(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008058
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】可動成型装置を備えた射出成型システム及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/04 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B29C45/04
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072760
(22)【出願日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】63/043,742
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/153,710
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520365090
【氏名又は名称】キング スチール マシネリー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イェ、リャン-ホイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チン-ハオ
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206JA07
4F206JC01
4F206JC05
4F206JC08
4F206JN09
4F206JQ81
4F206JQ90
(57)【要約】
【課題】可動成型装置を備えた射出成型システム及びその使用方法の提供。
【解決手段】本発明の射出成型システムは、射出ステーションと、成型装置と、プランジャーを含み、前記射出ステーションが、開口部を含むプラットフォームと、前記プラットフォームの上方に配置される注入装置を含み、前記成型装置が、前記プラットフォームと前記注入装置との間で、かつ前記開口部の上方に配置され、そのうち、前記成型装置が、金型キャビティと、前記成型装置をクランプするクランプユニットを含み、前記プラットフォームの下方に配置される前記プランジャーが、ベース部と、前記開口部を通過して前記成型装置に向かって延伸することができ、かつ前記ベース部に向かって収縮可能なロッドを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成型システムであって、
プラットフォームと、前記プラットフォーム上方に配置される注入装置を含む射出ステーション、そのうち、前記プラットフォームが、前記プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含み、
前記プラットフォームと前記注入装置との間で、かつ前記第1開口部の上方に配置される成型装置、そのうち、前記成型装置が、金型キャビティと、前記成型装置をクランプするクランプユニットを含み、
前記プラットフォームの下方に配置されるプランジャーと、を含み、
そのうち、前記プランジャーが、ベース部と、ロッドを含み、前記ロッドが前記第1開口部を通過して前記成型装置に向かって延伸することができ、かつ前記ベース部に向かって収縮することができる、
ことを特徴とする、射出成型システム。
【請求項2】
前記プランジャーが、前記射出ステーションに対して移動することができることを特徴とする、請求項1に記載の射出成型システム。
【請求項3】
前記金型キャビティが、第1モールドベースと、前記第1モールドベースに対応し、その上方に配置される第2モールドベースにより定義され、そのうち、前記成型装置がさらに、前記第1モールドベース内に配置された第1金型と、前記第1金型に対応し、その上方に配置される第2金型を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の射出成型システム。
【請求項4】
前記第1モールドベースが、前記ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成される第2開口部を含み、上面から見ると、前記第2開口部が前記第1開口部と重なり合うことを特徴とする、請求項3に記載の射出成型システム。
【請求項5】
前記ロッドが前記第2開口部を通過して延伸することができることを特徴とする、請求項4に記載の射出成型システム。
【請求項6】
前記射出成型システムがさらに、前記成型装置を前記プラットフォーム上にロックするように構成されるロック装置を含み、そのうち、前記ロック装置が、前記成型装置上に配置される第1ロック部材と、前記プラットフォーム上に配置され、前記第1ロック部材に対応する第2ロック部材を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の射出成型システム。
【請求項7】
射出成型方法であって、
プラットフォームと、前記プラットフォーム上方に配置される注入装置を含む射出ステーションを提供し、そのうち、前記プラットフォームが、前記プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含む工程と、
前記射出ステーションに成型装置を搬送して、前記成型装置を前記注入装置と前記プラットフォームとの間に配置し、そのうち、前記成型装置が、第1金型と、前記第1金型上方の第2金型と、前記第1金型と前記第2金型により定義される金型キャビティを含む工程と、
前記成型装置と前記プラットフォームの下方にプランジャーを配置し、そのうち、前記プランジャーが、ベース部と、前記成型装置に向かって延伸することができ、かつ前記ベース部に向かって収縮することができるロッドを含む工程と、
前記注入装置を前記成型装置に向かって移動させ、前記金型キャビティと連通させる工程と、
前記第1開口部を通過して前記成型装置に向かって前記ロッドを延伸することにより、前記成型装置上に押込力を加える工程と、
前記注入装置から前記金型キャビティ内に成形材料を注入する工程と、
を含むことを特徴とする、射出成型方法。
【請求項8】
注入前に前記成型装置を前記プラットフォーム上にロックする工程と、
注入後に前記成型装置を前記プラットフォームからロック解除する工程と、
注入後に前記注入装置を前記成型装置から離脱させる工程と、
注入後に前記ロッドを前記ベース部に向かって収縮させる工程と、
収縮後に前記プランジャーを移動させ、前記射出ステーションから離隔する工程と、
前記注入装置の離脱と前記ロッドの収縮後に、前記成型装置を搬送して前記射出ステーションから離隔する工程と、
をさらに含む、ことを特徴とする、請求項7に記載の射出成型方法。
【請求項9】
射出成型方法であって、
キャリアを提供し、そのうち、第1成型装置と第2成型装置が前記キャリアにより保持される工程と、
プラットフォームと、前記プラットフォームの上方に配置される注入装置を含む射出ステーションを提供し、そのうち、前記プラットフォームが、前記プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含む工程と、
前記プラットフォームの下方に配置されるプランジャーを提供し、そのうち、前記プランジャーが、ベース部と、前記ベース部に向かって伸縮可能なロッドを含む工程と、
前記第1成型装置を前記射出ステーション内に移動し、前記第1成型装置を前記注入装置と前記プラットフォームとの間に配置する工程と、
前記第1開口部を通過して前記ロッドを延伸し、前記第1成型装置に接触させることにより、前記第1成型装置に押込力を加える工程と、
前記注入装置から前記第1成型装置内に成形材料を注入する工程と、
注入後に、前記注入装置と前記ロッドを前記第1成型装置から離脱させる工程と、
前記第1成型装置を前記射出ステーションから移動する工程と、
前記第2成型装置を前記射出ステーション内に移動し、前記第2成型装置を前記注入装置と前記プラットフォームとの間に配置する工程と、
を含むことを特徴とする、射出成型方法。
【請求項10】
前記第1開口部を通過して前記ロッドを延伸し、前記第2成型装置に接触させることにより、前記第2成型装置に押込力を加える工程と、
前記注入装置から前記第2成型装置内に成形材料を注入する工程と、
注入後に、前記注入装置と前記ロッドを前記第2成型装置から離脱させる工程と、
前記第2成型装置を移動し、前記射出ステーションから離隔する工程と、
をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の射出成型方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年6月24日出願の米国仮特許出願第63/043,742号、及び2021年1月20日出願の米国特許出願第17/153,710号に対する優先権を主張するものであり、上記(仮)特許出願の開示を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、射出成型システム及び当該射出成型システムの使用方法に関し、特に、可動成型装置を備えた射出成型システム及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発泡高分子材料には、高い強度、軽さ、耐衝撃性、断熱性など、多くの利点がある。成形品は射出成型により形成することができる。例えば、高分子材料を溶解し、発泡剤と混合して混合物を形成した後、この混合物に力または圧力が加えられ、混合物が金型のキャビティに射出され、混合物がキャビティ内で発泡及び冷却されて成形品が形成される。
