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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080463
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】固形粉末化粧料およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20220523BHJP
   A61K 8/898 20060101ALI20220523BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20220523BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20220523BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20220523BHJP
   A61K 8/98 20060101ALI20220523BHJP
   A61K 8/84 20060101ALI20220523BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20220523BHJP
   A61Q 1/08 20060101ALI20220523BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/898
A61K8/891
A61K8/73
A61K8/25
A61K8/98
A61K8/84
A61Q1/12
A61Q1/08
A61Q1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191547
(22)【出願日】2020-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】595137022
【氏名又は名称】東色ピグメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100098408
【弁理士】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】津幡 和昌
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA071
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB152
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB432
4C083AC112
4C083AC342
4C083AD022
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD241
4C083AD242
4C083AD261
4C083AD262
4C083BB22
4C083BB23
4C083BB24
4C083CC12
4C083CC14
4C083DD17
4C083DD21
4C083EE05
(57)【要約】
【課題】使用感や仕上がりが良い固形粉末化粧料の提供。
【解決手段】(A)アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体とジフェニルシロキシフェニルトリメチコンとを含むシリコーン混合物であり前記(A)混合物中のアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の含有割合が18.0質量%以上で、化粧料中における前記アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の含有割合が1.5質量%以上あるもの、(B)セルロース(結晶性セルロースを除く)、シリカ、サンゴ末、珪藻土、パーライトおよびこれらの複合粉末から選ばれる1種または2種以上の粉末、(C)結晶性セルロース、ポリアミド、デンプン、変性デンプンおよびこれらの複合粉末から選ばれる1種または2種以上の粉末を含有している、固形粉末化粧料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体とジフェニルシロキシフェニルトリメチコンとを含むシリコーン混合物であり、前記混合物中のアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の含有割合が18.0質量%以上で、固形粉末化粧料中における前記アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の含有割合が1.5質量%以上であるもの、
(B)セルロース(結晶性セルロースを除く)、シリカ、サンゴ末、珪藻土、パーライトおよびこれらの複合粉末から選ばれる1種または2種以上の粉末、
(C)結晶性セルロース、ポリアミド、デンプン、変性デンプンおよびこれらの複合粉末から選ばれる1種または2種以上の粉末、を含有している固形粉末化粧料。
【請求項2】
前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分および粉体成分を含む残部成分との合計が100質量%であり、
前記(B)成分の含有割合が2.0~15.0質量%、前記(C)成分の含有割合が0.5~10.0質量%である、請求項1記載の固形粉末化粧料。
【請求項3】
前記(A)混合物中のアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の含有割合が40.0質量%以下である、請求項1または2記載の固形粉末化粧料。
【請求項4】
さらに固形粉末化粧料中に、(D)平均粒子径が0.01~0.20μmの金属酸化物粉末を20~70質量%含有し、前記金属酸化物粉末よりも平均粒径の大きな粉末と予め混合された混合物であるもの、を含有している請求項1~3のいずれか1項記載の固形粉末化粧料。
【請求項5】
前記(D)成分の固形粉末化粧料中における含有割合が5~40.0質量%である、請求項4記載の固形粉末化粧料。
【請求項6】
