(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080530
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/165 20200101AFI20220523BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20220523BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191657
(22)【出願日】2020-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000243881
【氏名又は名称】名古屋電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田中 敦
(72)【発明者】
【氏名】仙石 大明
(72)【発明者】
【氏名】宮川 浩二
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA06
3K273QA29
3K273RA16
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA32
3K273TA41
3K273TA54
3K273TA66
3K273UA15
3K273UA17
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】発光装置の並び順に応じた点灯パターンで、容易に発光装置を点灯させることができる。
【解決手段】1周期内の点灯期間および消灯期間が規定された点灯パターンで点灯と消灯とを繰り返す複数の発光装置から装置情報を収集する情報収集部と、前記装置情報に基づいて前記発光装置の並び順を決定する並び順決定部と、前記並び順を用いて、各々の前記発光装置が前記点灯パターンの繰り返しを開始する開始時刻を算出する時刻算出部と、前記開始時刻を含む点灯情報を各々の前記発光装置に送信するとともに、各々の前記発光装置において前記点灯パターンの繰り返しを開始させる点灯制御部と、を備える、
制御装置が構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1周期内の点灯期間および消灯期間が規定された点灯パターンで点灯と消灯とを繰り返す複数の発光装置から装置情報を収集する情報収集部と、
前記装置情報に基づいて前記発光装置の並び順を決定する並び順決定部と、
前記並び順を用いて、各々の前記発光装置が前記点灯パターンの繰り返しを開始する開始時刻を算出する時刻算出部と、
前記開始時刻を含む点灯情報を各々の前記発光装置に送信するとともに、各々の前記発光装置において前記点灯パターンの繰り返しを開始させる点灯制御部と、を備える、
制御装置。
【請求項2】
前記時刻算出部は、第m-1(mは2以上の任意の自然数)群に含まれる各々の前記発光装置に前記点灯情報が送信されたのち、第m群に含まれる各々の前記発光装置を前記第m-1群と連携して点灯させる場合、前記第m群の1番目の前記発光装置の開始時刻Tm1は、次式(I)を用いて算出する、
Tm1=T11+RT+nST…(I)
T11:第1群の1番目の前記発光装置の前記開始時刻
S:前記点灯パターンに含まれる前記点灯期間および前記消灯期間の合計数
T:前記点灯期間および前記消灯期間の長さ
R:第1群から前記第m-1群までに含まれる前記発光装置の台数をSで割った場合の余り
n:0を含む任意の自然数
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御装置と前記発光装置とは無線チャンネルを用いて通信し、
前記制御装置と第m-1群に含まれる各々の前記発光装置とが通信する場合に用いる前記無線チャンネルと、前記制御装置と第m群に含まれる各々の前記発光装置とが通信する場合に用いる前記無線チャンネルと、は異なる、
請求項1または請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第m群の1番目の前記発光装置の仮設定開始時刻Tm1Pが設定されている場合、少なくとも次式(II)を満たすn(0を含まない任意の自然数)を算出し、
(Tm1P-T11)+TLg<RT+nST…(II)
TLg:1つの群に含まれる各々の前記発光装置に対して前記点灯情報を送信するために要する時間
算出したnを前記式(I)に代入することにより、前記開始時刻Tm1が算出される、
請求項2または請求項2に従属する請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
点灯期間および消灯期間が規定された点灯パターンで点灯と消灯とを繰り返す複数の発光装置の各々を制御する制御方法であって、
前記発光装置から装置情報を収集する情報収集工程と、
前記装置情報に基づいて前記発光装置の並び順を決定する並び順決定工程と、
前記並び順を用いて、各々の前記発光装置が前記点灯パターンの繰り返しを開始する開始時刻を算出する時刻算出工程と、
前記開始時刻を含む点灯情報を各々の前記発光装置に送信するとともに、各々の前記発光装置において前記点灯パターンの繰り返しを開始させる点灯制御工程と、を備える、
制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、
1周期内の点灯期間および消灯期間が規定された点灯パターンで点灯と消灯とを繰り返す複数の発光装置から装置情報を収集する情報収集部、
前記装置情報に基づいて前記発光装置の並び順を決定する並び順決定部、
前記並び順を用いて、各々の前記発光装置が前記点灯パターンの繰り返しを開始する開始時刻を算出する時刻算出部、
前記開始時刻を含む点灯情報を各々の前記発光装置に送信するとともに、各々の前記発光装置において前記点灯パターンの繰り返しを開始させる点灯制御部、
として機能させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路に沿って複数の発光装置を配置し、各々の発光装置を並び順に点灯および消灯させることによって、発光装置の点灯位置が道路に沿って移動しているように視認させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、協定世界時に同期するパルス信号を基準にして、各々の発光装置を点灯および消灯させるタイミングを設定する視線誘導標システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された視線誘導標システムでは、発光装置の点灯位置が道路に沿って移動しているように視認させるために、各々の発光装置を点灯および消灯させるタイミングを、各々の発光装置の並び順にずらして設定する必要がある。従って、並び順に応じた点灯パターンで正確に点灯させるための設定操作が非常に煩雑であった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、発光装置の並び順に応じた点灯パターンで、容易に発光装置を点灯させることが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、制御装置は、1周期内の点灯期間および消灯期間が規定された点灯パターンで点灯と消灯とを繰り返す複数の発光装置から装置情報を収集する情報収集部と、前記装置情報に基づいて前記発光装置の並び順を決定する並び順決定部と、前記並び順を用いて、各々の前記発光装置が前記点灯パターンの繰り返しを開始する開始時刻を算出する時刻算出部と、前記開始時刻を含む点灯情報を各々の前記発光装置に送信するとともに、各々の前記発光装置において前記点灯パターンの繰り返しを開始させる点灯制御部と、を備える。
【0006】
さらに、上記の目的を達成するため、制御方法は、点灯期間および消灯期間が規定された点灯パターンで点灯と消灯とを繰り返す複数の発光装置の各々を制御する制御方法であって、前記発光装置から装置情報を収集する情報収集工程と、前記装置情報に基づいて前記発光装置の並び順を決定する並び順決定工程と、前記並び順を用いて、各々の前記発光装置が前記点灯パターンの繰り返しを開始する開始時刻を算出する時刻算出工程と、前記開始時刻を含む点灯情報を各々の前記発光装置に送信するとともに、各々の前記発光装置において前記点灯パターンの繰り返しを開始させる点灯制御工程と、を備える。
【0007】
さらに、上記の目的を達成するため、制御プログラムは、コンピュータを、1周期内の点灯期間および消灯期間が規定された点灯パターンで点灯と消灯とを繰り返す複数の発光装置から装置情報を収集する情報収集部、前記装置情報に基づいて前記発光装置の並び順を決定する並び順決定部、前記並び順を用いて、各々の前記発光装置が前記点灯パターンの繰り返しを開始する開始時刻を算出する時刻算出部、前記開始時刻を含む点灯情報を各々の前記発光装置に送信するとともに、各々の前記発光装置において前記点灯パターンの繰り返しを開始させる点灯制御部、として機能させる。