【0004】
しかしながら、成型装置を特定の位置に固定するなど、射出成型システムにより作られる成形品の性質を改善する必要がある。このため、射出成型システムの構造と、その使用方法を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、混合物の押出システムと押出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様によれば、射出成型システムが開示される。前記射出成型システムは、射出ステーションと、成型装置と、プランジャーを含む。前記射出ステーションは、プラットフォームと、前記プラットフォーム上方に配置される注入装置を含み、そのうち、前記プラットフォームが、前記プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含む。前記成型装置は、前記プラットフォームと前記注入装置との間で、かつ前記第1開口部の上方に配置され、そのうち、前記成型装置が、金型キャビティと、前記成型装置をクランプするクランプユニットを含む。前記プランジャーは、前記プラットフォームの下方に配置され、そのうち、前記プランジャーが、ベース部と、ロッドを含み、前記ロッドが前記第1開口部を通過して前記成型装置に向かって延伸することができ、かつ前記ベース部に向かって収縮することができる。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、射出成型方法が開示される。前記射出成型方法が、プラットフォームと、前記プラットフォーム上方に配置される注入装置を含み、そのうち、前記プラットフォームが、前記プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含む射出ステーションを提供する工程と、前記射出ステーションに成型装置を搬送して、前記注入装置と前記プラットフォームとの間に前記成型装置を配置し、そのうち、前記成型装置が、第1金型と、前記第1金型上の第2金型と、前記第1金型及び前記第2金型により定義される金型キャビティと、を含む工程と、前記成型装置と前記プラットフォームの下方にプランジャーを配置し、そのうち、前記プランジャーが、ベース部と、前記成型装置に向かって延伸することができ、かつ前記ベース部に向かって収縮することができるロッドと、を含む工程と、前記注入装置を前記成型装置に向かって移動し、前記金型キャビティと連通させる工程と、前記第1開口部を通過し、前記成型装置に向かって前記ロッドを延伸することにより、前記成型装置に押込力を加える工程と、前記注入装置から前記金型キャビティ内に成形材料を注入する工程と、を含む。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、射出成型方法が開示される。前記射出成型方法は、キャリアを提供し、そのうち、第1成型装置と第2成型装置が前記キャリアにより保持される工程と、プラットフォームと、前記プラットフォームの上方に配置された注入装置を含む射出ステーションを提供し、そのうち、前記プラットフォームが、前記プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含む工程と、前記プラットフォームの下方に配置されるプランジャーを提供し、そのうち、前記プランジャーが、ベース部と、前記ベース部に対して伸縮可能であるロッドと、を含む工程と、前記第1成型装置を前記射出ステーション内に移動し、前記第1成型装置を前記注入装置と前記プラットフォームとの間に配置する工程と、前記第1開口部を通過して前記ロッドを延伸し、前記第1成型装置に接触させることにより、前記第1成型装置に押込力を提供する工程と、前記注入装置から前記第1成型装置内に成形材料を注入する工程と、注入後に前記注入装置と前記ロッドを前記第1成型装置から離脱させる工程と、前記第1成型装置を前記射出ステーションから移動する工程と、前記第2成型装置を前記射出ステーション内に移動し、前記第2成型装置を前記注入装置と前記プラットフォームとの間に配置する工程と、を含む。
【0009】
本発明の態様は添付の図面と以下の詳細な説明からより理解されるであろう。業界における標準的慣行に従い、多様な特徴が正確な縮尺率ではないことに注意すべきである。実際、多様な特徴の寸法は、説明を明確にするために、任意に増減されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施態様による射出成型システムの概略断面図である。
【
図2】本発明の一実施態様による射出成型方法を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図4】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図5】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図6】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図7】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図8】本発明の一実施態様による射出成型方法を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図10】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図11】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図12】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図13】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図14】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図15】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図16】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図17】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図18】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図19】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図20】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図21】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【
図22】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下で、本発明の異なる特徴を示すために異なる実施形態または実施例を開示する。本発明を簡易に示すために、部材と配置の具体例を以下で示す。当然、それらは例示的であり、限定する意図はない。例えば、以下の説明で、第2の要素上における第1の要素の形成には、第1の要素と第2の要素が直接接触した実施形態を含んだり、第1の要素と第2の要素間に別の要素が含まれ、第1の要素と第2の要素が必ずしも直接接触していない実施形態を含んだりすることがあり得る。さらに、本発明は異なる実施例で参照符号(数字及び(または)文字)を繰り返し使用することがある。この繰り返しは簡易性と明確性を目的としており、それ自体が論じられている異なる実施例及び(または)構成間の関係を決定付けることはない。
【0012】
また、「の真下(beneath)」、「の下(below)」、「の下方(lower)」、「の上(above)」、「の上方(upper)」空間的相対語(spatially relative term)は、図面に示されるような1つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明するための記述を容易にするために、本明細書で使用されることがある。空間的相対語は、図面に描写された向きの他に使用または操作における装置の様々な向きを含むことを意図する。装置は異なる方向に向けられて(90度回転されている、または他の向きになっている)もよく、本明細書で使用される空間的相対記述子はそれに応じて解釈されるべきである。
【0013】
本発明の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。但し、いずれの数値もそれらの各試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に包含する。本明細書で使用される「約」という用語は、通常与えられた値または範囲の10%、5%、1%または0.5%以内を指す。または、「約」という用語は、当業者により検討されたとき許容可能な標本平均の標準誤差内を指す。運用例/実施例を除き、またはその他明示的に記載がない限り、ここに開示されている材料の数量、時間の長さ、温度、動作条件、量の割合などについてのすべての数値的範囲、数量、値、割合は、すべての場合において「約」という用語によって修正されると理解されるべきである。したがって、特にそうではないことが示されない限り、本発明及び添付の特許請求の範囲に記述されている数値パラメータは、所望に応じて変動し得る。最後に、各数値的パラメータは、報告された有効な数字の数を考慮し、また通常の概算方法を適用することによって解釈されるべきである。本明細書において範囲は1つの終点からもう1つの終点まで、または2つの終点の間として表される。本明細書に開示されるすべての範囲は、別途そうではない旨の記載がない限り、終点を含む。
