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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080547
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】パウチ容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/14 20060101AFI20220523BHJP
   B65D 33/38 20060101ALI20220523BHJP
   B65D 75/56 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
B65D33/14 Z
B65D33/38
B65D75/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191679
(22)【出願日】2020-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 忠
【テーマコード(参考)】
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E064AA03
3E064BA17
3E064BA27
3E064BA36
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064EA30
3E064FA01
3E064FA03
3E064HL02
3E064HL03
3E064HL05
3E064HL09
3E064HM02
3E064HP01
3E064HP02
3E064HS04
3E064HU02
3E067AA03
3E067AA04
3E067AB01
3E067AB26
3E067AB81
3E067AB83
3E067AC01
3E067BA12A
3E067BB12A
3E067BB14A
3E067BB15A
3E067BB18A
3E067BB25A
3E067BC07A
3E067CA04
3E067CA07
3E067CA16
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB27
3E067EE02
3E067EE15
3E067EE59
3E067FA01
3E067FB07
3E067FC01
3E067GA01
3E067GD07
(57)【要約】
【課題】端部のある吊り下げ部材のみならず、端部のないループ状の吊り下げ部材にも吊り下げ可能なパウチ容器を提供する。
【解決手段】パウチ容器100は、シートが接合されることにより、内容物が収容可能に形成された袋状の収容部30と、収容部30に収容された内容物を取り出し可能にする取出口40とを備える。収容部30のうちのシートが接合された部分である接合部10には、孔部50および脆弱部60が設けられる。脆弱部60は、当該脆弱部60において接合部10が破断されることにより、接合部10の一部に舌状部70が形成されるように構成される。舌状部70は、脆弱部60の破断後の状態において収容部30が折り曲げられることにより、孔部50と対向する位置に配置可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが接合されることにより、内容物が収容可能に形成された袋状の収容部と、
前記収容部に収容された内容物を取り出し可能にする取出口とを備え、
前記収容部のうちの前記シートが接合された部分である接合部には、孔部および脆弱部が設けられ、
前記脆弱部は、当該脆弱部において前記接合部が破断されることにより、前記接合部の一部に舌状部が形成されるように構成され、
前記舌状部は、前記脆弱部の破断後の状態において前記収容部が折り曲げられることにより、前記孔部と対向する位置に配置可能である、パウチ容器。
【請求項2】
シートが接合されることにより、内容物が収容可能に形成された袋状の収容部と、
前記収容部に収容された内容物を取り出し可能にする取出口とを備え、
前記収容部のうちの前記シートが接合された部分である接合部には、孔部および舌状部が設けられ、
前記舌状部は、前記収容部が折り曲げられることにより、前記孔部と対向する位置に配置可能である、パウチ容器。
【請求項3】
前記収容部を折り曲げるべき位置を示す目印が、前記収容部に設けられている、請求項1または請求項2に記載のパウチ容器。
【請求項4】
前記舌状部のうちの前記孔部に対向配置される部分に括れ部が設けられている、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のパウチ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パウチ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吊り下げて使用することができるように、吊り下げ用のフックを差し込み可能な孔部が設けられたパウチ容器が知られている。
【0003】
特開2006-56588号公報(特許文献1)は、風呂場などで吊下げて、一定量の流体(シャンプー等)を流出させることができるパウチを開示している。
【0004】
特許第4082113号公報(特許文献2)は、吊り下げ孔を使用してパウチを吊り下げることにより最後まで内容物を使用できるパウチを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-56588号公報
