IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 松田家具の特許一覧

特開2022-80807抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材
<>
  • 特開-抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材 図1
  • 特開-抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材 図2
  • 特開-抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材 図3
  • 特開-抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材 図4
  • 特開-抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材 図5
  • 特開-抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材 図6
  • 特開-抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材 図7
  • 特開-抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材 図8
  • 特開-抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材 図9
  • 特開-抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080807
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材
(51)【国際特許分類】
   B32B 33/00 20060101AFI20220523BHJP
   B32B 27/42 20060101ALI20220523BHJP
   B32B 21/08 20060101ALI20220523BHJP
   B27M 3/18 20060101ALI20220523BHJP
   B27M 3/00 20060101ALI20220523BHJP
   B27D 5/00 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
B32B33/00
B32B27/42
B32B21/08
B27M3/18 Z
B27M3/00 N
B27D5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020202283
(22)【出願日】2020-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】307006491
【氏名又は名称】株式会社 松田家具
(72)【発明者】
【氏名】松田 哲博
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 剛士
(72)【発明者】
【氏名】松尾 明日香
【テーマコード(参考)】
2B002
2B250
4F100
【Fターム(参考)】
2B002AA03
2B002BB04
2B002DA04
2B250AA13
2B250BA03
2B250CA11
2B250DA04
2B250FA31
4F100AA21A
4F100AK15C
4F100AK33A
4F100AK36A
4F100AP01B
4F100AP02B
4F100AP03B
4F100AT00C
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100DG10A
4F100EJ17A
4F100EJ42A
4F100EJ82A
4F100GB81
4F100JC00A
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
(57)【要約】
【課題】家具に使用に使用される、耐衝撃性、耐熱性、耐磨耗性に優れたメラミン板を張った表面板材に装飾的加工を施した高い抗菌・殺菌性を持つ化粧材を提供する。
