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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080327
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】給紙ローラと給紙装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20220523BHJP
   B65H 3/06 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
B65H5/06 B
B65H3/06 330A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191305
(22)【出願日】2020-11-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼出荷日 2020年10月17日 ▲2▼販売先名 太陽紙業株式会社 ▲3▼販売先住所 埼玉県桶川市坂田860-3 ▲4▼販売者 株式会社上田紙工機 ▲5▼内容 株式会社上田紙工機は、上田 司、及び、青山 博紀が発明した給紙ローラを装着した段ボール用平盤打抜機「ユニプラテンSU-1450X」を太陽紙業株式会社に販売した。
(71)【出願人】
【識別番号】520452323
【氏名又は名称】株式会社上田紙工機
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】上田 司
(72)【発明者】
【氏名】青山 博紀
【テーマコード(参考)】
3F049
3F343
【Fターム(参考)】
3F049AA03
3F049CA02
3F049CA03
3F049CA04
3F049CA05
3F049CA21
3F049LA15
3F049LB01
3F343FA01
3F343FB17
3F343FC22
3F343JA02
3F343JA11
3F343KB04
3F343KB13
3F343LD24
(57)【要約】
【課題】 表面の被覆材を容易に交換できるとともにスリップによる搬送効率の低下を防止する給紙ローラと給紙装置を提供すること。
【解決手段】 円筒形状のローラ面が形成されたローラ本体と、上記ローラ本体に巻回され上記ローラ面を被覆する被覆材と、上記ローラ本体に設けられ上記被覆材の両端が挿入される被覆材固定用凹部と、上記被覆材固定用凹部内に挿入され上記被覆材の両端を固定する被覆材固定部材と、を具備し、上記被覆材固定用凹部は上記ローラ面の幅方向に上記被覆材が全く存在しない箇所が生じないように設けられているもの。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状のローラ面が形成されたローラ本体と、
上記ローラ本体に巻回され上記ローラ面を被覆する被覆材と、
上記ローラ本体に設けられ上記被覆材の両端が挿入される被覆材固定用凹部と、
上記被覆材固定用凹部内に挿入され上記被覆材の両端を固定する被覆材固定部材と、
を具備し、
上記被覆材固定用凹部は上記ローラ面の幅方向に上記被覆材が全く存在しない箇所が生じないように設けられていることを特徴とする給紙ローラ。
【請求項2】
請求項1記載の給紙ローラにおいて、
上記被覆材固定用凹部は上記ローラ本体のローラ面を左右二つの領域に区分けした時、左側の被覆材固定用凹部と右側の被覆材固定用凹部とで別々に設けられていて、それぞれ上記ローラ本体の周方向に沿って異なる位置に設けられていることを特徴とする給紙ローラ。
【請求項3】
請求項2記載の給紙ローラにおいて、
上記左側の被覆材固定用凹部に対して上記右側の被覆材固定用凹部は180°異なる位置に設けられていることを特徴とする給紙ローラ。
【請求項4】
請求項1記載の給紙ローラにおいて、
上記被覆材固定用凹部は上記ローラ本体の回転軸方向に対して傾斜された方向に延長されていることを特徴とする給紙ローラ。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れかに記載の給紙ローラにおいて、
