(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080362
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20220523BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20220523BHJP
G06T 7/20 20170101ALI20220523BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20220523BHJP
【FI】
A61B5/11 230
A63B69/00 A
G06T7/20 300Z
G06T7/00 350B
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191366
(22)【出願日】2020-11-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【テーマコード(参考)】
4C038
5L096
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB14
4C038VC01
4C038VC05
5L096BA06
5L096CA04
5L096CA27
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】撮影装置、及びセンサ等を用い、人の動作を、処理負荷を抑えて解析する。
【解決手段】プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、被測定者の個人情報を取得するステップと、取得した個人情報に基づいて3次元モデルを作成するステップと、体の一部にモーションセンサが装着された被測定者についての撮影画像が解析されて得られる、被測定者の動作情報を取得するステップと、モーションセンサのセンシング情報を取得するステップと、動作情報及びセンシング情報に基づいて3次元モデルを動かすステップと、3次元モデルの動きを解析するステップと、をプロセッサに実行させるプログラム。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
被測定者の個人情報を取得するステップと、
前記取得した個人情報に基づいて3次元モデルを作成するステップと、
体の一部にモーションセンサが装着された前記被測定者についての撮影画像が解析されて得られる、前記被測定者の動作情報を取得するステップと、
前記モーションセンサのセンシング情報を取得するステップと、
前記動作情報及び前記センシング情報に基づいて前記3次元モデルを動かすステップと、
前記3次元モデルの動きを解析するステップと、
を前記プロセッサに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記動作情報を取得するステップにおいて、体が写っている動画を入力とし、写っている体の動きに関する情報を出力するように学習された学習済みモデルを用いて前記動作情報を取得する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記モーションセンサは、前記被測定者の体のうち、測定対象となる部位に1または複数装着される、請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記解析するステップにおいて、期間の離れた複数の時点で記憶された、前記3次元モデルの動きを比較する、請求項1から3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記解析するステップにおいて、期間の離れた複数の時点で記憶された動きを比較することでリハビリの効果を評価する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記解析するステップにおいて、前記被測定者の3次元モデルについて記憶されている動きと、前記被測定者とは異なる他の被測定者の3次元モデルについて記憶されている動きとを比較する、請求項1から3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記解析するステップにおいて、前記被測定者とは異なる被測定者は、前記被測定者と同じ疾病と診断され、同様の治療を施され、治療の経過が前記被測定者の治療の経過と比較して良好だった者である、請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
前記解析するステップにおいて、前記被測定者とは異なる被測定者は、前記被測定者と同じ疾病と診断され、異なる治療を施された者である、請求項6記載のプログラム。
【請求項9】
前記解析するステップにおいて、解析対象とする時点に関する指定、および解析を実施する旨の指示を受け付け、前記指示に応じ、前記指定された時点に対応する前記3次元モデルの動きを解析する、請求項1から8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記解析するステップにおいて、リハビリの経過に応じたタイミングで、前記リハビリにおいて記憶された前記3次元モデルの動きを解析する、請求項1から8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータが実行する方法であって、前記プロセッサが、
被測定者の個人情報を取得するステップと、
前記取得した個人情報に基づいて3次元モデルを作成するステップと、
体の一部にモーションセンサが装着された前記被測定者についての撮影画像が解析されて得られる、前記被測定者の動作情報を取得するステップと、
前記モーションセンサのセンシング情報を取得するステップと、
前記3次元モデルを前記動作情報及び前記センシング情報に基づいて動かすステップと、
前記3次元モデルの動きを解析するステップと、
を実行する方法。
【請求項12】
制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部が、
被測定者の個人情報を取得するステップと、
前記取得した個人情報に基づいて3次元モデルを作成するステップと、
体の一部にモーションセンサが装着された前記被測定者についての撮影画像が解析されて得られる、前記被測定者の動作情報を取得するステップと、
前記モーションセンサのセンシング情報を取得するステップと、
前記動作情報及び前記センシング情報に基づいて前記3次元モデルを動かすステップと、
前記3次元モデルの動きを解析するステップと、
を実行する情報処理装置。
【請求項13】
被測定者の個人情報を取得する手段と、
前記取得した個人情報に基づいて3次元モデルを作成する手段と、
体の一部にモーションセンサが装着された前記被測定者についての撮影画像が解析されて得られる、前記被測定者の動作情報を取得する手段と、
前記モーションセンサのセンシング情報を取得する手段と、
前記動作情報及び前記センシング情報に基づいて前記3次元モデルを動かす手段と、
前記3次元モデルの動きを解析する手段と、