【解決手段】酸化チタンを突出して含有する成分を被膜したメラミン表面複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタンを含むメラミン樹脂をセルローズ系含有素材に分散・含侵させて、成型加工した厚さ1~3mmのメラミン系の化粧材であって、前記化粧材を持つパネル板材の芯材に、厚さ18~25mm、幅250~1200mmの木質材を使用して、表面に抗菌効果をもたらして装飾性を施した被膜メラミン平板状になっている抗菌性メラミン系樹脂からなる家具用化粧材である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化チタンを突出して含有する成分を被膜した熱硬化性樹脂であるメラミン樹脂、又はフェノール系樹脂の表面複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタンを含むメラミン樹脂、又はフェノール系樹脂を紙素材に分散・含侵させて、成型加工した厚さ1~3mmのメラミン樹脂、又はフェノール樹脂系の化粧材であって、前記化粧材を持つパネル板材の芯材に、厚さ10~25mm、幅250~1200mmの木質材を使用して、表面に抗菌効果をもたらして装飾性を施した被膜メラミン樹脂、又はフェノール樹脂平板状になっていることを特徴とする抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材。
【請求項2】
酸化チタンを含有する成分を担持したメラミン樹脂、又はフェノール樹脂の表面複合材は、酸化チタンの微粒子を分散させてメラミン樹脂、又はフェノール樹脂の溶液とともに、紙素材に担持させたものを高温高圧で成形加工した50~300μmの表層を持つ化粧材を融着させた装飾性メラミン樹脂材、又はフェノール樹脂材で、前記装飾性メラミン樹脂、又はフェノール樹脂材を芯材の木質材の表面に接着させた5~30mm厚さの複合体となって、前記装飾性メラミン樹脂、又はフェノール樹脂樹脂材の前記50~300μmの表層にチタン成分として7~15重量%を存在している抗菌性メラミン樹脂、又はフェノール樹脂の表面であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材。
【請求項3】
酸化チタンとしてメラミン樹脂、又はフェノール樹脂の表面に存在するメラミン樹脂、又はフェノール樹脂の表面複合材の芯材である木質材としては、無垢材、MDF、パーテクルボードであって、木質材の表面と前記芯材の側面の木口面に貼付けられた装飾性メラミン樹脂材、又はフェノール樹脂材の化粧パネルは、収納家具に取り付けたときの装飾性と抗菌性を高めた家具の前側になる木口面にして、前記木口面を覆う角部にも連続的に接着して、芯材の木質材の側面と裏面の全面で平滑性を高めるために、0.1~0.3mmの厚さの塩化ビニール製シートを密着させた構造になっていることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材。
【請求項4】
酸化チタンを表面に存在した装飾的抗菌性メラミン樹脂、又はフェノール樹脂の表面複合材の化粧パネル板材は、テーブルの天板、及び食器棚、テレビボート、サイドボード、箪笥、チェストの引き出し、開き戸、引き戸、カウンターに使用できることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器棚やテレビボード、カウンター等の家具に使用する抗菌・殺菌性を持つ装飾性耐久性前板に関して。主にメラミン系樹脂材の表面を抗菌性の光触媒効果を持つ成分を持着させて、裏面に木質材などを張り合わせて家具類に使用する抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材に関する。
【背景技術】
【0002】
紙質基材に対するメラミン樹脂の浸透を阻害することなく、紙質基材に対する電離放射線硬化性樹脂の浸透を抑制することができる被覆層を備える化粧シート、並びに、該化粧シートを備えた化粧板及びその製造に、第1面及び第1面の反対側に位置する第2面を有する支持層と、支持層の第1面の一部に設けられた離型層とを備える化粧シートであって、支持層が、紙質基材と、支持層の第1面を形成する被覆層とを備え、離型層が、電離放射線硬化性樹脂の硬化物を含み、被覆層が、カゼインを、被覆層の総質量を基準として35質量%以上85質量%以下の量で含む、化粧シートを提供するものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