上記ローラ本体は回転軸を通る分割面で分割される複数の部品から構成されることを特徴とする給紙ローラ。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れかに記載の給紙ローラが設置される給紙装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙ローラと給紙装置に係り、特に、給紙ローラの表面の被覆材を容易に交換できると共にスリップによる搬送効率の低下を防止するように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の給紙装置を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。特許文献1に記載された発明による「給紙装置」には、紙などのシートを積層して供給するシート供給部がある。このシート供給部に積層されたシートは一番下側のものから順番に、モータによって間欠的に回転される送りロールによって、打ち抜き機側に搬送される。
上記特許文献1には上記送りロールの具体的な構成は記載されていないが、例えば、円柱形状の金属製のロール本体の表面を、例えば、ゴム製の被覆材で被覆し、その被覆材による摩擦によって上記シートを搬送するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1-32137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成では次のような問題があった。
すなわち、送りロールの表面を被覆している被覆材が摩耗してしまった際、その被覆材を交換する作業が必要となるがその交換作業が面倒であるという問題があった。
それを解決するものとして、上記送りロールの表面に軸方向に延長された凹部を設け、その凹部内に上記被覆材の両端を挿入し、そこに固定部材を挿入して固定する構成が提案されている。
しかしながら、この場合には上記凹部が軸方向に沿って上記送りロールの全幅に設けられているため、送りロール面の幅方向に上記被覆材が全く存在しない箇所が発生してしまい、それが原因してシートがスリップしてしまうという問題があった。
【0005】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、給紙ローラの表面の被覆材を容易に交換できると共にスリップによる搬送効率の低下を防止することが可能な給紙ローラと給紙装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による給紙ローラは、円筒形状のローラ面が形成されたローラ本体と、上記ローラ本体に巻回され上記ローラ面を被覆する被覆材と、上記ローラ本体に設けられ上記被覆材の両端が挿入される被覆材固定用凹部と、上記被覆材固定用凹部内に挿入され上記被覆材の両端を固定する被覆材固定部材と、を具備し、上記被覆材固定用凹部は上記ローラ面の幅方向に上記被覆材が全く存在しない箇所が生じないように設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項2による給紙ローラは、請求項1記載の給紙ローラにおいて、上記被覆材固定用凹部は上記ローラ本体のローラ面を左右二つの領域に区分けした時、左側の被覆材固定用凹部と右側の被覆材固定用凹部とで別々に設けられていて、それぞれ上記ローラ本体の周方向に沿って異なる位置に設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項3による給紙ローラは、請求項2記載の給紙ローラにおいて、上記左側の被覆材固定用凹部に対して上記右側の被覆材固定用凹部は180°異なる位置に設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項4による給紙ローラは、請求項1記載の給紙ローラにおいて、上記被覆材固定用凹部は上記ローラ本体の回転軸方向に対して傾斜された方向に延長されていることを特徴とするものである。
又、請求項5による給紙ローラは、請求項1~請求項4の何れかに記載の給紙ローラにおいて、上記ローラ本体は回転軸を通る分割面で分割される複数の部品から構成されることを特徴とするものである。
又、請求項6による給紙装置は、請求項1~請求項5の何れかに記載の給紙ローラが設置されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
以上述べたように本願発明の請求項1による給紙ローラによると、円筒形状のローラ面が形成されたローラ本体と、上記ローラ本体に巻回され上記ローラ面を被覆する被覆材と、上記ローラ本体に設けられ上記被覆材の両端が挿入される被覆材固定用凹部と、上記被覆材固定用凹部内に挿入され上記被覆材の両端を固定する被覆材固定部材と、を具備し、上記被覆材固定用凹部は上記ローラ面の幅方向に上記被覆材が全く存在しない箇所が生じないように設けられているので、上記被覆材を容易に交換することができるとともにスリップによる搬送の効率を低下もない。
