(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080719
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】コンクリートの施工タイミングの予測方法、予測装置およびコンクリートの施工方法
(51)【国際特許分類】
E04G 21/10 20060101AFI20220523BHJP
G01N 33/38 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
E04G21/10 Z ESW
G01N33/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020191936
(22)【出願日】2020-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹本 喜昭
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 亮介
【テーマコード(参考)】
2E172
【Fターム(参考)】
2E172AA05
2E172DB07
2E172HA03
(57)【要約】
【課題】施工タイミングを容易に予測することができるコンクリートの施工タイミングの予測方法、予測装置およびコンクリートの施工方法を提供する。
【解決手段】測定した初期温度に対応する切片情報を求めるステップと、求めた切片情報と注水時刻から所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を推定するステップと、推定した経過時間から所定の減算時間を減算して得られる時間を、コンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻において、コンクリートの温度を測定するステップと、測定したコンクリートの温度に対応する傾き情報を求めるステップと、求めた傾き情報と切片情報を用いて、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を決定し、押え作業の施工タイミングとして予測するステップとを有するようにする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工中のコンクリートの表面に対する押え作業を実施する前に、押え作業を行うのに好適な施工タイミングを予測するための方法であって、
コンクリートの注水時刻を取得するステップと、
コンクリートの初期温度を測定するステップと、
予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の切片情報と、コンクリートの初期温度の関係に対して、測定した初期温度を当てはめることで、測定した初期温度に対応する切片情報を求めるステップと、
求めた切片情報を、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式に当てはめることで、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算することで、注水時刻から所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を推定するステップと、
推定した経過時間から所定の減算時間を減算して得られる時間を、コンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻において、コンクリートの温度を測定するステップと、
予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間から所定の減算時間を減算した時点におけるコンクリートの温度の関係に対して、測定したコンクリートの温度を当てはめることで、測定したコンクリートの温度に対応する傾き情報を求めるステップと、
求めた傾き情報と切片情報を用いて、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を決定し、決定した近似式に対して、押え作業の施工タイミングに対応する貫入抵抗値を当てはめることで、経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻を押え作業の施工タイミングとして予測するステップとを有することを特徴とするコンクリートの施工タイミングの予測方法。
【請求項2】
所定の貫入抵抗値は1(N/mm2)であり、所定の減算時間は60分であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの施工タイミングの予測方法。
【請求項3】
施工中のコンクリートの表面に対する押え作業を実施する前に、押え作業を行うのに好適な施工タイミングを予測するための装置であって、
コンクリートの注水時刻を取得する手段と、
コンクリートの初期温度を測定する手段と、
予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の切片情報と、コンクリートの初期温度の関係に対して、測定した初期温度を当てはめることで、測定した初期温度に対応する切片情報を求める手段と、
求めた切片情報を、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式に当てはめることで、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算することで、注水時刻から所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を推定する手段と、
推定した経過時間から所定の減算時間を減算して得られる時間を、コンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻において、コンクリートの温度を測定する手段と、
予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間から所定の減算時間を減算した時点におけるコンクリートの温度の関係に対して、測定したコンクリートの温度を当てはめることで、測定したコンクリートの温度に対応する傾き情報を求める手段と、