【特許文献2】特許第4082113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特開2006-56588号公報または特許第4082113号公報に開示されるパウチ容器を吊り下げるためには、吊り下げ部材はフックのような端部のあるU字状でなければならず、パウチ容器の吊り下げには制約があった。
【0007】
本開示は、係る実情に鑑みてなされたものであり、端部のある吊り下げ部材のみならず、端部のないループ状の吊り下げ部材にも吊り下げ可能なパウチ容器を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施の形態に従うパウチ容器は、シートが接合されることにより、内容物が収容可能に形成された袋状の収容部と、収容部に収容された内容物を取り出し可能にする取出口とを備える。収容部のうちのシートが接合された部分である接合部には、孔部および脆弱部が設けられる。脆弱部は、当該脆弱部において接合部が破断されることにより、接合部の一部に舌状部が形成されるように構成される。舌状部は、脆弱部の破断後の状態において収容部が折り曲げられることにより、孔部と対向する位置に配置可能である。
【0009】
他の実施の形態に従うパウチ容器は、シートが接合されることにより、内容物が収容可能に形成された袋状の収容部と、収容部に収容された内容物を取り出し可能にする取出口とを備える。収容部のうちのシートが接合された部分である接合部には、孔部および舌状部が設けられる。舌状部は、収容部が折り曲げられることにより、孔部と対向する位置に配置可能である。
【0010】
好ましくは、収容部を折り曲げるべき位置を示す目印が、収容部に設けられている。
【0011】
好ましくは、舌状部のうちの孔部に対向配置される部分に括れ部が設けられている。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、端部のある吊り下げ部材のみならず、端部のないループ状の吊り下げ部材にもパウチ容器を吊り下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1におけるパウチ容器の正面図である。
図2】実施の形態1におけるパウチ容器の図1中に示すII-II線に沿った一部破断断面図である。
図3】吊り下げ方法のうちの第1ステップおよび第2ステップを示す図である。
図4】吊り下げ方法のうちの第3ステップを示す図である。
図5】吊り下げが完了した状態を示す図である。
図6】パウチ容器をベルトループに吊り下げた状態を示す図である。
図7】実施の形態2におけるパウチ容器を示す図である。
図8】実施の形態2におけるパウチ容器の変形例を示す図である。
図9】実施の形態3におけるパウチ容器を示す図である。
図10】タオルハンガーへのパウチ容器の吊り下げ方法を説明するための図である。
図11】実施の形態3におけるパウチ容器の変形例を示す図である。
図12】実施の形態4におけるパウチ容器を示す図である。
図13】実施の形態5におけるパウチ容器を示す図である。
図14】実施の形態6におけるパウチ容器を示す図である。
図15】実施の形態7におけるパウチ容器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、各実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下で説明される実施の形態および変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0015】
[実施の形態1]
図1および図2を参照して、実施の形態1におけるパウチ容器について説明する。図1は、実施の形態1におけるパウチ容器の正面図である。図2は、実施の形態1におけるパウチ容器の図1中に示すII-II線に沿った一部破断断面図である。
【0016】
パウチ容器100は、収容部30と取出口40とを備える。以下の説明において、取出口40の側を「天側」と表現し、天側とは反対側を「底側」と表現する。また、図中における左側を「左側」または「左サイド」と表現し、図中における右側を「右側」または「右サイド」と表現する。
【0017】
収容部30は、シートが接合されることによって袋状に形成されており、内容物を収容可能である。一例として、収容部30は、パウチ容器100の正面となるおもて面シート1の周縁とパウチ容器100の背面となるうら面シート2の周縁とが接合されて袋状に形成されている。接合の形態は、例えば、各シートに設けられたシーラント層をヒートシールすることである。
【0018】
おもて面シート1およびうら面シート2は、表層、バリア層、補強層及びシーラント層がこの順に積層されることによって構成されている。表層は、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる。バリア層は、アルミニウム箔からなる。補強層は、二軸延伸ナイロンフィルムからなる。シーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなる。
【0019】
