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特開2022-80306取り外し可能な収納を備えた手荷物ケース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080306
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】取り外し可能な収納を備えた手荷物ケース
(51)【国際特許分類】
   A45C 5/06 20060101AFI20220520BHJP
   A45C 5/03 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
A45C5/06
A45C5/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021187275
(22)【出願日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】20207997.6
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】511214071
【氏名又は名称】サムソナイト アイピー ホールディングス エス.エー.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラインハルト メールスハールト
(72)【発明者】
【氏名】セルジュ ラウル エフ.ヴァンヘック
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA02
3B045CE07
3B045FA02
3B045FB02
3B045GC02
3B045GD03
3B045GD07
3B045JA01
3B045JB05
3B045JC01
3B045JC05
3B045JC06
3B045LA08
3B045LB01
(57)【要約】
【課題】手荷物ケースからアクセス可能で取り外し可能である収納システムを備えた手荷物ケースを提供する。
【解決手段】手荷物用品は、リアパネル(125)と、リアパネル(125)に取り付けられた一対の離間したチューブ(206、206A、206B、206C)を含むグリップハンドル(202)と、チューブ(206、206A、206B、206C)間に画定された凹部(102)と、凹部(102)に取り付けることのできる取り外し可能なポケット(302、302A、302B、302C)と、を備える。取り外し可能なポケット(302、302A、302B、302C)及び凹部(102)は、ポケット(302、302A、302B、302C)を凹部(102)内に保持するために対応する相互係合式係合特徴部(210、310)を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアパネル(125)と、
前記リアパネル(125)に取り付けられた一対の離間したチューブ(206、206A、206B、206C)を含むグリップハンドル(202)と、
前記チューブ(206、206A、206B、206C)間に画定された凹部(102)と、
前記チューブ(206、206A、206B、206C)間の前記凹部(102)に取り外し可能に取り付けることのできる取り外し可能なポケット(302、302A、302B、302C)と、
を備え、
前記取り外し可能なポケット(302、302A、302B、302C)及び前記凹部(102)は、前記ポケット(302、302A、302B、302C)を前記凹部(102)内に少なくとも部分的に保持するために対応する相互係合式係合特徴部(210、310)を含む、手荷物用品。
【請求項2】
前記ポケット(302、302A、302B、302C)の前記相互係合式係合特徴部(210)はレール特徴部(210)を含み、
前記凹部(102)の前記相互係合式係合特徴部はトラック特徴部(210)を含み、
前記レール特徴部(310)は前記トラック特徴部(210)内に収容され、前記ポケット(302、302A、302B、302C)を前記凹部(102)内に少なくとも部分的に保持するように構成されている、請求項1に記載の手荷物用品。
【請求項3】
前記レール特徴部(210)は前記トラック特徴部(210)内にスライド可能に収容され、前記ポケット(302、302A、302B、302C)を前記手荷物用品と取り外し可能に結合するように構成されている、請求項2に記載の手荷物用品。
【請求項4】
前記ポケット(302、302A、302B、302C)をスライドさせて前記凹部(102)の上端から出すことにより、前記ポケット(302、302A、302B、302C)が取り外される、請求項3に記載の手荷物用品。
【請求項5】
前記グリップハンドル(202)は格納位置と伸長位置との間で選択的に位置決め可能であり、前記グリップハンドル(202)が前記格納位置にあるとき、前記グリップハンドル(202)は前記ポケットの上方に配置され、前記ポケット(302、302A、302B、302C)を前記凹部(102)内に保持する、請求項1~4のいずれか一項に記載の手荷物用品。
【請求項6】
レール特徴部(210)は、前記ポケット(302、302A、302B、302C)の対向する各側壁(318、320)の長さの少なくとも一部に沿って延びている、請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の手荷物用品。
【請求項7】
レール特徴部(210)は、前記ポケット(302、302A、302B、302C)の全周に延びるワイヤループ(312)を含む、請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の手荷物用品。
【請求項8】
前記ポケット(302、302A、302B、302C)は、内部格納容量(336)を画定する複数のパネル(314、316、318、320、322、324)を有する本体(362)を備える、前述の請求項1~7のいずれか一項に記載の手荷物用品。
【請求項9】
前記複数のパネル(314、316、318、320、322、324)のうち少なくとも1つのパネル(314、316、318、320、322、324)は軟質材料で作られている、請求項8に記載の手荷物用品。
【請求項10】
前記軟質材料がプラスチック裏材を有する布地である、請求項9に記載の手荷物用品。
【請求項11】
前記プラスチック裏材がエチレン酢酸ビニルを含む、請求項10に記載の手荷物用品。
【請求項12】
前記複数のパネル(314、316、318、320、322、324)のうち1つのパネル(314、316、318、320、322、324)に結合された外部電力インターフェース(334)をさらに含む、請求項8に記載の手荷物用品。
【請求項13】
前記取り外し可能なポケット(302、302A、302B、302C)は、前記凹部(102)内にスライド可能に収容される、請求項1~12のいずれか一項に記載の手荷物用品。
【請求項14】
前記ポケット(302、302A、302B、302C)が、前記ポケット(302、302A、302B、302C)の内部格納容積にアクセスできるように開口部を選択的に露出させるクロージャ機構(342)を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の手荷物用品。
【請求項15】
請求項1に記載の手荷物用品(100)にフィットするように構成され、凹部(102)の相互係合式係合特徴部(210)と係合するように構成された相互係合式係合特徴部(310)を備える、取り外し可能なポケット(302、302A、302B、302C)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、手荷物用品に一体化された取り外し可能なポケットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハードサイド(硬質側面)の手荷物は、手荷物ケースの市場で成長している分野である。ハードサイドの手荷物ケースには、耐久性や、中に入れたユーザの持ち物を保護する能力において一定の利点がある。しかしながら、ハードサイドの手荷物ケースは一般に、手荷物ケースの主な格納容積を開けずにポケットにアクセスできる、ユーザの持ち物を収納する追加ポケットの選択肢が少ない。さらに、スマートフォン、タブレット、ゲーム機、ラップトップなどのパーソナル電子機器が至る所で使用されていることから、これらの機器やその付属品(例えば、予備バッテリー、パワーバンク(モバイルバッテリー)、充電器、ケーブル、ドングルなど)を収納し、手荷物ケースにおいて容易にアクセスしたいという要望がある。さらに、多くの航空会社や国の航空規制機関は、火災の危険性があるためバッテリーを飛行機の機内持ち込み荷物に入れないよう要請している。しまい込んだバッテリーを見つけるために手荷物チェックゲートで梱包されたハードサイドのケースをくまなく探すことは、苛立たしく、恥ずかしく、時間のかかる経験となる場合がある。
【0003】