求めた傾き情報と切片情報を用いて、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を決定し、決定した近似式に対して、押え作業の施工タイミングに対応する貫入抵抗値を当てはめることで、経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻を押え作業の施工タイミングとして予測する手段とを備えることを特徴とするコンクリートの施工タイミングの予測装置。
【請求項4】
所定の貫入抵抗値は1(N/mm2)であり、所定の減算時間は60分であることを特徴とする請求項3に記載のコンクリートの施工タイミングの予測装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載のコンクリートの施工タイミングの予測方法を用いて施工タイミングを予測するステップと、コンクリートを打設するステップと、予測した施工タイミングに基づいて、コンクリートの表面に対する押え作業を実施するステップとを有することを特徴とするコンクリートの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばコンクリートスラブなどのコンクリートの施工タイミングの予測方法、予測装置およびコンクリートの施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートスラブは、打設作業→均し作業→あま出し作業→押え作業という手順により施工されている。より具体的には、プラントからミキサー(アジテータ車)で運ばれたコンクリートを型枠上に打設し、全体を決められた高さになる様に均してゆく。コンクリートは時間の経過とともに硬化が進み、作業者が上に乗ることができる硬さになってから、ブリーディング水や端部の処理などを行い、鏝で表面を繰返し押えてゆく。
【0003】
あま出しから押えに至る作業は、コンクリート表面の平滑性、緻密化に必要な作業であり、スラブの良し悪しに大きな影響を与える。この押え作業は、熟練作業者がコンクリート表面を触った硬さ、見た目の色、ブリーディング水の発生具合などの感覚で判断している。近年の作業者不足により、この感覚による施工は成り立たなくなりつつあり、コンクリートスラブの施工品質の低下につながるおそれがある。特に、近年は建設業の労働者不足を補う目的で施工の機械化が求められており、人による作業と比較して重量やパワーが大きくなり、施工タイミングの管理は極めて重要となっている。
【0004】
コンクリートの硬化具合を把握する従来の方法としては、例えば特許文献1、2に記載の方法が知られている。特許文献1の方法は、コンクリートサンプルから粗骨材を除去したモルタルを試験体とし、規定の侵入針を垂直に刺した際の貫入抵抗値を求めるJISの貫入抵抗試験(JIS A 1147:2007)データを基として、試験体に設置した導電率計(抵抗値計でもよい)から得られる時間と導電率の関係を記録しつつ、その波形の変曲点となる時刻とコンクリートの注水時刻から、コンクリートの硬化速度の係数Aを求めることで、以降のコンクリートの貫入抵抗値における時刻を算出する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-73898号公報
【特許文献2】特開2019-73962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来の特許文献1の方法は、導電率が変化するタイミングを待つ必要があり、見落としがないようにするためには、変化を見極めるまで測定者が拘束されるか、自動化する必要がある。また、コンクリートの導電率と硬化程度の関係は、コンクリートの作業者や施工現場ではイメージが湧きにくく取り組みにくい傾向がある。また、実際の施工現場で貫入抵抗値を測定しながら施工タイミングを管理する方法は、確実ではあるが粗骨材を除去する作業や使用した器具を洗浄する作業、時間ごとに貫入抵抗値を測定する手間がかかる。このため、手間をかけずにコンクリートの施工タイミングを容易に予測することができる方法が求められていた。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、施工タイミングを容易に予測することができるコンクリートの施工タイミングの予測方法、予測装置およびコンクリートの施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測方法は、施工中のコンクリートの表面に対する押え作業を実施する前に、押え作業を行うのに好適な施工タイミングを予測するための方法であって、コンクリートの注水時刻を取得するステップと、コンクリートの初期温度を測定するステップと、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の切片情報と、コンクリートの初期温度の関係に対して、測定した初期温度を当てはめることで、測定した初期温度に対応する切片情報を求めるステップと、求めた切片情報を、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式に当てはめることで、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算することで、注水時刻から所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を推定するステップと、推定した経過時間から所定の減算時間を減算して得られる時間を、コンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻において、コンクリートの温度を測定するステップと、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間から所定の減算時間を減算した時点におけるコンクリートの温度の関係に対して、測定したコンクリートの温度を当てはめることで、測定したコンクリートの温度に対応する傾き情報を求めるステップと、求めた傾き情報と切片情報を用いて、