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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080651
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220523BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20220523BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220523BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20220523BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/00 300
G06Q30/06 312
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191849
(22)【出願日】2020-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】518388498
【氏名又は名称】株式会社MaaS Tech Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】日高 洋祐
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB53
5L049CC11
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】ユーザに乗合による移動手段の利用を促す。
【解決手段】プログラムがコンピュータを、ユーザ毎に、イベント情報を含む将来のスケジュールを記憶する記憶手段50、ソーシャルネットワーキングサービスから、ユーザ同士の関係性を取得する取得手段52、第一ユーザのスケジュールに含まれる第一イベント情報と、当該第一ユーザとの関係性が第一所定条件を満たす第二ユーザのスケジュールに含まれる第二イベント情報とが第二所定条件を満たしている場合、当該第一ユーザと当該第二ユーザとを含むグループを作成する作成手段54、グループに含まれる各ユーザの端末装置12に対して、当該グループでの乗合移動を提案する提案手段56、として機能させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザ毎に、イベント情報を含む将来のスケジュールを記憶する記憶手段、
ソーシャルネットワーキングサービスから、ユーザ同士の関係性を取得する取得手段、
第一ユーザの前記スケジュールに含まれる第一イベント情報と、当該第一ユーザとの関係性が第一所定条件を満たす第二ユーザの前記スケジュールに含まれる第二イベント情報とが第二所定条件を満たしている場合、当該第一ユーザと当該第二ユーザとを含むグループを作成する作成手段、
前記グループに含まれる各ユーザの端末装置に対して、当該グループでの乗合移動を提案する提案手段、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記イベント情報は、イベントの名称を含み、
前記第二所定条件は、前記第一イベント情報に含まれる前記名称と、前記第二イベント情報に含まれる前記名称が、共通することである、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記イベント情報は、イベントの開催日時を含み、
前記第二所定条件は、前記第一イベント情報に含まれる開催日時と、前記第二イベント情報に含まれる開催日時が、同一の期間に含まれることである、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記イベント情報は、イベントの開催地を含み、
前記第二所定条件は、前記第一イベント情報に含まれる開催地と、前記第二イベント情報に含まれる開催地が、同一の地域に含まれることである、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記イベント情報は、イベントの往路及び復路の移動経路を含み、
前記第二所定条件は、前記第一イベント情報に含まれる往路又は復路の移動経路と、前記第二イベント情報に含まれる往路又は復路の移動経路のうち、少なくとも一部の移動経路が共通することであって、
前記提案手段は、前記共通する移動経路において、前記グループでの乗合移動を提案する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記イベント情報は、ユーザがイベントの往路及び復路において乗合を許容する他のユーザとのソーシャルネットワーキングサービスにおける関係性を含む乗合許容条件を含み、
前記第一所定条件は、前記第一イベント情報に含まれる第一乗合許容条件を満たすことである、
