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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080912
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】駐車場システムおよび駐車場
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/00 20060101AFI20220524BHJP
   E04H 6/42 20060101ALI20220524BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220524BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20220524BHJP
【FI】
E04H6/00 C
E04H6/42 Z
G06Q50/10
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192132
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】松井 達矢
(72)【発明者】
【氏名】大枝 宏志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】駐車中の充電が可能な駐車場における充電予定に関する情報を知ることができる技術を提供する。
【解決手段】駐車場システム1は、駐車中に車両を充電可能な駐車場の利用状況に基づく、入庫前の車両が当該駐車場に入庫した場合の当該車両の充電予定に関する情報を提供する提供部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車中に車両を充電可能な駐車場の利用状況に基づく、入庫前の車両が当該駐車場に入庫した場合の当該車両の充電予定に関する情報を提供する提供部を備える駐車場システム。
【請求項2】
前記提供部は、移動端末に、前記駐車場についての前記情報を送信する請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項3】
前記駐車場は、移動端末の周辺の駐車場である請求項2に記載の駐車場システム。
【請求項4】
前記情報は、前記入庫前の車両の前記駐車場までの到着所要時間を考慮した情報である請求項2または3に記載の駐車場システム。
【請求項5】
前記提供部は、前記駐車場に設置される表示部に前記情報を表示する請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項6】
駐車中に車両を充電可能な駐車場の利用状況に基づく、当該駐車場に入庫している車両の充電予定に関する情報を提供する提供部を備える駐車場システム。
【請求項7】
前記提供部は、駐車場に設置される表示部に前記情報を表示する請求項6に記載の駐車場システム。
【請求項8】
前記提供部は、移動端末に前記情報を表示する請求項6に記載の駐車場システム。
【請求項9】
車両の充電が開始または終了されると、当該充電が開始または終了した車両のユーザの移動端末にその旨を通知する通知部を備える請求項1から8のいずれかに記載の駐車場システム。
【請求項10】
駐車中に車両を充電可能な駐車場であって、
利用状況に基づく、本駐車場に入庫した場合の充電予定に関する情報を提供する提供部を備える駐車場。
【請求項11】
駐車中に車両を充電可能な周辺の駐車場についての情報であって、当該周辺の駐車場のそれぞれの利用状況に基づく、それぞれの駐車場に入庫した場合の充電予定に関する情報を所定の表示部に表示する機能を移動端末に発揮させるコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記情報は、前記駐車場までの到着所要時間を考慮した情報である請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場システムおよび駐車場に関する。
【背景技術】
【0002】
低騒音でクリーンな電気自動車やプラグインハイブリッド車(以下EVと総称する)が普及し始めている。EVはそれに搭載されているリチウムイオン電池などの二次電池からの電力を動力源としている。この二次電池を充電するためには、現状数十分から数時間が必要である。そこで、駐車している時間を利用してEVの二次電池を充電する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-241344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、駐車中にEVを充電可能な駐車場について検討したところ、以下の課題を認識するに至った。