パウダーファンデーション、プレストパウダー、固形おしろい、ほほ紅、パウダーアイシャドウ、パウダーアイブロウ、パウダーアイライナーを含む粉末メイクアップ化粧料である、請求項1~5のいずれか1項記載の固形粉末化粧料。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載の固形粉末化粧料の使用方法であって、
水で濡らしたスポンジに前記固形粉末化粧料を付着させた後に肌に塗布して使用する、固形粉末化粧料の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイクアップ化粧料などの固形粉末化粧料およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パウダーファンデーションなどの粉末メイクアップ化粧料は、化粧持ちがよいこと、水で濡らさないスポンジを使用した場合でも、水で濡らしたスポンジを使用した場合でも、肌上でののびや肌への付着性が良いことが望まれている。
【0003】
特許文献1には、粉末成分と、アミノ変性シリコーンおよび親油性非イオン界面活性剤を含む不揮発性油性成分を使用する粉末組成物の製造方法と、前記製造方法で得られた粉末組成物を使用した粉末化粧料の発明が記載されている。粉末化粧料は、ファンデーションなどのメイクアップ化粧料として使用できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2010/107010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、水で濡らさないスポンジ(以下、「水なしのスポンジ」という。)および、水で濡らしたスポンジ(以下、「水ありのスポンジ」という。)のいずれを使用した場合であっても、使用感や仕上がりが良い固形粉末化粧料と、その使用方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(A)アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体とジフェニルシロキシフェニルトリメチコンとを含むシリコーン混合物であり前記混合物中のアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の含有割合が18.0質量%以上で、固形粉末化粧料中における前記アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の含有割合が1.5質量%以上あるもの、
(B)セルロース(結晶性セルロースを除く)、シリカ、サンゴ末、珪藻土、パーライトおよびこれらの複合粉末から選ばれる1種または2種以上の粉末、
(C)結晶性セルロース、ポリアミド、デンプン、変性デンプンおよびこれらの複合粉末から選ばれる1種または2種以上の粉末、を含有している固形粉末化粧料と、その使用方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明固形粉末化粧料は、水なしのスポンジおよび水ありのスポンジのいずれを使用した場合であっても、使用感や仕上がりが良い。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<固形粉末化粧料>
(A)成分は、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体とジフェニルシロキシフェニルトリメチコンとを含むシリコーン混合物であり、前記(A)混合物中のアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の含有割合が18.0質量%以上で、固形粉末化粧料中における前記アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の含有割合が1.5質量%以上であるもの、
アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(以下、「アモジメチコン」と表現する場合もある。)は、KF-8002,KF-8004、KF-880、KF-867(いずれも信越化学工業株式会社製)、BELSIL ADM 1370、BELSIL ADM 1650(いずれも旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)、DOWSIL SF 8452 C、DOWSIL SS-3551(いずれもダウ・ケミカル日本株式会社製)、などの市販品を使用することができる。
【0009】
他のシリコーン化合物としては、ジメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルジメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン、フェニルトリメチコンなどを挙げることができる。
(A)シリコーン混合物中のアモジメチコンの含有割合は18.0質量%以上である。好ましくは、18.0質量%~40.0質量%、より好ましくは18.0質量%~35.0質量%である。
【0010】
(B)成分は、セルロース(結晶性セルロースを除く)、シリカ、サンゴ末、珪藻土、パーライトおよびこれらの複合粉末から選ばれる1種または2種以上の粉末である。
結晶性セルロースを除くセルロースとしては、再生セルロースを使用することができる。
複合粉末は、2種以上の粉末が一体化された粉末、1種の粉末の表面が他種の粉末で被覆された粉末などである。
【0011】
(C)成分は、結晶性セルロース(天然セルロース)、ポリアミド、デンプン、変性デンプンおよびこれらの複合粉末から選ばれる1種または2種以上の粉末である。
複合粉末は、2種以上の粉末が一体化された粉末、1種の粉末の表面が他種の粉末で被覆された粉末などである。
【0012】
固形粉末化粧料中、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分および粉体成分を含む残部成分との合計が100質量%である。
(B)成分の含有割合は2.0~15.0質量%が好ましく、3.0~12.0質量%がより好ましく、5.0~10.0質量%がさらに好ましい。
(C)成分の含有割合は0.5~10.0質量%が好ましく、2.0~8.0質量%がより好ましく、4.0~7.0質量%がさらに好ましい。
但し、(A)成分に含まれているアモジメチコンの含有割合は1.5質量%以上であり、2.0質量%以上が好ましい。
【0013】
