(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008069
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】自動式注射装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20220105BHJP
A61M 5/31 20060101ALI20220105BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A61M5/32 502
A61M5/31 520
A61M5/31 530
A61M5/20 500
【審査請求】有
【請求項の数】36
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021078657
(22)【出願日】2021-05-06
(62)【分割の表示】P 2019070580の分割
【原出願日】2012-04-20
(31)【優先権主張番号】61/477,553
(32)【優先日】2011-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506313280
【氏名又は名称】アムゲン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・デンザー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ダブリュー・スイフト
(72)【発明者】
【氏名】ニール・ジョンストン
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエレ・ガンツィッティ
(72)【発明者】
【氏名】ケネス・アール・ユーイング
(72)【発明者】
【氏名】スハス・クリシュナ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066EE14
4C066FF05
4C066GG12
4C066HH04
4C066HH13
4C066HH17
4C066HH22
4C066NN04
4C066QQ32
4C066QQ77
4C066QQ78
4C066QQ82
4C066QQ92
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改良した自動式注射装置を提供する。
【解決手段】自動式注射器は、使い捨てのカセット200を備える。カセットは、外側筐体210と、筐体内に移動可能に配置される内側スリーブ220とを備える。シリンジ260は、スリーブ内に配置され、ロックキャップ230を用いて底に固定される。ロックキャップは、スリーブの先端部に付けられており、シリンジの先端部に接触する。シールド取外器240は、シリンジの針を被覆する保護針シールド266を取り外すために筐体の基端部にある開口部を通して延在する。カセット識別手段は、筐体の表面に設けられており、自動式注射器がカセットを識別することを可能とする。自動式注射器には、カセット識別手段を読み込むための検出器が設けられている。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療薬を注射するための装置であって、
自動式注射器と、
前記自動式注射器を用いて使用するための使い捨てのカセットであって、
筐体と、
前記筐体内に配置され、第1及び第2位置間で移動可能であるスリーブと、
前記スリーブ内に配置されたシリンジと、
針シールドを前記シリンジから取り外すために前記筐体の基端部にある開口部を通して延在するシールド取外器と、
を備え、
前記シールド取外器が、バネ付勢式のタブを備え、前記タブが、前記筐体の壁部に画成されたアパーチャ内に配置されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
自動式注射器と共に使用するための使い捨てのカセットであって、
筐体と、
前記筐体内に配置され、第1及び第2位置間で移動可能なスリーブであって、当該スリーブがシリンジを当該スリーブ内に配置することができる、スリーブと、
針シールドを前記シリンジから取り外すために前記筐体の基端部にある開口部を通して延在するシールド取外器と、
を備えており、
前記シールド取外器が、バネ付勢式のタブを備え、
前記タブが、前記筐体の壁部に画成されたアパーチャ内に配置されていることを特徴とするカセット。
【請求項3】
治療薬を注射するための装置であって、
自動式注射器と、
前記自動式注射器と共に使用するための使い捨てのカセットであって、
筐体と、
前記筐体内に配置され、第1及び第2位置間で移動可能なスリーブと、
前記スリーブ内に配置されたシリンジと、
を備えるカセットと、
針シールドを前記シリンジから取り外すために前記筐体の基端部にある開口部を通して延在するシールド取外器と、
を備えており、
前記シールド取外器が、基端部及び先端部を有する細長い本体を有し、
前記先端部が、少なくとも1つの可撓性を有する舌部を備え、
前記舌部が、前記シールド取外器を前記カセットから取り外すと外側へ広がり、前記シールド取外器を前記カセット内へ再び挿入することを防止することを特徴とする装置。
【請求項4】
自動式注射器と共に使用するための使い捨てのカセットであって、
筐体と、
前記筐体内に配置され、第1及び第2位置間で移動可能なスリーブであって、当該スリーブがシリンジを当該スリーブ内に配置することができる、スリーブと、
針シールドを前記シリンジから取り外すために前記筐体の基端部にある開口部を通して延在するシールド取外器と、
を備えており、
前記シールド取外器が、基端部及び先端部を有する細長い本体を有し、
前記先端部が、少なくとも1つの可撓性を有する舌部を備え、
前記舌部が、前記シールド取外器を前記カセットから取り外すと外側へ広がり、前記シールド取外器を前記カセット内へ再び挿入することを防止することを特徴とすることを特徴とするカセット。
【請求項5】
自動注射器と共に使用するためのカセットであって、
治療薬を収容するシリンジであって、当該カセットの使用前後で当該カセット内に隠される、シリンジと、
正しい向きでの前記自動注射器のドア内への当該カセットの挿入を容易にする機械構造体と、
を備えることを特徴とするカセット。
【請求項6】
正しい向きでの前記ドア内への当該カセットの挿入を容易にするための表示をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のカセット。
【請求項7】
当該カセットを前記自動注射器内に挿入すると前記自動注射器の窓部と位置合わせする対向する窓部をさらに備えることを特徴とする請求項5または6に記載のカセット。
【請求項8】
当該カセット内での前記シリンジの進行を制限してこれにより予め設定した設計までの針深さを確実にする硬質停止部をさらに備えることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載のカセット。
【請求項9】
シリンジ内に収容されている治療薬を注射するための自動注射器であって、
前記シリンジが、カセット内に隠されており、
当該自動注射器が、細長いハンドルセクションと細長い前記ハンドルセクションに沿うカセット受容セクションとを備えるケーシングを備え、
細長い前記ハンドルセクションが、軟質把持部分を有することを特徴とする自動注射器。
【請求項10】
前記ケーシングの細長い前記ハンドルセクションの自由端部が、注射開始ボタンを有し、
前記注射開始ボタンが、親指を当該注射開始ボタンに置くことを最適化するための凹凸部を有することを特徴とする請求項9に記載の自動注射器。
【請求項11】
前記筐体の細長い前記ハンドルセクションの前記自由端部が、前記筐体の長手方向軸に対して傾いており、親指を当該注射開始ボタンに置くことをさらに最適化することを特徴とする請求項10に記載の自動注射器。
【請求項12】
前記注射開始ボタンが、選択的に照明され、当該自動注射器のオペレータまたはユーザに視覚信号を提供し、前記視覚信号が、予め定めた動作事象を表示することを特徴とする請求項10または11に記載の自動注射器。
【請求項13】
前記軟質把持部分が、前記ケーシングの細長い前記ハンドルセクションの後側にあることを特徴とする請求項9から12のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項14】
前記ケーシングの前記カセット受容セクションが、当該カセット受容セクションの両側にある窓部と、前記カセットを当該自動注射器内に据え付けるためのカセットドアと、を有し、
前記カセット受容セクションの前記窓部が、前記カセットを当該自動注射器内に据え付けると前記カセットの窓部と位置合わせすることを特徴とする請求項9から13のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項15】
前記窓部を照明するために前記ケーシング内に配置されたライトをさらに備え、
前記シリンジが、前記カセット内に配置されてオペレータまたはユーザが前記カセットの前記窓部及び当該自動注射器の前記ケーシングを通して注射サイクルを観測することを可能とする請求項14に記載の自動注射器。
【請求項16】
シリンジ内に収容されている治療薬を注射するための自動注射器であって、
前記シリンジが、カセット内に隠されており、
当該自動注射器が、
ハンドルセクションと、
前記ハンドルセクションに沿うカセット受容セクションと、
を備え、
前記カセット受容セクションが、当該自動注射器を支持面に位置付けるためのベースを形成する平坦な端壁部を画成することを特徴とする自動注射器。
【請求項17】
前記シリンジが、注射針と、前記注射針を覆う針シールドと、を有し、
前記カセットが、前記注射針を覆う前記針シールドを取り外す針シールド取外器を有し、
前記端壁部が、アパーチャを有し、
前記アパーチャが、前記カセットを当該自動注射器内に据え付けると前記針シールド取外器を前記カセットから取り外すことを可能とし、それにより、前記注射針を覆う前記針シールドを取り外すことを特徴とする請求項16に記載の自動注射器。
【請求項18】
前記端壁部の一部が、前記ケーシングの前記カセット受容セクションのカセットドアによって形成されており、
前記カセットドアが、前記カセットを当該自動注射器内へ据え付けるためのものであり、
前記カセットドアが、前記カセットを当該自動注射器内に据え付けると前記針シールド取外器を前記カセットから取り外すことを可能とする前記アパーチャを有することを特徴とする請求項17に記載の自動注射器。
【請求項19】
前記端壁部が、標的ライトをさらに備え、
前記標的ライトが、前記針シールド取外器を前記カセットから取り外すと照明し、オペレータまたはユーザが注射場所を視覚化して選択することを補助することを特徴とする請求項17または18に記載の自動注射器。
【請求項20】
当該自動注射器が、前記端壁部が皮膚に接触したかまたは触れたか判断し、皮膚の接触を検出すると音声のかつ/または視覚の表示をするための皮膚センサをさらに有することを特徴とする請求項16から19のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項21】
前記皮膚センサが、容量ベースのセンサであることを特徴とする請求項20に記載の自動注射器。
【請求項22】
前記皮膚センサが、前記端壁部に埋め込まれた2つの電極を有し、
前記電極が、皮膚の接触がされたか判断するためにマイクロプロセッサが使用する容量信号を生成することを特徴とする請求項21に記載の自動注射器。
【請求項23】
注射器のためのカセットであって、
筐体と、
前記筐体内に配置され、前記筐体に対して移動可能であるスリーブと、
前記スリーブ内に配置されたシリンジと、
前記筐体から外側に突出する複数の突出部を備えるカセット識別部(カセットID部)と、
を備え、
複数の前記突出部の第1組合せが、前記シリンジ内の薬剤を特定する第1コードを規定し、
複数の前記突出部の第2組合せが、前記シリンジの充填容量を示す第2コードを規定し、
前記第1及び第2コードが、前記注射器によって検出可能かつ解読可能であることを特徴とするカセット。
【請求項24】
複数の前記突出部が、前記カセットを前記注射器内にまたは前記注射器上に配置すると、前記注射器の検出器の複数の検出素子に係合するように構成されていることを特徴とする請求項23に記載のカセット。
【請求項25】
複数の前記突出部の第3組合せが、前記注射器内の前記薬剤の薬物送達プロファイルを特定する第3コードを規定することを特徴とする請求項23に記載のカセット。
【請求項26】
前記薬物送達プロファイルが、予め設定された薬物押出速度範囲を含むことを特徴とする請求項25に記載のカセット。
【請求項27】
複数の前記突出部の第3組合せが、薬剤特性を特定する第3コードを規定することを特徴とする請求項23に記載のカセット。
【請求項28】
注射器であって、
当該注射器の動作パラメータを制御するためのプロセッサと、
カセットの筐体を支持するための表面であって、前記カセットが、カセット識別部(カセットID部)を有し、前記カセット識別部が、前記筐体から外側に突出する複数の突出部を備え、前記カセット識別部が、前記カセットに関する情報を含む前記カセットのシリンジ内の薬剤を特定する第1コードと前記カセットの充填容量を特定する第2コードとを規定している、表面と、
前記プロセッサと通信で連結された検出器であって、複数の前記突出部を検出し、前記カセット識別部を前記プロセッサに伝達するように構成され、前記プロセッサが、前記カセット識別部によって規定されたコードを解読するように構成されている、検出器と、
前記筐体内に配置された前記カセットのスリーブに係合して前記筐体に対して前記スリーブを移動させるように構成された駆動部と、
を備える注射器。
【請求項29】
前記検出器が、前記カセット識別部の複数の前記突出部それぞれによって作動されるように構成された1以上のキーからなるキーパッドを備えることを特徴とする請求項28に記載の注射器。
【請求項30】
1以上の前記キーそれぞれの作動が、前記プロセッサに情報を提供し、前記カセットを識別することを特徴とする請求項29に記載の注射器。
【請求項31】
前記カセットを受けるように構成されたドアをさらに備え、
前記ドアを閉じることによって、前記カセット識別部を前記検出器に係合させることを特徴とする請求項28に記載の注射器。
【請求項32】
前記カセット識別部が、薬物送達プロファイル及び薬剤特性のうちの1以上である第3コードをさらに備えることを特徴とする請求項28に記載の注射器。
【請求項33】
カセットを有する注射器を動作させる方法であって、
カセットの筐体から外側に突出する複数の突出部を前記注射器の検出器を用いて検出し、前記突出部によって示されたカセット識別部(カセットID部)を判断するステップと、
前記カセット識別部を前記注射器のプロセッサに伝えるステップと、
前記カセット識別部によって規定された第1コードを前記プロセッサを用いて解読し、前記カセットのシリンジ内の薬剤を特定するステップと、
前記カセット識別部によって規定された第2コードを前記プロセッサを用いて解読し、前記カセットの前記シリンジの充填容量を判断するステップと、
駆動部が動作して前記筐体内に配置されている前記カセットのスリーブに係合させ、前記スリーブを前記筐体に対して移動させるステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項34】
前記カセット識別部によって規定された第3コードを前記プロセッサを用いて解読し、薬物送達プロファイルまたは薬剤特性を判断するステップを備えることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記薬物送達プロファイルが、予め設定された薬物押出速度を含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
複数の前記突出部を検出する前記ステップが、複数の前記突出部をキーパッドと係合させるステップを備え、
前記キーパッドが、複数のキーを備え、
前記キーそれぞれが、複数の前記突出部のうちの1つによって作動されるように構成されていることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2011年4月20日に出願した米国仮特許出願第61/477553号の利益を主張し、その全体の開示を参考として本願に組み込む。
【0002】
本願は、自動式注射装置に関する。より詳しくは、本願は、再使用可能な自動式注射器と自動式注射器と共に使用可能な使い捨て式のカセットとを有する自動式注射装置に関し、このカセットは、注射前後に皮下注射器の注射針を隠す。
【背景技術】
【0003】
あらかじめ充填された皮下注射器は、家庭用途の市場に関していくつかの利点をもたらす。これら利点は、各薬剤に関してあらかじめ充填されたシリンジが正確に所定用量である各薬剤を有することを含む。さらに、これらは、シリンジのストッパを単に前進させることによって、容易に操作される。特有の使用する薬物のコストを別として、あらかじめ充填されたシリンジは、同様に、経済的に製造される。したがって、これらすべての利点は、あらかじめ充填されたシリンジを商業的に魅力のあるものとする。
【0004】
それにもかかわらず、あらかじめ充填されたシリンジは、同様に、市場において重大な欠点を有する。具体的には、多くのユーザは、露出した針に怯えるか、本質的に注射を実行できないと感じる。露出した針を嫌悪すること、並びに関連する健康上及び安全性の問題のため、ユーザから針を隠すこと、及び、注射作業を自動化して注射の実行時においてユーザを補助することの特有の目的に関して、さまざまなタイプの注射器及び他のデバイスを開発している。
【0005】
皮下注射器を使用するときに流体薬剤を患者に注入するため、一般的に、3つの別個のかつ個別の作業を実行しなければならない。これらは、1)患者に針を挿入すること、2)シリンジから患者へ流体薬剤を注入すること、及び、3)注入を完了した後に針を引き抜くこと、である。各作業に関して、シリンジにかかる力の強さ及び方向並びにこれらを付加する場所は、他の作業とは異なる。例えば、針を挿入する作業を流体薬剤を注入する作業と比較する。針を挿入することは、シリンジに最小の力のみをかけること、及び、非常に短い期間のみにわたって力をかけること、を必要とする。一方、薬剤を注入することは、もっと大きな力をかける必要がある。さらに、この力は、比較的長期間にわたってシリンジのプランジャにかけられなければならない。これら作業双方と比較すると、針を引き抜くことは、逆方向に力をかけることを必要とする。これら及び他の同様の考慮は、注入処理を自動化すると、重要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0292246号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0022955号明細書