樹脂系材料として、不燃材料或いは準不燃材料としての不燃性を有すると共に、強度,加工性ならびに耐水性などの物性がすぐれ、表面,切断面共、美麗な外観をもった不燃性化粧板として、坪量30~150g/m2のガラス繊維不織布にフェノール樹脂が不揮発分で10~30重量%、無機質粒子を主成分とする充填剤が70~90重量%である樹脂組成物を含浸,乾燥したプリプレグを複数枚積層して基材とし、該基材の少なくとも片面に厚さ0.5mm以下で有機物成分が300g/m2以下の化粧層が熱圧成形され化粧板を構成している製品が提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
化粧板の抗菌として、大腸菌や食中毒菌、黄色ブドウ球菌、その他の雑菌に対する広範囲の抗菌効果を有し、広範囲の用途に使える化粧板を提供するために、銀や銅、亜鉛などの抗菌性金属を含有する無機系抗菌剤を、アミノアルキツド樹脂塗料やウレタン樹脂塗料、ラツカー塗料、ポリエステル樹脂塗料、その他の木材用塗料に混入させる一方、合板や繊維板、木片板、その他の基材に薄葉紙を接着一体化し、これと相前後して、その薄葉紙に上記木材用塗料を塗装することが提案されている(特許文献3参照)。
【0005】
また家具のテーブルの天板は木製とスチール製とが広く使用されているが、木製天板にしてもスチール製天板にしても単位面積当たりの重量がかなり大きいため、例えば2m以上の長さを有する大型天板では、運搬や組み立てに多大の手間が掛かるのみならず、作業者の負担も大きいという問題がある。天板を積層構造にして軽量化することが提案されており、スチール製の基板と木質系等の下面板とで中空の殻体を構成して、この殻体の内部に発泡合成樹脂を充填すると共に、基板の上面に化粧用の表面板を接着することが開示されている(特許文献4参照)。
【0006】
さらにパネルを軽量コア材とその表裏に配置した面板との積層構造として軽量化することも提案されており、アルミ箔で形成されたハニカム構造体の表裏にアルミ板を接着したパネルが開示されており、また、特許文献3には、ダンボール積層体より成るハニカムコアの表裏両面に、フェノール樹脂とガラス繊維とからなるシートモールディングコンパウンドの層を加圧成形によって積層することが開示されている(特許文献5参照)。
【0007】
一方耐衝撃性、耐熱性、耐水性、耐磨耗性に優れた天板を提供するために、天板に用いる板材おいて、パネル状の芯材と、前記芯材の木口と同一の断面を有し前記木口に貼付けられ前記芯材の平面方向に延びて前記芯材の外縁を構成する耐衝撃性を備えた補強材と、前記芯材のおもて面と前記芯材の外縁の末端を被覆する耐衝撃性を備えた頂面化粧板と、前記補強材が構成する外縁の側面を被覆する耐衝撃性を備えた側面化粧板とからなる板材が提案されている(特許文献6参照)。
【0008】
メラミンの化粧板については、ほとんどテーブルの天板であって、軽量と強度を持たせるものが多くて、耐久性を高めたもので、殺菌性、抗菌性のメラミンを使用した家具の前板は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2019-64120号公報
【特許文献2】特開平8-207201号公報
【特許文献3】特開平6-198607号公報
【特許文献4】実開平5-13246号公報
【特許文献5】特開2003-102578号公報
【特許文献6】特開2009-291430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
さて、テーブル等の家具の天板の場合、上面は露出して筆記等の各種の用途に供されるため、表面の美しさや硬さ(傷つきにくさ)が求められる。この点、従来からテーブルの天板の上面を化粧体としてのメラミン樹脂化粧板で構成することは広く行われており、そこで天板の上面を化粧板で構成したらよいと云えるが、これでは、天板の層数が増えてコストが嵩むのみならず重量も増加するという問題がある。しかし家具のメラミン樹脂を使用した前板については、価格的に採用がされておらず、また扉などに使用した場合には使用頻度が多くなり、耐久性で問題になっており、さらに前板の裏面の装飾性を高めることが求められている。