【0014】
図1に、射出成型システム100の概略断面図を示す。一部の実施態様において、射出成型システム100は、成型装置101と、プランジャー104と、射出ステーション105を含む。一部の実施態様において、射出ステーション105は成型装置101を受け入れるように構成される。プラットフォーム105aは、成型装置101を配置するように構成される。注入装置105bは、流体または液体を吐出口105cから吐出するように構成される。一部の実施態様において、プラットフォーム105aを貫通して延伸される第1開口部105dが含まれる。一部の実施態様において、注入装置105bは第1開口部105dの上方に配置される。一部の実施態様において、上面から見ると、注入装置105bは第1開口部105dと重なり合う。一部の実施態様において、射出ステーション105はさらにチャンバ105eを含む。プラットフォーム105aと注入装置105bは、チャンバ105eの上方に配置される。成型装置101は射出ステーション105内に配置される。
【0015】
一部の実施態様において、成型装置101は、
図1に示すように、提供または受け入れられる。一部の実施態様において、成型装置101は、金型キャビティ101eと、成型装置101を固定するクランプユニット102を含む。一部の実施態様において、成型装置101は、金型キャビティ101e内において、発泡成形品などの成型品を形成するように構成される。一部の実施態様において、流体または液体が金型キャビティ101e内に注入された後、成型品が一定時間後に金型キャビティ101e内で形成される。
【0016】
一部の実施態様において、金型キャビティ101eは、第1モールドベース101dと、第1モールドベース101dに対応し、その上方に配置された第2モールドベース101cにより定義される。一部の実施態様において、成型装置101はさらに、第1モールドベース101d内に配置された第1金型101bと、第1金型101bに対応し、その上方に配置された第2金型101aを含む。一部の実施態様において、第2金型101aは、寸法、形状などいくつかの構成において、第1金型101bに対応している。第2金型101aは、第1金型101b上に配置され、第1金型101bと係合することができる。一部の実施態様において、金型キャビティ101eは第2金型101aと第1金型101bにより定義される。一部の実施態様において、第2モールドベース101cは、寸法、形状などいくつかの構成において、第1モールドベース101dに対応している。第2モールドベース101cは第1モールドベース101d上方に配置することができる。
【0017】
一部の実施態様において、成型装置101はさらに、第2金型101aと第2モールドベース101cを貫通して延伸される第1通路101fを含む。第1通路101fは、流体または液体が通過できるように構成される。一部の実施態様において、第1通路101fは金型キャビティ101eと連通することができる。
【0018】
一部の実施態様において、第1モールドベース101dはさらに、プランジャー104の少なくとも一部を受け入れるように構成された第2開口部101gを含む。一部の実施態様において、上面から見ると、第2開口部101gは第1開口部105dと重なり合う。一部の実施態様において、流体または液体は、注入力により、吐出口105cを通じて金型キャビティ101e内に押し込まれる。一部の実施態様において、注入力の方向は、注入装置105bから第2開口部101gに向かう方向である。
【0019】
一部の実施態様において、クランプユニット102は、第1モールドベース101dと第2モールドベース101cとの間に配置される。一部の実施態様において、第2モールドベース101cは、クランプユニット102により第1モールドベース101dと結合される。一部の実施態様において、クランプユニット102は、第1金型101bと第2金型101aに隣接する。一部の実施態様において、成型装置101は、複数のクランプユニット102を含む。一部の実施態様において、クランプユニット102は、第2金型101aと第1金型101bに型締力を加えるように構成される。型締力は、第2モールドベース101c上で第1モールドベース101dに向かって、またはその逆に、加えられる。
【0020】
一部の実施態様において、第2金型101aと第1金型101bは、クランプユニット102により提供される型締力によって、相互に係合を維持することができる。つまり、成型装置101は、
図1に示すように、クランプユニット102からの型締力によって、閉鎖構成を維持することができる。一部の実施態様において、型締力は射出成型工程中、連続的に加えることができる。一部の実施態様において、型締力は約5ニュートン(N)から15Nの範囲である。一部の実施態様において、型締力は約10Nである。
【0021】
一部の実施態様において、最初に気体が金型キャビティ101e内に注入され、金型キャビティ101eを所定圧力に維持するために、クランプユニット102により型締力が成型装置101に加えられる。一部の実施態様において、成型装置101は射出成型工程中、クランプユニット102からの型締力によって、閉鎖構成に維持される。
【0022】
一部の実施態様において、吐出口105cから吐出される流体または液体は、高分子材料を含む。一部の実施態様において、高分子材料は、注入装置105bに沿って流動することができ、かつ吐出口105cから吐出することができる。一部の実施態様において、流体または液体は、高分子材料と発泡剤の混合物を含む。一部の実施態様において、流動可能な高分子材料はホットメルトまたはその他適したプロセスにより形成される。ホットメルトの技術的詳細は従来技術であるため、ここでは説明を省略する。
【0023】
一部の実施態様において、高分子材料は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)または類似のものを含む。一部の実施態様において、発泡剤は、当業者の知るところである任意の種類の化学または物理発泡剤とすることができる。一部の実施態様において、発泡剤は超臨界流体である。超臨界流体は、超臨界状態の二酸化炭素や窒素などの不活性ガスを含んでいてもよい。高分子材料と発泡剤の混合の技術的詳細は従来技術であるため、ここでは説明を省略する。
【0024】
一部の実施態様において、成型装置101はさらに、ロック装置103を含む。一部の実施態様において、ロック装置103は、成型装置101をプラットフォーム105a上にロックするように構成される。一部の実施態様において、ロック装置103は、成型装置101の射出ステーション105に対する一時的に係合を促進するように構成される。一部の実施態様において、ロック装置103は金型キャビティ101e内への流体または液体の注入中、成型装置101の移動を阻止するために使用される。ロック装置103は任意の適切な位置に配置することができる。
【0025】
一部の実施態様において、ロック装置103は、成型装置101上に配置された第1ロック部材103aと、プラットフォーム105a上に配置され、第1ロック部材103aに対応する第2ロック部材103bを含む。一部の実施態様において、第1ロック部材103aは第1モールドベース101d上に配置される。一部の実施態様において、第1ロック部材103aと第2ロック部材103bは、相互にクランプまたは係合することができるが、本発明はこれに限定されない。一部の実施態様において、第1ロック部材103aは、第1ロック部材103aと第2ロック部材103bが相互にクランプまたは係合されたとき、第2ロック部材103bと重なり合う。
【0026】
一部の実施態様において、第1ロック部材103aは成型装置101の一部であり、第2ロック部材103bはプラットフォーム105aの一部である。一部の実施態様において、第1ロック部材103aと第2ロック部材103bは相補的に構成されている。一部の実施態様において、第1ロック部材103aは成型装置101から突出され、第2ロック部材103bは第1ロック部材103aを受け入れるように構成される。一部の実施態様において、第2ロック部材103bはプラットフォーム105aから突出され、第1ロック部材103aは第2ロック部材103bを受け入れるように構成される。第1ロック部材103aの位置と数量は要件に応じて調整でき、特に限定されない。第2ロック部材103bの位置と数量は要件に応じて調整でき、特に限定されない。一部の実施態様において、第2ロック部材103bの位置と数量は、第1ロック部材103aの位置と数量に対応する。
【0027】
一部の実施態様において、プランジャー104は、ベース部104aとロッド104bを含む。プランジャー104は押込力を提供するように構成される。一部の実施態様において、プランジャー104は油圧プランジャーである。一部の実施態様において、ロッド104bは伸縮可能である。一部の実施態様において、ロッド104bは垂直方向に移動することができる。一部の実施態様において、プランジャーは約30Nから80Nの範囲で押込力を提供することができる。一部の実施態様において、押込力は約50Nである。
【0028】
一部の実施態様において、プランジャー104は射出ステーション105に対して移動することができる。一部の実施態様において、プランジャー104は射出ステーション105から分離されており、かつ射出ステーション105内へ移動することができる。一部の実施態様において、プランジャー104は移動可能ではなく、初めに射出ステーション105に固定されている。一部の実施態様において、プランジャー104はプラットフォーム105aの下に固定的に配置され、ロッド104bは第1開口部105dに垂直方向に配列される。一部の実施態様において、プランジャー104はチャンバ105eに初めに固定されている。