欧州特許第3021705号は、手荷物ケースのフロントパネルに取り付けられ、手荷物ケースから外側に突出して全体のサイズを大きくする補助容器を記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、上記の問題を少なくともある程度軽減し、及び/又は従来技術に関連する困難に少なくともある程度対処しようとするものである。特に、本開示は、手荷物ケース内の活用されていないスペースを利用し、主な格納コンパートメントを開けることなく手荷物ケースから容易にアクセス可能で取り外し可能である、取り外し可能な収納システムを備えたハードサイドの手荷物ケースを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、リアパネルと、リアパネルに取り付けられた一対の離間したチューブを含む牽引ハンドルと、チューブ間に画定された凹部と、チューブ間の凹部に取り外し可能に取り付けることのできる取り外し可能なポケットと、を含む手荷物用品を提供する。取り外し可能なポケット及び凹部は、ポケットを凹部内に少なくとも部分的に保持するために対応する相互係合式係合特徴部を含む。
【0006】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、ポケットの相互係合式係合特徴部はレール特徴部を含み、凹部の相互係合式係合特徴部はトラック特徴部を含み、レール特徴部はトラック特徴部内に収容され、ポケットを凹部(102)内に少なくとも部分的に保持するように構成されている。
【0007】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、手荷物用品にフィットするように構成された取り外し可能なポケットは、凹部の相互係合式係合特徴部と係合するように構成された相互係合式係合特徴部をさらに含むことができる。
【0008】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、ポケットは、内部格納容量を画定する複数のパネルを有する本体を含む。
【0009】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、手荷物用品は、複数のパネルのうち軟質材料で作られた少なくとも1つのパネルをさらに含むことができる。
【0010】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、手荷物用品は、複数のパネルのうち硬質材料で作られた少なくとも1つのパネルをさらに含むことができる。
【0011】
また、手荷物用品は、複数のパネルのうちフロントパネルに結合された外部電力インターフェースと、内部電力インターフェースを含み、ポケットの内部格納容積内に配置された電源と、内部電力インターフェース及び外部電力インターフェースと電気的に連通し、電源から外部電力インターフェースに電力を供給するように作動するケーブルと、を含むことができる。
【0012】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、凹部はリアパネルにおいて画定され、一対のチューブを含む牽引ハンドルチューブアセンブリの少なくとも一部が凹部に収容される。
【0013】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、一対のチューブが凹部を少なくとも部分的に画定する。
【0014】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、トラック特徴部を凹部に配置し、ポケットのレール特徴部と係合してポケットを凹部内に保持するように構成することができる。トラック特徴部により、ポケットがぴったりと収まる座(シート)を作ることができる。このようなシートは、ポケットを凹部の狭い方の端部にロックすることによってポケットを凹部内により良好に固定する、という利点を有することができる。別の利点は、対向するレール特徴部及び/又はトラック特徴部の寸法を正確にする必要がなく、これによって製造性の向上、コストの低減、又は品質検査の合格率の向上を可能にできるということである。したがって、製造上のばらつき、使用によって生じる変形などに起因する、対向するレール特徴部の横方向寸法のばらつきに対し、収納システムをより耐性の強いものにすることができる。
【0015】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、取り外し可能なポケットは凹部内にスライド可能に収容される。
【0016】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、凹部は手荷物用品の外部パネルにある。
【0017】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、ポケットは、ポケットの内部格納容積にアクセスできるように開口部を選択的に露出させるクロージャ機構を含む。
【0018】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、ポケットはポケットのリアパネル上にストラップを含む。
【0019】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、ポケットは内部格納容積内に電源を収容するように構成される。
【0020】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、手荷物用品はハードシェルを含み、リアパネルはハードシェルの一部を含む。
【0021】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、手荷物用品は複数のホイールを含む。
【0022】
本開示は、レール特徴部を含むポケットと、手荷物用品の外部パネルの凹部と、凹部に収容された牽引ハンドルチューブアセンブリの少なくとも一部と、凹部に配置されたトラック特徴部とを含む、手荷物用品のための取り外し可能な収納システムを提供する。レール特徴部は、トラック特徴部にスライド可能に収容されてポケットを手荷物用品と取り外し可能に結合できるように構成されている。
【0023】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、ポケットは、少なくとも対向する側壁と後壁とを含み、ポケットの内部格納容積を形成する複数の接合されたパネルを含む。
【0024】
必要に応じて、いくつかの実施態様では、レール特徴部は、ポケットの側壁と後壁との交点の一部に沿って位置するヘム(へり)内に配置された補強材を含む。
【0025】
取り外し可能な収納システムは、補強材がワイヤである箇所を含むこともできる。他の技術的特徴は、当業者には以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から容易に明らかであろう。
【0026】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、牽引ハンドルチューブは凹部内に横方向に突出する保持縁部を含む。
【0027】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、取り外し可能な収納システムは牽引ハンドルチューブの端部に配置されたキャップを含み、キャップは、レールのトラック特徴部とのスライド可能な係合を容易にするように構成された湾曲した肩部を含む。
【0028】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、取り外し可能な収納システムは凹部の対向する横方向側面に配置された一対の牽引ハンドルチューブを含む。ここで、一対の牽引ハンドルチューブの各牽引ハンドルチューブは凹部内に横方向に突出する保持縁部を含み、一対のトラック特徴部がそれぞれの一対の保持縁部と凹部の壁との間に形成されている。レール特徴部は対向する側部を含み、対向する各側部は、トラック特徴部の対の各々とスライド可能に係合可能である。
【0029】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、レール特徴部は、トラック特徴部にスライド可能に収容されてポケットを手荷物用品と取り外し可能に結合するように構成されている。
【0030】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、ポケットをスライドさせて凹部の上端から出すことにより、ポケットが取り外される。
【0031】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、牽引ハンドルは格納位置と伸長位置との間で選択的に位置決め可能であり、牽引ハンドルが格納位置にあるとき、牽引ハンドルはポケットの上方に配置され、ポケットを凹部内に保持する。手荷物用品が荷物入れ(luggage bin)や荷物コンベヤシステム等に格納される際、グリップハンドルによる凹部内のポケットの移動の制限によってポケットが都合よく定位置に保たれる。グリップハンドルをわずかに伸ばしてポケットを凹部からスライドさせることにより、ポケットを容易に引き出すことができる。
【0032】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、レール特徴部は、ポケットの対向する各側壁の長さの少なくとも一部に沿って延びている。