【0011】
本発明にかかる現状に鑑み成されたものであり、殺菌性、抗菌性のメラミン樹脂、フェノール樹脂家具の表面である前板の裏板の化粧性は確保しつつ、簡単な構造で高い強度、耐久性を持ちの家具用前板を提供すること、及び、これに関連して現実性が高くて商品価値が高い前板を提供することを目的とするものである。
【0012】
木質材のMDFは、加工性、軽量性に優れるが、吸水性が高い。また、メラミン、フェノール樹脂は耐衝撃性、耐熱性、耐水性、耐摩耗性に優れる。そこで、家具の芯材として、MDFを芯材にし、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の化粧板を外表面に張り付けたものがよく用いられている。この場合のメラミン、フェノール樹脂化粧板の厚みは0.8mm~1.2mmである。殺菌性、抗菌性は薄いであるが、熱硬化性樹脂のメラミン樹脂、フェノール樹脂の化粧板で殺菌性、抗菌性が求められている。
【0013】
このような殺菌性、抗菌性のメラミン樹脂、又はフェノール樹脂の家具は、通常の刺激では破損しないが、外周側縁面に先鋭な物質が衝突する等して集中応力がかかった場合には、破損して部分的に欠落したり、表面が変形したり傷がついたりすることがあった。その結果、MDF材が露出して吸水し、これにより前板が腐敗したり、膨潤によって家具の表面の化粧板が剥離したり、反りが生じたり、亀裂が生じたりした。このような故障が生じた場合修復は困難なので、前板の裏面の美観と機能を再び得るには、殺菌性、抗菌性のメラミン家具全体を交換する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
酸化チタンを突出して含有する成分を被膜した熱硬化性樹脂であるメラミン樹脂、又はフェノール系樹脂の表面複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタンを含むメラミン樹脂、又はフェノール系樹脂を紙素材に分散・含侵させて、成型加工した厚さ1~3mmのメラミン樹脂、又はフェノール樹脂系の化粧材であって、前記化粧材を持つパネル板材の芯材に、厚さ10~25mm、幅250~1200mmの木質材を使用して、表面に抗菌効果をもたらして装飾性を施した被膜メラミン樹脂、又はフェノール樹脂平板状になっている抗菌性熱硬化性樹脂からなる家具用化粧材である。
【0015】
酸化チタンを含有する成分を担持したメラミン樹脂、又はフェノール樹脂の表面複合材は、酸化チタンの微粒子を分散させてメラミン樹脂、又はフェノール樹脂の溶液とともに、紙素材に担持させたものを高温高圧で成形加工した50~300μmの表層を持つ化粧材を融着させた装飾性メラミン樹脂材、又はフェノール樹脂材で、前記装飾性メラミン樹脂、又はフェノール樹脂材を芯材の木質材の表面に接着させた5~30mm厚さの複合体となって、前記装飾性メラミン樹脂、又はフェノール樹脂樹脂材の前記50~300μmの表層にチタン成分として7~15重量%を存在している抗菌性メラミン樹脂、又はフェノール樹脂の表面である。
【0016】
酸化チタンとしてメラミン樹脂、又はフェノール樹脂の表面に存在するメラミン樹脂、又はフェノール樹脂の表面複合材の芯材である木質材としては、無垢材、MDF、パーテクルボードであって、木質材の表面と前記芯材の側面の木口面に貼付けられた装飾性メラミン樹脂材、又はフェノール樹脂材の化粧パネルは、収納家具に取り付けたときの装飾性と抗菌性を高めた家具の前側になる木口面にして、前記木口面を覆う角部にも連続的に接着して、芯材の木質材の側面と裏面の全面で平滑性を高めるために、0.1~0.3mmの厚さの塩化ビニール製シートを密着させた構造になっている。
【0017】
酸化チタンを表面に存在した装飾的抗菌性メラミン樹脂、又はフェノール樹脂の表面複合材の化粧パネル板材は、テーブルの天板、及び食器棚、テレビボート、サイドボード、箪笥、チェストの引き出し、開き戸、引き戸、カウンターに使用できる。
【0018】
