(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080887
(43)【公開日】2022-05-30
(54)【発明の名称】被加工物にテクスチャを彫刻するためのレーザアブレーション方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/082 20140101AFI20220523BHJP
B23K 26/36 20140101ALI20220523BHJP
【FI】
B23K26/08 H
B23K26/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021187252
(22)【出願日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】20208258
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519198557
【氏名又は名称】ジー・エフ マシーニング ソリューションズ アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】GF Machining Solutions AG
【住所又は居所原語表記】Roger-Federer-Allee 7,2504 Biel,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィ コンセイユ
(72)【発明者】
【氏名】シャルル エリク ラポルト
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AA02
4E168AD03
4E168AD18
4E168CB03
4E168CB04
4E168CB08
4E168CB13
4E168DA43
4E168EA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】工作機械に組み込まれたレーザヘッドによって放射されるレーザビームによって被加工物にテクスチャを彫刻するためのレーザアブレーション方法を提供する。
【解決手段】a.連続的に機械加工されるべき被加工物の幾何形状に基づいて、複数の機械加工層を生成することと、b.それぞれの機械加工層に対して複数のパッチを生成することであって、第1のパッチと、第2のパッチとは、パッチ接合部として定義される1つの共通の境界を有するように隣り合って配置されており、接合部において1つの共通の端部を有する、第1のパッチ内の少なくとも1つのレーザベクトルと、第2のパッチ内の少なくとも1つのレーザベクトルとが、交差レーザベクトルとして定義され、共通の端部の位置が、交差位置として定義される、ことと、c.少なくとも1つの交差位置を削除することによって交差レーザベクトルの数を削減することとを含む、方法。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械に組み込まれたレーザヘッドによって放射されるレーザビームによって被加工物(7)にテクスチャを彫刻するためのレーザアブレーション方法であって、
a.連続的に機械加工されるべき被加工物の幾何形状に基づいて、複数の機械加工層(9.1)を生成するステップと、
b.それぞれの機械加工層に対して複数のパッチ(20,30,40,50)を生成するステップであって、前記複数のパッチ(20,30,40,50)の各々は、前記レーザヘッドの単一の位置から機械加工されるべき1つの領域を画定し、第1のパッチ(20)と、前記第1のパッチ(20)に隣接するパッチ(40)とは、パッチ接合部(21)として定義される1つの共通の境界を有するように隣り合って配置されており、前記複数のパッチのうちの少なくとも1つは、彫刻されるべきテクスチャに基づいて非アブレーション領域(23)とアブレーション領域とを含み、前記アブレーション領域は、当該アブレーション領域の材料を除去するためのレーザビームの経路を定義する、2つの端部を有する複数のレーザベクトル(24)を含み、前記パッチ接合部において1つの共通の端部を有する、前記第1のパッチ内の少なくとも1つのレーザベクトル(22)と、前記隣接するパッチ内の少なくとも1つのレーザベクトル(42)とが、交差レーザベクトルとして定義され、前記共通の端部の位置が、交差位置として定義される、ステップと、
c.前記交差レーザベクトルの数を削減するために、少なくとも1つの交差位置を削除するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記交差位置における前記交差レーザベクトルの前記共通の端部は、前記パッチの非アブレーション領域内にある適合された端部位置に到達するために、前記交差レーザベクトルのうちの一方に沿って延長される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1のパッチ(20)内の第1のレーザベクトル(22)と、前記隣接するパッチ(40)内の別のレーザベクトル(42)とは、交差レーザベクトルであり、