固形粉末化粧料は、さらに(D)成分として、平均粒子径が0.01~0.20μmの金属酸化物粉末を20~70質量%含み、前記金属酸化物粉末よりも平均粒径の大きな粉末と予め混合された混合物を含有することができる。(D)成分を含有することで固形化粧料のSPF値を向上させることができる。
金属酸化物粉末としては、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化鉄、微粒子酸化鉄、酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、酸化セリウムなどを挙げることができ、これらの金属酸化物粉末がシリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等との複合物でもよい。
前記金属酸化物粉末よりも平均粒径の大きな粉末としては、タルク、マイカ、セリサイト、合成フルオロフロゴパイト、(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)、などを挙げることができる。
【0014】
(D)成分を含有するときの固形粉末化粧料中における含有割合は、5~40.0質量%が好ましく、より好ましくは10~25.0質量%である。
【0015】
固形粉体化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、下記のその他公知の化粧料成分を含んでいてもよい。
タルク、マイカ、カオリン、合成フルオロフロゴパイト、(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)、無水ケイ酸、含水ケイ酸、アルミナ、水酸化アルミニウム、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化セリウム、グンジョウ、紺青などの無機粉体、ラウロイルリシン、ナイロン-6、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、(HDI/PPG/ポリカプロラクトン)クロスポリマー、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸アルキル、メタクリル酸メチルクロスポリマー、(アクリル酸ブチル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー、(メタクリル酸メチル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、ポリシリコーン-1 クロスポリマー、ポリシリコーン-22、金属石鹸類、などの有機粉体、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジグリセリン、エチルヘキシルグリセリン、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、マンニトール、POEメチルグリコシド、生体高分子、蔗糖などの保湿剤、ミネラルオイル、ワセリン、パラフィンワックス、セレシン、ポリエチレン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、合成ワックス、スクワラン、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル類、油脂類などのエモリエント成分、メチルパラベン、エチルパラベン、フェノキシエタノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、などの防腐・殺菌剤、脂肪酸とグリセリン又はグリセリン重合物とのエステル類、脂肪酸とショ糖とのエステル類、などの界面活性剤、アスコルビン酸ジパルミテート、リン酸アスコルビルMg及びその他の塩類、アスコルビルグルコシド、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸レチノール、ニコチン酸アミド、ビオチン、などのビタミン及びその誘導体類、アミノ酸及びその誘導体類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、硫酸マグネシウム、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、などのpH調整剤、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルトリアゾン、オクトクリレン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、などの紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤。
【0016】
(A)~(C)成分および(A)~(D)成分を含む固形粉末化粧料は、パウダーファンデーション、プレストパウダー、固形おしろい、ほほ紅、パウダーアイシャドウ、パウダーアイブロウ、パウダーアイライナーを含む粉末メイクアップ化粧料として使用することができる。
また(A)~(D)成分を含む固形粉末化粧料は、(D)成分の作用によりSPF値を向上させることができるため、日焼け防止用の化粧料としても使用することができる。
【0017】
<固形粉末化粧料の使用方法>
本発明の固形粉末化粧料は、水ありのスポンジ(化粧用パフ)に前記固形粉末化粧料を付着させた後に肌に塗布して使用することができる。なお、水なしのスポンジ(化粧用パフ)に前記固形粉末化粧料を付着させた後に肌に塗布して使用することもできる。
このように水で濡らしたスポンジを使用して肌に塗布した場合であっても、本発明の固形粉末化粧料はケーキングすることがなく、肌へののび、肌への付着性などの使用感を損なうこともない。
【実施例0018】
(A)成分
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン:KF-56A(信越化学工業株式会社製)
ジメチコン:KF-96A-10CS(信越化学工業株式会社)
アモジメチコン:KF-8004(信越化学工業株式会社)
【0019】
(B)成分
サンゴ末:マリーンバイオC-08(マリーンバイオ株式会社)
シリカ(球状):シリカマイクロビード P-1500(日揮触媒化成株式会社)
セルロース(球状):GE-800(東色ピグメント株式会社)
【0020】