【特許文献3】国際公開第2009/143255号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自動化した処理においてシリンジに力を発生させるためのバネは、さまざまな目的でこれまで使用されている。しかしながら、バネの特性は、バネ力の強度及び方向が変更可能ではないことである。したがって、バネは、これらを多作業動作に役立たせない。この制限は、シリンジの注入時に特に顕著であり、この注入時には、強度が異なる連続的な力を正確に制御することを必要とする(針挿入及び薬剤注入)。この制限は、その時々において同一材料を使用して流体粘度が異なる様々な薬剤を注入することが望ましい場合に、特に問題になることがある。
【0008】
これら機械的な考慮に加え、自動式注射器の設計は、使い勝手の良い考慮を必要とする。特に、シリンジの注射針がユーザの視覚から動作可能に隠されることが望ましい。好ましくは、この隠すことは、注入処理の前、処理中及び処理後で維持されている。さらに、望ましくは、シリンジの動作が、注入するためにシリンジを正確に位置付けるときのみに制限される。
【0009】
したがって、改良した自動式注射装置を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書は、自動式注射器と共に使用するための使い捨てカセットに関する。カセットは、筐体と、筐体内に配置され、第1及び第2位置間で移動可能な内側スリーブであって、内側スリーブがその中に配置されたシリンジを有することが可能である、内側スリーブと、内側スリーブ内にシリンジを固定するためのロックキャップであって、ロックキャップが内側スリーブの先端部に付けられ、シリンジの先端部と接触することが可能である、ロックキャップと、を備える。
【0011】
一形態にかかるカセットにおいて、ロックキャップは、シリンジの先端部と接触することが可能な弾性バンパを備える。
【0012】
一形態にかかるカセットにおいて、内側スリーブは、その先端部に少なくとも1つの受容部を備え、ロックキャップは、受容部内に挿入される少なくとも1つの腕部材を備える。
【0013】
一形態にかかるカセットにおいて、ロックキャップの少なくとも1つの腕部材は、内側スリーブの内面を把持するための鉤状手段を備える。
【0014】
一形態にかかるカセットにおいて、カセットは、内側スリーブ内に配置されるバレル及び注射針をさらに備える。
【0015】
一形態にかかるカセットにおいて、カセットは、シリンジの針シールドを取り外すための筐体の基端部にある開口部を通して延在するシールド取外器をさらに備える。
【0016】
一形態にかかるカセットにおいて、シールド取外器は、バネ付勢式のタブを備え、タブは、筐体の壁部に画成されたアパーチャ内に配置されている。
【0017】
一形態にかかるカセットにおいて、シールド取外器は、基端部及び先端部を有する細長い本体を備え、先端部は、少なくとも1つの可撓性を有する舌部を備え、この舌部は、シールド取外器をカセットから取り外すと外側に広がり、シールド取外器がカセット内へ再び挿入されることを防止する。
【0018】
一形態にかかるカセットにおいて、カセットは、バレル及び注射針を有するシリンジをさらに備える。
【0019】
一形態にかかるカセットにおいて、カセットは、シリンジ内にある治療薬をさらに備える。
【0020】
一形態にかかるカセットにおいて、治療薬は、エポジェン(Epogen)(登録商標)、アラネスプ(Aranesp)(登録商標)、エンブレル(Enbrel)(登録商標)ニューラスタ(Neulasta)(登録商標)、ニューポジェン(Neupogen)(登録商標)、エヌプレート(Nplate)(登録商標)、ベクティビックス(Vectibix)(登録商標)、センシパー(Sensipar)(登録商標)、ザイゲバ(Xgeva)(登録商標)及びプロリア(Prolia)(登録商標)からなるグループから選択されている。
【0021】
一形態にかかるカセットにおいて、治療薬は、IL-17受容体Aに対する抗体である。
【0022】
一形態にかかるカセットにおいて、治療薬は、アンジオポエチン-2のアンタゴニストである(例えばAMG36)。
【0023】
一形態にかかるカセットにおいて、治療薬は、TNFブロッカまたは抑制剤である。
【0024】
一形態にかかるカセットにおいて、TNFブロッカまたは抑制剤は、エタネルセプトである。
【0025】
一形態にかかるカセットにおいて、TNFブロッカまたは抑制剤は、アダリムマブ、セルトリズマブ、ゴリムマブまたはインフリキシマブである。
【0026】
一形態にかかるカセットにおいて、カセットは、筐体の表面にあるカセット識別手段をさらに備え、自動式注射器がカセットを識別可能とする。
【0027】
一形態にかかるカセットにおいて、カセット識別手段は、少なくとも1つの突出部を備える。
【0028】
本願は、治療薬を注射するための装置にさらに関する。装置は、自動式注射器と、注射器と共に使用するための使い捨てカセットと、を備え、カセットは、筐体と、筐体内に配置され、第1及び第2位置間で移動可能な内側スリーブと、内側スリーブ内に配置されたシリンジと、シリンジを内側スリーブ内に固定するためのロックキャップと、を備え、ロックキャップは、内側スリーブの先端部に付けられ、シリンジの先端部と接触する。
【0029】
一形態にかかる装置において、ロックキャップは、シリンジの先端部に接触する弾性バンパを備える。
【0030】
一形態にかかる装置において、内側スリーブは、その先端部において少なくとも1つの受容部を備え、ロックキャップは、受容部内に挿入される少なくとも1つの腕部材を備える。
【0031】
一形態にかかる装置において、ロックキャップの少なくとも1つの腕部材は、内側スリーブの受容部の内面を把持するための鉤状手段を備える。
【0032】
一形態にかかる装置において、カセットは、針シールドをシリンジから取り外すために筐体の基端部にある開口部を通って延在するシールド取外器をさらに備える。
【0033】
一形態にかかる装置において、シールド取外器は、バネ付勢式のタブを備え、タブは、筐体の壁部に画成されたアパーチャ内に配置され、シールド取外器がカセットから取り外されることを防止する。
【0034】
一形態にかかる装置において、自動式注射器は、カセットを注射器内に配置すると、タブを筐体の壁部に画成されたアパーチャから外へ押し付け、これにより、シールド取外器をカセットから取り外すことを可能とするためのピンを備える。
【0035】
一形態にかかる装置において、シールド取外器は、基端部及び先端部を有する細長い本体を備え、先端部は、シールド取外器をカセットから取り外すと外方に広がる少なくとも1つの可撓性を有する舌部を備え、シールド取外器をカセット内へ再度挿入することを防止する。
【0036】
一形態にかかる装置において、装置は、シリンジ内にある治療薬をさらに備える。
【0037】
一形態にかかる装置において、治療薬は、エポジェン(登録商標)、アラネスプ(登録商標)、エンブレル(登録商標)、ニューラスタ(登録商標)、ニューポジェン(登録商標)、エヌプレート(登録商標)、ベクティビックス(登録商標)、センシパー(登録商標)、ザイゲバ(登録商標)及びプロリア(登録商標)からなるグループから選択されている。
【0038】
一形態にかかる装置において、治療薬は、IL-17受容体Aに対する抗体である。
【0039】
一形態にかかる装置において、治療薬は、アンジオポエチン-2のアンタゴニストである(例えばAMG36)。
【0040】
一形態にかかる装置において、治療薬は、TNFブロッカまたは抑制剤である。
【0041】
一形態にかかる装置において、TNFブロッカまたは抑制剤は、エタネルセプトである。
【0042】
一形態にかかる装置において、TNFブロッカまたは抑制剤は、アダリムマブ、セルトリズマブまたはインフリキシマブである。
【0043】
一形態にかかる装置において、カセットは、筐体の表面にあるカセット識別手段をさらに備え、自動式注射器がカセットを識別可能とする。
【0044】
一形態にかかる装置において、カセット識別手段は、少なくとも1つの突出部を備える。
【0045】
一形態にかかる装置において、カセット識別手段を読み込んでカセットを識別するための検出器を備える。
【0046】
本願は、治療薬を注射するための装置にさらに関する。装置は、自動式注射器と、注射器と共に使用するための使い捨てカセットと、を備え、カセットは、筐体と、筐体内に配置され、第1及び第2位置間で移動可能なスリーブと、スリーブ内に配置されたシリンジと、針シールドをシリンジから取り外すために筐体の基端部にある開口部を通って延在するシールド取外器と、を備える。
【0047】
本願は、自動式注射器と共に使用するための使い捨てカセットにさらに関する。カセットは、筐体と、筐体内に配置され、第1及び第2位置間で移動可能なスリーブであって、スリーブがその中にシリンジを配置することが可能である、スリーブと、針シールドをシリンジから取り外すために筐体の基端部にある開口部を通って延在するシールド取外器と、を備える。
【0048】
添付の図面は、本願における好ましい実施形態を示しており、限定的ではなくむしろ例示的である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】例示的な実施形態にかかる自動式注射器300及びカセット200を備える自動式注射装置100を示す側面図である。
【
図2A】例示的な実施形態にかかるカセット200を示す分解斜視図であって、このカセットが、外側筐体210、内側スリーブ220、シリンジ260、ロックキャップ230、カバー250及びシールド取外器240を備える、分解斜視図である。
【
図2B】カセット200を示す上から下への前方斜視図であって、外側筐体210の側壁部211、外側筐体210の窓部212、外側筐体210のピン215及びシールド取外器240を示す、前方斜視図である。
【
図2C】カセット200を示す断面側面図であって、バレル261、流体チャンバ262、所定用量の製剤267、注射針265、外側に延在するフランジ263、非硬質の保護針シールド266、及び移動可能なプランジャストッパ264を備えるシリンジ260を示し、さらに、カンチレバー式バネ部材247及び突出部またはタブ248を備えるシールド取外器240を示す、断面図である。
【
図3A】カセット200を示す下から上への前方斜視図であって、突出部210Pを有する底面210Bを備えるカセットの外側筐体210を示す、前方斜視図である。
【
図3B】
図3Aのカセットを示す底面図であって、カセットの外側筐体210と、突出部210Pと、底面210Bと、一対の平行に延在する弾性ロック腕部218a、218bを備えるラッチ機構218と、ロック爪スロット219a及び219bと、内側スリーブのピン268と、を示す底面図である。
【
図4A】例示的な実施形態にかかるシールド取外器240を示す後方斜視図であって、カンチレバー式バネ部材247と突出部またはタブ248とを示し、シールド取外器240が、中空本体241と、閉塞端部242と、開口端部243と、本体241のほぼシリンダ状の部分241Tと、本体241のほぼ矩形状のキー部分241Kと、可撓性を有し、外側に広がる複数の舌部245Tを有する展開可能な部分襟構造体245と、平行側面244S及び両端部244Eを有する外側に延在するフランジまたは把持部材244と、キー部分241Kの底壁部241と、突出部またはタブ248の傾斜ロック面248Sと、を備える、後方斜視図である。
【
図4B】別の例示的な実施形態にかかるシールド取外器240を示す断面前方斜視図であって、把持部材244と、本体241の閉鎖端部242と、カンチレバー式バネ部材247と、突出部またはタブ248と、突出部またはタブ248の傾斜ロック面248Sと、本体241のキー部分241Kと、を示し、シールド取外器240が、針シールド把持歯部246Tを有する金属管状インサート246と、シリンダ状本体部分241Tの内面241Iと、を備える、断面前方斜視図である。
【
図4C】別の例示的な実施形態にかかるシールド取外器240を示す断面側面図であって、把持部材244と、本体241の閉塞端部242と、カンチレバー式バネ部材247と、突出部またはタブ248と、突出部またはタブ248の傾斜ロック面248Sと、本体241のキー部分241Kと、シリンダ状本体部分241Tの内面241Iと、を示し、シールド取外器240が、替わりに、針シールド把持歯部246T’を備える、断面側面図である。
【
図4D】
図2Bのカセット200の一部を示す下から上への後方斜視図であって、シールド取外器240と、カセットの外側筐体210と、突出部210Pと、外側筐体の底面210Bと、外側筐体のアパーチャ210Aと、シールド取外器の突出部またはタブ248と、を示す、後方斜視図である。
【
図4E】シールド取外器240をカセット200から取り外したカセット200の一部を示す下から上への前方斜視図であって、シールド取外器240の展開可能な部分襟構造体245と、カセットの外側筐体210のアパーチャ214Aと、外側筐体の底壁部210Bと、外側筐体210のアパーチャ210Aと、を示す、前方斜視図である。
【
図4F】カセット200の一部を示す断面側面図であって、内側スリーブ220と、外側筐体210と、外側筐体の端壁部214と、外側筐体のアパーチャ214Aと、シールド取外器240と、注射針265と、針シールド266と、カンチレバー式バネ部材247と、突出部またはタブ248と、外側筐体のアパーチャ210Aと、を示す、断面側面図である。
【
図4G】自動式注射器300内に据え付けられたカセット200を示す断面側面図であって、シールド取外器240と、シールド取外器240のタブ248と、針シールド265と、外側カセット筐体210と、外側筐体の底壁部210と、外側カセット筐体210のアパーチャ210Aと、自動式注射器300のシャーシ301と、シャーシ301に設けられたピンPと、を示す、側面断面図である。
【
図4H】自動式注射器300に据え付けられたカセット200を示す断面側面図であって、シールド取外器240と、針シールド265と、外側カセット筐体210と、外側筐体の底壁部210Bと、外側カセット筐体210のアパーチャ210Aと、突出部210Pと、検出器370と、自動式注射器のシャーシ301と、ピンPと、を示す、断面側面図である。
【
図5A】例示的な実施形態にかかるロックキャップ230を示す前方斜視図であって、このロックキャップが、環状本体231と、外面231Oと、内面231Iと、両腕部232と、切出部材233と、鉤状端部234と、軟質弾性リング状バンパ235と、開口部236と、を備える、前方斜視図である。
【
図5B】カセット200の内側スリーブ220の一部を示す後方斜視図であって、シリンジ260と、内側スリーブ220と、ロックキャップ230と、ロックキャップの環状本体231と、ロックキャップの外面231Oと、ロックキャップの両腕部232と、ロックキャップの切出部材233と、ロックキャップの軟質弾性リング状バンパ235と、ロックキャップの開口部236と、あらかじめ充填されたシリンジ260のフランジ263と、内側スリーブ220の両受け受容部220Rと、を示す、後方斜視図である。
【
図5C】シリンジ260がそこに挿入されかつロックキャップ230を用いて所定位置にロックされている内側スリーブ220の一部を示す側面図であって、ロックキャップの環状本体231と、ロックキャップの外面231Oと、ロックキャップの両腕部232と、ロックキャップの切出部材233と、ロックキャップの軟質弾性リング状バンパ235と、あらかじめ充填されたシリンジ260のフランジ263と、内側スリーブ220の両受け受容部220Rと、を示す、側面図である。
【
図5D】内側スリーブ220の一部と別の実施形態にかかる符号230’を付したロックキャップとを示す前方斜視図であって、このロックキャップが、環状本体231と、両腕部232と、鉤状手段234’と、を備える、前方斜視図である。
【
図6A】例示的な実施形態における自動式注射器300を示す前方立面図であって、この自動式注射器が、ケース302と、ハンドルセクション304と、ハンドル305と、カセット受容セクション306と、カセットドア308と、ユーザインタフェース312と、スピーカアパーチャ314と、速度選択スイッチ316と、端壁部318と、を備える、前方立面図である。
【
図6B】
図6Aの自動式注射器300を示す第1側面立面図であって、ケース302と、ハンドルセクション304と、ハンドル305と、軟質グリップ領域305Sと、カセット受容セクション306と、カセットドア308と、窓部310Aと、ユーザインタフェース312と、設定/消音スイッチ315と、速度選択スイッチ316と、端壁部318と、を示す、第1側面立面図である。
【
図6C】
図6Aの自動式注射器300を示す後方立面図であって、ケース302と、ハンドルセクション304と、ハンドル305と、軟質グリップ領域305Sと、カセット受容セクション306と、窓部310A及び310Bと、端壁部318と、を示す、後方立面図である。
【
図6D】
図6Aの自動式注射器300を示す第2側面立面図であって、ケース302と、ハンドルセクション304と、ハンドル305と、軟質グリップ領域305Sと、カセット受容セクション306と、カセットドア308と、窓部310Bと、ユーザインタフェース312と、取出ボタン317と、速度選択スイッチ316と、端壁部318と、を示す、第2側面立面図である。
【
図6E】
図6Aの自動式注射器300の第1端部を示す立面図であって、端壁部318と、標的ライト320と、カセットドアアパーチャ308Aと、皮膚センサ380と、を示す、立面図である。
【
図6F】
図6Aの自動式注射器300の第2端部を示す立面図であって、開始ボタン307を示す、立面図である。
【
図7】本願の一実施形態における、自動式注射器300のマイクロプロセッサ350を用いて皮膚センサ380を制御するための決定論理を示す状態図である。
【
図8】自動式注射装置100を示す断面側面図であって、自動式注射器300及びカセット200を示し、自動式注射器300が、シャーシ301と、ケース302と、モータ駆動式挿入駆動部330と、モータ駆動式押出駆動部340と、マイクロプロセッサ350と、バッテリ360と、を備え、カセットが、シリンジ260を備える、断面側面図である。
【
図9A】本願の例示的な実施形態における、マイクロプロセッサを用いて自動式注射器のさまざまな機能を制御するための決定論理を示すフローチャートである。
【
図9B】本願の例示的な実施形態における、マイクロプロセッサを用いて自動式注射器のさまざまな機能を制御するための決定論理を示すフローチャートである。
【
図10A】例示的な実施形態にかかるモータ駆動式挿入駆動部330を示す上から下への側面斜視図であって、この挿入駆動部が、挿入駆動モータ331と、駆動リンクまたはラック332と、複数のギア333
1、333
2、333
3、333
4を有する挿入駆動ギアトレイン333と、頂部ラック面332Tと、底部ラック面332Bと、間隔をあけた第1及び第2突出部332
1及び333
2と、ラック歯部334と、を備える、側面斜視図である。
【
図10B】例示的な実施形態にかかるモータ駆動式挿入駆動部330を示す下から上への側面斜視図であって、この挿入駆動部が、挿入駆動モータ331と、駆動リンクまたはラック332と、複数のギア333
1、333
2、333
3、333