前記交差位置における前記第1のレーザベクトルの端部は、前記隣接するパッチの非アブレーション領域内にある第1の適合された端部位置に到達するために、前記別のレーザベクトルに沿って延長され得るか、または
前記交差位置における前記別のレーザベクトルの端部は、前記第1のパッチの非アブレーション領域内にある第2の適合された端部位置に到達するために、前記第1のレーザベクトルに沿って延長され得る、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記第1の適合された端部位置から前記交差位置までの間の距離が、前記第2の適合された端部位置までの距離と比較され、より短い距離を有する方の適合された端部位置が選択される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第1の適合された端部位置が選択された場合には、前記別のレーザベクトルが消去され、
前記第2の適合された端部位置が選択された場合には、前記第1のレーザベクトルが消去される、
請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
前記第1の適合された端部位置を有する前記第1のレーザベクトルは、前記第1のパッチに属し、
前記第2の適合された端部位置を有する前記別のレーザベクトルは、前記隣接するパッチに属する、
請求項3から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記適合された端部位置を配置することができるパッチ接合領域を設定するために、前記パッチ接合部のそれぞれの側に対する少なくとも1つのマージンが事前定義され、
特に、前記第1のパッチに対して第1のマージンが設定され、前記隣接するパッチに対して第2のマージンが設定される、
請求項2から6までのいずれか1項記載のレーザアブレーション方法。
【請求項8】
2つの隣接する交差位置が、同じパッチ内に配置された2つの適合された端部位置へと移動される、請求項2から7までのいずれか1項記載のレーザアブレーション方法。
【請求項9】
1つの交差レーザベクトルに隣り合っている前記第1のパッチ内のレーザベクトルが、隣接するパッチに変更される、請求項1から8までのいずれか1項記載のレーザアブレーション方法。
【請求項10】
被加工物にテクスチャを彫刻するための工作機械に組み込まれたレーザヘッドによって放射されるレーザビームを制御するための制御ユニットであって、
前記制御ユニットは、請求項1から9までのいずれか1項記載のアブレーション方法に基づいて生成された制御データを受信するように構成されており、特に、前記制御データは、外部装置において生成される、
制御ユニット。
【請求項11】
請求項10記載の制御ユニットを含む工作機械に組み込まれたレーザヘッドによって放射されるレーザビームによって被加工物にテクスチャを彫刻するための、工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、工作機械に組み込まれたレーザヘッドから放射されるレーザビームによって被加工物にテクスチャを彫刻するためのレーザアブレーション方法に関する。本発明はさらに、被加工物にテクスチャを彫刻するための工作機械に関する。
【0002】
発明の背景
レーザアブレーション方法と、レーザテクスチャリングによって部品を機械加工するための工作機械とは、一般的に公知である。欧州特許出願公開第2301706号明細書は、レーザテクスチャリング機械の一例を記載している。しかしながら、従来のアブレーション方法は、機械加工された部品上に目に見えるマーキングのような欠陥を生じさせることが多く、このような欠陥は、製造された部品の品質に対して悪影響を及ぼす。
【0003】
そのような欠陥を低減させるための種々の方法が提案されてきた。欧州特許出願公開第3047932号明細書は、機械加工時間を短縮しながら、目に見えるマーキングを軽減することを可能にする方法を開示している。同方法は、このような目に見えるマーキングを回避するために、特別な手法でレーザ経路を定義することを記載している。ただし、このようにしてレーザ経路を定義することが、常に可能であるとは限らない。このことは、被加工物のテクスチャおよび形状によって異なる。例えば、提案されている方法は、大きな連続した領域をアブレーションするためには適していない。
【0004】
米国特許第6518544号明細書は、彫刻された部品の品質を改善するためのレーザアブレーション方法を開示している。同方法では、レーザビームは、機械加工されるべき表面の区域にわたってトラックに沿って導かれ、その後、隣接する区域をレーザの機械加工フィールドへと移動させるために表面が移動され、次いで、レーザビームが、この隣接する区域にわたってトラックに沿ってさらに導かれる。隣接する区域の境界には、オーバーラップ領域が形成され、このオーバーラップ領域の機械加工は、それぞれの区域においてレーザビームを導いているトラック同士がこのオーバーラップ領域において噛み合うように、一方の区域または他方の区域に割り当てられる。同方法は、彫刻の品質を改善することができるが、それでもなお、隣接する区域の境界に目に見えるマーキングを生成してしまう。
