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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080428
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】供養代行サービス支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220523BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191490
(22)【出願日】2020-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】516196587
【氏名又は名称】有限会社縁
(74)【代理人】
【識別番号】100133271
【弁理士】
【氏名又は名称】東 和博
(72)【発明者】
【氏名】山田 拓也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】故人が生前持っていた夢や願望を死後に叶える供養代行サービス支援システムを提供する。
【解決手段】供養代行サービス支援システムSにおいて、運営事業者Aの管理装置10と、依頼主端末20とがネットワーク60を介して接続し、運営事業者の管理装置10と、供養代行を行う施行者の端末31~34がネットワーク60を介して直接または仲介事業者B、Cの端末40、50を経由して接続する。管理装置10は、供養プランが登録されたデータベースと、依頼主端末20から選択された供養プランについて依頼情報を受付ける依頼プラン受付手段と、選択された供養プランについて受付けた依頼情報に基づき登録された所定の施行者の端末に供養プランの施行を指示する供養プラン指示手段と、同施行者の端末から指示された供養プランの施行報告を受付ける施行報告受付手段と、受け付けた施行報告を依頼主端末20に報告する施行報告手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運営事業者の管理装置と依頼主端末がネットワークを介して接続可能とされ、運営事業者の管理装置と供養代行を行う施行者の端末がネットワークを介して直接または仲介事業者の端末を経由して接続可能とされている供養代行サービス支援システムであって、
管理装置が、複数の供養プランが登録されたデータベースと、依頼主端末から選択された一の供養プランについて依頼情報を受付ける依頼プラン受付手段と、選択された一の供養プランについて受付けた依頼情報に基づき登録された施行者の端末に供養プランの施行を指示する供養プラン指示手段と、前記施行者の端末から指示された供養プランの施行報告を受付ける施行報告受付手段と、受け付けた施行報告を依頼主端末に報告する施行報告手段を備えることを特徴とする供養代行サービス支援システム。
【請求項2】
前記供養プランに、散骨可能な場所を予めデータベースに複数登録しておき、登録された散骨場所から一の希望散骨場所を選択できる散骨プランが含まれていることを特徴とする請求項1記載の供養代行サービス支援システム。
【請求項3】
前記供養プランに、手元供養可能な場所および手元供養可能な施行者を予めデータベースに複数登録しておき、登録された施行者から一の希望施行者を選択できる手元供養プランが含まれていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の供養代行サービス支援システム。
【請求項4】
前記手元供養プランは、手元供養品に遺骨の一部が納められ、スポーツ分野ないし歌手・芸能分野の施行者が手元供養品を身に付けて供養を施行するプランであることを特徴とする請求項3記載の供養代行サービス支援システム。
【請求項5】
管理装置がプラン条件確認手段を備え、選択された供養プランについて、依頼プラン受付け手段が依頼情報を受け取ると、プラン条件確認手段が、依頼された供養プランに応じたプラン条件を依頼主端末に送信することを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の供養代行サービス支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、故人が生前持っていた夢や願望を死後に叶えることを目的とする新たな供養代行サービス支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
