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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080944
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/48 20200101AFI20220524BHJP
【FI】
D06F58/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192171
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 駿
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA24
3B167AD06
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE07
3B167BA43
3B167HA11
3B167HA21
3B167HA54
3B167JA42
3B167KA01
3B167KA52
3B167KA84
3B167KB01
3B167KB16
3B167LA23
3B167LC02
3B167LC20
3B167LC25
3B167LG02
3B167LG11
3B167MA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】待機時の消費電力を抑えることができる衣類処理装置を提供する。
【解決手段】衣類乾燥機1は、本体ケース2と、その内部に設けられた回転ドラム4と、回転ドラム4の衣類投入口5を開閉する扉6とを有しており、回転ドラム4内で衣類を洗濯又は乾燥させる衣類処理運転を実行する。衣類乾燥機1は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作パネル17と、衣類投入口5を物体が通過したことを検知する物体通過センサ42と、操作パネル17及び物体通過センサ42に対して電力を供給するコントローラを備えており、物体通過センサ42が物体の通過を検知したとき、コントローラが操作パネル17に対して電力の供給を開始する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、当該本体の内部に設けられた衣類処理室と、当該衣類処理室の衣類の投入口を開閉する扉とを有し、当該衣類処理室内で衣類を洗濯又は乾燥させる衣類処理運転を実行する衣類処理装置であって、
ユーザによる操作入力を受け付ける入力手段と、
前記衣類処理室の前記投入口の周辺に設けられ、物体が前記投入口を通過したことを検知する物体通過検知手段と、
前記入力手段及び前記物体通過検知手段に対して電力を供給する電力供給手段と、を備え
前記物体通過検知手段が前記物体の通過を検知したとき、前記電力供給手段が前記入力手段に対して電力の供給を開始することを特徴とする衣類処理装置。
【請求項2】
前記衣類処理運転の完了後、初めて前記物体通過検知手段が前記物体の通過を検知した場合は、前記電力供給手段は、前記入力手段に対して電力の供給を開始しないことを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記扉の開放及び閉鎖を検知する扉開閉検知手段を備え、
前記扉開閉検知手段が前記扉の開放を検知した場合に、前記電力供給手段が前記物体通過検知手段に対する電力の供給を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記衣類処理室内の衣類の有無を検知する衣類検知手段と、
時間を計時する計時手段と、を備え、
前記物体通過検知手段が前記物体の通過を検知して、前記電力供給手段が前記入力手段に対する電力の供給を開始した後、前記計時手段による計時が開始し、所定時間が経過しても前記衣類処理運転が開始されない場合に、前記衣類検知手段が前記衣類処理室内の衣類の有無を検知し、
