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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080282
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】ボルト供給装置
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/06 20060101AFI20220520BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
B23P19/06 A
B23P19/00 301H
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021182646
(22)【出願日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0153616
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521491749
【氏名又は名称】アトラス コプコ コリア カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Atlas Copco Korea Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】6-9F,14-1,Pangyoyeok-ro 192beon-gil,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do,13524 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ジェミン
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030AA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業速度及び生産性を向上させるとともに、ロボット駆動による各種の干渉とトラブルを防止することができるように、改善されたボルト供給メカニズムを有するボルト供給装置が開示される。
【解決手段】ボルト供給装置は、複数個のボルトをインデックスする回転型マガジン10、及び回転型マガジン10のボルトを一つずつピックアップしてドライビング作業を実行するドライビングビットを有するナットランナーを含んで構成され、回転型マガジン10は、円周方向に複数個のボルトを収容し、回転によりボルトをナットランナーに位置させるタレット11を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のボルトをインデックスするように構成された回転型マガジン、及び
前記回転型マガジンのボルトをピックアップしてドライビング作業を実行するように構成されたドライビングビットを有するナットランナー
を含み、
前記回転型マガジンは、
円周方向に複数個のボルトを収容し、回転によりボルトを前記ナットランナーに位置させるように構成されたタレットを含む、
ボルト供給装置。
【請求項2】
前記タレットを回転させ、前記回転型マガジンをナットランナーに向かって移送させるように構成されたロボットモジュールを含む、
請求項1に記載のボルト供給装置。
【請求項3】
前記ロボットモジュールは、
タレットのセンター穴に連結されてタレットを回転させるように構成されたローテーションモーター、及び
前記ローテーションモーターをz軸方向に移動させて回転型マガジンをドライビングビットに向かって移送させるように構成されたz軸移送部を含む、
請求項2に記載のボルト供給装置。
【請求項4】
前記ロボットモジュールは、前記z軸移送部をz軸に対して直交する方向に移動させて回転型マガジンをドライビングビットに向かって移送させるように構成されたx軸移送部をさらに含む、
請求項3に記載のボルト供給装置。
【請求項5】
前記回転型マガジンはタレットを回転可能に支持するハウジング、及び/または
前記ハウジングにドライビングビットを通過可能に形成された切開部を含む、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のボルト供給装置。
【請求項6】
ハウジングの軸方向に少なくとも一側にクランプ突起が形成され、前記ロボットモジュールにクランプ突起を挿入させてクランプ突起を結合及び結合解除するように構成されたクランプシリンダを含む、
請求項5に記載のボルト供給装置。
【請求項7】
前記タレットの円周方向の周りに沿ってボルトを収容する収容溝が凹入形成され、前記収容溝は、ボルトボディより断面積が大きく、ボルトヘッドより断面積が小さい、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のボルト供給装置。
