(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080468
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】作業台及び作業台用殺菌装置
(51)【国際特許分類】
A47B 17/04 20060101AFI20220523BHJP
A47B 13/08 20060101ALI20220523BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20220523BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
A47B17/04
A47B13/08 A
A47B13/00 Z
A61L2/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191559
(22)【出願日】2020-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】萬 秀紀
【テーマコード(参考)】
3B053
4C058
【Fターム(参考)】
3B053NP08
3B053NQ05
3B053NQ06
3B053NQ07
3B053PA03
3B053PC02
3B053PC07
4C058AA30
4C058BB06
4C058DD14
4C058DD16
4C058KK02
4C058KK26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業を行う空間を殺菌可能な作業台を提供する。
【解決手段】作業台100は、作業空間を形成する作業部2と、前記作業部2を殺菌する殺菌部と、前記殺菌部を前記作業空間内で移動させる移動部5とを備えた。前記作業部2は、作業用の平面部11を備えた。前記移動部5は、前記平面部11上で前記殺菌部を所定方向へ移動させる。前記殺菌部は、前記作業部2に紫外線を照射する紫外線照射部を備え、前記紫外線照射部は、前記移動部5によって移動される際に前記作業部2に紫外線を照射する。前記作業部2は、作業用の平面部11を備え、前記紫外線照射部と前記平面部11との距離は、0.5mm以上100mm以下である。前記移動部5の移動速度を制御する制御部を備えた。前記作業部2は、作業に関連する物品を収納するための収納部を備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業空間を形成する作業部と、
前記作業部を殺菌する殺菌部と、
前記殺菌部を前記作業空間内で移動させる移動部とを備えた作業台。
【請求項2】
前記作業部は、作業用の平面部を備えた請求項1に記載の作業台。
【請求項3】
前記移動部は、前記平面部上で前記殺菌部を所定方向へ移動させる請求項2に記載の作業台。
【請求項4】
前記殺菌部は、前記作業部に紫外線を照射する紫外線照射部を備え、
前記紫外線照射部は、前記移動部によって移動される際に前記作業部に紫外線を照射する請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の作業台。
【請求項5】
前記作業部は、作業用の平面部を備え、
前記紫外線照射部と前記平面部との距離は、0.5mm以上100mm以下である請求項4に記載の作業台。
【請求項6】
前記移動部の移動速度を制御する制御部を備えた請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の作業台。
【請求項7】
前記作業部は、作業に関連する物品を収納するための収納部を備えた請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の作業台。
【請求項8】
前記殺菌部は、前記作業部に紫外線を照射する紫外線照射部を備え、
前記収納部に、前記紫外線照射部から照射された紫外線を反射する反射材を設置した請求項7に記載の作業台。
【請求項9】
前記作業部の周囲に人がいるかどうかを検出する検出部を備えた請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の作業台。
【請求項10】
前記殺菌部及び前記移動部のうち少なくともいずれかの作動状況を表示する表示部を備えた請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の作業台。
【請求項11】
前記殺菌部は、選挙の投票用紙に記載するための作業板上に設置される請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の作業台。
【請求項12】
作業台に設けられた作業部を殺菌する殺菌部と、
前記殺菌部を前記作業部内で移動させる移動部とを備えた作業台用殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業台及び作業台用殺菌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業台に関する技術について、下記特許文献1には、揺れや転倒等の不安定な状態のない投票用紙の記載台に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、投票用紙への記載という作業を行う際、作業面にウイルスなどが付着していた場合、不特定多数の人が作業台を使用することで感染拡大の恐れがある。