【0005】
通常、コスト等の理由から、駐車場に設けられる充電器の数には限りがあり、したがって入庫してもすぐには充電されない場合がある。そのため、充電されることを期待して入庫したにもかかわらず、入庫した車両がいつ充電されるのか分からないために、充電されていないことに気づかずに出庫してしまう場合がある。また、仮に今すぐに入庫したらいつ充電されるかも分からないため、充電されることを期待するユーザは、どの駐車場に入庫すべきか判断がつきにくい。
【0006】
本発明はかかる状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、駐車中にEVを充電可能な駐車場における充電予定に関する情報を知ることができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の駐車場システムは、駐車中に車両を充電可能な駐車場の利用状況に基づく、入庫前の車両が当該駐車場に入庫した場合の当該車両の充電予定に関する情報を提供する提供部を備える。
【0008】
本発明の別の態様もまた、駐車場システムである。この駐車場システムは、駐車中に車両を充電可能な駐車場の利用状況に基づく、当該駐車場に入庫した車両の充電予定に関する情報を提供する提供部を備える。
【0009】
本発明のさらに別の態様は、駐車場である。この駐車場は、駐車中に車両を充電可能な駐車場であって、利用状況に基づく、本駐車場に入庫した場合の充電予定に関する情報を
提供する提供部を備える。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のある態様によれば、駐車中にEVを充電可能な駐車場における充電予定に関する情報を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態に係る駐車場システムの構成図である。
図2図1の制御装置の機能および構成を示すブロック図である。
図3図2の充電管理情報保持部のデータ構造の一例を示す図である。
図4図2の充電管理情報保持部のデータ構造の別の例を示す図である。
図5図2の利用状況保持部のデータ構造の一例を示す図である。
図6図1のサーバの機能および構成を示すブロック図である。
図7図6の駐車場情報保持部のデータ構造の一例を示す図である。
図8図1の移動端末の機能および構成を示すブロック図である。
図9】周辺駐車場情報画面の一例を示す図である。
図10】周辺駐車場情報画面の別の例を示す図である。
図11】駐車場の動作を説明するフローチャートである。
図12】サーバの動作について説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して示す。
【0014】
図1は、実施の形態に係る駐車場システム1の構成を示す模式図である。駐車場システム1は、複数の駐車場100と、サーバ200と、複数の移動端末300と、を備える。図1の各装置は、ネットワーク2を介して接続される。駐車場100および移動端末300の数は図1に示される例に限られない。
【0015】
駐車場100は、複数の駐車スペースを有する。1駐車スペースは、1台の車両が駐車される1駐車領域である。すなわち、駐車場100は、複数台の車両が駐車可能な駐車場である。駐車場100は、マンションなどの共同住宅の駐車場であってもよいし、デパートなどの商業施設の駐車場であってもよいし、市役所などの公共施設の駐車場であってもよい。駐車場100は、駐車中にEVを充電可能な駐車場である。駐車場100は、機械式駐車場であっても、自走式駐車場であってもよい。
【0016】
例えば駐車場100は、充電器を備えるパレット式の機械式駐車場であってもよい。この場合、乗降室において充電に対応したパレット(以下、「充電パレット」ともよぶ)にEVを積載し、この充電パレットを充電器が設置された駐車スペース(以下、「充電駐車スペース」ともよぶ)に移動させて充電する。
【0017】
また例えば駐車場100は、充電器を備える自走式駐車場であってもよい。この場合、駐車スペースに設置された充電器により、または駐車スペース間を移動可能な充電器により充電する。
【0018】
いずにせよ、駐車場100はコスト等の理由から駐車スペースの数よりも充電器の数が少ないため、駐車場100の利用状況によっては、具体的には駐車中の充電を希望するEVの数によっては、入庫してもすぐには充電できない場合がある。
【0019】