請求項1乃至5の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第二所定条件は、前記第一ユーザと前記第二ユーザとの関係性が、前記第二イベント情報に含まれる第二乗合許容条件を満たすことである、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記提案手段は、前記グループに含まれるユーザの数に応じて、利用すべき移動手段を提案する、
請求項1乃至7の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記イベント情報は、イベントの往路及び復路におけるユーザの荷物量を含み、
前記提案手段は、前記グループに含まれるユーザぞれぞれの荷物量に応じて、利用すべき移動手段を提案する、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
ユーザ毎に、イベント情報を含む将来のスケジュールを記憶する記憶手段と、
ソーシャルネットワーキングサービスから、ユーザ同士の関係性を取得する取得手段と、
第一ユーザの前記スケジュールに含まれる第一イベント情報と、当該第一ユーザとの関係性が第一所定条件を満たす第二ユーザの前記スケジュールに含まれる第二イベント情報とが第二所定条件を満たしている場合、当該第一ユーザと当該第二ユーザとを含むグループを作成する作成手段と、
前記グループに含まれる各ユーザの端末装置に対して、当該グループでの乗合移動を提案する提案手段と、
を備える情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のユーザが同乗する相乗りタクシーが知られている。
【0003】
これに関し、非特許文献1には、ユーザが乗車地や目的地等を入力することにより、同乗予定者を検索して、各ユーザが相乗りに同意すると、タクシーが順番に迎車する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】JapanTaxi株式会社、“空間も、お金も、相乗り。相乗りタクシー”、[online]、平成30年3月11日、[令和2年11月10日検索]、インターネット<URL:https://ainori.japantaxi.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、ユーザは、相乗り相手を指定することはできなかった。このため、乗合による移動手段の利用を敬遠するユーザが存在するという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザに乗合による移動手段の利用を促すことができるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザ毎に、イベント情報を含む将来のスケジュールを記憶する記憶手段、ソーシャルネットワーキングサービスから、ユーザ同士の関係性を取得する取得手段、第一ユーザの前記スケジュールに含まれる第一イベント情報と、当該第一ユーザとの関係性が第一所定条件を満たす第二ユーザの前記スケジュールに含まれる第二イベント情報とが第二所定条件を満たしている場合、当該第一ユーザと当該第二ユーザとを含むグループを作成する作成手段、前記グループに含まれる各ユーザの端末装置に対して、当該グループでの乗合移動を提案する提案手段、として機能させる。
【0008】
また、本発明の第二態様では、前記イベント情報は、イベントの名称を含み、前記第二所定条件は、前記第一イベント情報に含まれる前記名称と、前記第二イベント情報に含まれる前記名称が、共通することである。
【0009】
また、本発明の第三態様では、前記イベント情報は、イベントの開催日時を含み、前記第二所定条件は、前記第一イベント情報に含まれる開催日時と、前記第二イベント情報に含まれる開催日時が、同一の期間に含まれることである。
【0010】
また、本発明の第四態様では、前記イベント情報は、イベントの開催地を含み、前記第二所定条件は、前記第一イベント情報に含まれる開催地と、前記第二イベント情報に含まれる開催地が、同一の地域に含まれることである。
【0011】
また、本発明の第五態様では、前記イベント情報は、イベントの往路及び復路の移動経路を含み、前記第二所定条件は、前記第一イベント情報に含まれる往路又は復路の移動経路と、前記第二イベント情報に含まれる往路又は復路の移動経路のうち、少なくとも一部の移動経路が共通することであって、前記提案手段は、前記共通する移動経路において、前記グループでの乗合移動を提案する。
【0012】
また、本発明の第六態様では、前記イベント情報は、ユーザがイベントの往路及び復路において乗合を許容する他のユーザとのソーシャルネットワーキングサービスにおける関係性を含む乗合許容条件を含み、前記第一所定条件は、前記第一イベント情報に含まれる第一乗合許容条件を満たすことである。