4を有する挿入駆動ギアトレイン333と、頂部ラック面332Tと、底部ラック面332Bと、間隔をあけた第1及び第2突出部332
1及び333
2と、ラック歯部334と、を備える、側面斜視図である。
【
図11A】例示的な実施形態にかかるモータ駆動式押出駆動部のプランジャロッド342、リードネジ343及びナット345を示す分解斜視側面図であって、プランジャロッド342のプッシャ342Pと、プランジャロッド342の端面342EFと、ナット345の内ネジ山345Tと、リードネジ343の外ネジ山343Tと、ナット345のホルダ345Hと、を示す、分解斜視図である。
【
図11B】
図11Bのプランジャロッド342、リードネジ343、ナット345を示す組立状態の斜視側面図であって、プランジャロッド342のプッシャ342Pと、プランジャロッド342の端面342EFと、ナット345の内ネジ山345Tと、リードネジ343の外ネジ山343Tと、ナット345のホルダ345Hと、を示す、斜視側面図である。
【
図11C】モータ駆動式押出駆動部240の一部を示す斜視図であって、押出駆動モータ341と、プランジャロッド342と、リードネジ343と、押出駆動部のギアトレイン344と、プッシャ342Pと、ナット345と、リードネジ343の外ネジ山343Tと、ナット345のホルダ345Hと、押出駆動部のギアトレインにおける複数のギア344
1、344
2、344
3、344
4、344
5、344
6と、を示す、斜視図である。
【
図12】例示的な実施形態にかかる自動式注射器300を示す前方立面図であって、この自動式注射器が、ユーザインタフェース312の進行LED550を示す、前方立面図である。
【
図13】例示的な実施形態にかかる自動式注射器300を示す前方立面図であって、この自動式注射器が、ユーザインタフェース312により示されたさまざまな例示的なアイコンを示す、前方立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、本願にかかる例示的な実施形態における自動式注射装置100の正面図を示す。自動式注射装置100は、自動式注射器300及びカセット200を備える。自動式注射器300は、カセットドア308を備え、このカセットドアは、開放位置にあり、(図示のように)カセット200を挿入することを可能とし、また、このカセットドアは、閉塞位置(例えば
図6B)において、カセット200を自動式注射器300の挿入及び押出駆動部330及び340それぞれ(
図8)と揃える。自動式注射器300は、手持ち動作のための構造とされかつ構成とされており、再使用可能となっている。カセット200は、シリンジ260(例えば
図2A)を収容しかつ保護するような構造とされかつ構成とされており、このシリンジには、所定用量の製剤があらかじめ充填されている。カセット200は、自動式注射器300を用いてシリンジを容易に使用することを補助しかつ可能とし、使用前後に針が突き刺さることを防止する。さらに、カセット200は、単一の、使い捨て可能な使用のための構造とされかつ構成とされてもよい。
【0051】
図2Aは、本発明にかかる例示的な実施形態におけるカセット200の分解斜視図を示す。カセット200は、外側筐体210と、外側筐体210内でスライド式に移動可能な内側スリーブ220と、内側スリーブ220内に配置されたまたは内側スリーブ220により保持されたシリンジ260と、シリンジ260の保護針シールド266を取り外すためのシールド取外器240と、を備える。外側筐体210は、基端壁部214と、開口先端部216と、を備える。外側筐体210の基端壁部214は、これを通してシールド取外器240を受けるようなサイズ及び形状を有するアパーチャ214Aを有する。内側スリーブ220は、基端壁部222と、開口先端部224と、を備える。内側スリーブ220の基端壁部222は、これを通してシリンジ260のほぼ針シールド266を受けるようなサイズ及び形状を有するアパーチャ222Aを有する。カセット200は、内側スリーブ220の開口先端部224を閉塞し、シリンジ260を内側スリーブ220内にロックするためのロックキャップ230をさらに備える。カセット200は、外側筐体210の開口先端部216を閉塞するためのカバー250をさらに備える。カバー250は、内側スリーブ220と製剤267を収容するシリンジ260とをカセット200の外側筐体210内で包むことによって、不正開封防止機能を提供し、同様に、カセット200の表面的な外観を達成させる。
【0052】
図2Bは、カセット200の前方を下降させた斜視図を示す。カセット200の外側筐体210は、その各側壁部211に細長い開口部または窓部212を備える。窓部212は、互いに反対側に配置されており、互いに位置合わせされている。さらに、カセット200の内側スリーブ220は、透明なポリカーボネートのような透光性の硬質材料から形成されている。外側筐体210の側壁部211にある窓部212は、透光性の内側スリーブ220と組み合わせて、内側スリーブ220内に収容されているシリンジ260を視認することを可能とする(
図2C)。外側筐体210の窓部212を通して視認可能な内側スリーブ220の壁部分は、充填容量表示(図示略)を備える。カセット200の外側筐体210は、同様に、ピン215または他の適切な機械構造体を有し、このピンまたは機械構造体は、カセット200を誤った方向でかつ/または向きでカセットドア308内へ挿入することを防止する。「矢印」アイコンは、シールド取外器240または外側筐体210(図示略)に形成されており、カセットドア308への正確なカセットの挿入方向及び向きを示す。
【0053】
図2Cは、カセット200の側断面図を示す。分かるように、内側スリーブ220は、内側スリーブのピン268を備え、このピンは、自動式注射器の動作中に、自動式注射器300の挿入駆動部330によって係合される。挿入駆動部330により駆動されると、ピン268は、内側スリーブ220をカセット200の外側筐体210内で移動させる。内側スリーブ220は、その中でシリンジ260を受けるようなサイズとされかつ形とされている。
【0054】
まだ
図2Cを参照すると、シリンジ260は、流体チャンバ262を画成するバレル261を備える。流体チャンバ262には、所定用量の薬剤267があらかじめ充填されている。薬剤267は、薬剤267の温度に応じた粘度を有する。シリンジ260は、バレル261の基端部において取外し可能にまたは固定して配置された注射針265と、バレル261の先端部に配置された外側に延在するフランジ263と、を備える。注射針265は、流体チャンバ262と連通し、シリンジバレル261の流体チャンバ262から排出された所定用量の薬剤267を分配することを可能とする。シリンジ260は、移動可能なプランジャストッパ264をさらに備え、このプランジャストッパは、所定用量の薬剤267をチャンバ262から排出するために、バレル261の流体チャンバ262内に配置され、そのため、薬剤は、注射針265を通って分配される。上述した保護針シールド266は、注射針265を被覆し、硬質ではない材料で形成されている。1つの例示的な実施形態において、シリンジ260は、標準の1mlのガラスシリンジであってもよい。ロックキャップ230は、内側スリーブ220の先端部224を閉塞し、基端壁部222の内面と内側スリーブ220のアパーチャ222Aとの接合部にある内縁面に対してシリンジバレル261の基端部261Pを固定し、そのため、シリンジ260は、自動式注射器300の動作中に、内側スリーブが外側筐体210内で進むにしたがって、内側スリーブ220と共に移動する。
【0055】
図3A及び
図3Bを参照すると、カセット200の外側筐体210は、カセット識別手段を備え、このカセット識別手段は、カセット200を識別する情報、例えばカセット200内に収容されているシリンジ260の内容物、及び/または他のカセット/シリンジ特性についての情報などを提供する。1つの例示的な実施形態において、カセット識別手段は、カセット200の外側筐体210の底面210Bに設けられた1以上の隆起部または突出部210Pを備える。
図4G及び
図4Hに示すように、突出部210Pは、カセット200を自動式注射器300のドア208内に挿入してドア208を閉じると、自動式注射器300内にある検出器370によって検出されるまたは検出器370と係合する。検出器370は、自動式注射器300内に収容されているマイクロプロセッサ(例えば
図8に示すマイクロプロセッサ350など)に電気的に結合されており、このマイクロプロセッサは、自動式注射器300がカセット識別手段を読み込み、それによってカセット200を識別することを可能とする。1つの例示的な実施形態において、所定数の突出部210Pは、所定位置において外側筐体210の底面210Bに位置し、検出器370は、複数のキー(図示略)からなるキーパッドを備える。複数のキーのうちの特定のものは、カセット200を自動式注射器300に挿入すると、突出部210Pの場所及び数に応じて、カセット突出部210Pによって作動される。突出部210Pのうちの1つによって作動された各キーは、自動式注射器300がカセット200を識別することを可能とする情報を提供する。いくつかの実施形態において、カセット識別手段は、カセット200に供給された薬剤の薬物送達プロファイルを識別する。したがって、有効なカセットを挿入して有効なカセット及びカセット識別手段により供給される情報を認識すると、カセット200内に供給された薬剤の薬物送達プロファイルに相応する入手可能なプリセットした薬物排出速度範囲は、自動式注射器300により自動的に登録される。入手可能な速度範囲は、シリンジ充填容積及び粘度のような薬剤特性に依存する。限定されない例として、カセット識別手段が複数の突出部210Pを備える場合、1つの突出部は、1mLの充填を示し、2つの突出部は、0.5mLの充填を示し、さらなる突出部は、薬剤及び/または特性を識別するために設けられている。
【0056】
図3Bは、同様に、ラッチ機構218を示しており、このラッチ機構は、カセット200の外側筐体210の底壁部210Bに設けられている。ラッチ機構218は、一対の平行に延在し、弾性のあるロック腕部218a、218bを有する。ロック腕部218a及び218bは、ロック戻止スロット219a及び219bを各別に画成する。内側スリーブ220のピン268は、シリンジ260がホーム位置にあり、シリンジ260の注射針265が針隠し位置においてカセット200内に覆われると、ラッチ機構218の戻止スロット219a、219bに係合し、それにより、カセット200の外側筐体210内の所定位置へ内側スリーブ220をラッチすることをロックする。注射サイクル中において、自動式注射器300の挿入駆動部330(
図8)は、弾性のあるロック腕部218a、218bを離間するように広げ、内側スリーブのピン268をラッチ機構218の戻止スロット219a、219bからラッチ解除または解放し、それにより、シリンジ260を収容するラッチ解除した内側スリーブ220を挿入駆動部330によって自由に移動させることを可能とし、この挿入駆動部は、内側スリーブのピン268を押圧し、注射針265が針隠し位置にあるホーム位置から、注射針265が針伸長位置にある注射位置まで、外側筐体210に対して内側スリーブ220を移動させ、この針伸長位置では、注射場所において針が皮膚を貫通することを可能とする。注射サイクルの終わりにおいて、挿入駆動部330は、内側スリーブのピン268を戻止スロット219a、219b内へ戻るように引っ張り、それにより、注射針265が針隠し位置にあるホーム位置まで、(シリンジ260を収容する)内側スリーブ220を復帰させる。
【0057】
構造及び動作が同様であるカセットは、特許出願(特許文献1~3)においてより詳細に説明されており、それらの全体を参照として本明細書に組み込む。
【0058】
図4Aから
図4Fに示すシールド取外器240は、シリンジ260の注射針265を被覆する保護針シールド266(
図2C)を把持し、そのため、針シールド266を取り外すためにシールド取外器240を使用することを可能とする。さらに、シールド取外器240は、ロック式態様でカセット200に係合し、そのため、カセット200を正確に自動式注射器300に据え付けない限り、カセット200から容易には引き抜かれない。この機能は、針シールド266を不意に取り外すことを防止する。さらに、シールド取外器240があることは、カセット200を以前使用されておらずかつ不正開封されていないことの表示をもたらす。
【0059】
図4Aに示すように、1つの例示的な実施形態において、シールド取外器240は、閉鎖端部242及び開口端部243を有する中空体241を備える。中空本体241は、ほぼシリンダ状の部分241Tと、ほぼ長方形であり、キー状部分241Kと、を備え、このキー状部分は、シリンダ状部分241Tの一側から外方に延在する。シリンダ状部分241Tの開口端部243は、例えば複数の可撓性を有し、外方に張り出す舌部245Tによって、形成された展開可能な部分襟構造体245を画成する。本体241のシリンダ状部分241Tは、その閉鎖端部242に向けてテーパ状に窄む。外方に延在するフランジは、把持部材244として機能し、シリンダ状本体部分241Tの閉鎖端部242に画成されている。把持部材244は、丸まった両端部244Eを接続する平坦な平行側面244Sを備える。把持部材244は、カセット200を自動式注射器300に正確に据え付けた後に、手先の器用さに問題があるユーザがシリンジ260から針シールド266を容易に取り外すことを可能とする。
【0060】
図4Bに示すように、いくつかの実施形態において、シールド取外器240は、本体241のシリンダ状本体部分241Tの内面241Iと摩擦係合された金属管状インサート246備える。金属インサート246は、その長さに沿ってスリット(図示略)を有し、2以上の間隔をあけた針シールド把持歯部246Tを備え、この針シールド把持歯部は、シリンダ状本体部分241Tの内部へ内方に、全体としてその閉鎖端部242に向けて突出する。別の例示的な実施形態において、
図4Cに示すように、針シールド把持歯部246T’は、シリンダ状本体部分241Tの内面241Iに形成されている。
【0061】
図4Aから
図4Cに示すように、シールド取外器240のキー状本体部分241Kは、カセット200の外側筐体210の基端壁部214内でシールド取外器240が回転することを防止する。キー状本体部分241Kは、底壁部241Wを備え、この底壁部は、カンチレバー式バネ部材247とバネ部材247の自由端部に設けられて下方へ延在する突出部またはロックタブ248とによって形成されたロック構造体を有する。ロックタブ248は、傾斜面248Sによって形成されたアンダーカット部を備え、この傾斜面は、シリンダ状本体部分241Tの閉鎖端部242を向き、カンチレバー式部材247の外面247Oと共に鋭角θを画成する。
【0062】
図4Fは、カセット200の基端部分の側断面図を示す。図示のように、シリンジ260の針カバー266は、シールド取外器240のシリンダ状本体部分241T(
図4A)内に配置されており、そのため、シールド取外器240の針把持歯部246T(または
図4Cに示す歯部246T’)は、針カバー266の外面を把持する。シールド取外器240の本体241は、カセット200の外側筐体210の基端壁部214に形成されたアパーチャ214Aを通って延在し、このアパーチャは、シールド取外器240の把持部材244をカセット200の外側に位置させる。カンチレバー式バネ部材247及びロックタブによって形成されたシールド取外器240のロック構造体は、外側カセット筐体210の周縁基端部分内に配置されており、そのため、ロック構造体は、不正開封を防止する態様で、カセット200内の所定位置にシールド取外器240をロックする。ロックすることは、カンチレバー式バネ部材247によって容易にされており、このバネ部材は、タブ248をロックアパーチャ210A(
図4D及び
図4Eにおいて最もよく図示される)内へ押圧しまたは付勢し、このロックアパーチャは、カセット200の外側筐体210の底面210Bに画成されている。カセットの外側筐体210のロックアパーチャ210Aと係合するロックタブ248は、カセット200自動式注射器300内に正確に据え付けている限り、カセット200からシールド取外器240を引き抜くことをほぼ防止する。シールド取外器240を針シールド266に取り付けてカセット200内にロックするので、針シールド266は、自動式注射器300を正確に据え付ける前に、シリンジ260から不意に取り外されない。シールド取外器240があることにより、同様に、カセット200が事前に使用されておらずかつ不正開封されていないことの表示を提供する。
【0063】
図4Gは、ドアを閉じる前に自動式注射器のアクセスドア(双方とも図示略)に据え付けられたカセット200の側断面図であり、
図4Hは、自動式注射器のアクセスドア(双方とも図示略)をすでに閉じた後のカセット200の側断面図である。
図4G及び
図4Hに示すように、自動式注射器300は、自動式注射器300内でカセット200を保持するためのシャーシ301(同様に
図8参照)を有する。シャーシ301は、ピンPと、カセット識別検出器370と、を有する。
図4Hに示すように、アクセスドアを閉じると、カセット200を自動式注射器300のシャーシ301内にまたはシャーシ上に位置付け、そのため、カセット識別突出部210Pは、検出器370によって読み込まれ、それにより、カセット200を自動的に識別することを可能とする。また、ピンPは、シールド取外器240のロック構造タブ248を上方に押圧し、それにより、カンチレバー式バネ部材247によりもたらされる付勢力に打ち勝つ。ロックタブ248が上方に移動すると、外側カセット筐体210の底壁部210Bにあるタブ受容アパーチャ210A(
図4F)から解放し、それにより、シールド取外器240をカセット200の外側筐体210からロック解除する。シールド取外器240のロック構造体をロック解除した状態で、ユーザは、ここで、シールド取外器240の把持部材244を掴み、カセット200及び自動式注射器300から引き抜き、それにより、針シールド266を取り外して注射針265を被覆解除する。
【0064】
図4Eは、シールド取外器240をカセット200から取り外した状態のカセット200の基端部分の下から上への前方斜視図を示す。図示のように、いったんシールド取外器240を取り外すと、展開可能な部分襟構造体245の舌部245Tは、外側へ展開しまたは広がり、そこに取り付けられたシールド取外器240及び針シールド266(図示略)をカセットの外側筐体210の基端壁部214に形成されたアパーチャ214A内に再び挿入することを防止する。したがって、シールド取外器240がないと、ユーザには、カセット200が既に使用されているまたは不正開封されているとの表示が提供される。
【0065】
図5Aから