【0008】
以上説明した制御装置、制御方法および制御プログラムの構成では、装置情報に基づいて発光装置の並び順が決定される。このため、発光装置の並び順に応じた点灯パターンで、容易に発光装置を点灯させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】制御装置および発光装置のブロック図である。
【
図3】点灯パターンの詳細について説明するための説明図である。
【
図4】
図4Aは、操作画面の例を示す図である。
図4Bは、設定画面の例を示す図である。
【
図6】
図6Aは、第1群に対して第2群の点灯を連携させなかった場合の説明図である。
図6Bは、第1群に対して第2群の点灯を連携させた場合の説明図である。
【
図11】点灯パターン実行処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)制御装置の構成:
(2)点灯設定処理:
(3)点灯実行処理:
(4)他の実施形態:
【0011】
(1)制御装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる制御装置10(
図2にて説明)により点灯が制御される複数の発光装置50の外観を示す説明図である。発光装置50は、円錐形状のコーンの頂部に設けられている。発光装置50は、点灯部75を備える。点灯部75は、発光体であり、本実施形態では、緑色に発光するLEDである。コーンの表面に表示された数字は、発光装置50の番号を示している。本実施形態では、コーンに表示された番号の順(例えば、番号1から番号100までの順)に、複数の発光装置50は道路に沿って並べられ、並び順に応じて、各々の発光装置50の点灯部75が点灯もしくは消灯する。道路を走行中の車両の搭乗者は、複数の発光装置50による点灯および消灯を、点灯位置が道路に沿って移動しているように視認する。
図1では、図面左側から1番目および5番目の発光装置50の点灯部75が点灯し、2~4番目および100番目の発光装置50の点灯部75は消灯している。
【0012】
図2は、本発明の一実施形態にかかる制御装置10の構成を示すブロック図である。
図2には、制御装置10に加えて、発光装置50の構成を示すブロック図も図示されている。制御装置10は、作業者が携帯可能な端末である。制御装置10は、CPU,RAM,ROM等を含む制御部20と、無線通信部31と、ユーザI/F部33と、記録媒体40と、を備える。制御部20は、点灯制御プログラム21を実行することにより、道路に沿って並べられた各々の発光装置50に対して、後述する開始時刻および点灯パターンを送信するとともに、点灯パターンでの点灯の終了を指示することもできる。点灯制御プログラム21の詳細については後述する。無線通信部31は、制御装置10が発光装置50と通信をするための無線通信回路である。制御装置10と発光装置50とは無線チャンネルを用いて通信する。ユーザI/F部33は、作業者からの入力を受け付け、また作業者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイからなる表示部やタッチパネルや各種のボタン等によって構成される入力部、スピーカー等の音声出力部を備えている。記録媒体40には、装置情報DB40aが記録されている。装置情報DB40aには、後述する情報収集部21aの機能により複数の発光装置50から収集された装置情報が含まれている。また、制御装置10は、図示しない計時回路を備えている。
【0013】
一方、発光装置50は、CPU,RAM,ROM等を含む制御部60と、無線通信部71と、GNSS受信部73と、点灯部75と、記録媒体80と、を備える。制御部60は、点灯実行プログラム61を実行することにより、後述する開始時刻および点灯パターンを用いて、点灯部75に点灯および消灯を実行させることができる。点灯実行プログラム61の詳細については後述する。無線通信部71は、制御装置10の無線通信部31と通信をするための無線通信回路である。GNSS受信部73は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置である。GNSS受信部73は、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して、発光装置50の位置を算出するための信号を出力する。制御部60は、この信号を取得して発光装置50の位置を特定する。点灯部75は、
図1にて説明したように、発光体である。記録媒体80には、点灯情報DB80aおよび発光装置ID80bが記録されている。点灯情報DB80aには、1周期内の点灯期間および消灯期間が規定された点灯パターンと、当該点灯パターンの繰り返しを開始する開始時刻と、を示す情報が含まれる。点灯情報DB80aに含まれる点灯パターンおよび開始時刻を示す情報は、当該情報を制御装置10から受信するたびに更新される。発光装置ID80bは、発光装置50を識別するための情報である。また、発光装置50は、図示しない計時回路を備えている。
【0014】
図3は、点灯パターンの詳細について説明するための説明図である。
図3には、本実施形態の説明で用いられる点灯パターンについて図示されている。
図3に図示された点灯パターンは、1台の発光装置50の点灯部75における点灯状態の推移を1周期にわたって示している。
図3においては、図面上側から下側に向けて点灯状態を示す丸を変化させることで点灯状態の推移を示している。すなわち、本実施形態にかかる点灯パターンでは、点灯、消灯、消灯、消灯と一巡したのち、再び点灯、消灯、消灯、消灯の周期を繰り返すことを示している。白丸は点灯期間を示し、黒丸は消灯期間を示している。また、
図3に示された点灯パターンには、1周期を等分した4つの期間(第1期間から第4期間)が含まれている。本実施形態では、1期間の長さは0.3秒であることから、
図3に示された点灯パターン全体の長さは、1.2秒である。発光装置50は、点灯パターンに含まれる各々の期間(
図3では、第1期間~第4期間の4つの期間)が点灯期間と消灯期間とのうちいずれであるかに応じて、点灯もしくは消灯を行う。すなわち、
図3に示された点灯パターンで発光装置50が点灯および消灯する場合、点灯パターンが開始されてから点灯状態を0.3秒継続したのち、消灯状態を0.9秒継続するパターンを繰り返す。このように、点灯パターンは、点灯パターンに含まれる期間(点灯期間および消灯期間)の合計数と、1期間(点灯期間および消灯期間)あたりの長さと、各々の期間が点灯期間と消灯期間とのうちいずれであるかと、の3つのパラメータによって規定される。本実施形態では、制御装置10において、ユーザI/F部33を介した作業者の入力により、点灯パターンを規定する3つのパラメータは任意に設定することができる(設定の詳細は、
図4Aの操作画面OPにて説明)。
【0015】
図2の説明に戻り、制御装置10の制御部20が実行する点灯制御プログラム21について説明する。制御部20は、点灯制御プログラム21を実行することにより、道路に沿って並べられた各々の発光装置50に対して、点灯パターンおよび開始時刻を設定するとともに、点灯パターンでの点灯の終了を指示することができる。点灯制御プログラム21は、情報収集部21aと、並び順決定部21bと、時刻算出部21cと、点灯制御部21dとを備えている。制御部20は、情報収集部21aとして機能することにより、複数の発光装置50から装置情報を収集する。本実施形態では、装置情報には、発光装置50の位置情報(緯度および経度)と、発光装置IDと、が含まれる。具体的には、制御部20は、情報収集部21aの機能により、無線通信部31を介して、装置情報の送信要求および制御装置10を識別するための情報である制御装置IDを示す情報を、制御装置10から複数の発光装置50に対してブロードキャスト送信する。このとき、当該情報には、制御装置10が使用可能な複数の無線チャンネルの中から検出された1つの未使用の空きチャンネルについても含まれている。当該情報を受信した各々の発光装置50は、当該空きチャンネルを用いて、制御装置IDにより特定される制御装置10に対し装置情報を送信する。そして、制御部20は、複数の発光装置50から位置情報を含む装置情報を収集する。収集した装置情報に含まれる各々の発光装置50の位置情報および発光装置IDは、装置情報DB40aに記録される。発光装置IDには、発光装置IDに示された発光装置50との通信に用いる空きチャンネルが対応付けられた状態で記録される。
【0016】
制御部20は、並び順決定部21bとして機能することにより、装置情報に基づいて発光装置50の並び順を決定する。本実施形態では、発光装置50の番号(
図1にてコーンの表面に表示された数字)と、発光装置IDと、が対応付けられた対応表が制御装置10のROMに記録されている。制御部20は、収集した発光装置IDと対応表とを参照し、発光装置50の並び順を決定する。決定された並び順は、制御装置10のRAMに記録される。
【0017】
