(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080923
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】樹脂組成物、フィルム、多層フィルム、および、フィルムの製造方法
(51)【国際特許分類】
C08L 69/00 20060101AFI20220524BHJP
C08K 5/521 20060101ALI20220524BHJP
C08L 67/03 20060101ALI20220524BHJP
B32B 27/36 20060101ALI20220524BHJP
B32B 27/18 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
C08L69/00
C08K5/521
C08L67/03
B32B27/36 102
B32B27/18 Z
B32B27/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192147
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004466
【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】小坂 恵夢
(72)【発明者】
【氏名】石井 太樹
【テーマコード(参考)】
4F100
4J002
【Fターム(参考)】
4F100AH04
4F100AH04A
4F100AH08
4F100AH08A
4F100AK43
4F100AK43A
4F100AK45
4F100AK45A
4F100AR00B
4F100BA02
4F100BA07
4F100EH17
4F100EH17A
4F100JA05
4F100JA05A
4F100JA07
4F100JA07A
4F100JK12B
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4F100JN01
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4J002CF16X
4J002CG01W
4J002DA106
4J002EW046
4J002FD160
4J002GF00
4J002GP00
4J002GQ00
(57)【要約】
【課題】 ロールを用いてフィルムを製造しようとしたときに、ロール汚れが発生しにくい樹脂組成物、ならびに、前記樹脂組成物を用いたフィルム、多層フィルム、および、フィルムの製造方法の提供。
【解決手段】 芳香族ポリカーボネート樹脂20~80質量部と、ポリアリレート樹脂80~20質量部と、ホスフェート化合物の金属塩とを含む、樹脂組成物。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族ポリカーボネート樹脂20~80質量部と、ポリアリレート樹脂80~20質量部と、ホスフェート化合物の金属塩とを含む、樹脂組成物。
【請求項2】
前記芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂の合計100質量部に対し、ホスフェート化合物の金属塩を0.01~0.15質量部含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記ホスフェート化合物の金属塩がホスフェート化合物の亜鉛塩を含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記ホスフェート化合物の金属塩が、式(P1)で表される化合物および式(P2)で表される化合物の少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
式(P1) 式(P2)
【化1】
(式(P1)および式(P2)中、R
xは、それぞれ独立に、炭素数3~30の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)
【請求項5】
前記ホスフェート化合物の金属塩が、式(P1-1)で表される化合物および式(P2-1)で表される化合物の少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
式(P1-1) 式(P2-2)
【化2】
【請求項6】
前記ポリアリレート樹脂の重量平均分子量が30,000~55,000である、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記樹脂組成物の示差走査熱量測定により測定したガラス転移温度が155℃以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が20,000~38,000である、請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成されたフィルム。
【請求項10】
厚みが25~500μmである、請求項9に記載のフィルム。
【請求項11】
請求項9または10に記載のフィルムを含む多層フィルム。
【請求項12】
前記フィルムの片側または両側に、ハードコート層、アンチブロッキング層、粘着層、接着層およびインデックスマッチング層の少なくともいずれか1つの層を有する、請求項11に記載の多層フィルム。
【請求項13】
請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物を押出し、ロールを搬送させて成形することを含む、フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、ならびに、前記樹脂組成物を用いたフィルム、多層フィルム、および、フィルムの製造方法に関する。
特に、透明導電性フィルムの保護フィルムや基材として好ましく用いられるフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルのフィルムセンサー、電子ペーパーや色素増感型太陽電池、タッチセンサー等には、透明導電性フィルムが用いられている。透明導電性フィルム10は、例えば、
図1に示すように、電極層(透明導電膜)11と、基材12と、粘着層13と、保護フィルム14とから構成されるものが知られている。