これまで日本における葬送や供養は、法制度や生活環境の変化にともない、その形を変化させ、徐々に社会になじみ、人々もその変化を受け入れてきた。葬送は、故人と最後の別れをし、火葬場や墓地等の埋葬地に送り出すことであり、近年は、故人の希望により、遺灰や遺骨を粉末状にし、これを海や山に撒いて自然に還す散骨という葬送方法も行われている。
【0003】
供養は、故人や祖先の冥福を祈る全般的な行為を指し、仏壇に手をあわせたり、お墓に花を供えたり、法要を行うことなどがこれにあたる。近年は少子高齢化の進行や核家族化により、遠方に暮らす子孫にかわって寺院が永代に亘り先祖を供養する永代供養や、自宅に故人の遺骨や遺灰を管理し、手元で供養する手元供養という形が浸透しつつある。
【0004】
上記の散骨については、ドローンを用いて海や川等の水の上に散骨する方法(特許文献1)や、煙火玉に遺灰等を装填し煙火玉を空中に打ち上げて空中に散骨する装置(特許文献2)が提案されている。また、上記の供養については、ネットワーク、特にパーソナルコンピュータを使用して仏壇供養や納骨堂墓参を行うようにしたシステム(特許文献3)や、クラウド上に礼拝サイトを設け、故人のデータを保存し、故人の経歴や業績を検索可能としたクラウド型永代供養サービスシステム(特許文献4)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-136417号公報
【特許文献2】特開2001-245940号公報
【特許文献3】特開2006-119681号公報
【特許文献4】特開2018-190308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在の日本社会は超高齢化を迎えており、統計上は2040年頃まで死亡者数の増加が予測されており、これにともない火葬やお墓(納骨)の問題、供養の課題が増加することが予測され、葬送や供養の方法についても、これまでにない選択肢が求められ、また、個人の確立により、死生観の変化も現れてくると考えられている。しかしながら、上に述べた特許文献1から4の方法やシステムは従来の延長にとどまるもので、多様な要望に答えられるものではない。
【0007】
本発明は、前記背景および上記課題に鑑みてなされたもので、故人が生前持っていた夢や願望を死後に叶えることのできる新たな供養を提供することが可能な、供養代行サービス支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る供養代行サービス支援システムは、
運営事業者の管理装置と依頼主端末がネットワークを介して接続可能とされ、運営事業者の管理装置と供養代行を行う施行者の端末がネットワークを介して直接または仲介事業者の端末を経由して接続可能とされている供養代行サービス支援システムであって、
管理装置が、一または複数の供養プランが登録されたデータベースと、依頼主端末から選択された供養プランについて依頼情報を受付ける依頼プラン受付手段と、選択された供養プランについて受付けた依頼情報に基づき登録された施行者の端末に供養プランの施行を指示する供養プラン指示手段と、前記施行者の端末から指示された供養プランの施行報告を受付ける施行報告受付手段と、受け付けた施行報告を依頼主端末に報告する施行報告手段を備えることを第1の特徴とする。
【0009】
本発明に係る供養代行サービス支援システムは、
前記供養プランに、散骨可能な場所を予めデータベースに複数登録しておき、登録された散骨場所から一の希望散骨場所を選択できる散骨プランが含まれていることを第2の特徴とする。
【0010】
本発明に係る供養代行サービス支援システムは、
前記供養プランに、手元供養可能な場所および手元供養可能な施行者を予めデータベースに複数登録しておき、登録された施行者から一の希望施行者を選択できる手元供養プランが含まれていることを第3の特徴とする。