【0013】
また、本発明の第七態様では、前記第二所定条件は、前記第一ユーザと前記第二ユーザとの関係性が、前記第二イベント情報に含まれる第二乗合許容条件を満たすことである。
【0014】
また、本発明の第八態様では、前記提案手段は、前記グループに含まれるユーザの数に応じて、利用すべき移動手段を提案する。
【0015】
また、本発明の第九態様では、前記イベント情報は、イベントの往路及び復路におけるユーザの荷物量を含み、前記提案手段は、前記グループに含まれるユーザぞれぞれの荷物量に応じて、利用すべき移動手段を提案する。
【0016】
また、本発明の第十態様に係る情報処理装置は、ユーザ毎に、イベント情報を含む将来のスケジュールを記憶する記憶手段と、ソーシャルネットワーキングサービスから、ユーザ同士の関係性を取得する取得手段と、第一ユーザの前記スケジュールに含まれる第一イベント情報と、当該第一ユーザとの関係性が第一所定条件を満たす第二ユーザの前記スケジュールに含まれる第二イベント情報とが第二所定条件を満たしている場合、当該第一ユーザと当該第二ユーザとを含むグループを作成する作成手段と、前記グループに含まれる各ユーザの端末装置に対して、当該グループでの乗合移動を提案する提案手段と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザに乗合による移動手段の利用を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の本実施形態に係る情報提供システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図1に示すサーバ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る情報提供システムにおいて、図3に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】端末装置の画面に表示される乗合提案ページの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0020】
<全体構成>
図1は、本発明の本実施形態に係る情報提供システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、情報提供システム1は、サーバ装置10と、複数の端末装置12と、を備える。これらの装置は、インターネットや電話回線網等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に構成されている。
【0022】
サーバ装置10は、情報提供に関する各種制御を行う情報処理装置(コンピュータ)である。
【0023】
端末装置12は、ユーザが操作する情報処理装置である。ユーザは、この端末装置12を操作してサーバ装置10にアクセスする。端末装置12は、例えば、第一端末装置12Aと、第二端末装置12Bと、を含む。端末装置12としては、携帯電話やスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0024】
第一端末装置12Aは、ユーザAが操作する装置である。
【0025】
第二端末装置12Bは、ユーザBが操作する装置である。
【0026】
<ハードウェア構成>
図2は、図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0028】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0029】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、端末装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0030】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。記憶装置28は、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0031】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。また、複数の端末装置12のハードウェア構成も、例えば操作手段や表示装置等を備える他は、サーバ装置10と同様の構成を備えることができる。
【0032】
<機能的構成>
図3は、図1に示すサーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図3に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段50と、取得手段52と、作成手段54と、提案手段56と、を備える。
【0034】
記憶手段50は、例えば、ウェブページ50Aと、交通情報50Bと、ユーザ情報50Cと、スケジュール50Dと、を記憶する機能手段である。