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を決定し、決定した近似式に対して、押え作業の施工タイミングに対応する貫入抵抗値を当てはめることで、経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻を押え作業の施工タイミングとして予測するステップとを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る他のコンクリートの施工タイミングの予測方法は、上述した発明において、所定の貫入抵抗値は1(N/mm2)であり、所定の減算時間は60分であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測装置は、施工中のコンクリートの表面に対する押え作業を実施する前に、押え作業を行うのに好適な施工タイミングを予測するための装置であって、コンクリートの注水時刻を取得する手段と、コンクリートの初期温度を測定する手段と、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の切片情報と、コンクリートの初期温度の関係に対して、測定した初期温度を当てはめることで、測定した初期温度に対応する切片情報を求める手段と、求めた切片情報を、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式に当てはめることで、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算することで、注水時刻から所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を推定する手段と、推定した経過時間から所定の減算時間を減算して得られる時間を、コンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻において、コンクリートの温度を測定する手段と、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間から所定の減算時間を減算した時点におけるコンクリートの温度の関係に対して、測定したコンクリートの温度を当てはめることで、測定したコンクリートの温度に対応する傾き情報を求める手段と、求めた傾き情報と切片情報を用いて、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を決定し、決定した近似式に対して、押え作業の施工タイミングに対応する貫入抵抗値を当てはめることで、経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻を押え作業の施工タイミングとして予測する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る他のコンクリートの施工タイミングの予測装置は、上述した発明において、所定の貫入抵抗値は1(N/mm2)であり、所定の減算時間は60分であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るコンクリートの施工方法は、上述したコンクリートの施工タイミングの予測方法を用いて施工タイミングを予測するステップと、コンクリートを打設するステップと、予測した施工タイミングに基づいて、コンクリートの表面に対する押え作業を実施するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測方法によれば、施工中のコンクリートの表面に対する押え作業を実施する前に、押え作業を行うのに好適な施工タイミングを予測するための方法であって、コンクリートの注水時刻を取得するステップと、コンクリートの初期温度を測定するステップと、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の切片情報と、コンクリートの初期温度の関係に対して、測定した初期温度を当てはめることで、測定した初期温度に対応する切片情報を求めるステップと、求めた切片情報を、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式に当てはめることで、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算することで、注水時刻から所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を推定するステップと、推定した経過時間から所定の減算時間を減算して得られる時間を、コンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻において、コンクリートの温度を測定するステップと、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間から所定の減算時間を減算した時点におけるコンクリートの温度の関係に対して、測定したコンクリートの温度を当てはめることで、測定したコンクリートの温度に対応する傾き情報を求めるステップと、求めた傾き情報と切片情報を用いて、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を決定し、決定した近似式に対して、押え作業の施工タイミングに対応する貫入抵抗値を当てはめることで、経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻を押え作業の施工タイミングとして予測するステップとを有するので、コンクリートの注水時刻、初期温度、所定時刻におけるコンクリートの温度を測定することにより、その後の押え作業の施工タイミングを容易に予測することができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明に係る他のコンクリートの施工タイミングの予測方法によれば、所定の貫入抵抗値は1(N/mm2)であり、所定の減算時間は60分であるので、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