前記衣類検知手段が衣類を検知しなかった場合に、前記電力供給手段が前記入力手段に対する電力の供給を停止することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類処理室に収容した衣類に対し、洗濯又は乾燥を実行する衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、扉の開放を検知して入力部の受付を開始して、スタートボタン等の操作入力の手間を省略した家電機器が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1の洗濯機は制御部を備えており、当該制御部は、ユーザの操作を入力する操作パネル、外蓋の開閉を検知する開閉センサ、洗濯槽内の温度を検知する温度センサ、洗濯槽内の湿度を検知する湿度センサ、洗濯槽内の水位を検知する水位センサ、給水弁、駆動モータ、排水弁、除菌消臭装置、外部の機器との間で通信を行う通信部、洗濯槽の重量を検知する重量センサ等に接続されている。
【0004】
そして、開閉検知部は、開閉センサで検知した外蓋の開閉状態に基づいて、外蓋が開閉されたか否かを検知する。この外蓋が開閉されたか否かは、洗濯物の出し入れ操作が行われたか否かを判断する判断材料となり、洗濯物が放置されているか否かを判断する契機の1つとなる。より具体的には、外蓋が開閉された後、所定期間後に重量センサにより洗濯物の重量が検知されると、洗濯物が放置されていると判断される。
【0005】
また、設定部は、温度センサで検知した洗濯槽内の温度と、湿度センサで検知した洗濯槽内の湿度とに基づいて、洗濯運転期間以外の期間において除菌・消臭を行う時期を設定することができる(特許文献1/段落0013,0015)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-070945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の洗濯機では、衣類が洗濯槽内に長時間放置されている状態を検知するため、常時マイコンを稼働させておく必要があった。すなわち、扉の開閉検知とセンサの出力状況を確認している状態が継続することで、待機時の消費電力が増大するおそれがあった。
【0008】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、待機時の消費電力を抑えることができる衣類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の衣類処理装置は、
本体と、当該本体の内部に設けられた衣類処理室と、当該衣類処理室の衣類の投入口を開閉する扉とを有し、当該衣類処理室内で衣類を洗濯又は乾燥させる衣類処理運転を実行する衣類処理装置であって、
ユーザによる操作入力を受け付ける入力手段と、
前記衣類処理室の前記投入口の周辺に設けられ、物体が前記投入口を通過したことを検知する物体通過検知手段と、
前記入力手段及び前記物体通過検知手段に対して電力を供給する電力供給手段と、を備え
前記物体通過検知手段が前記物体の通過を検知したとき、前記電力供給手段が前記入力手段に対して電力の供給を開始することを特徴とする。
【0010】
本発明の衣類処理装置は、扉を開放して衣類処理室の投入口から衣類を衣類処理室に収め、衣類の洗濯又は乾燥を行う衣類処理運転を実行する。衣類処理装置は、衣類処理室の投入口を物体が通過したことを検知する物体通過検知手段を備え、物体通過検知手段が当該物体の通過を検知したとき、電力供給手段が、ユーザの操作入力を受け付ける入力手段に対して電力の供給を開始する。このように、本衣類処理装置は、扉の開閉によらず、物体の通過を契機に(例えば、衣類が衣類処理室内に収められたとき)入力の受け付けを開始するので、待機時の消費電力を抑えることができる。
【0011】
本発明の衣類処理装置において、
前記衣類処理運転の完了後、初めて前記物体通過検知手段が前記物体の通過を検知した場合は、前記電力供給手段は、前記入力手段に対して電力の供給を開始しないことが好ましい。
【0012】
衣類処理運転の完了後、初めて物体通過検知手段が物体の通過を検知した場合は、ユーザが、衣類処理室から処理を終えた衣類を取り出す状況である可能性が高い。このため、電力供給手段は、入力手段に対して電力の供給を開始しないようにする。これにより、本衣類処理装置は、待機時の消費電力をさらに抑えることができる。
【0013】
また、本発明の衣類処理装置において、