【0005】
本発明は上記した課題を解決するものであり、作業を行う空間を殺菌可能な作業台の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明にかかる作業台は、作業空間を形成する作業部と、前記作業部を殺菌する殺菌部と、前記殺菌部を前記作業空間内で移動させる移動部とを備えた。
【0007】
また、前記構成において、前記作業部は、作業用の平面部を備えた。
【0008】
そして、前記構成において、前記移動部は、前記平面部上で前記殺菌部を所定方向へ移動させる。
【0009】
更に、前記各構成において、前記殺菌部は、前記作業部に紫外線を照射する紫外線照射部を備え、前記紫外線照射部は、前記移動部によって移動される際に前記作業部に紫外線を照射する。
【0010】
更に、前記各構成において、前記作業部は、作業用の平面部を備え、前記紫外線照射部と前記平面部との距離は、0.5mm以上100mm以下である。
【0011】
更に、前記各構成において、前記移動部の移動速度を制御する制御部を備えた。
【0012】
更に、前記各構成において、前記作業部は、作業に関連する物品を収納するための収納部を備えた。
【0013】
更に、前記各構成において、前記殺菌部は、前記作業部に紫外線を照射する紫外線照射部を備え、前記収納部に、前記紫外線照射部から照射された紫外線を反射する反射材を設置した。
【0014】
更に、前記各構成において、前記作業部の周囲に人がいるかどうかを検出する検出部を備えた。
【0015】
更に、前記各構成において、前記殺菌部及び前記移動部のうち少なくともいずれかの作動状況を表示する表示部を備えた。
【0016】
更に、前記各構成において、前記殺菌部は、選挙の投票用紙に記載するための作業板上に設置される。
【0017】
また、本発明に係る作業台用殺菌装置は、作業台に設けられた作業部を殺菌する殺菌部と、前記殺菌部を前記作業部内で移動させる移動部とを備えた。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る作業台は、作業空間を形成する作業部と、前記作業部を殺菌する殺菌部と、前記殺菌部を前記作業空間内で移動させる移動部とを備えたので、移動部が殺菌部を移動させることで、作業空間を効率よく殺菌できる。
【0019】
また、前記作業部は、作業用の平面部を備えた場合は、平面部を効率よく殺菌できる。
【0020】
そして、前記移動部は、前記平面部上で前記殺菌部を所定方向へ移動させる場合は、移動部によって殺菌部を効率よく移動させることができる。
【0021】
更に、前記殺菌部は、前記作業部に紫外線を照射する紫外線照射部を備え、前記紫外線照射部は、前記移動部によって移動される際に前記作業部に紫外線を照射する場合は、紫外線によって効率よく作業部を殺菌できる。
【0022】
更に、前記作業部は、作業用の平面部を備え、前記紫外線照射部と前記平面部との距離は、0.5mm以上100mm以下である場合は、殺菌に要する量の紫外線を容易に照射することができ、効率よく殺菌することができる。
【0023】
更に、前記移動部の移動速度を制御する制御部を備えた場合は、移動部の移動速度を調整可能である。
【0024】
更に、前記作業部は、作業に関連する物品を収納するための収納部を備えた場合は、収納部に収納された作業に関連する物品を殺菌できる。
【0025】
更に、前記殺菌部は、前記作業部に紫外線を照射する紫外線照射部を備え、前記収納部に、前記紫外線照射部から照射された紫外線を反射する反射材を設置した場合は、反射材によって紫外線を効率よく反射することができる。
【0026】
更に、前記作業部の周囲に人がいるかどうかを検出する検出部を備えた場合は検出部によって人が作業するかどうかを確認できる。
【0027】
更に、前記殺菌部及び前記移動部のうち少なくともいずれかの作動状況を表示する表示部を備えた場合は、表示部を確認することで作動状況を知ることができる。
【0028】
更に、本発明に係る作業台用殺菌装置は、作業台に設けられた作業部を殺菌する殺菌部と、前記殺菌部を前記作業部内で移動させる移動部とを備えたので、殺菌部を移動部によって移動することで作業台を効率よく殺菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態に係る作業台の斜視図である。
【
図7】前記殺菌装置の殺菌ユニットの内部構造を示す平面図である。
【
図9】他の実施形態に係る殺菌装置の拡大斜視図である。
【
図10】更に他の実施形態に係る殺菌装置の拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる作業台100の外観斜視図である。
図1には、作業台100が、選挙の投票所で使用される記載台として構成される場合を示す。
【0031】
作業台100は、作業部2と制御部9とを備える。作業部2は、作業空間を形成する。作業部2は、本体21及び支持部22を備える。本体21は、作業用板24、側面板25、背板26、仕切板27を備える。
【0032】
作業用板24上で、人が作業を行う。
