互いに対してねじって積み重ねることも同様に考えられる。
【0048】
ロール19及びテープ7,17,18によって実現される積層ユニット1の上述の製造は、図9、13及び17の例示的な実施形態において同様に実現することができることは明らかである。
【0049】
図9に示す例示的な実施形態では、図10及び図11から明らかなように、製造は、スペーサ8及び膜4を互いに配列することによって行われ、膜4は、縁部領域9を有するスペーサ8の上に横方向に突出する。これに続いて、図11に示唆されているように、ポケット10を形成するために縁部領域9を折り返し、これに続いて、2枚の接着テープ7が、それぞれ対応する縁部領域9のスペーサ8から離れて面する平坦側面5に取り付けられる。特に図12から明らかなように、この例示的な実施形態では、それぞれの接着テープ7は両面全体に接着性を有する。これは、接着テープ7の両方の側面11全体に接着剤12が設けられていることを意味する。従って、この例示的な実施形態では、スペーサ8は、ポケット10内に緩く受け入れられる。積層ユニット1が互いに積み重ねられるとき、スペーサ8は、所定の圧力によってプロセス中に2つのポケット10内に固定される。
【0050】
図13に示す積層ユニット1の例示的な実施形態では、膜4及びスペーサ8は、図14に示すように互いに配置され、ここでは、図15に示す接着テープ7が使用される。これらの接着テープ7は、両面が接着性を有し、それぞれの側面11には、横方向領域のみに接着剤12が設けられている。関連する縁部領域9において、それぞれの接着テープ7は、スペーサ8から離れて面する平坦側面5に、接着剤12を含む側面11の接着剤12のある領域で取り付けられる。これに続いて、図16に示すように、それぞれの接着テープ7を裏返して、それぞれの接着テープ7がポケット10のうちの関連する1つを形成し、膜4から離れて面するスペーサ8の側面に、接着剤12が設けられた接着テープ7の側面11のうち、接着剤12のない他方領域が配置されるようにする。従って、この例示的な実施形態では、スペーサ8もポケット10内に緩く配置され、積層ユニット1を互いに積み重ねる間に加わる圧力によって、スペーサ8は、2つのポケット10内に固定される。
【0051】
図17に示す例示的な実施形態では、図18に示すように、積層ユニット1を製造するためのそれぞれの接着テープ7は、関連する縁部領域9上で、膜4とスペーサ8との間に配置される。ここで、接着テープ7は、膜4及びスペーサ8の上に横方向に突出する。図19から明らかなように、この実施形態では、両方の側面11全体に接着剤12が施された接着テープ7が使用されている。従って、スペーサ8の膜4への接着は、それぞれの接着テープ7によって行われる。図20に示すように、これに続いて、ポケット10の関連する1つを形成するために、それぞれの接着テープ7を裏返す。この例示的な実施形態では、スペーサ8は、それぞれのポケット10内に接着される。
【0052】
図21によれば、加湿装置2は、燃料電池22を有するシステム21に使用することができ、このシステム21は、以下では、燃料電池システム21とも呼ばれる。燃料電池システム21において、燃料電池22には、第1流路15に沿って、酸素含有反応物、特に空気が供給される。前記工程において、湿度を含む排気ガス、特に蒸気は、第2流路16に沿って排出される運転中に発生する。ここで、第1及び第2流路15,16は、各々、加湿装置2を通って互いに別々に延びており、その結果、排気ガスは、酸素含有反応物に湿気を移動させ、それによって酸素含有反応物を加湿する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21