【0033】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、レール特徴部は、ポケットの全周に延びるワイヤループを含む。
【0034】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、レール特徴部はポケットの全長に沿って延びている。
【0035】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、レール特徴部は、ポケットの長さに沿って離間された不連続なレール特徴部を含む。必要に応じて、いくつかの実施形態では、ポケットはプラスチック裏材を有する布地も含む。プラスチック裏材はエチレン酢酸ビニルを含むことができる。
【0036】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、外部電力インターフェースはUSBインターフェースを含む。
【0037】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、取り外し可能な蓋部が外部電力インターフェースの一部を覆う。
【0038】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、テザーが、取り外し可能な蓋部と、外部電力インターフェース又はフロントパネルのうちの1つとに結合されており、取り外し可能な蓋部が外部電力インターフェースから取り外された際に取り外し可能な蓋部を保持するように機能する。
【0039】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、一対のトラック特徴部の第1のトラック特徴部及び第2のトラック特徴部は、一対のトラック特徴部が凹部の第2の部分から第1の部分に延びるにつれ、互いに先細りになる。
【0040】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、牽引ハンドルチューブは一対の外側牽引ハンドルチューブを含み、収納システムは、外側牽引ハンドルチューブの各々の中に入れ子式に収まった一対の内側牽引ハンドルチューブと、グリップハンドルの対向する側端部において内側牽引ハンドルチューブの各々に結合されたグリップハンドルと、各外側牽引ハンドルチューブの、凹部の後壁に最も近い縁部に沿って配置された各保持縁部と、をさらに含む。
【0041】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、グリップハンドルが格納位置にあるとき、グリップハンドルは、ポケットのレール特徴部のトラック特徴部に沿ったスライド可能な動きを制限し、ポケットが手荷物用品から取り出されるのを防止する。
【0042】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、グリップハンドルが伸長位置にあるとき、ポケットのレール特徴部のトラック特徴部に沿ったスライド可能な係合は妨げられず、ポケットを凹部から取り外すことができる。
【0043】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、ポケットの内部格納容積は電源を収容するのに適している。
【0044】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、取り外し可能な収納システムは、複数のパネルのうちフロントパネルに結合された外部電力インターフェースと、内部電力インターフェースを含み、ポケットの内部格納容積内に配置された電源と、内部電力インターフェース及び外部電力インターフェースと電気的に連通し、電源から外部電力インターフェースに電力を供給するように機能するケーブルとを含む。
【0045】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、取り外し可能な収納システムは、外部電力インターフェースの一部を覆う取り外し可能な蓋部を含む。
【0046】
必要に応じて、いくつかの実施形態では、テザーが、取り外し可能な蓋部と、外部電力インターフェース又はフロントパネルのうちの1つとに結合されており、取り外し可能な蓋部が外部電力インターフェースから取り外された際に取り外し可能な蓋部を保持するように機能する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
この説明は、構成要素が一定の縮尺で描かれていない場合がある以下の図面を参照してより完全に理解される。これらの図面は本開示の様々な実施形態として提示されており、本開示の範囲を完全に説明したものと解釈されるべきではない。これらの図面は以下を特徴とする。
図1】取り外し可能な収納システムを含む手荷物用品の等角図である。
図2】取り外し可能な収納システムのポケットが部分的に取り外された構成にある、図1の手荷物用品の等角図である。
図3】取り外し可能な収納システムのポケットが完全に取り外された構成にある、図1の手荷物用品の等角図である。
図4A図1の線4-4に沿った手荷物用品100の断面図である。
図4B図4Aの線4B-4Bに沿った図4Aの詳細図である。
図5A図1の取り外し可能な収納システムのポケットの、閉じた構成における等角図である。
図5B図5Aのポケットの、開いた構成における平面図である。
図5C図5Aの断面線5C-5Cに沿った図5Aのポケットの部分断面図である。
図5D図5Bの断面線5D-5Dに沿って、部分的に開いた構成で示される、図5Aのポケットの断面図である。
図5E図1の取り外し可能な収納システムのポケットの等角図である。
図5F図5Eの断面線5F-5Fに沿った図5Eのポケットの断面図である。
図5G図1の取り外し可能な収納システムのポケットの他の例の断面図である。
図6図1の取り外し可能な収納システムのガイド部材及びトラック特徴部の一部を示す簡略等角図である。
図7】任意の電源332を示すためにリアパネルの一部を切り取った、図1の取り外し可能な収納システムの取り外し可能なポケットの等角図である。
図8A図4の切断線8-8に沿った牽引ハンドルチューブの断面図である。
図8B図1の手荷物用品100のリアシェル103の内側の部分等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1から図8Bを参照すると、一実施形態による取り外し可能な収納システム300を備えた手荷物用品100が開示されている。従来、手荷物の牽引ハンドルチューブ間のスペースは、無駄になっているか又は十分に活用されていない。本開示の取り外し可能な収納システム300を備えた手荷物用品100は、この、本来なら無駄であったスペースを利用して、簡単にアクセス及び取り外しが可能な収納ポケットを提供する。一例では、取り外し可能な収納システムは、手荷物用品の牽引ハンドルチューブの間の凹部に選択的に収容可能なポケット又はポーチを含む。牽引ハンドルチューブはグリップハンドルに接続されている。グリップハンドルは、牽引ハンドルチューブを格納位置と伸長位置との間で動かすことを可能にするロック機構を含む。ポケットは、牽引ハンドルチューブの一部と凹部の後壁との間に形成されたトラックに収容されるよう構成された剛性の高いレールを含む。レール及びトラックは相互に係合する係合特徴を形成し、ポケットを凹部内に少なくとも部分的に保持する。レールは、ポケットの側壁に沿って横方向に離間された2つ以上の対向するレール特徴部を含むことができる。ポケットを凹部に挿入するために、グリップハンドルのロック機構を作動させ、グリップハンドル及び牽引ハンドルチューブを伸長位置に移動させる。次いで、レールをトラック内にスライドさせることにより、ポケットをトラックにおいてスライド可能に受けることができる。ポケットをトラックに沿ってスライドさせ、凹部に入れることができる。ポケットが凹部に収容されると、グリップハンドルのロック機構を再び作動させ、牽引ハンドルチューブ及びグリップハンドルを下げることができる。グリップハンドルが格納位置にあるとき、グリップハンドルはポケットの上方に配置され、グリップハンドルはトラック内でのポケットのスライド可能な動きを制限するため、ポケットを凹部内に固定する。一例では、取り外し可能な収納システムは、レール特徴部を備えたポケットを含む。凹部は手荷物用品の外部パネルに配置されている。牽引ハンドルチューブアセンブリの少なくとも一部は凹部内に収容される。トラック特徴部が凹部内に配置されており、レール特徴部は、トラック特徴部にスライド可能に収容されてポケットを手荷物用品に取り外し可能に結合できるように構成されている。
【0049】