前記扉の開放及び閉鎖を検知する扉開閉検知手段を備え、
前記扉開閉検知手段が前記扉の開放を検知した場合に、前記電力供給手段が前記物体通過検知手段に対する電力の供給を開始することが好ましい。
【0014】
本発明の衣類処理装置では、扉開閉検知手段(マイクロスイッチ等の物理スイッチ)により、扉の開放及び閉鎖を検知する。そして、扉開閉検知手段が扉の開放を検知したとき、電力供給手段は、初めて物体通過検知手段に対する電力の供給を開始するため、扉の閉鎖状態においては物体通過検知手段が機能していない。これにより、本衣類処理装置は、待機時の消費電力をさらに抑えることができる。
【0015】
また、本発明の衣類処理装置において、
前記衣類処理室内の衣類の有無を検知する衣類検知手段と、時間を計時する計時手段と、を備え、
前記物体通過検知手段が前記物体の通過を検知して、前記電力供給手段が前記入力手段に対する電力の供給を開始した後、前記計時手段による計時が開始し、所定時間が経過しても前記衣類処理運転が開始されない場合に、前記衣類検知手段が前記衣類処理室内の衣類の有無を検知し、
前記衣類検知手段が衣類を検知しなかった場合に、前記電力供給手段が前記入力手段に対する電力の供給を停止することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、物体通過検知手段が物体の通過を検知して、電力供給手段が入力手段に対する電力の供給を開始した後、計時手段による計時が開始する。そして、所定時間が経過しても衣類処理運転(洗濯や乾燥)が開始されない場合、衣類検知手段が衣類処理室内の衣類の有無を検知する。
【0017】
衣類処理室内に衣類が検知されなかった場合には、電力供給手段が入力手段に対する電力の供給を停止する。すなわち、物体の通過が検知されて電力が供給された入力手段は、所定時間の経過後に衣類がないと判断されると、電力の供給が停止される。これにより、本衣類処理装置は、待機時の消費電力をさらに抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る衣類乾燥機の正面図。
図2】衣類乾燥機の内部を説明する図。
図3】衣類乾燥機のシステム構成図。
図4A】衣類乾燥機のフローチャート(電源投入後、前半)。
図4B】衣類乾燥機のフローチャート(電源投入後、後半)。
図5】衣類乾燥機のフローチャート(乾燥処理終了後)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、図面を参照しながら、本発明の衣類処理装置の実施形態について説明する。
【0020】
初めに、図1を参照して、本発明の実施形態に係る衣類乾燥機1について説明する。衣類乾燥機1は、衣類(タオル、シーツ等の布製品を含む洗濯物)を収容する回転ドラム4を備え、温風で衣類を乾燥させる装置である。
【0021】
衣類乾燥機1の本体ケース2(本発明の「本体」)は略直方体をなし、天板、底板、前板、後蓋及び対向する左右一対の側板により構成されている。前板の略中央には、回転ドラム4(本発明の「衣類処理室」)内に衣類を投入するための衣類投入口5が設けられている。衣類投入口5は、片開き式の扉6で覆われている。
【0022】
また、衣類乾燥機1は、前板下方に操作パネル17が一体的に固設されている。操作パネル17には、各種操作スイッチや表示部が設けられており、ユーザによる乾燥運転のモード設定や、タイマー残り時間等、運転状態の確認が行えるようになっている。
【0023】
図1は扉6を開放した状態であるが、衣類投入口5の周縁(扉6の蝶番と反対側)には、扉開閉スイッチ41(本発明の「扉開閉検知手段」)が設けられている。扉開閉スイッチ41は、扉6の開放及び閉鎖を検知するマイクロスイッチである。
【0024】
また、衣類投入口5の周縁上方には、物体通過センサ42(本発明の「物体通過検知手段」)が設けられている。物体通過センサ42は、例えば赤外線センサであり、物体通過センサ42の待機状態では、衣類投入口5の全体を覆うように赤外線が出射されている。これにより、衣類投入口5を通過するユーザの手、衣類等の物体を検知することができる。
【0025】