制御部20は、時刻算出部21cとして機能することにより、決定された並び順を用いて、各々の発光装置50が点灯パターンの繰り返しを開始する開始時刻を算出する。具体的には、制御部20は、ユーザI/F部33を介した作業者の入力に応じて、並び順が1番目の発光装置50の開始時刻を決定したのち(詳細は
図4Aにて説明する)、並び順が2番目以降の発光装置50の開始時刻を、当該発光装置50より並び順が1つ前の発光装置50の開始時刻にTを加えることにより算出する。ここで、Tとは、点灯パターンの1周期を等分した4つの期間のうちの1期間あたりの長さのことである。本実施形態では、1期間あたりの長さ(=T)は0.3秒であることから、並び順が2番目の発光装置50の開始時刻は、並び順が1番目の発光装置50の開始時刻に0.3秒を足した時刻となる。同様に、例えば、並び順が50番目の発光装置50の開始時刻は、並び順が49番目の発光装置50の開始時刻に0.3秒を足した時刻となる。
【0018】
制御部20は、点灯制御部21dとして機能することにより、開始時刻を含む点灯情報を各々の発光装置50に送信するとともに、各々の発光装置50において前記点灯パターンの繰り返しを開始させる。具体的には、制御部20は、装置情報DB40aに記録された発光装置IDを参照し、各々の発光装置50について算出された開始時刻を含む点灯情報を、無線通信部31を介して各々の発光装置50に送信する。このとき、発光装置IDに対応付けられて記憶されている無線チャンネルが通信に用いられる。点灯情報は、発光装置50が点灯パターンにより点灯および消灯を実行するために用いる情報である。本実施形態では、制御装置10において任意に設定される点灯パターンについても開始時刻とともに点灯情報に含まれ、当該点灯情報が各々の発光装置50に送信される。開始時刻および点灯パターンを含む点灯情報を受信した各々の発光装置50は、点灯情報DB80aにおける開始時刻および点灯パターンを更新する。開始時刻が経過して発光装置50が点灯パターンによる点灯および消灯を開始してから、制御部20は、作業者からユーザI/F部33を介して終了の指示を受け付けた場合には、各々の発光装置50に対して、点灯パターンによる点灯および消灯を終了するよう指示する終了信号を送信することもできる。
【0019】
次に、発光装置50の制御部60が実行する点灯実行プログラム61について説明する。制御部60は、点灯実行プログラム61を実行することにより、開始時刻および点灯パターンを用いて、点灯部75に点灯および消灯を実行させることができる。点灯実行プログラム61は、点灯情報取得部61aと、点灯実行部61bと、を備えている。制御部60は、点灯情報取得部61aの機能により、無線通信部71を介して、制御装置10から送信される開始時刻および点灯パターンを含む点灯情報を取得する。取得した点灯情報は、点灯情報DB80aに記録される。また、現在時刻が開始時刻になると、制御部60は、点灯実行部61bの機能により、点灯部75による点灯パターンの実行を開始させる。本実施形態では、制御部60は、点灯部75による点灯パターンの実行を、点灯パターンの第1期間から開始させる。すなわち、
図3に示された点灯パターンが点灯部75に実行される場合には、点灯パターンの第1期間である点灯期間から実行されるということである。また、点灯パターンを終了するよう指示する終了信号を制御装置10から発光装置50が受信した際、制御部60は、点灯実行部61bの機能により、点灯パターンによる点灯部75の点灯および消灯を終了させる。
【0020】
図4Aは、制御装置10において点灯制御プログラム21が実行される際に、ユーザI/F部33に表示される操作画面OPの例を示す図である。作業者が制御装置10を操作してユーザI/F部33に操作画面OPを表示させたのち、スタートキーSKにタッチ操作がされると、テンキーNKの入力が枠F1に反映される状態となる。枠F1に入力される数値は、「発光装置の群を示す番号」を示している。本実施形態では、制御装置10の制御部20が点灯制御プログラム21を実行している間に、制御部20と一度に通信可能な発光装置50の台数の上限は、50台である。したがって、例えば、道路に沿って並べられた100台の発光装置50に対して開始時刻および点灯パターンの設定を行う場合には、100台の発光装置50を2つ以上の群に分け、当該群の数だけ当該設定を行う必要がある。操作画面OPは、道路に沿って並べられた複数の発光装置50を複数の群に分けた際に、複数の群のうちの1つの群に対して開始時刻および点灯パターンを設定するための画面である。スタートキーSKにタッチ操作がされると、まず初めに、操作画面OPを用いて第1群についての各種設定を行うことが可能になる。具体的には、スタートキーSKにタッチ操作がされると、まず初めに、枠F1に第1群を示す数値として1の入力のみが許可される。すなわち、テンキーNKのうち1とは異なる数字に入力がされると、枠F1には反映されない。当該数値は、「発光装置の群を示す番号」である。「発光装置の群を示す番号」とは、制御装置10が開始時刻および点灯パターンを設定する際の対象とする発光装置50の群の番号のことである。リセットキーRKは、タッチ操作がされると、枠F2~F5のうち現在入力の対象となっている枠より1つ手前の枠の入力をやり直すことができるキーである。
【0021】
枠F1に第1群を示す数値として1が入力されたのち、操作画面OP中の「自動」および「手動」と表示された部分へのタッチ操作が可能となる。「自動」に対してタッチ操作がされた場合、上述した情報収集部21aの機能によって、制御装置10から複数の発光装置50に対するブロードキャスト送信(送信される情報は1つの未使用の空きチャンネルを含む)が実行される。そして、制御装置10に1つの群に含む対象と決定された発光装置50の台数が枠F2に自動的に入力される。枠F2の台数は、「発光装置の群を示す番号」が示す群(
図4Aでは第1群)に含まれる「発光装置の台数」を示している。
図4Aでは、群に含まれる発光装置50の台数が50台と決定されたため、枠F2には、数値として50が入力されている。なお、制御部20は、1つの群に含む対象の発光装置50の台数を、次に説明する選抜条件1、2に基づき決定する。具体的には、収集された各々の装置情報に含まれる発光装置IDと、発光装置50の番号と発光装置IDとが対応付けられた対応表と、を参照して、装置情報を送信してきた発光装置50の番号を算出し、当該番号の中で最も小さい番号から番号が連続している発光装置50の台数を選抜する(選抜条件1)。そして、番号が連続している発光装置50の台数が上限(制御部20と一度に通信可能な発光装置50の台数の上限)の50台より多い場合には、番号の小さい方から番号が連続している順の50台の発光装置50を1つの群に含む対象と決定する(選抜条件2)。例えば、算出された番号が番号1~番号26と、番号28~50との場合には、番号1から番号26までの発光装置50が1つの群に含む対象の発光装置50と選抜される。また、選抜された番号が番号1~番号58の場合には、番号1から番号50までの発光装置50が1つの群に含む対象の発光装置50と決定されるということである。一方、「手動」に対してタッチ操作がされた場合、テンキーNKの入力が枠F2に反映される状態となる。そして、50以下の任意の数字が枠F2に入力されてから決定キーEKが入力されると、上述した情報収集部21aの機能によって、制御装置10から複数の発光装置50に対するブロードキャスト送信が実行される。そして、「自動」の場合と同様に、1つの群に含む対象の発光装置50の台数を選抜条件1、2に基づき決定する。なお、「手動」の場合、選抜条件2に用いられる上限の台数には、枠F2に入力された数字が設定される。選抜条件1,2に基づき決定された群に含まれる発光装置50の台数が、枠F2に入力した数字より少ない台数であった場合には、枠F2に入力された数字は当該台数を示す数字に自動的に修正される。このようにして、「発光装置の台数」が設定されると、上述した並び順決定部21bの機能によって、「発光装置の群を示す番号」が示す群(
図4Aでは第1群)に含まれる「発光装置の台数」分の発光装置50の並び順が決定される。
【0022】
「自動」もしくは「手動」により枠F2に「発光装置の台数」を示す数値が設定されたのち、操作画面OP中の「設定」および「非設定」と書かれた部分へのタッチ操作が可能となる。「設定」に対してタッチ操作がされた場合、テンキーNKの入力が枠F3に反映される状態となる。枠F3に入力される数値は、「開始時刻」を示している。枠F3の「開始時刻」は、「発光装置の群を示す番号」に示された群に含まれる発光装置50のうち並び順が1番目の発光装置50の開始時刻を示している。なお、枠F3に入力が可能な時刻の単位は、時、分、秒であり、例えば、
図4Aに示されているように、10時00分00秒と入力することが可能である。このように、作業者が任意の数字を枠F3に入力することによって「開始時刻」が設定される。一方、「非設定」に対してタッチ操作がされた場合、枠F3に何も入力されていない状態で「開始時刻」が設定される。
【0023】