又、請求項2による給紙ローラによると、請求項1記載の給紙ローラにおいて、上記被覆材固定用凹部は上記ローラ本体のローラ面を左右二つの領域に区分けした時、左側の被覆材固定用凹部と右側の被覆材固定用凹部とで別々に設けられていて、それぞれ上記ローラ本体の周方向に沿って異なる位置に設けられているので、上記被覆材固定部材の存在によって上記被覆材が摩擦力を発揮できなくなる周方向上の箇所をなくし、より効果的に搬送対象物を搬送することができる。
又、請求項3による給紙ローラによると、請求項2記載の給紙ローラにおいて、上記左側の被覆材固定用凹部に対して上記右側の被覆材固定用凹部は180°異なる位置に設けられているので、上記被覆材固定部材の存在によって上記被覆材が摩擦力を発揮できなくなる周方向上の箇所をなくし、より効果的に搬送対象物を搬送することができる。
又、請求項4による給紙ローラによると、請求項1記載の給紙ローラにおいて、上記被覆材固定用凹部は上記ローラ本体の回転軸方向に対して傾斜された方向に延長されているので、上記被覆材固定部材の存在によって上記被覆材が摩擦力を発揮できなくなる周方向上の箇所をなくし、より効果的に搬送対象物を搬送することができる。
又、請求項5による給紙ローラは、請求項1~請求項4の何れかに記載の給紙ローラにおいて、上記ローラ本体は回転軸を通る分割面で分割される複数の部品から構成されるので、容易に軸に取り付けることができる。
又、請求項6による給紙装置によると、請求項1~請求項5の何れかに記載の給紙ローラが設置されるので、上記被覆材を容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、給紙ローラの使用状態を示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図2(a)は給紙ローラの平面図、図2(b)は図2(a)のIIb-IIb矢視図である。
図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図2(a)のIII-III断面図である。
図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図4(a)は被覆材固定部材の平面図、図4(b)は被覆材固定部材の正面図、図4(c)は被覆材固定部材の側面図である。
図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、給紙ローラの組立手順を示す図である。
図6】本発明の第2の実施の形態を示す図で、給紙ローラの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1乃至図5を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
この第1の実施の形態による給紙ローラ1は、図1に示すように、給紙装置2に設置され、図示しないモータによって回転されることで、図示しない紙等のシート状の搬送対象物を搬送する。
上記給紙ローラ1には、図2に示すように、ローラ本体3がある、上記ローラ本体3は略円筒形状であり、外周面の図2(a)中左半分側がローラ面5、外周面の図2(a)中右半分側がローラ面5´となっている。
上記ローラ面5とローラ面5´の間には、凸部6が形成されている。
【0010】
上記ローラ面5には被覆材7が巻回されている共に、上記ローラ面5´にも同じ被覆材7´が巻回されている。上記被覆材7、7´は、例えば、ゴム製のベルト部材である。上記被覆材7、7´を巻回する際、上記凸部6に当接させるようにして、上記被覆材7、7´を位置決めする。上記被覆材7、7´の表面は、図1に示すように、周方向に延長された溝が軸方向に所定のピッチで設けられた凸凹形状をなしている。
【0011】
図2に示すように、上記ローラ本体3の上記ローラ面5の図2(a)中左半分側には被覆材固定用凹部9が形成されている。図3に示すように、上記ローラ本体3の上記ローラ面5の図2(a)中右半部側にも同様の被覆材固定用凹部9´が形成されている。この被覆材固定用凹部9´は上記被覆材固定用凹部9に対して180゜反対側に形成されている。
【0012】
上記被覆材7の両端は上記被覆材固定用凹部9内に挿入されている。同様に、上記被覆材7´の両端も上記被覆材固定用凹部9´内に挿入されている。
【0013】
上記被覆材固定用凹部9、9´内には被覆材固定部材11、11´が挿入されて固定されている。上記被覆材固定部材11は、上記被覆材7の両端が上記被覆材固定用凹部9内に挿入された後に、上記被覆材固定用凹部9内に挿入されて固定されており、上記被覆材7の脱落を防止するとともに被覆材7をローラ面5に密着させている。同様に、上記被覆材固定部材11´は、上記被覆材7´の両端が上記被覆材固定用凹部9´内に挿入された後に、上記被覆材固定用凹部9´内に挿入されて固定されており、上記被覆材7´の脱落を防止するとともに被覆材7´をローラ面5に密着させている。
