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  • 特開-複合電線及び該複合電線の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080489
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】複合電線及び該複合電線の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20220523BHJP
   H01B 5/10 20060101ALI20220523BHJP
   H01B 13/32 20060101ALI20220523BHJP
   H01B 13/02 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
H01B7/00 310
H01B5/10
H01B13/32
H01B13/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191593
(22)【出願日】2020-11-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】517292929
【氏名又は名称】株式会社デルタプラス
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】安保 次雄
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真康
(72)【発明者】
【氏名】島沢 勝次
(72)【発明者】
【氏名】石田 英司
【テーマコード(参考)】
5G307
5G309
5G325
5G327
【Fターム(参考)】
5G307EA03
5G307EC03
5G307EF10
5G309KA03
5G325BC03
5G325BC05
5G327EA10
(57)【要約】
【課題】電気導電性に富み、可塑性が大きい複合電線を得る。
【解決手段】中心の芯線2の周囲に導電層3が配置され、更に導電層3の周囲には絶縁被覆層4が設けられており、外径約500mmの複合電線とされている。芯線2は例えば4本の中線2a~2dを撚り合わせて成り、各中線2a~2dは例えば48本のアラミド繊維から成る素線が撚り合わせられている。素線の直径は例えば12μmであり、芯線2の直径は約200μmである。導電層3として、12本の例えば直径80μmの銅線3aが、芯線2の周囲に螺旋状に密接して巻回され、銅線3aの周囲は緊締により円形に整形されている。更に、この銅線3aの周囲は、低融点金属であるスズ層3bにより数μmの厚さで覆われている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂繊維から成る芯線と、該芯線の外周に設けた導電層とから成る複合電線において、
前記導電層は、前記芯線に密接して沿わせた複数本の導電金属線と、該導電金属線の隣線同士を接着すると共に前記導電金属線の外表面を覆い、前記導電金属線よりも融点が低い低融点金属とから構成したことを特徴とする複合電線。
【請求項2】
前記導電金属線は前記芯線に対し、螺旋状に巻回したことを特徴とする請求項1に記載の複合電線。
【請求項3】
前記導電層は外周を円形に整形したことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合電線。
【請求項4】
前記導電金属線は銅線とし、前記低融点金属はスズとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合電線。
【請求項5】
前記導電層を合成樹脂材から成る絶縁被覆層で覆ったことを特徴とする請求項1に記載の複合電線。
【請求項6】
前記芯線は、複数の合成樹脂繊維素線を撚り合わせて中線とし、これら複数本の中線を更に撚り合わせて形成したことを特徴とする請求項1に記載の複合電線。
【請求項7】
合成樹脂繊維から成る芯線の外層に導電金属線から成る導電層を備えた複合電線において、
前記芯線の表面に複数本の前記導電金属線を密接して沿わせる巻線工程と、
前記導電金属線の外表面に前記導電金属線よりも融点の低い前記低融点金属をメッキすることにより、前記低融点金属によって前記導電金属線の隣線同士を接着して前記導電層を形成するメッキ工程とから成ることを特徴とする複合電線の製造方法。
【請求項8】