【請求項8】
収容溝の側面にボルトボディを固定するマグネットが備えられる、
請求項7に記載のボルト供給装置。
【請求項9】
回転型マガジンの軸方向にロボットモジュールの反対側で複数個の回転型マガジンを結合可能にするマガジンシャトルを含み、
前記マガジンシャトルは、前記タレットを回転させて、ボルトが満たされた回転型マガジン又はボルトが空になった回転型マガジンを結合させるように構成された、
請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のボルト供給装置。
【請求項10】
前記マガジンシャトルは、タレットのセンター穴に連結されてタレットを回転させるシャトルモーターを含み、
前記回転型マガジンは、タレットを回転可能に支持するハウジングを含み、前記ハウジングの軸方向に両側にクランプ突起が形成され、
前記マガジンシャトルは、クランプ突起を挿入させてクランプ突起を結合及び結合解除するシャトルクランプシリンダを含み、
前記シャトルモーター及びシャトルクランプシリンダは、複数個のペアで構成される、
請求項9に記載のボルト供給装置。
【請求項11】
前記マガジンシャトルを移動させて回転型マガジンをボルトを整列して供給するパーツフィーダに移送させるシャトル移送部をさらに含む、
請求項10に記載のボルト供給装置。
【請求項12】
前記回転型マガジンに装着しようとするボルトの数がn個である場合、前記収容溝の数は、n+1個になる、
請求項7に記載のボルト供給装置。
【請求項13】
前記ドライビングビットはボルトヘッドと結合する時、自体で回転されボルトヘッドとかみ合うように構成される、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のボルト供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルト供給装置に関するものであり、さらに詳細には、ロボットを利用してボルトを必要な位置に様々な姿勢で自動供給することができるボルト供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ボルトは二つの物体を締結するために使用するものであって、自動車の製造工程など様々な産業分野で使用される。このような自動化された製造システムにおいて、ボルトを自動的に供給するシステムには色んなことがあり、以下では、代表的な二つの方法について例を挙げて説明する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一例として、従来のボルト供給システムは、パーツフィーダ(Part's Feeder)から無作為に供給されるボルトを一つずつ整列してドライバービットでピックアップした後、目的地まで移送してドライビング作業を実行する。しかし、このようなボルト供給システムは、パーツフィーダから整列して出てくるボルトの位置までロボットが移動することになるため、ロボットの半径が大きくなり、作業速度及び生産性が低下するという問題がある。
【0004】
他の例として、従来のボルト供給システムは、パーツフィーダから供給されるボルトを、エアを利用し、シューティング方式でホースを介して供給することで、ボルトがYチャック内に入ると、ドライバービットが下降してボルティングを実行する。しかし、このようなボルト供給システムは、ホースがロボットのアーム部に結合されて付いているため、様々な干渉問題とトラブルが発生するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような従来の問題点を解決するために、本発明では、作業速度及び生産性を向上させるとともに、ロボット駆動による各種の干渉とトラブルを防止することができるように、改善されたボルト供給メカニズムを有するボルト供給装置を提供する。
【0006】
本発明に係るボルト供給装置は、複数個のボルトをインデックスする回転型マガジン、及び前記回転型マガジンのボルトを一つずつピックアップしてドライビング作業を実行するドライビングビットを有するナットランナーを含んで構成され、前記回転型マガジンは、円周方向に複数個のボルトを収容し、回転によりボルトを前記ナットランナーに位置させるタレットを備える。
【0007】
前記タレットを回転させ、前記回転型マガジンをナットランナーに向かって移送させるロボットモジュールを含む。
【0008】
前記ロボットモジュールは、タレットのセンター穴に連結されてタレットを回転させるローテーションモーター、及び前記ローテーションモーターをz軸方向に移動させて回転型マガジンをドライビングビットに向かって移送させるz軸移送部を備える。
【0009】