ここで、アルミニウム箔は、保形性を有しているため、後述する折り曲げ予定部80で折り曲げやすく、折り曲げ状態を維持しやすい。また、二軸延伸ナイロンフィルムは、強度を有しているため、後述するように舌状部70をストラップに差し込んだ状態(図4および図5参照)において負荷に耐えることができる。そのため、おもて面シート1およびうら面シート2は、これらアルミニウム箔および二軸延伸ナイロンフィルムを含んでいることが好ましい。しかしながら、各層はこれに限らず、各層には医薬品用、日用品用、飲料用、食品用等のパウチに使用される各種フィルムや樹脂を採用することができ、バリア層や補強層は省略されてもよい。
【0020】
また、収容部30は、1枚のシートの左右方向の両端部が接合されるとともに、当該シートの底側部分が接合されることにより、袋状に形成されてもよい。
【0021】
収容部30は、接合部10と収容室規定部20とを含む。接合部10は、シートが接合された部分である。収容室規定部20は、内容物が収容される収容空間に面する部分である。内容物は取出口40から小出しできるものであればよく、固形でも流体でもよい。
【0022】
取出口40は、収容部30に収容された内容物の取り出しを可能にする。取出口40は、収容部30を構成するシートとは別部材で構成されてもよいし、当該シートの一部で構成されてもよい。取出口40が収容部30を構成するシートとは別の部材で構成される場合には、取出口40として、ねじ込み式のキャップによって覆われるスパウトタイプ、剥離と再貼着とが可能なシールによって覆われるスパウトタイプ、ポンプタイプ、スプレーヘッドタイプ、内容物を塗布可能なスポンジタイプ、ローラータイプ等を採用することができる。また、取出口40が収容部30を構成するシートの一部で構成される場合には、内容物が収容される収容空間に面するシートの外面側から圧がかかっていない状態ではシートが密着して内容物の取り出しができないのに対し、そのシートの外面側から圧がかかった状態では内容物の押出し圧によってシートの密着が解消されて内容物の取り出しができるようなもの等を採用することができる。
【0023】
接合部10には、孔部50および脆弱部60が設けられる。孔部50には、パウチ容器100が吊り下げられる吊り下げ部材の一部が差し込まれる。
【0024】
孔部50は、シートの一部を切り欠いた抜き孔でもよいし、C字状に切り込みを入れたカット孔でもよい。孔部50をカット孔とする場合には、印刷面積を狭めずにすむ。なお、孔部50の形状は、縦長で角部が湾曲した矩形状、縦長の長円や楕円形状が好ましい。また、孔部50がC字状に切り込みを入れたカット孔の場合には、これら形状の側方の一部は繋がった状態である。
【0025】
脆弱部60は、接合部10を破断しやすくするために、接合部10のうち使用者によって破断されるべき位置に線状に設けられる。脆弱部60は、例えば、断続した孔からなる線状のミシン目、またはレーザーや刃物で厚さ方向の一部を切除したハーフカット等で形成される。脆弱部60は、当該脆弱部60において接合部10が破断されることにより、接合部10の一部に舌状部70を形成する。実施の形態1においては、パウチ容器100の幅方向に延びた脆弱部60および舌状部70が、パウチ容器100の底側部分に設けられる。
【0026】
収容部30には、折り曲げ予定部80と、折り曲げ予定部80を示すための目印81とが設けられる。折り曲げ予定部80は、収容部30のうち使用者によって折り曲げられるべき箇所である。目印81は、使用者に折り曲げるべき位置を示す。目印81は、図1に示すような左サイドの一部に設けた切り欠きでもよいし、切り欠きに替えてシートの表面に設けられる窪みでもよい。また、目印81は、折り曲げ予定部80に沿ってシートの表面に設けられる窪み、折り目線、または/および印刷でもよい。さらに、シートの表面には、折り曲げ予定部80に沿って折り曲げることを説明する説明書き印刷部が設けられることが好ましい。
【0027】
舌状部70は、脆弱部60の破断後の状態において収容部30が折り曲げられることにより、孔部50と対向する位置に配置可能である。ここで、「舌状部70が孔部50に対向する」とは、収容部30が折り曲げ予定部80に沿って折り曲げられた場合に、当該舌状部70の少なくとも一部が孔部50の開口面のうちの少なくとも一部を覆うように重なって配置されることを意味する。脆弱部60の破断後の状態において収容部30が折り曲げられることにより、孔部50に対向して配置される部分の舌状部70の位置は、特にこれが制限されるものではないが、好ましくは、当該舌状部70の長手方向における中央部、または、当該中央部よりも折り曲げ予定部80寄りの部分が孔部50と対向する位置に配置される。
【0028】
なお、接合部10には、使用者に破断すべき位置を示すための目印61が設けられてもよい。目印61は、図1に示すような破断開始位置に設ける切り欠きでもよいし、切り欠きに替えてシートの表面に設けられる窪みでもよい。また、目印61は、脆弱部60に沿ってシートの表面に設けられる窪み、折り目線、または/および印刷でもよい。さらに、シートの表面には、使用者が適切な位置を切断できるように説明する説明書き印刷部が設けられることが好ましい。また、脆弱部60の終端には、使用者が接合部10を破断し過ぎてしまうことを防止するための、切れ止め部62が設けられてもよい。切れ止め部62は、図1に示すような脆弱部60の終端を湾曲状に形成するようなものでもよいし、脆弱部60の終端に孔を設けるようなものでもよい。
【0029】