図1は、閉じた構成にある手荷物用品100の等角図である。図1に示す手荷物用品100は直立したハードサイドのケースであるが、ソフトサイド(軟質な側面)のケース、ハイブリッドケース、コンテナなどを含む多くのタイプの手荷物とすることができ、好ましくはハードシェルタイプであり、及び/又は少なくともハードリアシェル、より具体的には牽引ハンドルチューブが取り付けられる成形されたハードリアパネルを含む。手荷物用品は、ユーザの持ち物を運ぶための内部格納容積を画定する複数のパネルを有する。手荷物用品100は、フロントシェル又は蓋部105と、リアシェル又は基部103とを含み、これらは、例えばジッパーなどのファスナーにより分離線に沿って選択的に分離可能である。ユーザの持ち物を内部格納容積内に封入するために、フロントシェル又は蓋部105、及びリアシェル又は基部103を閉じた構成で互いに隣接して配置することができる。手荷物用品100は、蓋部105及び基部103が互いに離れて位置する開いた位置で構成されてもよい。蓋部105及び基部103を、ヒンジ128又は同様の機構などによって共に回動可能に取り付けることができる。蓋部105及び基部103は、クロージャ(閉鎖部)106などによって互いに選択的に結合可能であってもよい。クロージャ106は、クロージャオペレータ108によって操作することができる。いくつかの例では、クロージャ106はジッパーであり、クロージャオペレータ108はジッパー引手である。いくつかの例では、手荷物用品100は、1つ以上のキャリーハンドル122、及び/又は手荷物用品100のリアパネル125から伸長可能な格納式牽引ハンドルアセンブリ200を含むことができる。
【0050】
手荷物用品100は、閉じた構成において、対向するフロントパネル127及びリアパネル125、頂部パネル129及び底部パネル131(フロントシェル105及びリアシェル103の各々の一部)、ならびに対向する左側パネル133及び右側パネル135(フロントシェル105及びリアシェル103の各々の一部)を含む。コーナー領域140を、任意の2つ又は3つの隣接パネルの交差によって画定することができる。説明を明確にするためだけの目的で、手荷物ケースに対する方向を定義することができる。例えば、横方向130を、概ね左パネル133と右パネル135との間の方向に定めることができる。奥行き方向132を、概ねリアパネル125とフロントパネル127との間の方向に定めることができる。縦方向134を、底部パネル131と頂部パネル129との間に定めることができる。これらの方向130、132、及び134は本質的に例示的なものにすぎず、決して限定的なものではない。
【0051】
手荷物用品100は、支持面に対して(例えば、地面に対して)手荷物用品100を支持するための1つ以上の支持部材107を含む。支持部材107はスピナーホイールアセンブリであることが好ましいが、固定ホイールアセンブリ、足、ポスト、キャスター、又はこれらの任意の組み合わせとしてもよく、手荷物用品100の任意の好適なパネル、例えば底部パネル131に関連付けられてもよい。図示のように、手荷物用品100は4つの支持部材107を含むことができる。示される例では、支持部材はダブルキャスタースピナーアセンブリ110である。ホイールアセンブリは、支持面上の手荷物用品の移動を助けることができる。
【0052】
手荷物用品100は牽引ハンドルアセンブリ200を含むことができる。牽引ハンドルアセンブリ200はグリップハンドル202を含むことができる。例えば図1に示すように、グリップハンドル202を、グリップハンドル202の対向する端部において牽引ハンドルチューブ206に結合することができる。牽引ハンドルアセンブリ200は、凹部102に通じるハンドル凹部141内に少なくとも部分的に配置されることが可能である。対向する牽引ハンドルチューブ206を凹部102の第1の部分148の対向する側壁144、146に沿ってそれぞれ配置し、凹部102のこれらの壁に取り付けることができる。いくつかの例では、牽引ハンドルチューブ206はグリップハンドル202の中心線を中心にして鏡映対称になっている。牽引ハンドルアセンブリ200は、互いに対して入れ子式に伸縮する2つ以上の牽引ハンドルチューブ206a及び206bを含むことができる。入れ子式牽引ハンドルチューブは、少なくとも外側牽引ハンドルチューブ206a及び内側牽引ハンドルチューブ206bを含むことができる。内側牽引ハンドルチューブ206bは、外側牽引ハンドルチューブ206a内に入れ子式に収まる(入れ子式に伸縮する)ことができる。いくつかの例では、206cのような追加の牽引ハンドルチューブを内側牽引ハンドルチューブ206b内に入れ子にすることができる。図1に示すように、グリップハンドル202が完全に引き込まれて凹部102の第2の部分に配置されると、内側牽引ハンドルチューブ206bを外側牽引ハンドルチューブ206a内に格納することができる。グリップハンドル202は、伸長位置(図2参照)では凹部102の第2の部分の上方に位置する。グリップハンドル202の反対側の側端部では、グリップハンドル202を内側牽引ハンドルチューブ206b及び/又は206cの各々に結合することができる。ロック機構204は、内側牽引ハンドルチューブ206b/206cの伸縮運動と外側牽引ハンドルチューブ206aに対するグリップハンドルの調節を可能にするように作動可能である。ユーザによる制御のために、ロック機構204の作動装置205をグリップハンドル202に関連付けることができる。
【0053】
手荷物用品100は、基部103に結合された一対の牽引ハンドルチューブ206を備えた牽引ハンドルアセンブリ200を含む。牽引ハンドルチューブ206をリアパネル125に結合することができる。手荷物用品100は、手荷物用品100のパネルに形成された凹部102を含む。いくつかの実施形態では、凹部を含むパネルを手荷物用品100の外側パネルとすることができる。凹部は、後壁104、下壁142、ならびに対向する左壁144及び右壁146を有することができる。凹部102は、下壁142の近傍に下部148を有することができる。凹部102は、ハンドル凹部141の近傍に上部150を有することができる。図1から図3に示すように、凹部102をリアパネル125に形成することができる。凹部102を牽引ハンドルチューブ206の間に形成することができる。牽引ハンドルチューブは、凹部102を少なくとも部分的に画定することができる。例えば、牽引ハンドルチューブ206は、対向する左壁144及び右壁146の一部を形成することができる。いくつかの例では、チューブが手荷物用品のパネルの外面に結合されてその間の凹部102を画定する場合など、凹部102は手荷物用品のシェルの外側にあってもよい。牽引ハンドルチューブ206を、一部が凹部102に収容された牽引ハンドルチューブアセンブリに含めることができる。他の例では、凹部102を、手荷物用品100のパネルに形成された開口部を覆う、手荷物用品100のパネルとは別個の部品とすることができる。例えば、荷物品のリアパネル125内の開口部に挿入され、これを覆う部品によって凹部を形成することができる。取り外し可能なポケット302を、凹部102内の牽引ハンドルチューブ260の間に収容することができる。取り外し可能なポケット302は、凹部102内に少なくとも部分的に保持されることが可能である。他の例では、凹部は別のパネルに形成されてもよい。例えば、凹部102は、頂部パネル129、底部パネル131、左パネル133及び/又は右パネル135に形成されてもよい。凹部102は、牽引ハンドルアセンブリ200の一部を受けるように構成されてもよい。凹部102は、第1の部分148及び第2の部分150を含む。第1の部分148は第2の部分150の下にある。第1の部分148は、凹部の第1の部分148の奥行きを定める後壁104と、凹部102の幅を定める対向する側壁144、146と、底壁142とによって画定される。凹部102の上部150は、凹部102の第2の部分150の奥行きを定める後壁104と、凹部102の第2の部分150の幅を定める対向する側壁144、146とによって画定される。第1の部分148の奥行きは、一般に凹部の第2の部分150の奥行きよりも小さい。凹部102の第2の部分150は頂部パネル129内に延びている。凹部102をリアシェル103に形成することができ、主にリアパネル125に形成することができ、この例では頂部パネル129に少なくとも部分的に形成することができる。凹部102は、リアシェル103にプレス成形されてもよい。また、リアシェル103から切り抜かれた、凹部102の周縁部の形状を有する開口部を覆うか又は埋めるように、凹部102はリアシェル103内に配置された別個の構造体であってもよい。
【0054】
図1には取り外し可能な収納システム300も示されている。収納システム300は、凹部102内に取り外し可能に配置されたポケット302を含む。ポケット302は、凹部102に形成されたトラック特徴部210内にスライド可能に収容されるように構成されたレールを含むことができる。いくつかの実施例では、レールは、ポケットの対向する横方向側面の各々に沿って連続的に延びることができる。あるいは、いくつかの例では、ポケット302の対向する横方向側面の各々に沿って配置され、セグメント化されて間隔があいた複数のレール特徴部によってなど、レールはポケットの対向する横方向側面の各々に沿って不連続に延びることができる。対向するレール特徴部310をトラック特徴部210とスライド可能に係合させることにより、ポケット302を手荷物用品100に取り外し可能に結合することができる。ポケット302は、内部格納容積336を画定し、側方周縁部354を有する本体362を含む。本体362は、上部356、中央部358、及び下部360を有することができる(例えば図3に示す)。ポケット302は、対向する頂部パネル314及び底部パネル316、対向する左サイドパネル318及び右サイドパネル320、ならびに対向するフロントパネル324及びリアパネル322を含むことができる。ポケット302を開いてアイテムを追加したり取り出したりできるように、ポケット302の各パネルはいずれも、ポケットの隣接する別のパネルに選択的に結合可能である。例えば、リアパネル322及びフロントパネル324を、面ファスナー、ジッパー、スナップ、ボタン、ヒンジなどのクロージャ(閉鎖)デバイス342によって互いに選択的に固定することができる。