【0005】
発明の概要
本発明の目的は、公知の方法の欠点を克服するためのレーザアブレーション方法を提供することである。本発明の目的は、彫刻された部分の品質をさらに改善することである。特に、本発明の目的は、製造された部品上の目に見えるマーキングを最小化するためのレーザアブレーション方法を提供することである。
【0006】
本発明によれば、上記の目的は、独立請求項に記載の特徴によって達成される。さらに、従属請求項および明細書からさらなる有利な実施形態が得られる。
【0007】
本発明では、工作機械に組み込まれたレーザヘッドによって放射されるレーザビームによって被加工物にテクスチャを彫刻するためのレーザアブレーション方法は、連続的に機械加工されるべき被加工物の幾何形状に基づいて、複数の機械加工層を生成することと、それぞれの機械加工層に対して複数のパッチを生成することであって、複数のパッチの各々は、レーザヘッドの単一の位置から機械加工されるべき1つの領域を画定し、第1のパッチと、隣接するパッチとは、パッチ接合部として定義される1つの共通の境界を有するように隣り合って配置されており、複数のパッチのうちの少なくとも1つは、彫刻されるべきテクスチャに基づいて非アブレーション領域とアブレーション領域とを含み、アブレーション領域は、当該アブレーション領域の材料を除去するためのレーザビームの経路を定義する、2つの端部を有する複数のレーザベクトルを含み、パッチ接合部において1つの共通の端部を有する、第1のパッチ内の少なくとも1つのレーザベクトルと、隣接するパッチ内の少なくとも1つのレーザベクトルとが、交差レーザベクトルとして定義され、共通の端部の位置が、交差位置として定義される、ことと、少なくとも1つの交差位置を削除することによって交差レーザベクトルの数を削減することとを含む。
【0008】
機械加工層は、連続的に機械加工されるべき被加工物の幾何形状およびテクスチャに基づいて生成される。特に、アブレーションされるべきテクスチャを考慮して、それぞれの機械加工層に対して複数のパッチが生成される。複数のパッチの各々は、レーザヘッドの単一の位置から機械加工されるべきである。さらに、第1のパッチと、隣接するパッチとは、パッチ接合部として定義される1つの共通の境界部分を有する。複数のパッチのうちの少なくとも1つは、非アブレーション領域とアブレーション領域とを含み、アブレーション領域は、材料を除去するためのレーザビームの経路を定義する複数のレーザベクトルを含む。それぞれのレーザベクトルは、2つの端部を有する。第1のパッチ内の少なくとも1つのレーザベクトルと、隣接するパッチ内の少なくとも1つの別のレーザベクトルとは、パッチ接合部において1つの共通の端部を有し、これら2つのレーザベクトルは、交差レーザベクトルとして定義され、パッチ接合部における共通の端部の位置は、交差位置として定義される。
【0009】
機械加工層は、材料の定義された厚さを指定し、パッチは、1つのレーザヘッド位置によってアブレーションされるべき1つの層の領域を指定する。
【0010】
レーザアブレーション技術は、被加工物の表面上の材料、一般的には金属を昇華させることによるテクスチャリング作業のために使用される。機械加工は、複数のステップで実施され、それぞれのステップは、部品の1つの層の機械加工に対応する。実際には、それぞれのレーザビーム経路上では、約1~5マイクロメートルの深さでしか材料を昇華させることができない。このため、表面をテクスチャリングするための機械加工層の数は、一般的に20~100の間となる。
【0011】
3Dモデリングファイル、例えばメッシュファイルを生成するために、通常である三角形のメッシュ化によって、部品を数値的にモデリングすることができる。3次元表面にテクスチャを施すために実装される原理は、広く知られている。テクスチャパターンは、レーザアブレーションによって被加工物の表面に施される必要があり、典型的に、テクスチャファイルと呼ばれるグレースケール画像によって定義される。この画像は、昇華点の集合を表しており、この画像では、それぞれの点のグレーレベルが、その特定の点において取得されるべきアブレーション深さを定義している。すなわち、点が明るくなるほどアブレーションが少なくなり、点が暗くなるほどアブレーションが深くなる。それぞれ異なるグレーレベルの数は、場合によっては機械加工層の数と同じにすることができるが、必ずしも同じでなくてもよい。実際には、テクスチャ画像は、8ビットまたは16ビットで符号化されたグレーレベルによって定義されるが、これに対して、機械加工層の数は、既に説明したように殆どの場合20~100である。したがって、3Dモデリングファイルと、グレーレベルのテクスチャファイルとから、通常、機械加工層の集合が計算される。それぞれの機械加工層は、対応する白色および黒色の画像を有する。すなわち、点が白色の場合には、アブレーションが存在せず、点が黒色の場合には、昇華によるアブレーションが存在する。
【0012】