また、折り曲げ予定部80は収容部30のいずれかの箇所に設けられるのでよいが、折り曲げ予定部80が収容部30のうち収容室規定部20に設けられる場合と折り曲げ予定部80が収容部30のうち接合部10に設けられる場合とでは、折り曲げ予定部80が接合部10に設けられる場合の方が収容部30の収容量を確保することができる。なぜなら、折り曲げ予定部80が収容部30のうち収容室規定部20に設けられる場合には、収容室規定部20を折り曲げ可能な程度に収容部30の収容量を制限する必要があるのに対し、折り曲げ予定部80が収容部30のうち接合部10に設けられる場合には、そのように制限する必要はないためである。
【0030】
図3図5を参照して、ストラップへのパウチ容器の吊り下げ方法を説明する。ストラップは、端部のないループ状の吊り下げ部材の一例である。ここでは、使用者が首にぶら下げて使用するネックストラップを例に説明するが、ストラップはキーホルダーのようなものでもよい。
【0031】
図3は、吊り下げ方法のうちの第1ステップおよび第2ステップを示す図である。図4は、吊り下げ方法のうちの第3ステップを示す図である。図5は、吊り下げが完了した状態を示す図である。
【0032】
まず、図3に示すように、使用者は、脆弱部60において接合部10を破断する(第1ステップ)。これにより、接合部10の一部に舌状部70が形成される。
【0033】
次に、使用者は、ストラップ200の一部をパウチ容器100の背面から孔部50に差し込む(第2ステップ)。ストラップ200は、端部のないループ状の吊り下げ部材の一例である。
【0034】
次に、図4に示すように、使用者は、折り曲げ予定部80において収容部30をパウチ容器100のおもて面の方に折り曲げて、舌状部70を孔部50に差し込まれているストラップ200に左側から差し込んで右側へ引き出す(第3ステップ)。
【0035】
そして、使用者は、舌状部70を図5に示すような状態までストラップ200に差し込んだ後、ストラップ200をパウチ容器100から遠ざけるように引っ張る。これにより、パウチ容器100のストラップ200への吊り下げが完了する。孔部50に差し込まれているストラップ200に差し込まれた舌状部70はクサビのように機能することから、ストラップ200に対してパウチ容器100の吊り下げが可能となる。
【0036】
なお、第2ステップにおいて、使用者は、ストラップ200の一部をパウチ容器100のおもて面から孔部50に差し込んでもよい。そのような場合には、第3ステップにおいて、使用者は、折り曲げ予定部80において収容部30をパウチ容器100の背面の方に折り曲げて、舌状部70を孔部50に差し込まれているストラップ200に左側から差し込んで右側へ引き出せばよい。
【0037】
図3図5では、パウチ容器100をストラップ200に吊り下げたが、パウチ容器をストラップ200以外の端部のないループ状の吊り下げ部材、例えば、ベルトループ、鞄の取っ手等に吊り下げることもできる。
【0038】
図6は、パウチ容器をベルトループに吊り下げた状態を示す図である。ベルトループ300は、端部のないループ状の吊り下げ部材の一例である。使用者は、図3図5で示したステップと同様のステップを経ることで、パウチ容器100をベルトループ300に吊り下げることができる。
【0039】
パウチ容器100をストラップ200やベルトループ300等、使用者が身につけている部材に吊り下げた場合には、パウチ容器の携帯が可能となり、使用者はパウチ容器に収容されている内容物をいつでもどこでも使用することができる。たとえば、パウチ容器100に手指消毒液、手指消毒用のジェル、除菌用洗剤等が収容されている場合には、使用者はいつでもどこでも手指を消毒することができる。また、パウチ容器100に飲料や食品が収容されている場合には、使用者はいつでもどこでも当該飲料や食品を食することができる。このようなストラップやベルトループへの吊り下げの場合、孔部50は縦方向の長さが20mm~50mm、幅方向の長さが10mm~25mmが取り扱いがし易く好ましい。
【0040】
このように、パウチ容器100は、収容部30のうちのシートが接合された部分である接合部10に孔部50および脆弱部60が設けられ、脆弱部60において接合部10が破断されることにより、接合部10の一部に舌状部70が形成されるように構成されている。また、舌状部70は、脆弱部60の破断後の状態において収容部30が折り曲げられることにより、孔部50と対向する位置に配置可能である。このような構成により、使用者は孔部50に差し込まれている端部のないループ状の吊り下げ部材に舌状部70を差し込むことが可能となる。孔部50に差し込まれている端部のないループ状の吊り下げ部材に差し込まれた舌状部70は、クサビのように機能する。ゆえに、パウチ容器100を端部のないループ状の吊り下げ部材に吊り下げることが可能となる。
【0041】
また、パウチ容器100には孔部50が設けられているので、パウチ容器100をフックのような端部のあるU字状の吊り下げ部材に吊り下げることも可能である。
【0042】
したがって、実施の形態1におけるパウチ容器100を用いれば、端部のある吊り下げ部材のみならず、端部のないループ状の吊り下げ部材にも、パウチ容器を吊り下げることができる。
【0043】
なお、ストラップのような柔らかい部材への吊り下げが予定されている場合には、舌状部70の縦方向の幅を広めにとっておくと、舌状部70が吊り下げ部材から抜け落ちにくくなる。
【0044】
[実施の形態2]