図1に示す作業台100では、投票用紙に候補者の氏名や政党名等を記入する作業が行われる。作業用板24上には、殺菌装置3が設置される。殺菌装置3は、仕切板27で仕切られた4つの作業空間にそれぞれ載置される。殺菌装置3は、本体21に対し、固定可能に構成されてもよく、着脱自在としてもよい。殺菌装置3は、作業板10及び殺菌機構30を備える。作業板10上で、人が作業を行う。作業板10は作業部2を構成する。作業板10は、作業用の平面部11を備える。
【0033】
作業板10は、所定厚さに形成される。作業板10は、殺菌機構30と一体に形成される。殺菌機構30は、作業板10を殺菌するための機構である。
図2は、殺菌装置3を拡大して示す斜視図、
図3は、
図2の正面図、
図4は、
図2の平面図、
図5は、
図2の右側面図である。作業板10の左右縁部及び背面は、殺菌機構30の枠体31に固定される。また、作業板10の上には、殺菌ユニット33が設置される。
【0034】
作業板10は、作業に関連する物品である作業関連物品Gを収納するための収納部13を備える。作業関連物品Gとして鉛筆などの筆記具が挙げられる。作業板10に収納部13を設けることで、収納部13に収納した作業関連物品Gを、平面部11の殺菌処理の際に同時に殺菌できる。これより、平面部11とともに筆記具などの作業関連物品Gを殺菌することができ、効率が良い。
【0035】
図2-5では、収納部13は、平面部11に凹形状に窪んで形成される場合を示す。この収納部13は、作業関連物品Gを収容可能な所定深さを有している。このように、収納部13が平面部11から窪んで形成され、収納部13の底面が平面部11より低い位置にある場合には、殺菌ユニット33が移動部5によって平面部11上を移動され、平面部11を殺菌する際に、収納部13が殺菌ユニット33の移動の妨げにならない。また、殺菌ユニット33の下部から作業板10へ向けて照射される紫外線が、収納部13にも適正に届き、収容部13及び作業関連物品Gを殺菌できる。紫外線が収納部13へ照射されるために紫外線が外部に漏れる等といった問題を回避できる。
【0036】
このように、殺菌ユニット33が平面部11及び収納部13双方の上方を通過しつつ殺菌する構造の場合には、収納部13が平面部11の上面に設置されていると、殺菌ユニット33の設置高さを、収納部13の高さより高くしなければならなくなる。その場合、殺菌ユニット33の下部に設けられた殺菌部75から平面部11までの距離が長くなる。
【0037】
しかし、収納部13が平面部11に凹形状に窪んで形成される場合には、殺菌ユニット33の設置高さを、収納部13の大きさに関わらず、できる限り平面部11に近づけ、低くすることができる。そして、平面部11と殺菌部75との距離を短くすることができる。
【0038】
移動部5が平面部11に沿って殺菌ユニット33を移動する場合、平面部11上に作業関連物品Gが置かれたままであると、殺菌ユニット33がそのような作業関連物品Gに衝突することがある。この場合、作業関連物品Gは、殺菌ユニット33に接触したまま平面部11上を摺動し、又は回転することで、移動部5による移動方向Mへ移動される。
【0039】
収納部13が平面部11の一方の端部近傍、即ち、例えば、
図4における平面部11の右端近傍に設けられており、移動部5が収納部13設置位置に向けて殺菌ユニット33を移動させる場合、移動部5によって殺菌ユニット33を移動することで、平面部11上に置かれた作業関連物品Gを収納部13設置位置まで移動し、収納部13に落とし込み、収納することができる。その後、作業関連物品Gを殺菌ユニット33からの紫外線で殺菌することができる。
【0040】
収納部13の側面及び底面には、殺菌機構30の殺菌部75から照射された紫外線を反射する反射材14が設置される。反射材14は、紫外線の反射率が高いことが好ましく、例えば、紫外線の反射率が50%以上の材料で構成されることが好ましい。反射材14として、例えば、表面が加工処理されたアルミ、ステンレス、アルミ蒸着された鉄や樹脂等を用いることができる。より具体的には、例えば、ALANOD社製miro-uvを用いることができる。
【0041】
上方に位置する殺菌部75から紫外線が照射されたとき、収納部13の底面に置かれた作業関連物品Gに影ができ、十分に減菌できない部分が生じる恐れがある。そこで、収納部13に、反射材14が設置されることにより、紫外線が反射材14によって反射され、収納部13内にできる影の量が少なくなり、適正に殺菌することができる。
【0042】
収納部13の底面には、複数の突部15が設けられる。
図4では、突部15が移動部5の移動方向Mと平行に所定長さを有する平面視矩形状に形成され、平面部11の前後方向に複数並設される場合を示す。鉛筆などの作業関連物品Gが突部15上に載置され、収納されることで、収納部13の底面と作業関連物品Gとの間に空間ができる。これより、反射材14で反射した紫外線が作業関連物品Gに照射されるので、作業関連物品Gを適正に殺菌することができる。
【0043】
殺菌機構30は、作業用板24上に設置される。殺菌機構30は、作業部2で人が作業するとき、作業板10上面及び前面の2つの平面部11の殺菌を行う。
【0044】
殺菌機構30は、枠体31及び殺菌ユニット33を備える。