「設定」もしくは「非設定」により枠F3に「開始時刻」が設定されてから決定キーEKが入力されたのち、テンキーNKの入力が枠F4に反映される状態となる。枠F4に入力される数値は、「点灯パターン」に含まれる期間のうちの1期間あたりの長さを示している。
図4Aでは、1期間あたりの長さは0.3秒として設定されている。枠F4に数値が入力されてから決定キーEKが入力されたのち、テンキーNKの入力が枠F5に反映される状態となる。枠F5に入力される数値は、「点灯パターン」に含まれる期間の数を示している。
図4Aでは、「点灯パターン」に含まれる期間の数として4期間が設定されている。枠F5に数値が入力されてから決定キーEKが入力されたのち、操作画面OP上には、「点灯パターン」に含まれる期間の数と同じ数の丸が縦方向に並べられた設定画面SE(
図4Bに図示)が表示される。各々の丸の内側は、点灯期間を示す白丸と消灯期間を示す黒丸とのいずれかにタッチ操作によって切り替わる。このため、作業者は、設定画面SEに表示された各々の丸にタッチ操作を行うことによって、「点灯パターン」を構成する点灯期間および消灯期間を設定する。点灯パターンを設定してから設定画面SE中の「決定」と書かれた部分にタッチ操作がされると、ユーザI/F部33の表示は、操作画面OPから
図5に示された確認画面CF1に切り替わる。なお、設定画面SE中の「修正」と書かれた部分にタッチ操作がされると、再びテンキーNKの入力が枠F4に反映される状態となる。
【0024】
図5に示された確認画面CF1は、操作画面OPを用いて設定された群の内容を確認するための画面である。各々の発光装置50の点灯パターンとして示された白丸および黒丸は、
図3での説明と同様に、点灯期間および消灯期間を示しており、図面上側から下側に向けて時間が進んでいくものとする。例えば、1番目の発光装置50の場合、点灯パターンは、点灯、消灯、消灯、消灯と一巡したのち、再び点灯、消灯、消灯、消灯の周期を繰り返す。また、各々の発光装置50において、図面上下方向における位置が同じ白丸もしくは黒丸は、同じタイミングにおける各々の発光装置50の点灯状態もしくは消灯状態を示している。例えば、1番目の発光装置50が点灯しているとき、2番目から4番目の発光装置50は消灯しているとともに、5番目の発光装置50は点灯している。
【0025】
確認画面CF1中の「決定」と書かれた部分にタッチ操作がされると、上述した時刻算出部21cの機能によって、並び順が1番目の発光装置50の開始時刻に基づいて、並び順が2番目以降の発光装置50の開始時刻が設定される。並び順が1番目の発光装置50の開始時刻は、以下のように決定される。すなわち、操作画面OP中の「開始時刻」において「設定」にタッチ操作がされた場合、枠F3に入力された数値が、並び順が1番目の発光装置50の開始時刻と決定される。一方、操作画面OP中の「非設定」にタッチ操作がされた場合、確認画面CF1中の「決定」と書かれた部分にタッチ操作がされた際の現在時刻に期間TLgを加えた時刻が、並び順が1番目の発光装置50の開始時刻と決定される。期間TLgとは、1つの群に含まれる各々の発光装置50に対して開始時刻および点灯パターン(点灯情報)を送信するために要する時間のことである。本実施形態では、期間TLgとして、50台の発光装置50の各々に対して開始時刻および点灯パターンを送信するために要する時間が設定されている。各々の発光装置50の開始時刻が設定されたのち、上述した点灯制御部21dの機能によって、第1群に含まれる各々の発光装置50について算出された開始時刻および点灯パターンを含む点灯情報が、第1群に含まれる各々の発光装置50に送信される。なお、操作画面OP中の「非設定」にタッチ操作がされた場合には、点灯情報の送信後、並び順が1番目の発光装置50の開始時刻が即時に到来することになる。点灯情報の送信後、ユーザI/F部33の表示は、確認画面CF1から操作画面OPに戻る。なお、確認画面CF1中の「修正」と書かれた部分にタッチ操作がされると、再び操作画面OPと、その上に設定画面SEが表示された状態となる。
【0026】
確認画面CF1中の「決定」と書かれた部分にタッチ操作がされて確認画面CF1から操作画面OPに戻ると、再びテンキーNKの入力が枠F1に反映される状態となる。このとき枠F1には、1もしくは2の入力のみが許可される。すなわち、テンキーNKのうち1および2とは異なる数字に入力がされると、枠F1には反映されない。そして、枠F1に2が入力されると、前回の操作画面OPにおいて設定された第1群と今回の操作画面OPにおいて設定される第2群とが連携するよう第2群は設定される。
【0027】
連携について、
図6Aおよび
図6Bを用いて説明する。
図6Aには、第1群に対して第2群を連携させなかった場合の各々の発光装置50の時系列的に変化する点灯および消灯の状態が示されている。一方、
図6Bには、第1群に対して第2群を連携させた場合の各々の発光装置50の時系列的に変化する点灯および消灯の状態が示されている。
図6Aおよび
図6Bにおいて、第1群および第2群のいずれの群もそれぞれ50台の発光装置50を含む群である。
【0028】
図6Bでは、第1群に対して第2群を連携させていることから、第2群の1番目(最初)の発光装置50は、第1群の50番目(最後)の発光装置50の次の並び順である。第2群の1番目の発光装置50は、並び順が1つ前の発光装置50(第1群の50番目の発光装置50)の点灯パターンと比べて1期間分だけ遅れたタイミングで開始される点灯パターンで点灯および消灯を行っている。このため、第1群の1~50番目の発光装置50および第2群の1~50番目の発光装置50の順に、点灯位置が各々の発光装置50を1台ずつ移動しているように視認される。このような状態が第1群と第2群とが連携している状態である。それに対して、
図6Aでは、第2群の1番目の発光装置50は、並び順が1つ前の発光装置50(第1群の50番目の発光装置50)の点灯パターンから1期間分だけ早いタイミングで開始される点灯パターンで点灯および消灯を行っている。このため、第1群の1~50番目の発光装置50までは点灯位置が一定の速度で移動しているように視認されるが、第1群の50番目の発光装置50まで移動してきた点灯位置は第2群の1番目の発光装置50には移動することなく消えたように視認される。このような状態が第1群と第2群とが連携していない状態である。
【0029】
枠F1に2が入力された場合の操作画面OPの説明に戻る。この場合の操作画面OPは、第1群と連携する第2群に含まれる発光装置50の台数および各々の発光装置50の開始時刻を設定するための画面である。以降、第2群の設定のための操作画面OPを第2群の操作画面OPと呼び、第1群の設定のための操作画面OPを第1群の操作画面OPと呼ぶ。なお、第2群の操作画面OPを用いた第2群の設定においては、第1群において設定された点灯パターン(期間の数、点灯期間および消灯期間の構成)と同様の点灯パターンが各々の発光装置50に設定されることから、枠F4および枠F5の内容は、第1群の操作画面OPにおいて設定された内容と同じ内容で固定され、新たな入力の受け付けは行われない。枠F1に2が入力されたのち、第1群の操作画面OPの場合と同様に、操作画面OP中の「自動」および「手動」と表示された部分のいずれかにタッチ操作がされると、制御装置10から複数の発光装置50に対するブロードキャスト送信(送信される情報は1つの未使用の空きチャンネルを含む)が実行される。そして、各々の発光装置50は、当該空きチャンネルを用いて、制御装置10に対し装置情報を送信する。なお、制御部20は、記録媒体40に記録された装置情報DB40aを参照し、制御装置10へ装置情報を送信した発光装置50の中に、第1群の発光装置50が含まれていないか判定する。第1群の発光装置50が含まれていた場合、装置情報を収集する対象に当該発光装置50を含まないようにする(第2群に含まれる発光装置50とはみなさない)。また、第2群の操作画面OPに入力している際に、発光装置50との通信に用いられる空きチャンネルは、第1群との通信に用いられた空きチャンネルと異なる。すなわち、本実施形態では、制御装置10と第m-1群に含まれる各々の発光装置50とが通信する場合に用いる無線チャンネルと、制御装置10と第m群に含まれる各々の発光装置50とが通信する場合に用いる無線チャンネルと、は異なる。例えば、制御装置10と第1群に含まれる各々の発光装置50とが通信する場合に用いる無線チャンネルと、制御装置10と第2群に含まれる各々の発光装置50とが通信する場合に用いる無線チャンネルと、は異なるということである。このため、制御装置10からブロードキャスト送信される際の情報に含まれる空きチャンネルは、第1群と第2群との間で異なる。このように、各々の群と制御装置10とが通信する場合に用いる無線チャンネルは、各々の群ごとに異なることから、制御装置10から送られる開始時刻や点灯パターンを示す点灯情報が誤った群に送信されることを防止できる。
【0030】