それぞれの機械加工層ごとに、それらの層の各領域の機械加工を可能にするようなレーザヘッドの位置の集合を計算することが必要である。通常、例えば430ミリメートルの焦点距離を有する、レーザアブレーションのために使用される光学システムは、レーザヘッドの所与の位置から、マーキングフィールドと呼ばれる例えば300×300ミリメートルの寸法を有する平坦な表面を機械加工することを可能にする。マーキングフィールドの寸法は、工作機械の光学システムに起因して制限されている。このことは、レーザヘッドの所与の位置において機械加工される領域が制限されていることを意味し、したがって、それぞれの機械加工層を複数のパッチに分割する必要があり、これら複数のパッチの各々を、レーザヘッドの所与の位置から機械加工することができる。別のパッチを機械加工するためには、機械加工ヘッドを再配置する必要がある。それぞれのパッチは、多数の3Dモデリングメッシュ三角形を含むことができる。レーザヘッドの所与の位置から、特に1つの単一の位置から機械加工することができる3Dモデリングメッシュ三角形の集合は、パッチと呼ばれる。通常、それぞれのパッチは、このパッチの領域を画定するための境界線を有する。それぞれのパッチは、メッシュ三角形の集合を含むので、パッチの境界線は、三角形のエッジに沿って延在している。
【0013】
したがって、被加工物の表面の完全なテクスチャリング機械加工は、該当する層のそれぞれの位置ごとにパッチを機械加工するために機械加工ヘッドが到達しなければならない位置の集合を、それぞれの層ごとに使用して複数の機械加工層をアブレーションすることにある。当然、レーザヘッドの位置と、機械加工されるパッチとを計算するためには、膨大なコンピュータリソースが要求され、すなわち、複雑さ、および部品の寸法、使用されるアルゴリズムの種類、機械加工層の数などに応じて、数時間または数日さえも要求される。したがって、この計算は、一般的に、特定のワークステーション上またはコンピュータ上で実行され、その後、計算の結果だけが、レーザアブレーションのために使用される工作機械へと送信される。計算の結果は、実質的に、機械加工の工具経路から構成されており、この機械加工の工具経路は、部品に対してレーザ機械加工ヘッドが占めなければならない一連の位置と、それぞれの位置について、その位置からレーザビームが実行しなければならない走査に対応する一連のアブレーション操作とを含む。この結果は、テクスチャリングの機械加工時間および仕上がり品質の両方に対して直接的に影響を及ぼす。
【0014】
しかしながら、従来のアブレーション方法は、隣接するパッチの境界に目に見える境界線の形態で欠陥を生成することが多い。
【0015】
被加工物の表面を処理するために、レーザビームは、常に、事前定義された平行なレーザベクトルに沿って移動する。表面上にテクスチャまたはレリーフを製造するために、材料の昇華が要求されていないときには常に、レーザパルスがスイッチオフされる。これは、被加工物上の事前定義されたパッチをレーザテクスチャリングするための既知の一般的に使用される方法であり、いわゆるベクトルのような作業プロセスである。したがって、パッチの内部のアブレーションされるべき領域は、複数のレーザベクトルによって定義され、それぞれのレーザベクトルは、レーザベクトルの開始位置およびレーザベクトルの端部位置を定義するための2つの端部を有する。
【0016】
可能である場合には、パッチは、このパッチの境界線が、アブレーションされてはならない領域を通過するように定義される。ただし、このようにしてパッチを画定することが、常に可能であるとは限らない。したがって、殆どのパッチでは、境界線の少なくとも一部が、アブレーションされる必要があるパッチの領域を通過することとなり、このことはつまり、1つまたは複数のレーザベクトルがパッチの境界線において開始または終了することを意味する。2つの隣接するパッチは、これら2つのパッチの境界線の共通部分であるパッチ接合部を有する。これら2つの隣接するパッチ内の2つのレーザベクトルが、交差位置として定義されるパッチ接合部において1つの共通の端部を有する場合には、交差位置において目に見えるマーキングが可視となってしまう。したがって、機械加工される部品の品質を向上させるために目に見えるマーキングを低減させるために、少なくとも1つの交差位置を削除することによって交差レーザベクトルの数が削減される。特に、殆どの交差位置を除去することができる場合には、表面品質の顕著な改善を達成することができる。交差レーザベクトルの端部の位置を再定義することにより、交差位置を削除することができる。
【0017】
1つの好ましい変形例では、交差位置における交差レーザベクトルの共通の端部は、パッチの非アブレーション領域内にある適合された端部位置に到達するために、交差レーザベクトルのうちの一方に沿って延長される。適合された端部位置は、非アブレーション領域内にあるので、目に見えるマーキングを顕著に低減させることができる。
【0018】