【0029】
図2は本発明の一部の実施態様に基づく射出成型方法の方法M10を示すフローチャートである。方法M10は、(O101)プラットフォームと、プラットフォーム上方に配置された注入装置を含み、そのうち、プラットフォームが、プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含む射出ステーションを提供する工程と、(O102)成型装置を射出ステーションに搬送して、成型装置を注入装置とプラットフォームとの間に配置し、そのうち、成型装置が、第1金型と、第1金型の上に設置される第2金型と、第1金型及び第2金型により定義される金型キャビティと、を含む工程と、(O103)成型装置とプラットフォームの下方にプランジャーを配置し、そのうち、プランジャーが、ベース部と、成型装置に向かって延伸することができ、かつベース部に向かって収縮することができるロッドと、を含む工程と、(O104)注入装置を成型装置に向かって移動し、金型キャビティと連通させる工程と、(O105)第1開口部を通過し、成型装置に向かってロッドを延伸することにより、成型装置に押込力を加える工程と、(O106)注入装置から金型キャビティ内に成形材料を注入する工程と、を含む。
【0030】
本発明の概念および方法M10を例示するために、様々な実施態様を以下に示す。しかしながら、本発明は特定の実施態様に限定されることを意図していない。さらに、異なる実施態様で例示された要素、条件、またはパラメータは、使用される要素、パラメータ、または条件が矛盾しない限り、組み合わせや変更を通じて異なる実施態様の組み合わせを形成することができる。図示を容易にするために、類似または同一の機能および特性を有する符号は、異なる実施態様および図において繰り返し用いられる。射出成型方法の様々な工程及びそれにより形成された成形品は、様々な構成であり得る。一部の実施態様において、方法M10が
図1に示す射出成型システム100により実施され、
図3~
図8は射出成型方法の様々な段階の概略断面図である。
【0031】
一部の実施態様において、射出成型方法の方法M10は、
図3に示すように、射出ステーション105を提供する工程O101を含む。射出ステーション105は、プラットフォーム105aと、プラットフォーム105aの上方に配置される注入装置105bを含む。一部の実施態様において、プラットフォーム105aはプラットフォーム105aを貫通して延伸される第1開口部105dを含む。
【0032】
一部の実施態様において、射出成型方法の方法M10は、
図3に示すように、成型装置101を射出ステーション105に搬送して、注入装置105bとプラットフォーム105aとの間に成型装置101を配置する工程O102を含む。一部の実施態様において、成型装置101は射出ステーション105内に配置される。一部の実施態様において、成型装置101は少なくとも、第1金型101bと、第1金型101bの上に配置される第2金型101aと、第1金型101b及び第2金型101aにより定義される金型キャビティ101eと、を含む。
【0033】
成型装置101は、
図3に示すように、射出ステーション105に向かって移動され、プラットフォーム105a上に配置される。成型装置101は移動される間、成型装置101はクランプユニット102により閉鎖構成に維持される。一部の実施態様において、金型キャビティ101eは成型装置101の移動中、所定の圧力に維持される。一部の実施態様において、第2金型101aと第1金型101bは、クランプユニット102により提供される型締力によって、相互に係合を維持することができる。一部の実施態様において、型締力は射出成型工程中、連続的に加えることができる。一部の実施態様において、型締力は約5ニュートン(N)から15Nの範囲である。一部の実施態様において、型締力は約10Nである。
【0034】
一部の実施態様において、成型装置101はプラットフォーム105aと係合される。一部の実施態様において、第1ロック部材103aは第2ロック部材103bと垂直方向に配列される。一部の実施態様において、上面から見ると、第2開口部101gは第1開口部105dと重なり合う。
【0035】
一部の実施態様において、注入装置105bの吐出口105cは、成型装置101の第1通路101f上方に配置される。一部の実施態様において、成型装置101をプラットフォーム105a上に配置した後、第1開口部105dと第2開口部101gを含む第2通路104cが形成される。一部の実施態様において、第2通路104cはプラットフォーム105aと第1モールドベース101dを貫通して延伸される。一部の実施態様において、上面から見ると、第1通路101fは第2通路104cと重なり合う。一部の実施態様において、注入装置105bは成型装置101に対して伸縮可能である。一部の実施態様において、上面から見ると、注入装置105bと吐出口105cは第1通路101fと重なり合う。
【0036】
一部の実施態様において、射出成型方法の方法M10は、成型装置101とプラットフォーム105aの下にプランジャー104を配置する工程O103を含む。一部の実施態様において、プランジャー104は、ベース部104aと、成型装置101に向かって延伸することができ、かつベース部104aに向かって収縮することができるロッド104bを含む。一部の実施態様において、方法M10はさらに、流体または液体の注入する前及び注入する間、注入装置105bをロッド104bと整列させる工程を含む。
【0037】
プランジャー104は、
図3に示すように、射出ステーション105に向かって移動され、プラットフォーム105aの下に配置される。一部の実施態様において、プランジャー104は、射出ステーション105内の成型装置101下方に配置される。一部の実施態様において、プランジャー104は移動する間、収縮構成にある。一部の実施態様において、プランジャー104は成型装置101と第1開口部105dの下方に固定的に配置される。一部の実施態様において、プランジャー104のロッド104bは、移動された後において第2通路104cと整列される。一部の実施態様において、プランジャー104は
図3に示すような収縮構成である。一部の実施態様において、プランジャー104は、射出ステーション105内に配置され、かつ成型装置101の下に配置される。一部の実施態様において、プランジャー104はプラットフォーム105a下方に配置される。一部の実施態様において、プランジャー104はチャンバ105e内に配置される。一部の実施態様において、ロッド104bは第1開口部105dと垂直方向に配列される。一部の実施態様において、ロッド104bは第1開口部105dを通過して延伸することができる。一部の実施態様において、ロッド104bが延伸され、かつロッド104bの少なくとも一部が第2開口部101g内に配置される。一部の実施態様において、ロッド104bは、注入装置105b及び吐出口105cと垂直方向に配列される。
【0038】
一部の実施態様において、成型装置101とプランジャー104は、同時に射出ステーション105内へ搬送される。一部の実施態様において、成型装置101とプランジャー104は、成型モジュール106として構成される。一部の実施態様において、成型装置101とプランジャー104は、共に射出ステーション105内に移動される。一部の実施態様において、成型装置101は、
図1に示すように、射出ステーション105内へ移動される前、プランジャー104の上方に配置され、かつプランジャー104に整列される。第1モールドベース101dの第2開口部101gはプランジャー104のロッド104bと垂直方向に配列される。
【0039】
図4は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10の工程O104とO105を示す概略断面図である。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M10は、注入装置105bを成型装置101に向かって移動し、金型キャビティ101eと連通させる工程O104を含む。
【0040】
一部の実施態様において、注入装置105bは、成型装置101とプラットフォーム105aが係合した後、成型装置101に向かって移動される。一部の実施態様において、注入装置105bは、第1ロック部材103aと第2ロック部材103bの係合後、成型装置101に向かって移動される。一部の実施態様において、注入装置105bの吐出口105cは、第1通路101fに係合され、流体または液体が注入装置105bから第1通路101fを介して金型キャビティ101e内へ流動可能とする。
【0041】
一部の実施態様において、射出成型方法の方法M10は、第1開口部105dを通過し、成型装置101に向かってロッド104bを延伸することにより、成型装置101に押込力を加える工程O105を含む。一部の実施態様において、ロッド104bは成型装置101に向かって延伸され、押込力を成型装置101に提供する。一部の実施態様において、ロッド104bが延伸されて第2通路104cを通過し、第1金型101bに接触して第1金型101bを第2金型101aに向かって押圧する。ロッド104bは押込力が加えられる間、成型装置101に接触する。押込力は第2金型101aに向かって第1金型101bに加えられる。一部の実施態様において、上向きの押込力が成型装置101に加えられる。一部の実施態様において、押込力は約30Nから約80Nの範囲である。一部の実施態様において、押込力は約50Nである。第2金型101aと第1金型101bは、押込力が加えられる間、互いに緊密に係合される。一部の実施態様において、