合成樹脂繊維から成る芯線の外層に導電金属線から成る導電層を備えた複合電線において、
前記芯線の表面に、周囲に前記導電金属線よりも融点の低い低融点金属をメッキした複数本の前記導電金属線を密接して沿わせる巻線工程と、
前記導電金属線を該導電金属線の融点よりも低く、かつ前記低融点金属の融点よりも高い温度で加熱し、前記導電金属線の隣線同士を前記低融点金属を溶融して接着し、前記導電層を形成する加熱工程とから成ることを特徴とする複合電線の製造方法。
【請求項9】
前記巻線工程において、前記導電金属線は前記芯線に対して螺旋状に巻回することを特徴とする請求項7又は8に記載の複合電線の製造方法。
【請求項10】
前記巻線工程の後に、前記導電金属線を緊締して円形に整形する整形工程を備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載の複合電線の製造方法。
【請求項11】
前記導電層の形成後に、前記導電層の表面に合成樹脂材から成る絶縁被覆層をコーティングする被覆工程を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の複合電線の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細径で小型の圧着接続端子に好適に使用できる複合電線及び該複合電線の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば各種の電気装置においては、使用される部品の軽量化、小型化が強く要望されている。信号配線についても、多数のセンサ等が使用されるにつれ、その本数も多くなり、配線同士を接続する電気コネクタの更なる小型化が必要となる。
【0003】
この電気コネクタの小型化には、電気コネクタに使用する接続端子の小型化、電線の細径化を実現しなくてはならない。最近では、接続径が1mm以下の接続端子も使用され始め、直径が0.5mm程度の電線が要求されている。
【0004】
そのために、電線は従来使用されていた銅線に代わって、細径化しても切断の虞れが少ない所謂繊維電線が用いられることがある。しかし、導体としての繊維電線自体は複数の素線から成り、可塑性に乏しく、ばらけ易く圧着接続端子への圧着の対応が難しい。
【0005】
特許文献1は導電性を有する炭素繊維の上層に、下地金属層、更に単層又は複数層の金属層を形成した金属被覆炭素繊維電線である。この電線も細径化を図ることができるが、製法、構造が複雑となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-216526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような技術的な背景から、簡便な構造で導電性、可塑性に富み、圧着接続端子への圧着が良好に適用できる電線が求められている。
【0008】
本発明の目的は、上述の課題を解決し、芯線は電気導電性を有していないとしても、芯線を囲んで低溶融金属により接着された導電金属線が導体としての役割を果たし、導電性、可塑性等の所定の機能を有する複合電線及び該複合電線の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る複合電線は、合成樹脂繊維から成る芯線と、該芯線の外周に設けた導電層とから成る複合電線において、前記導電層は、前記芯線に密接して沿わせた複数本の導電金属線と、該導電金属線の隣線同士を接着すると共に前記導電金属線の外表面を覆い、前記導電金属線よりも融点が低い低融点金属とから構成したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る複合電線の製造方法は、合成樹脂繊維から成る芯線の外層に導電金属線から成る導電層を備えた複合電線において、前記芯線の表面に複数本の前記導電金属線を密接して沿わせる巻線工程と、前記導電金属線の外表面に前記導電金属線よりも融点の低い前記低融点金属をメッキすることにより、前記低融点金属によって前記導電金属線の隣線同士を接着して前記導電層を形成するメッキ工程とから成ることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る複合電線の製造方法は、合成樹脂繊維から成る芯線の外層に導電金属線から成る導電層を備えた複合電線において、前記芯線の表面に、周囲に前記導電金属線よりも融点の低い低融点金属をメッキした複数本の前記導電金属