(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080400
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】ガス供給調整器
(51)【国際特許分類】
F17C 13/04 20060101AFI20220523BHJP
【FI】
F17C13/04 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191440
(22)【出願日】2020-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000142698
【氏名又は名称】株式会社桂精機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】杉山 光
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AB05
3E172BA01
3E172BB13
3E172BB17
3E172EB02
3E172EB21
3E172JA09
(57)【要約】
【課題】複数のガス容器から同時にガス燃料を供給して、2以上のガス容器を同時にほぼ均等に消費するガス供給調整器を提供する。
【解決手段】少なくとも2つ以上のガス容器からガス燃料がそれぞれ供給されて合流される複数の導入部を備えており、2以上のガス容器から合流したガス燃料を減圧して供給する減圧部を設けることにより、2つ以上のガス容器からのガス燃料の圧力を調整しつつ同時に消費するため、2つのガス容器のガス燃料がほぼ均等に消費される。これにより、同時に使用される2つ以上のガス容器のガス燃料がなくなるのもほほ同時であり、2本以上のガス容器を同時に交換することが可能となる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロパンガスその他のガス燃料を充填した少なくとも2つのガス容器を備えるガス供給設備において、少なくとも2つの前記ガス容器から前記ガス燃料を同時に供給するようガス燃料の供給を調整するガス供給調整器であって、
1端に前記各ガス容器からの前記ガス燃料がそれぞれ供給され、他端が互いに接続されて前記各ガス容器から供給される前記ガス燃料が合流する個別供給路を備える少なくとも2つのガス導入部と、
合流した前記ガス燃料の圧力を減圧して所定の圧力に調整する減圧部と
前記減圧部から、減圧した前記ガス燃料を供給する共通供給路と、
を備えることを特徴とするガス供給調整器。
【請求項2】
前記各ガス導入部は、該ガス導入部の内部圧力が前記ガス容器側の外部圧力よりも高くその圧力差が所定の範囲以上あるときには前記個別供給路の前記ガス容器側の一端を閉栓し、前記圧力差が前記所定の範囲外にあるときは前記個別供給路を開栓する逆止弁をそれぞれ備えることを特徴とする請求項1に記載のガス供給調整器。
【請求項3】
前記ガス導入部に接続されているすべてのガス容器のガス燃料の残量が少なくなったことを表示するガス切れ表示部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス供給調整器。
【請求項4】
前記各ガス導入部に接続されているすべての前記ガス容器のガス燃料の残量が少なくなったことを知らせる電気信号を出力するガス切れ検知部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガス供給調整器。
【請求項5】
前記減圧部はガス圧を調整するための圧力調整ロッドを備えており、前記ガス切れ表示部は、前記圧力調整ロッドの動きによりガス切れを表示する機構を備えることを特徴とする請求項4に記載のガス供給調整器。
【請求項6】