サーバ200は、例えばデータセンタに設置される。サーバ200は、各駐車場100の制御装置102から送信される駐車場情報を処理する情報処理装置として機能する。
【0020】
移動端末300は、ユーザに利用される端末である。移動端末300は、例えばスマートフォンやタブレットなどのユーザの携帯端末であってもよいし、車両に搭載されたナビゲーション端末であってもよい。
【0021】
図2は、駐車場100の制御装置102の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。図6、8の各ブロックについても同様である。
【0022】
制御装置102は、所定の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する通信部110と、各種データ処理を実行する制御部120と、制御部120により参照され、および/または、更新されるデータを記憶する保持部130と、表示部による情報の表示を制御する表示制御部160と、を備える。制御部120は、通信部110を介してサーバ200および移動端末300とデータを送受信する。
【0023】
保持部130は、メモリやストレージにより実現される。保持部130は、駐車状況保持部132と、充電管理情報保持部134と、利用状況保持部136と、を含む。駐車状況保持部132は、駐車場100の各駐車スペースの駐車状況を保持する。駐車状況保持部132は特に、駐車スペースを一意に特定する駐車スペースIDと、その駐車スペースに車両が駐車されているか否かを示す情報と、その駐車スペースに車両が駐車されている場合はその車両を特定する車両IDと、を対応付けて保持する。
【0024】
充電管理情報保持部134は、駐車場100におけるEVの充電に関する情報を保持する。図3は、駐車場100がパレット式の機械式駐車場である場合の充電管理情報保持部134のデータ構造の一例を示す図である。ここでは、駐車場100は7つの充電パレットを備えているものとする。また、駐車場100は、2つの充電駐車スペースを備えており、したがって2台のEVの充電を同時実行可能であるものとする。また、駐車場100には、充電上限時間(ここでは30分)が設けられており、充電上限時間が経過するまでに満充電にならなければ、その時点で1回分の充電が終了されるものとする。なお、充電上限時間が経過するまでに満充電にならなかった車両は、例えば充電待ちの最後尾に並んでもよい。
【0025】
充電管理情報保持部134はすべての充電パレットに関する情報を保持する。具体的には充電管理情報保持部134は、充電パレットを一意に特定する充電パレットIDと、その充電パレットに駐車されている車両を特定する車両IDと、その車両の充電状態と、その車両の充電開始/終了予定時刻と、その車両のユーザの移動端末300に通知するための通知先情報と、を対応づけて保持する。
【0026】
充電状態には、「充電済み」、「充電中」、「充電待ち(i)」または「充電不要」が登録される。「充電済み」は、満充電により充電が完了したことを示す。「充電待ち(i)」は、充電待ちの順番がi番目であることを示す。「充電不要」は、例えば車両がEVでない場合など、そもそも充電が不要であることを示す。
【0027】
充電開始予定時刻には、充電中の充電パレットについては実際に充電が開始された時刻が登録され、充電待ちのパレットについては充電が開始される予定時刻が登録される。充電終了予定時刻は、この例では、充電開始予定時刻から充電上限時間(30分)が経過した時刻である。充電終了予定時刻よりも前に満充電になれば、充電終了予定時刻を待たずに充電が終了される。
【0028】
通知先情報には、例えば、移動端末300の電話番号やメールアドレスが登録される。
【0029】
図4は、駐車場100が自走式駐車場である場合の充電管理情報保持部134のデータ構造の一例を示す図である。ここでは、駐車場100は、駐車スペース間を移動可能な3つの充電器を備えており、したがって3台のEVの充電を同時実行可能であるものとする。また、図3の場合と同様の充電上限時間が設けられている。
【0030】
充電管理情報保持部134は、駐車中の充電を希望するすべての車両に関する情報を保持する。具体的には充電管理情報保持部134は、駐車中の充電を希望する車両を特定する車両IDと、その車両の充電状態と、その車両の充電開始/終了予定時刻と、その車両のユーザの移動端末300に通知するための通知先情報と、を対応づけて保持する。
【0031】
利用状況保持部136は、駐車場100の利用状況を保持する。図5は、利用状況保持部136のデータ構造の一例を示す図である。利用状況情報は、駐車場100の混雑状況、駐車場100の駐車スペースに空きがあるか否かを示す空き状況と、仮に今すぐに駐車場100に入庫した場合に充電が開始/終了される予定時刻(以下、仮充電開始/終了予定時刻)と、を対応づけて保持する。