図5Cに示すロックキャップ230は、シリンジ260を内側スリーブ220内に所定力でロックし、この力は、カセット200の組み立て中に設定される。ロックキャップ230は、外面231O及び内面231Iを有する全体的に平坦な環状本体231と、その内面231Iから離間するように本体231から懸架する両腕部232と、を備える。各腕部232は、鉤状端部234を有する切出部材233を備える。いくつかの実施形態において、切出部材233は、バネ状であってもよい。部材233は、腕部232から本体部231に向けて外側に延在する。本体部231は、金属または硬質プラスチック材料から形成される。軟質エラストマのリング状バンパ235は、本体部231の内面231Iに貼着されている。本体部231及びバンパ235は、開口部236を画成し、この開口部は、自動式注射器300の動作中において、自動式注射器300のモータ駆動されている押出駆動部340(
図11C)により作動されるプランジャロッド343がロックキャップ230を通過し、プランジャストッパ264に係合してプランジャストッパをシリンジバレル261の流体チャンバ262を通って移動させることを可能とするように寸法付けられている。ロックキャップ230は、
図5B及び
図5Cに示すようにバンパ235がフランジ263の頂面263Tに係合するスリップ嵌合態様で、その両腕部232間でシリンジ260のフランジ263を受けるように寸法付けられている。ロックキャップ230の腕部232は、シリンジ260を内側スリーブ220内に組み込む場合に、内側スリーブ220の先端部に形成された向かい合う受け受容部220R内に挿入される。腕部232の鉤状部234は、受け受容部220Rの内面を把持し、ロックキャップ230を所定位置にロックし、これにより、シリンジ260を内側スリーブ220内にロック式に保持する。ロックキャップ230の腕部232は、内側スリーブ220の受容部220R内に選択した距離だけ挿入されており、カセット200内に組み込む間に及び使用中にシリンジ260にかかる力の量を(所定値に)制限する。
【0066】
図5Dは、符号230’が付された別の実施形態におけるロックキャップを示す。ロックキャップ230’は、
図5Aから
図5Cのロックキャップ230と同様であるが、切出部材233が省略されており、その替わりに、各腕部262の端部に鉤状手段234’が設けられている。
【0067】
ここで
図2Aから
図2Cを参照すると、カバー250は、カセット200の外側筐体210の先端部に取り付けられている。カバー250は、外側筐体210の先端部216の形状と一致する形状を有するほぼ平面状の部材である。カバー250は、2以上のロック腕部253を備えており、これらロック腕部は、カバー250の内面251から延在し、外側筐体210の側壁部211を通って延在する対応する受容部255にロック式に係合する。また、その先端部216に隣接して、外側筐体210内に、外側筐体上に、または外側筐体を通して形成された歯状構造体または他の適切なロック手段(図示略)をカバー250を取り付けるために使用してもよい。カバー250は、開口部254をさらに備え、この開口部は、ロックキャップ230により画成される開口部236と軸方向で位置合わせされている。カバー250にある開口部254は、ロックキャップ230の開口部236と同様に、自動式注射器300の動作中において、自動式注射器300のモータ駆動式の押出駆動部240(
図8)により作動されているプランジャロッド342がカバー250を通過し、プランジャストッパ264と係合してプランジャストッパをシリンジバレル261の流体チャンバ262を通って移動させることを可能とするように寸法付けられている。
【0068】
ここで、
図6Aから
図6Fを参照すると、自動式注射器300は、ハンドルセクション304及びハンドルセクション304に沿うカセット受容セクション306を有するケーシング302を備える。手の器用さに問題のある患者を補助するため、自動式注射器のケーシング302のハンドルセクション304は、軟質把持領域305Sを有する人間工学的形状のハンドル305を画成する。カセット受容セクション306は、上述したカセットドア308(
図6B及び
図6D)を備える。カセットドアは、開口位置(
図1)においてカセット200を受け、閉鎖位置において、カセット200を挿入及び押出駆動部と自動式注射器300の他の構造体及び構成部材に位置合わせさせる。カセットドア308は、「カセット」アイコンを有しており、このアイコンは、カセット200のための挿入入口点を示す。ケーシング302のカセット受容セクション306は、その両側に窓部310A、310Bを備えており、これら窓部は、カセット200を正確にそこに挿入した状態でカセットドア308を閉じると、カセット200の窓部212(
図2B)と位置合わせする。1以上の実施形態において、窓部310A、310Bは、二重層となっている。1以上の発光部(図示略)は、ケーシング302の内側に設けられており、カセットの窓部212とカセット200の内側スリーブ220内に配置されたシリンジ260とを均等に照射し、そのため、ユーザは、自動式注射器300の窓部310A、310Bを通して注射サイクルを観測することができる、すなわち、シリンジ内容物(以下、「薬剤」押出処理中において、シリンジ260のプランジャストッパ264の初期位置及び終了位置と、カセット200内におけるシリンジの移動と、を観測できる。
【0069】
まだ
図6A、
図6B、
図6D及び
図6Fを参照すると、自動式注射器300は、ユーザインタフェース312及び音声スピーカ(図示略)をさらに備える。(
図6において最もよく示される)ユーザインタフェース312は、ケーシング302のカセット受容セクション306に位置しており、さまざまな視覚表示を提供する。音声スピーカは、ケーシング302の内側に配置されており、さまざまな音声表示を提供する。音声スピーカは、カセット受容セクション306においてケーシング302に形成されたスピーカアパーチャ314を介して外部環境と音声式に連通している。ユーザインタフェース312及び音声スピーカによって生成された視覚及び音声表示は、いつ自動式注射器300が使用準備されたか、注射処理の進行、注射完了、エラー発生及び他の情報をユーザに知らせる。自動式注射器300は、設定/消音スイッチ315、速度選択スイッチ316、開始ボタン307及び取出ボタン317のうちの1以上をさらに備える。設定/消音スイッチ315(
図6B)は、ケーシング302のカセット受容セクション306に位置する。消音スイッチ315は、ユーザがエラー音を除くすべての合成音をオンオフすることを、及び、リアルタイムで反応することを可能とするような構造とされかつそのように構成されており、そのため、ユーザが注射処理を開始して消音スイッチをオフすると、音声は、すぐに消音される。消音スイッチ315は、同様に、「消音」アイコンに向けてスライドするような構造とされかつそのように構成されており、音声スピーカを消音する。発光表示は、「消音」状態を確認するために設けられてもよい。速度選択スイッチ316(
図6A及び
図6B)は、ケーシング302のカセット受容セクション306に位置する。速度選択スイッチ316は、ユーザが複数のあらかじめ設定された薬剤送達(押出)速度の中から選択することを可能とするような構造とされかつそのように構成されており、患者個人の好みに合わせる。速度選択スイッチ316は、3つのスイッチ位置を備える。他の実施形態にかかる速度選択スイッチは、2つのスイッチ位置または4つ以上のスイッチ位置を備えてもよい。さらに他の実施形態において、速度選択スイッチは、無限可変タイプであってもよい。いくつかの実施形態において、注射前にスイッチ316の位置を変更することは、注射中に薬剤押出速度を変更する一方で、注射中に速度選択スイッチ316の位置を変更することは、リアルタイムでは注射速度を変更しない。自動式注射器300には、同様に、1以上の実演カセットが設けられており、ユーザが異なる薬剤送達速度で実験することを可能とする。開始ボタン307は、ハンドル305の自由端部に設けられている。ボタン307は、親指をボタン307上に置くことを最適化するための凹凸部307Iを有する。ボタン307は、透光性材料で形成されており、この材料は、信号としてボタンを照明する照明効果を可能とする。取出ボタン317(
図6D)は、ケーシング302のカセット受容セクション306に位置する。取出ボタン317は、指をボタン317上に置くことを最適化するための凹凸部317Iを有する。いくつかの実施形態において、取出ボタン317は、自動式注射器300のマイクロプロセッサ(例えば
図8に示すマイクロプロセッサ350)により制御されており、このマイクロプロセッサは、注射処理中に不意の入力を排除するようにプログラムされている。
【0070】
再び
図6Eを参照すると、ケーシング302のカセット受容セクション306及びカセットドア308は、自動式注射器300の基端壁部318を形成する。基端壁部318は、シールド取外器240の取外し後にまたは自動式注射器300がカセット200を収容していないときに、自動式注射器300を支持面に容易に位置付けるための幅の広い平坦かつ安定したベースとして構成されている。カセットドア308により形成される基端壁部318の一部は、アパーチャ308Aを有し、このアパーチャは、カセット200を自動式注射器300内に据え付けると、シールド取外器240をカセット200から取り外してアパーチャ308Aを通って引き抜くことを可能とするようなサイズとされかつ形状とされている。シールド取外器240がアパーチャ308Aを通って外に通過するとすぐに、展開可能な部分襟構造体245の舌部245Tは、外側へ展開しまたは広がり、それにより、シールド取外器240及びそれに取り付けられた針シールド266がカセットドア308のアパーチャ308A内に再び挿入されることを防止する。自動式注射器300の基端壁部は、標的ライト320をさらに備える。標的ライト320は、シールド取外器240をカセット200から取り外してアパーチャ308Aを通して引き抜くと、点灯するような構成とされかつそのように構成されており、それにより、シールド取外器240を取り外したことを視覚的に示す。いったん点灯すと、標的ライトは、注射場所を視覚化して選択するときにユーザを補助する。
【0071】
まだ
図6Eを参照すると、自動式注射器300は、容量ベースの皮膚センサ380(破線で示す)をさらに備える。皮膚センサ380は、自動式注射器300の基端壁部318が注射場所領域に下方への圧力をかける必要がない状態でいつ皮膚に触れるまたは接触するかを判断する。皮膚センサ380は、皮膚の接触を検出すると、スピーカ及びユーザインタフェースにより発生された音声の及び視覚の表示を介してユーザに知らせるような構成とされかつそのように構成されている。いくつかの実施形態において、皮膚センサ380は、自動式注射器300の基端壁部318に埋め込まれた2つのパッドまたは電極(図示略)を備える。電極に触れると、その容量信号が増大する。センサ決定論理を用いてプログラムされたマイクロプロセッサ(例えば
図8に示すマイクロプロセッサ350)により増加が十分であると判断されると、その電極は、作動される。皮膚の接触をしたか判断するため、マイクロプロセッサは、電極の容量を読み込む。そして、マイクロプロセッサは、容量情報を処理し、いつ電極双方が皮膚と接触しなくなったか判断する。
【0072】
図7は、本発明の一実施形態における自動式注射器300のマイクロプロセッサ350を用いて皮膚センサ380を制御するための決定論理を示す状態図である。処理は、自動式注射器をリセットすることを示す符号400から開始する。そして、論理は、自動式注射器をリセットした後に皮膚センサを初期化することを示す状態402に進む。いったん初期化すると、論理は、センサの電極が皮膚に接触しないまたは一方のみの電極が皮膚に接触する「非接触」状態を示す状態404に進む。両電極が所定の閾値期間(例えば1秒)未満にわたって皮膚に接触する場合、論理は、「接触」状態を示す状態406に進む。一方の電極が皮膚に接触するまたはいずれの電極も皮膚に接触しない場合、論理は、状態404に戻る。しかしながら、両電極が閾値期間に等しい期間にわたって皮膚に接触する場合、論理は、「接触OK」状態を示す状態408に進む。一方の電極が皮膚に接触するまたは電極が皮膚に接触しない場合、論理は、「解放」状態410に進む。両電極が皮膚に接触する場合、論理は、「接触OK」状態408に戻る。閾値期間を超えて(例えば1秒を超えて)一方の電極が皮膚に接触するまたは電極が皮膚に接触しない場合、論理は、「非接触」状態404に戻る。
【0073】
図8は、自動式注射器100及びそこに据え付けられたカセット200を備える自動式注射装置100の断面側面図を示す。自動式注射器300のケーシング302は、カセット200を受容するためのシャーシ301を収容し、このカセットは、シリンジ206と、モータ駆動式挿入駆動部330と、モータ駆動式押出駆動部340と、(上述した)マイクロプロセッサ350と、駆動部330、340及びマイクロプロセッサ350に給電するためのバッテリ360と、(上述した)皮膚センサ380と、を収容する。
【0074】
マイクロプロセッサ350には、所定の指示がプログラムされており、この指示は、マイクロプロセッサ350により実行されており、自動式注射器300のさまざまな動作及び機能を制御して監視することを可能とする。限定的ではないが例えば、マイクロプロセッサには、モータ駆動式の挿入及び押出駆動部330、340を制御するための指示がプログラムされており、そのため、マイクロプロセッサ、注射サイクル及び処理フローの各ステップを制御して監視し、それにより、針挿入、薬物押出及び針後退を自動化し、自動式注射器300と薬剤投与との正確な一貫性があり信頼性がある動作を確実にする。マイクロプロセッサには、同様に、ユーザに対する音声の及び視覚のフィードバックを制御するための指示がプログラムされている。自動化された電源投入自己試験は、自動式注射器300の動作及び残り充電を確認する。
【0075】
図9は、本発明の例示的な実施形態における、マイクロプロセッサ350を有する自動式注射器300のさまざまな機能を制御するための決定論理を示すフローチャートである。自動式注射器のマイクロプロセッサ論理は、ブロック500で開始し、自動式注射器は、「オフ(カセット)ドア閉鎖」状態にある。ユーザが取出ボタンを押圧すると、マイクロプロセッサは、以下のエラー状態が発生したとマイクロプロセッサが判断する場合を除き、自動式注射器をブロック502にある「デバイス起動」状態とし、上記エラー状態は、1)自動式注射器が「寿命切れ」である、すなわち、自動式注射器の使用が所定期間(例えば2年)を超えたまたは所定数の注射(例えば130回の注射)を超えた、2)回復不能なデバイスエラーが発生した、3)自動式注射器のバッテリが切れた、4)欠陥のあるカセットを自動式注射器に挿入した、または、5)自動式注射器が所定温度未満である、である。エラー状態1~3のいずれかが発生した場合、ブロック504、506及び508に対応する視覚の及び音声のエラーメッセージまたは警告をマイクロプロセッサにより実行する、例えば、ユーザインタフェースは、所定期間(例えば60秒)にわたって「デバイス不具合」アイコン(
図13)を迅速に点滅させ、音声スピーカは、デバイスエラーを示す所定音声を発生させる。エラー状態4が発生した場合、ブロック510に対応する視覚の及び音声のエラーメッセージまたは警告をマイクロプロセッサにより実行する、例えば、ユーザインタフェースは、所定期間(例えば60秒)にわたって「カセット不具合」アイコン(
図13)を点滅させ、音声スピーカは、デバイスエラー音声を発生させる。そして、マイクロプロセッサは、所定期間(例えば2秒)後にカセットドアを開き、自動式注射器をブロック546にある「ドア開放、スリープB」状態にする。カセットを取り外してカセットドアを閉じると、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック500の「オフ、ドア閉塞」状態にする。エラー状態5が発生した場合、ブロック512に対応する視覚の及び音声のエラーメッセージまたは警告をマイクロプロセッサにより実行する、例えば、ユーザインタフェースは、所定期間(例えば60秒)にわたって「低温」アイコン(
図13)を点滅させ、スピーカは、デバイスエラー音声を発生させる。そして、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック500にある「オフ、ドア閉塞」状態に戻す。
【0076】
まだ
図9を参照すると、エラー状態を検出しない場合、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック502にある「デバイス起動」にし、ここでは、ユーザインタフェースのLEDをオフのままとし、音声スピーカにより音声を発生させない。そして、マイクロプロセッサは、カセットドアを開放し、これは、自動式注射器をブロック514にある「ドア開放、スリープ状態A」にする。カセットを挿入してカセットドアを閉じると、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック516にある「デバイスが明らかに起動した」状態とし、ここでは、バックライトを点灯させ、音声スピーカを用いて、自動式注射器が起動したとの表示の音声を発生させる。マイクロプロセッサによりカセット不良を検出を検出した場合、ブロック518にある視覚の及び音声のエラー警告を発生させる、例えば、ユーザインタフェースは、所定期間(例えば60秒)にわたって「カセット不具合」アイコン(
図13)を点滅させ、音声スピーカは、デバイスエラー音声を発生させる。そして、マイクロプロセッサは、所定期間(例えば2秒)後にカセットドアを開放し、自動式注射器をブロック546の「ドア開放、スリープB」状態にし、そのため、カセットを取り外せる。カセットドアがほぼ閉塞されている場合、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック500の「オフ、ドア閉塞」状態にする。取出ボタンを押圧した場合、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック514の「ドア開放、スリープA」にする。いったん自動式注射器をブロック516の「デバイスが明かに起動した」状態にあると、カセットのシールド取外器を取り外すことは、マイクロプロセッサをブロック522の「キャップオフ」状態にし、ここでは、標的ライトを点灯させ、バックライトをオンのままにし続ける。しかしながら、自動式注射器が所定期間(例えば60秒)内にブロック516の「デバイスが明かに起動した」状態に入った後にシールド取外器を取り外さない場合、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック520の「カセットイン、スリープ」状態にし、ここでは、LEDをオフにし、スピーカをオフにする(音声なし)。そして、開始または取出ボタンを押圧した場合、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック516の「デバイスが明かに起動した」状態に戻す。しかしながら、(ブロックの「カセットイン、スリープ」状態に入った後に)シールド取外器を取り外していない場合、マイクロプロセッサは、上述のように、自動式注射器をブロック522の「キャップオフ」状態にする。
【0077】
まだ