具体的には、特許文献1には、保護フィルム上に、粘着層、フィルム基材および透明導電膜をこの順で有する透明導電性フィルム積層体であって、上記保護フィルムとして、ポリカーボネート系樹脂を用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、フィルムの耐熱性向上等の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂に、ポリアリレート樹脂をブレンドしてフィルムとする場合がある。このような芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂を含む樹脂組成物を、ロールを用いてフィルムを製造しようとすると、ロールに汚れが発生してしまう場合があることが分かった。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、ロールを用いてフィルムを製造しようとしたときに、ロール汚れが発生しにくい樹脂組成物、ならびに、前記樹脂組成物を用いたフィルム、多層フィルム、および、フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂のアロイに、ホスフェート化合物の金属塩を配合することにより、上記課題を解決しうることを見出した。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>芳香族ポリカーボネート樹脂20~80質量部と、ポリアリレート樹脂80~20質量部と、ホスフェート化合物の金属塩とを含む、樹脂組成物。
<2>前記芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂の合計100質量部に対し、ホスフェート化合物の金属塩を0.01~0.15質量部含む、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記ホスフェート化合物の金属塩がホスフェート化合物の亜鉛塩を含む、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記ホスフェート化合物の金属塩が、式(P1)で表される化合物および式(P2)で表される化合物の少なくとも1種を含む、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
式(P1) 式(P2)
【化1】
(式(P1)および式(P2)中、R
xは、それぞれ独立に、炭素数3~30の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)
<5>前記ホスフェート化合物の金属塩が、式(P1-1)で表される化合物および式(P2-1)で表される化合物の少なくとも1種を含む、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
式(P1-1) 式(P2-2)
【化2】
<6>前記ポリアリレート樹脂の重量平均分子量が30,000~55,000である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7>前記樹脂組成物の示差走査熱量測定により測定したガラス転移温度が155℃以上である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<8>前記芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が20,000~38,000である、<1>~<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<9><1>~<8>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成されたフィルム。
<10>厚みが25~500μmである、<9>に記載のフィルム。
<11><9>または<10>に記載のフィルムを含む多層フィルム。
<12>前記フィルムの片側または両側に、ハードコート層、アンチブロッキング層、粘着層、接着層およびインデックスマッチング層の少なくともいずれか1つの層を有する、<11>に記載の多層フィルム。
<13><1>~<8>のいずれか1つに記載の樹脂組成物を押出し、ロールを搬送させて成形することを含む、フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、ロールを用いてフィルムを製造しようとしたときに、ロール汚れが発生しにくい樹脂組成物、ならびに、前記樹脂組成物を用いたフィルム、多層フィルム、および、フィルムの製造方法を提供可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、透明導電性フィルムの層構成を示す断面模式図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。本明細書では、置換および無置換を記していない表記は、無置換の方が好ましい。
本明細書におけるフィルムは、長さと幅に対して、厚さが薄く、概ね、平らな成形体をいい、シートも含む趣旨である。また、本明細書における「フィルム」は、単層であっても多層であってもよい。
なお、本明細書における「質量部」とは成分の相対量を示し、「質量%」とは成分の絶対量を示す。
本明細書で示す規格が年度によって、測定方法等が異なる場合、特に述べない限り、出願時点における規格に基づくものとする。
【0009】
本実施形態の樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂20~80質量部と、ポリアリレート樹脂80~20質量部と、ホスフェート化合物の金属塩とを含む。このような芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂のアロイに、ホスフェート化合物の金属塩を配合することにより、ロールを用いてフィルムに成形しても、フィルムの抑制を効果的に抑制できる。さらに、全光線透過率が高く、ヘイズが低いフィルムが得られる。さらに、耐熱性に優れたフィルムが得られる。
ロールの汚れを抑制できる理由は、以下の通りであると推測される。
芳香族ポリカーボネート樹脂を、ロールを用いてフィルム状にする際は、ロールに汚れは殆ど発生しない。しかしながら、ポリアリレート樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物を、ロールを用いてフィルム状に成形しようとすると、ロール汚れが発生してしまう場合があることが分かった。本発明者は、ロールの汚れがポリアリレート樹脂の間のエステル交換によるものであると推測し、各種のエステル交換防止剤の使用を試みた。その結果、ポリアリレート樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂のアロイにホスフェート化合物の金属塩を配合した樹脂組成物を用いることにより、ロールの汚れの発生を抑制できたと推測された。
【0010】
<芳香族ポリカーボネート樹脂>
本実施形態の樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む。芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることにより、透明性に優れたフィルムが得られる。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、その種類等特に定めるものではなく、分子主鎖中に炭酸エステル結合を含む-[O-R-OCO]-構成単位(Rは、少なくとも芳香族基を含み、さらに、脂肪族基を含んでいてもよく、また、直鎖構造あるいは分岐構造を持つもの)を含むものであれば、特に限定されるものではなく、種々の芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることができる。