前記減圧部はガス圧を調整するための圧力調整ロッドを備えており、前記ガス切れ検知部は、前記圧力調整ロッドの動きによりガス切れを知らせる電気信号を出力する機構を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のガス供給調整器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス容器に充填したプロパンガスその他のガス燃料を充填したガス容器を2本以上備える利用設備において、2本以上のガス容器のガス燃料をほぼ同じように消費することによりガス燃料の残量がほぼ同じになるように、ガス燃料の供給を調整することのできるガス供給調整器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つのガス容器を備えるガス供給設備の場合、ガス切れを起こさないようにするという観点から一方のガス容器を開栓して使用し、使用側のガス容器内のガス燃料が少なくなったら自動切換調整器を用いて自動的に他方のガス容器に切り替えて使用するとともに、空になったガス容器を交換している(特許文献1)。そのため、使用中のガス容器のガス燃料が少なくなったら自動的に他方に切り替える自動切替調整器が使用されている。これにより、一方のガス容器が空になると、他方にガス容器に供給ラインを切り替えて、空のガス容器を交換することによりガス切れを防いでいた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の供給設備においては、上述の通り、複数のガス容器を有する設備においても一つのガス容器が空に近い状態となった後に他のガス容器を使用することを前提としているため、同時に2つのガス容器が空になることはない。そのため通常は、空になったガス容器を1つずつ交換しており、交換頻度が高くなっていた。
【0005】
ガス容器の交換頻度を少なくするために、他のガス容器が空に近い状態を待って、2本同時に交換することもできる。しかし、その場合、ガス漏れを認知させるために付与しているガス臭物質の濃度が濃くなることから、ガス漏れ状態ではないにもかかわらずガス臭がするという問題があった。さらに、ガス容器の効率的な配送交換の観点からは、2つのガス容器を同時に交換できるとガス容器の交換頻度を減らすことができ、全体として配送業務時間や配送距離の短縮を図ることが可能となる。
【0006】
しかし、従来技術の調整器においては、ガス容器を切り替えてガス燃料を供給することを前提としているため、2つのガス容器から同時に可燃ガスを供給する調整器は存在しない。本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、複数のガス容器を備える可搬型ガス燃料の供給設備において、複数のガス容器から同時にガス燃料を供給するガス供給調整器及び調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明の第1の態様に係るガス供給調整器は、プロパンガスその他のガス燃料を充填した少なくとも2つのガス容器を備えるガス供給設備において、少なくとも2つの前記ガス容器から前記ガス燃料を同時に供給するようガス燃料の供給を調整するガス供給調整器であって、
1端に前記各ガス容器からの前記ガス燃料がそれぞれ供給され、他端が互いに接続されて前記各ガス容器から供給される前記ガス燃料が合流する個別供給路を備える少なくとも2つのガス導入部と、
合流した前記ガス燃料の圧力を減圧して所定の圧力に調整する減圧部と
前記減圧部から、減圧した前記ガス燃料を供給する共通供給路と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
このように、2つのガス容器からガス燃料を同時に供給することにより、2つのガス容器の消費量がほぼ一定となるため、ガス容器の残量もほぼ同じ速度でなくなっていく。そのため、ガス燃料が空になったガス容器又はガス残量が少なくなる2本ガス容器を同時に交換することが可能となる。
【0009】
従来の方式では、一つのガス容器が空に近い状態となってから他方を使用するため、2本同時に交換するには、2本目のガス容器の残量が少なくなるまで空のガス容器をそのまま放置する必要ある。しかし、空のガス容器では、ガス臭を付与するために混入されている硫黄系化合物の着臭剤が気化しにくいため、着臭剤の濃度が濃くなり、着火のタイミングによっては、ガス臭が漂いガス漏れと勘違いされる可能性があり、好ましくない。
【0010】
また、本発明のガス供給調整器の他の態様では、前記各ガス導入部が、該ガス導入部の内部圧力が前記ガス容器側の外部圧力よりも高くその圧力差が所定の範囲以上あるときには前記個別供給路の前記ガス容器側の一端を閉栓し、前記圧力差が前記所定の範囲外にあるときは前記個別供給路を開栓する逆止弁をそれぞれ備えることを特徴とする。
【0011】