枠体31は、作業部2を構成する作業板10と一体に形成される。枠体31は、左右一対の側部61、背面部62及び上面部63を備える。側部61、背面部62及び上面部63はいずれも所定厚さの板材により構成される。側部61及び背面部62は作業板10上面に立設される。
【0045】
側部61及び、必要により背面部62には、複数の貫通穴65が形成される。これより、殺菌装置3を作業用板24上に設置したとき、側部61と、作業部2の本体21の側板25や仕切板27の間に、投票用紙等の書類が挟まったり、入り込んだりしていることを容易に確認することができる。
【0046】
上面部63は、背面部62及び側部61後端近傍の上端部に固定され、作業板10の後部上方に設置される。上面部63には把手66が設置される。把手66は、作業用板24から殺菌装置3を着脱する際、殺菌装置3を容易に持ち上げるために設けられる。
【0047】
図6は殺菌ユニット33、枠体31及び作業板10の拡大縦断面図、
図7は、殺菌ユニット33の上面部63を除き、枠体31の一部及び作業板10と共に示す拡大平面図、
図8は殺菌ユニット33の底面図である。殺菌ユニット33は、筐体71、検出部72、表示部74、殺菌部75、放熱部77を備える。
筐体71は、前後方向に長い略直方体状に形成され、筐体71の前部は側面視台形状に形成される。筐体71の前部に、検出部72及び表示部74が設けられる。筐体71の内部に殺菌部75及び放熱部77が収容される。
【0048】
筐体71は、上板81、左右の側面板82、前板83及び傾斜板84を備える。傾斜板84は、前板83と上板81との間に設置される。筐体71の背面及び下面は開口している。左右の側面板82の下端部と、作業板10の上面との距離が所定値以下に設定されることが好ましい。所定値は、例えば20mm以下とすることができ、好ましくは10mm以下、より好ましくは3mm以下に設定される。これより、紫外線が筐体71外に漏れるのを抑制できる。
【0049】
前板83には、複数の通気口86が設けられる。通気口86は、前板83を貫通して設けられる。通気口86は、筐体71内の空気を外部に排出するために設けられる。
【0050】
検出部72は、前板83に設けられる。検出部72は、作業台100の周辺の動く物体を検知する。そして、検出部72は作業部2の周囲に人がいるかどうかを検出する。また、検出部72は、作業部2の周囲にいる人との距離を検出する測距センサーを用いることができる。
【0051】
そして、検出部72が、作業台100のメンテナンスに利用することも可能である。この場合、検出部72が検出すべき内容が予め設定されている。例えば、メンテナンスにおいて、移動部5のモータだけを動作させ、回転させたい、発光素子79だけを点灯させたい、といった状況がある。このような殺菌装置3を構成する機構や部品に実施させたい動作ごとに、検出部72が検出する条件を予め決定し、設定しておく。
【0052】
例えば、検出部72が、作業部2の周囲に人がいることを、5秒間といった所定の短い時間間隔で繰り返し検出する場合や、作業部2の周囲にいる人から検出部72までの距離が100mm以内から100mmずつ増加する等のように規則的に変化する、または100mm以内と30mm以上とを繰り返すといった条件を設定することができる。
【0053】
そして、メンテナンスを実施する者は、このような各種設定された条件を、検出部72に故意に検出させることで、所望する動作を殺菌装置3に行わせることができる。
【0054】
また、すでに設定されている条件や内容を変更したい場合にも、検出部72を用いて、変更することが可能である。この場合も同様に、ある条件を検出部72が検出したとき、設定内容の変更を実施可能である。
【0055】
これより、作業台100がスイッチやタッチパネル等の操作部を備えていなくても、殺菌装置3の機構や部品を駆動し、作業台100をメンテナンスすることが可能となる。そして、不適切なタイミングでの人によるスイッチの操作等といった仮に操作部が設けられている場合に生じうる誤操作等を防ぐことができる。
【0056】
表示部74は、殺菌部75及び移動部5のうち少なくともいずれかの作動状況を表示する。また、表示部74は、作業台100の状態を示す。表示部74は、傾斜板84に設けられる。表示部74は、複数の色に発色する発光素子、ランプ等によって構成される。表示部74は、待機状態、殺菌中の状態、エラーが発生した状態に応じて異なる色に点灯される。
【0057】
殺菌部75は、作業部2を殺菌する。殺菌部75は、筐体71の下部に設置される。本実施形態に係る殺菌部75は、選挙の投票用紙に記載するための作業板10上に設置される。そして、殺菌部75は、紫外線を出力する紫外線照射部78を備える。紫外線照射部78は、紫外線を出力する発光素子79を備える。
図6,8では、発光素子79が、筐体71の長手方向に沿って一列に複数個設置される場合を示す。
【0058】
紫外線照射部78は、作業部2に紫外線を照射する。紫外線の中でも、殺菌効果が高いUV-Cを用いることが好ましく、特に、波長が220nmから300nmまでの範囲の紫外線を用いることがより好ましい。紫外線照射部78は、複数の発光素子79を備える。発光素子79は、取付板90に取り付けられ、一列に配置されている。
【0059】