1つの変形例では、第1のパッチ内の第1のレーザベクトルと、隣接するパッチ内の別のレーザベクトルとは、交差位置において1つの共通の端部を有する交差レーザベクトルである。交差位置を削除するために、交差位置における第1のレーザベクトルの端部は、第2のパッチの非アブレーション領域内にある第1の適合された端部位置に到達するために、別のレーザベクトルに沿って延長される。第1の適合された端部位置が選択された場合には、別のレーザベクトルが消去される。なぜなら、第1の適合された端部位置を有する第1のレーザベクトルが、別のレーザベクトルの長さをカバーするからである。たとえ第1のレーザベクトルの一方の端部、すなわち第1の適合された端部位置が、隣接するパッチ内に配置されていたとしても、第1のレーザベクトルは、第1のパッチに所属する。このことはつまり、隣接するパッチ内にある部分を含む第1のレーザベクトル全体が、第1のパッチの全てのレーザベクトルに対して適用される同じレーザヘッド位置によって機械加工されるということを意味する。
【0019】
別の変形例では、交差位置における別のレーザベクトルの端部は、第1のパッチの非アブレーション領域内にある第2の適合された端部位置に到達するために、第1のレーザベクトルに沿って延長される。この場合、第1のレーザベクトルの長さが別のレーザベクトルによって置き換えられるので、第1のレーザベクトルが消去される。たとえ別のレーザベクトルの一方の端部、すなわち第2の適合された端部位置が第1のパッチ内に配置されていたとしても、別のレーザベクトルは、隣接するパッチに所属する。このことはつまり、第1のパッチ内にある部分を含む別のレーザベクトル全体が、第2のパッチの全てのレーザベクトルに対して適用される同じレーザヘッド位置によって機械加工されるということを意味する。
【0020】
レーザベクトルの端部位置が交差位置から第1の適合された端部位置または第2の適合された端部位置へと適合された後には、交差位置でのアブレーションは、2回ではなく1回しか実施されなくなるので、この位置での目に見えるマーキングが削減される。さらに、第1の適合された端部位置または第2の適合された端部位置は、非アブレーション領域内にあるので、表面品質をさらに改善することができる。
【0021】
テクスチャに応じて、前述した両方の変形例が可能である。機械加工能力を改善するために、交差位置から第1の適合された端部位置までの距離と、交差位置から第2の適合された端部位置までの距離とが比較され、より短い距離を有する方の適合された端部位置が選択される。交差位置から第1の適合された端部位置までの距離が、交差位置から第2の適合された端部位置までの距離よりも短い場合には、別のレーザベクトルを第1のパッチへと延長させることによって交差位置が第1の適合された位置へと移動される。交差位置から第2の適合された端部位置までの距離が、交差位置から第1の適合された端部位置までの距離よりも短い場合には、第1のレーザベクトルを隣接するパッチへと延長させることによって交差位置が第2の適合された位置へと移動される。
【0022】
アブレーション品質を損なうことなく、レーザヘッドの単一の位置からそれぞれのパッチ内のアブレーション領域を機械加工することができることを保証するための好ましい変形例では、適合された端部位置を配置することができるパッチ接合領域を画定するために、パッチ接合部のそれぞれの側に対する少なくとも1つのマージンが事前定義される。上で概説したように、マーキングフィールドは制限されており、したがって、単一の位置においてレーザヘッドによって機械加工することができる最大領域は、制限されている。したがって、レーザヘッドの位置を変更することなく依然としてレーザヘッドによって機械加工することができることを保証するために、交差レーザベクトルの、隣接するパッチへの延長を、定義された範囲内に制限する必要がある。例えば、第1のレーザベクトルが、隣接するパッチ内の第2の適合された端部位置へと延長される場合には、第2の適合された端部位置は、画定されたパッチ接合領域の内部になければならない。第2の適合された端部位置がこの領域外にある場合には、隣接するパッチ内の延長された第1のレーザベクトルの一部は、第1のパッチをアブレーションするための位置に留まっている機械加工ヘッドによってアブレーションされることができない。したがって、第1の適合された位置および第2の適合された端部位置は、パッチ接合領域内に配置される。1つの変形例では、第1のパッチに対して第1のマージンが設定され、隣接するパッチに対して第2のマージンが設定される。それぞれのパッチ内に複数のマージンを設定することも可能である。
【0023】
欧州特許出願公開第3421168号明細書に開示されているように、機械加工される部品の品質をさらに改善するために検証を適用してもよい。
【0024】
好ましい変形例では、第1のマージンと第2のマージンとが等しい。
【0025】