この態様によると、ガス容器に一定量の残量が残っておりガス燃料を使用中に、交互にガス容器を交換することが可能となる。すなわち、一つのガス容器を外すとガス容器が外れた方の個別供給路の外側の圧力が大気圧となり、ガス容器に一定量の残量が残っているので、ガス供給調整器の内部圧力が比較的高い状態である。したがって、逆止弁が作動し、ガス容器を交換する方の個別供給路が閉栓されるので、ガス供給調整器は他方の個別供給路からガス燃料を供給し続けることができる。
【0012】
また、本発明のガス供給調整器では、前記ガス導入部に接続されているすべてのガス容器のガス燃料の残量が少なくなったことを表示するガス切れ表示部を備えることが好ましい。さらに、前記各ガス導入部に接続されているすべての前記ガス容器のガス燃料の残量が少なくなったことを知らせる電気信号を出力するガス切れ検知部を備えることも可能である。
【0013】
さらに、前記減圧部のガス圧を調整するための圧力調整ロッドの動きによりガス切れを表示する機構を備えることや、圧力調整ロッドの動きによりガス切れを知らせる電気信号を出力する機構を備えることも可能である。
【0014】
これにより、表示機によりガス残量が少なくなったことを確認することが可能となる。また、電気信号を出力することができれば、NCU(network control unit)等に信号を送信することにより、電話回線などによりガス業者や配送業者にガス燃料の残量が少ないことなどを連絡することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、2つ以上のガス容器からガス燃料がそれぞれ供給されて合流される複数の導入部を備えており、2つのガス容器から合流した前記ガス燃料を減圧して供給する共通供給路を備える減圧部から減圧したガス燃料をガス容器に供給することにより、2つのガス容器からのガス燃料の圧力を調整しつつ同時に消費することができるため、2つのガス容器のガス燃料がほぼ均等に消費される。したがって、同時に使用される2つ以上のガス容器のガス燃料がなくなるのもほほ同時であり、2本以上のガス容器を同時に交換することが可能となる。
【0016】
また、各導入部に、内部圧力が外部圧力より高くその圧力差が一定以上の場合には該導入部の個別供給路を閉止し、それ以外の場合には個別供給路を開栓する逆止弁を備えることにより、一方のガス容器から他方のガス容器にガス燃料が逆流することを防止し、一方のガス容器のガス燃料を使用しながら、他方のガス容器を交換することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】2本のガス容器が本発明の一実施形態に係るガス供給調整器を介して供給される接続形態の一例を示す模式図である。
【
図2】本発明に係るガス供給調整器の一実施形態の内部構造の概略を示す模式図であり、(a)は、ガス圧が高い状態を示し、(b)はガス圧が低い状態を示す。
【
図3】逆止弁の構造の一例を模式的に示す図であり、(a)は逆止弁が開いている状態を示し、(b)は閉じており個別供給路を閉栓している状態を示す。
【
図4】ガス燃料の残量が少なくなったときに、外部からガス切れに近い状態であることがわかるように表示する表示機能を有する本発明のガス供給調整器の他の実施形態を示す模式図である。(a)はガス燃料の残量が多い状態を示し、(b)は残量が少なくなった状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、プロパンガス等のガス燃料を充填したガス容器を複数使用するガス利用設備において、少なくとも2本以上のガス容器を同時に使用して、接続されているすべてのガス容器のガス燃料を同時に均等に消費するようにガス燃料の供給を調整するガス供給調整器に関するものである。
図1は2本のガス容器が本発明の一実施形態に係るガス供給調整器10を介して供給される接続形態の一例を示す模式図である。
図2は本発明に係るガス供給調整器の一実施形態の内部構造の概略を示す模式図であり、
図2(a)は、ガス圧が高い状態を示し、(b)はガス圧が低い状態を示している。
【0019】
図1及び
図2に例示する接続形態及びガス供給調整器10では、2個のガス容器61、62が接続される構成例を示しているが、2個以上のガス容器が接続することができるガス供給調整器とすることもできる。
図1に示すように、2本のガス容器61、62は、それぞれバルブ61-1、62-1及び、高圧ホース61-2、62-2を介してガス供給調整器10に入力される。