【0014】
上記被覆材固定部材11、11´には、図4(a)及び図4(b)に示すように、貫通孔13、13が図4(b)中上下方向に延長・形成されている。上記貫通孔13の図4(b)中上端側は拡径されていて段付部15が形成されている。また、図4(c)に示すように、上記被覆材固定部材11の前面(図4(c)中左側)と背面(図4(c)中右側)には、それぞれ複数個(この実施の形態の場合には2個)の被覆材固定用凸部16、16が突出・形成されている。また、上記被覆材固定部材11、11´の中央には、取外用貫通孔14が図4(b)中上下方向に延長・形成されている。上記取外用貫通孔14の図4(b)中下部には取外用雌ネジ部14aが形成されている。
【0015】
図3に示すように、上記ローラ本体3側の被覆材固定用凹部9、9´の底部側には雌ネジ部17、17が形成されていて、ボルト19、19を上記貫通孔13、13に通して、上記雌ネジ部17、17に螺合することで、上記被覆材固定部材11を上記ローラ本体3に固定する。上記被覆材固定部材11´も同様の構成により上記ローラ本体3に固定する。
【0016】
上記ローラ本体3の両側面側(図1(a)中左右方向両側)には、それぞれボス部21、21が突出形成されている。また、上記ローラ本体3の中心には、シャフト取付用貫通孔23が形成されている。
【0017】
また、図2(b)及び図3に示すように、上記ローラ本体3は2個のローラ本体要素31、33から構成されていて、これらローラ本体要素31、33の分割面35、37側を対向させて一体化されている。また、上記ローラ本体要素31の分割面35側には上記取付用貫通孔23を構成する一方の取付用凹部39が
形成されていて、上記ローラ本体要素33の分割面37側には上記取付用貫通孔23を構成する他方の取付用凹部41が形成されている。
【0018】
図2(b)に示すように、上記ローラ本体要素31には固定ネジ用貫通孔42が形成されていて、上記ローラ本体要素33には固定ネジ用雌ネジ部43が形成されている。上記分ローラ本体要素31と上記ローラ本体要素33を上記分割面35、37を対向させた状態で当接させ、固定ネジ45を上記固定ネジ用貫通孔41を通して上記固定ネジ用雌ネジ部43に螺合することにより一体化させている。このとき、上記取付用凹部39と上記取付用凹部41によって取付用貫通孔23が形成される。上記ローラ本体要素31、33には雌ねじ部44、44がそれぞれ形成されている。これら雌ねじ部44、44にはセットピース46を介して止めねじ46が螺合される。上記セットピース46としては、一例として、真鍮製の円盤が使用される。
【0019】
次に、この第1の実施の形態による作用について説明する。
まず、給紙ローラ1の組立及び回転軸47への取付から説明する。図5(a)に示すように、ローラ本体要素31の取付用凹部39とローラ本体要素33の取付用凹部41とにより上記回転軸47を挟み込み、固定ネジ45を上記固定ネジ用貫通孔42に通して上記固定ネジ用雌ネジ部43に螺合させることにより固定する。
その際、雌ネジ部44、44にセットピース46、46を挿入した後、止めねじ48、48を螺合して回り止めを行う。
【0020】
次に、図5(b)に示すように、被覆材固定部材11の貫通孔13、13に仮止用ボルト51、51を通して、上記仮止用ボルト51、51の先端側を雌ネジ部17、17に螺合させて、上記被覆材固定部材11を仮止めする。このとき、上記被覆材固定部材11は被覆材固定用凹部9内には挿入されていない。
【0021】
次に、図5(c)に示すように、ローラ本体3のローラ面5に被覆材7を巻回させる。
次に、図5(d)に示すように、上記被覆材7の両端部を上記被覆材固定用凹部9内に挿入する。
次に、図5(e)に示すように、上記仮止用ボルト51、51を回転させて、上記被覆材固定部材11を上記被覆材固定用凹部9内に少し挿入する。
【0022】
次に、図5(f)に示すように、上記仮止用ボルト51、51を除去して、代わりに、仮止用ボルト53、53を上記被覆材固定部材11の貫通孔13、13に通して雌ネジ部17、17に螺合させる。上記仮止用ボルト51、51の除去と上記仮止用ボルト53、53の設置は一本ずつ行う。
次に、図5(g)に示すように、上記仮止用ボルト53、53を回転させて、上記被覆材固定部材11を上記被覆材固定用凹部9内に更に挿入する。
【0023】