【0032】
混雑状況には、「非常に混雑」、「混雑」、「やや混雑」または「混雑なし」が登録される。これらは、以下のように定義される。なお、平均駐車時間は、過去の利用実績から計算してもよい。平均駐車時間は、駐車場100ごとに異なっていてもよい。また、充電開始/終了予定までの時間は、仮充電開始/終了予定時刻までの時間である。
【0033】
「非常に混雑」は、平均駐車時間内に充電を開始できないと想定される状況である。具体的には、「(平均駐車時間)<(充電開始予定までの時間)」の関係が成立する状況である。
【0034】
「混雑」は、平均駐車時間内に1回の充電を開始できるが、平均駐車時間内にその充電が終了しない、すなわち充電が終了するのが平均駐車時間を過ぎると想定される状況である。具体的には、「(充電開始予定までの時間)≦(平均駐車時間)<(充電終了予定までの時間)」の関係が成立する状況である。
【0035】
「やや混雑」は、平均駐車時間内に1回の充電は終了するが、平均駐車時間の半分を経過してから1回の充電が終了すると想定される状況である。具体的には、「(充電開始予定までの時間)≦(平均駐車時間÷2)<(充電終了予定までの時間)≦(平均駐車時間)」または「(平均駐車時間÷2)<(充電開始予定までの時間)<(充電終了予定までの時間)≦(平均駐車時間)」の関係が成立する状況である。
【0036】
「混雑なし」は、充電器に空きがあり直ちに充電を開始できる状況、または、平均駐車時間の半分を経過するまでに1回の充電が終了すると想定される状況である。後者は、具体的には、「(充電開始予定までの時間)<(充電終了予定までの時間)≦(平均駐車時間÷2)」の関係が成立する状況である。
【0037】
混雑状況は、平均駐車時間の代わりに、ユーザが入力する予定駐車時間に基づいて決定されてもよい。この場合、上述の説明において、平均駐車時間を予定駐車時間に読み替えればよい。
【0038】
空き状況には、「満車」、「空車(余裕あり)」または「空車(残りわずか)」が登録される。空き状況は、駐車状況保持部132に基づいて登録されればよい。「満車」は駐車スペースの空きがないことを示し、「空車(余裕あり)」は比較的多くの駐車スペースの空きがあることを示し、「空車(残りわずか)」は駐車スペースの空きがわずかあることを示す。例えば、駐車スペースの空きが、すべての駐車スペースのうちの所定割合(例えば1割)以上の場合は「空車(余裕あり)」、それ未満の場合は「空車(残りわずか)」としてもよい。
【0039】
制御部120は、特定部122と、提供部124と、送信部126と、通知部128と、を含む。制御装置102の保持部130には、これらの機能ブロックの機能を実装したコンピュータプログラムがインストールされてもよい。制御装置102のCPUが、このコンピュータプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、制御部120の各機能ブロックの機能が発揮されてもよい。
【0040】
特定部122は、充電管理情報保持部134を参照して、充電状態が「充電待ち(i)」のEVの充電開始/終了予定時刻を特定する。特定部122は、充電が終了するたびに、すなわち充電待ちの順番が変わるたびに、充電待ちのEVの充電開始/終了予定時刻を特定する。具体的には例えば、特定部122は、充電待ちの順番、充電中のEVの充電終了予定時刻、駐車場100の充電上限時間および充電の同時実行可能台数を考慮して、充電状態が「充電待ち(i)」のEVの充電開始/終了予定時刻を特定する。特定部122は、特定した充電開始/終了予定時刻を充電管理情報保持部134に登録する。すなわち充電管理情報保持部134を更新する。
【0041】
また特定部122は、充電管理情報保持部134を参照して、仮充電開始/終了予定時刻を特定する。特定部122は、充電が終了するたびに、仮充電開始/終了予定時刻を特定する。具体的には例えば、特定部122は、充電待ちのEVの台数、充電中のEVの充電終了予定時刻、駐車場100の充電上限時間および充電の同時実行可能台数を考慮して、仮充電開始/終了予定時刻を特定する。例えば特定部122は、簡易的には、充電待ちのEVのうちの順番が最後のEVの充電終了予定時刻またはそこから所定の余裕時間(例えば5分)が経過した時刻を仮充電開始予定時刻と特定してもよい。特定部122は、特定した仮充電開始/終了予定時刻を利用状況保持部136に登録する。すなわち利用状況保持部136を更新する。
【0042】