筐体71は、前後方向の長さが作業板10より長く形成される。そして、筐体71は、作業板10より所定量前方に突出して設置される。最前位置に設置された発光素子79は、作業板10の前面より所定量前方に位置している。これより筐体71に内蔵する発光素子79によって、紫外線を出力する際、作業板10の上面だけでなく前面にも紫外線を照射することができる。
【0060】
発光素子79から出力される紫外線は、下方位置で対向する作業板10上面及び前面の平面部11に照射される。紫外線照射部78と平面部11との距離は、0.5mm以上100mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.5mm以上50mm以下とすることができる。また、発光素子79と作業板10との距離は、所定値以下とすることが好ましい。この所定値は、例えば100mm、好ましくは、50mm、より好ましくは30mmとすることができる。
【0061】
一般に光のエネルギーは距離の二乗に反比例するため、光源から照射対象物までの距離が長くなるほど殺菌効果が低下する。そして、紫外線の波長は、赤外線より短いために、光源から照射対象物までの距離が長くなるとエネルギーがより低下しやすい傾向がある。そこで、発光素子79と作業板10との距離を所定値以下とすることによって、より効果的に殺菌することができる。
【0062】
紫外線照射部78が、筐体71内に設置されることで、紫外線照射部78が筐体71によって覆われ、人が紫外線を直視できない構造となっている。これより、紫外線を直接浴びないようにすることができ、人体への影響を低減できる。
【0063】
放熱部77は、放熱板88及び送風機89を備える。放熱板88は、殺菌部75の作動時に温度が上昇した発光素子79の周辺を冷却するために設けられる。放熱板88は発光素子79の設置された取付板90に直接的または間接的に接触する複数の板材により構成される。第1放熱板91は、取付板90の上面に対向し、密着して設置される。第2放熱板92は、第1放熱板91上に立設される。更に、左右一対の側面板82及び上板81は、放熱板88を兼ねて構成される。放熱板88の材質は、アルミ、鉄、鉄鋼、銅、カーボン等とすることができる。
【0064】
送風機89は、殺菌ユニット33の後部に設置される。送風機89は複数の放熱板88に向けて送風し、配線取付板90及び放熱板88を冷却する。そして、前方に設けられた通気口86から筐体71の前方へ排出される。
【0065】
殺菌ユニット33は、作業空間内で移動部5によって移動される。移動部5は、作業板10上で殺菌ユニット33を左右方向へ往復移動させる。移動部5は、駆動部51、ピニオン52、ラック53、案内部材55、支持ローラ57、位置検出部56を備える。駆動部51、ピニオン52及び位置検出部56の光学センサ59は殺菌ユニット33の後部に設置され、駆動部51の駆動に伴って平面部11上を移動する。
【0066】
駆動部51はモータにより構成される。ピニオン52は、駆動部51の駆動により正逆両方向に回転する。ラック53は、枠体31の背面部62に沿って、背面部62手前の作業板10上に設置される。ラック53はピニオン52に噛み合う。案内部材55は、ラック53の前方位置に、ラック53に平行に配置される。案内部材55は円柱形状の棒材により構成される。支持ローラ57は、殺菌ユニット33の前下部に設置される。支持ローラ57は、殺菌ユニット33が移動する際、殺菌ユニット33を支持しつつ平板10上面を摺動する。
【0067】
位置検出部56は、殺菌ユニット33が待機位置に位置していることを検出する。位置検出部56は、光学センサ59及び遮光部材60を備える。遮光部材60は枠体31の
図4における左方の側部61から突出して設置される。光学センサ59は、遮光部材60の対向位置に設置される。殺菌ユニット33が枠体31の
図2―4における左端部に位置するとき、遮光部材60が光学センサ59を遮光する。
【0068】
駆動部51の駆動によりピニオン52が回転されると、ピニオン52に噛合するラック53に沿って、殺菌ユニット33が、作業板10上を左右方向に移動される。その際、殺菌ユニット33は支持ローラ57に支持され、案内部材55によって案内される。殺菌ユニット33が枠体31の左端部に位置するとき、遮光部材60が光学センサ59を遮光し、殺菌ユニット33が待機位置に位置することを検出する。
【0069】
また、殺菌部75は、新型コロナウイルス(COVID-19)、SARS(重症急性呼吸器感染症候群)ウイルスなどのコロナウイルス、インフルエンザウイルス、食中毒菌であるノロウイルス、結核菌、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、レジオネラ菌、カンピロバクター、O-157等の各種ウイルス、菌、カビ、ダニ、花粉、微生物、細菌胞子等の汚染物質や有害物質を殺菌する。
【0070】
そして、本実施形態の殺菌には、新型コロナウイルス(COVID-19)などの上記各種、有害物質や汚染物質の低減、死滅、除去、減菌、抗菌、滅菌、消毒、衛生化、除染、消臭、防カビ、防腐、漂白、生物汚染物や病原性生物の不活性化等が含まれる。そして、本実施形態の殺菌には、被収容物に付着し、または空気中に浮遊している全ての菌やウイルス等の物質を死滅できていない場合も含まれる。
【0071】