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人の動きをカメラ、及びセンサ等で捉え、捉えた動作を解析する技術が知られている。特許文献1には、動作中の被写体を連続的に撮像した複数の画像から生成された、時系列に応じて前記被写体の動作の変化が識別可能な合成画像と、当該被写体に装着されたモーションセンサから出力される、被写体の動作に対応する時系列で表示されるモーションデータとを対応付けた状態で、合成画像とモーションデータとを表示させる運動評価装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、複数人の動作を解析しようとする場合、複数人分の動画及びセンシングデータ等を装置内に記憶しておかなければならず、大容量のストレージを用意する必要がある。また、同じ人について前と異なる動作を解析しようとする場合、同様の処理を改めて実行しなければならず、処理の負担が重くなってしまう。
【0005】
そこで、本開示の目的は、撮影装置、及びセンサ等を用い、人の動作を、処理負荷を抑えて解析することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、被測定者の個人情報を取得するステップと、取得した個人情報に基づいて3次元モデルを作成するステップと、体の一部にモーションセンサが装着された被測定者についての撮影画像が解析されて得られる、被測定者の動作情報を取得するステップと、モーションセンサのセンシング情報を取得するステップと、動作情報及びセンシング情報に基づいて3次元モデルを動かすステップと、3次元モデルの動きを記憶手段に記憶させるステップと、記憶させた動きを解析するステップと、をプロセッサに実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、撮影装置、及びセンサ等を用い、人の動作を、処理負荷を抑えて解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】システム1において、被測定者の体のセンシングなどを行うときの一例を示す図である。
【
図4】サーバ20が記憶する患者情報データベース2021、動作ログ情報データベース2022、診療情報データベース2023のデータ構造を示す図である。
【
図5】システム1を構成する機器などの概要を示す図である。
【
図6】サーバ20が、取得した被測定者の個人情報に基づいて、3次元モデルを作成する処理を示すフローチャートである。
【
図7】サーバ20が、被測定者の動作情報およびモーションセンサのセンシング情報を取得し、取得した情報に基づいて3次元モデルを動かす処理を示すフローチャートである。
【
図8】サーバ20が、3次元モデルの動きを記憶手段に記憶させ、記憶させた動きを解析し、解析結果をユーザの端末装置に送信する処理を示すフローチャートである。
【
図9】被測定者の3次元モデルにおいて、現在の動きと、過去の所定時点の動きとを比較した結果をユーザに提示する画面例を示す図である。
【
図10】被測定者の3次元モデルの動きと、被測定者と同じ疾病に罹患し、同様の治療を経験した他の患者の3次元モデルの動きとを比較した結果をユーザに提示する画面例を示す図である。
【
図11】被測定者の3次元モデルの動きと、被測定者と同じ疾病に罹患し、異なる治療を経験した他の患者のうち、経過が良好だった患者の3次元モデルの動きとを比較した結果をユーザに提示する画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<概要>
以下の実施形態では、撮影装置、及びセンサ等を用い、人の動作を、処理負荷を抑えて解析するためのシステム1について説明する。
【0011】
システム1は、被測定者の個人情報に基づいて3次元モデルを作成する。本実施形態において、個人情報には、例えば、被測定者の身長、体重、体格など、被測定者の身体の情報などが含まれる。システム1は、被測定者の体の一部に装着されたセンサがセンシングしたセンシング情報と、被測定者を撮影装置により撮影して得られる動作情報とから、作成した3次元モデルを動かす。システム1は、3次元モデルを動かしたときの動作ログを解析する。これにより、システム1は、少ない処理の負担、及び少ない通信の付加で、被測定者の動作を解析する。
【0012】
システム1は、例えば、病院などの医療施設等に設置され得る。例えば、医師などが、患者のリハビリ効果、今後の治療方針などを効率的に管理するため、システム1を導入することがあり得る。また、フィットネスジムなどのスポーツ施設などにおいて、システム1を利用することにより、トレーニング効果の測定、正しい体の動かし方の指導などのサービスをユーザに向けて提供することがあり得る。
【0013】
<1 システム全体の構成図>
図1は、システム1の全体の構成を示す図である。
【0014】
図1に示すように、システム1は、サーバ20と、エッジサーバ30と、撮影装置40と、センサ50とを含む。サーバ20とエッジサーバ30とは、ネットワーク80を介して通信接続する。エッジサーバ30は、撮影装置40とセンサ50と接続されている。例えば、撮影装置40とセンサ50とは、情報機器間の近距離通信システムで用いられる通信規格に基づく送受信装置である。具体的には、撮影装置40とセンサ50とは、例えば、Bluetooth(登録商標)モジュールなど2.4GHz帯を使用して、Bluetooth(登録商標)モジュールを搭載した他の情報機器からのビーコン信号を受信する。エッジサーバ30は、当該近距離通信を利用したビーコン信号に基づき、撮影装置40とセンサ50とから送信される情報を取得する。このように、撮影装置40とセンサ50とは、取得した被測定者の動きの情報を、ネットワーク80を介さず、近距離通信によりエッジサーバ30へ送信する。なお、エッジサーバ30は、ネットワーク80を介して撮影装置40とセンサ50と通信接続してもよい。
【0015】
サーバ20は、各患者の情報を管理する。患者の情報は、例えば、患者の個人情報、3次元モデルの動作ログに関する情報、診療情報等を含む。
サーバ20は、ユーザから取得した被測定者の個人情報に基づいて、3次元モデルを作成する。サーバ20は、エッジサーバ30から取得した情報に基づいて、作成した3次元モデルを動かし、その動きを解析する。
図1に示すサーバ20は、通信IF22、入出力IF23、メモリ25、ストレージ26、及びプロセッサ29を有する。
【0016】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0017】
本実施形態において、各装置(端末装置、サーバ等)を情報処理装置として把握することもできる。すなわち、各装置の集合体を1つの「情報処理装置」として把握することができ、システム1を複数の装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るシステム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はシステム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0018】
エッジサーバ30は、撮影装置40、およびセンサ50から送信される情報を受信し、受信した情報を、サーバ20に送信する。また、エッジサーバ30は、サーバ20から取得した情報を撮影装置40、およびセンサ50へ送信する。サーバ20から取得する情報には、例えば、撮影装置40、またはセンサ50の設定を更新するための情報などが含まれる。