酸化チタンを突出して含有する成分を被膜した熱硬化性樹脂のメラミン表面複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタンを含む熱硬化性樹脂のメラミン樹脂を紙に含侵させ高温高圧で成形したエンボス加工した厚さ1~3mm化粧材を接合させた表面であって、前記化粧材を持つパネル板材の芯材に、MDFの厚さ18~25mm、幅250~800mmのMDFを使用して、表面に50~300μm厚さの抗菌表層の被膜メラミン板を張って、側面と裏面の一面に0.1~0.3mmの厚さの塩化ビニール製のラッピングシートを芯材のMDFの側面と裏面との全面で接着力を高めて平滑にして、表面に抗菌・殺菌効果を高めて装飾性を施した平板面になっている抗菌・殺菌用メラミン被覆処理板である。
【0019】
酸化チタンを含有する成分を被膜した熱硬化性樹脂表面複合材は、酸化チタンの微粒子をメラミン樹脂に分散させた溶液を紙に含侵させたものを高温高圧成形した化粧材を融着させた1~3mmの装飾性メラミン樹脂をMDFの表面の表層にて酸化チタンとして表面に5~50個/平方センチメートル出現したメラミン表面状態を構成されている。
【発明の効果】
【0020】
抗菌・殺菌性化粧板を使用した家具の前板に使用する化粧板の表面と裏面を構成する芯材と外層のメラミン板の間の、外縁側壁のみに裏板の保護膜を設ける、というごく単純な構成により、抗菌・殺菌性が向上し、前板のメラミン板の清潔性が向上して、ウィルス、細菌に対して防御ができて、それに伴うMDF等の吸水性のよい素材の膨潤、腐敗、化粧板と芯材の剥離、裏面の破損といった事故を予防できて、耐久性も増した。
【0021】
抗菌・殺菌性天板の最外層のメラミン板に傷がついた場合でも、耐水性に優れたメラミン樹脂板がさらに内装に存するため、破損部からの変形を防止し、扉などの熱変化の激しい前板の破損はなくなった。化粧性を有する前板(化粧板)の裏面板の保護膜によって構成しているが、前板には上から大きな荷重が掛かることがあるため、前板は上からの荷重に抗する高い強度が求められる。接着的均一に貼られている裏板のラッピング膜によって変質防止を確保しつつ、抗菌・殺菌性メラミンの上面板で細菌、ウィルスから防御に有効に働いた。
【0022】
しかも、抗菌・殺菌性メラミン化粧板と木質材の下面板との間の側板部材が配置されているため、重量を大きく増大させることなく、細菌、ウィルスから防御に効果を示して、化粧板の安定性からの荷重に対する強度を向上させることができる。その結果、安定性を格段に向上させて、大型であって、種々の面から実用的価値は非常に高くなった。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】抗菌性メラミン系樹脂からなる家具用化粧材を使用したテーブル(天板)の斜視図を示す。A:ダイニングテーブル(天板) B:センターテーブル(天板)
図2】抗菌用熱硬化性樹脂被覆処理板の構造と断面の図を示す。A:構造図 B:断面組成図
図3】抗菌性装飾性熱硬化性樹脂材の表面、表層の状態図を示す。A:断面のEPMA写真 B:表面状態の写真
図4】抗菌性装飾性熱硬化性樹脂材の組成状態のIRスペクトル状態図を示す。A:通常の装飾性熱硬化性樹脂材の粉末 B:抗菌性装飾性熱硬化性樹脂材の粉末 C:通常の装飾性熱硬化性樹脂材の板 D:抗菌性装飾性熱硬化性樹脂材の板
図5】抗菌装飾性熱硬化性樹脂材中の酸化チタンの分布状態をEPMA分析の図を示す。A:表面の状態 B:断面の上層の状態 C:断面の中層の状態
図6】抗菌用熱硬化性樹脂表面複合材の組成分布のEPMA分析状態の図を示す。A:表層の組成分析 B:表層の炭素と窒素の割合のEPMA図を示す C:中層の組成分析 D:中層の炭素と窒素の割合のEPMA図を示す
図7】抗菌用熱硬化性樹脂表面複合材断面の元素分散状態のEPMA分析状態の図を示す。A:TiO2の状態 B:窒素の状態 C:酸素の状態
図8】ルミテスター(ATPテスター)による抗菌性状態の結果を示す。
図9】抗菌用メラミン被覆処理板を使用した食器棚(前板、カウンターテーブル付き)の図を示す。
図10】抗菌用メラミン被覆処理板を使用したテレビボードの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の実施例を、図1は家具用メラミン被覆処理前板を使用した家具の斜視図で、図2は、本願の家具用メラミン被覆処理前板の断面構造の図で、図3図7は、本願の家具用抗菌性メラミン被覆処理前板の表面の機器分析により構造,成分などを確認した。
【実施例0025】