図4に示すように、プランジャー104は延伸構成にある。
【0042】
一部の実施態様において、射出成型方法の方法M10はさらに、注入する前に成型装置101をプラットフォーム105a上にロックする工程を含む。成型装置101は、ロック装置103によりプラットフォーム105aに係合されているため、上向きの押込力に対抗する下向きの反力が成型装置101または第2モールドベース101cから生じる。その結果、成型装置101は、クランプユニット102によって所定の圧力に維持された状態(閉鎖構成の状態)にある成型装置101に比べて、押込力が加えられたときにより高い圧力下に置かれる。一部の実施態様において、押込力は注入装置105bから金型キャビティ101e内への流体または液体の注入する前及び(または)注入する間に提供される。
【0043】
図5は本発明の一部の実施態様に基づく方法M10の工程O106を示す概略断面図である。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M10は、成形材料を注入装置105bから金型キャビティ101e内へ注入する工程O106を含む。一部の実施態様において、流体または液体は成形材料を含む。
【0044】
流体または液体は、
図5に示すように、注入装置105bから吐出され、金型キャビティ101e内へと流入する。一部の実施態様において、流体または液体は金型キャビティ101e内で成形品を形成する。注入装置105bから金型キャビティ101e内への流体または液体の吐出中、プランジャー104は継続的に成型装置101上に押込力を加えることにより、第2金型101aが第1金型101bと係合を維持し、かつ吐出口105cが第1通路101fと係合を維持し続けるようにする。一部の実施態様において、成型装置101の搬送と流体または液体の注入する間に、第1金型101bと第2金型101aをクランプする型締力が加えられる。注入装置105bから金型キャビティ101e内への流体または液体の吐出中、上面から見ると、注入装置105bと吐出口105cが第1通路101f、第2通路104c、ロッド104bと重なり合う。
【0045】
図6は本発明の一部の実施態様に基づく方法M10の工程を示す概略断面図である。一部の実施態様において、
図6に示すように、流体または液体の金型キャビティ101e内への注入が完了する後、注入装置105bが引き離され、成型装置101から離隔される。一部の実施態様において、流体または液体の金型キャビティ101e内への注入が完了する後、ロッド104bがベース部104aに向かって収縮され、ロッド104bが収縮されることで押込力が解除される。吐出口105cが第1通路101fから離脱し、ロッド104bが成型装置101から離隔される。押込力の解除後、成型装置101は継続的に閉鎖構成の状態で所定の圧力下に維持される。
【0046】
図7は本発明の一部の実施態様に基づく方法M10の工程を示す概略断面図である。一部の実施態様において、
図7に示すように、射出成型方法の方法M10はさらに、注入装置105bの離脱及びロッド104bの収縮後、成型装置101を射出ステーション105から離隔して搬送する工程を含む。一部の実施態様において、方法M10はさらに、注入した後、かつ成型装置101を離隔して搬送する前に、成型装置101とプラットフォーム105aのロックを解除する工程を含む。一部の実施態様において、成型装置101を移動して射出ステーション105から離脱する前に、第1ロック部材103aと第2ロック部材103bとの係合が解除される。
【0047】
一部の実施態様において、成型装置101は搬送ベルト、ローラー等の搬送機構により移動され、プラットフォーム105aから離隔される。成型装置101が射出ステーション105の外へ移動されたとき、成型装置101は継続的に閉鎖構成の状態で所定の圧力下に維持される。成型装置101が射出ステーション105の外へ移動される間または移動された後、クランプユニット102により継続的に型締力が成型装置101に加えられる。
【0048】
一部の実施態様において、注入装置105bから金型キャビティ101e内への流体または液体の注入完了後、
図7に示すように、プランジャー104は射出ステーション105から離隔される。一部の実施態様において、注入装置105bから金型キャビティ101e内への流体または液体の注入完了後、成型装置101とプランジャー104は同時に射出ステーション105の外へ搬送される。一部の実施態様において、注入装置105bから金型キャビティ101e内への流体または液体の注入完了後、成型モジュール106は射出ステーション105から離隔される。
【0049】
一部の実施態様において、成型装置101は冷却のために射出ステーション105の外へ移動される。成型装置101は所定の期間冷却され、金型キャビティ101e内で成形品が形成される。一部の実施態様において、成型装置101は成型品の形成後に開かれる。クランプユニット102が解除されることにより、成型装置101が開かれる。第2金型101aと第1金型101bが移動して互いに離隔され、その後金型キャビティ101e内で形成された成型品が得られる。
【0050】
上述したように、成型装置101は注入装置105bから金型キャビティ101e内への流体または液体の注入する間を除き、射出成型工程の過程中所定の圧力下に維持される必要がある。成型装置101は、注入装置105bから金型キャビティ101e内への流体または液体の注入する間のみ、より高い圧力下に置く必要がある。つまり、射出成型工程の過程において、成型装置101に高い圧力または強い力を継続的に維持する必要はない。従って、成型装置101の寿命を向上または延長させることができ、上述の射出成型システム100または方法で消費されるエネルギーを抑制することができ、成型装置101の全体的な寸法または構造の構成をより小型化、軽量化、および単純化することができる。射出成型システムまたは射出成型方法のパフォーマンスをより効率的かつより高速化にすることができる。
【0051】
図8は本発明の一部の実施態様に基づく射出成型方法の方法M20を示すフローチャートである。方法M20は、(O201)キャリアを提供し、そのうち、第1成型装置と第2成型装置がキャリアにより保持される工程と、(O202)プラットフォームと、プラットフォームの上方に配置される注入装置を含む射出ステーションを提供し、そのうち、プラットフォームが、プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含む工程と、(O203)プラットフォームの下方に配置されるプランジャーを提供し、そのうち、プランジャーが、ベース部と、ベース部に対して伸縮可能であるロッドと、を含む工程と、(O204)第1成型装置を射出ステーション内に移動し、第1成型装置を注入装置とプラットフォームとの間に配置する工程と、(O205)第1開口部を通過してロッドを延伸し、第1成型装置に接触させることにより、第1成型装置に押込力を提供する工程と、(O206)注入装置から第1成型装置内に成形材料を注入する工程と、(O207)注入する後に注入装置とロッドを第1成型装置から離脱させる工程と、(O208)第1成型装置を射出ステーションから移動する工程と、(O209)第2成型装置を射出ステーション内に移動し、第2成型装置を注入装置とプラットフォームとの間に配置する工程と、を含む。
【0052】
本発明の概念および方法M20を例示するために、様々な実施態様を以下に示す。しかしながら、本発明は特定の実施態様に限定されることを意図していない。さらに、異なる実施態様で例示された要素、条件、またはパラメータは、使用される要素、パラメータ、または条件が矛盾しない限り、組み合わせや変更を通じて異なる実施態様の組み合わせを形成することができる。図示を容易にするために、類似または同一の機能および特性を有する符号は、異なる実施態様および図において繰り返し用いられる。射出成型方法の様々な段階は、
図9~
図22に示すように、様々な構成であり得る。
【0053】
図9~
図22は、射出成型システム200、300を示す概略上面図である。一部の実施態様において、上述した、または
図1~
図7に示す、射出成型方法M10が、射出成型システム200により実施される。一部の実施態様において、射出成型方法M20は、射出成型システム200または射出成型システム300により実施される。
【0054】
図9と
図10は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M20の射出成型システム200を示す概略上面図である。最初に、一部の実施態様において、