【0020】
ガス供給調整器10に供給されたガス燃料は、ガス供給調整器10で減圧されて高圧ホース63から出力されガスメータ64を介してガス機器(図示せず)に供給される。また、無線通信機65等を設けて、LPWA通信などによりガス残量等のデータを管理サーバ等に送信して、ガス容器の交換タイミングを予測や管理を行うように構成することも可能である。
【0021】
従来のガス供給設備ではこのように2本のガス容器が接続される供給設備においては、片方のガス容器が空に近い状態となったら他方のガス容器を使用するというように、切替調整器によりガス容器を切り替えることによりガス容器を一つずつ使用していた。そのため、一つのガス容器が空に近い状態となるまで他方のガス容器は使用されなかった。そのため、他方の容器が空に近い状態となるまで、2本のガス容器を同時に交換することはできなかった。これに対して、本発明のガス供給調整器10では、例えば
図1に示すような2本のガス容器61、62を使用している利用設備においては、2本のガス容器61、62のガス燃料を同時にほぼ均等に消費するようにガス燃料の供給を調整する。
【0022】
このように複数(2個と仮定する)のガス容器を同時に均等に使用することにより、2つのガス容器の残量が同時に少なくなる。そのため、2つのガス容器のガス残量がいずれも例えば5%~15%程度になったときに、2本のガス容器を同時に交換することができる。このように2本同時に交換することにより、ガス容器の交換作業の頻度を減らすことができ、ガス容器の交換効率、交換作業負荷を軽減することが可能となる。
【0023】
図2を用いて、本発明の一実施形態に係るガス供給調整器10を説明する。ガス容器61、62に接続されている高圧ホース61―2、62-2の端部は、ガス供給調整器10の導入部11、21に接続されている。各導入部11、21は、各ガス容器61、62からのガス燃料をそれぞれ受け入れる個別供給路12、22と、該個別供給路12、22を開閉する逆止弁13、23を備えている。各個別供給路12、22は接続されており、ガス容器61、62から供給されたガス燃料はここで合流する。
【0024】
導入部11、21の各個別供給路12、22は、共通減圧開口部31(減圧ノズル部)を介して減圧部30の共通供給路32に接続されている。これにより2つのガス容器61、62から供給されたガス燃料はそれぞれの個別供給部を経て合流し、共通減圧開口部31を介して減圧されて共通供給路32に供給される。減圧されたガス燃料は、
図1に示す通り、共通供給路32から高圧ホース63によりガスメータ64を経てガス機器(図示せず)へ供給されて消費される。
【0025】
このように2つのガス容器からの供給されるガス燃料は個別供給路12、22で合流して、共通減圧開口部31を経て減圧されて共通供給路32に供給される。ガス燃料はガス容器の内圧が高い方から供給される。ガス容器内圧が使用されてと内圧が下がると他方のガス容器から使用される。これを繰り返すことで、2つのガス容器61、62のガス燃料が同時にほぼ均等に消費されように自動的に調整される。減圧部30、ガス機器の使用態様に応じた所定のガス圧に減圧するように調整するために、共通減圧開口部31の開閉量を調整するセンターロッド33及び圧力調整ロッド34を備えている。
【0026】
センターロッド33は、圧縮バネ等のような上側附勢部材35により下方に押圧されている。センターロッド33には共通減圧開口部31を貫通する圧力調整ロッド34の一端が当接しており、圧力調整ロッド34の他端は圧縮バネその他の下側附勢部材36によりセンターロッド33側に押圧されている。
【0027】
上側附勢部材35は下側附勢部材部材36より強い弾性力であるため、個別供給路12、22及び共通供給路32のガス圧が低いときには、
図2(b)に示す通り、上側附勢部材35の弾性力によりセンターロッド33が下方に移動し、これにより圧力調整ロッド34も下方に移動する。ガス圧が高い場合には、
図2(a)に示す通り、ガス圧と下側附勢部材36の押圧力と側附勢部材35の弾性力が釣り合う位置まで圧力調整ロッド34及びセンターロッド33が上方に移動する。
【0028】
圧力調整ロッド34は、上下の移動位置に応じて共通減圧開口部31の開閉量を調整する圧力調整部37を備えており、個別供給路12、22のガス圧に応じて、圧力調整ロッド34の上下位置が変わり、共通供給路32の圧力が調整される。なお、