【0055】
グリップハンドル202が(例えば図1に示す)格納位置にあるとき、ポケット302を凹部102内に固定することができる。例えば、グリップハンドル202が格納位置にあるとき、グリップハンドル202は、対向するレール特徴部310のトラック特徴部210とのスライド可能な係合を制限して、ポケット302が手荷物用品100から取り外されるのを防止することができる。例えば図2に示すように、グリップハンドルを伸長位置に移動させ、ポケット302を凹部102から取り外すことができる。例えば、凹部102の長さに沿った方向にポケット302をスライドさせ、凹部102の開放された第2の部分を通ってスライドさせることにより、ポケット302を凹部から取り外すことができる。例えば、ポケットをスライドさせて凹部102の上端部150から出すことにより、ポケットを凹部から取り外すことができる。別の例では、ポケットは、凹部102から取り外される際にハンドル凹部141を通過することもできる。ポケット302の取り付けと収納システム300からの取り外しを容易にするために、ポケット302は、ポケット302のリアパネル322に配置されたハンドル又はストラップ338を含むことができる。いくつかの例では、取っ手やグリップなどのハンドル338をリアパネル322に形成することができる。図2は、部分的に取り外された状態のポケット302を示している。図3は、凹部102から完全に取り外されたポケット302を示している。
【0056】
図4Aは、図1の線4-4に沿った手荷物用品100の断面図である。図4Aの一部の詳細を図4Bに示す。牽引ハンドルアセンブリ200は、ポケット302を収容してこれを保持するように構成されることが可能である。例えば、図4Aから図4Bに示すように、トラック特徴部210を手荷物用品100に形成してレール310を収容することができる。レールは、ポケット302の対向するレール特徴部310を含むことができる。対向するレール特徴部310を、ポケット302の対向する側壁318、320の部分に配置することができる。対向するレール特徴部310がトラック特徴部210内に収容されることによってポケット302が凹部102内に収容されると、対向するレール特徴部310は凹部102の後壁104及び保持縁部(エッジ)208と係合する。対向するレール特徴部310は、トラック特徴部210内にぴったりと収まって凹部102内でのポケット302の保持を助けることができる。トラック特徴部210を、凹部102の壁と手荷物用品100の牽引ハンドルチューブ206との間に配置することができる。いくつかの例では、凹部102の対向する側壁144、146にトラック特徴部210を形成することができる。いくつかの例では、トラック特徴部210の一部を牽引ハンドルチューブ206と凹部102の壁104との間の間隙によって形成し、一部を牽引ハンドルチューブ206とは無関係に凹部102の側壁144、146の特徴として形成することができる。例えば、トラック特徴部210を凹部102の後壁104と牽引ハンドルチューブ206との間に画定することができる。トラック特徴部210の外側部分218を、外側牽引ハンドルチューブ206Aによって形成することができる。トラック210の後部220を、凹部102の後壁104によって形成することができる。例えば、トラック210の後部220を、縦方向134及び横方向130に沿った平面内に延びる凹部102の壁104によって形成することができる。いくつかの例では、外側牽引ハンドルチューブ206aは、牽引ハンドルチューブ206aから横方向130に外向きに延びて凹部102に入る保持縁部208を含むことができる。この例では、一対の牽引ハンドルチューブ206の各々は、牽引ハンドルチューブ206間の間隙の寸法を小さくするために横方向130に延びて凹部102に入る保持縁部208を含むことができる。いくつかの例では、保持縁部208間の横方向寸法232は、対向するレール特徴部310間の横方向寸法352よりも小さい。トラック特徴部210は、リアパネル125の一部又は凹部102の壁104の一部に形成された保持縁部など、他の構造から形成されてもよい。
【0057】
いくつかの例では、手荷物用品100は凹部102を含まなくてもよく、トラック特徴部210は手荷物用品100のパネル(例えば、リアパネル125)の一部に形成されてもよい。いくつかの例では、手荷物用品100は凹部102を含まなくてもよく、トラック特徴部210は手荷物用品100の1つ以上の牽引ハンドルチューブ206の一部に形成されてもよい。いくつかの例では、手荷物用品100は凹部102を含まなくてもよく、トラック特徴部210は手荷物用品100のパネルの一部に部分的に形成され、手荷物用品100の1つ以上の牽引ハンドルチューブ206に部分的に形成されてもよい。このような例では、ポケット302の対向するレール特徴部は前述のようにトラック特徴部210に選択的に収容されてもよく、ポケット302は、ポケットが配置される手荷物用品100の各々のパネルにおいて凹んでいなくてもよい、即ちパネルと面一でなくてもよい。
【0058】
いくつかの例では、牽引ハンドルチューブ206を取り囲むハウジング内にトラック特徴部210を形成することができる。牽引ハンドルアセンブリの牽引ハンドルチューブ206をハウジング内に収めることができる。例えば、ハウジングを、手荷物用品100のパネル、例えばリアパネル125と一体化することができる。トラック特徴部210の一部を、ハウジングにおいて成形するか又は他の方法で形成することができる。いくつかの例では、トラック特徴部210を形成するハウジングを、手荷物用品100のパネルに取り付けられるか又は接合された別個の部品とすることができる。このようなハウジングでは、射出成形、真空成形、又は他の適切なプロセスなどによってトラック特徴部210をより容易に形成することができる。
【0059】
トラック特徴部210は、外側部分218と後部220との間に画定された奥行き230を有することができる。いくつかの例では、奥行き230を、(例えば図5Cに示す)対向するレール特徴部310の厚さ寸法350よりもわずかに小さくすることができる。他の例では、奥行き230を、対向するレール特徴部310の厚さ寸法とほぼ同じ大きさにすることができる。他の例では、奥行き230を、対向するレール特徴部310の厚さ寸法よりも大きくすることができる。いくつかの例では、奥行き230を縦方向134において変えることができる。例えば、トラック特徴部210の上部付近の奥行き230を、トラック特徴部210の下部付近の奥行き230よりも大きくすることができる。トラック部210の奥行き230を、縦方向134に沿ってより厚い奥行きからより薄い奥行きへと滑らかに変えることができる。いくつかの例では、奥行き230を横方向130において変えることができる。例えば、凹部102の側壁144、146付近の奥行き230を、凹部102の内部に向かって側壁144、146から離れた箇所の奥行き230よりも狭くすることができる。別の例では、凹部102の側壁144、146付近の奥行き230を、凹部102の内部に向かって側壁144、146から離れた箇所の奥行き230よりも広くすることができる。
【0060】
保持縁部208は、トラック特徴部210の外側部分218を形成することができる。いくつかの例では、一対のトラック特徴部210は、対向する一対の保持縁部208と、凹部102のそれぞれの後壁104との間に形成される。いくつかの例では、保持縁部208は牽引ハンドルチューブ206Aの全長にわたることができる。いくつかの例では、保持縁部は、牽引ハンドルチューブ206Aの長さの少なくとも一部に沿って離間された複数の保持縁部のうちの1つであってもよい。示される例では、保持縁部208は互いに対してほぼ平行に延びている。他の例では、凹部102の対向する側方にある保持縁部208を、互いに向かって横方向130に先細りにすることができる。トラック210を互いに向かう方向に先細りにすることができ、例えば、トラック210の頂部よりもトラック210の底部において互いに横方向に近接して離間させることができる。例えば、一対のトラックの第1のトラック210を、一対のトラックの第2のトラック210に向かって横方向130に先細りにすることができる。例えば、凹部102の対向する側方にある保持縁部208を、凹部102の一端(例えば、凹部の上部)よりも凹部102の他端(例えば、下端部)において互いに近づけることができる。横方向のテーパリング(先細り)は、ポケット302がぴったりと収まる「座」を形成することができる。このような横方向のテーパリングは、ポケット302を凹部102の狭い方の端部にロックすることによってポケット302を凹部102内により良好に固定する、という利点を有することができる。横方向のテーパリングの別の利点は、対向するレール特徴部310及び/又はトラック特徴部210の寸法を正確にする必要がなく、これによって製造性の向上、コストの低減、又は品質検査の合格率の向上を可能にできるということである。したがって、製造上のばらつき、使用によって生じる変形などに起因する、対向するレール特徴310の横方向寸法352のばらつきに対し、収納システム300をより耐性の強いものにすることができる。