図9に示すように、射出成型方法の方法M20は、キャリア201を提供し、そのうち、第1成型装置101-1と第2成型装置101-2がキャリア201により保持される工程O201を含む。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M20はさらに、プラットフォーム105aと、プラットフォーム105aの上方に配置された注入装置105bを含み、そのうち、プラットフォーム105aが、プラットフォーム105aを貫通して延びる第1開口部105dを含む射出ステーション105を提供する工程O202を含む。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M20は、プラットフォーム105aの下方に配置されたプランジャー104を提供し、そのうち、プランジャー104が、ベース部104aと、ベース部104aに対して伸縮可能であるロッド104bと、を含む工程O203を含む。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M20は、第1成型装置101-1を射出ステーション105内に移動し、第1成型装置101-1を注入装置105bとプラットフォーム105aとの間に配置する工程O204を含む。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M20は、第1開口部105dを通過してロッド104bを延伸し、第1成型装置101-1に接触させることにより、第1成型装置101-1に押込力を提供する工程O205を含む。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M20は、注入装置105bから第1成型装置101-1内に成形材料を注入する工程O206を含む。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M20は、注入後に注入装置105bとロッド104bを第1成型装置101-1から離脱させる工程O207を含む。
【0055】
一部の実施態様において、
図9に示すように、
図1と
図3~7に示す射出成型システム100のような射出成型システムは、回転可能なキャリア201内に配置される。一部の実施態様において、各第1成型装置101-1と第2成型装置101-2は、上述または
図1及び
図3~
図7に示された成型装置101に類似する構成である。一部の実施態様において、射出ステーション105は、上述または
図1及び
図3~
図7に示されたものに類似する構成である。一部の実施態様において、プランジャー104は、上述または
図1及び
図3~
図7に示されたものに類似する構成である。
【0056】
一部の実施態様において、複数の成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10がキャリア201の上に配置される。一部の実施態様において、キャリア201は、成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10または成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10の一部を保持するための複数のホルダー201aを含む。キャリア201は任意の適切な数のホルダー201aを含むことができると容易に理解される。一部の実施態様において、各ホルダー201aが対応する成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10を保持することができる。例えば、
図9に示すように、第1成型装置101-1と第2成型装置101-2は、2つのホルダー201aによってそれぞれ保持される。一部の実施態様において、ホルダー201aの数は、成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10の数以上である。
【0057】
射出ステーション105は、キャリア201にわたって配置され、複数の成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10がキャリア201の上に配置される。一部の実施態様において、キャリア201の一部が射出ステーション105内に配置される。
【0058】
一部の実施態様において、キャリア201の一部がプラットフォーム105aと注入装置105bとの間に配置される。成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10はキャリア201の回転により1つずつ射出ステーション105内に搬送される。例えば、第1成型装置101-1が移動されて射出ステーション105のプラットフォーム105aの上に配置され、その後上述または
図1及び
図3~
図7に示された射出成型方法M10が第1成型装置101-1において実施される。一部の実施態様において、第1成型装置101-1はキャリア201の回転により射出ステーション105内へ移動される。一部の実施態様において、キャリア201は、搬送中の成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10の振動が最小限となるため、または防止されるように、適切な速度で、または適切な力で、回転される。一部の実施態様において、キャリア201は、隣接するホルダー201aと間の角度距離など、所定の間隔ずつ回転される。一部の実施態様において、キャリア201は、キャリア201の中心C1の周りを回転することができる。
【0059】
一部の実施態様において、方法M20は、キャリア201が静止している間に、プランジャー104を移動してキャリア201と射出ステーション105の下方に配置する、またはプランジャー104が静止している間に、キャリア201を移動することによりプランジャー104がキャリア201の下方に配置される工程を含む。一部の実施態様において、プランジャー104は、プラットフォーム105aの上への第1成型装置101-1の配置前または配置後に、射出ステーション105内に移動され、プラットフォーム105aの下方に配置される。一部の実施態様において、射出ステーション105とプランジャー104は移動することができ、キャリア201は静止している。一部の実施態様において、プランジャー104は、プラットフォーム105a上への第1成型装置101-1の配置前に、キャリア201下方に固定的に配置される。一部の実施態様において、プランジャー104は、第1成型装置101-1のプラットフォーム105a上への配置前に、射出ステーション105内に固定的に配置される。一部の実施態様において、プラットフォーム105aはキャリア201下方に固定的に配置され、注入装置105bはキャリア201上方に固定的に配置され、かつ上面から見ると、第1開口部105dと重なり合う。キャリア201は射出ステーション105に対して相対的に移動することができ、射出ステーション105はキャリア201に対して相対的に静止している。
【0060】
一部の実施態様において、
図10に示すように、射出成型方法の方法M20は、射出ステーション105から第1成型装置101-1を移動する工程O208を含む。さらに、射出成型方法の方法M20は、第2成型装置101-2を射出ステーション105内に移動し、第2成型装置101-2を注入装置105bとプラットフォーム105aとの間に配置する工程O209を含む。
【0061】
射出成型方法M10の完了後、一部の実施態様において、射出ステーション105内の第1成型装置101-1はキャリア201の回転により射出ステーション105の外へ移動される。同時に、第1成型装置101-1に隣接する第2成型装置101-2が射出ステーション105内へ移動される。上述した、または
図1及び
図3~
図7に示す、射出成型方法M10は、第2成型装置101-2について実施される。
【0062】
一部の実施態様において、キャリア201は円環形である。一部の実施態様において、キャリア201はターンテーブルである。一部の実施態様において、キャリア201は時計回り方向または反時計回り方向に回転することができる。
【0063】
図11と
図12は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M20の射出成型システム300を示す概略上面図である。一部の実施態様において、
図11と
図12に示すように、射出成型システム300は、搬送ベルト202を含み、複数の成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5が搬送ベルト202により搬送される。一部の実施態様において、射出ステーション105は搬送ベルト202の一部にわたって配置され、 成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5が搬送ベルト202上に配置される。一部の実施態様において、搬送ベルト202の一部がプラットフォーム105aと注入装置105bとの間に配置される。一部の実施態様において、成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5のいずれかが、プラットフォーム105aと注入装置105bとの間に配置される。
【0064】
一部の実施態様において、
図11に示すように、
図1及び
図3~7に示す射出成型システム100のような射出成型システムは、搬送ベルト202内に配置される。一部の実施態様において、各第1成型装置101-1と第2成型装置101-2は、上述または
図1及び
図3~
図7に示された成型装置101に類似する構成である。一部の実施態様において、射出ステーション105は、上述または
図1及び
図3~
図7に示されたものに類似する構成である。一部の実施態様において、プランジャー104は、上述または
図1及び
図3~
図7に示されたものに類似する構成である。
【0065】
成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5は搬送ベルト202の移動により1つずつ射出ステーション105内に搬送される。例えば、第1成型装置101-1が移動されて射出ステーション105のプラットフォーム105aの上に配置され、その後上述または
図2~
図7に示された射出成型方法M10が実施される。一部の実施態様において、プランジャー104は、プラットフォーム105a上への第1成型装置101-1の配置前または配置後に、射出ステーション105内に移動され、プラットフォーム105a下方に配置される。