なお、駐車場100がパレット式の機械式駐車場である場合、充電パレットに載せなければどれだけ待っても充電されない。したがって特定部122は、駐車スペースに空きがあるものの充電パレットに空きがない場合、利用状況保持部136の仮充電開始/終了予定時刻に「充電不可」を登録する。
【0043】
また、駐車場100が自走式駐車場であって充電器が所定の駐車スペースに固定的に設置されている場合、当然ながら当該駐車スペースに駐車しなければ充電できない。したがって特定部122は、駐車スペースに空きがあるものの充電器が固定的に設置された駐車スペースに空きがない場合、利用状況保持部136の仮充電開始/終了予定時刻に「充電不可」を登録する。
【0044】
また特定部122は、充電管理情報保持部134を参照して、混雑状況を特定する。特定部122は、特定した混雑状況を利用状況保持部136に登録する。すなわち利用状況保持部136を更新する。
【0045】
提供部124は、充電予定に関する情報をユーザに提供する。詳しくは提供部124は、既に入庫した充電待ちの各EVについての充電予定に関する情報、具体的には充電開始予定時刻および充電終了予定時刻を、表示制御部160を介して表示部104に表示する。表示部104は、駐車場100の待機場所に設置される。
【0046】
また、提供部124は、仮に今すぐに駐車場100に入庫した場合の充電予定に関する情報、具体的には仮充電開始予定時刻および仮充電終了予定時刻を、表示制御部160を表示部106に表示する。表示部106は、駐車場100の近くを走行する車両から見やすい位置や駐車場100の入り口付近に設置される。
【0047】
送信部126は、利用状況保持部136に保持される情報をサーバ200に送信する。例えば送信部126は、仮充電開始/終了予定時刻が更新されるたびに送信してもよい。また例えば送信部126は、所定の周期(例えば5分周期)で送信してもよい。
【0048】
通知部128は、EVの充電が開始または終了すると、その旨をEVのユーザの移動端末300に通知する。通知部128は例えば、SMS(Short Message Service)やメールにより通知する。
【0049】
図6は、サーバ200の機能および構成を示すブロック図である。サーバ200は、通信部210と、制御部220と、保持部230と、を備える。通信部210、制御部220、保持部230はそれぞれ、図2の通信部110、制御部120、保持部130に対応する。
【0050】
保持部230は、駐車場情報保持部232を含む。駐車場情報保持部232は、各駐車場100に関する情報を保持する。図7は駐車場情報保持部232のデータ構造の一例を示す図である。駐車場情報保持部232は、駐車場を一意に特定する駐車場名と、その駐車場の位置情報と、その駐車場の混雑状況と、その駐車場の空き状況、その駐車場の仮充電開始/終了予定時刻と、を対応づけて保持する。
【0051】
駐車場名は、駐車場100が商業施設や公共施設の駐車場の場合、商業施設名や公共施設名であってもよい。混雑状況、空き状況、仮充電開始/終了予定時刻は、各駐車場100から送信される情報である。
【0052】
制御部220は、受信部222と、提供部224と、を含む。サーバ200の保持部230には、これらの機能ブロックの機能を実装したコンピュータプログラムがインストールされてもよい。サーバ200のCPUが、このコンピュータプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、制御部220の各機能ブロックの機能が発揮されてもよい。
【0053】
受信部222は、各駐車場100から送信される、混雑状況、空き状況、仮充電開始/終了予定時刻を受信する。受信部222は、受信した情報を駐車場情報保持部232に登録する。すなわち駐車場情報保持部232を更新する。
【0054】
提供部224は、移動端末300ひいてはそのユーザに、仮に今すぐに移動端末300の周辺の各駐車場100に入庫した場合の充電予定に関する情報、具体的には仮充電開始時刻および仮充電終了予定時刻を提供する。詳しくは提供部224は、移動端末300から、周辺駐車場情報の提供要求を受信する。提供要求は、移動端末300の現在位置情報を含む。提供部224は、移動端末300の現在位置情報をキーとして駐車場情報保持部232を検索し、移動端末300の周辺、例えば移動端末300の現在位置から所定の距離の範囲内(例えば半径1km範囲内)にある駐車場100を特定する。提供部224は、特定した駐車場100に関する情報、具体的には駐車場名、位置情報、混雑状況、空き状況、仮充電開始/終了予定時刻を、提供要求の送信元の移動端末300に送信する。
【0055】