前記ロボットモジュールは、前記z軸移送部をz軸に対して直交する方向に移動させて回転型マガジンをドライビングビットに向かって移送させるx軸移送部をさらに備える。
【0010】
前記回転型マガジンは、タレットを回転可能に支持するハウジングを備え、前記ハウジングにドライビングビットを通過可能にする切開部が形成される。
【0011】
前記ハウジングの軸方向に、少なくとも一側にクランプ突起が形成され、前記ロボットモジュールにクランプ突起を挿入させてクランプ突起を結合及び結合解除するクランプシリンダが備えられる。
【0012】
前記タレットの円周方向の周りに沿ってボルトを収容する収容溝が凹入形成されており、前記収容溝は、ボルトボディより断面積が大きく、ボルトヘッドより断面積が小さい。
【0013】
前記収容溝の側面にボルトボディを固定するマグネットが備えられる。
【0014】
前記回転型マガジンの軸方向に、ロボットモジュールの反対側で複数個の回転型マガジンを結合可能にするマガジンシャトルを含み、前記マガジンシャトルは、前記タレットを回転させ、ボルトが満たされた回転型マガジン又はボルトが空になった回転型マガジンを結合させる。
【0015】
前記マガジンシャトルは、タレットのセンター穴に連結されてタレットを回転させるシャトルモーターを備え、前記回転型マガジンは、タレットを回転可能に支持するハウジングを備え、前記ハウジングの軸方向に両側にクランプ突起が形成され、前記マガジンシャトルは、クランプ突起を挿入させてクランプ突起を結合及び結合解除するシャトルクランプシリンダを備え、前記シャトルモーター及びシャトルクランプシリンダは、複数個のペアで構成される。
【0016】
前記マガジンシャトルを移動させ、回転型マガジンをボルトを整列して供給するパーツフィーダに移送させるシャトル移送部をさらに備える。
【0017】
前記回転型マガジンに装着しようとするボルトの数がn個である場合、前記収容溝の数はn+1個で構成される。
【0018】
前記ドライビングビットは、ボルトヘッドと結合する時、自体で回転され、ボルトヘッドとかみ合う。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るボルト供給装置は、回転型マガジンの構成を通じて、そしてナットランナー及びドライビングビットが停止した状態でロボットモジュールの作動を通じてボルト供給を行うことによって、作動によるストロークを短縮させてサイクルタイムを減少させ、作業速度及び生産性を画期的に向上させることができる。
【0020】
また、本発明に係るボルト供給装置は、回転型マガジンの最適化された構造を通じて、ロボットの姿勢の制限を受けることなく、様々な姿勢でボルト供給を行うことができ、ロボット駆動に伴う各種の干渉とトラブルを効率的に防止することができる非常に有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の一実施例による回転型マガジンを示す斜視図である。
図2図2は、図1の分離斜視図である。
図3図3は、図1のA-A線に沿った断面図である。
図4図4は、図1のB-B線に沿った断面図である。
図5図5は、本発明の一実施例による回転型マガジンとロボットモジュールの結合状態を示す斜視図である。
図6図6は、図5の分離斜視図である。
図7図7は、図5のC-C線に沿った断面図である。
図8図8は、図5のD-D線に沿った断面図である。
図9図9は、本発明の一実施例によるマガジンシャトルを示す斜視図である。
図10図10は、本発明の一実施例によるマガジンシャトルを示す正面図である。
図11図11は、本発明の一実施例によるボルト供給装置の作動過程を説明したものである。
図12図12は、本発明の一実施例によるボルト供給装置の作動過程を説明したものである。
図13図13は、本発明の一実施例によるボルト供給装置の作動過程を説明したものである。
図14図14は、本発明の一実施例によるボルト供給装置の作動過程を説明したものである。
図15図15は、本発明の一実施例によるボルト供給装置の作動過程を説明したものである。
図16図16は、本発明の一実施例によるボルト供給装置の作動過程を説明したものである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付された図面に従ってボルト供給装置の技術的構成を詳細に説明すると次の通りである。
【0023】
図1乃至図16を参照すると、本発明の一実施例によるボルト供給装置は、回転型マガジン(10)と、ナットランナー(30)と、ロボットモジュール(50)と、マガジンシャトル(20)とを含んで構成される。以下の説明で、図5のz軸方向が上下方向である。しかし、x、y、z方向は、説明のために任意に設定したものであり、設置環境によってその方向は変わることがある。
【0024】