線を密接して沿わせる巻線工程と、前記導電金属線を該導電金属線の融点よりも低く、かつ前記低融点金属の融点よりも高い温度で加熱し、前記導電金属線の隣線同士を前記低融点金属を溶融して接着して前記導電層を形成する加熱工程とから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る複合電線及び該複合電線の製造方法によれば、合成樹脂製の芯線の上層に、導電金属線から成る隣線同士を低溶融金属により溶着して接着した導電層を配置することにより、電気導電性に富み、可塑性が大きく、細径化が実現でき、圧着接続端子による良好な接続が可能であり、製造も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1の複合電線の断面図である。
図2】芯線に銅線を沿わせた状態の断面図である。
図3】芯線に銅線を沿わせた状態の斜視図である。
図4】実施例1の製造工程の概略図である。
図5】銅線を整形した状態の断面図である。
図6】銅線をメッキ層で覆った状態の断面図である。
図7】整形工程を経ない複合電線の断面図である。
図8】実施例2の複合電線の断面図である。
図9】芯線にメッキ付の銅線を沿わせた状態の断面図である。
図10】実施例2の製造工程の概略図である。
図11】メッキ付の銅線を整形した状態の断面図である。
図12】メッキ付の銅線を加熱しメッキを溶融した状態の断面図である。
図13】整形工程を経ない複合電線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例0015】
図1は実施例1に係る複合電線1の断面図である。芯線2の周囲に、銅線3aとスズ層3bとから成る導電層3が配置され、更に導電層3の周囲には絶縁被覆層4が設けられており、全体として柔軟性を有している。
【0016】
芯線2は例えば4本の中線2a~2dを撚り合わせて成り、各中線2a~2dは合成樹脂材、例えば48本のアラミド繊維から成る高分子素線が撚り合わせて成る。これらの素線の直径は例えば12μmであり、芯線2の直径は約200μmである。なお、上述のアラミド繊維は、軽量、高強度、高柔軟性であり、電気導電性を有しない特性を有している。
【0017】
導電層3は、融点が高い導電金属線、例えば銅線(Cu:融点1085℃)3aと、この導電金属線の隣線同士を接着すると共に前記導電金属線の外表面を覆い、導電金属線よりも融点が低い金属である低融点金属、例えばスズ(Sn:融点232℃)層3bとから構成されている。
【0018】
銅線3aは例えば直径80μmであり、12本の銅線(Cu:融点1085℃)3aが、芯線12の周囲に巻線機により螺旋状に密接して巻回されている。その周囲に低融点金属であるスズを溶融して溶着し、つまり銅線3aにメッキしてスズ層3bとして銅線3aの隣線同士が接着されている。なお、実施例において、低融点とは後述する加熱槽やメッキ槽において、低融点金属が溶融する温度を基準としている。
【0019】
絶縁被覆層4は電気絶縁性を有する軟質の合成樹脂材から形成され、導電層3の上層を覆い、厚みは例えば50μmとされており、絶縁被覆層4を含めた複合電線1の直径は約500μmである。なお、絶縁被覆層4を形成することなく、芯線2と導電層3だけの複合電線1とすることもある。
【0020】
この複合電線1の製造に際しては、図2図3に示すように、芯線2の周囲に、導電層3として直径80μmの12本の銅線3aを巻線機による巻線工程により螺旋状に密接して巻回する。芯線2においても中線2a~2dは緩く螺旋状に撚られているが、銅線3aの螺旋の角度は中線2a~2dよりも大きくされている。また、銅線3aの螺旋の向きは、中線2a~2dの螺旋の向きと異なる方向とされ、銅線3aが芯線2の隙間に喰い込まないように、これらの螺旋の方向は交叉させることが好ましい。なお、銅線3aは芯線2の長手方向に沿わせて配列してもよいが、螺旋状に巻回したほうが堅牢となる。
【0021】
このようにして、銅線3aを周囲に沿わせた芯線2を、図4に示すダイス型などの整形装置5による整形工程により、図5に示すように銅線3aを緊締して、表面を円形に整形する。
【0022】
続いて、銅線3aを巻回した芯線2を、低融点金属であるスズ(Sn)を溶融している図4に示すメッキ槽6内に繰り入れながら浸漬する。メッキ槽6内において、溶融したスズが、銅線3aの表面を数μmの厚みで覆うと共に、隣接する銅線3a間に入り込み、銅線3aの外表面にスズ層3bを形成する。このメッキ工程により、図6に示すように、銅線3a、スズ層3bによる導電層3が形成され、導電層3は芯線2の周囲を隙間なく覆うことになる。