【0011】
本実施形態においては、芳香族ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノール型ポリカーボネート樹脂が好ましい。ビスフェノール型ポリカーボネート樹脂とは、芳香族ポリカーボネート樹脂を構成する構成単位の好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上が、ビスフェノール(好ましくはビスフェノールA)および/またはその誘導体由来のカーボネート構成単位であることをいう。
ビスフェノール型ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。
【0012】
前記芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、20,000以上であることが好ましく、22,000以上であることがより好ましい。前記下限値以上とすることにより、フィルムの成形性が向上する傾向にある。また、前記芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量の上限値は、38,000以下であることが好ましく、35,000以下であることがより好ましく、30,000以下であることがさらに好ましく、さらには28,000以下であることが一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、フィルムのヘイズの上昇を効果的に抑制できる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、後述する実施例の記載に従って測定される。
組成物が芳香族ポリカーボネート樹脂を2種以上含む場合の重量平均分子量は、芳香族ポリカーボネート樹脂の混合物の重量平均分子量とする(以下、他の物性についても同じ。また、他の樹脂成分についても同じ。)。
【0013】
芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、125℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましく、135℃以上であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることにより、加熱時の収縮を抑制することができる。また、芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に定めるものではないが、160℃以下であることが好ましく、155℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることがさらに好ましく、145℃以下であることが一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、フィルムのヘイズの上昇を効果的に抑制できる。
芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、後述する実施例の記載に従って測定される。
【0014】
その他、芳香族ポリカーボネート樹脂の詳細は、本実施形態の趣旨を逸脱しない限り、特開2012-144604号公報の段落0011~0020の記載、特開2019-002023号公報の段落0014~0035の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0015】
<ポリアリレート樹脂>
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアリレート樹脂を含む。ポリアリレート樹脂を用いることにより、耐熱性に優れたフィルムが得られる。
本実施形態で用いるポリアリレート樹脂は、芳香族ジカルボン酸由来の構成単位とビスフェノール由来の構成単位とから構成される芳香族ポリエステルであることが好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、3,3’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸等が挙げられ、テレフタル酸および/またはイソフタル酸が好ましい。
ビスフェノールとしては、例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン、4,4‘-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4‘-ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン等が挙げられ、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよいし、あるいは、2種以上混合して使用してもよい。
また、ポリアリレート樹脂は、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲(例えば、全構成単位の5質量%以下の範囲)で他の構成単位を含んでいてもよい。
【0016】
ポリアリレート樹脂の製造方法は、特に限定はされず、公知の方法により得られたものを使用することができる。界面重合法、溶融重合法で得られたポリアリレート樹脂は好適に用いることができる。
【0017】
前記ポリアリレート樹脂の重量平均分子量は、30,000以上であることが好ましく、35,000以上であることがより好ましく、38,000以上であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることにより、フィルムの成形性が向上する傾向にある。また、前記ポリアリレート樹脂の重量平均分子量は、55,000以下であることが好ましく、50,000以下であることがさらに好ましく、46,000以下であることが一層好ましく、43,000以下であることがより一層好ましい。前記ポリアリレート樹脂の重量平均分子量の上限値を55,000以下とすることにより、フィルムのヘイズの上昇を効果的に抑制できる。
【0018】
ポリアリレート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、180℃以上であることが好ましく、185℃以上であることがより好ましく、190℃以上であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることにより、加熱時の収縮を抑制することができる。また、ポリアリレート樹脂のガラス転移温度(Tg)の上限は、特に定めるものではないが、220℃以下であることが好ましく、215℃以下であることがより好ましく、210℃以下であることがさらに好ましく、205℃以下であることが一層好ましく、200℃以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、フィルムのヘイズの上昇を効果的に抑制できる。