【0011】
本発明に係る供養代行サービス支援システムは、
前記手元供養プランは、手元供養品に遺骨の一部が納められ、スポーツ分野ないし歌手・芸能分野の施行者が手元供養品を身に付けて供養を施行するプランであることを第4の特徴とする。
【0012】
本発明に係る供養代行サービス支援システムは、
管理装置がプラン条件確認手段を備え、選択された供養プランについて、依頼プラン受付け手段が依頼情報を受け取ると、プラン条件確認手段が、依頼された供養プランに応じたプラン条件を依頼主端末に送信することを第5の特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明に係る供養代行サービス支援システムによると、故人が生前持っていた夢や願望、例えば、故人が生前行きたかった場所を散骨場所として選択し、現地スタッフが散骨することで、故人の生前の夢や願望を散骨という形で実現できるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明に係る供養代行サービス支援システムによると、故人が生前持っていた夢や願望、例えば、故人の遺骨の一部をアクセサリーに入れて、プロ野球選手や歌手が身につけてマウンドやステージに立つことで、故人が生前にプロ野球選手や歌手になりたかったという夢や願望を手元供養という形で実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る供養代行サービス支援システムの全体構成図、
図2図1のシステムにおける管理装置の構成図、
図3】データベースの構成図、
図4】本システムのサービス一覧を示すサイト画面を示す図、
図5】散骨プランの登録画面を示す図、
図6】手元供養プランの登録画面を示す図、
図7】散骨プランの依頼情報の確認画面を示す図、
図8】散骨プランの報告画面を示す図、
図9】手元供養プランの報告画面を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る供養代行サービス支援システムの構成例を示している。
【0017】
供養代行サービス支援システムS(以下、本システムSという)は、故人が生前持っていた夢や願望を死後に叶えることを目的とする新たな供養代行サービスを提供するシステムで、供養プランとして、散骨プランと、手元供養プランが含まれる(図4参照)。
【0018】
散骨プランは、故人の遺骨の一部を、故人が生前行きたかった場所(山、川、海、例えばガンジス川、エベレスト、ハワイの沖合など)を希望散骨場所として選択し、現地スタッフ(施行者)が散骨するプランである。選択できる場所は散骨可能な場所に限られるが、故人が生前に当該場所に行きたかったという夢や願望を散骨という形で実現できる。
【0019】
手元供養プランは、故人の遺骨の一部をアクセサリー(手元供養品)に入れて、施行者が身につけて供養を行うプランであり、例えば、故人の遺骨の一部をアクセサリーに入れて、プロ野球選手や歌手(施行者)が身につけてマウンドやステージに立つことで、故人が生前にプロ野球選手や歌手になりたかったという夢や願望を手元供養という形で実現することができる。
【0020】
本システムSは、図1に示すように、運営会社Aの管理装置(コンピュータ)10が、依頼主端末20と、散骨プランの施行者1の端末31と、散骨プランの仲介代理店Bの代理店端末40と、手元供養プランの施行者3の端末33と、手元供養プランの仲介事務所Cの代理店端末50と、それぞれネットワーク60を介して接続可能または接続されている。
【0021】
散骨プランの仲介代理店Bは、例えば旅行代理店が該当し、施行者3の端末32とネットワーク60を介して接続可能とされている。手元供養プランの仲介事務所Cは、例えばプロ野球の球団・チームの事務所、歌手・タレントの所属する事務所が該当し、施行者4の端末34とネットワーク60を介して接続可能とされている。これらは例示であり、他の仲介代理店、仲介事務所であってよい。
【0022】
散骨場所SPの候補は散骨可能な場所から予め選定し、後述するデータベース16に登録される。散骨プランの施行者1,2は、現地にて対応するスタッフを確保する。手元供養プランの施行者3,4は、手元供養場所TPで手元供養を施行するプロ野球選手、歌手、タレントなどが該当する。これらは例示であり、他のジャンル(サッカー・ゴルフなどのスポーツ、舞台や芸能など)の選手、俳優、芸能人などであってよい。