図9を参照すると、いったんブロック522の「キャップオフ」状態において標的ライトを点灯すると、注射場所において自動式注射器の基端壁部が皮膚に触れ、そのため、皮膚センサが皮膚との接触を検出することにより、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック526にある「注射準備できた」状態にし、ここでは、開始ボタンを第1の所定色(例えば緑)で連続的に照射させ、ユーザインタフェース(
図12)の進行LEDすべてを点灯させ、注射器が注射サイクルを開始する準備が整ったとの表示する音声をスピーカを用いて発生させ、標的ライトをオフにし、バックライトを点灯させたままにし、そのため、ユーザは、シリンジの注射の進行を視認できる。ブロック526の「注射準備できた」状態に入った後に所定期間(例えば60秒)内に皮膚センサが皮膚との接触を感知しない場合、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック524にある「キャップオフスリープ」状態にし、ここでは、進行LED550(
図12)及び音声スピーカをオフにする。開始または取出ボタンをその後に押圧した場合、マイクロプロセッサは、上述のように、自動式注射器をブロック522にある「キャップオフ」状態にする。しかしながら、開始または取出ボタンをその後に押して皮膚センサが皮膚との接触を感知した場合、マイクロプロセッサは、上述のように、自動式注射器をブロック526の「注射準備できた」状態にする。そして、自動式注射器を皮膚から離昇させると、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック522の「キャップオン」状態に戻す。
【0078】
再び
図9を参照すると、自動式注射器がブロック526の「注射準備できた」状態にある状態で、開始ボタンを押圧することは、マイクロプロセッサがブロック528にある「注射開始」状態にし、ここでは、開始ボタンの連続的な照明を第2の所定色(例えば青)に変更し、バックライト及び進行LEDをオンのままにする。注射針を皮膚内に押し込んでいないことをマイクロプロセッサが検出した場合、針を後退させ、ブロック530において針が動かないことを視覚的及び音声的に警報する、例えば、ユーザインタフェースは、所定期間(例えば60秒)にわたって「カセット不具合」アイコン(
図13)を点滅させ、スピーカは、エラー音を発生させる。そして、マイクロプロセッサは、所定期間後にカセットドアを開放し、自動式注射器をブロック546の「ドア開放、スリープB」状態にする。しかしながら、注射針が皮膚に押し込んでいる場合において、所定期間が経過した(例えば5秒)後に、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック532にある「注射進行」状態にし、ここでは、開始ボタンは、第2の所定色で継続的に証明されたままであり、バックライト及び進行LEDは、オンのままである。プランジャが詰まっているカセットを押圧した場合、マイクロプロセッサは、注射針を後退させ、プランジャが動かないことをブロック534において視覚的に及び音声的に示す、例えば、ユーザインタフェースは、所定期間(例えば60秒)にわたって「カセット不具合」アイコン(
図13)を点滅させ、スピーカは、エラー音を発生させる。そして、マイクロプロセッサは、所定期間後にカセットドアを開放し、自動式注射器をブロック546の「ドア開放、スリープB」状態にする。その替わりに、所定期間(例えば1秒)にわたって許容可能な限度を超えて自動式注射器を皮膚から離昇させた場合、マイクロプロセッサは、注射針を後退させ、ブロック536において「皮膚から離れ過ぎ」警報を視覚的に及び音声的に示す、例えば、ユーザインタフェースは、所定期間(例えば60秒)にわたって「カセット不具合」アイコン(
図13)を点滅させ、スピーカは、エラー音を発生させる。
【0079】
図9のブロック532に戻ると、選択した薬物注射期間が経過するにしたがって、進行LED550(
図12)は、マイクロプロセッサによって連続して消灯され、注射サイクルの進行を示す。いったん注射サイクルを完了すると、マイクロプロセッサは、注射針を後退させ、それにより、自動式注射器をブロック538にある「針後退」状態にし、ここでは、開始ボタンを第2の所定色で連続的に照明し、バックライトをオン状態のままにし、進行LED550(
図12)のうちの1つのみをオン状態のままにする。そして、マイクロプロセッサは、プランジャロッドを部分的に後退させ、注射針を完全に後退させ、それにより、自動式注射器をブロック540に示す「注射完了」状態にし、ここでは、開始ボタンの照明色を第1の所定色に戻し、バックライト及び最後の進行LED550(
図12)を消灯し、音声スピーカを用いて注射を完了したことを示す音声を発生させる。自動式注射器を所定期間(例えば5秒)にわたって皮膚から取り外した場合、マイクロプロセッサは、自動式注射器をブロック542の「プランジャ後退」状態にし、開始ボタンの照明を終了する。そして、マイクロプロセッサは、プランジャロッドを後退させ、ブロック544においてカセットドアを自動的に開放し、自動式注射器は、ブロック546の「ドア開放、スリープB」状態とされる。ここで、使用済みカセットを取り外すことを行い、カセットドアを閉塞し、自動式注射器をブロック500の「オフ、ドア閉塞」状態にする。マイクロプロセッサがブロック544の「自動ドア開放」状態において低バッテリを検出すると、(これは、所定の注射回数が残っていること、所定の注射回数を行ったこと、または、所定の使用日数が経過していること、を示しており、)マイクロプロセッサは、自動式注射器に、ユーザインタフェースを用いて「低バッテリ」アイコン(
図13)を点滅させることによって、「低バッテリ」エラー警告を視覚的かつ音声的に示させる。
【0080】
再び
図8を参照すると、モータ駆動式挿入駆動部330は、針挿入サイクル及び針後退サイクルを実行する。
図10A及び
図10Bそれぞれは、一実施形態にかかるモータ駆動式挿入駆動部330を示す上から下への斜視側面図及び下から上への斜視側面図である。挿入駆動部330は、挿入駆動部のモータ331と、駆動リンクまたはラック332と、挿入駆動部のモータ331の回転運動を伝達してラック332を駆動するための複数のギア333
1、333
2、333
3、333
4を有する挿入駆動部のギアトレイン333と、を備える。ラック332は、頂面332T及び底面332Bを有する。ラック332の頂面332Tは、間隔をあけた第1及び第2突出部332
1及び333
2それぞれを有する。ラック332の底面332Bは、ラック歯部334を有する。ラックのラック歯部334は、ギアトレイン333のギア333
4に係合する。針挿入サイクル中において、ラック332の第1突出部332
1は、カセット200の内側スリーブ220の内側スリーブのピン268を外側カセット筐体210のラッチ218(
図3B)からラッチ解除し、そして、内側スリーブのピン268に係合し、その後、内側スリーブのピン268を押圧し、ホーム位置から針伸長位置まで、カセット200の外側筐体内で前方に向けてシリンジ260を有する内側スリーブ220を駆動し、この針伸長位置では、シリンジ260の注射針265は、カセット200から外に延在し、注射場所において皮膚内に挿入される。針後退サイクル中において、ラック332の第1突出部332
2は、内側スリーブのピン268に係合し、そして、内側スリーブのピンを引っ張り、再びホーム位置内へ、カセット200の外側筐体内で後方に向けてシリンジ260を有する内側スリーブ220を駆動し、これにより、シリンジ260の注射針265を注射場所において皮膚から引き抜き、それをカセット200内へ戻し(薬物を押し出した後)、ここでは、針は、安全な取り扱い及び廃棄のために、カセット200内で保護されかつロックされる。針の挿入位置及びタイミングは、自動式注射器のマイクロプロセッサ350によって観測されかつ制御されている。エラーが発生すると、エラーは、スピーカからの音声警告と共に、ユーザインタフェース312(
図6A)に表示される。挿入駆動部330は、自動式注射装置100が所定の針注射深さで薬剤を皮膚下に(SC)送達することを可能とする。挿入駆動部330が内側スリーブ220/シリンジ260をカセット200の外側筐体210内にある機械的硬質停止部に向けて前方に移動させると、針深さパラメータを達成する。機械的硬質停止部は、患者の皮膚の方向においてシリンジ260の進行を制限し、所望のあらかじめ設定した設計までの針深さを確実にする。モータ331の運動を観測することにより、音声の及び視覚の警告と共に発生して、針の針挿入が不完全であることを検出することが可能となり、この不完全は、後退及び注射サイクルの終了を引き起こす。
【0081】
図8に示すモータ駆動式押出駆動部340は、薬物押出サイクルを実行し、この薬物押出サイクルでは、製剤をシリンジ260から空にする。
図11A及び
図11Bは、一実施形態におけるモータ駆動式押出駆動部340を示す斜視側面図である。
図11Aは、一実施形態にかかるモータ駆動式押出駆動部340のプランジャロッド/駆動ネジ手段を示す分解斜視側面図である。
図11Bは、
図11Aに示すプランジャロッド/駆動ネジ手段を示す組立状態の斜視側面図である。
図11Cは、一実施形態にかかるモータ駆動式挿入駆動部330のギアトレインを示す斜視図である。押出駆動部340は、押出駆動モータ341、プランジャロッド342、リードネジ343及び押出駆動ギアトレイン344を備える。プランジャロッド342は、リードネジ343及び押出駆動ギアトレイン344を介して押出駆動モータ341によって駆動される。
図11A及び
図11Bに示すように、プランジャロッド342は、プッシャ342Pを有し、リードネジ343は、ナット345を有する。ナット345は、プランジャロッド342をリードネジ343に連結する。ナット345は、リードネジ343の外ネジ山343Tに螺合する内ネジ山345Tを有する。ナット345は、同様に、プランジャロッド342のプッシャ342Pを固定して保持するホルダ345Hを有する。
図11Cに示すように、押出駆動ギアトレイン344は、複数のギア344
1、344
2、344
3、344
4、344
5、344
6を有する。押出駆動ギアトレイン344のギア344
1及び344
6は、押出駆動モータ341及びリードネジ343に各別に連結されており、そのため、押出駆動ギアトレイン344が挿入駆動モータ331の回転運動を伝達してリードネジ343を駆動することを可能とする。リードネジ343が回転するにしたがって、ナット345(リードネジ343と螺合された)は、(リードネジの回転方向に応じて)リードネジ343に沿って、前方または後方へ移動し、これは、順に、プランジャロッド342を自動式注射器300内で前方及び後方へ駆動する。プランジャロッド342を前方に運動させると、プランジャロッド342の端面342EFは、カセット200内に、同時にシリンジ260のシリンジバレル261内に入れられる。そして、プランジャロッド343は、シリンジ260のプランジャストッパ264に係合し、薬物押出サイクル中にシリンジ260から所定容量の薬剤を放出するために、シリンジバレル261の端部へそれを押し込む。押出駆動部340の構成部材の位置並びに薬物押出に関連する時間は、マイクロプロセッサ350によって監視されている。エラーが発生すると、エラーは、可聴警報と共にユーザインタフェース312に示される。マイクロプロセッサ350は、工場で設定したさまざまな薬物送達プロファイル(ストローク、速度、加速度)を格納できる。複数の独自の薬物送達プロファイルは、具体的なカセットの構造に関連する。カセット200の外側筐体210にあるカセット識別手段は、自動式注射器300が充填した薬剤に関して特有の正確な薬物送達プロファイルを識別することを可能とする。有効なカセット200を挿入して認識すると、利用可能なあらかじめ設定された薬物押出速度範囲は、自動式注射器300により自動的に登録される。利用可能な速度範囲は、シリンジの満容量や粘性のような薬剤の特性に応じる。
【0082】
ユーザは、速度選択スイッチ316を用いて特有の製剤に関する複数の異なる選択肢から、所望の薬物押出速度(シリンジ260の薬剤を空にするための時間として定義される)を選択する。薬物押出サイクルを開始すると、プランジャロッド342のストロークは、制御されかつ監視され、プランジャストッパ264がシリンジバレル261の端部に到達することを確実にし、これは、用量送達を完了することを確実にする。押出処理中にエラー(例えばプランジャロッドが完全なストロークを達成できないなど)が発生すると自動式注射器300は、薬物押出をすぐに終了し、針をカセット200内へ戻して後退させ、音声の及び視覚の警告を提供する。
【0083】
注射サイクルは、音声の及び視覚の信号双方によって示されてもよい。自動式注射器300の光は、注射サイクル中に頂部から底部に向けて順に消灯し、ユーザに対して注射の進行を示す。注射サイクルを完了すると、自動式注射器300は、注射針を使い捨てカセット200内へ後退させて戻し、そして、カセットドア308を自動的に開き、ユーザによってカセット200を取り外すことを可能とする。カセットドア308が開くことは、同様に、ユーザに対して注射サイクルが完了したことを示すものである。
【0084】
注射サイクル中にエラーが発生した場合には、自動式注射器300には、さまざまな音声の及び視覚の信号が備えられており、ユーザ(オペレータまたは患者)に対してエラーを警告し、適切な行動を促す。
【0085】
図8に示すバッテリ360は、交換不能で、充電不能なバッテリである。バッテリ360は、薬物送達要件を満たすように適切な貯蔵寿命及び耐用年数にわたって十分な電力を供給できるべきである。自動式注射器300を起動すると、電源投入時の自己テストを自動的に実行し、十分なバッテリ電力が成功する注射サイクルにわたって得られることを確実にする。注射前にバッテリ360に異常が発生した場合には、自動式注射器300のユーザインタフェース312は、視覚的及び音声的な警告を提供する。マイクロプロセッサ350は、所定の耐用年数の終了時において自動式注射器300を無効にするようにプログラムされてもよい。
【0086】
カセット200のシリンジ260には、赤血球生成刺激剤(ESA)のような製剤があらかじめ充填されており、この製剤は、液体または凍結乾燥された形態にある。ESAは、赤血球生成刺激タンパク質であってもよい。本明細書で使用するように、「赤血球生成刺激タンパク質」は、例えば受容体に結合されて受容体の二量化を引き起こすことによって、エリスロポエチン受容体を直接的にまたは間接的に活性化させる任意のタンパク質を意味している。赤血球生成刺激タンパク質は、エリスロポエチン及びエリスロポエチン受容体に結合されかつエリスロポエチン受容体を活性化させるその変異体、類似体または誘導体;エリスロポエチン受容体に結合されかつ受容体を活性化させる抗体;または、エリスロポエチン受容体に結合されかつエリスロポエチン受容体を活性化させるペプチド、を含む。赤血球生成刺激タンパク質は、限定されないが、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ、及びこれらの類似体、ペグ化されたエリスロポエチン、カルバミル化されたエリスロポエチン、ペプチド模倣物(EMP1/ヘマタイドを含む)、及び、抗体模倣物、を含む。例示的な赤血球生成刺激タンパク質は、エリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチンアゴニスト変異体、及び、エリスロポエチン受容体に結合しかつエリスロポエチン受容体を活性化させるペプチドまたは抗体、を含む。
【0087】
用語「赤血球生成刺激タンパク質」は、限定されないが、エポジェン(登録商標)(エポエチンアルファ)、アラネスプ(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、ディネポ(Dynepo)(登録商標)(エポエチンデルタ)、ミルセラ(Mircera)(登録商標)(メトキシポリエチレングリコールエポエチンベータ)、ヘマタイド(登録商標)(ペギネサチド)、MRK-2578、INS-22、レタクリット(Retacrit)(登録商標)(エポエチンゼータ)、ネオコルモン(NeoRecormon)(登録商標)(エポエチンベータ)、サイラポ(Silapo)(登録商標)(エポエチンゼータ)、ビノクリット(Binocrit)(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファヘキサル、アブシームド(Abseamed)(登録商標)(エポエチンアルファ)、ラチオエポ(Ratioepo)(登録商標)(エポエチンシータ)、エポラチオ(Eporatio)(登録商標)(エポエチンシータ)、ビオポイン(Biopoin)(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタ、を含む。
【0088】