を容易に精度よく決定することができるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測装置によれば、施工中のコンクリートの表面に対する押え作業を実施する前に、押え作業を行うのに好適な施工タイミングを予測するための装置であって、コンクリートの注水時刻を取得する手段と、コンクリートの初期温度を測定する手段と、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の切片情報と、コンクリートの初期温度の関係に対して、測定した初期温度を当てはめることで、測定した初期温度に対応する切片情報を求める手段と、求めた切片情報を、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式に当てはめることで、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算することで、注水時刻から所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を推定する手段と、推定した経過時間から所定の減算時間を減算して得られる時間を、コンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻において、コンクリートの温度を測定する手段と、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間から所定の減算時間を減算した時点におけるコンクリートの温度の関係に対して、測定したコンクリートの温度を当てはめることで、測定したコンクリートの温度に対応する傾き情報を求める手段と、求めた傾き情報と切片情報を用いて、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を決定し、決定した近似式に対して、押え作業の施工タイミングに対応する貫入抵抗値を当てはめることで、経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻を押え作業の施工タイミングとして予測する手段とを備えるので、コンクリートの注水時刻、初期温度、所定時刻におけるコンクリートの温度を測定することにより、その後の押え作業の施工タイミングを容易に予測することができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明に係る他のコンクリートの施工タイミングの予測装置によれば、所定の貫入抵抗値は1(N/mm2)であり、所定の減算時間は60分であるので、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を容易に精度よく決定することができるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明に係るコンクリートの施工方法によれば、上述したコンクリートの施工タイミングの予測方法を用いて施工タイミングを予測するステップと、コンクリートを打設するステップと、予測した施工タイミングに基づいて、コンクリートの表面に対する押え作業を実施するステップとを有するので、施工前に予測した施工タイミングに基づいて、コンクリートの表面に対する押え作業を適正に行うことが可能となる。これにより、安定した品質のコンクリートを施工することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、経過時間と貫入抵抗値の関係例を示す図であり、(1)は経過時間と貫入抵抗値の関係、(2)は(1)を対数値に変換した場合である。
【
図2】
図2は、コンクリート初期温度との関係例を示す図であり、(1)はコンクリート初期温度と傾きAの関係、(2)はコンクリート初期温度と切片Bの関係である。
【
図3】
図3(1)は、全試験サンプルの貫入抵抗値1(N/mm
2)における切片Bから算出した経過時間の内訳を示す図、
図3(2)は、作業内容と貫入抵抗値の関係である。
【
図4】
図4は、貫入抵抗値1(N/mm
2)におけるコンクリート予測温度と傾きAとの関係例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測方法の実施の形態を示すフローチャート図である。
【
図6】
図6は、本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測装置の実施の形態を示す画面図である。
【
図7】
図7は、本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測装置の実施の形態を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測方法、予測装置およびコンクリートの施工方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
[コンクリートの施工タイミングの予測方法]
まず、本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測方法の実施の形態について説明する。
【0021】
(基本原理)
まず、本発明の基本原理について説明する。
図1(1)は、夏期、中間期(春)、冬期における打設後のコンクリートの経過時間と貫入抵抗値の測定結果の一例を示したものである。図中のRは相関係数である。この図によると、それぞれが高い相関関係で得ることができ、夏期は短時間で硬化が進み、冬期は長い時間をかけて硬化してゆくことが分かる。この波形について、X軸とY軸を対数値に変換し、分かりやすくなるようにX軸とY軸を入れ替えると
図1(2)になる。この図に示すように、貫入抵抗値(X軸)と経過時間(Y軸)は以下に示すような1次関数式で表すことができ、傾きA(傾き情報)と切片B(切片情報)が得られれば、貫入抵抗値から経過時間を算出できる。
【0022】
経過時間の対数値=A×(貫入抵抗値の対数値)+B ・・・式(1)
【0023】
図に示されるように、傾きAが大きいほど経過時間の対数値が大きくなるため、コンクリートの硬化速度が遅くなることになる。つまり、気温の高い夏期はAが小さく、気温の低い冬期はAが大きくなる傾向がある。また、切片Bは、