【0023】
施行者1,2はそれぞれ、散骨プランについて、運営会社Aと直接または仲介事務所Bを介して、施行内容および規約を確認し、契約が交わされる。施行者3,4はそれぞれ、手元供養プランについて、運営会社Aと直接または仲介事務所Cを介して、施行内容および規約を確認し、契約が交わされる。施行者1~4は、それぞれ運営会社Aの管理装置10の後述するデータベース16に登録施行者として登録される。
【0024】
管理装置(コンピュータ)10は、図2に示すように、通信部11、依頼プラン受付部12、プラン条件確認部13、決済部14、契約書発行部15、データベース16、供養プラン指示部17、施行報告受付部18、施行報告部19を備えている。
【0025】
通信部11は、管理装置10と、依頼主端末20、端末31~34、代理店端末40、事務所端末50の間でデータを送受信する。
【0026】
依頼プラン受付部12は、依頼主端末20から、供養プランについての依頼を受付ける。依頼情報には、ユーザアカウント(依頼主の氏名/年齢/性別/住所/連絡先/備考)、依頼主の属性(遺族/本人(生前))、プラン選択(散骨プラン/手元供養プラン)、プラン詳細(希望散骨場所/希望人物/価格/決済方法/その他)が含まれる。依頼主は本人(生前契約)またはその遺族が該当する。 依頼プラン受付部12は、依頼が成立すると予約番号を発行する。
【0027】
プラン条件確認部13は、依頼プラン受付部12が依頼主端末20から依頼情報を受け付けると、依頼プランに応じたプラン条件を依頼主に提示する。依頼プランに応じたプラン条件の詳細は後述する。
【0028】
決済部14は、依頼主が依頼プランに応じて提示されたプラン条件の確認後、ユーザ端末20から、依頼主が選択した供養プランに提示された価格についての決済情報(決済方法/口座番号/その他)を受け取り、決済処理を行う。
【0029】
契約書発行部15は、依頼プラン受付部12による予約番号の発行後、依頼情報に基づき、契約書類の電子データを発行し、依頼主端末20に送信する。契約書の電子データの詳細は、後述する。
【0030】
データベース16は、図3に示すように、依頼主情報登録部16A、依頼プラン詳細登録部16B、施行報告登録部16C、散骨場所・手元供養場所登録部16D、施行者登録部16E、供養プラン登録部16F、プログラム登録部16Gを備えている。
【0031】
依頼主情報登録部16Aは、依頼プラン受付部12が依頼情報を受け付けると、依頼情報のうち、依頼主情報(ユーザ情報)を登録する。依頼プラン詳細登録部16Bは、依頼プラン受付部12が依頼情報を受け付けると、詳細情報(希望散骨場所/希望人物/その他)を登録する。施行報告登録部16Cは、依頼プランの施行報告を施行報告受付部18が受け付けると、施行報告を登録する。散骨場所・手元供養場所登録部16Dは、散骨場所と手元供養場所が登録されている。施行者登録部16Eは、2つの供養プラン(散骨プラン/手元供養プラン)の供養の施行者(現地スタッフ/選手/歌手/その他)が登録されている。供養プラン登録部16Fは、2つの供養プラン(散骨プラン/手元供養プラン)の詳細情報(散骨場所/供養施行場所/価格/プラン条件/その他)が予め登録されている。プログラム登録部16Gは本システムに用いるプログラムが登録されている。
【0032】
供養プラン指示部17は、依頼プラン受付部12が予約番号を発行すると、施行番号を発行し、依頼プランに応じて、依頼条件に合致する施行者1,3の端末31,33に、または、依頼条件に合致する仲介代理店Bの代理店端末40,仲介事務所Cの事務所端末50に、供養プランの施行の指示情報を送信する。指示情報は後述する。
【0033】
施行報告受付部18は、依頼プランについて、施行者1~4が、供養の施行(散骨/手元供養)を行うと、施行者1~4の端末31~34から、直接あるいは仲介代理店Bの代理店端末40または仲介事務所Cの事務所端末50を経由して、施行報告を受け付ける。施行報告の内容は後述する。
【0034】