用語「赤血球生成刺激タンパク質」は、以下の特許公報または特許出願公開公報に記載されたような分子、変異体または類似体をさらに含み、これら公報それぞれは、その全体が参考として本願に組み込まれる。これら公報は、米国特許第4703008号明細書;米国特許第5441868号明細書;米国特許第5547933号明細書;米国特許第5618698号明細書;米国特許第5621080号明細書;米国特許第5756349号明細書;米国特許第5767078号明細書;米国特許第5773569号明細書;米国特許第5830851号明細書;米国特許第5856298号明細書;米国特許第5955422号明細書;米国特許第5986047号明細書;米国特許第6030086号明細書;米国特許第6310078号明細書;米国特許第6391633号明細書;米国特許第6583272号明細書;米国特許第6586398号明細書;米国特許第6900292号明細書;米国特許第6750369号明細書;米国特許第7030226号明細書;米国特許第7084245号明細書;及び、米国特許第7271689号明細書;米国特許出願公開第2002/0155998号明細書;米国特許出願公開第2003/0077753号明細書;米国特許出願公開第2003/0082749号明細書;米国特許出願公開第2003/0143202号明細書;米国特許出願公開第2003/0215444号明細書;米国特許出願公開第2004/0009902号明細書;米国特許出願公開第2004/0071694号明細書;米国特許出願公開第2004/0091961号明細書;米国特許出願公開第2004/0143857号明細書;米国特許出願公開第2004/0157293号明細書;米国特許出願公開第2004/0175379号明細書;米国特許出願公開第2004/0175824号明細書;米国特許出願公開第2004/0229318号明細書;米国特許出願公開第2004/0248815号明細書;米国特許出願公開第2004/0266690号明細書;米国特許出願公開第2005/0019914号明細書;米国特許出願公開第2005/0026834号明細書;米国特許出願公開第2005/0096461号明細書;米国特許出願公開第2005/0107297号明細書;米国特許出願公開第2005/0107591号明細書;米国特許出願公開第2005/0124045号明細書;米国特許出願公開第2005/0124564号明細書;米国特許出願公開第2005/0137329号明細書;米国特許出願公開第2005/0142642号明細書;米国特許出願公開第2005/0143292号明細書;米国特許出願公開第2005/0153879号明細書;米国特許出願公開第2005/0158822号明細書;米国特許出願公開第2005/0158832号明細書;米国特許出願公開第2005/0170457号明細書;米国特許出願公開第2005/0181359号明細書;米国特許出願公開第2005/0181482号明細書;米国特許出願公開第2005/0192211号明細書;米国特許出願公開第2005/0202538号明細書;米国特許出願公開第2005/0227289号明細書;米国特許出願公開第2005/0244409号明細書;米国特許出願公開第2006/0040858号明細書;米国特許出願公開第2006/0088906号明細書;及び、米国特許出願公開第2006/0111279号明細書;並びに、国際公開第91/05867号;国際公開第95/05465号;国際公開第96/40772号;国際公開第99/66054号;国際公開第00/24893号;国際公開第01/81405号;国際公開第00/61637号;国際公開第01/36489号;国際公開第02/014356号;国際公開第02/19963号;国際公開第02/20034号;国際公開第02/49673号;国際公開第02/085940号;国際公開第03/029291号;国際公開第2003/055526号;国際公開第2003/084477号;国際公開第2003/094858号;国際公開第2004/002417号;国際公開第2004/002424号;国際公開第2004/009627号;国際公開第2004/024761号;国際公開第2004/033651号;国際公開第2004/035603号;国際公開第2004/043382号;国際公開第2004/101600号;国際公開第2004/101606号;国際公開第2004/101611号;国際公開第2004/106373号;国際公開第2004/018667号;国際公開第2005/001025号;国際公開第2005/001136号;国際公開第2005/021579号;国際公開第2005/025606号;国際公開第2005/032460号;国際公開第2005/051327号;国際公開第2005/063808号;国際公開第2005/063809号;国際公開第2005/070451号;国際公開第2005/081687号;国際公開第2005/084711号;国際公開第2005/103076号;国際公開第2005/100403号;国際公開第2005/092369号;国際公開第2006/50959号;国際公開第2006/02646号;国際公開第2006/29094号;及び、国際公開第2007/136752号、である。
【0089】
あるいは、カセット200のシリンジ260には、同様に、他の製品が充填されてもよい。使用される他の製剤の例は、限定されないが、生物製剤(例えば、エンブレル(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNFブロッカ)、アダリムマブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴール及びゴリムマブのような抗TNF抗体;ウステキヌマブや、アバタセプトとしても公知のCTL4A:Fcのような他のFc融合体などの抗IL-12抗体;ニューラスタ(登録商標)(ペグ化されたフィルグラスチム、ペグ化されたG-CSF、ペグ化されたhu-Met-G-CSF)、ニューポジェン(登録商標)、フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、エヌプレート(登録商標)(ロミプロスチム)、ベクティビックス(登録商標)(パニツムマブ)、センシパー(登録商標)(シナカルセット)並びにザイゲバ(登録商標)及びプロリア(登録商標)(それぞれデノスマブ、AMG162);並びに、他の小分子薬物、治療抗体、ポリペプチド、タンパク質、または、鉄(例えば、フェルモキシトール、鉄デキストラン、グルコン酸第2鉄及び鉄ショ糖)などの他の化学物質;を含む。治療薬は、液体状にある、または凍結乾燥形態から戻されてもよい。
【0090】
カセット200のシリンジ260において使用される特有の例示的なタンパク質は、抗体、ペプチボディ、ペグ化されたタンパク質、ポリペプチド及び関連タンパク質(その融合体、フラグメント、類似体、変異体または誘導体を含む)であり、例えば、タンパク質であって、OPGL;IL-4受容体;インターロイキン1-受容体1(“IL1-R1”);アンジオポエチン-2(Ang2);NGF;CD22;IGF-1;B-7関連タンパク質1(B7RP1);IL-15;IL-17受容体A:IFNガンマ;TALL-1;副甲状腺ホルモン(“PTH”);トロンボポエチン受容体(“TPO-R”);肝細胞成長因子(“HGF”);TRAIL-R2;アクチビンA;TGF-ベータ;アミロイド-ベータ;c-Kit;α4β7:及びIL-23またはそのサブユニット;及び、他の治療タンパク質に具体的に結合する、タンパク質である。
【0091】
カセット200のシリンジ260には、同様に、完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、OPGL特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など(同様にRANKL特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質などと称する)が充填されてもよく、これらは国際公開第03/002713号に記載された抗体を含むがこれらに限定されず、この公報は、OPGL特異抗体及び抗体関連タンパク質、特にこの公報で説明された配列を有するタンパク質、特に限定されないがこの公報で表示されたタンパク質に関して、その全体を本願に組み込む。タンパク質は、9H7、18B2、2D8、2E11、16E1及び22B3であり、これらは、この公報の
図2で説明したようなこの公報の配列番号(SEQ ID NO)2からなる軽鎖、及び/またはこの公報の
図4で説明したようなこの公報の配列番号4からなる重鎖を有するOPGL特異抗体を含み、これらそれぞれは、上記公報に記載されているように、その全体を参考として本願に個別にかつ明かに組み込まれる。
【0092】
カセット200のシリンジ260には、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ及び関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、これらミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ及び関連タンパク質は、ミオスタチン特有ペプチボディ、特に米国特許出願公開第2004/0181033号明細書及び国際公開第2004/058988号に記載されたものを含み、これら公報は、それら全体を、特にミオスタチン特有ペプチドに関する部分を参考として本願に組み込まれ、これらは、限定されないが、TN8-19-1からTN8-19-40、TN8-19con1及びTN8-19con2を含むmTN8-19ファミリーのペプチボディ;配列番号357~383のmL2ファミリーのペプチボディ;配列番号384~409のmL15ファミリー;配列番号410~438のmL17ファミリー;配列番号439~446のmL20ファミリー;配列番号447~452のmL21ファミリー;配列番号453~454のmL24ファミリー;並びに配列番号615~631のファミリー、を含み、これらそれぞれは、上記公報に記載されているようにそれらの全体を参考として本願に個別にかつ具体的に組み込まれる。
【0093】
カセット200のシリンジ260には、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質、特にIL-4及び/またはIL-13を受容体に結合することによって仲介される作用を禁止する関連タンパク質、などをあらかじめ充填してもよく、これらIL-4受容体特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質は、国際公開第2005/047331号すなわち国際出願第PCT/US2004/03742号及び米国特許出願公開第2005/112694号明細書に記載されたものを含み、これら公報は、そのすべてを、特にIL-4受容体特異抗体、特にこれらに記載されたこのような抗体、に関する部分を、参考として本願に組み込まれ、特に、この抗体は、限定することなく、L1H1;L1H2;L1H3;L1H4;L1H5;L1H6;L1H7;L1H8;L1H9;L1H10;L1H11;L2H1;L2H2;L2H3;L2H4;L2H5;L2H6;L2H7;L2H8;L2H9;L2H10;L2H11;L2H12;L2H13;L2H14;L3H1;L4H1;L5H1;L6H1で指定されるものであり、これらそれぞれは、上記公報に記載されているようにそれらの全体を参考として本願に個別にかつ具体的に組み込まれる。
【0094】
カセット200のシリンジ260には、IL1-R1特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、これら関連タンパク質は、限定されないが、米国特許出願公開第2004/097712号明細書に記載されたものを含み、この公報は、その全体を、特にIL1-R1特異結合タンパク質、モノクローナル抗体に関する部分を、参考として本願に組み込み、これらは、限定することなく、15CA、26F5、27F2、24E12及び10H7で指定されるものであり、これらそれぞれは、上記米国公報に記載されているようにそれらの全体を参考として本願に個別にかつ具体的に組み込まれる。
【0095】
カセット200のシリンジ260には、同様に、Ang2特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、これらAng2特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質は、限定されないが、国際公開第03/057134号及び米国特許出願公開第2003/0229023号明細書に記載されたものを含み、これら公報は、特にAng2特異抗体及びペプチボディに、特にこれらに記載された配列からなるものに関する部分において、その全体を参考として本願に組み込まれており、これらは、限定されないが、L1(N);L1(N)WT;L1(N)1KWT;2xL1(N);2xL1(N)WT;Con4(N)、Con4(N)1KWT、2xCon4(N)1K;L1C;L1C1K;2xL1C;Con4C;Con4C1K;2xCon4C1K;Con4-L1(N);Con4-L1C;TN-12-9(N);C17(N);TN8-8(N);TN8-14(N);Con1(N)を含み、同様に、これらAng2特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質は、国際公開第2003/030833号に記載されたもののようなAng2特異抗体及び製剤を含み、この公報は、そのすべてを、特にAb526;Ab528;Ab531;Ab533;Ab535;Ab536;Ab537;Ab540;Ab543;Ab544;Ab545;Ab546;A551;Ab553;Ab555;Ab558;Ab559;Ab565;AbF1AbFD;AbFE;AbFJ;AbFK;AbG1D4;AbGC1E8;AbH1C12;AblA1;AblF;AblK、AblP;及びAblPを、参考として組み込まれ、これらそれぞれは、上記公報に記載されているようにそれらの全体を参考として本願に個別にかつ具体的に組み込まれる。
【0096】
カセット200のシリンジ260には、同様に、NGF特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、これらは、限定されないが、特に米国特許出願公開第2005/0074821号明細書及び米国特許第6919426号明細書に記載されたものを含み、これら公報は、これについてNGF特異抗体及び関連タンパク質に関して、それら全体を参考として本願に組み込まれており、これらNGF特異抗体及び関連タンパク質は、限定されないが、特に4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11と指定されたNGF特異抗体を含み、これらそれぞれは、上記公報において記載されたように、その全体を参考として本願に個別にかつ具体的に組み込まれる。
【0097】
カセット200のシリンジ260には、米国特許第5789554号明細書に記載されているもののような、CD22特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、この公報は、CD22特異抗体及び関連タンパク質、特に限定されないがヒト化及び完全ヒト抗体のようなヒトCD22特異抗体に関して、その全体を参考として本願に組み込まれ、これら抗体及び関連タンパク質は、限定されないが、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含み、特に、限定されないが、例えばヒト-マウスhLL2カッパ鎖に連結されたヒト-マウスモノクローナルhLL2ガンマ鎖二硫化物の二量体のような、ヒトCD22特異抗体22特異IgG抗体を含み、限定されないが、例えばエプラツズマブ、CAS登録番号501423-23-0におけるヒトCD22特異完全ヒト化抗体を含む。
【0098】
カセット200のシリンジ260には、国際公開第06/069202号に記載されているもののような、IGF-1受容体、特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、この公報は、IGF-1受容体特異抗体及び関連タンパク質に関してその全体を参考として本願に組み込まれ、これらIGF-1受容体特異抗体及び関連タンパク質は、公報においてL1H1,L2H2,L3H3,L4H4,L5H5,L6H6,L7H7,L8H8,L9H9,L10H10,L11H11,L12H12,L13H13,L14H14,L15H15,L16H16,L17H17,L18H18,L19H19,L20H20,L21H21,L22H22,L23H23,L24H24,L25H25,L26H26,L27H27,L28H28,L29H29,L30H30,L31H31,L32H32,L33H33,L34H34,L35H35,L36H36,L37H37,L38H38,L39H39,L40H40,L41H41,L42H42,L43H43,L44H44,L45H45,L46H46,L47H47,L48H48,L49H49,L50H50,L51H51,L52H52と指定されたIGF-1特異抗体及びIGF-1R結合フラグメントと、これらの誘導体と、を含み、これらそれぞれは、上記国際公報において開示されるように、その全体を参考として本願に個別にかつ具体的に組み込まれる。
【0099】
同様に、本発明の方法及び構成で使用するための非限定的な例の抗IGF-1R抗体は、以下の公報に記載されたものである。
(i)米国特許出願公開第2006/0040358号明細書(2006年2月23日公開)、米国特許出願公開第2005/0008642号明細書(2005年1月13日公開)、米国特許出願公開第2004/0228859号明細書(2004年11月18日公開)。これら抗体は、限定されないが、例えば、抗体1A(DSMZ寄託番号DSMACC2586)、抗体8(DSMZ寄託番号DSMACC2589)、抗体23(DSMZ寄託番号DSMACC2588)及び上記公報に記載されたような抗体18を含む。
(ii)国際公開第06/138729号(2006年12月28日公開)、国際公開第05/0169709号(2005年2月24日公開)、及びLuなどの2004, J Biol. Chem. 279: 2856 - 65。これら抗体は、限定されないが、上記文献に記載されたような抗体2F8、A12及びIMC-A12を含む。
(iii)国際公開第07/012614号(2007年2月1日公開)、国際公開第07/000328号(2007年1月4日公開)、国際公開第06/013472号(2006年2月9日公開)、国際公開第05/058967号(2005年6月30日公開)及び国際公開第03/059951号(2003年7月24日公開)。
(iv)米国特許出願公開第2005/0084906号明細書(2005年4月21日公開)。これら抗体は、限定されないが、公報に記載されているように、抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3、及び、抗体7H2HMを含む。
(v)米国特許出願公開第2005/0249728(2005年11月10日公開)、米国特許出願公開第2005/0186203(2005年8月25日公開)、米国特許出願公開第2004/0265307(2004年12月30日公開)、及び、米国特許出願公開第2003/0235582(2003年12月25日公開)、並びにMaloney等の2003, Cancer Res. 63: 5073 - 83。これら抗体は、文献に記載されているように、限定されないが、抗体EM164、表面再構成されたEM164、ヒト化EM164、huEM164バージョン1.0、huEM164バージョン1.1、huEM164バージョン1.2、及び、huEM164バージョン1.3、を含む。
(vi)米国特許第7037498(2006年5月2日発行)、米国特許出願公開第2005/0244408号明細書(2005年11月30日公開)、米国特許出願公開第2004/0086503号明細書(2004年5月6日)、及び、Cohen等のClinicalCancerRes.11:2063-73、例えば、抗体CP-751、871。これら抗体は、文献に記載されているように、限定されないが、ATCC寄託番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793を有するハイブリドーマにより生成された抗体、並びに、抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2及び4.17.3、のいずれかを含む。
(vii)米国特許出願公開第2005/0136063号明細書(2005年6月23日公開)及び米国特許出願公開第2004/0018191号明細書(2004年1月29日公開)。これら抗体は、公報に記載されているように、限定されないが、抗体19D12と、ATCCの下の番号PTA-5214で寄託されたプラスミド15H12/19D12HCA(γ4)におけるポリヌクレオチドによってコード化された重鎖及びATCCの下の番号PTA-5220で寄託されたプラスミド15H12/19D12LCF(κ)におけるポリヌクレオチドによってコード化された軽鎖を含む抗体と、を含む。
(vii)米国特許出願公開第2004/0202655号明細書(2004年10月14日)。これら抗体は、公報に記載されているように、限定されないが、抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4、及びPINT-12A5を含む。