図1に示すように、酸化チタンを突出して含有する成分を被膜したメラミン表面複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタンを含むメラミン樹脂をセルローズ系含有素材に分散・含侵させて、成型加工した厚さ1~3mmのメラミン系の化粧材であって、前記化粧材を持つパネル板材の芯材に、厚さ18~25mm、幅250~1200mmの木質材を使用して、表面に抗菌効果をもたらして装飾性を施した被膜メラミン平板状になっている抗菌性メラミン系樹脂で処理したテーブルであり、図2に示すようにその抗菌作用を持つ材料である家具用化粧材の概略断面構造状態である。
【0026】
家具用抗菌性メラミン被覆処理前板を電子線マイクロアナライザー(EPMA)によって種々の状態、成分分布の測定を行った。図3A,Bに示すように、表面と断面の状態を測定して、表面の構成した成分(TiO2)を分析して、約1mmの厚さで、表面層を約200μmにチタン成分が存在して、また表面に10~30μmの凹凸になっている。さらに図5に示すように表面層と断面の上層200μm内にTiO2が集中して、また図6に示すように表層にはTiO2の含有割合として、8~12質量%を所持して、中層にはTiO2は存在していない結果を示した。さらに図7に示すように、化粧板の中層においては窒素成分が少なく、酸素を多くしていることから、フェノール樹脂が主体になっており、上層のTiO2の担持にはメラミンが主体で、メラミンによって構成されていることが明らかになった。また図4に示すようにIRスペクトルの結果から、通常のメラミンのパターンと同様であり、有機的にメラミンを変性していないことが明らかになった。
【0027】
酸化チタンを含有する成分を担持したメラミン表面複合材は、酸化チタンの微粒子を分散させてメラミン樹脂の溶液とともに、紙、或いは木材紛シートから選ばれたセルローズ系含有素材に担持させたものを高温高圧で成形加工した50~300μmの表層を持つ化粧材を融着させた装飾性メラミン系樹脂材で、前記装飾性メラミン系樹脂材を芯材の木質材の表面に接着させた5~30mm厚さの複合体となって、前記装飾性メラミン系樹脂材の前記50~300μmの表層にチタン成分として7~15重量%を存在している抗菌性メラミン表面であった。
【0028】
酸化チタンとしてメラミン表面に存在するメラミン表面複合材の芯材である木質材としては、無垢材、MDF、パーテクルボードであって、木質材の表面と前記芯材の側面の木口面に貼付けられた装飾性メラミン樹脂材の化粧パネルは、収納家具に取り付けたときの装飾性と抗菌性を高めた家具の前側になる木口面にして、前記木口面を覆う角部にも連続的に接着して、芯材の木質材の側面と裏面の全面で平滑性を高めるために、0.1mmの厚さの塩化ビニール製シートを密着させた構造になった。
【0029】
図1のテーブルの天板に示すように、酸化チタンを表面に存在した装飾的抗菌性メラミン表面複合材の化粧パネル板材は、テーブルの天板に使用できた。また抗菌性に対して図8に示すように、ルミテスターにより細菌、ウィルスの抗菌性の結果を示すが、メラミンにTiO2で処理した化粧板においては大きな効果を示した。一般の材料、メラミンに対して半分以下(1/3程度)になり、また処理のない化粧板に比べてウィルス、細菌を消滅させていることが分った。
【0030】
酸化チタンを突出して含有する成分を被膜したメラミン表面複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタンを含有する成分を被膜したメラミン表面複合材は、酸化チタンの微粒子をメラミン樹脂に分散させた溶液を紙に含侵させたものを高温高圧成形した化粧材を融着させた1mmの装飾性メラミン樹脂をMDFの表面の表層にて酸化チタンとして表面に約30個/平方センチメートル出現したメラミン表面状態を構成されている。
酸化チタンを含むメラミン樹脂を紙に含侵させ高温高圧で成形したエンボス加工した厚さ3mm化粧材を接合させた表面であって、前記化粧材を持つパネル板材の芯材に、MDFの厚さ20mm、幅800mmのMDFを使用して、表面に200μm厚さの抗菌表層の被膜メラミン板を張って、側面と裏面の一面に0.2mmの厚さの塩化ビニール製のラッピングシートを芯材のMDFの側面と裏面との全面で接着力を高めて平滑にして、表面に抗菌・殺菌効果を高めて装飾性を施した平板面になっている抗菌用メラミン被覆処理板であった。
【実施例0031】