図7および図8を参照して、実施の形態2におけるパウチ容器について説明する。実施の形態2におけるパウチ容器は、舌状部のうち、収容部が折り曲げられた場合に孔部に対向配置される部分に括れが設けられている。なお、以下では、実施の形態1と異なる部分についてのみ説明を行い、実施の形態1と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0045】
図7は、実施の形態2におけるパウチ容器を示す図である。パウチ容器100Aは、舌状部70Aに括れが設けられている点で、実施の形態1におけるパウチ容器100と異なる。具体的には、パウチ容器100Aでは、舌状部70Aのうち、収容部30が折り曲げられた場合に孔部50に対向配置される部分に括れ部71Aが設けられている。このような構造により、実施の形態1で示したステップに従ってパウチ容器100Aを吊り下げた場合には、吊り下げ部材が括れ部71Aに嵌まり、舌状部70Aが吊り下げ部材から抜け落ちにくくなる。
【0046】
図8は、実施の形態2におけるパウチ容器の変形例を示す図である。図7で示したパウチ容器100Aでは、舌状部70Aの上側に括れ部71Aが設けられていたが、図8に示すパウチ容器100Bでは、舌状部70Bの下側に括れ部71Bが設けられている。より具体的には、括れ部71Bは、舌状部70Bのうち、収容部30が折り曲げられた場合に孔部50に対向配置される部分に設けられる。このような構造により、実施の形態1で示したステップに従ってパウチ容器100Bを吊り下げた場合には、吊り下げ部材が括れ部71Bに嵌まり、舌状部70Bが吊り下げ部材から抜け落ちにくくなる。
【0047】
このように、実施の形態2におけるパウチ容器100A,100Bは、舌状部70A,70Bのうちの孔部50に対向配置される部分に括れ部71A,71Bが設けられている。これにより、舌状部70A,70Bが吊り下げ部材から抜け落ちにくくなる。したがって、実施の形態2におけるパウチ容器100A,100Bを用いれば、パウチ容器の落下を抑制することができる。
【0048】
なお、舌状部70A,70Bの幅(舌状部70A,70Bの短手方向の寸法)を括れ部71A,71Bと先端部(目印61寄りの部分)とで比較した場合、括れ部71A,71Bにおける幅は先端部における幅の50%~90%程度であることが好ましい。また、舌状部には、図7に示す括れ部71Aと図8に示す括れ部71Bとの両方が設けられていてもよい。
【0049】
[実施の形態3]
図9図11を参照して、実施の形態3におけるパウチ容器について説明する。実施の形態3におけるパウチ容器は、脆弱部および舌状部がパウチ容器の一方のサイドに設けられている。なお、実施の形態3では、実施の形態1と異なる部分についてのみ説明を行い、実施の形態1と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0050】
図9は、実施の形態3におけるパウチ容器を示す図である。パウチ容器100Cは、脆弱部60Cおよび舌状部70Cがパウチ容器の一方のサイドに設けられている点で実施の形態1におけるパウチ容器100と異なる。
【0051】
なお、図9では、脆弱部60Cおよび舌状部70Cはパウチ容器の左サイドに設けられているが、パウチ容器の右サイドに設けられてもよい。
【0052】
パウチ容器100Cは、実施の形態1で述べたストラップ200やベルトループ300だけでなく、タオルハンガーのような硬くて形状が変化しないような部材にも吊り下げることができる。タオルハンガーもまた、端部のないループ状の吊り下げ部材の一例である。
【0053】
図10を参照して、タオルハンガーへのパウチ容器の吊り下げ方法について説明する。図10は、タオルハンガーへのパウチ容器の吊り下げ方法を説明するための図である。図10(A)は、吊り下げ方法のうちの第1ステップおよび第2ステップを示す図である。図10(B)は、吊り下げ方法のうちの第3ステップおよび第4ステップを示す図である。
【0054】
まず、図10(A)に示すように、使用者は、脆弱部60Cにおいて接合部10を破断する(第1ステップ)。これにより、接合部10の一部に舌状部70Cが形成される。
【0055】
次に、使用者は、タオルハンガー400をパウチ容器100Cの背面から孔部50に押し当てるとともに、孔部50の底側部分および孔部50の天側部分がそれぞれタオルハンガー400よりも後方の位置に配置されるようにパウチ容器100Cを湾曲させる(第2ステップ)。
【0056】
次に、図10(B)に示すように、使用者は、折り曲げ予定部80において収容部30をパウチ容器100Cのおもて面の方に折り曲げ、舌状部70Cを、孔部50とタオルハンガー400との間の隙間のうち底側の隙間に差し込む(第3ステップ)。次いで、使用者は、タオルハンガー400を潜らせた舌状部70Cを、孔部50とタオルハンガー400との間の隙間のうち天側の隙間からパウチ容器100Cのおもて面側に引き出す(第4ステップ)。
【0057】
そして、図10(B)に示すような状態まで、舌状部70Cがパウチ容器100Cのおもて面側に引き出されると、パウチ容器100Cのタオルハンガー400への吊り下げが完了する。孔部50とタオルハンガー400との間の隙間に差し込まれ、タオルハンガー400の背面を通ってパウチ容器100Cのおもて面側に引き出された舌状部70Cはクサビのように機能することから、タオルハンガー400に対してパウチ容器100Cの吊り下げが可能となる。
【0058】
なお、タオルハンガーのような硬くて形状が変化しないような部材への吊り下げが予定されている場合には、孔部50の縦方向を大きめに設けておくと、パウチ容器を吊り下げやすくなる。