「発光装置の台数」が設定されたのち、上述した並び順決定部21bの機能によって、「発光装置の群を示す番号」が示す群に含まれる「発光装置の台数」分の発光装置50の並び順が決定される。並び順が決定されたのち、第2群の操作画面OP中の「設定」および「非設定」のうち第1群の操作画面OPの「開始時刻」においてタッチ操作された一方と同じ部分に入力がされた状態となる。すなわち、第1群の操作画面OPにおいて「設定」にタッチ操作がされていた場合には、第2群の操作画面OPにおいても「設定」が入力された状態となり、第1群の操作画面OPにおいて「非設定」にタッチ操作がされていた場合には、第2群の操作画面OPにおいても「非設定」が入力された状態となる。
【0031】
第2群の操作画面OPにおいて、「設定」に対して入力がされた場合、テンキーNKの入力が枠F3に反映される状態となる。ここで、作業者から枠F3に入力される数値は、仮設定開始時刻にあたる。ここでいう仮設定開始時刻とは、作業者が第m(mは2以上の任意の自然数、ここではm=2)群の1番目の発光装置50の点灯パターンの開始時刻として仮に設定する時刻のことである。
【0032】
一方、第2群の操作画面OPにおいて、「非設定」に対して入力がされた場合、枠F3に何も入力されていない状態で「開始時刻」が設定される。
【0033】
第2群の操作画面OPにおいて「設定」もしくは「非設定」により枠F3に「開始時刻」が設定されてから決定キーEKが入力されたのち、ユーザI/F部33の表示は、操作画面OPから
図7に示された確認画面CF2に切り替わる。確認画面CF2は、第2群の操作画面OPを用いて設定された内容を確認するための画面である。確認画面CF2には、第1群の内容から第2群の操作画面OPを用いて設定された群までの内容が表示される。なお、確認画面CF2中の「修正」と書かれた部分にタッチ操作がされると、操作画面OPに戻るとともに、テンキーNKの入力が枠F1に反映される状態となる。ここで、枠F1には、1もしくは2の入力のみが許可される。
【0034】
確認画面CF2中の「決定」と書かれた部分にタッチ操作がされると、上述した時刻算出部21cの機能によって、並び順が1番目の発光装置50の開始時刻に基づいて、並び順が2番目以降の発光装置50の開始時刻が設定される。並び順が1番目の発光装置50の開始時刻は、以下のように決定される。すなわち、第2群の操作画面OP中の「開始時刻」において「設定」に入力がされた場合、時刻算出部21cとして機能する制御部20は、第m-1(mは2以上の任意の自然数)群に含まれる各々の発光装置50に点灯情報が送信されたのち、第m群に含まれる各々の発光装置50を第m-1群と連携して点灯させる場合、第m群の1番目の発光装置の開始時刻T
m1は、次式(I)を用いて算出する。
T
m1=T
11+RT+nST…(I)
T
11:第1群の1番目の発光装置50の開始時刻
S:点灯パターンに含まれる点灯期間および消灯期間の合計数
T:点灯期間および消灯期間の長さ(秒)
R:第1群から第m-1群までに含まれる発光装置50の台数をSで割った場合の余り
n:0を含む任意の自然数
式(I)を構成するT
11、RT、nSTについてそれぞれ説明する。T
11は、上述しているとおり、第1群の1番目の発光装置50の開始時刻である。換言すれば、第1群の1番目の発光装置50は、T
11で示された時刻より点灯パターンを開始する。RTは、第1群の1番目の発光装置50の開始時刻(T
11)と比べて、第m群の1番目の発光装置50が少なくとも何期間分だけ遅れて点灯パターンを開始すべきかを示す値である。例えば、式(I)を用いて、第2群の1番目の発光装置50の開始時刻(T
21)を算出する場合、
図4Aに示されているように、第1群に含まれる発光装置50の台数が50台であり、第1群に設定された点灯パターンに含まれる期間(点灯期間および消灯期間)の合計数(=S)が4である場合には、Rの値は、50÷4(=S)=12…余り2(=R)となることから、第2群の1番目の発光装置50は、第1群の1番目の発光装置50の開始時刻と比べて少なくとも2期間分だけ遅れて点灯パターンを開始すれば、第1群に対して第2群の点灯を連携させることができる。換言すれば、少なくともT
21=T
11+RT(連携成立条件式とする)を満たせば、第1群の点灯に対して第2群の点灯を連携させることができるということである。次に、nSTについて説明する。nSTのうちSTは、点灯パターンにおける1周期の長さのことである。例えば、
図4Aの場合、点灯パターンに含まれる期間(点灯期間および消灯期間)の合計数(=S)は4であり、1期間あたりの長さ(=T)は0.3秒であるから、点灯パターンに含まれる1周期の長さ(=ST)は、1.2秒である。nSTのうちnは、上述しているとおり、0を含む任意の自然数である。よって、nSTが示す値は、点灯パターンにおける1周期の長さをn倍した値である。したがって、上述した連携成立条件式にnSTを加えた式T
21=T
11+RT+nSTにおいて、nにどのような自然数が代入されようとも、上述した連携成立条件式と同様に、第1群の点灯に対して第2群の点灯を連携させることができる。このため、式(I)を用いれば、第m-1群の点灯に対して第m群の点灯が連携するように、第m群の1番目の発光装置の開始時刻T
m1を算出することができる。
【0035】
式(I)を用いて、第2群の1番目の発光装置50の開始時刻(T
21)を算出する場合について詳細に説明する。例えば、
図4Aに示されているように、第1群に含まれる発光装置50の台数が50台であり、第1群に設定された点灯パターンに含まれる期間(点灯期間および消灯期間)の合計数(=S)が4であって、1期間(点灯期間および消灯期間)あたりの長さが0.3秒(=T)である場合には、Rの値は、50÷4(=S)=12…余り2(=R)となる。そして、第1群の1番目の発光装置50の開始時刻T
11が10時00分00秒と設定されている場合に、第2(=m)群の1番目の発光装置の開始時刻T
21は、T
21=10時00分00秒+2×0.3(秒)+n×4×0.3(秒)により算出される。そして、枠F3に入力された仮設定開始時刻より後の時刻のうち、式(I)を満たす最小の時刻が、第2群の1番目の発光装置50の開始時刻として算出される。このとき、式(I)には、RT+nSTが自然数となることが条件Aとして課されていてもよい。なお、m=2である場合(式(I)を用いて第2群の1番目の発光装置の開始時刻T
21を算出する場合)、Rの定義における第1群から第m-1群までとは、第1群から第1群までのことであるから、このときSで割られる発光装置50の台数は、第1群に含まれる発光装置50の台数である。また、m=3である場合(式(I)を用いて第3群の1番目の発光装置の開始時刻T
31を算出する場合)、第1群から第m-1群までとは、第1群から第2群までのことであるから、このときSで割られる発光装置50の台数は、第1群および第2群に含まれる発光装置50の合計の台数である。
【0036】
一方、第2群の操作画面OP中の「非設定」に入力がされた場合、確認画面CF2中の「決定」と書かれた部分にタッチ操作がされた際の現在時刻が、仮設定開始時刻に設定される。そして、仮設定開始時刻が設定されると、時刻算出部21cとして機能する制御部20は、第m群の1番目の発光装置50の仮設定開始時刻Tm1Pが設定されたとして、少なくとも次式(II)を満たすn(0を含まない任意の自然数)を算出する。
(Tm1P-T11)+TLg<RT+nST…(II)
TLg:1つの群に含まれる各々の発光装置50に対して点灯情報を送信するために要する時間
本実施形態では、式(II)を満たすnを算出する際に、RT+nSTが自然数となることを条件Aとして課す。このようにして算出したnを式(I)に代入することにより、開始時刻Tm1を算出する。本実施形態では、式(II)および条件Aを満たすnのうち最小の値が式(I)に代入される。式(II)によってnが算出される場合として、例えば、第1群の1番目の発光装置50の開始時刻T11が10時00分00秒であり、第2群の1番目の発光装置50の仮設定開始時刻T21Pが10時15分00秒であり、期間TLgが30秒である場合、式(II)にあてはめると、(10時15分00秒-10時00分00秒)+30秒<2×0.3(秒)+n×4×0.3(秒)となる。更に計算すると、n>774.5となり、このようなnのうちRT+nSTが自然数となる最小の値は777である。そして、最小の値のn(=777)を式(I)に代入すると、T21=10時00分00秒+2×0.3(秒)+n(=777)×4×0.3(秒)の計算結果として、T21=10時15分33秒が算出される。このように、式(I)、式(II)および条件Aを用いて、第2群の1番目の発光装置50の開始時刻が算出される。式(II)および条件Aを用いて算出されたnを式(I)に代入すると、T11に対して自然数で表される秒(=RT+nST)を加えた時刻(すなわちX時Y分Z秒00で表される時刻)がTm11として算出される。
【0037】