実施例1と同様に、酸化チタンを突出して含有する成分を被膜したメラミン表面複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタンを含むメラミン樹脂を紙に含侵させ高温高圧で成形したエンボス加工した厚さ1mm化粧材を接合させた表面であって、前記化粧材を持つパネル板材の芯材に、MDFの厚さ25mm、幅500mmのMDFを使用して、表面に1mm厚さの被膜メラミン板を張って、側面と裏面の一面に0.6mmの厚さの塩化ビニール製のラッピングシートを芯材のMDFの側面と裏面との全面で接着力を高めて平滑にして、表面に抗菌・殺菌効果を高めて装飾性を施した平板面になっている抗菌・殺菌用メラミン被覆処理板であった。
【0032】
酸化チタンを含有する成分を被膜したメラミン表面複合材は、酸化チタンの微粒子をメラミン樹脂に分散させた溶液を紙に含侵させたものを高温高圧成形した化粧材を融着させた装飾性メラミン樹脂をMDFの表面に厚さ1mmの表層にて酸化チタンとして表面に約50個/平方センチメートル出現したメラミン表面状態を構成された。
【0033】
酸化チタンとして表面に出現したメラミン状態のパネル板材の芯材であるMDFの表面と前記芯材の側面の木口面に貼付けられた化粧パネルは、収納家具に取り付けたときの装飾性と抗菌・殺菌性を増した家具の前側になる木口面にして、前記木口を覆う角部に酸化チタンとして表面に出現したメラミン状態の表面を接合した化粧パネル板材にして、側面とを連続的に接着性を高めて均一性を維持するために、前面的に抗菌・殺菌性メラミン複合材を接合させた。
【0034】
抗菌・殺菌用メラミン被覆処理した前板となる化粧パネルの前記MDF芯材の表面を1mmのメラミン樹脂板材で被覆された耐衝撃性を備えて、側面に均一な装飾的抗菌・殺菌性メラミン状態の化粧パネル板材で接合した抗菌・殺菌性化粧板で、テーブルの天板に使用した。
【実施例0035】
実施例1と同様に 酸化チタンを突出して含有する成分を被膜したメラミン表面複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタンを含むメラミン樹脂を紙に含侵させ高温高圧で成形したエンボス加工した厚さ1mm化粧材を接合させた表面であって、前記化粧材を持つパネル板材の芯材に、MDFの厚さ18mm、幅800mmのMDFを使用して、表面に1mm厚さの被膜メラミン板を張って、側面と裏面の一面に0.2mmの厚さの塩化ビニール製のラッピングシートを芯材のMDFの側面と裏面との全面で接着力を高めて平滑にして、表面に抗菌・殺菌効果を高めて装飾性を施した平板面になっている抗菌・殺菌用メラミン被覆処理板であった。
【0036】
酸化チタンを含有する成分を被膜したメラミン表面複合材は、酸化チタンの微粒子をメラミン樹脂に分散させた溶液を紙に含侵させたものを高温高圧成形した化粧材を融着させた装飾性メラミン樹脂をMDFの表面に厚さ1mmの表層にて酸化チタンとして表面に約50個/平方センチメートル出現したメラミン表面状態を構成されている。
【0037】
酸化チタンとして表面に出現したメラミン状態のパネル板材の芯材であるMDFの表面と前記芯材の側面の木口面に貼付けられた化粧パネルは、収納家具に取り付けたときの装飾性と抗菌・殺菌性を増した家具の前側になる木口面にして、前記木口を覆う角部に酸化チタンとして表面に出現したメラミン状態の表面を接合した化粧パネル板材にして、側面とを連続的に接着性を高めて均一性を維持するために、前面的に抗菌・殺菌性メラミン複合材を接合させた。
【0038】
抗菌・殺菌用メラミン被覆処理した前板となる化粧パネルの前記MDF芯材の表面を1mmのメラミン樹脂板材で被覆された耐衝撃性を備えて、側面に均一な装飾的抗菌・殺菌性メラミン状態の化粧パネル板材で接合した抗菌・殺菌性化粧板で、図9、10に示すように食器棚の開き戸、引き戸、引き出し、カウンター、テレビボードの引き出し、天板に使用した。
【符号の説明】
【0039】
1 抗菌用メラミン被覆処理板
2 抗菌メラミン部材
3 塩ビラッピングシート部材
4 化粧層
5 側縁面
6 酸化チタン含有
7 メラミン樹脂層
8 フェノール樹脂層
9 紙層
10 天板
11 開き戸
12 引き戸
13 引き出し
14 カウンター
15 上層(表層)
16 中層
17 断面
18 食器棚
19 前板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10