回転型マガジン(10)は、タレット(11)と、ハウジング(13)と、クランプ突起(14)(15)とを備え、複数個のボルト(90)をインデックスすることができるように構成される。回転型マガジン(10)は、複数個のボルト(90)を装着することができ、ロボットモジュール(50)又はマガジンシャトル(20)に対して着脱することができ、ポータブル(Portable)に実装される。回転型マガジン(10)に装着されたボルト(90)は、一つずつナットランナー(30)に供給されるように構成される。
【0025】
タレット(11)は、円周方向に複数個のボルト(90)を収容し、回転によってボルト(90)をナットランナー(30)に位置させる機能をする。タレット(11)は、z軸方向に一定の厚さを有する円形板の形状である。タレット(11)の円周方向の周りに沿って収容溝(112)がタレット(11)の側面から凹入形成される。収容溝(112)は、z軸方向にタレット(11)の両面を貫通して形成され、ボルト(90)を挿入させて収容する。ボルト(90)は、ボルトヘッド(91)とボルトボディ(92)で構成される。
【0026】
収容溝(112)は、ボルトボディ(92)より断面積が大きく、ボルトヘッド(91)より断面積が小さい。ボルト(90)が回転型マガジン(10)に装着されると、ボルトボディ(92)は収容溝(112)に挿入され、ボルトヘッド(91)はタレット(11)の上面に掛けられる。収容溝(112)の数は、回転型マガジン(10)の容量とサイズなどに応じてその数を適切に加減することができ、2個、4個、6個、8個、10個、12個、16個、24個など多様に実装することができる。
【0027】
一方、回転型マガジン(10)に装着するボルト(90)の数がn個の場合、収容溝(112)の数はn+1個となることが望ましい。本実施例では、回転型マガジン(10)に装着されるボルト(90)の数は8個であり、収容溝(112)の数は9個である。このように、装着するボルト(90)の数より収容溝(112)をもう一つ余裕を持って構成することにより、回転型マガジン(10)が逆さ吊りで作業が行われる環境の場合、ボルト(90)が装着されていない空の収容溝(112)をハウジング(13)の切開部(131)に位置させ、ボルト(90)がハウジング(13)に塞がれて落下することが防止される。
【0028】
収容溝(112)の側面には、磁力を有するマグネット(16)が備えられる。マグネット(16)は、ボルトボディ(92)を磁力によって固定させ、一定の力以上が作用すると、固定状態を解除する。マグネット(16)は、収容溝(112)の側面に溝を形成し、この溝に内装挿入することでタレット(11)に結合される。マグネット(16)は、一定の力以下の範囲でボルト(90)を一時的に固定することにより、ドライビングビット(31)がボルトヘッド(91)との結合のために回転する時、ボルト(90)が空回りすることを抑える。
【0029】
タレット(11)の下部には支持軸(113)が延長形成され、支持軸(113)はベース板(12)によって回転支持される。タレット(11)の直径方向に、中心にはセンター穴(111)がz軸方向を貫通して形成される。センター穴(111)は非円形で形成され、円の両側を切断した形状になっている。センター穴(111)は、後述するローテーションモーター(51)の結合キー(511)とシャトルモーター(22)の結合キー(221)を挿入させ、それぞれを回転方向に拘束する。タレット(11)は、ローテーションモーター(51)又はシャトルモーター(22)の回転力によって一定の角度ずつ回転される。
【0030】
ハウジング(13)は、タレット(11)を覆ってカバーするケース機能をするものであり、z軸方向に下部にベース板(12)が締結され、概ね円筒形状になる。ハウジング(13)にはドライビングビット(31)を通過可能にする切開部(131)が形成される。切開部(131)を介してボルト(90)は回転型マガジン(10)に装着されたり、回転型マガジン(10)から分離されたりする。つまり、ボルト(90)がタレット(11)に装着された状態で切開部(131)を介してのみ分離することができ、切開部(131)に位置していないボルト(90)はハウジング(13)によって塞がれている。ハウジング(13)の上面には、ローテーションモーター(51)の結合キー(511)がタレット(11)のセンター穴(111)に挿入できるように開口穴(132)が形成される。
【0031】
タレット(11)の支持軸(113)は、ベース板(12)からz軸方向に上部へ延長されたボス(123)に形成された支持穴(121)に回転可能に挿入され、ハウジング(13)がタレット(11)を回転可能に支持する。回転型マガジン(10)は、z軸方向にタレット(11)の両側にタレット(11)を回転可能に連結するブッシング(17)(18)を備える。ベース板(12)には、荷重を減らして構造的強度を向上させるために、複数の減量穴(122)を形成することができる。