第2群の操作画面OPにおいて、各々の発光装置50の開始時刻が設定されたのち、上述した点灯制御部21dの機能によって、第1群の場合と同様に、第2群に含まれる各々の発光装置50について算出された開始時刻および点灯パターンを含む点灯情報が、第2群に含まれる各々の発光装置50に送信される。その後、ユーザI/F部33の表示は、確認画面CF2から操作画面OPに戻るとともに、再びテンキーNKの入力が枠F1に反映される状態となる。ここで、枠F1には、1もしくは3の入力のみが許可される。すなわち、テンキーNKのうち1および3とは異なる数字に入力がされると、枠F1には反映されない。そして、枠F1に3が入力されると、前回の操作画面OPにおいて設定された第2群と今回の操作画面OPにおいて設定される第3群とが連携するよう第3群は設定される。このように、「発光装置の群を示す番号」として、枠F1に自然数の2以上の値が許可されている状態で当該数値が入力された場合には、1つ前の群と連携するように開始時刻を設定することができ、枠F1に1の数値が入力された場合には、1つ前の群と連携することを考慮せずに開始時刻を設定することができる。
【0038】
操作画面OPを用いて、道路に沿って並べられた発光装置50が群に分けられるとともに各群に対して点灯パターンおよび開始時刻が設定される。上述したように、制御装置10の制御部20が点灯制御プログラム21を実行している間に、制御部20と一度に通信可能な発光装置50の台数の上限は、50台である。そのため、例えば、道路に沿って並べられた100台の発光装置50を50台ずつの2つの群(第1群および第2群)に分けて、第1群および第2群が連携するよう開始時刻を設定したい場合に、設定内容を示す信号を第1群および第2群の各々に送信する必要がある。したがって、制御装置10を携帯した作業者が第1群の周辺で第1群の設定をしたのち、第2群の周辺に移動して第2群の設定を行うことが好ましい。具体的には、第1群の周辺で操作画面OPの枠F1に1を入力して第1群の各種設定を行ったのち、第2群の周辺で操作画面OPの枠F1に2を入力して第2群の各種設定を行う必要があるということである。
【0039】
以上説明した構成によれば、装置情報に基づいて発光装置50の並び順が決定される。このため、発光装置50の並び順に応じた点灯パターンで、容易に発光装置50を点灯させることができる。
【0040】
また、上述の構成によれば、第m群に含まれる各々の発光装置50を第m-1群と連携して点灯させる場合、第m群の1番目の発光装置50の開始時刻は、式(I)を用いて算出される。このため、第m-1群と連携して点灯させるために、第m-1群のうち並び順が最後の発光装置50と、第m群のうち並び順が1番目の発光装置50と、が点灯パターンの繰り返しをそれぞれ開始するタイミングを作業者自身が調整する作業を省力化することができる。また、第m群の2番目以降の発光装置50の開始時刻は、当該発光装置50より並び順が1つ前の発光装置50の開始時刻にTを加えることにより算出される。このため、第m群の1番目の発光装置50の開始時刻が算出されれば、同群の2番目以降の発光装置50の開始時刻も算出することができる。
【0041】
また、上述の構成によれば、第m群の1番目の発光装置50の仮設定開始時刻が設定されている場合、少なくとも式(II)を満たすn(0を含まない任意の自然数)を算出し、算出したnを式(I)に代入することにより、当該発光装置50の開始時刻が算出される。このため、1つの群に含まれる各々の発光装置50に対して点灯情報を送信するための時間を要したことによって、第m-1群と第m群とが連携できなくなることを防止できる。
【0042】
(2)点灯設定処理:
次に、
図8に示すフローチャートに基づいて、制御装置10が実行する点灯設定処理を説明する。点灯設定処理は、道路に沿って並べられた発光装置50をいくつかの群に分けるとともに、各群に対して点灯パターンおよび開始時刻を設定する場合に実行される。点灯設定処理が開始されると、制御装置10の制御部20は、発光装置50の群を示す番号mの入力を受け付ける(ステップS105)。具体的には、テンキーNKの入力が操作画面OPの枠F1に反映される状態となる。次に、制御部20は、群に含まれる発光装置50の台数の入力を受け付ける(ステップS110)。具体的には、操作画面OPの「自動」もしくは「手動」を選択するためのタッチ操作あるいはテンキーNKによる入力(「手動」を選択した際の枠F2への数値入力)を受け付ける。
【0043】
次に、制御部20は、情報収集部21aとして機能することにより、装置情報の送信要求および制御装置10を識別するための情報である制御装置IDを示す情報を、制御装置10から複数の発光装置50に対してブロードキャスト送信する(ステップS115)。このとき、当該情報には、制御装置10が使用可能な複数の無線チャンネルの中から検出された1つの未使用の空きチャンネルについても含まれている。
【0044】
次に、制御部20は、情報収集部21aとして機能することにより、ブロードキャスト送信した情報を受信した各々の発光装置50から、各々の発光装置50を示す位置情報を含む装置情報を収集する(ステップS120)。収集した装置情報は、記録媒体40に記録される。発光装置IDには、発光装置IDに示された発光装置50との通信に用いる空きチャンネルが対応付けられた状態で記録される。なお、このとき装置情報を収集する発光装置50の台数は、
図5Aの操作画面中の「自動」および「手動」のいずれにタッチ操作がされたかに応じて決定される。
【0045】
次に、制御部20は、通信が確立されたか否か判定する(ステップS125)。具体的には、制御部20は、ステップS115にてブロードキャスト送信(空きチャンネルの情報を含む)を行ったのち、当該空きチャンネルを用いて発光装置50から装置情報の返信があったか否かに基づいて、通信が確立されたか否か判定する。通信が確立されていない場合(ステップS125:NO)、制御部20は、再度ステップS115の処理を実行する。このとき、
図4Aの操作画面OP上には通信の確立がされていないことを示す情報が表示されるとともに、装置情報の収集を再実行するか否かを選択させる選択画面が表示されてもよい。一方、通信が確立されている場合(ステップS125:YES)、操作画面OPの枠F2には、群に含まれる発光装置50の台数が入力される。
【0046】
通信が確立された場合(ステップS125:YES)、制御部20は、並び順決定部21bとして機能することにより、収集した装置情報に基づいて発光装置50の並び順を決定する。(ステップS130)。当該並び順は、制御装置10のRAMに記録される。
【0047】
発光装置50の並び順が決定されたのち(ステップS130)、制御部20は、時刻算出部21cとして機能することにより、時刻算出処理を行うことによって、第m(ステップS105にて入力された番号m)群に含まれる各々の発光装置50の開始時刻を設定する(ステップS140)。ステップS140の時刻算出処理の詳細は、
図9を用いて説明する。
【0048】
次に、制御部20は、点灯制御部21dとして機能することにより、開始時刻を含む点灯情報を各々の発光装置50に送信する(ステップS150)。具体的には、制御部20は、装置情報DB40aに記録された発光装置IDを参照し、各々の発光装置50について算出された開始時刻を含む点灯情報を、無線通信部31を介して各々の発光装置50に送信する。本実施形態では、点灯情報には、開始時刻に加えて点灯パターンも含まれている。点灯情報を送信したのち(ステップS150)、制御部20は、点灯設定処理を終了する。
【0049】
図9に示すフローチャートを用いて、ステップS140の時刻算出処理について詳細に説明する。ステップS140の時刻算出処理には、以下に説明するステップS141~S149が含まれる。時刻算出処理を実行している間、制御部20は、時刻算出部21cとして機能する。時刻算出処理において、まず初めに、制御部20は、第m群が連携する群であるか否か判定する(ステップS141)。具体的には、制御部20は、ステップS105において操作画面OPの枠F1に入力された番号mを参照し、番号mが1である場合には、連携しない群であると判定し、番号mが2以上である場合には、連携する群であると判定する。連携する群とは、1つ前の群と連携する群のことであり、番号mが2の場合、第2群は第1群と連携するということである。
【0050】
連携しない群であると判定された場合(ステップS141:NO)、制御部20は、開始時刻(第1群の1番目の発光装置50の開始時刻)および点灯パターンについての入力を受け付ける(ステップS142)。具体的には、第1群の操作画面OPのうち枠F3に入力するためのタッチ操作(「設定」か「非設定」の選択)あるいはテンキーNKによる入力(「設定」を選択した際の枠F3への数値入力)を受け付ける。また、第1群の操作画面OPのうち枠F4および枠F5へのテンキーNKによる入力や設定画面SEへのタッチ操作を受け付ける。
【0051】
次に、制御部20は、確認画面をユーザI/F部33に表示させる(ステップS143)。確認画面として表示される画面の内容は、第1群の設定内容について示した画面(
図5の確認画面CF1)である。確認画面中の「決定」と書かれた部分にタッチ操作がされると、制御部20は、次のステップS144を実行する。
【0052】