側板25は、作業用板24の上面の左右縁に立設される。背板26は、作業用板24の上背面に立設される。仕切板27は、一対の側板25の間に適宜間隔で設置される。仕切板27は作業用板24の上面に設けられる。
図1に示す作業用板24は、4人が同時に作業できるよう3枚の仕切板27が設置されている。仕切板27は必要に応じて所要数設置されるが、必ずしも設置しなくてもよい。
【0072】
支持部22は、本体21を下方より支持する。支持部22は、作業用板24の下面より下方へ延在する支柱41と、支柱41同士を連結する連結部材42と、連結部材42から斜め上方に突出し、作業用板24を傾斜姿勢で支持する傾斜部材43を備える。
【0073】
本実施形態では、作業台100が、投票所に設置される記載台であるので、本体21は通常軽量金属素材により構成される。投票用の記載台は人が立ったままの姿勢で投票用紙に記入することから構造上背丈が比較的高く、作業用板24の高さで90cm~95cm、側板25や仕切板27の上縁高で130cm~160cm、作業用板24の奥行きは35cm~36cmの大きさなどとすることができる。また、本体21を構成する各部材は図示しないヒンジなどによって折り畳み可能に連結される。
【0074】
制御部9は、CPU、ROM、RAM等により、実現されている。制御部9には、各種検出部72、56から送信された検出結果を受信する。制御部9には、記載台100の各部の動作を制御する。制御部9は。移動部5によって殺菌部75を移動させながら、該殺菌部75によって作業部2を殺菌するための各種プログラムが記憶されている。制御部9は各種検出部からの検出結果及び必要により設置された操作部からの情報に基づき、プログラムに従って、殺菌部75により殺菌し、駆動部51、送風機7を駆動する。また、表示部74に適宜必要な表示を行う。
【0075】
そして、制御部9は、殺菌部75の紫外線照射部78を、移動部5によって移動される際に作業部2に紫外線を照射するよう制御する。制御部9は、検出部72が作業部2の周囲に人がいることを予め設定した所定時間以上検出したとき、作業部2が作業に使用されたと判断する。制御部9は、検出部72が作業部2の周囲にいる人との距離が予め設定した所定値以下となったとき、作業部2が作業に使用されたと判断してもよい。制御部9は、作業開始後、作業部2の周囲、好ましくは検出部72からの距離が所定値以内の範囲に人がいることを予め設定した所定時間以上検出しないとき、作業終了と判断する。
【0076】
制御部9は、作業終了後に移動部5を動作させるタイミング、移動部5の移動速度、紫外線照射部78のエネルギー量を制御する。制御部9は、移動部5による殺菌部75の移動速度を、殺菌対象とするウイルスや菌の種類に応じて制御することができる。制御部9は、殺菌部75によって殺菌困難な汚染物質を殺菌するときは、通常より移動部5の移動速度を遅くするよう制御する。制御部9は、殺菌部75によって容易に殺菌可能な汚染物質を殺菌するときは、移動部5の移動速度を通常より速くする。
【0077】
必要により、制御部9は、検出部72を作業台100のメンテナンスに利用するよう制御することができる。このとき、制御部9は予め設定した所定の条件を検出部72が検出したとき、メンテナンスのために記載台100の各部を動作させるよう制御する。また、内部に備えた時計によって、記載台100の駆動時間を計測し、制御してもよい。
【0078】
次に、本実施形態にかかる作業台100の動作を以下に説明する。検出部72は、常に作業台100周辺の動く物体を監視し、作業部2の周囲に人がいるかどうかを確認する。作業部2で人が作業する前は、待機状態となる。表示部74は待機状態であることを表示する。待機状態は、例えば、緑色のランプを点灯することで表示できる。
【0079】
検出部72が、作業部2の周囲に人がいることを検出すると、制御部9は、その距離を計測する。検出部72と人との距離が、予め設定した所定距離以内となったことを検出部72が検出すると、制御部9は、その時間をカウントする。
【0080】
作業開始を判断するのに必要な所定の開始時間を超えて、検出部72が所定距離以内に人がいることを検出すると、制御部9は、作業空間が使用されていると判断する。作業が終了し、作業部2に人がいなくなり、検出部72が所定距離以内に人がいることを検出しなくなるまでの間、制御部9は、人が作業中であると判断する。
【0081】
作業中の状態では、表示部74は、待機状態と同じ緑色のランプを点灯する。必要により、作業中であることを示すため待機状態とは異なる色のランプを点灯してもよい。
【0082】
作業が終了し、作業部2に人がいなくなり、検出部72が所定距離以内に人がいることを検出部72が検出しなくなると、制御部9は、その時間をカウントする。所定距離以内に人がいることを検出しない時間が、予め設定した作業終了を判断するための所定時間を超えると、制御部9は作業終了と判断し、次工程へ移行する。
【0083】
次工程では、制御部9は作業部2の殺菌を実施する。制御部9はまず殺菌部75の発光素子79を点灯する。また、制御部9は送風機89を駆動する。送風89の駆動により、筐体71内に空気が循環される。送風機89から送られる空気は、配線取付板90及び放熱板88は冷却され、通気口86から筐体71の外部に排出される。
【0084】
そして、制御部9は、表示部74に殺菌処理中であることを表示させる。殺菌処理中の状態は、例えば、橙色や青色といった待機状態とは異なる色のランプを点灯することで表示できる。