【0035】
ウェブページ50Aは、ログインページやスケジュール登録ページ、後述する乗合提案ページ等の複数のウェブページを含む。
交通情報50Bは、例えば日本全国にある交通機関(移動手段)の識別情報や名称、ノード(駅やバス停、交差点)とリンク(経路)の識別情報、サービス提供地域、料金、乗車定員、営業所の所在地、連絡先等を含む。この交通機関は、電車やバス、船、飛行機等に加えて、乗合移動が可能なタクシーやレンタカー(カーシェア)等を含む。
ユーザ情報50Cは、ユーザ毎の識別情報に対応付けて、ユーザそれぞれのユーザ名やログインID、パスワード、性別、年齢、出身校、職業、住所(自宅や職場)、連絡先、連携情報等を含む。連絡先としては、電話番号や、メールアドレス、メッセージアプリケーションのユーザID等が挙げられる。連携情報は、ユーザが利用するソーシャルネットワーキングサービスの識別情報に対応付けて、アクセス権限(アクセストークン)を含む。アクセス権限は、例えば、取得手段52がソーシャルネットワーキングサービスのAPIに対してユーザに関する情報(例えば他のユーザとの関係性)を取得要求する際に必要となる。このアクセス権限は、例えば、取得手段52が当該ソーシャルネットワーキングサービスのサーバ装置からユーザに関する情報を取得すること、すなわち、情報提供システム1が当該ソーシャルネットワーキングサービスと連携すること、を当該ユーザが承諾することにより認可サーバ装置によって生成及び付与される。なお、ユーザ情報50Cに含まれる情報は、ユーザが利用するソーシャルネットワーキングサービスから取得することとしてもよい。
スケジュール50Dは、ユーザ毎に設けられ、ユーザの将来におけるスケジュール(予定)を含む。例えば、スケジュール50Dは、イベント情報を含む。イベント情報は、イベントの名称や開催日時、開催地、乗合許容条件、往路及び復路の移動経路、往路及び復路の荷物量等を含む。このイベントとしては、例えば結婚式の出席や旅行、帰省、音楽イベント、スポーツイベント等が挙げられる。開催日時は、イベントの開始日時と終了日時を含む。開催地は、イベントが開催される場所の住所や郵便番号、緯度および経度を含む。乗合許容条件は、例えば、ユーザがイベントの往路及び復路において乗合を許容する他のユーザとのソーシャルネットワーキングサービスにおける関係性を含む。この関係性としては、例えば、誰でもよい(フルオープン)、友達であること、友達の友達であること、特定の友達(例えば結婚式の新婦)の友達であること、メッセージ送信回数が所定回数以上であること、コメント回数が所定回数以上であること、これらの組み合わせ等が挙げられる。移動経路は、イベントの開催日時の前後(往路及び復路)における出発日時と到着日時、出発地点から到着地点までの間に利用するリンク(経路)と移動手段、利用料金等を含む。この移動手段としては、自家用車やタクシー、電車、バス等が挙げられる。荷物量は、イベントの往路及び復路におけるユーザの荷物量(容量)を含む。この荷物量は、例えばスーツケースの個数を含む。なお、ユーザ毎のスケジュール(予定)は、ユーザが利用するソーシャルネットワーキングサービスから取得することとしてもよい。
このイベント情報に含まれる各種情報は、例えば上述したスケジュール登録ページにおいて、ユーザによってそれぞれ登録される。なお、以下では、第一ユーザが登録したイベント情報を第一イベント情報、第二ユーザが登録したイベント情報を第二イベント情報という。
【0036】
取得手段52は、各種情報を取得する機能手段である。本実施形態では、取得手段52は、ユーザが利用するソーシャルネットワーキングサービスから、ユーザ同士(ユーザと他のユーザ)の関係性を取得する。この関係性は、例えばユーザ同士が、友達であること、友達の友達であること、メッセージ送信回数、投稿にコメントや「いいね」をした回数等を含む。
【0037】
作成手段54は、複数のユーザを含むグループを作成する機能手段である。本実施形態では、作成手段54は、取得手段52が取得した関係性に基づき、第一イベント情報を登録した第一ユーザとの関係性が第一所定条件を満たす第二ユーザを抽出する。この第一所定条件としては、例えば「友達」又は「友達の友達」であることや、第一イベント情報に含まれる第一乗合許容条件を満たすこと等が挙げられる。続いて、作成手段54は、第一ユーザのスケジュールに含まれる第一イベント情報と第二ユーザのスケジュールに含まれる第二イベント情報とを抽出する。続いて、作成手段54は、第一イベント情報と第二イベント情報が第二所定条件を満たしている場合、当該第一ユーザと当該第二ユーザとを含むグループを作成する。このグループは、例えば2名以上かつ一定数(例えば7名)以下のユーザから構成される。
以下では、第二所定条件の具体例を説明する。これらの具体例は、それぞれを組み合わせてもよい。
【0038】
(1)イベントの名称が共通すること