1つのパッチ内の2つの隣り合うレーザベクトルが、隣接するパッチ内の2つの隣り合うレーザベクトルと交差する場合には、2つの隣り合う交差位置が存在することとなり、両方の適合された端部位置が同じパッチ内に位置するように、これらのレーザベクトルを同じ方向に延長させることが好ましい。したがって、1つの変形例では、2つの隣接する交差位置が、同じパッチ内に配置された2つの適合された端部位置へと移動される。例えば、第3のレーザベクトルおよび第4のレーザベクトルは、それぞれ第1のパッチおよび隣接するパッチに所属する。第3のレーザベクトルは、第1のパッチ内の第1のレーザベクトルに隣り合っており、第4のレーザベクトルは、隣接するパッチの別のレーザベクトルに隣り合っている。第1のレーザベクトルと別のレーザベクトルとは、第1のパッチと隣接するパッチとの間のパッチ接合部における第1の交差位置において交差し、これに対して、第3のレーザベクトルと第4のレーザベクトルとは、同じパッチ接合部における第2の交差位置において交差する。明らかに、第1の交差位置と第2の交差位置とは隣り合っている。第1の交差位置と第2の交差位置とがそれぞれ異なるパッチへと移動された場合には、熱的効果とレーザビーム焦点のオーバーラップとによって引き起こされる目に見えるマーキングが可視となってしまう。このマーキングを回避するために、第1の交差位置および第2の交差位置は、好ましくは同じパッチへと、すなわち、第1のパッチまたは隣接するパッチのいずれかへと移動される。
【0026】
1つの交差レーザベクトルに隣り合っている第1のパッチ内のレーザベクトルを、隣接するパッチに変更することも可能である。
【0027】
本発明では、被加工物にテクスチャを彫刻するための工作機械に組み込まれたレーザヘッドによって放射されるレーザビームを制御するための制御ユニットは、アブレーション方法に基づいて生成された制御データを受信するように構成されており、特に、制御データは、外部装置において生成される。
【0028】
本発明では、工作機械に組み込まれたレーザヘッドによって放射されるレーザビームによって被加工物にテクスチャを彫刻するための工作機械は、制御ユニットを含む。
【0029】
図面の簡単な説明
上に簡単に説明された原理のより具体的な説明は、図面に図示されているこの原理の特定の実施形態を参照することによって以下に提示される。これらの図面は、本開示の例示的な実施形態を示しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではない。本開示の原理は、以下の添付の図面の使用を通じて詳細に記載および説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】レーザアブレーションのための工作機械を示す図である。
【
図2】レーザアブレーションのための工作機械を示す図である。
【
図3】3Dモデリングファイルの一例を示す図である。
【
図6】1つのパッチの内部のレーザベクトルを示す図である。
【0031】
例示的な実施形態
図1は、レーザテクスチャリングのための工作機械の構造の一例を概略的に示す。機械のレーザヘッド1および部品は、5つの機械軸線に従って相互に関連して配置されており、これにより、放射されるレーザビームの方向を方向決めして、レーザの焦点を、機械内に配置されている図示されていない機械加工部品の表面上に位置決めすることが可能となっている。レーザヘッド1は、デカルト参照系の3つの次元X、Y、およびZにおいて変位可能である。有利には、レーザヘッドは、より高い精度およびより大きな柔軟性を得るために、図示されていない回転軸線を中心にして回転するように移動可能でもある。本開示の残りの部分では、列挙される全ての例に関して、レーザヘッドは、5つの軸線、すなわち3つの並進軸線および2つの回転軸線に従って移動可能であるレーザヘッドであると考えられる。レーザヘッドは、レーザビームを放射するためのレーザ光源、光学装置、およびガルバノメータを含む。
【0032】
図2は、ガルバノメータの動作を概略的に示す。レーザヘッド1は、レーザビーム2、より具体的にはパルスレーザビームを放射する。レーザビーム2は、ミラー4および5によって反射され、これらのミラー4および5は、それぞれデカルト参照系の軸線XおよびYに従って、部品7の表面上におけるレーザビームの投影点の位置を定義することを可能にする。アクチュエータ8は、ミラー4および5の角度位置を制御することを可能にする。レーザビームは、一般的にFシータレンズと呼ばれる動的な合焦補正機能を有するレンズ6も通過する。したがって、この装置は、考慮される焦点範囲内に位置する平面内におけるレーザビームと部品7の表面との衝突点を定義することを可能にする。
【0033】
通常、例えば430ミリメートルの焦点距離を有する使用されるシステムは、レーザヘッド1の所与の位置からガルバノメータを使用して、マーキングフィールドと呼ばれる300×300ミリメートルの寸法を有する平坦な表面を機械加工することを可能にする。他方で、機械加工されるべき部品7の表面が平坦でない場合には、レンズの合焦性能が、X方向およびY方向におけるマーキングフィールドを制限する。部品の曲率が大きい場合には、それぞれのマーキングフィールドのZの変動に対して、マーキングフィールドのXおよびYの寸法を縮小することが必要である。当然、この結果として、テクスチャリングジョブを実行するためにレーザヘッドが占める複数の異なる位置の数が増加し、すなわち、生成されるパッチの数を増加させなければならなくなる。このような理由で、軸線Zに沿って焦点を変化させることを可能にし、かつ±80ミリメートルのマーキング深さを有するマーキングフィールドを機械加工することを可能にするような、軸線Z上でのズーミングのための光学装置が開発された。焦点変化装置の使用は、レーザヘッド1および部品の相対的な再配置を排除するものではないが、再配置の回数を実質的に制限する。