【0085】
殺菌ユニット33が枠体31の左端部の待機位置に位置するとき、遮光部材60は光学センサ59を遮光している。位置検出部56は、殺菌ユニット33が待機位置に位置することを検出する。
【0086】
そして、制御部9が駆動部51を駆動する。駆動部51の駆動によりピニオン52が回転され、案内部材55によって案内されつつラック53に沿って、殺菌ユニット33が作業板10上を右方へ移動する。殺菌ユニット33の移動部5による右方への移動により、遮光部材60は光学センサ59を遮光しなくなる。これより、制御部9は、殺菌ユニット33が待機位置に位置していないと判断する。
【0087】
殺菌部75より紫外線を照射しながら殺菌部75が移動されることで、作業部2は殺菌される。制御部9は、移動部5によって殺菌部75を作業板10の右端部分まで移動した後、移動方向Mを変更し左方へ移動させる。この殺菌ユニット33の往復移動の間、紫外線照射部78は、作業板10に紫外線を照射し続ける。殺菌ユニット33が待機位置に戻ると、位置検出部56によって検出される。
【0088】
移動部5による殺菌部75の移動速度は、殺菌対象とするウイルスや菌の種類に応じて、適切な値に設定することができる。移動速度は、殺菌部75からの出力で殺菌効果が得られるよう調整される。
【0089】
例えば、本実施形態に係る殺菌部75で作業部2に付着したインフルエンザウイルスを殺菌する場合、インフルエンザウイルスを99.9%殺菌する為には、計算上は、殺菌部75を移動部5によって往復で15秒間かけて移動させる必要がある。また、作業部2にコロナウイルスのCOVID-19が付着しており、これを99.9%殺菌する為には、計算上は、殺菌部75を移動部5によって往復で7秒間かけて移動させる必要がある。この場合、COVID-19を殺菌部75の殺菌対象とすれば、殺菌部75の移動時間は、インフルエンザウイルスより短くてすみ、これより、短時間で殺菌処理できる。
【0090】
殺菌対象とするウイルスや菌の種類に応じて、予め移動部5による殺菌部75の移動速度が設定されている。制御部9は、作業台100を管理する者の選択に基づき、必要な速度で殺菌部75を移動させ、殺菌部75により殺菌処理することができる。
【0091】
また、インフルエンザウイルスやCOVID-19に比較して、より殺菌困難なウイルスに対しては、紫外線照射時間をこれらの殺菌処理時間より長くする必要がある。そこで、移動部5による殺菌部75の移動時間を長くし、殺菌部75の移動速度を遅くすればよい。
【0092】
殺菌対象とするウイルスや菌の種類に応じて、適正に殺菌できるよう、移動部5による殺菌部75の移動速度を制御するのに替えて、またはこれに加えて、紫外線の発光素子の数を増加させたり、よりエネルギー量の大きい能力を有する発光素子に変更、また増設させてもよい。これらを適宜用いることで適切な殺菌処理を実施できる。
【0093】
発光素子79の数や能力を変更することなく、制御部9が移動部5による殺菌部75の移動速度を調整し、紫外線の照射時間を増減する場合には、製造コストの増大を抑制できる。
【0094】
作業板10上に筆記具などの作業関連物品Gが放置されている場合、殺菌ユニット33が移動部5によって移動されると、作業関連物品Gは殺菌ユニット33の右側面板82に衝突し、右方へと押され、移動される。殺菌ユニット33が収納部13の形成位置まで達すると、作業関連物品Gは収納部13へと落下し、収納部13に収納される。その後、移動部5が更に右方へ殺菌ユニット33を移動させることによって、殺菌ユニット33は、収納部13の上方を通過する。このとき、殺菌ユニット33の下部の紫外線照射部78から下方に向けて紫外線が照射される。
【0095】
収納部13内に収納された作業関連物品Gは、上方から紫外線が照射されて殺菌される。また、収納部13内に設置された反射材14によって作業関連物品Gは下方からも紫外線が照射され、殺菌される。そして、収納部13に設けられた突部15によって、収納部13の底面と作業関連物品Gとの間に空間ができ、反射材14で反射した紫外線を作業関連物品Gにより効率よく照射できる。
【0096】
殺菌工程が終了したら、殺菌ユニット33は待機位置へ戻り、表示部74は殺菌中の状態を示す発色から待機状態の緑色へ戻る。表示部74は、何等かのエラーが発生した場合に赤色に点灯される。
【0097】
以上より、本実施形態に係る作業台100は、作業空間を形成する作業部2と、作業部2を殺菌する殺菌部75と、殺菌部75を作業空間内で移動させる移動部5とを備えたので、殺菌部75を移動させながら作業空間を殺菌することができる。
【0098】
また、作業部2は、作業用の平面部11を備えたので、平面部11を適正に殺菌できる。
【0099】
そして、移動部5は、平面部11上で殺菌部75を所定方向へ移動させるので、効率よく殺菌できる。
【0100】
更に、殺菌部75は、作業部2に紫外線を照射する紫外線照射部78を備え、紫外線照射部78は、移動部5によって移動される際に作業部2に紫外線を照射するので、紫外線によって効率よく作業部2を殺菌できる。
【0101】
更に、紫外線照射部78と平面部11との距離は、0.5mm以上100mm以下とする場合には、殺菌に要する量の紫外線を容易に照射することができ、効率よく殺菌することができる。