【0059】
図11は、実施の形態3におけるパウチ容器の変形例を示す図である。パウチ容器100Dは、パウチ容器100Cと同様に、脆弱部60Dおよび舌状部70Dがパウチ容器の一方のサイドに設けられている。
【0060】
一方、パウチ容器100Dは、舌状部70Dの一部に補強部72Dが設けられている点でパウチ容器100Cと異なる。使用者は、接合部10を折り曲げ予定部74Dで折り曲げることにより、補強部72Dを基部73Dに重ね合わせることができる。使用者は、パウチ容器100Dを端部のないループ状の吊り下げ部材へ吊り下げる場合には、舌状部70Dを補強部72Dと基部73Dとが重ね合わせられた状態で使用する。
【0061】
具体的には、まず、使用者は、脆弱部60Dにおいて接合部10を破断し、接合部10を折り曲げ予定部74Dで折り曲げて補強部72Dを基部73Dに重ね合わせる(第1ステップ)。次に、使用者は、タオルハンガー400をパウチ容器100Dの背面から孔部50に押し当てるとともに、孔部50の底側部分および孔部50の天側部分がそれぞれタオルハンガー400よりも後方の位置に配置されるようにパウチ容器100Dを湾曲させる(第2ステップ)。次に、使用者は、折り曲げ予定部80において収容部30をパウチ容器100Dのおもて面の方に折り曲げ、補強部72Dと基部73Dとが重ね合わせられている舌状部70Dを、孔部50とタオルハンガー400との間の隙間のうち底側の隙間に差し込む(第3ステップ)。次いで、使用者は、タオルハンガー400を潜らせた舌状部70Dを、孔部50とタオルハンガー400との間の隙間のうち天側の隙間からパウチ容器100Dのおもて面側に引き出す(第4ステップ)。
【0062】
このように、変形例におけるパウチ容器100Dは、補強部72Dと基部73Dとを重ね合わせることができる。これにより、舌状部70Dが補強されるので、パウチ容器100Dの吊り下げ過程で舌状部70Dが破損してしまうことを抑制することができる。また、パウチ容器100Dを2重になった舌状部70Dで支えることになるので、パウチ容器100Dの重量によって舌状部70Dが破損してしまうことを抑制することができる。したがって、変形例におけるパウチ容器100Dを用いれば、パウチ容器の落下を抑制することができる。
【0063】
[実施の形態4]
図12を参照して、実施の形態4におけるパウチ容器について説明する。実施の形態4におけるパウチ容器は、脆弱部および舌状部がパウチ容器のサイドに設けられているとともに、舌状部が吊り下げ部材から抜け落ちることを防止するためのロック機構を備えている。なお、実施の形態4では、実施の形態1と異なる部分についてのみ説明を行い、実施の形態1と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0064】
図12は、実施の形態4におけるパウチ容器を示す図である。図12(A)は、実施の形態4におけるパウチ容器の概要を示す図である。図12(B)は、舌状部が吊り下げ部材から抜け落ちないようにロックされている状態を示す図である。図12(A)に示すように、パウチ容器100Eは、脆弱部60Eおよび舌状部70Eがパウチ容器のサイドに設けられている点で実施の形態1におけるパウチ容器100と異なる。また、パウチ容器100Eは、舌状部70Eが吊り下げ部材から抜け落ちることを防止するためのロック機構を備える点で実施の形態1におけるパウチ容器100と異なる。
【0065】
ロック機構の一例として、パウチ容器100Eには、切り込み部91と突起部92とが設けられている。切り込み部91は、舌状部70Eに設けられる。突起部92は、舌状部70Eを除く接合部10のうち、収容部30が折り曲げられた場合に切り込み部91と対向配置される部分に設けられる。これにより、図12(B)に示すように、切り込み部91を突起部92へ引っかけることが可能となる。使用者によるロック手順は、以下の通りである。
【0066】
まず、使用者は、脆弱部60Eにおいて接合部10を破断する。次に、使用者は、端部のないループ状の吊り下げ部材の一部をパウチ容器100Eの背面から孔部50に差し込む。次に、使用者は、折り曲げ予定部80において収容部30をパウチ容器100Eのおもて面の方に折り曲げて、舌状部70Eを孔部50に差し込まれている吊り下げ部材に差し込む。そして、使用者は、差し込んだ舌状部70Eを突起部92の方へ引き出して、切り込み部91を突起部92へ引っかける。
【0067】
このように、実施の形態4におけるパウチ容器100Eは、ロック機構を備えている。これにより、舌状部70Eが吊り下げ部材から抜け落ちにくくなる。したがって、実施の形態4におけるパウチ容器100Eを用いれば、パウチ容器の落下を抑制することができる。
【0068】
なお、パウチ容器100Eでは、切り込み部91が舌状部70Eに設けられ、突起部92が舌状部70Eを除く接合部10に設けられていたが、突起部92が舌状部70Eに設けられ、切り込み部91が舌状部70Eを除く接合部10のうち、収容部30が折り曲げられた場合に突起部92と対向配置される部分に設けられるのでもよい。
【0069】
また、図12では、脆弱部60Eおよび舌状部70Eはパウチ容器の左サイドに設けられていたが、パウチ容器の右サイドに設けられてもよい。また、脆弱部60Eおよび舌状部70Eは、図1に示すような位置に設けられてもよい。
【0070】