これらそれぞれ及びこれらすべては、その全体を、特にIGF-1受容体を標的とする上記抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質などに関して、参考として本願に組み込まれる。
【0100】
カセット200のシリンジ260は、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(“B7RP-1”、同様に文献においてB7H2、ICOSL、B7h及びCD275と称される)、特にB7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特にB7RP-1の第1免疫グロブリン様ドメインにあるエピトープに結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、活性化T細胞におけるその天然受容体(natural receptor)であるICOSとの相互作用を禁止するもの、特に米国特許出願公開第2008/0166352号明細書、国際公開第07/011941号に開示されたもの、をあらかじめ充填してもよく、これら公報は、このような抗体及び関連タンパク質に関してそれらのすべてを参考として本願に組み込まれており、これら抗体及び関連タンパク質は、限定されないが、以下のように公報において指定された抗体を含む。このような抗体は、16H(軽鎖可変配列及び重鎖可変配列の配列番号1及び配列番号7それぞれを有する);5D(軽鎖可変配列及び重鎖可変配列の配列番号2及び配列番号9それぞれを有する);2H(軽鎖可変配列及び重鎖可変配列の配列番号3及び配列番号10それぞれを有する);43H(軽鎖可変配列及び重鎖可変配列の配列番号6及び配列番号14それぞれを有する);41H(軽鎖可変配列及び重鎖可変配列の配列番号5及び配列番号13それぞれを有する);及び、15H(軽鎖可変配列及び重鎖可変配列の配列番号4及び配列番号12それぞれを有する)であり、これらそれぞれは、上記米国公報に開示されたように、その全体を参考として個別にかつ具体的に本願に組み込まれる。
【0101】
カセット200のシリンジ260には、IL-15特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など、特にヒト化モノクローナル抗体、特に米国特許出願公開第2003/0138421号明細書、米国特許出願公開第2003/023586号明細書及び米国特許出願公開第2004/0071702号明細書並びに米国特許第7153507号明細書に記載されたもののような抗体をあらかじめ充填してもよく、これら公報は、IL-15特異抗体及び関連タンパク質に関してそのすべてを参考として本願に組み込まれ、これらIL-15特異抗体及び関連タンパク質は、限定されないが、特に、例えばHuMaxIL-15抗体及び例えば146B7のような関連タンパク質を含む。
【0102】
カセット200のシリンジ260には、ヒトIL-17受容体Aに対するアンタゴニストヒトモノクローナル抗体を含む薬剤組成をあらかじめ充填してもよい。IL-17受容体Aの特徴、クローニング、準備は、2000年6月6日に発行された米国特許第6072033号明細書に記載されており、この公報は、その全体を参考として本願に組み込まれる。ヒトIL-17RAのアミノ酸配列は、米国特許第6072033号明細書の配列番号10に示されている(ジェンバンク受入番号NM_014339)。このような抗体は、そのすべてが参考として本願に組み込まれる国際公開第2008/054603号に記載されたもの、または、これらのすべてが参考として本願に組み込まれる2010年8月3日に発行された米国特許第7767206及び米国特許出願第11/906094号において特許請求された抗体、を含む。
【0103】
カセット200のシリンジ260には、例えば米国特許出願公開第2005/0004353号明細書に記載されたもののような、IFNガンマ特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など、特にヒトIFNガンマ特異抗体、特に完全ヒト抗IFNガンマ抗体をあらかじめ充填してもよく、この公報は、IFNガンマ特異抗体、特に例えばこの公報において符号1118;1118*;1119;1121;及び1121*で示す抗体に関して、その全体を産国として本願に組み込まれる。これら抗体それぞれの重鎖及び軽鎖の全体の配列、並びに、これら重鎖及び軽鎖の可変領域及び相補性決定領域は、上記米国公報及びThakur等のMol. Immunol. 36:1107-1115 (1999)に記載されているようにその全体を参考として組み込まれる。さらに、上記米国公報に記載のこれら抗体の特性の説明は、同様に、その全体を参考として本願に組み込まれる。具体的な抗体は、上記米国公報に記載されているように、配列番号 17からなる重鎖及び配列番号18からなる軽鎖有し、配列番号6からなる重鎖可変領域と配列番号8からなる軽鎖可変領域とを有するもの、配列番号19からなる重鎖及び配列番号20からなる軽鎖を有し、配列番号10からなる重鎖可変領域と配列番号12からなる軽鎖可変領域とを有するもの、配列番号32からなる重鎖及び配列番号20からなる軽鎖を有し、配列番号30からなる重鎖可変領域と配列番号12からなる軽鎖可変領域とを有するもの、配列番号21からなる重鎖及び配列番号22からなる軽鎖を有し、配列番号14からなる重鎖可変領域と配列番号16からなる軽鎖可変領域とを有するもの、及び、配列番号21からなる重鎖及び配列番号33からなる軽鎖を有し、配列番号14からなる重鎖可変領域と配列番号31からなる軽鎖可変領域とを有するもの、を含む。検討する具体的な抗体は、上記米国公報に記載されているような抗体1119であり、この抗体は、この公報に記載されているように配列番号17からなる完全重鎖を有し、かつこの公報に記載されているように配列番号18からなる完全軽鎖を有する。
【0104】
カセット200のシリンジ260には、TALL-1特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など、並びに、米国特許出願公開第2003/0195156号及び米国特許出願公開第2006/0135431号に記載されたような他のTALL特異抗体をあらかじめ充填してもよく、これら公報それぞれは、TALL-1結合タンパク質に、特に公報中の表4及び表5Bにおける分子に、関して、その全体を参考として本願に組み込まれ、これら公報それぞれは、上記米国公報に記載されたようにその全体を参考として個別にかつ具体的に本願に組み込まれる。
【0105】
カセット200のシリンジ260は、米国特許第6756480号明細書に記載されたような、PTH特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、この公報は、その全体を、特にPTHに結合するタンパク質に関連する部分を、参考として本願に組み込まれる。
【0106】
カセット200のシリンジ260には、米国特許第6835809号明細書に記載されたような、TPO-R 特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、この公報は、その全体を、特にTPO-Rに結合するタンパク質に関連する部分を、参考として本願に組み込まれる。
【0107】
カセット200のシリンジ260には、HGF特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、これらHGF特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質は、米国特許出願公開第2005/0118643号明細書及び国際公開第2005/017107号に記載された肝細胞成長因子/分散(HGF/SF)を無効にする完全ヒトモノクローナル抗体、米国特許第7220410号明細書に記載されたhuL2G7、並びに、米国特許第5686292号明細書、米国特許第6468529号明細書及び国際公開第96/38557号に記載されたOA-5d5のような、HGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものを含み、これら公報それぞれは、その全体を、特にHGFに結合するタンパク質に関連する部分を、参考として本願に組み込まれる。
【0108】
カセット200のシリンジ260には、米国特許第7521048号明細書に記載されたような、TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、この公報は、その全体を、特にTRAIL-R2に結合するタンパク質に関連する部分を、参考として本願に組み込まれる。
【0109】
カセット200のシリンジ260には、アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、これらアクチビンA特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質は、限定されないが、米国特許出願公開第2009/0234106号明細書に記載されたものを含み、この公報は、その全体を、特にアクチビンAに結合するタンパク質に関連する部分を、参考として本願に組み込まれる。
【0110】
カセット200のシリンジ260には、TGFベータ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、これらTGFベータ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質は、限定されないが、米国特許6803453号明細書及び米国特許出願公開第2007/0110747号明細書に記載されたものを含み、これら公報それぞれは、その全体を、特にTGFベータに結合するタンパク質に関連する部分を、参考として本願に組み込まれる。
【0111】
カセット200のシリンジ260には、アミロイドベータタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、これらアミロイドベータタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質は、限定されないが、国際公開第2006/081171号に記載されたものを含み、この公報は、その全体を、特にアミロイドベータタンパク質に結合するタンパク質に関連する部分を、参考として本願に組み込まれる。検討する1つの抗体は、上記国際公開に記載されているように、配列番号8を含む重鎖可変領域、及び、配列番号6を有する軽鎖可変領域、を有する抗体である。
【0112】
同様に、カセット200のシリンジ260には、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質などをあらかじめ充填してもよく、これらc-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質は、限定されないが、米国特許出願公開第2007/0253951号明細書に記載されたものを含み、この米国特許出願は、その全体を、特にc-Kit及び/または幹細胞因子受容体を結合するタンパク質に関連する部分を、参考として本願に組み込まれる。
【0113】
同様に、カセット200のシリンジ260には、米国特許出願第11/068289号に記載されたものを含むがこれらに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパクなどが充填されてもよく、この米国特許出願は、その全体、特にOX40L及び/またはOX40L受容体の他のリガンドを結合するタンパク質に関連する部分を参考として本願に組み込まれる。
【0114】
カセット200のシリンジ260には、同様に、限定されないが、以下の他の例示的なタンパク質を充填してもよく、これらは、アクティベース(Activase)(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);アラネスプ(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、エポジェン(登録商標)(エポエチンアルファまたはエリスロポエチン);アボネックス(Avonex)(登録商標)(インターフェロンベータ-1a);ベキサール(Bexxar)(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);ベタセロン(Betaseron)(登録商標)(インターフェロンベータ);キャンパス(Campath)(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);ディネポ(登録商標)(エポエチンデルタ);ベルケード(Velcade)(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);エンブレル(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNFブロッカ);エプレックス(Eprex)(登録商標)(エポエチンアルファ);アービタックス(Erbitux)(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);ジェノトロピン(Genotropin)(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);ハーセプチン(Herceptin)(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);ヒューマトロープ(Humatrope)(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);ヒュミラ(Humira)(登録商標)(アダリムマブ);インスリン溶液;インフェルゲン(Infergen)(登録商標)(インターフェロン・アルファコン-1);ナトレコール(Natrecor)(登録商標)(ネシリチド;遺伝子組換ヒトBタイプナトリウム利尿ペプチド(hBNP));キネレット(Kineret)(登録商標)(アナキンラ)、リューカイン(Leukine)(登録商標)(サルグラモスチム、rhuGM-CSF);リンホシド(Lympho Cide)(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22mAb);リンフォスタットB(Lymphostat B)(登録商標)(ベリムマブ、抗BlySmAb);メタライズ(Metalyse)(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);ミルセラ(登録商標)(メトキシポリエチレングリコールエポエチンベータ);マイロターグ(Mylotarg)(登録商標)(ゲムツズマブ・オゾガマイシン);ラプティバ(Raptiva)(登録商標)(エファリズマブ);シムジア(Cimzia)(登録商標)(セルトリズマブペゴール、CDP870);ソリリス(Soliris)(登録商標)(エクリズマブ);パキセリズマブ(抗補体成分C5);MEDI-524(ヌマックス(Numax)(登録商標));ルセンティス(Lucentis)(登録商標)(ラニビズマブ);17-1A(エドレコロマブ、パノレックス(Panorex)(登録商標));トラビオ(Trabio)(登録商標)(レルデリムマブ);セラシムhR3(ニモツズマブ);オムニターグ(パーツズマブ、2C4);オシデム(Osidem)(登録商標)(IDM-1);オバレックス(Ova Rex)(登録商標)(B43.13);ヌヴィオン(Nuvion)(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);ネオコルモン(登録商標)(エポエチンベータ);ニューメガ(Neumega)(登録商標)(オプレルベキン、組み換えヒトインターロイキン-11);ニューラスタ(登録商標)(ペグ化されたフィルグラスチム、ペグ化されたG-CSF、ペグ化されたhu-Met-G-CSF);ニューポジェン(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF);オルソクロ-ンOKT3(Orthoclone OKT 3)(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、プロクリット(Procrit)(登録商標)(エポエチンアルファ);レミケード(Remicade)(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体)、レオプロ(Reopro)(登録商標)(アブシキシマブ、抗GPlIb/Ilia受容体モノクローナル抗体)、アクテムラ(Actemra)(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、アバスチン(Avastin)(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、リツキサン(Rituxan)(登録商標)(リツキシマブ,抗CD20mAb);タルセバ(Tarceva)(登録商標)(エルロチニブ);ロフェロン-A(Roferon - A)(登録商標)(インターフェロンアルファ-2a);シムレクト(Simulect)(登録商標)(バシリキシマブ);プレクシージュ(Prexige)(登録商標)(ルミラコキシブ);シナジス(Synagis)(登録商標)(パリビズマブ);146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7153507号参照),タイサブリ(Tysabri)(登録商標)(ナタリズマブ,抗α4インテグリンmAb);バロティム(Valortim)(登録商標)(MDX-1303,抗炭疽菌感染防御抗原mAb);アブスラックス(ABthrax)(登録商標);ベクティビックス(登録商標)(パニツムマブ);ゾレア(Xolair)(登録商標)(オマリズマブ),ETI211(抗MRSAmAb),IL-1Trap(ヒトIgG1のFc部分及び(タイプI受容体及び受容体アクセサリータンパク質)双方のIL-1受容体成分の細胞外ドメイン),VEGFトラップ(IgG1のFcに結合したVEGFR1のIgドメイン)、ゼナパック(Zenapax)(登録商標)(ダクリズマブ);ゼナパック(登録商標)(ダクリズマブ,抗IL-2RαmAb),ゼヴァリン(Zevalin)(登録商標)(イブリツモマブ・チウキセタン),ゼチーア(Zetia)(エゼチミブ),アタシセプト(TACI-Ig),CD80モノクローナル抗体(mAb)(ガリキシマブ),抗CD23mAb(ルミリキシマブ),BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質,可溶性BAFF抑制因子);CNTO148(ゴリムマブ,抗TNFαmAb);HGS-ETR1(マパツムマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ,抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ,抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ,抗CTLA-4mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3mAb;抗C.ディフィシーレ毒素A及び毒素BCmAbMDX-066(CDA-1)andMDX-1388);抗CD22dsFv-PE38接合体(CAT-3888andCAT-8015);抗CD25mAb(HuMax-TAC);抗CD3mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30mAb(MDX-060);MDX-13