ポリアリレート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、後述する実施例の記載に従って測定される。
【0019】
<芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂のブレンド比>
本実施形態の樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂20~80質量部とポリアリレート樹脂80~20質量部を含み、芳香族ポリカーボネート樹脂30~70質量部とポリアリレート樹脂70~30質量部を含むことが好ましく、芳香族ポリカーボネート樹脂40~60質量部とポリアリレート樹脂60~40質量部とを含むことがより好ましい。芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂のブレンド比は、用途に応じて適宜調整できる。芳香族ポリカーボネート樹脂の含有量を、ポリアリレート樹脂の含有量よりも多めにすることにより、流動性が上がるため、フィルターにより異物を除去できる。ポリアリレート樹脂の含有量を、芳香族ポリカーボネート樹脂の含有量よりも多めにすることにより、加熱時の収縮を抑制することができる。
本実施形態では、特に、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂の合計を100質量部としたときに、上記範囲を満たすことが好ましい。
【0020】
本実施形態の樹脂組成物における芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂の合計量は、樹脂組成物中、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂は、それぞれ1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0021】
<ホスフェート化合物の金属塩>
本実施形態の樹脂組成物は、ホスフェート化合物の金属塩を含む。ホスフェート化合物の金属塩を用いることにより、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂のアロイをフィルム状に成形してもロールの汚れを効果的に抑制できる。
前記ホスフェート化合物の金属塩を構成する金属は、ナトリウム、亜鉛が例示され、亜鉛が好ましい。すなわち、本実施形態の樹脂組成物は、ホスフェート化合物の亜鉛塩を含むことが好ましい。ホスフェート化合物の亜鉛塩を用いると本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
【0022】
本実施形態においては、前記ホスフェート化合物の金属塩が、式(P1)で表される化合物および式(P2)で表される化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。
式(P1) 式(P2)
【化3】
(式(P1)および式(P2)中、R
xは、それぞれ独立に、炭素数3~30の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)
R
xの炭素数は、8以上であることが好ましく、13以上であることがより好ましく、15以上であることがさらに好ましく、また、25以下であることが一層好ましく、20以下であることがより一層好ましく、18であることが最も好ましい。
R
xは直鎖または分岐のアルキル基であるが、直鎖のアルキル基であることが好ましい。
【0023】
本実施形態においては、前記ホスフェート化合物の金属塩が、式(P1-1)で表される化合物および式(P2-1)で表される化合物の少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。本実施形態にいては、式(P1-1)で表される化合物および式(P2-1)で表される化合物の混合物がより好ましい。
式(P1-1) 式(P2-2)
【化4】
【0024】
本実施形態の樹脂組成物における、前記芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂の合計100質量部に対するホスフェート化合物の金属塩の含有量は、0.01質量部以上であることが好ましく、0.02質量部以上であることがより好ましく、0.03質量部以上であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることにより、ロール汚れの発生を効果的に抑制することができる。前記芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂の合計100質量部に対するホスフェート化合物の金属塩の含有量は、0.15質量部以下であることが好ましく、0.10質量部以下であることがより好ましく、0.08質量部以下であることがさらに好ましく、0.07質量部以下であることが一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、ロール汚れの発生を効果的に抑制することができる。
【0025】
また、本実施形態の樹脂組成物は、本実施形態の効果を著しく逸脱しない範囲において、金属塩で置換されていないホスフェート化合物が含まれていてもよい。しかしながら、本実施形態の樹脂組成物は、金属塩で置換されていないホスフェート化合物を実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、金属塩で置換されていないホスフェート化合物の含有量が、本実施形態の樹脂組成物に含まれるホスフェート化合物の金属塩の含有量の10質量%以下であることをいい、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。このような構成とすることにより、ロールの汚れの抑止効果がより効果的に発揮される傾向にある。
【0026】
<離型剤>
本実施形態の樹脂組成物は、離型剤を含むことが好ましい。離型剤を含むことにより、離型性により優れたフィルムが得られる。
離型剤としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200~15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルの群から選ばれる少なくとも1種の化合物を挙げることができ、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルが好ましい。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例として、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等を挙げることができる。
その他、離型剤としては、特開2017-226848号公報の段落0032、特開2018-199745号公報の段落0056に記載の離型剤を用いることができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