【0032】
クランプ突起(14)(15)は、ハウジング(13)の軸方向に少なくとも一側に形成され、本実施例では、ハウジング(13)のz軸方向の両側に一対のクランプ突起(14)(15)が形成される。ハウジング(13)の一側(上側)に形成されたクランプ突起(14)は、ロボットモジュール(50)に備えられたクランプシリンダ(55)にクランプ(Clamping)され、他側(下側)に形成されたクランプ突起(15)は、マガジンシャトル(20)に備えられたシャトルクランプシリンダ(23)にクランプされる。
【0033】
ナットランナー(30)は、回転型マガジン(10)に装着されたボルト(90)を一つずつピックアップして目的の作業場所に移送及びボルチン作業などを行うものであり、ドライビングビット(31)を備える。ドライビングビット(31)は、回転型マガジン(10)のボルト(90)を一つずつピックアップしてドライビング作業を実行する。ドライビングビットは、ボルトヘッドと結合する時、自体で回転され、ボルトヘッドとかみ合う。このとき、ボルト(90)は、タレット(11)に備えられたマグネット(16)に一時的に固定され、ボルト(90)が空回りすることなく、ボルトヘッド(91)がドライビングビット(31)に挿入される。
【0034】
ロボットモジュール(50)は、タレット(11)を回転させて回転型マガジン(10)をナットランナー(30)に向かって移送させるものであり、x軸移送部(70)と、z軸移送部(60)と、ローテーションモーター(51)と、クランプシリンダ(55)とを備える。ロボットモジュール(50)は、x軸移送部(70)、z軸移送部(60)、ローテーションモーター(51)、及びクランプシリンダ(55)が一つのモジュールで構成され、ナットランナー(30)が設置された本体に固定設置されたり、その他の作業空間の適所に固定設置されたりすることができる。
【0035】
x軸移送部(70)は、z軸移送部(60)をz軸に対して直交する方向に移動させ、回転型マガジン(10)をドライビングビット(31)に向かって移送させる。この場合、z軸に対して直交する方向はx軸方向又はy軸方向であることができる。つまり、x軸移送部(70)は、回転型マガジン(10)をx軸方向に移動させたり、y軸方向に移動させたり、x軸及びy軸方向の両方に移動させたりすることができる。また、x軸移送部(70)は、回転型マガジン(10)を直線移送させたり、設置環境や作業環境に応じて、曲線移動させたりするよう、実装することも可能である。
【0036】
x軸移送部(70)は、x軸移送シリンダ(71)とx軸移送ブロック(72)を備える。x軸移送ブロック(72)は、x軸移送シリンダ(71)にx軸方向へ摺動可能に連結される。x軸移送シリンダ(71)は、一側にエア入出ポート(711)を備え、空圧によりx軸移送ブロック(72)をx軸方向に前進又は後進させる。また、x軸移送ブロック(72)には、締結ブラケット(73)が結合され、x軸移送ブロック(72)及び締結ブラケット(73)は一体で往復移動される。
【0037】
z軸移送部(60)は、ローテーションモーター(51)をz軸方向に移動させ、回転型マガジン(10)をドライビングビット(31)に向かって移送させる。z軸移送部(60)は、z軸移送シリンダ(61)とz軸移送ブロック(62)を備える。z軸移送ブロック(62)は、z軸移送シリンダ(61)にz軸方向へ摺動可能に連結される。z軸移送シリンダ(61)は、一側にエア入出ポート(611)を備え、空圧によりz軸移送ブロック(62)をz軸方向に前進又は後進させる。
【0038】
尚、z軸移送ブロック(62)には、締結ブラケット(63)が結合され、z軸移送ブロック(62)及び締結ブラケット(63)は一体で往復移動される。締結ブラケット(63)には、ローテーションモーター(51)を固定するためのモーター用ブラケット(631)とクランプシリンダ(55)を固定するためのシリンダ用ブラケット(632)が一体で結合される。モーター用ブラケット(631)の上部には、ローテーションモーター(51)の定位置を検知するセンサー(56)を設置することができる。センサー(56)は、ローテーションモーター(51)がステッピングモーターで構成された場合、定位置情報をフィードバックするために有用に使用できる。
【0039】
ローテーションモーター(51)は、モーター用ブラケット(631)に結合され、z軸移送ブロック(62)と共に一体でz軸方向に移動される。ローテーションモーター(51)は、タレット(11)のセンター穴(111)に連結されてタレット(11)を一定角度ずつ回転させる。ローテーションモーター(51)の回転軸(512)には、結合キー(511)が結合される。回転軸(512)と結合キー(511)は、軸方向に対して直交する方向にねじを締結し、相互に締結することができる。z軸移送ブロック(62)が下降すると、ローテーションモーター(51)の結合キー(511)はタレット(11)のセンター穴(111)に挿入され、z軸移送ブロック(62)が上昇すると、ローテーションモーター(51)の結合キー(511)はタレット(11)のセンター穴(111)から分離される。