詳細は後述するが、衣類乾燥機1は、ユーザにより扉6が開放され、さらに物体通過センサ42が衣類投入口5の物体の通過を検知したときメイン電源の供給が開始され、ユーザが操作パネル17から入力ができるようになっている。例えば、ユーザが回転ドラム4内に衣類を投入したとき、メイン電源が供給される。
【0026】
本体ケース2の内部には、回転ドラム4を回転させるためのモータ、外気を加熱して温風を生成する燃焼ユニット、温風を回転ドラム4の内部へ導く温風ダクト等が設けられている(詳細は後述する)。さらに、乾燥運転時にモータの駆動、燃焼ユニットの点消火動作等を制御する制御部(コントローラ30)が設けられている。
【0027】
図2は、衣類乾燥機1の内部を側面から見た図(透視図)である。
【0028】
回転ドラム4は、ドラム支持枠4aにより回転自在に支持されており、その回転軸線が前後方向に水平に延びる姿勢に設けられている。本体ケース2の内部であって回転ドラム4の下方位置には、ベルトを介して回転ドラム4を駆動する駆動モータ4bが設けられている。
【0029】
本体ケース2の内部には、ガスバーナ7と、ガスバーナ7の燃焼熱により温風を生成する温風生成室8とが設けられている。ドラム支持枠4aには、温風生成室8の上方に連設された加熱空気導入ダクト9(通風路)が設けられている。また、本体ケース2の側面には、外部の空気を本体ケース2の内部に取り入れる空気取り入れ口10が設けられている。ガスバーナ7には、ガス供給路11により弁装置12を介して燃料ガスが供給される。
【0030】
図示しないが、ガスバーナ7の近傍にはガスバーナ7に点火するための点火電極及び失火や過熱を検知するセンサ類が設けられており、その燃焼は、本体ケース2の内部に設けられたコントローラ30により制御される。
【0031】
加熱空気導入ダクト9の上端部の前面側には、回転ドラム4の背面の一部に対向する加熱空気導出口9aが形成され、背面側には、空気取り入れ口10から取り入れた空気を供給するための空気供給孔9bが形成されている。これにより、加熱空気導入ダクト9は、ガスバーナ7の燃焼排ガスを、空気取り入れ口10及び空気供給孔9bを経て取り入れた空気と混合し、これを乾燥用空気として加熱空気導出口9aから回転ドラム4の内部へ供給する。
【0032】
回転ドラム4の背面には、通気自在の小孔4cが多数形成されている。これにより、回転ドラム4が回転していても、加熱空気導入ダクト9の加熱空気導出口9aに対向する位置の小孔4cを介して回転ドラム4の内部への加熱空気の供給が維持され、加熱空気導入ダクト9と回転ドラム4とは実質的に接続状態となる。
【0033】
扉6は、その一側縁側が、図示しない蝶番を介して本体ケース2の前板に開閉自在に連結されている。また、扉6の内部には、第1排湿ダクト18が設けられている。第1排湿ダクト18は、扉6を閉じた状態のときに衣類投入口5を介して回転ドラム4に連通状態となり、上流端から下流端にかけて上方に延びている。
【0034】
第1排湿ダクト18の上流端には、フィルタ19が設けられている。フィルタ19は、扉6の内面側(本体ケース2側)に設けられ、主に糸くずが第1排湿ダクト18に流入しないためのフィルタである。なお、フィルタ19は、衣類投入口5内に突出するフィルタケース20に着脱自在に保持されている。
【0035】
本体ケース2の内部には、前後方向に延びる第2排湿ダクト21が設けられている。第2排湿ダクト21は、第1排湿ダクト18と共に回転ドラム4の内部から湿気を導出する排湿路を構成しており、本体ケース2の内部における回転ドラム4の上方空間に配設されている。扉6が閉じられたとき、第1排湿ダクト18の下流端と第2排湿ダクト21の上流端とは、前板を貫通して形成された連結孔22を介して互いに接続される。
【0036】
第2排湿ダクト21の下流端は本体ケース2の外方で上方に向けて開口する排湿口23とされており、この排湿口23には、屋外に延出する図示しない排気筒が接続される。
【0037】
また、第2排湿ダクト21には、排湿ファン24が設けられている。排湿ファン24は、ファンモータ24aにより駆動されるシロッコファンやターボファン等の遠心送風ファンであり、その回転軸線が鉛直方向に向く姿勢で設けられている。
【0038】
また、回転ドラム4内には、電極センサ43が設けられている。電極センサ43は、乾いた衣類と湿った衣類とで、接触時の電気抵抗値が異なることを利用したセンサである。