図1(2)に示すように、貫入抵抗値の対数値が0.0(ゼロ)の値であり、これは貫入抵抗値が1(N/mm
2)であることを意味する。
【0024】
図2は、アジテータ車(コンクリートミキサー)からサンプルを採取し、貫入抵抗値を実際に測定して得たコンクリート初期温度と傾きAおよび切片Bの関係を示したものである。コンクリートは、施工時期、測定場所、出荷プラントなどが異なるが、コンクリートの種類は、特殊な配合を除いた一般的なスラブ用コンクリートである。また、この図におけるコンクリート初期温度は、打設現場に到着したアジテータ車から採取したコンクリート温度である。
【0025】
この図によると、コンクリート初期温度(X軸)と傾きA(Y軸)との相関はあまりよくないが、コンクリート初期温度(X軸)と切片B(Y軸)とはよい相関であることが分かる。切片Bは、上記のように貫入抵抗値の対数値が0.0、つまり貫入抵抗値が1(N/mm2)の値であるため、上記の式(1)に当てはめることで傾きAに関係なく経過時間の対数値を算出することができ、この値の指数値を求めることで経過時間を得ることができる。すなわち、コンクリート初期温度を測定することで、貫入抵抗値1(N/mm2)までの経過時間を算出できる。算出した経過時間を、アジテータ車のミルシートなどに記載されているコンクリートの注水時刻に加算することで、貫入抵抗値1(N/mm2)に対応する時刻を算出することができる。なお、切片Bは、対数による回帰曲線で相関を求めているが、直線による回帰曲線でも相関係数に違いはほとんどない。そのため、どちらを選定してもよいが、現時点では対数による回帰曲線を採用し、その後、データが揃ってきて直線による回帰曲線の相関がよくなった場合はその時点でそれに変更してもよい。
【0026】
貫入抵抗値は、コンクリートがまだ十分に柔らかい段階(例えば測定値が得られる程度の0.01~0.1(N/mm2)程度)では測定値にばらつきがあるため、傾きAは安定しない傾向がある。また、コンクリート温度は、周囲の気温や日射から影響を受け、夏期や中間期は時間経過とともに徐々に温度が上昇する。一方で、冬期のコンクリート温度は、初期から徐々に低下することもある。したがって傾きAの決定は、できるだけ多くのデータが得られた時点が望ましい。
【0027】
図3(1)は、切片Bの値から算出した全試験サンプルの貫入抵抗値1(N/mm
2)における経過時間の内訳を示したものである。最も短い時間で129分、最も長いのは545分である。押え作業の開始が、例えば
図3(2)に示すように貫入抵抗値0.5(N/mm
2)に対応する時刻からに計画している場合は、作業タイミングの時刻予測はそれよりも前に算出する必要がある。一方、あまりにも早い段階での時刻予測は、精度が悪くなる可能性がある。そこで、本発明では貫入抵抗値1(N/mm
2)におけるコンクリート温度を以下の(1)~(4)の方法で予測する。
【0028】
(1)傾きBから算出した貫入抵抗値1(N/mm2)における経過時間から所定の減算時間(例えば60分)を引く。
(2)(1)の経過時間における、コンクリート温度の実測値とコンクリート初期温度の差を求める。
(3)(1)の経過時間で、(2)で求めた温度が変化したことになるため、温度変化の割合を算出する。
(4)(3)で求めた温度変化の割合を用いて貫入抵抗値1(N/mm2)におけるコンクリート予測温度を求める。
【0029】
図4は、上記の方法で算出した貫入抵抗値1(N/mm
2)におけるコンクリート予測温度と傾きAとの関係を示したものである。この図と、
図2(1)で示した傾きAとコンクリート初期温度の関係とを比較すると、相関が大幅に改善することが分かる。貫入抵抗値1(N/mm
2)の経過時間から60分を引いた時間のコンクリート温度測定値は、矢印で示される20℃台の2点が他の測定値よりも近似直線から外れていることが分かるが、これは、中間期のデータであり実測値において温度を予測した時刻以降に、温度があまり上がらなかったものと、予想よりも大幅に上がったものである。これは、測定した際の気象変化によるものである。特に中間期のような気温の変動幅が大きい時期においては、貫入抵抗値1(N/mm
2)や最終的なコンクリート温度を予測することは困難である。したがって、現時点における傾きAの算出では、貫入抵抗値1(N/mm
2)の経過時間から60分を引いた時間のコンクリート温度測定値である
図4の関係を採用することが望ましい。また、気温の変動幅が大きい時期は温度変化が大きいため、減算時間は60分よりも30分、20分などできるだけ短い方が望ましい。
【0030】
(具体的な予測手順)
次に、本実施の形態に係る予測方法により、コンクリートスラブ施工時の押えタイミングを予測する場合の手順について説明する。
【0031】
図5に示すように、まず、打設現場に到着したアジテータ車からコンクリート初期温度を測定するとともに、アジテータ車のミルシートなどを参照してコンクリートの注水時刻を記録する(ステップS1)。
【0032】
次に、
図2(2)の関係より切片Bを算出し、算出した切片Bを上記の式(1)に代入して経過時間の対数値を求める。そして、この値の指数値をコンクリートの注水時刻に加算することで注水時刻から貫入抵抗値1(N/mm
2)までの経過時間を算出する(ステップS2)。
【0033】
次に、注水時刻に対して、算出した貫入抵抗値1(N/mm2)の経過時間から60分を引いた時間を加算した時刻を算出し、その時刻におけるコンクリート温度を測定する(ステップS3)。
【0034】
次に、
図4の関係から傾きAを算出する(ステップS4)。
【0035】
次に、
図3(2)に示すような各押え作業における開始時刻を算出し、コンクリートスラブ施工の押えタイミングを管理する(ステップS5)。これにより、各作業時刻(施工タイミング)および時間を施工前に予測することが可能となる。
【0036】
このように、本実施の形態の予測方法によれば、コンクリートの温度を測定するだけで、コンクリートスラブの押えタイミングを施工前に容易に予測することができる。このため、施工準備や押え作業が可能な時間を容易に把握することができる。コンクリートの硬化は、夏の暑い時期は早く、冬の寒い時期は遅いことは作業者や施工管理者にも経験的に知られており、温度を使った施工タイミングの管理は誰もがイメージしやすい利点がある。