【0040】
クランプシリンダ(55)は、シリンダ用ブラケット(632)に結合され、z軸移送ブロック(62)と共に一体でz軸方向に移動される。クランプシリンダ(55)は、ローテーションモーター(51)に対してy軸方向に離隔して一列に配置される。また、クランプシリンダ(55)は、ロボットモジュール(50)に回転型マガジン(10)のクランプ突起(14)が挿入された時、クランプ突起(14)を結合及び結合解除する役割をする。z軸移送ブロック(62)が下降すれば、クランプ突起(14)は、クランプシリンダ(55)に形成されたクランプ溝に挿入され、クランプシリンダ(55)が作動してクランプ突起(14)を固定する。逆に、クランプシリンダ(55)が作動してクランプ突起(14)の固定状態を解除した後、z軸移送ブロック(62)が上昇すると、クランプ突起(14)は、クランプシリンダ(55)のクランプ溝から分離される。
【0041】
マガジンシャトル(20)は、回転型マガジン(10)の軸方向にロボットモジュール(50)の反対側で複数個の回転型マガジン(10)を結合可能に構成される。また、マガジンシャトル(20)は、タレット(11)を回転させ、ボルト(90)が満たされた回転型マガジン(10)又はボルトが空になった回転型マガジン(10)を結合させる機能をする。マガジンシャトル(20)は、メインボディ(21)と、シャトルモーター(22)と、シャトルクランプシリンダ(23)と、シャトル移送部(25)とを含んで構成される。
【0042】
メインボディ(21)は、シャトルブロック(26)の上部に結合される。シャトルモーター(22)は、メインボディ(21)に結合され、タレット(11)のセンター穴(111)に連結されてタレット(11)を回転させる。シャトルモーター(22)の回転軸(222)には、結合キー(221)が結合される。回転軸(222)と結合キー(221)は、軸方向に対して直交する方向にねじを締結し、相互に締結することができる。
【0043】
回転型マガジン(10)が結合されたロボットモジュール(50)のz軸移送ブロック(62)が下降すると、シャトルモーター(22)の結合キー(221)はタレット(11)の下面に形成されたセンター穴(111)に挿入される。逆に、回転型マガジン(10)が結合されたロボットモジュール(50)のz軸移送ブロック(62)が上昇すると、シャトルモーター(22)の結合キー(221)はタレット(11)の下面に形成されたセンター穴(111)から分離される。シャトルモーター(22)の一側にはシャトルモーター(22)の定位置を検知するセンサー(27)を設置することができる。センサー(27)は、シャトルモーター(22)がステッピングモーターで構成された場合、定位置情報をフィードバックするために有用に使用できる。
【0044】
シャトルクランプシリンダ(23)は、メインボディ(21)に結合され、シャトルモーター(22)に対してy軸方向に離隔し、一列に配置される。シャトルクランプシリンダ(23)は、マガジンシャトル(20)に回転型マガジン(10)のクランプ突起(15)を挿入させ、クランプ突起(15)を結合及び結合解除する。シャトルモーター(22)及びシャトルクランプシリンダ(23)は複数個のペアで構成される。本実施例では、シャトルモーター(22)及びシャトルクランプシリンダ(23)は二つのペアで構成され、その数を適切に加減することができる。
【0045】
回転型マガジン(10)が結合されたロボットモジュール(50)のz軸移送ブロック(62)が下降すると、クランプ突起(15)はシャトルクランプシリンダ(23)に形成されたクランプ溝(231)に挿入され、シャトルクランプシリンダ(23)が作動してクランプ突起(15)を固定する。逆に、シャトルクランプシリンダ(23)が作動してクランプ突起(15)の固定状態を解除した後、回転型マガジン(10)が結合されたロボットモジュール(50)のz軸移送ブロック(62)が上昇すると、クランプ突起(15)はシャトルクランプシリンダ(23)のクランプ溝(231)から分離される。
【0046】
シャトル移送部(25)は、シャトルブロック(26)をy軸方向へ摺動可能に連結させる。シャトル移送部(25)は、マガジンシャトル(20)を移動させ、回転型マガジン(10)をパーツフィーダー(40)に移送させる機能をする。パーツフィーダー(40)は、振動方式等により無作為のボルト(90)を整列して、整列フィーダーで一つずつ供給して回転型マガジン(10)にボルト(90)を装着できるように構成される。