【0023】
なお、前述のように、図6で示す状態の芯線2、導電層3を本発明の複合電線1とすることもできる。
【0024】
更に、図4に示すように、この導電層3付きの芯線2を被覆成型機7中を通過させ、この被覆工程により導電層3の周囲を合成樹脂材から成る絶縁被覆層4をコーティングして、図1に示す複合電線1が得られる。
【0025】
上述の整形工程、メッキ工程、被覆工程は同じ製造ライン上で連続して実施してもよいし、各工程の終了後に、一旦、リールで巻き取ってから、別の工程を実施してもよい。
【0026】
なお、実施例1においては、整形装置5による銅線3aの整形工程を経て、複合電線1を製造したが、この整形工程を省略し、図2に示す断面図の状態からメッキ工程、被覆工程を経て製造してもよい。この場合には、図7に示すような複合電線1が得られる。
【実施例0027】
図8は実施例2に係る複合電線11の断面図である。複合電線11の中心には、実施例1と同様な芯線12が設けられ、芯線12の周囲に整形された導電層13が配置され、更に導電層13の上層に絶縁被覆層14が設けられている。
【0028】
この複合電線11の製造に際しては、表面に数μmの厚みでメッキされたスズ層13bが施された銅線13aを使用する。図9に示すように、実施例1と同様に既設の芯線12の周囲に、巻線工程においてメッキ付の銅線13aを螺旋状に密接して巻回する。
【0029】
次に、図10に示す整形装置5による整形工程によって、図11に示すように、メッキ付の銅線13aを緊締して円形に整形する。このようにして、メッキ付の銅線13aを周囲に配した芯線12を、図19で示す加熱槽8に送り加熱する。この加熱工程での加熱槽8内の温度は、芯線12を損傷しない温度で、銅線13aの融点より低く、かつ低融点金属から成るスズ層13bを溶融する温度以上であればよい。例えば、250~300℃程度でスズ層13bは溶融して、溶融したスズ層13bは銅線13aの表面に残留すると共に、図12に示すように毛細現象により隣接する銅線13a間に入り込み、銅線13a同士を接着する。
【0030】
この加熱工程により、スズ層13bにより隣線同士が接着された銅線13aが、芯線12の周囲を隙間なく覆い、銅線13aとスズ層13bによる導電層13を形成する。なお、整形工程と加熱工程とは逆の順序であってもよい。また、実施例2においても、図13で示す状態の芯線12、導電層13を本発明の複合電線11とすることもできる。
【0031】
更に、導電層13の上層を絶縁被覆層14により覆うために、図10に示す被覆成型機7による被覆工程を経て、合成樹脂材により導電層13上に絶縁被覆層14をコーティングする。
【0032】
また、実施例2においても、整形工程を省略することもでき、この場合は図13示すような複合電線11となる。
【0033】
このように、実施例1、2で製造された複合電線1、11の導電層3、13は、スズ層3b、13bと隣線同士をスズで接着した銅線3a、13aとにより構成されているので、芯線2、12の周囲を完全に覆っている。従って、圧着接続端子への圧着のために絶縁被覆層4、14を剥離しても、芯線2、12、銅線3a、13aばらけることがない。また、銅線3a、13aによる良好な可塑性を有するので、圧着接続端子の圧着片によって良好に加締めることができる。
【0034】
なお、導電層3、13では銅線3a、13aの代りに、アルミニウム線などの導電金属線の使用も可能である。また、銅線3a、13a同士を接着した低融点金属であるスズの代りに、同様に低溶融金属である例えばスズ-亜鉛合金から成るハンダ(例えば、融点180~220℃)を用いてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1、11 複合電線
2、12 芯線
2a~2d、12a~12d 中線
3、13 導電層
3a、13a 銅線
3b、13b スズ層
4、14 絶縁被覆層
5 整形装置
6 メッキ槽
7 被覆成型機
8 加熱槽
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂繊維から成る芯線と、該芯線の周囲に設けた導電層とから成る複合電線において、
前記導電層は、複数本の導電金属線と、該導電金属線の隣線同士を接着すると共に前記導電金属線の外表面を覆前記導電金属線よりも融点が低い低融点金属とから成り、