【0039】
図3は、衣類乾燥機1のシステム構成を示している。図示するように、衣類乾燥機1において、コントローラ30(本発明の「電力供給手段」)は、回転ドラム4、操作パネル17、排湿ファン24、タイマー31、警報部32、通信部33、扉開閉スイッチ41、物体通過センサ42、電極センサ43と接続されている。
【0040】
コントローラ30は、図示しないCPU、メモリ、各種インターフェース回路等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持された衣類乾燥機1の制御用プログラムをCPUで実行し、扉開閉スイッチ41、物体通過センサ42、電極センサ43から検知信号を受信して、回転ドラム4、排湿ファン24等の動作を制御する。
【0041】
また、コントローラ30は、回転ドラム4、操作パネル17、排湿ファン24、タイマー31、警報部32、通信部33、扉開閉スイッチ41、物体通過センサ42、電極センサ43等に対して電力の供給を行う。
【0042】
タイマー31は、主に衣類乾燥機1の各種運転を管理する。また、本実施形態においては、タイマー31は、所定の契機からユーザにより操作パネル17が操作されない期間を計時する。
【0043】
警報部32は、所定条件が成立したとき、ブザー音を出力してユーザに報知する。警報部32は、例えば、衣類が回転ドラム4内に取り残されていること等をユーザに報知することができる。
【0044】
通信部33は、外部端末50(例えば、ユーザのスマートフォン)と、Wi-FiやBluetooth(登録商標)により無線接続するための構成である。例えば、ブザー音を出力する警告信号を、通信部33を経由して外部端末50に送信する。これにより、ユーザは、衣類乾燥機1から離れた場所にいたとしても、衣類乾燥機1の警報を認識することができる。
【0045】
物体通過センサ42は、コントローラ30が扉開閉スイッチ41から扉6の開放の検知信号を受けた後、作動を開始する。具体的には、物体通過センサ42は、扉6の開放時に待機状態に移行し、扉6の閉鎖時に休止状態に移行する。
【0046】
また、操作パネル17は、コントローラ30が物体通過センサ42から物体通過の検知信号を受けた後、作動を開始する。具体的には、衣類投入口5を物体が通過したとき初めて、コントローラ30が操作パネル17に対して電源を供給し、ユーザが操作パネル17を操作入力できるようになる。
【0047】
次に、図4A図4Bを参照して、衣類乾燥機1の電源投入後のフローチャート(節電制御)について説明する。
【0048】
まず、図4Aにおいて、衣類乾燥機1の電源コンセントを入れると、漏電検出装置が正常であるか否かが判定される(STEP01)。漏電の問題がなく、正常であった場合にはSTEP02に進み、正常でなかった場合にはSTEP03に進む。
【0049】
漏電に問題があった場合(STEP01で「NO」)、ユーザは異常の原因を解消する必要がある(STEP03)。その後、STEP01にリターンする。
【0050】
一方、漏電の問題がなかった場合(STEP01で「YES」)、衣類乾燥機1は、扉開閉スイッチを待機状態に設定する(STEP02)。具体的には、コントローラ30が扉開閉スイッチ41に電力を供給して、扉6の開放及び閉鎖が検知できる状態にセットする。その後、STEP04に進む。
【0051】
次に、衣類乾燥機1は、扉が開放されたか否かを判定する(STEP04)。具体的には、扉開閉スイッチ41が扉6の開放を確認し、開放が検知された場合にコントローラ30に検知信号を送信する。扉6の開放が検知された場合にはSTEP05に進み、扉6の開放が検知されなかった場合にはSTEP07に進む。
【0052】
扉6の開放が検知された場合(STEP04で「YES」)、衣類乾燥機1は、物体通過センサを待機状態に設定する(STEP05)。具体的には、コントローラ30が物体通過センサ42に電力を供給して、衣類投入口5を通過する物体を赤外線により検知できる状態にセットする。その後、STEP06に進む。
【0053】
次に、衣類乾燥機1は、物体の通過を検知した否かを判定する(STEP06)。物体通過センサ42が物体の通過を検知した場合にはSTEP08に進み、物体の通過が検知されなかった場合にはSTEP07に進む。