例えば、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれるイベントの名称と、第二イベント情報に含まれるイベントの名称が、共通することである。具体的には、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれるイベントの名称と、第二イベント情報に含まれるイベントの名称が、同一であることや、正式名称と略称の関係にあること、類似する単語同士の関係であること等である。
【0039】
(2)開催日時が同一の期間に含まれる
また、例えば、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれる開催日時と、第二イベント情報に含まれる開催日時が、同一の期間に含まれることである。具体的には、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれるイベントの開催日時と、第二イベント情報に含まれるイベントの開催日時の差が、例えば、所定時間(例えば5時間)以内であることや、所定日数(例えば2日)以内であることである。この所定時間や所定日数は、イベントの開催時間や種類(結婚式や旅行、帰省、音楽イベント、スポーツイベント等)に応じて変更されてもよい。
【0040】
(3)開催地が同一の地域に含まれる
また、例えば、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれる開催地と、第二イベント情報に含まれる開催地が、同一の地域に含まれることである。具体的には、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれるイベントの開催地と、第二イベント情報に含まれるイベントの開催地が、例えば同一の都道府県に含まれることや、同一の市町村に含まれることである。
【0041】
(4)移動経路の一部が共通すること
また、例えば、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれる往路又は復路の移動経路と、第二イベント情報に含まれる往路又は復路の移動経路のうち、少なくとも一部の移動経路が共通することである。具体的には、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれるイベントの往路又は復路において利用する移動経路と、第二イベント情報に含まれるイベントの往路又は復路において利用する移動経路のうち、例えば一部のリンク(経路)が共通していることや、複数のノード(駅やバス停、交差点)が共通していることである。なお、第二所定条件には、共通しているリンクの距離や、共通している複数のノード間の距離が、一定距離(例えば10km)以上であることを加えてもよい。同様に、第二所定条件には、共通しているリンクの所要時間や、共通している複数のノード間の所要時間が、一定時間(例えば10分)以上であることを加えてもよい。また、第二所定条件には、共通しているリンクや、共通している複数のノード間を利用する日時の差が所定時間(例えば2時間)以内であることを加えてもよい。
【0042】
(5)関係性が第二乗合許容条件を満たすこと
また、例えば、第二所定条件は、第一ユーザと第二ユーザとの関係性が、第二イベント情報に含まれる第二乗合許容条件を満たすことである。具体的には、作成手段54は、第一ユーザと第二ユーザとのソーシャルネットワーキングサービスにおける関係性が「友達」であって、第二イベント情報に含まれる第二乗合許容条件が「友達であること」である場合、第二所定条件を満たしていることとする。
【0043】
提案手段56は、ユーザに乗合移動を提案する機能手段である。本実施形態では、提案手段56は、作成手段54によって作成されたグループに含まれる各ユーザの端末装置12に対して、当該グループでの乗合移動を提案する。例えば、提案手段56は、グループに含まれる各ユーザの端末装置12の画面に、乗合提案ページを表示させる。
【0044】
また、提案手段56は、第一イベント情報に含まれる往路又は復路の移動経路と、第二イベント情報に含まれる往路又は復路の移動経路のうち、少なくとも一部の移動経路が共通する場合、当該共通する移動経路において、グループでの乗合移動を提案する。
【0045】
また、提案手段56は、グループに含まれるユーザの数に応じて、利用すべき移動手段を提案する。例えば、提案手段56は、グループに含まれるユーザの数が4名以下である場合は、運転手を除く乗車定員が4名であるタクシーを提案し、5名である場合は、乗車定員が5名であるレンタカー(カーシェア)を提案し、6名以上7名以下である場合は、乗車定員が7名であるレンタカー(カーシェア)を提案する。
【0046】
また、提案手段56は、グループに含まれるユーザぞれぞれの荷物量に応じて、利用すべき移動手段を提案する。例えば、グループに含まれる荷物量がスーツケース2個以下である場合は、荷物の積載容量が少ないタクシーを提案し、3個以上である場合は、荷物の積載容量が大きいタクシー又はレンタカー(カーシェア)を提案する。