【0061】
他の例では、トラック210を奥行き方向132に先細りにすることができる。例えば、トラック210を、凹部102の一端(例えば、下端部)において他端(例えば、上端部)よりも狭くすることができる。保持縁部208が凹部102の上部150におけるよりも下部148において凹部102の後壁104に近くなるように保持縁部208を形成することにより、このような奥行きのテーパリングを達成することができる。同様に、凹部102の下部148において、壁104が奥行き方向132においてフロントパネル127から離れて延びるように後壁104を形成することにより、奥行き方向のテーパリングを達成することができる。例えば、牽引ハンドルチューブ206に対して壁104に角度をつけることにより、凹部102に傾斜面を形成することができる。例えば、牽引ハンドルチューブ206が縦方向134に延びる一方で、壁104を奥行き方向132に傾斜させることができる。別の例では、壁104が縦方向134に延びる一方で、牽引ハンドルチューブ206を奥行き方向132に傾斜させることができる。他の例では、牽引ハンドルチューブ206及び壁104の両方を、縦方向134に沿って互いに向かうか又は離れるように、奥行き方向に傾斜させることができる。
【0062】
図5Aから図5Dは、収納システム300との使用に適したポケット302Aの実施形態を示している。ポケット302Aは本体362を含む。本体362は上部356、中央部358、及び下部360を有することができる(例えば図3に示される)。ポケット302Aは、対向する頂部パネル314及び底部パネル316、対向する左サイドパネル318及び右サイドパネル320、ならびに対向するフロントパネル324及びリアパネル322を含むことができる。レール特徴部310は、ポケット302Aの側方周縁部354の少なくとも一部の周りに延びている。いくつかの例では、レール特徴部310はポケット302Aの全周縁部の周りに延びている。例えば、レールは、ポケットの全周縁部の周りに延びるワイヤループを含むことができる。いくつかの例では、頂部パネル314又は底部パネル316はトラック特徴部と係合しない場合があるため、レール特徴部は、頂部パネル314又は底部パネル316に沿ってではなく、ポケットの側縁部の長さの全て又は一部のみに沿って延びることができる。ポケットは、ポケットの底部パネル316によって画定される端部である先端部313を含み、これは、ポケット302が凹部102に挿入される際に最初に凹部102に入る。先端部313に隣接するレール特徴部310の端部は、それぞれのレール特徴部310と対向するトラック特徴部210との係合を開始するのに適した前縁部317を画定することができる。ポケットは、ポケットの頂部パネル314によって画定される端部である後端部315を含み、これは、ポケットが凹部に完全に挿入された後に凹部102の上部に配置される。後端部315に隣接するレール特徴部310の端部は、ポケット302Aが凹部102に挿入されると対向するトラック部分210の上部にそれぞれ配置され得る後縁部319を画定することができる。
【0063】
ポケットは、開口部を選択的に露出させてポケットの内部コンパートメントへのアクセスを可能にする閉鎖デバイス342を含むことができる。閉鎖デバイス342は、フロントパネル324、頂部パネル314、対向する側方パネル318、320、又はこれらのパネルのうち1つより多くのパネルの組み合わせに配置することが可能である。一例では、ポケット302の開口部を選択的に露出させる閉鎖デバイス342によってフロントパネル324及びリアパネル322を選択的に接合することができる。いくつかの例では、閉鎖デバイス342はポケットの頂部パネルと部分的に又は全体的に取って代わることができる。図示の例では、閉鎖デバイス342はジッパーである。他の例では、閉鎖デバイス342はボタン、スナップ、面ファスナーなどであってもよい。図5Bに最もよく示されるように、閉鎖デバイス342は、ポケット302Aの側方周縁部354の少なくとも一部の周りに延びることができる。フロントパネル324及びリアパネル322は、ヒンジ344によって左パネル218において接合されている。したがって、閉鎖デバイス342が例えば図5Bに示すような開位置に構成されている場合、フロントパネル324及びリアパネル322を互いに分離してポケット302Aの内部格納容積336にアクセスすることができる。例えば、フロントパネル324及びリアパネル322を互いに分離してフロントパネル346の内面及びリアパネル348の内面を露出させることができる。内側ポーチ364をフロントパネル346及び/又はリアパネル348の内面に配置することができる。
【0064】
ケーブル308は、ケーブル部分308A及びケーブル部分308Bなど1つより多くのケーブル部分を含むことができ、これらのケーブル部分は、電気的に連通する異なった内部電力インターフェース306を備えることができる。例えば、ケーブル部分308AはUSB-A電力インターフェースを含むことができる。ケーブル部分308Bは、ミニUSB又はマイクロUSB電力インターフェースを含むことができる。
【0065】
図5Cは、分かりやすいようにライナー370を取り除いたポケット302Aの断面を示している。フロントパネル324及び/又はリアパネル322は、エチレン-酢酸ビニル(EVA)裏材を有する布で形成することが可能である。例えば、リアパネル322は、EVA又は他の好適なプラスチックの層322Aに接合された布地の層322Bを含むことができる。同様に、フロントパネル324は、EVA又は他の好適なプラスチックの層324Aに接合された布地の層324Bを含むことができる。フロントパネル324の形状を成形ステップによって形成し、ポケットが空でもポケット内に規定された容積を生じる3次元形状を作り出すことができる。また、この3次元の成形形状により、フロントパネル324の少なくとも一部を手荷物用品のリアシェルの背面と面一にすることもできる。ポケットの意図される内部格納容積に応じて、フロントパネル324を同一平面より低くしてもよいし高くしてもよい。また、リアパネルは、必要に応じて、金型などによって形成された形状を有することもできる。層324A/B及び/又は層322A/Bの位置を図示のようにし、示すように、プラスチック層をポケット302Aの内部格納容積336側にし、布地層をポケット302Aの外側にすることができる。層324A/B及び/又は層322A/Bの位置を入れ替えて布地層をポケット302Aの内部格納容積336側にし、プラスチック層をポケット302Aの外側にしてもよい。
【0066】
さらに図5Cを参照すると、図示のように、選択的な閉鎖デバイス342及びレール310を用いてフロントパネル324及びリアパネル322を接合することができる。パイピング353の一部によって補強材312を長手方向に巻き付けることができる。閉鎖デバイス342は、閉鎖デバイス342をポケット302Aに取り付けるのに適したテープ部分368を含むことができる。テープ部分368は布でもよいし、膜でもよい。パイピング353の重なり合う縁部を、テープ部368とフロントパネル324との間に挟むことができる。パイピング353、テープ部分368、及びフロントパネル324からなるサンドイッチ構造の両側を覆うようにカバー部分366を配置し、縫い目326で接合してヘム328及びレール310を形成することができる。同様に、カバー部分366を両側に配置して縫い目326で固定した状態で、閉鎖デバイス342の別のテープ部分368をリアパネル322と共に挟むことができる。フロントパネル、リアパネル、及びテープ部分と共に、ライナー370及び/又はポーチ364をサンドイッチ構造に含めることができる(例えば図4A及び図4Bに示される)。
【0067】
図5E図5F及び図5Gを参照すると、ポケット302Bの一例は対向するレール特徴部310を含むことができる。対向するレール特徴部310を、トラック210内に選択的に収容されるように構成することができる。対向するレール特徴部310をポケット302上に配置し、離間された対向する保持縁部208間の寸法232よりも大きい寸法352で互いから離間することができる。対向するレール特徴部310を、ポケット302の側方周縁部354の少なくとも一部の上に配置することができる。対向するレール特徴部310を、ポケット302のフロントパネル324と、対向する側壁318、320との交点に配置することができる。いくつかの例では、対向するレール特徴部310をポケット302の側壁に沿った任意の場所に配置することができる。いくつかの例では、対向するレール特徴部310を、ポケット302のフロントパネル324のみの上に配置することができる。図示するポケット302A及び302Bの例では、対向するレール特徴部310は、フロントパネル324と対向する側壁318、320との間に形成される辺又は縁部354の少なくとも一部の上に配置されている。対向する側壁318、320を、ポケット302の幅をわたって互いから横方向に間隔をあけて配置されたものとみなすことができる。このような位置により、ポケット302A/302Bを凹部102の後壁104に隣接して保持し、ポケット302A/302Bのリアパネル322を手荷物用品100のリアパネル125と面一に保つことができる。他の例では、対向するレール特徴部310とトラック特徴部210との間の奥行きの関係により、ポケット302のリアパネル322を手荷物用品100のリアパネル125よりも奥まって配置することができる。他の例では、対向するレール特徴部310とトラック特徴部210との間の奥行きの関係により、ポケット302のリアパネル322を手荷物用品100のリアパネル125から盛り上がって突出させることができる。対向する各横方向レール特徴部310を一対のトラック特徴部210の各々とスライド可能に係合させることができる。