施行報告部19は、依頼プランについて、施行者1~4から受けた施行報告を依頼主に報告する。具体的には、施行報告受付部17が受け取った施行報告に関する情報を、依頼主端末20に送信する。
【0035】
次に、本システムSを用いた供養代行サービスの手順について説明する。
【0036】
図4は依頼主端末20に表示された供養プランの受付サイトを示している。図4に示す受付サイトの画面G0は、サービス一覧として、散骨プランP1、手元供養プランP2、P3が表示されている。各プランP1~P3の詳細ボタンb1を押すと、各プランP1~P3の詳細な案内画面(図示せず)に移動し、同案内画面上の申込ボタンを押すと、依頼情報登録画面に移動する。図5は散骨プランP1を選択した場合の登録画面G1、図6は手元供養プランP2を選択した場合の登録画面G2を示している。
【0037】
依頼主が散骨プランP1を申込むと、図5に示す登録画面G1に移動する。依頼主が、依頼主端末20から、依頼情報を入力し確認後、登録ボタンb2を押すと、依頼プラン受付部12が散骨プランについて依頼情報を受付ける。依頼情報には、ユーザアカウント(依頼主の氏名/年齢/性別/住所/連絡先/備考)、依頼主の属性(遺族/本人(生前))、希望散骨場所が含まれる。希望散骨場所を選択すると、価格が表示される。受付けた依頼情報は依頼主情報登録部16Aと依頼プラン詳細登録部16Bに登録される。
【0038】
依頼主が手元供養プランP2、P3を申込むと、図6に示す登録画面G2に移動する(図6は手元供養プランP2の例である)。依頼主が、依頼主端末20から、依頼情報を入力し確認後、登録ボタンb3を押すと、依頼プラン受付部12が手元供養プランについて依頼情報を受付ける。依頼情報には、ユーザアカウント(依頼主の氏名/年齢/性別/住所/連絡先/備考)、依頼主の属性(遺族/本人(生前))、希望人物(登録選手名)が含まれる。登録選手名を選択すると、価格が表示される。登録選手名からさらに手元散骨場所(球場名など)を選択できるようにしてよい。受付けた依頼情報は依頼主情報登録部16Aと依頼プラン詳細登録部16Bに登録される。
【0039】
依頼主が本人(生前予約)の場合(本人を選択した場合)、登録ボタンb2、b3を押すと、確認画面(図示せず)が表示され、確認画面に生前予約の注意事項(例:生前予約の注意事項として、自死による死亡の場合は生前予約の内容が履行されない)が表示されるので、依頼主はこれを確認する。
【0040】
依頼プラン受付部12が、散骨プランP1、手元供養プランP2、P3について、依頼情報を受付けると、プラン条件確認部13が、選択されたプラン毎のプラン条件を依頼主端末20に送信し、プラン条件確認画面(図示せず)が表示される。
【0041】
散骨プランP1の場合、プラン条件確認画面に、希望散骨場所に適した遺骨状態条件が表示されるので、依頼主は、確認画面上で当該条件を確認し、散骨作業を依頼するか否かを選択する。「はい」(散骨作業を依頼する)を選択したら、依頼内容の確認画面に移動する。「いいえ」(散骨作業を依頼しない)を選択したら、メッセージ(「運営会社が遺骨状態を確認し、希望場所に適した状態でなければ返送する」)が表示され、依頼主が確認釦を押したら、依頼内容の最終確認画面に移動する。図7は散骨プランP1の最終確認画面G3を示している。
【0042】
手元供養プランP2、P3の場合、プラン条件確認画面に、専用の手元供養品(アクセサリー)の購入意思の確認欄が表示されるので、依頼主は、確認画面上で専用の手元供養品を購入するか否かを選択する。「はい」(購入する)を選択したら、手元供養品の選択画面に移動し、依頼主が希望する手元供養品を選択すると、遺骨の条件確認画面へ移動する。「いいえ」(専用の手元供養品を購入しない)を選択したら、遺骨の条件確認画面へ移動する。
【0043】
手元供養プランP2、P3において、遺骨の条件確認画面に移ると、メッセージ(「粉骨した状態で手元供養品に納骨する」)が表示され、粉骨作業の依頼意思の確認欄が表示されるので、依頼主は、確認画面上で粉骨作業を依頼するか否かを選択する。手元供養品を購入する場合で「はい」(粉骨作業を依頼する)を選択したら、依頼内容の最終確認画面へ移動する。手元供養品を購入しない場合で「はい」(粉骨作業を依頼する)を選択すると、また、「いいえ」(粉骨作業を依頼しない)を選択すると、メッセージ(「運営会社で遺骨状態を確認した後、手元供養品に適した状態でなければ返送する」)が表示され、依頼主が確認釦を押すと、依頼内容の最終確認画面へ移動する。