【0037】
また、事前に押えタイミングを把握できるため、作業者や施工機械の配置準備、施工管理に活かすことが可能となる。このため、安定した品質のコンクリートスラブを施工することができる。また、作業終了時刻を明確にすることで、余計な作業がなくなり、時間短縮につながる。
【0038】
なお、本発明で対象とするコンクリートは、特殊なケースを除いた通常のスラブに用いるものであれば種類を限定しない。
【0039】
[コンクリートの施工タイミングの予測装置]
次に、本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測装置の実施の形態について説明する。
【0040】
本実施の形態に係るコンクリートの施工タイミングの予測装置は、上述したコンクリートの施工タイミングの予測方法を装置として具現化したものであり、例えば入力部、出力部、演算部、表示部、温度計測部からなる。入力部、出力部、演算部、表示部は、例えばCPUを有するコンピュータ、メモリ、ディスプレイ等のハードウェア、これらハードウェア上で稼働するコンピュータプログラム等のソフトウェアを用いて構成することができる。温度測定部は、コンクリート温度を測定する温度計などで構成することができる。
【0041】
図6は、本実施の形態に係るコンクリートの施工タイミングの予測装置の入出力画面の一例である。この図のような画面がディスプレイ等の表示部に表示される。
【0042】
入力部は、この画面の左側に設けられた4つの項目からなる入力セルである。各セルは、ミルシートからコンクリートの「注水時刻」を入力するためのセル(1)と、現場のコンクリートからコンクリート初期温度の「測定時刻」を入力するためのセル(2)と、「コンクリート初期温度」を入力するためのセル(3)と、現場のコンクリートから貫入抵抗値1(N/mm2)の60分前の時刻における「コンクリート温度」を入力するためのセル(4)である。各セルに対する入力データは、演算部の演算処理に使用される。入力するデータは、上記の4つのデータであり、その他の項目は後述の出力部において自動的に算出され、傾きAと切片Bを得ることができる。
【0043】
出力部は、この画面の右側に設けられた複数の項目からなる出力セルである。各セルは、「切片B」、「貫入抵抗値1(N/mm2)までの経過時間」、「貫入抵抗値1(N/mm2)から60分前の時刻」、「貫入抵抗値1(N/mm2)のコンクリート予測温度」、「傾きA」を出力するためのセルからなる。各セルには、演算部の演算処理によって算出された算出値が出力される。
【0044】
上記の構成の動作について説明する。入力部の「注水時刻」、「測定時刻」、「コンクリート初期温度」の3つの項目を入力すると、演算部の演算処理により、「切片B」が算出されるとともに、「貫入抵抗値1(N/mm2)までの経過時間」、「貫入抵抗値1(N/mm2)から60分前の時刻」が算出される。これらの算出値は出力部の各セルに瞬時に出力表示される。その後、貫入抵抗値1(N/mm2)から60分前の時刻においてコンクリート温度を測定し、この測定値を入力部の「コンクリート温度」に入力すると、演算部の演算処理により、「貫入抵抗値1(N/mm2)のコンクリート予測温度」、「傾きA」が算出される。これらの算出値は出力部の各セルに瞬時に出力表示される。なお、図の例では、注水時刻8:00、測定時刻9:31、コンクリート初期温度15.0℃、コンクリート温度29.2℃を入力して、切片B=5.82、傾きA=0.10が算出された場合を示している。
【0045】
図7は、
図6で算出した傾きAと切片Bを用いて各作業における施工タイミングを算出した画面の一例である。上記の傾きAと切片Bが算出されると、演算部の演算処理により、
図7に示すように各作業ごとの開始時刻が自動的に算出される。したがって、この予測装置の利用者は、この画面を通じて、各作業の時刻を容易に把握することができる。この例の場合は、コンクリート初期温度を9:31に測定し、12:37にその時のコンクリート温度を測定した時点で、人が上に乗れる時刻13:14以降の時刻が算出される。作業終了は14:43であり、押え過ぎによる剥がれやひび割れ、色むらなどの不具合が発生しにくくなり、これ以降の作業がなくなることで時間短縮にもつながる。
【0046】
このように、本実施の形態の予測装置によれば、コンクリートの温度を測定するだけで、コンクリートスラブの押えタイミングを施工前に容易に予測することができる。また、データの入力は4項目のみであることから作業が容易であり、誰でも押えタイミングの時刻を容易に得ることが可能である。
【0047】
[コンクリートの施工方法]
次に、本発明に係るコンクリートの施工方法の実施の形態について、コンクリートスラブを施工する場合を例にとり説明する。
【0048】
まず、コンクリートスラブを施工する前に、上述したコンクリートの施工タイミングの予測方法を用いて施工タイミングを予測する。これにより、施工前に各押え作業の施工タイミングを把握することが可能となる。この結果、例えば
図7に示すような施工タイミングの情報を得たものとする。
【0049】
次に、フレッシュコンクリートを型枠上に打設してコンクリートスラブを施工する。そして、
図7を参照して施工タイミングを確認し、人が上に乗れる時刻(13時14分)になったら、作業員が硬化中のコンクリートスラブ上に乗り、ブリーディング水や端部の処理などの作業を行う。この作業は、円盤・あま出しの開始時刻(14時01分)までに終えるように計画的に実施する。その後、円盤・あま出しを行い、金鏝1回目の開始時刻(14時21分)になったら、金鏝で表面を繰返し押えていく。その後、金鏝2回目の開始時刻(14時43分)になったら、金鏝で表面を仕上げていく。
【0050】
このように、本実施の形態によれば、施工前に予測した施工タイミングに基づいて、コンクリートスラブの表面に対する押え作業を適正に行うことが可能となる。これにより、安定した品質のコンクリートスラブを施工することができる。
【0051】