【0019】
撮影装置40は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。撮影装置40は、例えば、以下のいずれかのデバイスが想定される。
・可視光カメラ
・赤外線カメラ
・紫外線カメラ
・超音波センサ
・RGB-Dカメラ
・LiDAR(Light Detection and Ranging)
ある局面において、撮影装置40は、被測定者の体の動きなどを撮影し、撮影した動画像を解析することで、動画像から動作情報を抽出してもよい。例えば、撮影装置40は、学習済みモデルを用い、被測定者の様子を常時撮影した動画像から動作情報を抽出し、エッジサーバ30へ送信する。
【0020】
学習済みモデルは、例えば、以下のように作成されてもよい。例えば、被測定者である患者の動きを撮影装置40で撮影した動画像を取得したのち、取得した動画像を医師などが解析することにより、動画像から動作情報を特定する。例えば、医師などは、撮影した動画像のうち、センサ50を装着している部分の動きに対し、動作を表すベクトルなどの情報を関連付け、学習用データを作成する。学習済みモデルは、学習用データに基づき、モデル学習プログラムに従って機械学習モデルに機械学習を行わせることにより作成される。
なお、撮影装置40は、例えば、被測定者に装着されるセンサ50を含むように被測定者を撮影し、画像に含まれるセンサ50をマーカとして被測定者の動作情報を取得してもよい。また、撮影装置40は、被測定者を撮影した動画をエッジサーバ30へ送信してもよい。
【0021】
ある局面において、画像解析は、エッジサーバ30で実施されてもよい。このとき、学習済みモデルは、例えば、エッジサーバ30に記憶される。エッジサーバ30は、撮影装置40で撮影された動画像を取得する。エッジサーバ30は、取得した動画像に対し、学習済みモデルを利用した画像解析を実施し、動作情報を取得する。エッジサーバ30は、取得した動作情報をサーバ20へ送信する。
【0022】
センサ50は、被測定者の体の一部の領域に設置され、設置された被測定者の体の動きに関する情報を検出するモーションセンサである。例えば、センサ50は、被測定者の体の傾き、動作する速度、動作する方向などの情報を検出する。センサ50は、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ等により実現される。センサ50は、検出した各種のセンシング情報を、エッジサーバ30へ送信する。
【0023】
図2は、撮影装置40と、センサ50との設置例を表す模式図である。
図2において、センサ50は、例えば、被験者の身体の一部に装着される。
図2に示す例では、センサ50は、膝に複数装着されている。膝における装着部位は、例えば、内側大腿部、前大腿部、外側大腿部、前膝部、内側下腿部、前下腿部、外側下腿部等のうちいずれかである。撮影装置40は、所定の施設内において、被測定者を撮影可能な位置に設置される。例えば、撮影装置40は、被測定者の撮影が遮断されづらい、高所に設置されることが望ましい。
【0024】
<1.1 サーバ20の構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0025】
通信部201は、サーバ20が、エッジサーバ30等の外部の装置と通信するための処理を行う。
【0026】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、患者情報データベース2021と、動作ログ情報データベース2022と、診療情報データベース2023等を記憶する。
【0027】
患者情報データベース2021は、システム1によりセンシング等を行う各患者の情報を示す。詳細は後述する。
【0028】
動作ログ情報データベース2022は、サーバ20がセンサ50から取得した情報に基づいて3次元モデルを動かしたときの動作ログに関する情報を示す。詳細は後述する。
【0029】
診療情報データベース2023は、患者それぞれの診療結果に関する情報を示す。詳細は後述する。
【0030】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0031】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0032】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0033】
モデル作成モジュール2033は、ユーザにより入力された被測定者の個人情報に基づいて、3次元モデルを作成する。3次元モデルは、例えば、各部を自由に動かすことが可能に設けられている。ある局面において、モデル作成モジュール2033は、撮影装置40で撮影された被測定者の画像に基づいて3次元モデルを作成してもよい。つまり、モデル作成モジュール2033は、撮影装置40が撮影した被測定者の動画像を解析し、被測定者の身長、体格などを特定し、特定した情報に基づいて、3次元モデルを作成してもよい。
【0034】
第1取得モジュール2034は、撮影装置40によって撮影された、被測定者の体の動きに関する動作情報を取得する。
【0035】
第2取得モジュール2035は、センサ50によってセンシングされた、センシング情報を取得する。
【0036】
モデル操作モジュール2036は、取得した動作情報とセンシング情報とに基づいて、作成した3次元モデルを操作する。
【0037】
具体的に、例えば、モデル操作モジュール2036は、撮影装置40から取得された動作情報に基づき、センサ50が装着されている部位の大きな動きを取得する。モデル操作モジュール2036は、センサ50により取得されたセンシング情報に基づき、センサ50が装着されている部位の細かな動きを取得する。モデル操作モジュール2036は、取得した大きな動き、及び細かな動きをそれぞれ3次元モデルに反映させ、3次元モデルの動きを操作する。これにより、モデル操作モジュール2036は、センサ50が装着されている部位について、大きな動きに加えて細かな動きを3次元モデルに反映させることが可能となる。そのため、モデル操作モジュール2036は、体の動かし方、筋肉の使い方など、人体の複雑な動きを、3次元モデルを用いて模すことが可能となる。
【0038】
解析モジュール2037は、3次元モデルの動作ログの情報に基づいて、被測定者の動きを解析する。具体的には、例えば、解析モジュール2037は、3次元モデルの動作ログから把握される動き、例えば、変位、負荷、速度、加速度等に基づき、対象部位における可動域、対象部位の筋肉量、協調運動の程度、バランス運動の程度等を評価する。
【0039】
ある局面において、解析モジュール2037は、被測定者の現在の動きと、過去の所定時点における動きとを比較し、リハビリの効果などを評価してもよい。これにより、解析モジュール2037は、被測定者の過去の動きを基準としてリハビリの効果を分かり易く評価することが可能となる。そのため、被測定者のリハビリに対するモチベーションの向上などが期待できる。
【0040】