【0047】
<処理の流れ>
図4は、本実施形態に係る情報提供システム1において、図3に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、第一ユーザのスケジュールに第一イベント情報が登録されたタイミングで開始される。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。
【0048】
(ステップSP10)
取得手段52は、第一ユーザが利用するソーシャルネットワーキングサービスから、他のユーザそれぞれとの関係性を取得する。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0049】
(ステップSP12)
作成手段54は、ステップSP12において取得手段52が取得した他のユーザそれぞれとの関係性に基づき、第一ユーザとの関係性が第一所定条件(例えば「友達」又は「友達の友達」)を満たす第二ユーザをそれぞれ抽出する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0050】
(ステップSP14)
作成手段54は、スケジュール50Dを参照して、第一イベント情報と、ステップSP12において抽出した第二ユーザそれぞれのスケジュールに含まれる第二イベント情報とを抽出する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0051】
(ステップSP16)
作成手段54は、第一イベント情報と、ステップSP14において抽出した第二イベント情報それぞれが第二所定条件を満たしているか否かを判定する。例えば、作成手段54は、第一イベント情報に含まれるイベントの往路又は復路において利用する移動経路と、第二イベント情報それぞれに含まれるイベントの往路又は復路において利用する移動経路のうち、例えば一部のリンク(経路)が共通している場合、当該判定を肯定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP18の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、図4に示す一連の処理を終了する。
【0052】
(ステップSP18)
作成手段54は、第一イベント情報を登録した第一ユーザと、ステップSP16において第二所定条件を満たす第二イベント情報を登録した当該第二ユーザそれぞれとを含むグループを作成する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0053】
(ステップSP20)
提案手段56は、ステップSP18において作成されたグループに含まれるユーザの数に応じて、当該グループに含まれる各ユーザが利用すべき移動手段を決定する。この際、提案手段56は、交通機関のサービス提供地域を参照して、第一ユーザと第二ユーザのリンク(経路)が共通している地域で利用可能な移動手段(例えばタクシーやレンタカー等)を決定する。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0054】
(ステップSP22)
提案手段56は、ステップSP20において決定した移動手段等を含む乗合提案ページを、ステップSP18において作成されたグループに含まれる各ユーザの端末装置12の画面に表示させる。
【0055】
図5は、端末装置12の画面に表示される乗合提案ページ100の一例を示す図である。
【0056】
図5に示すように、乗合提案ページ100は、乗合提案情報領域102と、メッセージ送信ボタン104と、予約ボタン106と、が設けられている。乗合提案情報領域102は、ユーザ(例えば第一ユーザ)の移動経路が他のユーザ(例えば第二ユーザ)の移動経路と共通していることや、イベント情報の詳細、乗合による移動手段の利用提案が表されている。メッセージ送信ボタン104は、移動経路が共通する他のユーザにメッセージを送信する指示を行うためのボタンである。メッセージ送信ボタン104が押下された場合、ユーザと他のユーザが利用するソーシャルネットワーキングサービスのメッセージ送信画面に遷移する。予約ボタン106は、決定された移動手段を予約する指示を行うためのボタンである。予約ボタン106が押下された場合、ユーザと他のユーザの共通する移動経路においてサービスを提供する移動手段が予約可能な予約サイトに遷移する。
【0057】
そして、処理は、図4に示す一連の処理を終了する。
【0058】
<効果>