図2の供給調整器10では2個の導入部11、21を設けている例を示しているが、これにさらに別の導入部を追加することにより、3個以上のガス容器を接続して調整することが可能となる。
【0029】
図2、
図3を参照して、導入部11、21の逆止弁13、23について説明する。
図3は、逆止弁の構造の一例を模式的に示す図である。逆止弁13、23は、ガス供給調整器10内部側の圧力が高くガス容器側の圧力が低く、その圧力差が所定値以上ある場合には、個別供給路12又は22を閉じて、ガス供給調整器側からガス容器側への逆流を防ぐことができる。逆止弁の動作条件となる圧力差は、例えば60kPa~80kPa以上の圧力差がある場合作動するようにするのが好ましく、特に70kPa以上ある場合に、個別供給路を閉栓するように作動させるように設定するのがより好ましい。
【0030】
図3に逆止弁13、23の一例を示し、
図3(a)は逆止弁が開いている状態を示し、(b)は閉じている状態を示す。逆止弁13、23は、個別供給路22の出口側(ガス供給調整器の内部側:
図3の左側)と入口側(ガス容器側:
図3の右側)の圧力差が上述したような圧力差が無いきには、
図3(a)に示すように、弁体部14(24)がバネ15(25)の弾性力によりガス供給調整器内部の方向(
図3の左側方向)に押圧されて移動している。この状態で、弁体部14(24)の封止弁16(26)は個別供給路12(22)を塞いでおらず、解放されている。
【0031】
ガス供給調整器10の内部側のガス圧力が高くなり、外側との圧力差が上述の所定の範囲を超えると、内側の圧力がバネ15(25)の弾性力を上回り、弁体部14(24)が右側に移動する。これにより、
図3(b)に示す通り、封止弁16(26)により個別供給路12(22)の入り口部がふさがれる。
【0032】
このように、逆止弁13、23の入口側と出口側に所定の圧力差が生じたら、個別供給路12、22を直ちに閉栓することができる。したがって、ガス容器にまだガス燃料が残っておりガス燃料を使用中であっても、交換するガス容器を外すと、外した側の入口部のガス圧が大気圧になるため、ガス供給調整器内部のガス圧と大気圧の差が所定の範囲以上であるので、逆止弁が作動して、ガス容器を外した側の個別供給路12または22を直ちに閉栓する。したがって、ガス器具を使用中であっても、ガス容器の交換が可能となる。
【0033】
図4は、ガス燃料の残量が少なくなったときに、外部からガス切れに近い状態であることがわかるように表示する表示機能を有する本発明の他の実施形態にかかるガス供給調整器50を示す模式図である。
図4(a)はガス燃料の残量が多いときを示し、(b)は残量が少なくなった状態を示す。
図2のガス供給調整器10と異なる点は、センターロッド33の外側の端部に窪部51を設け、この窪み部51の移動により90度回転移動するように表示部材52を有している点である。また、この表示部材52の動きに連動して動作し、ガス切れ信号を発するガス切れ検知器53を設けることもできる。
【0034】
センターロッド33は、ガス圧が低下するほど移動量が増える。したがって、ガス圧が高いときは
図4(a)に示す状態であるが、ガス圧が所定値以下になると、
図4(b)に示すように、センターロッド33が下方まで移動する。その際、窪み部51が表示部材のエッジに係合して、表示部材が90度回転する。この表示部材53に赤色などの色を付しておき、
図4の上部方向に透明なガラスなどの窓を設けておくことにより、
図4(b)の矢視方向からガス容器が空になったことを知ることが可能となる。
【0035】
また、表示部材52に磁石を設けて磁化する等により、表示部材が作動したときに検知器53に近接して磁力により切片を移動させて、検知器から検知信号を発信するように構成することもできる。子の検知信号をNCU(network control unit)等に送信することにより、電話回線などによりガス業者や配送業者にガス燃料の残量が少ないことなどを連絡することが可能となる。
【符号の説明】
【0036】
10 ガス供給調整器
11、21 導入部
12、22 個別供給路
13、23 逆止弁
30 減圧部
31 共通減圧開口部
32 共通供給路
33 センターロッド
34 圧力調整ロッド
35 上側付勢部材
36 下側付勢部材
37 圧力調整部
50 他の実施形態に係るガス供給調整器
61、62 ガス容器
64 ガスメータ
65 無線通信器