【0034】
図3は、通常は三角形である形状11.1,11.2とパッチ10,10a,10bとをメッシュ化することにより、部品の3次元形状を数値的にモデリングする一例を示す。黒色の太線は、それぞれ異なるパッチの境界線を表している。それぞれのパッチは、黒色の細線によって表された複数のメッシュ三角形から構成されている。パッチの境界線は、メッシュ三角形のエッジに沿って延在している。11.2の参照符号が付されたメッシュ三角形のようないくつかのメッシュ三角形は、パッチ接合部に配置されているが、11.1の参照符号が付されたメッシュ三角形のようないくつかのメッシュ三角形は、パッチ接合部には配置されていない。10bの参照符号が付されたパッチのように、パッチが、パッチ接合部に配置されているメッシュ三角形のみを含むことも可能である。
【0035】
図4は、レーザアブレーションによって部品の表面に施されるべき、典型的にはグレースケール画像によって定義されるテクスチャの一例を示す。この画像は、昇華点の集合を表しており、この画像では、それぞれの点のグレーレベルが、その特定の点において取得されるべきアブレーション深さを定義している。すなわち、点が明るくなるほどアブレーションが少なくなり、点が暗くなるほどアブレーションが深くなる。
【0036】
図5に概略的に示されているように、2つの連続する層9.1および9.2に関して重ね合わされていないパッチ10を定義することが通例である。
【0037】
被加工物の表面を処理するために、レーザビームは、常に、
図6の図示されたパッチ10上の事前定義された平行なレーザベクトルに沿って移動し、パッチ10の境界において次の位置へとジャンプする。
図6は、パッチの全領域をアブレーションしなければならない一例を示す。
【0038】
図面に示されている長方形の形状を有するパッチは、簡略化された図示である。パッチは、種々異なる形状を有することができる。パッチの形状およびパッチの数は、図面に示されている特定の形状および数に限定されていない。
図7は、4つのパッチ、すなわち第1のパッチ20、第2のパッチ30、第3のパッチ40および第4のパッチ50を示す。第1のパッチと第3のパッチとの間の境界は、第1のパッチ接合部21を形成し、第1のパッチと第2のパッチとの間の境界は、第2のパッチ接合部31を形成し、第3のパッチと第4のパッチとの間の境界は、第3のパッチ接合部41を形成し、第2のパッチと第4のパッチとの間の境界は、第4のパッチ接合部51を形成する。それぞれ異なる太さを有する垂直線は、第1のパッチのレーザベクトル22、第2のパッチのレーザベクトル32、第3のパッチのレーザベクトル42、および第4のパッチのレーザベクトル52を象徴している。レーザベクトルによってカバーされている全ての領域は、アブレーション領域であり、すなわち、これらの領域の材料をアブレーションする必要がある。白色の領域は、それぞれ異なるパッチにおける非アブレーション領域23,33,43,および53であり、すなわち、これらの領域では材料をアブレーションしてはならない。
図7~
図12では、レーザベクトルが垂直方向に図示されており、パッチ接合部は、レーザベクトルに対して垂直または平行な直線の境界として図示されている。これらの図示は、簡略化された表現に過ぎない。本発明では、パッチ接合部は、図面における表現に限定されていない。
【0039】
パッチ接合部において、目に見えるマーキングが生成される可能性がある。パッチ接合部がレーザベクトルに対して平行である場合には、マーキングは微弱である。しかしながら、2つの隣り合うパッチ内の2つのレーザベクトルが、これら2つのパッチのパッチ接合部において同じ開始位置または端部位置を有する場合には、例えば、第1のパッチ20のレーザベクトル22が、第1のパッチ接合部21上の点Aにおいて第3のパッチ40のレーザベクトル42と交差する。このようなレーザベクトルは、交差レーザベクトルとして定義され、例えば点Aのようなパッチ接合部における共通の位置は、交差位置として定義される。
【0040】
接合部における目に見えるマーキングを低減させるために、
図8に示されているようないわゆるランダムパッチ方法が適用される。交差レーザベクトルの交差位置が、パッチ接合部ではない新しい位置へとランダムに移動されるのである。例えば、点Aにある交差位置が、パッチ接合部21上ではなく第1のパッチ20内の点A1へと移動される。ただし、レーザベクトル42は、依然として第3のパッチに所属しており、このことはつまり、太線によって象徴されているレーザベクトル42は、たとえその一部が第1のパッチ内に配置されたとしても、第3のパッチのためのレーザヘッド位置によって機械加工されるということを意味する。交差位置が移動された後のアブレーションを保証するために、再配置の範囲を制限するための少なくとも1つのマージンが定義されている。この例では、2つのマージンが、パッチ接合部に対して平行な2つの直線15および16として示されており、1つのパッチ接合領域14を画定している。ただし、この図示は、簡略化されたものであり、マージンは、直線であること、およびパッチ接合部に対して平行であることに限定されていない。