(C)成分
ナイロン粉末(ナイロン-12):Orgasol 2002D NAT COS(アルケマ株式会社)
オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンAl:DRY-FLO PURE(ヌーリオン ジャパン株式会社)
結晶セルロース:セオラス PH-F20JP(旭化成株式会社)
酸化チタン(顔料級):酸化チタン MP-1133(テイカ株式会社)
【0021】
(D)成分
(D-1)タルク、微粒子酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、水酸化アルミの混合物(酸化チタン含有割合28質量%):TTC-30N(三好化成株式会社)
(D-2)タルク、シリカ被覆微粒子酸化チタンの混合物:タルクJA-46R(浅田製粉株式会社)と、微粒子酸化チタン MT-500SA(テイカ株式会社)との混合物(東色ピグメント株式会社)(酸化チタン含有割合64.05質量%)
比較用(D)成分
シリカ被覆微粒子酸化チタン:微粒子酸化チタン MT-500SA(テイカ株式会社)
【0022】
(着色剤成分)
シリカ被覆酸化チタン(顔料級):JR-800(テイカ株式会社)
ジメチコン、ベンガラの混合物(顔料級):SA-R-516PS(三好化成株式会社)
ジメチコン、黄酸化鉄の混合物(顔料級):SA-LL-100P(三好化成株式会社)
ジメチコン、黒酸化鉄の混合物(顔料級):SA-BL-100P(三好化成株式会社)
【0023】
(フィラー成分)
タルク:タルクJA-46R(浅田製粉株式会社)
アロエベラ葉エキス、ヤシ油、タルクの混合物:Talc LW-F8(東色ピグメント株式会社)
酸化チタン被覆マイカ:シルクMT-505(日本光研工業株式会社)
窒化ホウ素:BN-06H(伊那貿易株式会社)
(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー:D-400(東色ピグメント株式会社)
【0024】
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(紫外線吸収剤):ノムコートTAB(日清オイリオグループ株式会社)
水添ポリイソブテン:パールリームEX(日油株式会社)
イソノナン酸イソノニル:サラコス99(日清オイリオグループ株式会社)
ヘキサンジオール:HYDROLITE 6 O(シムライズ株式会社)
【0025】
実施例1~9、比較例1~8
表1に示す各成分を使用し、次の方法で固形粉体化粧料を得た。
(調製方法)
表1の(B)成分、(C)成分、着色剤およびフィラー、または表2の(B)~(D)成分、着色剤、フィラー、をヘンシェル型ミキサーにて均一に混合し、さらに(A)成分および液体成分を添加、混合した。得られた混合物をアトマイザー等の粉砕機にて粉砕を行った。その後、ふるいを通した後、金皿にプレスした。ただし、表2の(D)成分の内(D-2)成分は、予めヘンシェル型ミキサーにて均一に混合し、アトマイザーなどの粉砕機に粉砕したものを使用した。
得られた各固形粉末化粧料について、下記の項目について評価を行った。結果を表1、表2に示す。
【0026】
(1)水なしでの使用性(とれ、肌上でののび)および(2)水ありでの使用性(とれ、肌上でののび)
化粧用のパフを水で濡らさない状態または化粧用のパフを水で濡した状態のいずれかで使用したときの使用性(とれ、肌上でののび)を次の基準で評価した。
5:とれとのびの両方が非常に良い
4:とれとのびの両方が良い
3:とれとのびの一方が良くない
2:とれとのびの両方が悪い
1:とれとのびの両方が非常に悪い
【0027】
(3)水なしでの仕上がり(肌への付着性)および(4)水ありでの仕上がり(肌への付着性)
化粧用のパフを水で濡らさない状態または化粧用のパフを水で濡した状態のいずれかで使用したときの使用性(肌への付着性)を次の基準で評価した。
5:肌への付着性が非常に良い
4:肌への付着性が良い
3:肌への付着性が普通
2:肌への付着性が悪い
1:肌への付着性が非常に悪い
【0028】
(5)水ありパフで使用した後のプレス表面の滑らかさ
5:非常に滑らかであり、滑らかさのむらもない
4:滑らかであり、滑らかさのむらもない
3:滑らかであるが、滑らかさのむらがある
2:滑らかさのむらが大きい
1:滑らかさのむらが非常に大きい
【0029】
(6)プレス性(落下強度)
金皿に入った各固形粉体化粧料を、コンパクトに装着した状態で50cmの高さからプラスチック製の板(ポリエチレン製、50mm厚)に水平落下させ、下記基準で評価した。
5:10回落としても固形粉体化粧料の表面はひび割れもなく、正常だった
4:5回落としても固形粉体化粧料の表面はひび割れもなく、正常であり、さらに5回落としたときに発生した、ひび割れ、欠け等の異常による粉体のロスが充填量に対して5%以下であった。
3:5回落としても固形粉体化粧料の表面はひび割れもなく、正常であり、さらに5回落としたときに発生した、ひび割れ、欠け等の異常による粉体のロスが充填量に対して10%以下であった。
2:1~5回の落下で固形粉体化粧料の表面にひび割れ、欠け等の異常が発生したが、さらに5回落とした時点での、異常による粉体のロスが充填量に対して10%以下であった。
1:1~5回の落下で固形粉体化粧料の表面にひび割れ、欠け等の異常が発生し、さらに5回落とした時点での、異常による粉体のロスが充填量に対して10%より多かった。
【0030】
(7)総合評価
〇:平均4.5以上
△:平均4以上、4.5未満
×:平均4未満
【0031】
【表1】
【0032】
表1から明らかなとおり、実施例1~5の(A)~(C)成分を含む固形粉末化粧料は、比較例1~4と比べると、高い評価が得られた。
【0033】
【表2】
【0034】
(A)~(D)を含む実施例6~9の固形粉末化粧料は、表1の(A)~(C)を含む実施例1~5の固形粉末化粧料と比べると評価が劣っているが、(D)成分の作用により実施例1~5の固形粉末化粧料よりもSPF値が向上されているため、日焼け防止用という別用途に使用できるようになった。
【産業上の利用可能性】
【0035】
固形粉末化粧料は、パウダーファンデーション、プレストパウダー、固形おしろい、ほほ紅、パウダーアイシャドウ、パウダーアイブロウ、パウダーアイライナーを含む粉末メイクアップ化粧料として利用することができるほか、日焼け防止用途にも利用することができる。