ある局面において、解析モジュール2037は、同じ疾病に罹患した他の患者の3次元モデルの動きに基づいて、リハビリの効果などを評価してもよい。具体的には、例えば、解析モジュール2037は、被測定者である患者と同じ疾病に罹患した患者のうち、治療効果の高い患者の3次元モデルの動きと、被測定者の3次元モデルの動きとを比較して解析する。別の例として、解析モジュール2037は、被測定者である患者と同じ疾病に罹患した患者のうち、異なる治療を実施した患者の3次元モデルの動きと、被測定者の3次元モデルの動きとを比較して解析する。
【0041】
これにより、患者、または医師などは、同じ疾病に罹患した異なる患者間で結果を比較することで、リハビリの効果の度合い、効果的なリハビリ、治療の進め方などを検討することができる。他にも、患者、または医師などは、同じ疾病に罹患した異なる患者間で、異なる治療法による効果の違い、患者ごとの各治療法への適正等を把握することができる。そのため、患者、医師などは、患者の体質の違いなどに基づいた治療効果の違いを考慮した上で、治療方針などを検討することができる。
【0042】
ある局面において、解析モジュール2037は、解析結果を患者に提示してもよい。このとき、例えば、患者が所有する端末(図示せず)は、解析結果をディスプレイに表示する。これにより、患者は、自身のリハビリの効果を把握することが可能となる。また、他の患者との比較結果が表示される場合には、患者は、他の患者との違いを認識することが可能であるため、リハビリをより効果的に実践することが可能となる。また、解析モジュール2037は、作成した3次元モデルの表面に、撮影装置40で撮影した被測定者の画像を貼り付けることで、3次元モデルの外観により被測定者それぞれを認識可能にしてもよい。
【0043】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶する患者情報データベース2021、動作ログ情報データベース2022、診療情報データベース2023のデータ構造を示す図である。
【0044】
図4に示すように、患者情報データベース2021は、項目「患者ID」と、項目「氏名」と、項目「年齢」と、項目「性別」と、項目「住所」と、項目「身長」、項目「体重」等を含む。
【0045】
項目「患者ID」は、被測定者である患者それぞれを識別する情報である。
【0046】
項目「氏名」は、患者それぞれの氏名を示す情報である。例えば、患者ID「U001」の氏名は「A」であることを示す。
【0047】
項目「年齢」は、患者それぞれの年齢を示す情報である。例えば、患者ID「U001」の年齢は「20」であることを示す。
【0048】
項目「性別」は、患者それぞれの性別を示す情報である。例えば、患者ID「U001」の性別は「男」であることを示す。
【0049】
項目「住所」は、患者それぞれの住所を示す情報である。例えば、患者ID「U001」の住所は「A県B市」であることを示す。
【0050】
項目「身長」は、患者それぞれの身長を示す情報である。例えば、患者ID「U001」の身長は「166cm」であることを示す。
【0051】
項目「体重」は、患者それぞれの体重を示す情報である。例えば、患者ID「U001」の体重は「70kg」であることを示す。
【0052】
図4に示すように、動作ログ情報データベース2022は、項目「ログID」と、項目「患者ID」と、項目「取得日時」と、項目「位置情報」等を含む。
【0053】
項目「ログID」は、動作ログ情報のそれぞれを識別する情報を示す。具体的には、サーバ20が取得した、撮影装置40とセンサ50とが取得した被測定者の動作ログそれぞれを識別する情報を示す。
【0054】
項目「患者ID」は、動作ログと関連付けられた患者の情報を示す。例えば、ログID「L001」と関連付けられた患者は「U001」であることを示す。
【0055】
項目「取得日時」は、サーバ20が動作ログを取得した日時に関する情報を示す。例えば、ログID「L001」の取得日時は「20/06/01 10:00:00」であることを示す。
【0056】
項目「位置情報」は、モデル操作モジュール2036により操作された3次元モデルの位置に関する情報を示す。具体的には、位置情報は、モデル操作モジュール2036が、撮影装置40により取得される動作情報と、センサ50により取得されるセンシング情報とに基づいて3次元モデルを操作した動作ログの情報を、3次元モデル上の対応する位置と関連付けて取得される。例えば、ログID「L001」における3次元モデルの位置情報は「位置情報1」であることを示す。3次元モデルの位置を規定する手法は既存のいかなる手法であってもよい。このとき、位置情報は、センサ50によって取得されたセンシング情報、例えば、体の動きの角速度、加速度などに関する情報などを内部情報として含んでいてもよい。
なお、
図4に示す動作ログ情報データベース2022では、患者ID:U001の患者についてのデータのみが表示されているが、実際には、複数の患者についてのデータが蓄積されている。
【0057】
図4において、診療情報データベース2023は、項目「患者ID」と、項目「診療ID」と、項目「診療日時」と、項目「担当医師」と、項目「疾病」と、項目「診療内容」と、項目「処方薬」と、項目「経過情報」等を含む。
【0058】
項目「患者ID」は、患者それぞれを識別する情報を示す。
【0059】
項目「診療ID」は、患者IDと紐づけられた、診療情報それぞれを識別する情報を示す。例えば、患者ID「U001」は診療ID「T001」と紐づけられていることを示す。
【0060】
項目「診療日時」は、患者それぞれが医師による診療を受けた日時に関する情報を示す。
【0061】
項目「担当医師」は、患者を診療した医師を識別する情報を示す。例えば、診療ID「T001」、診療日時「20/06/01」における担当医師は「A」であることを示す。
【0062】
項目「疾病」は、患者それぞれが医師による診療を受けた日時において、医師による診断等を受けた疾病に関する情報を示す。例えば、診療ID「T001」について、診療日時「20/06/01」に、担当医師「A」により、疾病「膝関節痛」の診断を受けたことを表す。このとき、サーバ20は、当該疾病の情報は、診療日時それぞれにおいて異なる疾病の情報を記憶していてもよい。
【0063】
項目「診療内容」は、患者それぞれが医師による診療を受けた日時において、医師による診療の内容に関する情報を示す。例えば、診療ID「T001」の診療日時「20/05/01」において、診療内容は「手術」であることを示す。このとき、サーバ20は、診療日時それぞれにおいて異なる診療内容の情報を記憶していてもよい。
【0064】
項目「処方薬」は、患者それぞれが医師による診療を受けた日時において、医師により処方された薬に関する情報を示す。このとき、処方される薬は、医療用医薬品のみに限定されず、一般用医薬品でもよい。例えば、診療ID「T001」の診療日時「20/05/01」において、処方薬は「鎮痛剤」であることを示す。
【0065】
項目「経過情報」は、患者それぞれが医師による診療を受けた日時において、治療経過に関する情報を示す。例えば、診療ID「T001」の診療日時「20/05/01」において、経過情報は「次回リハビリ」であることを示す。
【0066】
<3 小括>
図5は、システム1の概要を示す図である。
図5に示す例では、被測定者である患者の体の一部に、センサ50(例えば、モーションセンサなど)が装着される。