制御部20は、第1群に含まれる各々の発光装置50の開始時刻を設定する(ステップS144)。具体的には、第1群の操作画面OP中の「開始時刻」において「設定」にタッチ操作がされた場合、制御部20は、枠F3に入力された数値を、並び順が1番目の発光装置50の開始時刻と設定した上で、並び順が2番目以降の発光装置50の開始時刻を設定する。一方、第1群の操作画面OP中の「非設定」にタッチ操作がされた場合、制御部20は、確認画面中の「決定」と書かれた部分にタッチ操作がされた際の現在時刻に期間TLgを加えた時刻を、並び順が1番目の発光装置50の開始時刻と決定した上で、並び順が2番目以降の発光装置50の開始時刻を設定する。並び順が2番目以降の発光装置50の開始時刻は、当該発光装置50より並び順が1つ前の発光装置50の開始時刻にTを加えることにより算出される。その後、制御部20は、時刻算出処理を終了したのち、
図8のステップS150以降の処理を実行する。
【0053】
一方、連携する群であると判定された場合(ステップS141:YES)、制御部20は、仮設定開始時刻についての入力を受け付ける(ステップS145)。具体的には、第m(m≧2)群の操作画面OP中の「設定」および「非設定」のうち第m-1群の操作画面OPの「開始時刻」においてタッチ操作された一方と同じ部分に入力がされた状態となる。そして、当該部分が「設定」の場合は、枠F3に仮設定開始時刻を入力するためのテンキーNKの入力を受け付ける。一方、当該部分が「非設定」の場合は、枠F3には何も入力されない状態となる。
【0054】
次に、制御部20は、確認画面をユーザI/F部33に表示させる(ステップS146)。確認画面として表示される画面の内容は、第1群から第m群までの設定内容について示した画面(例えば、
図7の確認画面CF2)である。確認画面中の「決定」と書かれた部分にタッチ操作がされると、制御部20は、次のステップS147を実行する。
【0055】
制御部20は、各種情報を取得する(ステップS147)。ここでいう各種情報には、第1群から第m-1群までに含まれる発光装置50の台数と、第1群の1番目の発光装置50の開始時刻と、第m-1群の点灯に用いられる点灯パターンと、が含まれる。取得した各種情報を用いて、制御部20は、第1群から第m-1群までに含まれる発光装置50の台数を、点灯パターンに含まれる点灯期間および消灯期間の合計数Sで割った場合の余りRを算出する(ステップS148)。例えば、当該台数が50台であり、合計数Sが4である場合には、Rの値は、50÷4(=S)=12…余り2(=R)となる。
【0056】
次に、第m群に含まれる各々の発光装置50の開始時刻を設定する(ステップS149)。具体的には、制御部20は、第m群の操作画面OP中の「開始時刻」において「設定」に入力がされた場合、制御部20は、まず初めに、枠F3に入力された仮設定開始時刻より後の時刻のうち、式(I)を満たす最小の時刻を、第m群の1番目の発光装置50の開始時刻として算出する。そして、並び順が2番目以降の発光装置50の開始時刻は、当該発光装置50より並び順が1つ前の発光装置50の開始時刻にTを加えることにより算出される。一方、第m群の操作画面OP中の「開始時刻」において「非設定」に入力がされた場合、制御部20は、まず初めに、確認画面中の「決定」と書かれた部分にタッチ操作がされた際の現在時刻を、仮設定開始時刻に設定する。次に、式(II)および条件Aを満たすnを算出し、算出したnのうち最小の値を式(I)に代入することにより、第m群の1番目の発光装置50の開始時刻を算出する。そして、並び順が2番目以降の発光装置50の開始時刻は、当該発光装置50より並び順が1つ前の発光装置50の開始時刻にTを加えることにより算出される。その後、制御部20は、時刻算出処理を終了したのち、
図8のステップS150以降の処理を実行する。
【0057】
(3)点灯実行処理:
次に、
図10に示すフローチャートに基づいて、発光装置50が実行する点灯実行処理を説明する。点灯実行処理は、開始時刻および点灯パターンを用いて、発光装置50が点灯部75を点灯および消灯させる場合に実行される。点灯実行処理が開始されると、発光装置50の制御部60は、GNSS受信部73にGlobal Navigation Satellite Systemの信号を受信させたのち(ステップS205)、当該出力する信号に基づいて、発光装置50の位置を示す位置情報を取得する(ステップS210)。
【0058】
次に、制御部60は、制御装置10からブロードキャスト送信された装置情報の送信要求を受信したか否か判定する(ステップS215)。当該送信要求を受信した場合(ステップS215:YES)、制御部60は、ブロードキャスト送信された情報に含まれる1つの空きチャンネルを用いて、発光装置50の位置情報および発光装置IDが含まれる装置情報を制御装置10に対して送信する(ステップS220)。
【0059】
次に、制御部60は、点灯情報取得部61aとして機能することにより、無線通信部71を介して、制御装置10から送信される開始時刻および点灯パターンを含む点灯情報を受信したか否か判定する(ステップS225)。点灯情報を受信したと判定された場合(ステップS225:YES)、制御部60は、取得した点灯情報を点灯情報DB80aに記録する。
【0060】
次に、制御部60は、点灯実行部61bとして機能することにより、点灯パターン実行処理を行うことによって、点灯パターンに応じて点灯部75に点灯および消灯を実行させる(ステップS230)。ステップS230の点灯パターン実行処理の詳細は、
図11を用いて説明する。点灯パターン実行処理(S230)を実行したのち、制御部60は、点灯実行処理を終了する。
【0061】
図11に示すフローチャートを用いて、ステップS230の点灯パターン実行処理について詳細に説明する。ステップS230の時刻算出処理には、以下に説明するステップS231~S237が含まれる。点灯パターン実行処理を実行している間、制御部60は、点灯実行部61bとして機能する。点灯パターン実行処理が実行されると、まず初めに、発光装置50の制御部60は、開始時刻および点灯パターンの読み込みを行う(ステップS231)具体的には、制御部60は、記録媒体80に記録された点灯情報DB80aを参照し、開始時刻および点灯パターンを読み込む。
【0062】
次に、制御部60は、現在時刻が開始時刻であるか否か判定する(ステップS232)。具体的には、制御部60は、発光装置50が備える図示しない計時回路を参照し、現在時刻が開始時刻であるか否か判定する。そして、現在時刻が開始時刻である場合(ステップS232:YES)、制御部60は、点灯パターンの繰り返しを開始するとともに、現在時刻が点灯期間にあたるか否か判定する(ステップS233)。具体的には、制御部60は、計時回路を参照して現在時刻が開始時刻からどれだけ経過した時刻であるかを算出するとともに、点灯パターンを参照して現在時刻が点灯期間にあたるか消灯期間にあたるかを判定する。そして、現在時刻が点灯期間にあたる場合(ステップS233:YES)には、制御部60は、点灯部75を点灯させ(ステップS234)、現在時刻が消灯期間にあたる場合(ステップS233:NO)には、制御部60は、点灯部75を消灯させる(ステップS235)。点灯部75が点灯している状態でステップS234を実行する場合には、点灯している状態を継続させ、点灯部75が消灯している状態でステップS235を実行する場合には、消灯している状態を継続させる。
【0063】
点灯部75を点灯もしくは消灯させたのち(ステップS234もしくはS235)、制御部60は、点灯パターンを終了するよう指示する終了信号を制御装置10から受信したか否か判定する(ステップS236)。終了信号を受信していない場合(ステップS236:NO)、制御部60は、再度ステップS243以降の処理を実行する。一方、終了信号を受信した場合(ステップS246:YES)、制御部60は、点灯部75を消灯させて(ステップS247)、点灯パターン実行処理(S240)を終了したのち、
図10の点灯実行処理も終了する。
【0064】
(4)他の実施形態:
情報収集部は、1周期内の点灯期間および消灯期間が規定された点灯パターンで点灯と消灯とを繰り返す複数の発光装置から装置情報を収集することができればよい。上述した実施形態では、点灯パターンは、1期間の長さが0.3秒である4つの期間を含み、0.3秒継続する点灯期間、0.9秒継続する消灯期間の順に点灯部を点灯および消灯させるパターンであったが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、1期間の長さは0.3秒と異なる長さであってもよいし、点灯パターンに含まれる期間の合計数も4と異なる数であってもよい。また、点灯パターンは、同じ長さの点灯期間と消灯期間とが交互に繰り返されるパターンであってもよいし、点灯パターンのうち点灯期間が占める割合は消灯期間が占める割合より高くてもよい。
【0065】