以上、本実施形態では、コンピュータを、ユーザ毎に、イベント情報を含む将来のスケジュールを記憶する記憶手段50、ソーシャルネットワーキングサービスから、ユーザ同士の関係性を取得する取得手段52、第一ユーザのスケジュールに含まれる第一イベント情報と、当該第一ユーザとの関係性が第一所定条件を満たす第二ユーザのスケジュールに含まれる第二イベント情報とが第二所定条件を満たしている場合、当該第一ユーザと当該第二ユーザとを含むグループを作成する作成手段54、グループに含まれる各ユーザの端末装置12に対して、当該グループでの乗合移動を提案する提案手段56、として機能させる。
【0059】
この構成によれば、第一ユーザの第一イベント情報と、第一ユーザと関係性がある第二ユーザの第二イベント情報を考慮して、第一ユーザと第二ユーザとを含むグループを作成し、当該グループでの乗合移動が提案されるため、ユーザに乗合による移動手段の利用を促すことができる。
【0060】
また、本実施形態では、イベント情報は、イベントの名称を含み、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれる名称と、第二イベント情報に含まれる名称が、共通することである。
【0061】
この構成によれば、イベントの名称が共通するユーザ同士をグループとして乗合移動を提案するため、同一のイベントに移動する予定がある各ユーザに乗合による移動手段の利用を促すことができる。
【0062】
また、本実施形態では、イベント情報は、イベントの開催日時を含み、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれる開催日時と、第二イベント情報に含まれる開催日時が、同一の期間に含まれることである。
【0063】
この構成によれば、イベントの開催日時が同一の期間内に含まれるユーザ同士をグループとして乗合移動を提案するため、同一の期間に移動する予定がある各ユーザに乗合による移動手段の利用を促すことができる。
【0064】
また、本実施形態では、イベント情報は、イベントの開催地を含み、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれる開催地と、第二イベント情報に含まれる開催地が、同一の地域に含まれることである。
【0065】
この構成によれば、イベントの開催地が同一の地域に含まれるユーザ同士をグループとして乗合移動を提案するため、同一の地域に移動する予定がある各ユーザに乗合による移動手段の利用を促すことができる。
【0066】
また、本実施形態では、イベント情報は、イベントの往路及び復路の移動経路を含み、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれる往路又は復路の移動経路と、第二イベント情報に含まれる往路又は復路の移動経路のうち、少なくとも一部の移動経路が共通することであって、提案手段56は、共通する移動経路において、グループでの乗合移動を提案する。
【0067】
この構成によれば、イベントの往路又は復路の移動経路のうち、少なくとも一部が共通するユーザ同士をグループとして乗合移動を提案するため、共通する移動経路を用いる予定がある各ユーザに乗合による移動手段の利用を促すことができる。
【0068】
また、本実施形態では、イベント情報は、ユーザがイベントの往路及び復路において乗合を許容する他のユーザとのソーシャルネットワーキングサービスにおける関係性を含む乗合許容条件を含み、第一所定条件は、第一イベント情報に含まれる第一乗合許容条件である。
【0069】
この構成によれば、第一ユーザが乗合を許容するソーシャルネットワーキングサービスにおける関係性を満たす他のユーザを含むグループを作成するため、当該第一ユーザが乗合を許容しない(関係性の低い)他のユーザとの乗合提案が行われなくなる。このため、ユーザにとって利便性の高いサービスを提供することができる。
【0070】
また、本実施形態では、第二所定条件は、第一ユーザと第二ユーザとの関係性が、第二イベント情報に含まれる第二乗合許容条件を満たすことである。
【0071】
この構成によれば、第二ユーザが乗合を許容する第二乗合許容条件を満たす他のユーザを含むグループを作成するため、当該第二ユーザが乗合を許容しない(関係性の低い)他のユーザとの乗合提案が行われなくなる。このため、ユーザにとって利便性の高いサービスを提供することができる。
【0072】
また、本実施形態では、提案手段56は、グループに含まれるユーザの数に応じて、利用すべき移動手段を提案する。
【0073】
この構成によれば、グループに含まれるユーザの数に応じて異なる移動手段が提案されるため、ユーザにとって利便性の高いサービスを提供することができる。
【0074】
また、本実施形態では、イベント情報は、イベントの往路及び復路におけるユーザの荷物量を含み、提案手段56は、グループに含まれるユーザぞれぞれの荷物量に応じて、利用すべき移動手段を提案する。
【0075】
この構成によれば、グループに含まれるユーザそれぞれの荷物量に応じて異なる移動手段が提案されるため、ユーザにとって利便性の高いサービスを提供することができる。
【0076】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0077】