33(抗IFNAR);抗CD38mAb(HuMaxCD38);抗CD40LmAb;抗CriptomAb;抗CTGF特発性肺線維症フェーズIフィブリノゲン(FG-3019);抗CTLA4mAb;抗eotaxin1mAb(CAT-213);抗FGF8mAb;抗ガングリオシドGD2mAb;抗ガングリオシドGM2mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepCmAb(HuMaxHepC);抗IFNαmAb(MEDI-545,MDX-1103);抗IGF1RmAb;抗IGF-1RmAb(HuMax-Inflam);抗IL12mAb(ABT-874);抗IL12/IL23mAb(CNTO1275);抗IL13mAb(CAT-354);抗IL2RamAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018,CNTO95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);抗LLY抗体;BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβmAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38接合体(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβmAb(GC-1008);抗ヒトTRAIL受容体-2mAb(HGS-ETR2);抗TWEAKmAb;抗VEGFR/Flt-1mAb;抗ZP3mAb(HuMax-ZP3);NVS抗体♯1;及び、NVS抗体♯2、である。
【0115】
カセット200のシリンジ260には、同様に、これらに限定されないが上述したタンパク質及び/または以下の抗原を含むタンパク質のうちの任意の1つまたは組み合わせに結合するがこれに限定されない抗体が充填されている。抗原は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11a、CD14、CD18、CD20、CD22、CD23、CD25、CD33、CD40、CD44、CD52、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD147、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-3、IL-7、IL-4、IL-5、IL-8、IL-10、IL-2受容体、IL-4受容体、IL-6受容体、IL-13受容体、IL-18受容体サブユニット、FGL2、PDGF-β及びそれに関する類似体(米国特許第5272064号明細書及び米国特許第5149792号明細書参照)、VEGF、TGF、TGF-β2、TGF-β1、EGF受容体(米国特許第6235883号明細書参照)、VEGF受容体、肝細胞成長因子、破骨細胞分化抑制因子リガンド、インターフェロンガンマ、Bリンパ球刺激因子(BlyS:BAFF、THANK、TALL-1及びzTNF4としても公知;Do and Chen-Kiang (2002)、Cytokine Growth Factor Rev. 13(1): 19-25参照)。C5補体、IgE、腫瘍抗原CA125、腫瘍抗原MUC1、PEM抗原、LCG(肺癌に関連して発現する遺伝子産物)、HER-2、腫瘍関連糖タンパク質TAG-72、SK-1抗原、大腸癌及び/または膵臓癌の患者の血清における上昇値に存在する腫瘍関連エピトープ、胸、大腸、扁平上皮細胞、前立腺、膵臓、肺及び/もしくは腎臓癌細胞及び/もしくは黒色腫、神経膠腫または神経芽腫細胞に発現する癌関連エピトープまたはタンパク質、壊死した組織塊、インテグリンアルファ4ベータ1、インテグリンVLA-4、B2インテグリン、TRAIL受容体1、2、3及び4、RANK、RANKリガンド、TNF-α、接着分子VAP-1、上皮細胞接着分子(EpCAM)、細胞間接着分子-3(ICAM-3)、ロイコインテグリン付着因子、血小板糖タンパク質gp IIb/IIIa、心臓ミオシン重鎖、副甲状腺ホルモン、rNAPc2(VIIa組織因子の抑制剤である)、MHC I、副甲状腺ホルモン抗原(CE
A)、アルファ-フェトタンパク質(AFP)、腫瘍壊死因子(TNF)、CTLA-4(細胞傷害性のT細胞関連抗原である)、Fc-γ-1受容体、HLA-DR10ベータ、HLA-DA抗原、L-セレクチン、呼吸系発疹ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、ミュータンス連鎖球菌、並びに、黄色ブドウ球菌、である。
【0116】
カセット200のシリンジ260内に収容されてもよいさらなる例の公知の抗体は、これらに限定されないが、アダリムマブ、ベバシズマブ、インフリキシマブ、アブシキシマブ、アレムツズマブ、バピネオズマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ブリアキヌマブ、カナキヌマブ、セルトリズマブペゴール、セツキシマブ、コナツムマブ、デノスマブ、エクリズマブ、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、ゴリムマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、ラベツズマブ、マパツムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、ムロモナブCD3、ナタリズマブ、ニモツズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、オレゴボマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペムツモマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、ロベリズマブ、トシリズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ウステキヌマブ、ザルツムマブ、及び、ザノリムマブを含む。
【0117】
自動式注射装置を例示的な実施形態に関して説明したが、これらに限定されない。むしろ、添付の特許請求の範囲は、広く解釈されるべきであり、装置及びその要素の等価物の領域及び範囲から逸脱することなく当業者によりなされる自動式注射装置の他の変形例及び実施形態を含む。
[付記項1]
自動式注射器と共に使用するための使い捨てのカセットであって、
筐体と、
前記筐体内に配置され、第1及び第2位置間で移動可能であるスリーブであって、当該スリーブが当該スリーブ内にシリンジを配置することが可能である、スリーブと、
前記シリンジを前記スリーブ内に固定するためのロックキャップであって、当該ロックキャップが、前記スリーブの先端部に付けられており、前記シリンジの前記先端部と接触可能である、ロックキャップと、
を備えることを特徴とするカセット。
[付記項2]
前記ロックキャップが、前記シリンジの前記先端部と接触可能である弾性バンパを備えることを特徴とする付記項1に記載のカセット。
[付記項3]
内側の前記スリーブが、当該スリーブの前記先端部において少なくとも1つの受容部を備え、前記ロックキャップが、前記受容部内に挿入される少なくとも1つの腕部材を備えることを特徴とする付記項1に記載のカセット。
[付記項4]
前記ロックキャップの少なくとも1つの前記腕部材が、内側の前記スリーブの前記受容部の内面を把持するための鉤状手段を備えることを特徴とする付記項3に記載のカセット。
[付記項5]
前記スリーブ内に配置されるバレル及び注射針をさらに備えることを特徴とする付記項1に記載のカセット。
[付記項6]
当該カセットが、針シールドを前記シリンジから取り外すために筐体の基端部にある開口部を通して延在するシールド取外器をさらに備えることを特徴とする付記項1に記載のカセット。
[付記項7]
前記シールド取外器が、バネ付勢式のタブを備え、
前記タブが、前記筐体の壁部に画成されたアパーチャ内に配置されることを特徴とする付記項6に記載のカセット。
[付記項8]
前記シールド取外器が、基端部及び先端部を有する細長い本体を備え、
前記先端部が、少なくとも1つの舌部を備え、
前記舌部が、前記シールド取外器を当該カセットから取り外すときに径方向外側に広がり、前記シールド取外器が当該カセット内に再び挿入されることを防止することを特徴とする付記項6に記載のカセット。
[付記項9]
バレル及び注射針をさらに備えることを特徴とする付記項1に記載のカセット。
[付記項10]
前記シリンジ内にある治療薬をさらに備えることを特徴とする付記項1に記載のカセット。
[付記項11]
前記治療薬が、エポジェン(登録商標)、アラネスプ(登録商標)、エンブレル(登録商標)、ニューラスタ(登録商標)、ニューポジェン(登録商標)、エヌプレート(登録商標)、ベクティビックス(登録商標)、センシパー(登録商標)、ザイゲバ(登録商標)及びプロリア(登録商標)からなるグループから選択されていることを特徴とする付記項10に記載のカセット。
[付記項12]
前記治療薬が、IL-17受容体Aへの抗体であることを特徴とする付記項10に記載のカセット。
[付記項13]
前記治療薬が、アンジオポエチン-2の抑制因子であることを特徴とする付記項10に記載のカセット。
[付記項14]
前記治療薬が、TNFブロッカまたは抑制剤であることを特徴とする付記項10に記載のカセット。
[付記項15]
前記TNFブロッカまたは前記抑制剤が、エタネルセプトであることを特徴とする付記項14に記載のカセット。
[付記項16]
前記TNFブロッカまたは前記抑制剤が、アダリムマブ、セルトリズマブ、ゴリムマブまたはインフリキシマブであることを特徴とする付記項14に記載のカセット。
[付記項17]
前記筐体の表面にあるカセット識別手段をさらに備え、前記自動式注射器が当該カセットを識別可能とすることを特徴とする付記項1に記載のカセット。
[付記項18]
前記カセット識別手段が、少なくとも1つの突出部を備えることを特徴とする付記項17に記載のカセット。
[付記項19]
治療薬を注射するための装置であって、
自動式注射器と、
前記自動式注射器を用いて使用するための使い捨てのカセットであって、
筐体と、
前記筐体内に配置され、第1及び第2位置間で移動可能であるスリーブと、
前記スリーブ内に配置されたシリンジと、
前記シリンジを前記スリーブ内に固定するためのロックキャップであって、前記スリーブの先端部に付けられ、前記シリンジの前記先端部と接触する、ロックキャップと、
を備えるカセットと、
を備えることを特徴とする装置。
[付記項20]
前記ロックキャップが、前記シリンジの前記先端部に接触する弾性バンパを備えることを特徴とする付記項19に記載の装置。
[付記項21]
内側の前記スリーブが、その先端部に少なくとも1つの受容部を備え、
前記ロックキャップが、前記受容部内へ挿入される少なくとも1つの腕部材を備えることを特徴とする付記項19に記載の装置。
[付記項22]
前記ロックキャップの少なくとも1つの前記腕部材が、内側の前記スリーブの前記受容部の内面を把持するための鉤状手段を備えることを特徴とする付記項21に記載の装置。
[付記項23]
前記カセットが、針シールドを前記シリンジから取り外すために前記筐体の基端部にある開口部を通して延在するシールド取外器をさらに備えることを特徴とする付記項19に記載の装置。
[付記項24]
前記シールド取外器が、バネ付勢式のタブを備え、
前記筐体の壁部に画成されたアパーチャ内に配置された前記タブが、前記カセットから前記シールド取外器を取り外すことを防止することを特徴とする付記項23に記載の装置。
[付記項25]
前記自動式注射器が、前記カセットが当該自動式注射器内に配置されると、前記筐体の前記壁部に画成された前記アパーチャから外に前記タブを押し付けるためのピンを備え、これにより、前記シールド取外器を前記カセットから取り外すことを可能とすることを特徴とする付記項24に記載の装置。
[付記項26]
前記シールド取外器が、基端部及び先端部を有する細長い本体を有し、
前記先端部が、少なくとも1つの可撓性を有する舌部を備え、
前記舌部が、前記シールド取外器を前記カセットから取り外すと外側へ広がり、前記シールド取外器を前記カセット内へ再び挿入することを防止することを特徴とする付記項23に記載の装置。
[付記項27]
前記シリンジ内にある治療薬をさらに備えることを特徴とする付記項19に記載の装置。
[付記項28]
前記治療薬が、エポジェン(登録商標)、アラネスプ(登録商標)、エンブレル(登録商標)、ニューラスタ(登録商標)、ニューポジェン(登録商標)、エヌプレート(登録商標)、ベクティビックス(登録商標)、センシパー(登録商標)、ザイゲバ(登録商標)及びプロリア(登録商標)からなるグループから選択されていることを特徴とする付記項27に記載の装置。
[付記項29]
前記治療薬が、IL-17受容体Aへの抗体であることを特徴とする付記項27に記載の装置。
[付記項30]
前記治療薬が、アンジオポエチン-2の抑制因子であることを特徴とする付記項27に記載の装置。
[付記項31]
前記治療薬が、TNFブロッカまたは抑制剤であることを特徴とする付記項27に記載の装置。
[付記項32]
前記TNFブロッカまたは抑制剤が、エタネルセプトであることを特徴とする付記項31に記載の装置。
[付記項33]
前記TNFブロッカまたは抑制剤が、アダリムマブ、セルトリズマブ、ゴリムマブまたはインフリキシマブであることを特徴とする付記項31に記載の装置。
[付記項34]
前記筐体の表面にあるカセット識別手段をさらに備え、前記自動式注射器が前記カセットを識別可能とすることを特徴とする付記項19に記載の装置。
[付記項35]
前記カセット識別手段が、少なくとも1つの突出部を備えることを特徴とする付記項34に記載の装置。
[付記項36]
前記自動式注射器が、前記カセット識別手段を読み込むための検出器を備え、前記カセットを識別することを特徴とする付記項34に記載の装置。
[付記項37]
治療薬を注射するための装置であって、
自動式注射器と、
前記自動式注射器と共に使用するための使い捨てのカセットであって、
筐体と、
前記筐体内に配置され、第1及び第2位置間で移動可能なスリーブと、
前記スリーブ内に配置されたシリンジと、
を備えるカセットと、
針シールドを前記シリンジから取り外すために前記筐体の基端部にある開口部を通して延在するシールド取外器と、
を備えることを特徴とする装置。
[付記項38]
自動式注射器と共に使用するための使い捨てのカセットであって、
筐体と、
前記筐体内に配置され、第1及び第2位置間で移動可能なスリーブであって、当該スリーブがシリンジを当該スリーブ内に配置することができる、スリーブと、
針シールドを前記シリンジから取り外すために前記筐体の基端部にある開口部を通して延在するシールド取外器と、
を備えることを特徴とする装置。
【符号の説明】
【0118】
100 自動式注射装置,自動式注射器、200 カセット、206 シリンジ、208 ドア、210 外側筐体,外側カセット筐体、210A ロックアパーチャ,タブ受容アパーチャ,アパーチャ、210B 底面,底壁部、210P 突出部,カセット突出部,カセット識別突出部、211 側壁部、212 窓部、214 基端壁部、214A アパーチャ、215 ピン、216 開口先端部,先端部、218 ラッチ機構,ラッチ、218a,218b ロック腕部、219a,219b ロック戻止スロット,戻止スロット、220 内側スリーブ、220R 受容部、222 基端壁部、222A アパーチャ、224 開口先端部,先端部、30,230’ ロックキャップ、231 環状本体,本体,本体部、231I 内面、231O 外面、232 腕部、233 切出部材,部材、234,234’ 鉤状端部,鉤状手段,鉤状部、235 リング状バンパ,バンパ、236 開口部、240 シールド取外器、240 押出駆動部、241 中空体,中空本体,本体、241I 内面、241K キー状部分,キー状本体部分、241T シリンダ状部分,シリンダ状本体部分,部分、241W 底壁部、242 閉鎖端部、243 開口端部、244 把持部材、244E 端部、244S 平行側面、245 部分襟構造体、245T 舌部、246 金属管状インサート,金属インサート、246T,246T’ 針シールド把持歯部,針把持歯部,歯部、247 カンチレバー式バネ部材,カンチレバー式部材,バネ部材、247O 外面、248 ロック構造タブ,ロックタブ,タブ、248S 傾斜面、250 カバー、251 内面、253 ロック腕部、254 開口部、255 受容部、260 シリンジ、261 シリンジバレル,バレル、261P 基端部、262 流体チャンバ,チャンバ、262 腕部、263 フランジ、263T 頂面、264 プランジャストッパ、265 注射針、266 保護針シールド,針シールド,針カバー、267 製剤,薬剤、268 ピン、300 自動式注射器、301 シャーシ、302 ケーシング、304 ハンドルセクション、305 ハンドル、305S 軟質把持領域、306 カセット受容セクション、307 開始ボタン,ボタン、307I 凹凸部、308 カセットドア、308A アパーチャ、310A,310B 窓部、312 ユーザインタフェース、314 スピーカアパーチャ、315 消音スイッチ、316 速度選択スイッチ,スイッチ、317 取出ボタン,ボタン、317I 凹凸部、318 基端壁部、320 標的ライト、330,340 モータ駆動式挿入駆動部,挿入駆動部,駆動部、330、340 押出駆動部、331 挿入駆動モータ,モータ、332 ラック、3321 第1突出部、3322 第2突出部、332B 底面、332T 頂面、333 ギアトレイン、3331,3332,3333,3334 ギア、334 ラック歯部、340 モータ駆動式押出駆動部,押出駆動部、341 押出駆動モータ、342 プランジャロッド、342EF 端面、342P プッシャ、343 プランジャロッド、343 リードネジ、343T 外ネジ山、344 押出駆動ギアトレイン、3441,3442,3443,3444,3445,3446 ギア、345 ナット、345H ホルダ、345T 内ネジ山、350 マイクロプロセッサ、360 バッテリ、370 カセット識別検出器,検出器、380 皮膚センサ,550 進行LED
【外国語明細書】