また、パウチ容器100Eには、ロック機構として引っかけによるロック機構が採用されていたが、粘着によるロック機構が採用されてもよい。粘着によるロック機構の一例として、切り込み部91に相当する位置または突起部92に相当する位置に両面シールを貼付しておくようなものがある。
【0071】
[実施の形態5]
図13を参照して、実施の形態5におけるパウチ容器について説明する。実施の形態5におけるパウチ容器は、脆弱部および舌状部がパウチ容器の両サイドに設けられている。なお、実施の形態5では、実施の形態1と異なる部分についてのみ説明を行い、実施の形態1と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0072】
図13は、実施の形態5におけるパウチ容器を示す図である。図13に示すように、パウチ容器100Fは、脆弱部60Fおよび舌状部70Fがパウチ容器の両サイドに設けられている点で実施の形態1におけるパウチ容器100と異なる。パウチ容器100Fのこのような構造により、使用者は、パウチ容器100Fを端部のないループ状の吊り下げ部材に吊り下げる際に、孔部50に差し込まれている吊り下げ部材に舌状部70Fをパウチ容器の両サイドから差し込むことができる。
【0073】
具体的には、まず、使用者は、各々の脆弱部60Fにおいて接合部10を破断する。次に、使用者は、端部のないループ状の吊り下げ部材の一部をパウチ容器100Fの背面から孔部50に差し込む。次に、使用者は、収容部30を左側の折り曲げ予定部80で折り曲げて、パウチ容器100Fの左サイドに設けられている舌状部70Fを、孔部50に差し込まれている吊り下げ部材に左側から差し込んで右側へ引き出す。次に、使用者は、収容部30を右側の折り曲げ予定部80で折り曲げて、パウチ容器100Fの右サイドに設けられている舌状部70Fを、孔部50に差し込まれている吊り下げ部材に右側から差し込んで左側へ引き出す。
【0074】
なお、孔部50に差し込まれている吊り下げ部材に舌状部70Fを差し込む順番は、パウチ容器100Fの左サイドに設けられている舌状部70Fが先でもよいし、パウチ容器100Fの右サイドに設けられている舌状部70Fが先でもよい。
【0075】
このように、実施の形態5におけるパウチ容器100Fは、孔部50に差し込まれている吊り下げ部材に舌状部70Fをパウチ容器の両サイドから差し込むことができる。これにより、パウチ容器100Fを2本の舌状部70Fで支えることになるので、パウチ容器100Fの重量によって舌状部70Fが破損してしまうことを抑制することができる。したがって、実施の形態5におけるパウチ容器100Fを用いれば、パウチ容器の落下を抑制することができる。
【0076】
[実施の形態6]
図14を参照して、実施の形態6におけるパウチ容器について説明する。実施の形態6におけるパウチ容器は、脆弱部および舌状部がパウチ容器の両サイドに設けられているとともに、孔部が2つ設けられている。なお、実施の形態6では、実施の形態1と異なる部分についてのみ説明を行い、実施の形態1と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0077】
図14は、実施の形態6におけるパウチ容器を示す図である。図14に示すように、パウチ容器100Gは、脆弱部60Gおよび舌状部70Gがパウチ容器の両サイドに設けられている点で実施の形態1におけるパウチ容器100と異なる。また、パウチ容器100Gは、孔部50Gが2つ設けられている点で実施の形態1におけるパウチ容器100と異なる。これにより、端部のないループ状の吊り下げ部材が2つある場合には、使用者は一方の孔部50Gに一方の吊り下げ部材を差し込み、他方の孔部50Gに他方の吊り下げ部材を差し込んで、パウチ容器100Gを2つの吊り下げ部材で吊り下げることが可能となる。
【0078】
具体的には、まず、使用者は、端部のないループ状の吊り下げ部材を2つ用意する。次に、使用者は、各々の脆弱部60Gにおいて接合部10を破断する。次に、使用者は、一方の吊り下げ部材の一部をパウチ容器100Gの背面から左側の孔部50Gに差し込む。次に、使用者は、収容部30を左側の折り曲げ予定部80で折り曲げて、パウチ容器100Gの左サイドに設けられている舌状部70Gを、左側の孔部50Gに差し込まれている吊り下げ部材に左側から差し込んで右側へ引き出す。次に、使用者は、他方の吊り下げ部材の一部をパウチ容器100Gの背面から右側の孔部50Gに差し込む。次に、使用者は、収容部30を右側の折り曲げ予定部80で折り曲げて、パウチ容器100Gの右サイドに設けられている舌状部70Gを、右側の孔部50Gに差し込まれている吊り下げ部材に右側から差し込んで左側へ引き出す。
【0079】
なお、孔部50Gに差し込まれている吊り下げ部材に舌状部70Gを差し込む順番は、パウチ容器100Gの左サイドに設けられている舌状部70Gが先でもよいし、パウチ容器100Gの右サイドに設けられている舌状部70Gが先でもよい。
【0080】
このように、実施の形態6におけるパウチ容器100Gは、2つの吊り下げ部材でパウチ容器を支えることができる。これにより、1つの吊り下げ部材に加わる負荷を分散させることができるので、吊り下げ部材の劣化を抑制することができる。また、パウチ容器100Gを2本の舌状部70Gで支えることになるので、パウチ容器100Gの重量によって舌状部70Gが破損してしまうことを抑制することができる。したがって、実施の形態6におけるパウチ容器100Gを用いれば、パウチ容器の落下を抑制することができる。