撮影装置40は、センサ50を装着した被測定者の動きを撮影する。撮影装置40は、学習済みモデルを記憶しており、学習済みモデルを用い、撮影した画像から被測定者の動作情報を取得する。撮影装置40は、取得した動作情報をエッジサーバ30に送信する。
センサ50は、被測定者の動作した際のセンシング情報をエッジサーバ30に送信する。
エッジサーバ30は、受信した被測定者の動作情報、センシング情報をサーバ20に送信する。
サーバ20は、ユーザから取得した個人情報に基づいて、被測定者の3次元モデルを作成する。サーバ20は、エッジサーバ30から取得した情報に基づいて、3次元モデルを操作する。サーバ20は、3次元モデルを操作した動作ログの情報に基づいて、被測定者の動きの情報を解析する。
【0067】
これにより、サーバ20は、3次元モデルを用いて被測定者の動作を解析するため、解析結果を取得するためのデータ量を抑えることが可能となる。また、3次元モデルを操作可能なデータを送信すればよいため、データ容量を抑えた通信が可能となる。また、送信するデータ量が少なくてよいため、遠隔地にいる被測定者の動作を、3次元モデルを用いて解析することが可能となる。つまり、医師が患者から離れている場合であっても、医師は、リハビリの効果を認識可能となり、また、今後のリハビリ方針などを指導することが可能となる。
【0068】
<4 動作>
以下、サーバ20が被測定者の体の動きをセンシング等するときの一連の処理について説明する。
【0069】
<4.1 3次元モデルの作成>
図6は、サーバ20が、取得した被測定者の個人情報に基づいて、3次元モデルを作成する処理を示すフローチャートである。
【0070】
ステップS601において、サーバ20は、被測定者の個人情報を取得する。具体的には、サーバ20は、例えば、ユーザの端末装置から送信された、被測定者の個人情報などを取得する。個人情報には、例えば、被測定者の身長、体重、体格など、被測定者の身体の情報、年齢、性別などが含まれる。また、個人情報には、筋力測定等により取得される、筋力に関する情報が含まれていてもよい。サーバ20は、被測定者の個人情報として、撮影装置40が撮影した動画像を取得してもよい。例えば、サーバ20は、撮影装置40が撮影した動画像に基づいて、被測定者の身体の可動域、または、腕、足の長さ等の外見的な特徴に関するデータを取得する。他にも、サーバ20は、撮影装置40が撮影した動画像に基づいて、被測定者の身体の情報を点群データとして取得してもよい。
【0071】
ステップS602において、サーバ20は、ユーザから取得した被測定者の個人情報に基づいて、被測定者の3次元モデルを作成する。サーバ20は、例えば、デフォルトで設けられている3次元モデルを、取得した個人情報に基づいて調整することで、被測定者を模した3次元モデルを作成する。具体的には、サーバ20は、デフォルトで設けられている3次元モデルのパラメータを、個人情報として取得した、被測定者の性別、年齢、身長、体重、身体の可動域などの情報に基づいて調整することで、3次元モデルを作成する。なお、個人情報が点群データとして取得される場合、サーバ20は、取得した点群データに基づいて、3次元モデルを作成してもよい。
【0072】
3次元モデルは、作成後時間が経過すると、患者との齟齬が生じる場合がある。サーバ20は、例えば、予め設定される期間が経過する度に、3次元モデルを修正する旨の提案を医師、または患者などのユーザへ提示してもよい。提示に応じて患者の個人情報が入力されると、サーバ20は、入力された個人情報に基づいて3次元モデルを修正する。なお、サーバ20は、入力された個人情報に基づいて3次元モデルを新たに作成してもよい。
【0073】
<4.2 3次元モデルの操作>
図7は、サーバ20が、撮影装置40により撮影された被測定者の動作情報、およびセンサ50で検出されるセンシング情報を取得し、取得した情報に基づいて3次元モデルを操作する処理を示すフローチャートである。
【0074】
ステップS701において、サーバ20は、撮影装置40により撮影される画像に基づいて得られる動作情報と、センサ50により検出されるセンシング情報とを取得する。具体的には、例えば、撮影装置40は、被測定者に装着されるセンサ50を含むように被測定者を撮影する。撮影装置40は、撮影した画像を、学習済みモデルを用いて解析することで、被測定者の動作情報を取得する。サーバ20は、撮影装置40により取得された動作情報を、エッジサーバ30を介して受信する。
【0075】
また、サーバ20は、センサ50により検出された角速度(deg/s)、加速度(mm/s2)などについてのセンシング情報を、エッジサーバ30を介して受信する。
【0076】
ある局面において、サーバ20は、撮影装置40が撮影した動画像を取得してもよい。例えば、サーバ20は、撮影装置40が撮影した動画像に、学習済みモデルを利用した画像解析を実施する。サーバ20は、動画像に画像解析を実施することで、動作情報を取得する。
【0077】
ステップS702において、サーバ20は、3次元モデルを、取得した動作情報及びセンシング情報に基づいて動かす。具体的には、例えば、サーバ20は、作成した3次元モデルのうち、センサ50を装着した部位と対応する領域を、ステップS702において取得した情報に基づいて動かす。具体的には、例えば、サーバ20は、動作情報に基づいて3次元モデルの対応領域を動かすと共に、センサ50により取得された角速度、加速度などのセンシング情報に基づいて対応領域の細部を動かす。このとき、サーバ20は、例えば、被測定者の可動域等のパラメータを反映させて3次元モデルを動かす。
【0078】
ステップS703において、サーバ20は、3次元モデルの動きを記憶手段に記憶させる。例えば、サーバ20は、取得した3次元モデルの各部位の位置情報を動作ログとして動作ログ情報データベース2022に格納する。
【0079】
撮影装置40と、センサ50とを組み合わせて利用することにより、サーバ20は、撮影装置40により撮影された動画像のみではわからない体の細部の動きを、3次元モデルに反映させることが可能となる。
【0080】
<4.3 動作ログの解析>
図8は、サーバ20が、記憶手段に記憶させた、3次元モデルの動きを解析し、解析結果をユーザの端末装置に送信する処理を示すフローチャートである。
【0081】
ステップS801において、サーバ20は、記憶部202に記憶している動作ログ情報データベース2022に基づき、3次元モデルの動きを解析する。具体的には、例えば、医師等のユーザは、PC等の情報処理端末(図示せず)を操作し、患者の動きを解析したい時点を指定し、解析を実施する旨の指示を入力する。
【0082】
サーバ20は、解析の指示を受け付けると、動作ログ情報データベース2022から、指定された時点を含む所定期間の動作ログを読み出す。サーバ20は、読み出した動作ログを時系列に沿って3次元モデルに反映させる。サーバ20は、3次元モデルの動作ログから把握される動き、例えば、変位、負荷、速度、加速度等に基づき、患者の対象部位における可動域、対象部位の筋肉量、協調運動の程度、バランス運動の程度等を評価する。
【0083】