点灯パターンは、操作画面OPの枠F4および枠F5および設定画面SEによって設定されていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、ナンバリングされた既定の10種類の点灯パターンが制御装置10および発光装置50の各々に予め記憶されており、操作画面OPにおいて当該既定の点灯パターンの番号を指定することによって点灯パターンが設定されてもよい。
【0066】
並び順決定部は、装置情報に基づいて発光装置の並び順を決定することができればよい。上述した実施形態では、発光装置50の番号(
図1にてコーンの表面に表示された数字)と、発光装置IDと、が対応付けられた対応表を参照して、発光装置50の並び順を決定していたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、制御装置10が道路の形状を特定するためのデータを含む地図情報を有している場合には、各々の発光装置50の位置から発光装置50が並べられた道路を特定し、当該道路の形状から各々の発光装置50の並び順を決定してもよい。また、並び順は、道路に沿って並べられた各々の発光装置50について、隣接する他の発光装置50を特定することによって決定されてもよい。隣接する他の発光装置50とは、並べられた発光装置50のうち端の位置に配置された発光装置50にとっては、当該発光装置50から最も近い位置にある他の発光装置50のことであり、並べられた発光装置50のうち端とは異なる位置に配置された発光装置50にとっては、当該発光装置50から最も近い位置にある他の発光装置50と、2番目に近い位置にある他の発光装置50と、のことである。各々の発光装置50について隣接する他の発光装置50を特定したのち、端の位置に配置された発光装置50を起点として、隣接している順に発光装置50に番号付けを行うことによって並び順を決定することができる。このとき、端の位置に配置された2つの発光装置50のうち起点となる発光装置50は、ユーザI/F部33を介して作業者から指定されてもよいし、制御装置10から近い位置にある方の発光装置50であってもよい。
【0067】
時刻算出部は、並び順を用いて、各々の発光装置が点灯パターンの繰り返しを開始する開始時刻を算出することができればよい。本実施形態では、第m群のうち1番目の発光装置50の仮設定開始時刻Tm1Pが設定されている場合、式(II)および条件Aを満たすnのうち最小の値が式(I)に代入されていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、算出したnのうち最小ではない値が式(I)に代入されてもよい。また、式(I)に代入するnを算出する際に、条件Aを課さず式(II)のみを用いて算出してもよい。このような場合、第1群の1番目の発光装置50の開始時刻T11が10時00分00秒であり、第2群の1番目の発光装置50の仮設定開始時刻T21Pが10時15分00秒であり、期間TLgが30秒である場合、式(II)にあてはめると、n>774.5となり、このようなn(0を含む任意の自然数)のうち最小の値は775となる。そして、最小の値のn(=775)を式(I)に代入すると、T21=10時00分00秒+2×0.3(秒)+n(=775)×4×0.3(秒)の計算結果として、T21=10時15分30秒6が算出される。条件Aを課さず式(II)のみを用いて算出されたnを式(I)に代入すると、T11に対してRT+nST(秒)を加えた時刻(必ずしもX時Y分Z秒00とは限らない時刻)がTm1として算出される。
【0068】
上述した実施形態では、式(I)および式(II)として、
Tm1=T11+RT+nST…(I)
(Tm1P-T11)+TLg<RT+nST…(II)
を用いていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、式(II)の代わりに次式(IV)を用いて算出されるnを式(III)に代入することによって、Tm1を算出してもよい。
Tm1=Tm-11+RT+nST…(III)
(Tm1P-Tm-11)+TLg<RT+nST…(IV)
すなわち、式(II)では、第m群の1番目の発光装置50の仮設定開始時刻Tm1Pと、第1群の1番目の発光装置50の開始時刻T11と、の差を用いてnを算出していたが、式(IV)のように、第m群の1番目の発光装置50の仮設定開始時刻Tm1Pと、第m-1群の1番目の発光装置50の開始時刻Tm-11と、の差を用いてnを算出してもよいということである。式(IV)を用いる際には、条件Aまたは条件B(nSTが自然数となること)を課してもよい。また、条件Bは、式(IV)だけではなく、式(I)、式(II)、式(III)に課してもよい。ただし、式(III)および式(IV)を用いる場合のRは、第m-1群に含まれる発光装置50の台数をSで割った場合の余りとなる。
【0069】
上述の実施形態では、第2群の操作画面OPにおいて「設定」に対して入力がされた場合には、式(I)のみを用いて第2群の1番目の開始時刻が算出され、「非設定」に対して入力がされた場合には、式(I)および式(II)を用いて第2群の1番目の開始時刻が算出されていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、「設定」に対して入力がされた場合にも、式(I)および式(II)を用いて第2群の1番目の開始時刻が算出されてもよい。
【0070】
上述の実施形態では、操作画面OPにおいて、「自動」へタッチ操作がされたのち、もしくは、「手動」へのタッチ操作およびテンキーNKによる枠F2への入力がされて決定キーEKが入力されたのち、ブロードキャスト送信が実行されていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、「自動」へタッチ操作がされてから、もしくは、「手動」へのタッチ操作およびテンキーNKによる枠F2への入力がされて決定キーEKが入力されてから、設定画面SE中の「決定」と書かれた部分にタッチ操作がされた際に、ブロードキャスト送信が実行されて、枠F2に入力される値が決定されてもよい。
【0071】
上述した実施形態では、並び順が2番目以降の発光装置50の開始時刻は、当該発光装置50より並び順が1つ前の発光装置50の開始時刻にTを加えることにより算出されていたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、同じ群に含まれる2番目以降のすべての発光装置50の開始時刻は、同じ群の1番目の発光装置50の開始時刻と同じ時刻が設定されてもよい。このような場合、制御装置10から各々の発光装置50に対して送信される点灯情報には、開始時刻となった際に各々の発光装置50が点灯パターンに含まれる期間のうちいずれの期間から点灯パターンを開始すべきかを示す開始期間情報が含まれる。例えば、点灯パターンが
図3に図示されたように設定されている場合、同じ群の1番目の発光装置50には、開始時刻となった際に開始期間として第1期間(点灯期間)から点灯パターンを開始することを示した開始期間情報を含んだ点灯情報が送信される(
図6Bの第1群の1番目を参照)。また、同じ群の2番目の発光装置50には、開始時刻となった際に開始期間として第4期間(消灯期間)から点灯パターンを開始することを示した開始期間情報を含んだ点灯情報が送信される(
図6Bの第1群の2番目を参照)。また、同じ群の3(4)番目の発光装置50には、開始時刻となった際に開始期間として第3(2)期間(消灯期間)から点灯パターンを開始することを示した開始期間情報を含んだ点灯情報が送信される(
図6Bの第1群の3(4)番目を参照)。すなわち、並び順が1番目の発光装置50の開始期間情報に示される開始期間には、点灯パターンに含まれる期間のうち1つ目の期間が割り当てられ、並び順が2番目以降の発光装置50の開始期間情報に示される開始期間には、当該発光装置50より並び順が1つ前の発光装置50の開始期間として示された期間よりも1つ前の期間が開始期間として割り当てられるということである。このような開始期間情報を含んだ点灯情報を受信した1つの群内に含まれる各々の発光装置50は、互いに同じ時刻を開始時刻として点灯部75による点灯パターンの実行を開始させる。そして、各々が受信した開始期間情報に示された開始期間が異なることから、各々の発光装置50は、並び順が1つ前の発光装置50の点灯パターンと比べて1期間分だけ遅れたタイミングで点灯パターンを実行することができる(
図6Bの第1群を参照)。
【0072】
さらに、本発明のように、装置情報に基づいて発光装置の並び順を決定する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0073】
10…制御装置、20…制御部、21…点灯制御プログラム、21a…情報収集部、21b…並び順決定部、21c…時刻算出部、21d…点灯制御部、31…無線通信部、33…ユーザI/F部、50…発光装置、60…制御部、61…点灯実行プログラム、61a…点灯情報取得部、61b…点灯実行部、71…無線通信部、73…GNSS受信部、75…点灯部、80…記録媒体、80a…点灯情報DB、80b…発光装置ID