【0047】
今、図11乃至図16を参照して、本発明の一実施例によるボルト供給装置の作動過程を説明する。
【0048】
まず、マガジンシャトル(20)の作動過程を見ると、図11に示したように、マガジンシャトル(20)にボルトが満たされた回転型マガジン(10)が待機している。前記回転型マガジン(10)の隣に位置するシャトルモーターの結合キーにボルトが空になった回転型マガジン(10’)が装着される。ボルトが空になった回転型マガジン(10’)は、ロボットモジュール(50)によって下降し、アンクランプされてロボットモジュール(50)から分離され、マガジンシャトル(20)にクランプされる。以降に、ロボットモジュール(50)は、ボルトが満たされた回転型マガジン(10)をクランプする。
【0049】
図12を参照すると、シャトル移送部(25)は、マガジンシャトル(20)をパーツフィーダー(40)の位置に移動させる。ボルトが空になった回転型マガジン(10’)は、パーツフィーダー(40)の整列フィーダーに位置し、パーツフィーダー(40)から供給されるボルト(90)を一つずつ装着する。このとき、シャトルモーター(22)は、タレット(11)を一定角度ずつ回転させ、ボルト(90)が1つずつタレット(11)にインデックスされるようにする。
【0050】
図13の左側図面は、ロボットモジュール(50)に回転型マガジン(10)が装着される前の状態を示したものであり、右側図面は、ロボットモジュール(50)に回転型マガジン(10)が装着された状態を示したものである。図14を参照すると、ロボットモジュール(50)のx軸移送部(70)は、回転型マガジン(10)をナットランナー(30)のドライビングビット(31)に向かって移送させる。以降、ローテーションモーター(51)は、タレット(11)を一定角度に回転させ、ボルト(90)をドライビングビット(31)の位置に整列する。
【0051】
図15を参照すると、ドライビングビット(31)の回転と共に、z軸移送部(60)が回転型マガジン(10)をドライビングビット(31)に向かって前進させ、ボルト(90)がドライビングビット(31)に挿入及び結合される。ドライビングビット(31)にボルト(90)が挿入及び結合されると、z軸移送部(60)は、回転型マガジン(10)をドライビングビット(31)から離れるように後進させる。
【0052】
図16を参照すると、x軸移送部(70)は、回転型マガジン(10)をナットランナー(30)のドライビングビット(31)から離れるように移送させる。その後、ナットランナー(30)は180°反転し、ドライビング作業を実行する。また、ボルトが空になった回転型マガジン(10)は、ロボットモジュール(50)により図11のようにマガジンシャトル(20)にクランプされる。
【0053】
本発明の一実施例によるボルト供給装置は、回転型マガジン(10)の構成を通じて、そしてナットランナー(30)及びドライビングビット(31)が停止した状態でロボットモジュール(50)の作動を通じてボルト供給を行うことによって、作動によるストロークを短縮させてサイクルタイムを減少させ、作業速度及び生産性を画期的に向上させることができる。また、回転型マガジン(10)の最適化された構造を通じてロボットの姿勢の制限を受けることなく、様々な姿勢でボルト供給を行うことができる。
【0054】
今まで本発明に係るボルト供給装置は、図面に示された実施例を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者であれば誰でもこれから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解するだろう。したがって、真の技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0055】
10:回転型マガジン
11:タレット
111:センター穴
112:収容溝
12:ベース板
13:ハウジング
14,15:クランプ突起
16:マグネット
17,18:ブッシング
20:マガジンシャトル
21:メインボディ
22:シャトルモーター
23:シャトルクランプシリンダ
25:シャトル移送部
26:シャトルブロック
30:ナットランナー
31:ドライビングビット
40:パーツフィーダ
50:ロボットモジュール
51:ローテーションモーター
55:クランプシリンダ
60:z軸移送部
61:z軸移送シリンダ
62:z軸移送ブロック
63:締結ブラケット
70:x軸移送部
71:x軸移送シリンダ
72:x軸移送ブロック
73:締結ブラケット
90:ボルト
91:ボルトヘッド
92:ボルトボディ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【外国語明細書】