【0102】
更に、作業部2は、作業に関連する物品を収納するための収納部13を備えたので、収納部13に作業に関連する物品を収納することができ、効率よく殺菌することができる。
【0103】
更に、収納部13に、紫外線照射部78から照射された紫外線を反射する反射材14を設置したので、反射材14によって紫外線を反射し、作業に関連する物品を殺菌できる。
【0104】
更に、作業部2の周囲に人がいるかどうかを検出する検出部72を備えたので、作業部2が作業に使用されているかどうかを判断することができる。
【0105】
更に、殺菌部75及び移動部5のうち少なくともいずれかの作動状況を表示する表示部74を備えたので、表示部74によって容易に動作状況を確認できる。
【0106】
更に、制御部9は、移動部5の移動速度を制御するので、殺菌対象となるウイルスや菌の種類等に応じて殺菌部75の殺菌能力を容易に調整可能である。
【0107】
尚、上記実施形態では、作業台100が、記載台として構成されたが、これに限定されず、病院、役所、金融機関、郵便局、配送業者やショッピングモール等の窓口やサービスカウンター等に設置される申込書、申請書、伝票等の各種書類に記入するための記入台、ワークショップの作業台が含まれる。ワークショップの作業に用いる場合、多くの場合、作業は着席して実施される。
【0108】
作業板10は、選挙の投票用紙に記載するためのものであったが、これに限定されず、各種書類や用紙へ記入するための部材、ワークショップで使用される机やテーブル、天板等であってもよい。
【0109】
作業関連物品Gとして鉛筆などの筆記具を挙げたが、これに限定されず、ペン、筆、クレヨン、色鉛筆、マーカー等他の筆記具、タッチペン等の機器、鋏、糊、定規、消しゴム、コンパス、テープ等の文房具、手芸用、工作用、園芸用、調理用、修理用、陶芸用、編み物用等各種作業用品が挙げられる。
【0110】
また、殺菌装置3は、作業板10及び殺菌機構30を備えたが、殺菌装置は、作業台に設けられた作業部を殺菌する殺菌部と、殺菌部を作業部内で移動させる移動部とを備えればよく、作業板を備えなくてもよい。
図9に殺菌部75aと移動部5aを備え、作業板を備えない殺菌装置3aを示す。作業板を備えない場合、様々な物を減菌可能である。例えば、作業を行う際に使用される机、テーブル、床、壁、台、ソファー、椅子、布団などに殺菌部を移動部によって移動させながら殺菌することができる。この場合、例えば作業部が立体形状を有していても殺菌可能である。
【0111】
また、作業板10は殺菌機構30と一体に構成されたが、作業板を殺菌機構に対し着脱できるよう構成してもよい。
【0112】
また、記載台は、作業部を移動させるための機構を備えてもよい。この場合、作業部を殺菌部に対し相対移動させることで、作業部を減菌してもよい。
【0113】
また、移動部5は殺菌ユニット33を、平板11上で左右方向に移動させたが、殺菌ユニットを前後方向に移動してもよく、回転や揺動等、他の二次元方向または三次元方向へ移動させてもよい。また、殺菌ユニット33は平板11の前後方向に長く形成されたが、左右方向に長く形成され、移動部が殺菌ユニットを前後方向に移動させてもよい。
【0114】
また、収納部13は、平面部11に凹形状に窪んで形成されたが、収納部が、平板とは異なる作業部の他の場所に設けられてもよい。また記載台は、収納部を備えなくてもよい。そして、収納部が平面部と同じ高さに設けられてもよく平面部から突出して設けられてもよい。
【0115】
殺菌部75は、紫外線照射部78により構成されたが、これに替えて、又はこれに加えてオゾン発生装置、エチレンオキサイド発生器、イオン消毒剤発生器、ガスプラズマ発生装置、気相過酸化水素発生装置、酢酸発生装置及びグルタルアルデヒド発生装置、塩素化合物発生装置等から選ばれる1つまたは2つ以上の殺菌成分を発生する機器を備えてもよい。
【0116】
殺菌成分を発生する装置を用いる場合、殺菌成分には、例えば、オゾン、エチレンオキサイド、イオン消毒剤、ガスプラズマ、過酸化水素、酢酸、グルタルアルデヒド、塩素、次亜塩素酸ソーダ、塩素化合物、ホルマリン、銀、亜鉛などの無機物、焼成Caや焼成Mgなどのアルカリ性物質、TBZ、OPP、ジフェニル等の有機物、各種アルコール剤、各種持続的アルコール剤等及びこれらから選ばれた1種又は2種以上の混合物が含まれる。
【0117】
紫外線照射部78は、複数の発光素子79を備えたが、水銀ランプやエキシマランプなどのUVランプを用いてもよい。
図10は、紫外線照射部78bにUVランプ80を用いた殺菌装置3bの断面図を示す。尚、紫外線の光源として、LEDを用いた場合、他の機構より効果的に殺菌でき、安価に製造できる。
【0118】
また、発光素子79は前後方向に長い殺菌ユニット33に一列に配置されたが、発光素子79の配列方法はこれに限定されず、複数列に配置してもよく、千鳥状に配置してもよく、所定間隔で円形に設置してもよく、殺菌される対象の形状に合わせて、立体的に設置されてもよい。また、発光素子を1つだけ設置してもよい。
【符号の説明】
【0119】
2 作業部、5 移動部、9 制御部、10 作業板、11 平面部、13 収納部、14 反射材、72 検出部、74 表示部、75 殺菌部、78 紫外線照射部、100 作業台。