【0041】
図9には、本発明の一実施形態が示されている。交差レーザベクトルの交差位置が、パッチ接合部から遠ざかる方向に移動され、交差位置を、可能であればパッチ接合部から非アブレーション領域の境界へと移動させるために、白色の領域によって象徴されている非アブレーション領域が検索される。例えば、レーザベクトル24および44は、交差レーザベクトルである。
図8に示されている標準的なランダム方法では、それらの交差位置は、第3のパッチ内の点Bへと移動される。本発明では、レーザベクトル24および44に沿って非アブレーション領域23が発見され、したがって、交差点B1は、この非アブレーション領域の境界へと移動される。その結果、第3のパッチのレーザベクトル44がこの新しい交差位置B1まで延長され、第1のパッチのレーザベクトル24が除去される。
【0042】
図10および
図11は、本発明の別の実施形態を示す。第1のパッチの第1のレーザベクトル26、第2のレーザベクトル27、および第3のレーザベクトル28は、隣り合うレーザベクトルであって、かつ第1の接合部21において終端しており、第3のパッチ40内の第4のレーザベクトル46、第5のレーザベクトル47、および第6のレーザベクトル48も、隣り合うレーザベクトルであり、第1のパッチと第3のパッチとが隣接するパッチであるので、同じそのパッチ接合部21における交点C,D,およびEにおいて終端する。
図10に示されている状況では、交差位置の位置を変更するためにいくつかのオプションを利用することができる。1つの変形例は、最短距離に基づくものであり、すなわち、レーザベクトルを最短距離へと移動させることである。例えば、第1のレーザベクトル26を第3のパッチへと点C1aまで延長させる代わりに、第3のパッチの第4のレーザベクトル46を第1のパッチへと点C1まで延長させることである。第5のレーザベクトル47を第1のパッチへと点D1aまで延長させる代わりに、第2のレーザベクトル27が第3のパッチへと点D1まで延長される。第3のレーザベクトル28を第3のパッチへと点E1aまで延長させる代わりに、第3のパッチの第6のレーザベクトル48が第1のパッチへと点E1まで延長される。しかしながら、このことは、いわゆるインターレース効果を引き起こし、このことはつまり、熱的効果とレーザビーム焦点のオーバーラップとによってマーキングが引き起こされることを意味する。第4のレーザベクトル46および第5のレーザベクトルは、依然として第3のパッチに所属しており、第2のレーザベクトル27は、第1のパッチに所属しているので、第1のパッチのアブレーションは、第3のパッチのアブレーションの前に実施され、したがって、3つの隣接するレーザベクトル46,47,および48の順序は、この順序ではアブレーションされない。このことは、製造される部品上におけるさらなるマーキングを引き起こす。
【0043】
製造される部品の品質をさらに改善するために、いわゆる優先方向が決定および適用される。
図12に示されているように、第3のパッチ内の第4、第5、および第6のレーザベクトルが、第1のパッチへと延長される。このことはつまり、レーザベクトルを延長させる方向が同一であることを意味する。新しい交差位置は、第1のパッチ内のこれら3つのレーザベクトルの点C2,D2,およびE2にある。このようにして、複数の異なるパッチのレーザベクトル間でのインターレースを回避することができる。
【0044】
図13は、レーザベクトルがレーザベクトルに対して垂直ではない一例を示す。
【0045】
図14aは、インターレース効果を低減させるためのさらなる最適化を示す。レーザベクトル116は、交差レーザベクトルではなく、第1のパッチに所属しているが、このレーザベクトルは、
図14bに示されているように第3のパッチに変更される。レーザベクトル117は、交差レーザベクトルであり、このレーザベクトル117も第3のパッチに変更することにより、インターレース効果を低減させるために最適化される。
【符号の説明】
【0046】
1 レーザヘッド
2 レーザビーム
4,5 ミラー
6 レンズ
7 部品
8 アクチュエータ
9.1,9.2 機械加工層
10,10a,10b パッチ
11.1,11.2 メッシュ三角形
20 第1のパッチ
21 第1のパッチ接合部
22 第1のパッチのレーザベクトル
30 第2のパッチ
31 第2のパッチ接合部
32 第2のパッチのレーザベクトル
40 第3のパッチ
41 第3のパッチ接合部
42 第3のパッチのレーザベクトル
50 第4のパッチ
51 第4のパッチ接合部
52 第4のパッチのレーザベクトル
【外国語明細書】