【0066】
一部の実施態様において、搬送ベルト202は、成型装置または成型装置の一部を保持するための複数のホルダー202aを含む。搬送ベルト202は任意の適切な数のホルダー202aを含むことができると容易に理解される。一部の実施態様において、各ホルダー202aは対応する成型装置101を保持することができる。例えば、
図11に示すように、第1成型装置101-1と第2成型装置101-2は、2つのホルダー202aによってそれぞれ保持される。一部の実施態様において、ホルダー202aの数は、成型装置101の数以上である。
【0067】
射出成型方法M10の完了後、
図12に示すように、射出ステーション105内の第1成型装置101-1は搬送ベルト202の移動により射出ステーション105の外へ移動される。同時に、第2成型装置101-2など、別の成型装置101が射出ステーション105内に移動される。上述した、または
図2~
図7に示す、射出成型方法M10は、第2成型装置101-2について実施される。一部の実施態様において、搬送ベルト202は線形である。
【0068】
図13と
図14は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M20の射出成型システム200を示す概略上面図である。一部の実施態様において、
図13と
図14に示すように、射出ステーション105はキャリア201の外部に配置される。一部の実施態様において、プランジャー104はキャリア201の外部に配置され、上面から見ると、注入装置105bと重なり合う。一部の実施態様において、
図13に示すように、キャリア201は回転して第1成型装置101-1を射出ステーション105とプランジャー104に隣接する位置に移動させる。一部の実施態様において、
図14に示すように、その後第1成型装置101-1は、ローラー、搬送ベルト等の搬送機構により、キャリア201から射出ステーション105に搬送される。
【0069】
キャリア201から射出ステーション105に第1成型装置101-1を搬送した後、第1成型装置101-1、プランジャー104、射出ステーション105が、
図3~
図7に示す射出成型システム100に類似する構成となる。第1成型装置101-1は、キャリア201から射出ステーション105に移動された後、射出ステーション105のプラットフォーム105a上に配置され、その後上述した、または
図2~
図7に示すように、射出成型方法M10が第1成型装置101-1について実施される。射出成型方法M10の完了後、第1成型装置101-1は射出ステーション105の外へ移動され、
図13に示すように、キャリア201へ戻される。
【0070】
第1成型装置101-1がキャリア201へ戻された後、キャリア201の回転により、第1成型装置101-1が移動され、射出ステーション105から離隔される。同時に、第2成型装置101-2など、別の成型装置101が、キャリア201の回転により、射出ステーション105に向かって移動される。
【0071】
図15と
図16は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M20の射出成型システム300を示す概略上面図である。一部の実施態様において、
図15と
図16に示すように、射出ステーション105は搬送ベルト202の外部に配置される。一部の実施態様において、プランジャー104はキャリア201の外部に配置され、上面から見ると、注入装置105bと重なり合う。一部の実施態様において、
図15に示すように、搬送ベルト202は第1成型装置101-1を搬送し、第1成型装置101-1を射出ステーション105とプランジャー104に隣接する位置に移動させる。一部の実施態様において、
図16に示すように、第1成型装置101-1は、ローラー、搬送ベルト等の搬送機構により、搬送ベルト202から射出ステーション105に搬送される。
【0072】
搬送ベルトから射出ステーション105に第1成型装置101-1を搬送した後、第1成型装置101-1、プランジャー104、射出ステーション105が、
図1及び
図3~
図7に示す射出成型システム100に類似する構成となる。第1成型装置101-1は、搬送ベルト202の外へ移動された後、射出ステーション105のプラットフォーム105aの上に配置され、その後上述した、または
図2~
図7に示すように、射出成型方法M10が第1成型装置101-1に対して実施される。射出成型方法M10の完了後、第1成型装置101-1は射出ステーション105の外へ移動され、
図15に示すように、搬送ベルト202へ戻される。
【0073】
第1成型装置101-1が搬送ベルト202へ戻された後、搬送ベルト202の移動により、第1成型装置101-1が移動され、射出ステーション105から離隔される。同時に、第2成型装置101-2など、別の成型装置101が、搬送ベルト202の移動により、搬送ベルト202に向かって移動される。一部の実施態様において、
図15に示すように、成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5は搬送ベルト202により線形に移動することができる。
【0074】
図17と
図1は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M20の射出成型システム200、300を示す概略上面図である。一部の実施態様において、
図17に示すように、各成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10と対応するプランジャー104が1つの成型モジュール106として構成される。つまり、成型装置101と対応するプランジャー104は、射出ステーション105内に共に移動される。一部の実施態様において、射出ステーション105内に移動される前、成型装置101はプランジャー104の上方に、上面から見て重なり合うように配置される。一部の実施態様において、第1モールドベース101dの第2開口部101gは、上面から見ると、対応するプランジャー104のロッド104bと重なり合う。一部の実施態様において、各プランジャー104は、キャリア201の回転により、対応する成型装置101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10と共に移動される。
【0075】
一部の実施態様において、
図17に示すように、射出ステーション105はキャリア201にわたって配置され、複数の成型モジュール106がキャリア201内に配置される。一部の実施態様において、成型モジュール106のいずれかが射出ステーション105内に配置される。成型モジュール106は、キャリア201の回転により1つずつ射出ステーション105内に搬送される。例えば、第1成型装置101-1と対応するプランジャー104が移動されて射出ステーション105内に配置され、その後上述した、または
図2~
図7に示す射出成型方法M10が、第1成型装置101-1を含む成型モジュール106に対して実施される。
【0076】
同様に、一部の実施態様において、
図18に示すように、射出ステーション105が搬送ベルト202にわたって配置され、複数の成型モジュール106が搬送ベルト202の上に配置される。一部の実施態様において、成型モジュール106のいずれかが射出ステーション105内に配置される。成型モジュール106は、搬送ベルト202の移動により1つずつ射出ステーション105内に搬送される。例えば、第1成型装置101-1と対応するプランジャー104は搬送ベルト202から外へ移動された後、射出ステーション105のプラットフォーム105aの上に配置され、その後上述した、または
図2~
図7に示す射出成型方法M10が、第1成型装置101-1を含む成型モジュール106に実施される。
【0077】
一部の実施態様において、
図19と
図20に示すように、射出ステーション105はキャリア201の外部に配置される。一部の実施態様において、キャリア201は第1成型装置101-1を含む成型モジュール106を回転させて射出ステーション105に隣接する位置に移動する。
図20に示すように、第1成型装置101-1を含む成型モジュール106は、ローラー、搬送ベルト等の搬送機構により、キャリア201から射出ステーション105に搬送される。第1成型装置101-1を含む成型モジュール106は、キャリア201の外へ移動された後、射出ステーション105のプラットフォーム105a上に配置され、その後上述した、または
図2~
図7に示す射出成型方法M10が、第1成型装置101-1を含む成型モジュール106に実施される。射出成型方法M10の完了後、第1成型装置101-1を含む成型モジュール106は射出ステーション105の外へ移動され、
図19に示すように、キャリア201へ戻される。
【0078】
一部の実施態様において、
図21と
図22に示すように、射出ステーション105は 搬送ベルト202の外部に配置される。一部の実施態様において、搬送ベルト202は第1成型装置101-1を含む成型モジュール106を射出ステーション105に隣接する位置に移動する。
図22に示すように、第1成型装置101-1を含む成型モジュール106は、ローラー、搬送ベルト等の搬送機構により、搬送ベルト202から射出ステーション105に搬送される。第1成型装置101-1を含む成型モジュール106は、搬送ベルト202の外へ移動された後、射出ステーション105のプラットフォーム105a上に配置され、その後上述した、または
図2~
図7に示す射出成型方法M10が、第1成型装置101-1を含む成型モジュール106に実施される。射出成型方法M10の完了後、第1成型装置101-1を含む成型モジュール106は射出ステーション105の外へ移動され、