ある局面において、サーバ20は、解析において、患者の現在の動きと、過去の所定時点の動きとを比較し、リハビリの効果などを評価する。具体的には、サーバ20は、例えば、動作ログ情報データベース2022から、指定された時点を含む所定期間の動作ログと、指定された時点から予め設定された期間だけ過去に遡った時点を含む所定期間の動作ログとを読み出す。サーバ20は、読み出した2種類の動作ログを、時系列に沿って、患者についての3次元モデルにそれぞれ反映させる。このとき、サーバ20は、過去の時点として、指定した時点に最も近い日付を設定してもよいし、医師などのユーザから指定された任意の日付を設定してもよい。
【0084】
サーバ20は、それぞれの3次元モデルの動作ログから把握される動きを比較し、患者の対象部位における可動域、対象部位の筋肉量、協調運動の程度、バランス運動の程度等の変化を評価する。
【0085】
ある局面において、サーバ20は、同じ疾病に罹患した他の患者の3次元モデルの動きに基づいて、リハビリの効果などを評価する。具体的には、サーバ20は、例えば、対象の患者と同じ疾病に罹患し、同様の治療を経験した他の患者のうち、経過が良好だった患者を、診療情報データベース2023から抽出する。サーバ20は、例えば、動作ログ情報データベース2022から、指定された時点を含む所定期間の動作ログと、抽出した患者の所定期間の動作ログとを読み出す。このとき、サーバ20は、他の患者について、ユーザにより指定された時点と対応する時点を含む所定期間の動作ログを読み出す。ユーザにより指定された時点と対応する時点とは、例えば、ユーザにより指定された時点において計上される術後の経過期間が同程度の時点を表す。
【0086】
サーバ20は、読み出した2種類の動作ログを、時系列に沿って、2つの異なる3次元モデルに反映させる。一方の3次元モデルは、対象となる患者について作成された3次元モデルであり、他方の3次元モデルは、他の患者について作成された3次元モデルである。サーバ20は、それぞれの3次元モデルの動作ログから把握される動きを比較し、患者の対象部位における可動域、対象部位の筋肉量、協調運動の程度、バランス運動の程度等の違いを評価する。
【0087】
また、サーバ20は、例えば、対象の患者と同じ疾病に罹患し、異なる治療を経験した他の患者のうち、経過が良好だった患者を、診療情報データベース2023から抽出する。サーバ20は、例えば、動作ログ情報データベース2022から、指定された時点を含む所定期間の動作ログと、抽出した患者の所定期間の動作ログとを読み出す。サーバ20は、読み出した2種類の動作ログを、時系列に沿って、2つの異なる3次元モデルに反映させる。
【0088】
サーバ20は、それぞれの3次元モデルの動作ログから把握される動きを比較し、患者の対象部位における可動域、対象部位の筋肉量、協調運動の程度、バランス運動の程度等の違いを評価する。
【0089】
なお、サーバ20による解析処理は、ユーザから入力される解析の指示に応じて実施されるものに限定されない。サーバ20は、所定のタイミングで解析処理を実施してもよい。所定のタイミングは、リハビリの経過に応じたタイミングであり、例えば、以下である。
・リハビリが終わったタイミング
・リハビリ中に複数の訓練がある場合、少なくとも1つの訓練が終わったタイミング
【0090】
サーバ20は、所定のタイミングか否かを、例えば、以下により判断する。
・予め設定されている時刻に到達したこと
・終了したことを表す通知を受信したこと
・最後に動作が発生してから予め設定された期間、動作が発生しないこと
【0091】
処理を実施すると、サーバ20は、処理を実施する直前に記憶された動作ログを、動作ログ情報データベース2022から読み出す。サーバ20は、読み出した動作ログを時系列に沿って3次元モデルに反映させ、患者の動作を解析する。これにより、サーバ20は、リハビリの最中、又はリハビリが実施された直後に、患者の動作について解析を実施することが可能となる。これにより、患者は、自身のリハビリの効果を確認しながらリハビリを継続することができる。また、リハビリの間隔が残っているうちにリハビリの効果を確認することが可能となる。
【0092】
ステップS802において、サーバ20は、解析結果を例えば診療情報データベース2023に記憶する。診療情報データベース2023に記憶された解析結果は、医師、又は患者などのユーザからの要求に応じ、要求元のユーザへ提示される。これにより、患者、または医師は、患者のリハビリの効果などを確認することができる。
【0093】
<5 画面例>
図9は、被測定者の3次元モデルにおいて、現在の動きと、過去の所定時点の動きとを比較した結果をユーザに提示する画面例を示す図である。
【0094】
図9において、結果表示画面901は、ユーザの端末装置が、サーバ20が3次元モデルの動きを解析した結果を提示するための画面を示す。
【0095】
過去結果画面902は、ユーザの端末装置が、サーバ20が過去の所定時点において、撮影装置40により撮影された被測定者の動作情報、およびセンサ50で検出される被測定者のセンシング情報を取得し、取得した情報に基づいて3次元モデルを操作した結果を表示するための画面を示す。
【0096】
現在結果画面903は、ユーザの端末装置が、サーバ20が現在、例えば、リハビリを実施した最新の日付において、撮影装置40により撮影された被測定者の動作情報、およびセンサ50で検出されるセンシング情報を取得し、取得した情報に基づいて3次元モデルを操作した結果を表示するための画面を示す。
【0097】
解析結果表示画面904は、ユーザの端末装置が、サーバ20が被測定者の過去の所定時点の3次元モデルの動きを解析した結果と、現在の3次元モデルの動きを解析した結果とを比較した結果を表示する画面を示す。例えば、ユーザの端末装置は、過去の所定時点の解析結果と比較して被測定者の体の動きが改善、悪化含めどのように変化したか、などの情報と、今後の治療方針などの情報とを、当該画面に表示してもよい。ある局面において、ユーザの端末装置は、サーバ20に記憶されている診療情報データベース2023を参照した情報を当該画面に表示してもよい。また、ユーザの端末装置は、医師などにより入力された診療内容、治療方針などの情報を当該画面に表示してもよい。
【0098】
これにより、被測定者、または医師などは、現在のリハビリの解析結果と、直近のリハビリの解析結果の比較だけでなく、リハビリを開始した時の被測定者の解析結果などとも比較することができる。そのため、被測定者、または医師などは、リハビリの効果が大きかった時期、小さかった時期などを確認することができ、治療方針などの検討に反映することができる。
【0099】
図10は、被測定者の3次元モデルの動きと、被測定者と同じ疾病に罹患し、同様の治療を経験した他の患者の3次元モデルの動きとを比較した結果をユーザに提示する画面例を示す図である。
【0100】
図10において、結果表示画面1001は、
図9における結果表示画面901と同様に、ユーザの端末装置が、サーバ20が3次元モデルの動きを解析した結果を提示するための画面を示す。
【0101】
被測定者結果表示画面1002は、ユーザの端末装置が、サーバ20が所定時点において、撮影装置40により撮影された被測定者の動作情報、およびセンサ50で検出される被測定者のセンシング情報を取得し、取得した情報に基づいて3次元モデルを操作した結果を表示するための画面を示す。
【0102】