全ての前記導電金属線は前記芯線の表面に沿って直接又は前記低融点金属を介して密接しており、
前記導電層は前記芯線の周囲を隙間なく覆っていることを特徴とする複合電線。
【請求項2】
前記導電金属線は前記芯線に対し、螺旋状に巻回したことを特徴とする請求項1に記載の複合電線。
【請求項3】
前記導電層は外周を円形に整形したことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合電線。
【請求項4】
前記導電金属線は銅線とし、前記低融点金属はスズとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合電線。
【請求項5】
前記導電層を合成樹脂材から成る絶縁被覆層で覆ったことを特徴とする請求項1に記載の複合電線。
【請求項6】
前記芯線は、複数の合成樹脂繊維素線を撚り合わせて中線とし、これら複数本の中線を更に撚り合わせて形成したことを特徴とする請求項1に記載の複合電線。
【請求項7】
合成樹脂繊維から成る芯線の周囲に導電層を設けた複合電線の製造方法において、
前記芯線の表面に複数本の導電金属線の全てを密接して沿わせる巻線工程と、
巻線した前記導電金属線を、溶融している低融点金属中に浸漬することにより、外表面に前記低融点金属をメッキし、前記低融点金属によって前記導電金属線の隣線同士を接着し、前記導電層が前記芯線の周囲を隙間なく覆うようにするメッキ工程と
から成ることを特徴とする複合電線の製造方法。
【請求項8】
合成樹脂繊維から成る芯線の周囲に導電層を設けた複合電線の製造方法において、
前記芯線の表面に、融点の低い低融点金属をメッキした複数本の導電金属線の全てを密接して沿わせる巻線工程と、
前記導電金属線を、前記導電金属線融点よりも低く、かつ前記低融点金属の融点よりも高い温度で加熱し、前記導電金属線の隣線同士を前記低融点金属を溶融して接着し、前記導電層が前記芯線の周囲を隙間なく覆うようにする加熱工程と、
から成ることを特徴とする複合電線の製造方法。
【請求項9】
前記巻線工程において、前記導電金属線は前記芯線に対して螺旋状に巻回することを特徴とする請求項7又は8に記載の複合電線の製造方法。
【請求項10】
前記巻線工程の後に、前記導電金属線を緊締して円形に整形する整形工程を備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載の複合電線の製造方法。
【請求項11】
前記導電層の形成後に、前記導電層の表面に合成樹脂材から成る絶縁被覆層をコーティングする被覆工程を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の複合電線の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る複合電線は、合成樹脂繊維から成る芯線と、該芯線の周囲に設けた導電層とから成る複合電線において、前記導電層は、複数本の導電金属線と、該導電金属線の隣線同士を接着すると共に前記導電金属線の外表面を覆前記導電金属線よりも融点が低い低融点金属とから成り、全ての前記導電金属線は前記芯線の表面に沿って直接又は前記低融点金属を介して密接しており、前記導電層は前記芯線の周囲を隙間なく覆っていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、本発明に係る複合電線の製造方法は、合成樹脂繊維から成る芯線の周囲に導電層を設けた複合電線の製造方法において、前記芯線の表面に複数本の導電金属線の全てを密接して沿わせる巻線工程と、巻線した前記導電金属線を、溶融している低融点金属中に浸漬することにより、外表面に前記低融点金属をメッキし、前記低融点金属によって前記導電金属線の隣線同士を接着し、前記導電層が前記芯線の周囲を隙間なく覆うようにするメッキ工程とから成ることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明に係る複合電線の製造方法は、合成樹脂繊維から成る芯線の周囲に導電層を設けた複合電線の製造方法において、前記芯線の表面に、融点の低い低融点金属をメッキした複数本の導電金属線の全てを密接して沿わせる巻線工程と、前記導電金属線を、前記導電金属線融点よりも低く、かつ前記低融点金属の融点よりも高い温度で加熱し、前記導電金属線の隣線同士を前記低融点金属を溶融して接着し、前記導電層が前記芯線の周囲を隙間なく覆うようにする加熱工程と、から成ることを特徴とする。