【0068】
ポケット302Bのフロントパネル324及びリアパネル322は、左側パネル318及び右側パネル320のそれぞれの部分に延びる頂面パネル314の部分において、ジッパーなどの閉鎖デバイス342によって選択的に接合されることが可能である。先に説明したように、リアパネル322はストラップ又はハンドル338を含むことができる。
【0069】
図5Gの一例に示すように、対向するレール特徴部310を、直線状に延びる部材又は複数の個々の部材によって形成することができる。部材は、トラック特徴部と係合するのに十分であり、かつ、対向するレール特徴部310間の間隙によってポケットが対向するレール特徴部310から係合解除されないよう防ぐのに十分な有効長さを有する。ポケット302をトラック特徴部210内に固定するために、対向するレール特徴部310を比較的硬質又は剛体にすることができる。図5Cに示す例では、対向するレール特徴部310は、ポケットの後壁と対向する側壁との交点において、ポケットの周縁部354の少なくとも一部の周りに配置されたリブ構造又はパイピング構造によって形成される。パイピング構造は、スチールワイヤのような補強材312を含む。ポケット302の複数のパネルのうち2つの隣接するパネルの間に形成されたヘム328内に、補強材312を配置することができる。例えば、レール特徴部310は、ワイヤ312の上に巻き付けられ、これ自体の上に折り畳まれ、縫い目326によってこれ自体とブリッジ部330に縫い付けられたフロントパネル324の部分によって形成されたヘム328を含むことができる。他の例では、縫い目326の代わりに、又はこれに加えて、接着剤、溶接、リベット、又は他の適切な方法によってヘム328を固定することができる。例えば、ヘム328を形成する方法を、リアパネル322、フロントパネル324、補強材312などの材料によって決めることができる。補強材は、鋼、熱可塑性物質、繊維強化複合材などの弾性材料からなることができる。
【0070】
ポケット302Cの一例を図5Gに示す。ポケット302Cは、プラスチック、金属、木材などの硬質材料から作られたリアパネル322を含むことができる。ポケット302Cは、織物、布、革、プラスチックなどの軟質材料から作られたフロントパネル324を含むことができる。リアパネル322やフロントパネル324のいずれかと同じ材料か、又は別の材料とすることができるブリッジ部330によって、リアパネル322及びフロントパネル324を結合することができる。他の例では、リアパネル322、フロントパネル324、及び/又はブリッジ部330を任意の適切な硬質材料又は軟質材料で形成してもよい。例えば、フロントパネル324及び/又はリアパネル322を、エチレン-酢酸ビニルの裏地を有する布地で形成することができる。他の例では、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの適切なプラスチックからパネルを形成することができる。リアパネル322及びフロントパネル324を、縫い目326によってブリッジ部に接合することができる。
【0071】
ポケット302Cは、対向する側壁318、320を画定する本体362を含むことができ、レール特徴部310は、本明細書に記載される他のレール特徴部と同様の側壁の少なくとも一部に沿って配置される。この例におけるポケット302の本体362を、例えばプラスチック射出成形、真空成形、又は他のタイプの成形などの成形プロセスによって全体的に又は少なくとも部分的に形成することができる。ポケットの少なくとも側壁部分が成形部品である場合、レール特徴部をポケットの成形側壁と一体的又は一元的に形成することができる。例えば、レール特徴部310を、ポケット302Cのそれぞれの左右パネル318、320からそれぞれ横方向外側130に延びる一対の対向フランジ311とすることができる。いくつかの例では、レール特徴部310は細長くてもよく、ポケット302の長さの大部分か又は全長に沿って延びてもよい。いくつかの例では、レール特徴部310は、ポケットの少なくとも一部分又は全長に沿ってそれぞれの横方向縁部の一部に沿って延びる複数の個々のセグメント又は不連続の離間されたセグメントとすることができる。各レール特徴部310の厚さ寸法はそれぞれのトラック特徴部210内に収容されるのに十分であり、ポケット302の長さに沿って一貫していてもよいし、レール特徴部310との係合を強化するために厚さが変化してもよい。例えば、レール特徴部310は、ポケットの頂部(例えば頂部パネル314付近)よりもポケットの底部(例えば底部パネル316付近)で相対的に薄くなる厚さを有してもよい。いくつかの例では、例えば、ポケット302の凹部102に対する抜き挿しを向上させるために、トラック特徴部210はトラック特徴部210の底部ではレール特徴部310の前部及び後部と係合せず、レール特徴部310の頂部でぴったりと収まることができる。
【0072】
再び図4A及び図4Bを参照すると、本明細書に開示される任意のポケット302のレール特徴部310をトラック特徴部210内に選択的に収容し、ポケット302を凹部102内に固定することができる。例えば、ポケット302Cのレール特徴部310の下端部を凹部102の上部150でトラック210に挿入し、トラック特徴部210に沿ってスライドさせることができる。ポケット302Cを凹部102内に完全に収容することができ、ポケット302の一端(例えば、底部パネル316)は凹部102の下壁142に隣接する。レール特徴部310がトラック特徴部210に沿ってスライドされると、保持縁部208は、レール特徴部310がトラック210と係合するようにポケット302にくぼみ340を形成することができる。例えば、図4A及び図4Bに示すように、凹部102の対向する側方にある対向する保持縁部208を、ポケット302の対向する側面318、320におけるレール特徴部310間の寸法352よりも小さい寸法232だけ離間させることができる。ポケット302は、寸法352に対して相対的に小さい寸法232によって凹部102内に保持されることが可能である。また、ポケット302は、ポケット302の側壁318、320に対する保持縁部208の係合/ピンチ(締めつけ)効果によって凹部102内に二次的に保持され、くぼみ340が形成されることが可能である。例えば、レール特徴部310を保持縁部208と手荷物用品のリアパネル125との間に固定することができる。例えば、レール特徴部310を保持縁部と凹部102の壁104との間に固定することができる。同様に、ポケット302Cが少なくとも部分的に硬質材料からなり、上記で言及した一対の対向フランジ311のような一体成形されたレール特徴部310を含む場合、ポケット302が凹部102内に完全に収容されるまでレール特徴部310をトラック210に沿って移動又はスライドさせることができる。
【0073】
レール特徴部310のトラック210とのスライド可能な係合によってポケット302を凹部102内に固定することができ、これにより、ポケットが保持縁部208間に形成された間隙(例えば、図4A及び図4Bの寸法232に沿った間隙)によって凹部102の長さに沿って後方に引っ張られる(例えば、奥行き方向132に引っ張られて凹部102から外れる)ことはない。グリップハンドル202は、格納位置にあるときにポケット302を凹部102内に固定するよう機能することができる(図1参照)。この位置において、グリップハンドル202は凹部102の開いた第2の部分を塞ぎ、凹部102からポケット302を取り外すのに十分なトラック特徴部210に沿ったポケット302の移動を制限する。手荷物用品が荷物入れや荷物コンベヤシステム等に格納される際、グリップハンドル202による凹部102内のポケット302の移動の制限によってポケット302が都合よく定位置に保たれる。グリップハンドル202をわずかに伸ばしてポケット302を凹部102からスライドさせることにより、ポケット302を容易に引き出すことができる。
【0074】