【0044】
依頼内容の最終確認画面に移ると、依頼主は、依頼内容を確認する。散骨プランP1の場合、依頼情報に含め、遺骨の郵送方法、供養施行日までの予測日数、価格の各項目が表示される。手元供養プランP2,P3の場合、依頼情報に含め、遺骨の郵送方法、手元供養品、供養施行日までの予測日数、価格の各項目が表示される。
【0045】
図7を参照して、依頼内容の確認画面G3上で、依頼主が各項目を確認後、確認(決済する)ボタンb4を押すと、決済画面(図示せず)に移動する。依頼主が決済画面上で決済に必要な情報(口座番号、口座名義など)を入力し、決済ボタンを押すと、依頼プラン受付部12が依頼を受け付け、依頼が成立する。また、決済部14が決済処理を行う。決済画面は支払い画面とし、カード支払いまたは請求書支払いを選択できるようにしてもよい。
【0046】
依頼が成立すると、管理装置10の依頼プラン受付部12が予約番号を発行し、「依頼内容の成立」画面(図示せず)に、予約番号と依頼内容が表示される。散骨プランの場合、予約番号と散骨場所と価格が表示される。手元供養プランの場合、予約番号と、人物(施行者)、専用の手元供養品と価格が表示される。
【0047】
依頼主が「依頼内容の成立」画面を確認し、依頼主端末20から確認釦を押すと、管理装置10の契約書発行部15が契約書類の電子データを発行し、依頼主端末20に送信する。契約書類の電子データには、契約書(プラン内容に基づく)、遺族承諾書(本人生前契約の場合)、個人情報保護書類、案内文書(今後の流れ)、請求書(事前決済しない場合)が含まれる。並行して、契約書類の紙データが運営会社Aから依頼主の住所へ郵送される。
【0048】
依頼主は、契約書類の電子データを端末20に受け取ると、必要事項を記入の上、返信する。本人生前契約の場合、火葬証明書のコピーを含め、依頼主(遺族)の端末20から契約書類の電子データを管理装置10に送信する。送信された契約書類の電子データは管理装置10のデータベース16の依頼プラン詳細登録部16Bに登録される。同時に、依頼主は、契約書類に基づき、遺骨、手元供養品(手元供養プランで専用の手元供養品未購入の場合)を運営会社Aに郵送する。
【0049】
運営会社Aは、依頼主から郵送された遺骨の状態を確認し、また、郵送された手元供養品がある場合はその状態を確認し、遺骨・物品に不備等がある場合は依頼主に連絡し、以後の対応を協議する。
【0050】
運営会社Aの管理装置10は、依頼プラン受付部12が予約番号を発行すると、供養プラン指示部17が、施行番号を発行し、データベース16の施行者登録部16Eから、発行した予約番号の供養プランの依頼情報に含まれる条件(希望散骨場所/希望人物/その他)の施行者に対し、供養施行を指示する。
【0051】
具体的には、供養プラン指示部17から、依頼情報に基づき、施行者1~4の端末31~34に対し、直接または代理店端末40、事務所端末50を経由して、施行番号ととともに、供養施行の指示情報が送られる。
【0052】
散骨プランP1の場合、指示情報には、施行番号、依頼主情報、散骨場所、施行期限、施行後の報告事項(施行写真や散骨場所の緯度経度等)、遺骨状態の明記(各散骨場所に適した状態に処理済であることの明記)が含まれる。手元供養プランP2、P3の場合、指示情報には、施行番号、施行予定日の回答(施行者受取り後に施行予定日、施行場所の連絡をもらう)、施行後の報告事項(施行写真やメッセージ動画等)、施行証明書(供養施行者の署名用)の発行(施行後に署名入りの証明書を発行してもらう)、手元供養品の明記(納骨済であることの明記)が含まれる。
【0053】
遺骨(処理済)および手元供養品(納骨済)は、供養プラン指示部17からの指示情報と並行して運営会社Aから施行者1~4に対し、直接または仲介代理店B、仲介事務所Cを経由して送られるが、施行者1~4は受取り後、端末31~34から、直接または代理店端末40、事務所端末50を経由して、(手元供養プランP2、P3の場合は、施行予定日とともに、受け取った旨の返信を、運営会社Aの管理装置10に送信する。なお、遺骨の一部は、遺骨紛失の場合を想定して運営会社Aで保管される。