【0027】
樹脂組成物が離型剤を含有する場合、その含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアリレート樹脂の合計を100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上であり、また、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。
離型剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0028】
<他の成分>
本実施形態の樹脂組成物は、上記成分に加え、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の成分を含んでいてもよい。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、防曇剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、衝撃改良剤、摺動改良剤、色相改良剤、酸トラップ剤等を含んでいてもよい。これらの成分は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ホスフェート化合物の金属塩、および、必要に応じ配合される、離型剤や他の成分の合計が100質量%となるように調整される。
本実施形態の樹脂組成物は、リン系酸化防止剤を含んでいてもよいが、含んでいなくてもよい。本実施形態の樹脂組成物は、リン系酸化防止剤を実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、リン系酸化防止剤の含有量が、本実施形態の樹脂組成物に含まれるリン系酸化防止剤の含有量の10質量%以下であることをいい、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。このような構成とすることにより、ロールの汚れの抑止効果がより効果的に発揮される傾向にある。
【0029】
<樹脂組成物の物性>
本実施形態の樹脂組成物は、耐熱性に優れていることが好ましい。具体的には、前記樹脂組成物の示差走査熱量測定により測定したガラス転移温度が155℃以上であることが好ましく、156℃以上であることがより好ましく、157℃以上であることがさらに好ましく、158℃以上であることが一層好ましく、159℃以上であることがより一層好ましく、160℃以上であることがさらに一層好ましい。前記ガラス転移温度の上限は、特に定めるものではないが、210℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、190℃以下であることがさらに好ましく、180℃以下であることが一層好ましく、170℃以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、フィルムの成形性がより向上する傾向にある。
ガラス転移温度は、後述する実施例の記載に従って測定される。
【0030】
本実施形態の樹脂組成物は、透明性に優れていることが好ましい。
具体的には、本実施形態の樹脂組成物は、厚さ200μmのフィルムに成形したときの全光線透過率が85.0%以上であることが好ましく、88.0%以上であることがより好ましく、90.0%以上であることがさらに好ましい。前記全光線透過率の上限値は、100%が理想であるが、98%以下が実際的である。
また、本実施形態の樹脂組成物は、厚さ200μmのフィルムに成形したときのヘイズが1.0%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましく、0.4%以下であることが一層好ましく、0.2%以下であることがより一層好ましい。下限値は、0%が理想であるが、0.01%以上が実際的である。
全光線透過率およびヘイズは、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
【0031】
<フィルム>
本実施形態のフィルムは、本実施形態の樹脂組成物から形成される。
本実施形態のフィルムは、単層フィルムとして用いることができる。本実施形態のフィルムが単層フィルムである場合、その厚さは、25μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、35μm以上であることがさらに好ましく、40μm以上であることが一層好ましく、50μm以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、フィルム成形時の破断を抑制することができる傾向にある。また、前記単層フィルムの厚さは、500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがさらに好ましく、250μm以下であることが一層好ましく、200μm以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、耐屈曲性がより向上する傾向にある。
【0032】
また、本実施形態のフィルムは、本実施形態のフィルム(単層フィルム)を含む多層フィルムとして用いることができる。多層フィルムに含まれる層としては、本実施形態のフィルムに加え、公知の層を採用できる。
本実施形態のフィルムは、前記フィルムの片側または両側に、ハードコート層、アンチブロッキング層、粘着層、接着層およびインデックスマッチング層の少なくともいずれか1つの層を有する多層フィルムとして用いられる。また、本実施形態のフィルムは、保護層と、粘着層と、基材と、電極層とをこの順で有する、透明導電性フィルムであって、基材および保護層の少なくとも一方(好ましくは少なくとも保護層)が、本実施形態のフィルムである、透明導電性フィルムとして好ましく用いられる。
また、上記透明導電性フィルムは、タッチパネルのフィルムセンサー、電子ペーパーや色素増感型太陽電池、タッチセンサー等に用いる透明導電性フィルムとして好ましく用いられる。
上記多層フィルムの詳細については、国際公開第2018/062328号の段落0101~0108に記載のハードコート層、段落0109~0112の透明導電層(電極層)、段落0125~0126に記載の粘着層、特開2020-122124号公報の段落0077~0082に記載の導電層、段落0083~0085に記載のインデックスマッチング(IM)層、ハードコート層、アンチブロッキングハードコート層の記載、特開2018-058233号公報の段落0102~0105に記載の導電層の記載、段落0106、0107に記載の透明導電性フィルムの応用の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0033】