ポケット302の凹部102への挿入の際は、レール特徴部310をそれぞれのトラック特徴部210と位置合わせし、ポケット302を凹部104の長さに沿って着座位置、即ち完全に係合した位置まで移動させることが必要である。一例において、対向するレール特徴部310の前縁部317の最初の挿入は、各保持縁部208の上部のリードイン(導入)構造によって強化される。図6はリードイン構造の例を示しており、リードイン構造は、この例では、牽引ハンドルチューブ206aに結合するか又は牽引ハンドルチューブ206aと共に形成することのできるキャップ212である。キャップ212を牽引ハンドルチューブの端部に配置することができる。キャップ212は、レール特徴部310のトラック特徴部210への挿入を開始し、容易にし、又は助けるように構成されることが可能である。キャップ212は、凹部102内に横方向に突出する肩部214を含むことができる。肩部214をキャップ212の横方向内側面222に配置し、レール特徴部310のトラック210とのスライド可能な係合を容易にするように構成することができる。例えば、キャップ212は、凹部102の中心線に向かってキャップ212から横方向に突出する肩部214を含むことができる。肩部214は、背面224と、前面226と、背面224と前面226との間の頂部227とを含むことができる。肩部214を先細りにして、凹部102の開いた形状から保持縁部208の形状への推移を形成することができる。したがって、肩部214は、レール特徴部310を捕捉してレール特徴部310をトラック特徴部210内に案内し始めるための漏斗として作用することができる。例えば、肩部214の前面226を、トラック特徴部210の奥行き寸法230よりも大きい寸法228で壁104から奥行き方向132に離間させることができる。間隙の奥行きは、寸法228からトラック特徴部210の寸法230に滑らかに推移することができる。いくつかの例では、射出成形、機械加工、ブロー成形又は同様の方法で形成して牽引ハンドルチューブ206Aに結合することのできるプラスチックからキャップを形成してもよい。
【0075】
図7はポケット302の部分切取図を示している。いくつかの例では、ポケット302は電源332を含むのに適している。ポケットの内部格納容積を電源の収容に適したものにすることができる。電源は、携帯電話、ラップトップ、タブレット、ゲームコンソールなどの電子デバイスに電力を供給するのに適したバッテリー又は電源パックとすることが可能である。電源332は、前述のように、ポケット302のクロージャ342などを介してポケット302から取り外すことができる。電源332は、電源332から電力を供給するのに適した電力インターフェース306を含むことができる。電力インターフェース306は、電源332に電力を受容して電源332を再充電するのに適したものとすることが可能である。外部電力インターフェース334を、ポケット302の複数のパネルのうちリアパネル322に結合することができる。外部電力インターフェース334を、リアパネル322の上部356、リアパネル322の中央部358、又はリアパネル322の下部360に配置してもよい。いくつかの例では、2つ以上の外部電力インターフェースをリアパネル322の上部356、中央部358、及び/又は下部360のいずれかに配置することができる。電源332は内部電力インターフェース306を含むことができ、電源332をポケット302の内部格納容積336内に配置することができる。いくつかの例では、ポケット302内の外部電力インターフェース334の部分をカバー372の後ろに隠すことができる。
【0076】
ケーブル308を、内部電力インターフェース306及び外部電力インターフェース334と電気的に連通させて、電源332から外部電力インターフェース334に電力を供給するように作動させることができる。電力インターフェース306は、ケーブル308を介して外部電力インターフェース334と電気的に連通することができる。外部電力インターフェース334は、ポケット302に結合されてもよいし、ポケット302と共に形成されてもよい。例えば、外部電力インターフェース334をポケット302のリアパネル322に結合することができる。多くの例において、電力インターフェース306及び334は、電子デバイスに電力を供給するのに適したユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースである。電力インターフェース306、334としては、USB A、USB B、USB C、micro-USB A、micro-USB B、mini USB B(5ピン)、mini USB B(4ピン)、USB 3.0 Aなどを含む、USBインターフェースの任意の世代又は変形物(variant)が使用可能である。電力インターフェース306、334は、Apple Lightning(登録商標)、FireWire(登録商標)(IEEE 1394)、Power over Ethernet(登録商標)など、他の適切なタイプのインターフェースであってもよい。
【0077】
外部電力インターフェース334の一部を蓋部304によって選択的に覆うことができる。例えば、蓋部304は外部電力インターフェースの電気接点を覆い、このような接点が汚れたり、汚染されたり、濡れたりするのを防ぐことができる。蓋部304は、テザー305によってポケット302に固定することができる。テザーはカバーに連結されてもよい。テザー305は外部電力インターフェース334に連結されてもよい。テザー305はリアパネル322に連結されてもよい。テザー305は、蓋部304が外部電力インターフェース334から取り外された際に蓋部304を保持するように機能することができる。テザー305は、蓋部304が外部電力インターフェース334にアクセスするために十分離れているが、カバーが紛失したり傷ついたりしないように十分近くに保つようにして蓋部304を外部電力インターフェース334から取り外すことを可能にする任意の適切な構造とすることができる。例えば、テザー305を、紐、エラストマーフィラメント、ケーブル、チェーン、ロープなどとすることができる。外部電力インターフェース334が使用されていないときに蓋部304を所定の位置に保持するのに適したクリップやスナップフィットなどにより、蓋部304を外部電力インターフェース334に固定することができる。外部電力インターフェース334は、手荷物用品100からポケット302を取り外すことなく個人用電子機器の充電を可能にするといった利点を有することができる。
【0078】
図8Aは、手荷物用品100の牽引ハンドルチューブ206A-206Cの部分断面図を示している。図8Bは、リアシェル103の内側の等角図を示している。図8A及び図8Bに示すように、牽引ハンドルチューブ206Aを、締め具216によって荷物品100のリアパネル125に固定することができる。締め具216は、ねじ、ボルト、リベット、ピンなど、任意の適切なタイプの締め具とすることができる。外側牽引ハンドルチューブ206Aは、凹部102の下壁142の開口部152を通って延びることができる。外側牽引ハンドルチューブ206Aは、下壁142の上方で手荷物用品100の外側に露出した上部138を有することができる。外側牽引ハンドルチューブ206Aは、下壁142の下方で手荷物用品100の内側収納コンパートメントに収容された下部136を含むことができる。例えば、外側牽引ハンドルチューブ206Aは、凹部102の下部148においてなど、リアパネル125の下壁142の開口部152を通って延びることができる。手荷物用品100の内部格納容積内にハウジング126を設けて牽引ハンドルチューブ206を収容することができる。ハウジング126によって、牽引ハンドルチューブ206が手荷物用品100の内容物に接触したり、引っかかったり、干渉したりするのを防ぐことができる。スナップフィット接続(interface)、接着剤、締め具など任意の適切な方法により、ハウジング126を手荷物用品100のフロントパネル127に結合することができる。
【0079】
(上、下、上方向、下方向、左、右、左方向、右方向、頂部、底部、側面、上方、下方、前、中央、後、垂直、水平などを含む)相対的及び方向的な言及はすべて、読者が本明細書に記載される特定の実施形態を理解する助けになるよう例として与えられたものである。特許請求の範囲に具体的に記載のない限り、これらの言及を、特に位置、向き、又は使用に関する要件や限定であると解釈してはならない。接続に関する言及(例えば、取り付けられた、結合された、接続された、接合された等)は広く解釈されるべきであり、要素の接続間の中間部材と、要素間の相対運動とを含むことができる。そのため、接続に関する言及は、特許請求の範囲に具体的に記載のない限り、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも示すものではない。
【0080】
当業者であれば、開示された実施形態が限定ではなく例として教示されたものと理解するであろう。したがって、上記の説明に含まれる事項や添付の図面に示される事項は例示的なものと解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではない。以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載された一般的な特徴及び特定の特徴のすべてと、言語上その間に入ると表しうる、本発明の方法及びシステムの範囲に関する記述のすべてを含むものと意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6
図7
図8A
図8B
【外国語明細書】