他の被測定者結果表示画面1003は、サーバ20が所定時点において、撮影装置40により撮影された、被測定者と同じ疾病に罹患し、同様の治療を経験した他の患者のうち、経過が良好だった患者の動作情報、およびセンサ50で検出される当該患者のセンシング情報を取得し、取得した情報に基づいて3次元モデルを操作した結果を、ユーザの端末装置が表示するための画面を示す。
【0103】
比較解析結果表示画面1004は、サーバ20が被測定者の3次元モデルの動きと、被測定者と同じ疾病に罹患し、同様の治療を経験した他の患者のうち、経過が良好だった患者の3次元モデルの動きとを比較した結果を、ユーザの端末装置が表示する画面を示す。例えば、ユーザの端末装置は、被測定者に対し、同じ疾病に罹患し、同様の治療を経験した他の患者の解析結果と比較した結果を当該画面に表示することで、可動域、対象部位の筋肉量、協調運動の程度等の変化、推奨する治療法などの情報を被測定者に提示してもよい。
【0104】
これにより、被測定者は、同じ疾病に罹患した患者の中でも、最もリハビリ効果の出た患者の結果を参照することができ、リハビリへのモチベーションの向上が期待できる。
【0105】
図11は、被測定者の3次元モデルの動きと、被測定者と同じ疾病に罹患し、異なる治療を経験した他の患者のうち、経過が良好だった患者の3次元モデルの動きとを比較した結果をユーザに提示する画面例を示す図である。
【0106】
図11において、結果表示画面1101は、
図10における結果表示画面1001と同様に、ユーザの端末装置が、サーバ20が3次元モデルの動きを解析した結果を提示するための画面を示す。
【0107】
被測定者結果表示画面1102は、サーバ20が所定時点において、撮影装置40により撮影された被測定者の動作情報、およびセンサ50で検出される被測定者のセンシング情報を取得し、取得した情報に基づいて3次元モデルを操作した結果を、ユーザの端末装置が表示するための画面を示す。
【0108】
別治療の被測定者結果表示画面1103は、サーバ20が所定時点において、撮影装置40により撮影された、被測定者と同じ疾病に罹患し、異なる治療を経験した他の患者のうち、経過が良好だった患者の動作情報、およびセンサ50で検出される当該患者のセンシング情報を取得し、取得した情報に基づいて3次元モデルを操作した結果を、ユーザの端末装置が表示するための画面を示す。
【0109】
比較解析結果表示画面1104は、サーバ20が被測定者の3次元モデルを解析した結果と、被測定者と同じ疾病に罹患し、異なる治療を経験した他の患者のうち、経過が良好だった患者の3次元モデルの動きを解析した結果を比較した結果を、ユーザの端末装置が表示する画面を示す。例えば、ユーザの端末装置は、被測定者に対し、同じ疾病に罹患し、異なる治療を経験した他の患者の結果と比較した結果を当該画面に表示することで、可動域、対象部位の筋肉量、協調運動の程度等の変化、推奨する治療法などの情報を被測定者に提示してもよい。
【0110】
これにより、患者、または医師などは、現在受けている治療法だけでなく、他の治療法の効果も比較検討することができるため、より効果的にリハビリを実施するための治療方針などを検討することができる。
【0111】
<6 変形例>
上記実施形態では、ユーザに提示される画面で、3次元モデルが表示される場合を説明した。しかしながら、ユーザに提示される画面に、3次元モデルが表示されなくても構わない。サーバ20は、動きについての情報をグラフ形式で提示してもよい。
【0112】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0113】
(付記1)
プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサ29に、被測定者の個人情報を取得するステップ(S601)と、取得した個人情報に基づいて3次元モデルを作成するステップ(S602)と、体の一部にモーションセンサ50が装着された被測定者についての撮影画像が解析されて得られる、被測定者の動作情報を取得するステップ(S701)と、モーションセンサ50のセンシング情報を取得するステップ(S701)と、動作情報及びセンシング情報に基づいて3次元モデルを動かすステップ(S702)と、3次元モデルの動きを解析するステップ(S801)と、をプロセッサ29に実行させるプログラム。
【0114】
(付記2)
動作情報を取得するステップ(S701)において、体が写っている動画を入力とし、写っている体の動きに関する情報を出力するように学習された学習済みモデルを用いて動作情報を取得する、付記1に記載のプログラム。
【0115】
(付記3)
モーションセンサ50は、被測定者の体のうち、測定対象となる領域に1または複数装着される、付記1または2に記載のプログラム。
【0116】
(付記4)
解析するステップ(S801)において、期間の離れた複数の時点で記憶された、3次元モデルの動きを比較する、付記1から3のいずれかに記載のプログラム。
【0117】
(付記5)
解析するステップ(S801)において、期間の離れた複数の時点で記憶された動きを比較することでリハビリの効果を評価する、付記4に記載のプログラム。
【0118】
(付記6)
解析するステップ(S801)において、被測定者の3次元モデルについて記憶されている動きと、被測定者とは異なる他の被測定者の3次元モデルについて記憶されている動きとを比較する、付記1から3のいずれかに記載のプログラム。
【0119】
(付記7)
解析するステップ(S801)において、被測定者とは異なる被測定者は、被測定者と同じ疾病と診断され、同様の治療を施され、治療の経過が被測定者の治療の経過と比較して良好だった者である、付記6記載のプログラム。
【0120】
(付記8)
解析するステップ(S801)において、被測定者とは異なる被測定者は、被測定者と同じ疾病と診断され、異なる治療を施された者である、付記6記載のプログラム。
【0121】
(付記9)
解析するステップ(S801)において、解析対象とする時点に関する指定、および解析を実施する旨の指示を受け付け、指示に応じ、指定された時点に対応する3次元モデルの動きを解析する、付記1から8のいずれかに記載のプログラム。
【0122】
(付記10)
解析するステップ(S801)において、リハビリの経過に応じたタイミングで、リハビリにおいて記憶された3次元モデルの動きを解析する、付記1から8のいずれかに記載のプログラム。
【0123】
(付記11)
プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータが実行する方法であって、プロセッサ29が、被測定者の個人情報を取得するステップ(S601)と、取得した個人情報に基づいて3次元モデルを作成するステップ(S602)と、体の一部にモーションセンサ50が装着された被測定者についての撮影画像が解析されて得られる、被測定者の動作情報を取得するステップ(S701)と、モーションセンサ50のセンシング情報を取得するステップ(S701)と、動作情報及びセンシング情報に基づいて3次元モデルを動かすステップ(S702)と、3次元モデルの動きを解析するステップ(S801)と、を実行する方法。
【0124】
(付記12)