図21に示すように、搬送ベルト202へ戻される。
【0079】
本発明の一側面は、射出ステーションと、成型装置と、プランジャーを含む射出成型システムに関する。上記射出ステーションは、プラットフォームと、上記プラットフォームの上方に配置された注入装置を含み、そのうち、上記プラットフォームが、上記プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含む。上記成型装置は、上記プラットフォームと上記注入装置との間で、かつ上記第1開口部の上方に配置され、そのうち、上記成型装置が、金型キャビティと、上記成型装置を固定するクランプユニットを含む。上記プランジャーは、上記プラットフォームの下方に配置され、そのうち、上記プランジャーが、ベース部と、ロッドを含み、上記ロッドが上記第1開口部を通過して上記成型装置に向かって延伸することができ、かつ上記ベースに向かって収縮することができる。
【0080】
一部の実施態様において、上記プランジャーは上記射出ステーションに対して移動することができる。一部の実施態様において、上記ロッドは上記注入装置と垂直方向に配列される。一部の実施態様において、上記金型キャビティは、第1モールドベースと、上記第1モールドベースに対応し、その上方に配置される第2モールドベースにより定義され、そのうち、上記成型装置がさらに、上記第1モールドベース内に配置された第1金型と、上記第1金型に対応し、その上方に配置された第2金型を含む。一部の実施態様において、上記第1モールドベースは、上記ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成された第2開口部を含み、上面から見ると、上記第2開口部が上記第1開口部と重なり合う。一部の実施態様において、上記ロッドは上記第2開口部を通過して延伸することができる。一部の実施態様において、上記射出成型システムはさらに、上記プラットフォーム上の上記成型装置をロックするように構成されるロック装置を含み、そのうち、上記ロック装置が、上記成型装置上に配置される第1ロック部材と、上記プラットフォーム上に配置され、上記第1ロック部材に対応する第2ロック部材を含む。
【0081】
本発明の一側面は、射出成型方法に関する。上記方法が、プラットフォームと、上記プラットフォーム上方に配置される注入装置を含み、そのうち、上記プラットフォームが、上記プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含む射出ステーションを提供する工程と、上記射出ステーションに成型装置を搬送して、上記注入装置と上記プラットフォームとの間に上記成型装置を配置し、そのうち、上記成型装置が、第1金型と、上記第1金型の上に配置される第2金型と、上記第1金型及び上記第2金型により定義される金型キャビティと、を含む工程と、上記成型装置と上記プラットフォームの下方にプランジャーを配置し、そのうち、上記プランジャーが、ベース部と、上記成型装置に向かって延伸することができ、かつ上記ベース部に向かって収縮することができるロッドと、を含む工程と、上記注入装置を上記成型装置に向かって移動し、上記金型キャビティと連通させる工程と、上記第1開口部を通過し、上記成型装置に向かって上記ロッドを延伸することにより、上記成型装置に押込力を加える工程と、上記注入装置から上記金型キャビティ内に成形材料を注入する工程と、を含む。
【0082】
一部の実施態様において、上記方法はさらに、注入の前に上記プラットフォーム上に上記成型装置をロックする工程と、注入後上記プラットフォームから上記成型装置のロックを解除する工程と、注入後に上記注入装置を上記成型装置から離脱させる工程と、注入後に上記ロッドを上記ベース部に向かって収縮させる工程と、収縮後に上記プランジャーを移動して上記射出ステーションから離隔させる工程と、上記注入装置の離脱と上記ロッドの収縮後、上記成型装置を搬送して上記射出ステーションから離隔させる工程と、を含む。
【0083】
一部の実施態様において、上記成型装置と上記プランジャーは同時に上記射出ステーション内へ搬送される。一部の実施態様において、上記ロッドは上記押込力が加えられる間、上記成型装置に接触される。一部の実施態様において、上記方法はさらに、成型材料の注入する前及び注入する間、上記注入装置を上記ロッドと整列させる工程を含む。一部の実施態様において、上記プランジャーは上記成型装置と上記第1開口部下方に固定的に配置される。一部の実施態様において、上記方法はさらに、上記成型装置の搬送と上記成型材料の注入する間に、上記第1金型と上記第2金型をクランプする型締力を提供する工程を含む。
【0084】
本発明の一側面は、射出成型方法に関する。上記方法は、キャリアを提供し、そのうち、第1成型装置と第2成型装置が上記キャリアにより保持される工程と、プラットフォームと、上記プラットフォームの上方に配置される注入装置を含む射出ステーションを提供し、そのうち、上記プラットフォームが、上記プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含む工程と、上記プラットフォームの下方に配置されたプランジャーを提供し、そのうち、上記プランジャーが、ベース部と、上記ベース部に対して伸縮可能であるロッドと、を含む工程と、上記第1成型装置を上記射出ステーション内に移動し、上記第1成型装置を上記注入装置と上記プラットフォームとの間に配置する工程と、上記第1開口部を通過して上記ロッドを延伸し、上記成型装置に接触させることにより、上記第1成型装置に押込力を提供する工程と、上記注入装置から上記第1成型装置内に成形材料を注入する工程と、注入後に上記注入装置と上記ロッドを上記第1成型装置から離脱させる工程と、上記第1成型装置を上記射出ステーションから移動する工程と、上記第2成型装置を上記射出ステーション内に移動し、上記第2成型装置を上記注入装置と上記プラットフォームとの間に配置する工程と、を含む。
【0085】
一部の実施態様において、上記方法はさらに、上記第1開口部を通過して上記ロッドを延伸し、上記第2成型装置に接触させることにより、上記第2成型装置に上記押込力を提供する工程と、上記注入装置から上記第2成型装置内に上記成形材料を注入する工程と、注入後に上記注入装置と上記ロッドを上記第2成型装置から離脱させる工程と、上記第2成型装置を移動させ、上記射出ステーションから離隔する工程と、を含む。
【0086】
一部の実施態様において、上記プラットフォームは上記キャリア下方に固定的に配置され、上記注入装置は上記キャリア上方に固定的に配置され、かつ上面から見ると、上記第1開口部と重なり合う。一部の実施態様において、上記第1成型装置と上記第2成型装置は上記キャリアの回転により上記射出ステーション内へ移動される。一部の実施態様において、上記方法はさらに、上記キャリアが静止している間に、上記プランジャーを移動して上記キャリアと上記射出ステーションの下方に配置する、または上記プランジャーが静止している間に、上記キャリアを移動して上記プランジャーを上記キャリアの下方に配置する工程を含む。一部の実施態様において、上記射出ステーションと上記プランジャーは移動することができ、上記キャリアは静止している。
【0087】
前述の説明は当業者が本発明の態様をより理解できるようにいくつかの実施態様の特徴を概説したものである。当業者は本発明を基礎として使用し、ここで説明した実施態様と同じ目的を実行する、及び(または)同じ利点を達成するために、他のプロセス及び構造の設計または変更を行うことができるであろう。また、当業者はそのような同等の構造が本発明の要旨と範囲を逸脱しておらず、また本発明の要旨と範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変更、置換、および改変が可能であることを理解すべきであろう。
【0088】
さらに、本発明の範囲は、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、および本明細書に記載のステップの特定の実施態様に限定されるものではない。当業者であれば本発明の開示から容易に理解するように、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップは、現在既存のまたは後に開発される、実質的に同じ機能を果たすか、本発明に従って利用することができるような本明細書に記載の対応する実施態様のように、実質的に同じ結果を達成する。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内にそのようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップを含むことを意図している。
【符号の説明】
【0089】
100、200、300 射出成型システム
101、101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10 成型装置
101a 第2金型
101b 第1金型
101c 第2モールドベース
101d 第1モールドベース
101e 金型キャビティ
101f 第1通路
101g 第2開口部
102 クランプユニット
103 ロック装置
103a 第1ロック部材
103b 第2ロック部材
104 プランジャー
104a ベース部
104b ロッド
105 射出ステーション
105a プラットフォーム
105b 注入装置
105c 吐出口
105d 第1開口部
105e チャンバ
106 成型モジュール
201 キャリア
201a ホルダー
202 搬送ベルト
202a ホルダー
C1 中心
M10、M20 方法