次に、図5(h)に示すように、上記仮止用ボルト53、53を除去して、代わりに、ボルト19、19を上記被覆材固定部材11の貫通孔13、13に通して雌ネジ部17、17に螺合させる。上記仮止用ボルト53、53の除去と上記ボルト19、19の設置は一本ずつ行う。
次に、図5(i)に示すように、上記ボルト19、19を回転させて、上記被覆材固定部材11を上記被覆材固定用凹部9内に更に挿入して、上記被覆材固定部材11及び上記被覆材7の固定を完了する。
なお、上記仮止用ボルト51、仮止用ボルト53、ボルト19は長さが異なる。一例として、仮止用ボルト51がM6-55mm、仮止用ボルト53がM6-45mm、ボルト19がM6-35mmである。
同様の手順で、被覆材7´がローラ面5´に巻回され、被覆材固定部材11´によって固定される。
【0024】
上記被覆材固定部材11、11´を取り外す際は、取外用貫通孔14に図示しない取外用治具を挿入して上記取外用治具を回転させ、取外用雌ネジ部14aに螺合させていき、上記取外用治具の先端を上記被覆材固定用凹部9の底部に当接させた後も上記取外用治具を回転させることで、上記被覆材固定部材11、11´を上記被覆材固定用凹部9、9´の外に引き出す。
【0025】
次に、この第1の実施の形態による効果について説明する。
まず、2枚の上記被覆材7、7´がローラ面5、5´にそれぞれ巻回されていて、被覆材固定用凹部9、9´は周方向の位置が重合しない位置、本実施の形態の場合には180°ずれた位置に配置されているので、上記被覆材固定部材11、11´の存在によって上記被覆材7、7´の摩擦力が発揮されない場所が発生することはなく、スリップを防止し効果的に搬送対象物を搬送することができる。
また、被覆材固定部材11によって被覆材7を固定するので、上記被覆材7が摩耗しても容易に交換することができる。
また、上記被覆材固定部材11には被覆材固定用凸部16が形成されているので、確実に被覆材7を固定することができる。特に、被覆材7に設けられている複数個の凸凹部に上記被覆材固定用凸部16が交差するように押圧されるので、高い固定効果を提供することができる。
また、上記ローラ本体3のローラ面5とローラ面5´の間には凸部6が形成されているので、上記ローラ本体3に上記被覆材7、7´を巻回する際に上記凸部6がガイド機能を発揮し、上記被覆材7、7´の位置決めが容易になる。
また、給紙ローラ1はローラ本体要素31、33から構成されているので、回転軸47に対する給紙ローラ1の着脱も容易である。
【0026】
次に、図6を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。
この第2の実施の形態による給紙ローラ101は、前記第1の実施の形態による給紙ローラと略同様の構成であるが、ローラ面5のみがあり、上記ローラ面5に一枚の被覆材103が巻回されている。上記ローラ面5には一つの被覆材固定用凹部107が軸方向に対して傾斜した状態で設けられている。
【0027】
上記被覆材固定用凹部107内には上記被覆材103の両端が挿入され、そこに被覆材固定部材105が挿入されて固定されている。
尚、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
【0028】
この第2の実施の形態の場合は、被覆材103は一枚だけで、被覆材固定部材105も一つしか設置されていないが、上記被覆材固定部材105と被覆材固定用凹部107の向きが、ローラ本体3の回転軸方向(図5中左右方向)に対して傾斜されているので、上記ローラ面の幅方向(図5中左右方向)に上記被覆材103が全く存在しない箇所が生じることはなく、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができる。
【0029】
なお、本発明は、前記第1の実施の形態及び第2の実施の形態に限定されるものではない。
被覆材の枚数、被覆材固定部材の数、形状等は様々な場合が考えられる。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、給紙ローラと給紙装置に係り、特に、給紙ローラの表面の被覆材を容易に交換できると共にスリップによる搬送効率の低下を防止するように工夫したものに関し、例えば、打ち抜き機の給紙装置に好適である。
【符号の説明】
【0031】
1 給紙ローラ
3 ローラ本体
5 ローラ面
7 被覆材
9 被覆材固定用凹部
11 被覆材固定部材
31 分割部品
33 分割部品
101 給紙ローラ
103 被覆材
105 被覆材固定部材
107 被覆材固定用凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6