【0081】
また、実施の形態6におけるパウチ容器100Gは、2つの吊り下げ部材でパウチ容器を支えるため、パウチ容器が横長の場合であっても、水平にパウチ容器を吊り下げることができる。したがって、実施の形態6におけるパウチ容器100Gを用いれば、使用者は内容物を取り出しやすく、使用者の利便性が損なわれずにすむ。
【0082】
[実施の形態7]
図15を参照して、実施の形態7におけるパウチ容器について説明する。実施の形態1~実施の形態6におけるパウチ容器は舌状部を生じさせるために、使用者がパウチ容器を破断する必要があった。これに対し、実施の形態7におけるパウチ容器は、予めパウチ容器が破断されて舌状部が設けられているため、使用者はパウチ容器を破断する必要がない。なお、実施の形態7では、実施の形態1と異なる部分についてのみ説明を行い、実施の形態1と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0083】
図15は、実施の形態7におけるパウチ容器を示す図である。パウチ容器100Hは、予め接合部10が破断されることによって、接合部10に舌状部70Hが設けられている点で実施の形態1におけるパウチ容器100と異なる。舌状部70Hは、収容部30が折り曲げられることにより、孔部50と対向する位置に配置可能である。ここで、「舌状部70Hが孔部50に対向する」とは、収容部30が折り曲げ予定部80に沿って折り曲げられた場合に、当該舌状部70Hの少なくとも一部が孔部50の開口面のうちの少なくとも一部を覆うように重なって配置されることを意味する。収容部30が折り曲げられることにより、孔部50に対向して配置される部分の舌状部70Hの位置は、特にこれが制限されるものではないが、好ましくは、当該舌状部70Hの長手方向における中央部、または、当該中央部よりも折り曲げ予定部80寄りの部分が孔部50と対向する位置に配置される。
【0084】
また、使用者が接合部10を破断する必要が無いため、パウチ容器100Hには、脆弱部は設けられていない。
【0085】
使用者がパウチ容器100Hを端部のないループ状の吊り下げ部材に吊り下げたい場合には、まず、使用者は、吊り下げ部材の一部をパウチ容器100Hの背面から孔部50に差し込む。次に、使用者は、折り曲げ予定部80において収容部30をパウチ容器100Hのおもて面の方に折り曲げて、舌状部70Hを孔部50に差し込まれている吊り下げ部材に左側から差し込んで右側へ引き出す。
【0086】
このように、実施の形態7におけるパウチ容器100Hは、接合部10を破断する使用者の手間を省くことができる。これにより、パウチ容器100Hの吊り下げに伴う使用者の負荷が軽減される。
【0087】
以上、各実施の形態および変形例について説明した。上述の各実施の形態および変形例は、適宜選択的に組み合わされることができる。
【0088】
なお、上述のパウチ容器はおもて面シート及びうら面シートから構成される平パウチであったが、マチがあるタイプのパウチ容器でもよい。マチがあるタイプのパウチ容器は、マチを構成するシートと、前壁を構成するシートと、後ろ壁を構成するシートとを有する。パウチ容器がマチのあるタイプの場合には、一例として、前壁を構成するシートと後ろ壁を構成するシートとのいずれか一方をパウチ容器の高さ方向に延ばしておき、延ばしている部分に孔部および舌状部を設けるようにすればよい。他の例として、前壁を構成するシートと後ろ壁を構成するシートとのいずれか一方をパウチ容器の高さ方向だけでなく幅方向にも延ばしておき、高さ方向に延ばしている部分に孔部を設け、幅方向に延ばしている部分に舌状部を設けるようにしてもよい。
【0089】
また、上述のパウチ容器は正面視の形状が略矩形であったが、これに限られない。取出口に向けて先が窄まっているような形状でもよく、様々な形状のパウチ容器を採用することができる。また、上述のパウチ容器は取出口がパウチ容器の頭部(天側、図中では下方)に設けられていたが、取出口はパウチ容器の角部分(斜め方向)やサイドに設けられてもよく、この場合、孔部はパウチ容器の中央から見て取出口と反対側にあればよい。
【0090】
また、上記では、パウチ容器に収容される内容物の一例として、手指消毒液、手指消毒用のジェル、除菌用洗剤、飲料、および食品を挙げたが、これらに限られない。パウチ容器に収容される内容物は、医薬品、日用品、飲料、および食品等のうち、パウチ容器から小出しされて使用、若しくは、食されるようなものであれば何でもよい。
【0091】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0092】
1 おもて面シート、2 うら面シート、10 接合部、20 収容室規定部、30 収容部、40 取出口、50,50G 孔部、60,60C,60D,60E,60F,60G 脆弱部、61,81 目印、62 切れ止め部、70,70A,70B,70C,70D,70E,70F,70G,70H 舌状部、71A,71B 括れ部、72D 補強部、73D 基部、74D,80 折り曲げ予定部、91 切り込み部、92 突起部、100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G,100H パウチ容器、200 ストラップ、300 ベルトループ、400 タオルハンガー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15