図8は、移動端末300の機能および構成を示すブロック図である。移動端末300は、通信部310と、制御部320と、保持部330と、表示部340と、入力部350と、表示制御部360と、を備える。通信部310、制御部320、保持部330、表示制御部360はそれぞれ、図2の通信部110、制御部120、保持部130、表示制御部160に対応する。
【0056】
表示部340は、液晶表示部、有機EL表示部であってもよい。入力部350は、ユーザによる指示入力を制御部320に伝達する。入力部350は、タッチパッドであってもよい。表示部340および入力部350は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0057】
制御部320は、要求部332を含む。移動端末300の保持部330には、この機能ブロックの機能を実装したアプリケーションプログラムがインストールされてもよい。移動端末300のCPUが、このアプリケーションプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、制御部320の各機能ブロックの機能が発揮されてもよい。
【0058】
要求部332は、移動端末300の周辺の駐車場100の情報の提供を要求するデータである提供要求をサーバ200に送信する。この提供要求は、移動端末300の現在位置情報を含む。要求部332は、公知の測位方法によって移動端末300の現在位置を特定すればよい。例えば、要求部332は、GPS(Global Positioning System)機能や、WiFi(登録商標)測位機能により移動端末300の現在位置を特定してもよい。要求部332は、提供要求への応答としてサーバ200から送信される移動端末300の周辺の駐車場100の情報を取得する。
【0059】
要求部332は、表示制御部360を介して、取得した移動端末300の周辺の駐車場100の情報を含む周辺駐車場情報画面を表示部340に表示する。
【0060】
図9は、周辺駐車場情報画面の一例を示す図である。この例では、周辺駐車場情報画面には、周辺の駐車場100の情報、具体的には駐車場名、混雑状況、空き状況、仮充電開始/終了予定時刻が一覧形式で表示される。これらの情報は、充電開始予定時刻が早い順に上から並べられてもよい。なお、周辺駐車場情報画面には、仮充電開始予定時刻および仮充電終了予定時刻の一方のみが表示されてもよい。
【0061】
図10は、周辺駐車場情報画面の他の例を示す図である。この例では、周辺駐車場情報画面には、周辺の駐車場100の駐車場名および仮充電開始/終了予定時刻とともに、周辺の駐車場100の地図上での位置が表示される。この場合ユーザは、仮充電開始/終了予定時刻に加えて、駐車場の位置も考慮して、例えば次の目的地に近づく方向であるか離れる方向であるかも考慮して、入庫する駐車場を決めることができる。
【0062】
以上が駐車場システム1の基本構成である。続いてその動作について説明する。
【0063】
図11は、駐車場100の動作を説明するフローチャートである。ここで、駐車場100は、充電上限時間が設けられている駐車場であるとする。図11の処理は、或るEVの充電が終了して、順番待ちのEVの充電が開始されるたびに実行される。
【0064】
EVの充電が終了する(S10)と、通知部128はその旨を当該EVのユーザに通知する(S12)。充電待ちの順番が1番目であったEVの充電が開始(S14)され、通知部128はその旨を当該EVのユーザに通知する(S16)。特定部122は充電待ちの各EVの充電開始/終了予定時刻を特定(更新)し(S18)、提供部124がそれを待機場所に設置される表示部104に表示する(S20)。また、特定部122は仮充電開始/終了予定時刻を特定し(S22)、提供部124がそれを駐車場100の近くを走行する車両から見やすい位置や駐車場100の入り口付近に設置される表示部106に表示する(S24)。送信部126は、仮充電開始/終了予定時刻などの情報をサーバ200に送信する(S26)。
【0065】
図12は、サーバ200および移動端末300の動作について説明するシーケンス図である。移動端末300は、周辺の駐車場100の情報の提供要求をサーバ200に送信する(S30)。サーバ200は、移動端末300から周辺の駐車場100の情報の提供要求を受信する(S32)。サーバ200は、提供要求に含まれる移動端末300の現在位置情報をキーとして駐車場情報保持部232を検索し、移動端末300の周辺にある駐車場を特定する(S34)。サーバ200は、特定した周辺駐車場に関する情報を、提供要求の送信元の移動端末300に送信する(S36)。移動端末300は、その表示部340に、サーバ200から送信された周辺駐車場の情報を表示する(S38)。
【0066】