【0054】
施行者1~4は、供養の施行の実施後、各端末31~34から、直接または代理店端末40、事務所端末50を経由して、運営会社Aの管理装置10に施行報告を送信する。図8は散骨プランP1の施行報告例、図8は手元供養プランP2の施行報告例である。図8において、施行者1、2が端末31、32上で報告ボタンb4を押すと、施行報告書が管理装置10に対し、直接または代理店端末40を経由して、送信される。図9において、施行者3、4が端末33、34上で報告ボタンb5を押すと、施行報告書が管理装置10に対し、直接または事務所端末50を経由して、送信される。
【0055】
管理装置10は、施行報告受付部17が施行報告を受付けると、同施行報告がデータベース16の施行報告登録部16Cに登録される。散骨プランP1の場合、施行報告には、施行番号、施行日、散骨場所(緯度経度)、施行時の写真や動画、メッセージ等が含まれる。手元供養プランP2、P3の場合、施行報告には、施行番号、施行日、施行場所、施行者の名前、施行証明書(施行者の署名入り)、施行時の写真やメッセージ動画(またはメッセージ動画アドレス)等が含まれる。
【0056】
施行完了後、運営会社Aで保管していた遺骨の一部は海洋葬にて供養される。また、手元供養プランP2、P3の場合、手元供養品は施行者3、4から、直接または仲介事務所Cを経由して運営会社Aに送られる。
【0057】
施行完了後、運営会社Aの管理装置10が施行報告を受け取ると、施行報告部19が、依頼主情報に基づき、依頼主端末20に施行報告書を送信する。散骨プランP1の場合、施行報告書には、故人の名前、散骨場所(緯度経度)、施行日、施行時の写真や動画(または動画アドレス)が含まれる。手元散骨プランP2、P3の場合、施行報告書には、故人の名前、施行日、施行場所、施行者の名前、施行証明書(施行者の署名入り)、施行時の写真やメッセージ動画(またはメッセージ動画アドレス)が含まれる。
【0058】
運営会社Aは、管理装置10が依頼主端末20に施行報告書の電子データを送信することと並行し、依頼主に施行報告書の紙データを郵送する。散骨プランP2、P3の場合、手元供養品(納骨済)も合わせて依頼主に郵送する。
【0059】
かくして、本システムSによると、散骨プランの提供により、故人の遺骨の一部を、故人が生前行きたかった場所を散骨場所として選択し、現地スタッフが散骨することで、故人が生前に当該場所に行きたかったという夢や願望を散骨という形で実現できる。
【0060】
また、本システムSによると、 手元供養プランの提供により、故人の遺骨の一部をアクセサリーに入れて、プロ野球選手や歌手が身につけてマウンドやステージに立つことで、故人が生前にプロ野球選手や歌手になりたかったという夢や願望を手元供養という形で実現することができる。
【0061】
以上説明したように、本発明に係る供養代行サービス支援システムによると、これまでにない新規な形での供養、すなわち、故人が生前に行いたかった夢や願望を供養という形で提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係る供養代行サービス支援システムは、故人が生前持っていた夢や願望を死後に叶えることを目的とする供養代行サービス支援システムとして利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1~4 施行者
10 管理装置
11 通信部
12 依頼プラン受付部(依頼プラン受付手段)
13 プラン条件確認部(プラン条件確認手段)
14 決済部
15 契約書発行部
16 データベース
17 供養プラン指示部(供養プラン指示手段)
18 施行報告受付部(施行報告受付手段)
19 施行報告部(施行報告手段)
20 依頼主端末
31~34 施行者の端末
40 代理店端末
50 事務所端末
60 ネットワーク
A 運営会社(運営事業者)
B 仲介代理店(仲介事業者)
C 仲介事務所(仲介事業者)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9