例えば、本実施形態では、スケジュール50Dのイベント情報は、乗合許容条件を含む場合を説明したが、この乗合許容条件は、ユーザ情報50Cに含まれることとしてもよい。これにより、ユーザは、イベント情報を登録する毎に、当該イベントに関する乗合許容条件を登録する必要がなくなる。
【0078】
また、例えば、本実施形態では、乗合許容条件は、ユーザがイベントの往路及び復路において乗合を許容する他のユーザとのソーシャルネットワーキングサービスにおける関係性を含む場合を説明したが、乗合許容条件には当該関係性以外の条件が含まれてもよい。この条件としては、移動嗜好が同じである、特定の性別である(例えば女性である)、特定の年代である(例えば20代)、乗合を許容しない等が挙げられる。移動嗜好としては、例えば、「座って移動したい」や、「利用料金は高くても早く目的地に着きたい」、「時間がかかってもよいから利用料金が安いほうがよい」等が挙げられる。
【0079】
また、例えば、取得手段52がソーシャルネットワーキングサービスから取得するユーザ同士の関係性や、イベント情報に含まれる乗合許容条件(関係性)は、数値(関係値)であってもよい。この関係値は、例えば1から100までの値を含み、値が高いほど親密であることを示す。例えば、ユーザ同士が「友達」である場合、関係値には50が加算される。また、例えば、ユーザ同士が「友達の友達」である場合、関係値には35が加算される。また、例えば、ユーザ同士がメッセージ送信をした場合や投稿にコメントした場合、関係値には0.2が加算される。また、例えば、ユーザ同士が投稿に「いいね」をした場合、関係値には0.1が加算される。
この場合、例えば、作成手段54は、取得手段52が取得した関係値に基づき、第一イベント情報を登録した第一ユーザとの関係値が所定値(例えば、50や、第一乗合条件に含まれる関係値)以上である第二ユーザを抽出する。
【0080】
また、例えば、本実施形態では、取得手段52がソーシャルネットワーキングサービスから取得するユーザ同士の関係性や、イベント情報に含まれる乗合許容条件(関係性)は、「友達」や「友達の友達」等である場合を説明したが、双方がフォローしていることや、一方がフォローしていること、何れもフォローしていないこと等であってもよい。
【0081】
また、例えば、本実施形態では、作成手段54は、新たにグループを作成する場合を説明したが、既に作成したグループに新たなユーザ(第一ユーザ)を加入させることとしてもよい。具体的には、作成手段54は、イベント情報が追加された第一ユーザの往路又は復路の移動経路と、既に作成したグループに含まれる各ユーザの移動経路が共通する場合、当該第一ユーザを当該グループに含める。そして、提案手段56は、当該グループに含まれる各ユーザに、当該第一ユーザとの乗合による移動手段の利用を提案する。
【0082】
また、例えば、作成手段54は、グループに含まれるユーザの数が一定数(例えば7名)を超える場合、特定のユーザを優先して当該グループに含めることとしてもよい。例えば、作成手段54は、各ユーザとの関係性が親密である(関係値が高い)ユーザや、共通する経路が長いユーザ、同性同士のユーザ、年齢が近いユーザ、出身校や職場が同じユーザ等を優先する。
【0083】
また、例えば、本実施形態では、第二所定条件は、第一イベント情報に含まれるイベントの名称と、第二イベント情報に含まれるイベントの名称が、共通することである場合を説明したが、作成手段54は、第一イベント情報に含まれるイベントの名称と、第二イベント情報に含まれるイベントの名称が異なる場合でも、第一ユーザと第二ユーザとを含むグループを作成してもよい。また、例えば、作成手段54は、第一ユーザが或るイベントに向かう往路と、第二ユーザが他のイベントから帰る復路が共通している場合でも、当該第一ユーザと当該第二ユーザとを含むグループを作成してもよい。
【0084】
また、例えば、本実施形態では、提案手段56は、乗合が可能なタクシーやレンタカー(カーシェア)をユーザに提案する場合を説明したが、自家用車を移動手段として利用するユーザとの乗合(同乗)を提案してもよい。例えば、提案手段56は、グループに含まれるユーザのイベント情報に含まれる移動経路の移動手段が自家用車である場合、当該ユーザの自家用車に同乗することを、当該グループに含まれる他のユーザに提案してもよい。
【0085】
また、例えば、本実施形態では、提案手段56は、グループに含まれる各ユーザに乗合移動を提案する場合を説明したが、グループに含まれる一部のユーザのみに提案することとしてもよい。この一部のユーザとしては、自家用車で移動予定であるユーザや、他のユーザよりも低い乗合許容値を登録しているユーザ、女性のユーザ等が挙げられる。
【符号の説明】
【0086】
10…サーバ装置(コンピュータ)、12…端末装置、50…記憶手段、52…取得手段、54…作成手段、56…提案手段

図1
図2
図3
図4
図5