本実施形態のフィルムが多層フィルムである場合、その厚みは25μm以上であることが好ましく、35μm以上であることがより好ましく、40μm以上であることがさらに好ましく、45μm以上であることが一層好ましく、50μm以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、搬送時のフィルムの破断を効果的に抑制することができる。また、前記多層フィルムの厚さは、500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがさらに好ましく、250μm以下であることが一層好ましく、200μm以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、屈曲時のクラックを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のフィルムは、上記以外の用途のフィルムにも好ましく用いられる。
【0034】
本実施形態のフィルムは、本実施形態の樹脂組成物を用い、公知のフィルムの製造方法に従って製造される。好ましくは、本実施形態のフィルムは、本実施形態の樹脂組成物を押出し、ロールを搬送させて成形することを含む方法によって製造される。
【0035】
本実施形態のフィルムは、上述の通り、単層フィルムであっても、複数の熱可塑性樹脂層で構成される多層フィルムであってもよい。多層フィルムの製造方法についても、公知の方法を採用することができる。例えば、Tダイを用いた溶融押出時に、ダイ内部で積層しフィルム状に成形する、もしくはフィルム状に成形した後に積層することで多層フィルムを形成することができる。
【実施例0036】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。
【0037】
1.原料
<芳香族ポリカーボネート樹脂(A)>
A1:H-7000F、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ユーピロン(登録商標)、重量平均分子量24,900、ガラス転移温度:141℃
A2:S-3000F、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ユーピロン(登録商標)、重量平均分子量41,300、ガラス転移温度148℃
<ポリアリレート樹脂(B)>
B1:Uポリマー、ポリアリレート樹脂、ユニチカ社製、商品名:U-パウダー Lタイプ、カルボン酸成分:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50モル%、ビスフェノール成分:ビスフェノールA=100モル%、重量平均分子量40,800、ガラス転移温度195℃
【0038】
<ホスフェート化合物の金属塩(C)>
C1::下記に示す化合物の混合物、混合モル比率は、左:右=2:1である。城北化学社製、JP-518Zn:
【化5】
【0039】
<ホスフェート化合物(D)>
D1:AX-71、ADEKA社製、エステル交換防止剤
【化6】
【0040】
<酸化防止剤(E)>
E1:PEP-36、ADEKA社製、ホスファイト系酸化防止剤
<離型剤(F)>
F1:S-100Aグリセリンモノステアレート(理研ビタミン株式会社製、リケマールS-100A)
【0041】
2.実施例1~3、比較例1~3、参考例1
<樹脂ペレットの製造>
下記表1または表2に示す組成(各表において含有量は質量部で示した)となるように、各成分をタンブラーにてブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30α)の根元から投入し、シリンダー温度280℃にて溶融混練を行い、実施例、比較例および参考例のペレットを製造した。
【0042】
<フィルムの製造>
上記で得られたペレットを、バレル直径32mm、スクリューのL/D=31.5のベント付き二軸押出機(日本製鋼所社製、「TEX30α」)からなるTダイ溶融押出機を用いて、吐出量10Kg/h、スクリュー回転数166rpmの条件で、溶融状に押し出し、第一ロールと第二ロールの幅を1mmとし、冷却固化し、フィルムを作製した。シリンダー温度は280℃、ダイヘッド温度は300℃で行った。厚み200μmのフィルムを得た。
【0043】
<重量平均分子量の測定方法>
芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ならびに、樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)のゲル浸透クロマトグラフィーによる測定は、以下のようにして行った。
ゲル浸透クロマトグラフィー装置には、LC-20AD system(島津製作所社製)を用い、カラムとして、LF-804(Shodex社製)を接続して用いた。カラム温度は40℃とした。検出器はRID-10A(島津製作所社製)のRI検出器を用いた。溶離液として、クロロホルムを用い、検量線は、東ソー社製の標準ポリスチレンを使用して作成した。
上記ゲル浸透クロマトグラフィー装置、カラム、検出器が入手困難な場合、同等の性能を有する他の装置等を用いて測定する。
【0044】
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ならびに、樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は、下記の示差走査熱量(DSC)の測定条件のとおりに、昇温、降温を2サイクル行い、2サイクル目の昇温時のガラス転移温度を測定した。
低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、変曲点の接線の交点を開始ガラス転移温度とし、高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、変曲点の接線の交点を終了ガラス転移温度とし、開始ガラス転移温度と終了ガラス転移温度の中間地点をガラス転移温度(Tg)とした。芳香族ポリカーボネート樹脂、ならびに組成物の測定条件は、測定開始温度:30℃、昇温速度:10℃/分、到達温度:200℃、降温速度:20℃/分とした。芳香族ポリアリレート樹脂(B)の測定条件は、測定開始温度:30℃、昇温速度:10℃/分、到達温度:250℃、降温速度:20℃/分とした。
測定装置は、示差走査熱量計(DSC、(株)日立ハイテクサイエンス社製、「DSC7020」)を使用した。
【0045】
<ロール汚れ>
フィルムを製造するために、原料を5kg消費した後のロールについて、目視にて汚れの程度を確認した。評価は5人の専門家が行い多数決で判断した。
A:汚れが確認できない/うっすらと確認できる(参考例1と同程度)
B:Aよりも汚れが確認できる
C:A、B以外、例えば、明らかに汚れている
【0046】
<全光線透過率の測定>
ISO-13468-1に準拠して、得られたフィルムの全光線透過率を測定した(測定条件:D65光源、10°視野)。
測定に際し、村上色彩技術研究所社製 ヘイズメーターHM-150を使用した。
全光線透過率の単位は%で示した。
【0047】
<ヘイズの測定>
ヘイズメーターを用いて、D65光源10°視野の条件にて、得られたフィルムのヘイズ(%)を測定した。
測定に際し、村上色彩技術研究所社製 ヘイズメーターHM-150を使用した。
【0048】