制御部203を備える情報処理装置20であって、制御部203が、被測定者の個人情報を取得するステップ(S601)と、取得した個人情報に基づいて3次元モデルを作成するステップ(S602)と、体の一部にモーションセンサ50が装着された被測定者についての撮影画像が解析されて得られる、被測定者の動作情報を取得するステップ(S701)と、モーションセンサ50のセンシング情報を取得するステップ(S701)と、動作情報及びセンシング情報に基づいて3次元モデルを動かすステップ(S702)と、3次元モデルの動きを解析するステップ(S801)と、を実行する情報処理装置。
【0125】
(付記13)
被測定者の個人情報を取得する手段(S601)と、取得した個人情報に基づいて3次元モデルを作成する手段(S602)と、体の一部にモーションセンサ50が装着された被測定者についての撮影画像が解析されて得られる、被測定者の動作情報を取得する手段(S701)と、モーションセンサ50のセンシング情報を取得する手段(S701)と、動作情報及びセンシング情報に基づいて3次元モデルを動かす手段(S702)と、3次元モデルの動きを解析する手段(S801)と、を備えるシステム。
【符号の説明】
【0126】
20 サーバ、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29プロセッサ、30 エッジサーバ、40 撮影装置、50 センサ、80 ネットワーク、201 通信部、202 制御部、203 通信部、2021 患者情報データベース、2022 動作ログ情報データベース、2023 診療情報データベース。
【手続補正書】
【提出日】2021-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
被測定者の個人情報を取得するステップと、
前記取得した個人情報に少なくとも含まれる身体の情報に基づいて、前記被測定者用の3次元モデルを作成するステップと、
体の一部にモーションセンサが装着された前記被測定者の体が写っている撮影画像を入力とし、写っている体の動きに関する情報を出力するように学習された学習済みモデルを用い、前記被測定者の動作情報を取得するステップと、
前記モーションセンサのセンシング情報を取得するステップと、
前記動作情報及び前記センシング情報に基づいて前記3次元モデルを動かすステップと、
前記3次元モデルの動きを解析するステップと、を前記プロセッサに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記3次元モデルを動かすステップにおいて、前記動作情報、及び、前記撮影画像に含まれるモーションセンサにより取得される前記センシング情報に基づいて前記3次元モデルを動かす、請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記モーションセンサは、前記被測定者の体の傾き、動作する速度、動作する加速度、動作する方向を検出する、請求項1又は2記載のプログラム。
【請求項4】
前記モーションセンサは、前記被測定者の体のうち、測定対象となる部位に1または複数装着される、請求項1から3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記解析するステップにおいて、期間の離れた複数の時点で記憶された、前記3次元モデルの動きを比較する、請求項1から4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記解析するステップにおいて、期間の離れた複数の時点で記憶された動きを比較することでリハビリの効果を評価する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記解析するステップにおいて、前記被測定者の3次元モデルについて記憶されている動きと、前記被測定者とは異なる他の被測定者の3次元モデルについて記憶されている動きとを比較する、請求項1から4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記解析するステップにおいて、前記被測定者とは異なる被測定者は、前記被測定者と同じ疾病と診断され、同様の治療を施され、治療の経過が前記被測定者の治療の経過と比較して良好だった者である、請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記解析するステップにおいて、前記被測定者とは異なる被測定者は、前記被測定者と同じ疾病と診断され、異なる治療を施された者である、請求項7記載のプログラム。
【請求項10】
前記解析するステップにおいて、解析対象とする時点に関する指定、および解析を実施する旨の指示を受け付け、前記指示に応じ、前記指定された時点に対応する前記3次元モデルの動きを解析する、請求項1から9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記解析するステップにおいて、リハビリの経過に応じたタイミングで、前記リハビリにおいて記憶された前記3次元モデルの動きを解析する、請求項1から9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項12】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行する方法であって、前記プロセッサが、
被測定者の個人情報を取得するステップと、
前記取得した個人情報に少なくとも含まれる身体の情報に基づいて、前記被測定者用の3次元モデルを作成するステップと、
体の一部にモーションセンサが装着された前記被測定者の体が写っている撮影画像を入力とし、写っている体の動きに関する情報を出力するように学習された学習済みモデルを用い、についての撮影画像が解析されて得られる、前記被測定者の動作情報を取得するステップと、
前記モーションセンサのセンシング情報を取得するステップと、
前記動作情報及び前記センシング情報に基づいて前記3次元モデルを動かすステップと、
前記3次元モデルの動きを解析するステップと、
を実行する方法。
【請求項13】
制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部が、
被測定者の個人情報を取得するステップと、
前記取得した個人情報に少なくとも含まれる身体の情報に基づいて、前記被測定者用の3次元モデルを作成するステップと、
体の一部にモーションセンサが装着された前記被測定者の体が写っている撮影画像を入力とし、写っている体の動きに関する情報を出力するように学習された学習済みモデルを用い、前記被測定者の動作情報を取得するステップと、
前記モーションセンサのセンシング情報を取得するステップと、
前記動作情報及び前記センシング情報に基づいて前記3次元モデルを動かすステップと、
前記3次元モデルの動きを解析するステップと、
を実行する情報処理装置。
【請求項14】
被測定者の個人情報を取得する手段と、
前記取得した個人情報に少なくとも含まれる身体の情報に基づいて、前記被測定者用の3次元モデルを作成する手段と、
体の一部にモーションセンサが装着された前記被測定者の体が写っている撮影画像を入力とし、写っている体の動きに関する情報を出力するように学習された学習済みモデルを用い、前記被測定者の動作情報を取得する手段と、
前記モーションセンサのセンシング情報を取得する手段と、
前記動作情報及び前記センシング情報に基づいて前記3次元モデルを動かす手段と、
前記3次元モデルの動きを解析する手段と、
を備えるシステム。