以上説明したように、本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測方法によれば、施工中のコンクリートの表面に対する押え作業を実施する前に、押え作業を行うのに好適な施工タイミングを予測するための方法であって、コンクリートの注水時刻を取得するステップと、コンクリートの初期温度を測定するステップと、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の切片情報と、コンクリートの初期温度の関係に対して、測定した初期温度を当てはめることで、測定した初期温度に対応する切片情報を求めるステップと、求めた切片情報を、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式に当てはめることで、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算することで、注水時刻から所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を推定するステップと、推定した経過時間から所定の減算時間を減算して得られる時間を、コンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻において、コンクリートの温度を測定するステップと、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間から所定の減算時間を減算した時点におけるコンクリートの温度の関係に対して、測定したコンクリートの温度を当てはめることで、測定したコンクリートの温度に対応する傾き情報を求めるステップと、求めた傾き情報と切片情報を用いて、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を決定し、決定した近似式に対して、押え作業の施工タイミングに対応する貫入抵抗値を当てはめることで、経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻を押え作業の施工タイミングとして予測するステップとを有するので、コンクリートの注水時刻、初期温度、所定時刻におけるコンクリートの温度を測定することにより、その後の押え作業の施工タイミングを容易に予測することができる。
【0052】
また、本発明に係る他のコンクリートの施工タイミングの予測方法によれば、所定の貫入抵抗値は1(N/mm2)であり、所定の減算時間は60分であるので、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を容易に精度よく決定することができる。
【0053】
また、本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測装置によれば、施工中のコンクリートの表面に対する押え作業を実施する前に、押え作業を行うのに好適な施工タイミングを予測するための装置であって、コンクリートの注水時刻を取得する手段と、コンクリートの初期温度を測定する手段と、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の切片情報と、コンクリートの初期温度の関係に対して、測定した初期温度を当てはめることで、測定した初期温度に対応する切片情報を求める手段と、求めた切片情報を、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式に当てはめることで、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算することで、注水時刻から所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間を推定する手段と、推定した経過時間から所定の減算時間を減算して得られる時間を、コンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻において、コンクリートの温度を測定する手段と、予め把握された所定の貫入抵抗試験により得られる貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式の傾き情報と、所定の貫入抵抗値に達するまでの経過時間から所定の減算時間を減算した時点におけるコンクリートの温度の関係に対して、測定したコンクリートの温度を当てはめることで、測定したコンクリートの温度に対応する傾き情報を求める手段と、求めた傾き情報と切片情報を用いて、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を決定し、決定した近似式に対して、押え作業の施工タイミングに対応する貫入抵抗値を当てはめることで、経過時間を求め、求めた経過時間をコンクリートの注水時刻に加算して得られる時刻を押え作業の施工タイミングとして予測する手段とを備えるので、コンクリートの注水時刻、初期温度、所定時刻におけるコンクリートの温度を測定することにより、その後の押え作業の施工タイミングを容易に予測することができる。
【0054】
また、本発明に係る他のコンクリートの施工タイミングの予測装置によれば、所定の貫入抵抗値は1(N/mm2)であり、所定の減算時間は60分であるので、貫入抵抗値と経過時間の関係を表す近似式を容易に精度よく決定することができる。
【0055】
また、本発明に係るコンクリートの施工方法によれば、上述したコンクリートの施工タイミングの予測方法を用いて施工タイミングを予測するステップと、コンクリートを打設するステップと、予測した施工タイミングに基づいて、コンクリートの表面に対する押え作業を実施するステップとを有するので、施工前に予測した施工タイミングに基づいて、コンクリートの表面に対する押え作業を適正に行うことが可能となる。これにより、安定した品質のコンクリートを施工することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、本発明に係るコンクリートの施工タイミングの予測方法、予測装置およびコンクリートの施工方法は、コンクリートスラブの施工に有用であり、特に、コンクリートスラブの押え作業の施工タイミングを予測するのに適している。