以上説明したように、本実施の形態によれば、駐車場100の仮充電開始/終了予定時刻(すなわち充電予定に関する情報)が表示部106,304に表示される。これにより、当該駐車場100に入庫するか否かを、仮充電開始/終了予定時刻を含めて判断できる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、駐車場100の充電開始/終了予定時刻が表示部104に表示される。これによりユーザは、入庫したEVが出庫予定時刻までに充電されるか否かを知ることができる。あるいはまた、ユーザは、充電予定時刻を考慮して出庫時刻を決めることができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、移動端末300の周辺の駐車場100について、仮充電開始/終了予定時刻が表示される。これによりユーザは、仮充電開始/終了予定時刻も考慮して、どの駐車場に入庫するかを決めることができる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、EVの充電が開始または終了すると、当該EVのユーザにその旨が通知される。これによりユーザは、充電が開始または終了したことを知ることができる。
【0070】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下変形例を示す。
【0071】
(変形例1)
移動端末300の表示部に表示される各駐車場の充電開始/終了予定時刻は、各駐車場までの移動時間を考慮した時刻であってもよい。
【0072】
この場合、サーバ200は、提供要求に含まれる移動端末300の現在位置情報に基づいて特定される周辺駐車場の仮充電開始/終了予定時刻(すなわち充電予定)を、移動端末300の位置からの移動時間を考慮した時刻に書き換えてから移動端末300に送信してもよい。例えばサーバ200は、移動端末300の現在位置情報と各駐車場の位置情報とに基づいて移動端末300から各駐車場までの距離(直線距離または道路距離)を特定することにより、各駐車場100までの移動時間を特定してもよい。なお、移動端末300が、各駐車場100までの移動時間を特定し、それを考慮した仮充電開始/終了予定時刻に書き換えてから表示部340に表示してもよい。
【0073】
(変形例2)
実施の形態では、駐車場100には充電上限時間が設けられており、充電上限時間が経過するまでに満充電にならなければ充電が終了される場合について説明したが、これには限定されず、ユーザの希望に応じて、満充電まで充電させてもよい。この場合、制御装置102は、EVと通信して、満充電までの充電容量に関する情報をEVから取得すればよい。そして、特定部122は、取得した情報に基づいて充電終了予定時刻を特定すればよい。
【0074】
また、充電上限時間の代わりにまたは充電上限時間に加えて、一度の入庫で充電させたい時間(目標充電時間)をユーザが指定可能であってもよい。この場合、制御装置102の特定部122は、各EVの目標充電時間を考慮して充電開始/終了予定時刻、仮充電開始/終了予定時刻、混雑状況を特定する。
【0075】
(変形例3)
実施の形態では、提供部124は、既に入庫した充電待ちの各EVについての充電予定に関する情報として、充電開始予定時刻および充電終了予定時刻の両方を提供(すなわち表示部104に表示)したが、いずれか一方のみを提供してもよい。同様に、提供部124は、仮に今すぐに駐車場100に入庫した場合の充電予定に関する情報として、仮充電開始予定時刻および仮充電終了予定時刻の両方を提供(すなわち表示部106,340に表示)したが、いずれか一方のみを提供してもよい。
【0076】
また、充電予定に関する情報として、充電開始予定時刻、充電終了予定時刻の代わりに、充電開始予定時刻、充電終了予定時刻までの時間を提供してもよい。同様に、充電予定に関する情報として、仮充電開始予定時刻、仮充電終了予定時刻の代わりに仮充電開始予定時刻、仮充電終了予定時刻までの時間を提供してもよい。
【0077】
(変形例4)
駐車場100の制御装置102の機能の少なくとも一部の機能をサーバ200が実行してもよい。例えば、仮充電開始/終了予定時刻を特定する処理をサーバ200が実行してもよい。また例えば、混雑状況および空き状況を特定する処理の少なくとも一方をサーバ200が実行してもよい。
【0078】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0079】
1 駐車場システム、 100 駐車場、 104,106 表示部、 200 サーバ、 300 移動端末、 340 表示部。
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図12