【0054】
扉6の開放が検知されなかった場合(STEP04で「NO」)、又は物体の通過が検知されなかった場合(STEP06で「NO」)、衣類乾燥機1は、手動による電源オンがあったか否かを判定する(STEP07)。これは、回転ドラム4の除菌運転のため、電源をオンとする場合等を想定している。ユーザによる電源オンがあった場合にはSTEP08に進み、電源オンがなかった場合にはSTEP04にリターンする。
【0055】
物体通過センサ42が物体の通過を検知した場合(STEP06で「YES」)、又はユーザによる電源オンがあった場合(STEP07で「YES」)、衣類乾燥機1は、メイン電源を供給する(STEP08)。これにより、操作パネル17に電力が供給されるようになり、ユーザが乾燥処理の開始等が行える状態となる。その後、STEP09に進む。
【0056】
その後、衣類乾燥機1は、タイマーをスタートさせるとともに、電極センサを待機状態に設定する(図4B、STEP09)。具体的には、コントローラ30がタイマー31に制御信号を送信し、タイマー31による計時が開始する。ここでは、メイン電源が供給されてからの時間を計時することになる。
【0057】
また、コントローラ30は、電極センサ43に電力を供給して、回転ドラム4内の衣類について、湿気を検知できる状態にセットする。その後、STEP10に進む。
【0058】
次に、衣類乾燥機1は、乾燥処理が開始されたか否かを判定する(STEP10)。乾燥処理が開始された場合には、「通常運転処理」に進む。一方で、乾燥処理が開始されない場合には、STEP11に進む。
【0059】
乾燥処理が開始されない場合(STEP10で「NO」)、衣類乾燥機1は、10分が経過したか否かを判定する(STEP11)。メイン電源が供給されてから、乾燥処理が開始されずに10分が経過した場合にはSTEP12に進み、未だ10分が経過していない場合にはSTEP10にリターンする。
【0060】
10分が経過した場合(STEP11で「YES」)、衣類乾燥機1は、衣類の湿気を検知したか否かを判定する(STEP12)。具体的には、電極センサ43が検出した電気抵抗値がコントローラ30に送信され、回転ドラム4内の衣類が湿気を帯びているかが判定される。電極センサ43が衣類の湿気を検知した場合にはSTEP16に進み、湿気が検知されなかった場合にはSTEP13に進む。
【0061】
まず、衣類の湿気が検知されなかった場合(STEP12で「NO」)を説明する。この場合、衣類乾燥機1は、回転ドラムを回転させる(STEP13)。具体的には、コントローラ30が回転ドラム4(駆動モータ4b)に電力を供給し、衣類の有無を確認するため、回転ドラム4を、例えば10秒間回転させる。その後、STEP14に進む。
【0062】
次に、衣類乾燥機1は、衣類の湿気を検知したか否かを判定する(STEP14)。これは、回転ドラム4の回転中に、回転ドラム4内の衣類が湿気を帯びているか否かを再度確認する処理である。電極センサ43が衣類の湿気を検知した場合には、STEP15に進む。一方、湿気が検知されなかった場合には、衣類は湿気を帯びていないと判断し、一連のフローを終了する。
【0063】
衣類の湿気を検知した場合(STEP14で「YES」)、衣類乾燥機1は、回転ドラムを停止させる(STEP15)。具体的には、コントローラ30が回転ドラム4(駆動モータ4b)への電力供給を停止することで、回転ドラム4の回転が停止する。その後、STEP16に進む。
【0064】
回転ドラム4を停止させた後(STEP15)、又は衣類の湿気を検知した場合(STEP12で「YES」)、衣類乾燥機1は、ブザーによる報知を開始する(STEP16)。具体的には、コントローラ30が警報部32に制御信号を送信することで、一定期間ブザー音が出力される。これは、ユーザに対する、回転ドラム4内に湿気を帯びた衣類が取り残されていることの報知である。
【0065】
このとき、衣類乾燥機1は、通信部33を経由してユーザが所有する外部端末50に当該制御信号を送信してもよい。これにより、ユーザは、衣類乾燥機1から離れた場所にいても警報を認識することができる。その後、STEP17に進む。
【0066】
衣類乾燥機1は、物体の通過を検知したか否かを判定する(STEP17)。これは、ユーザが回転ドラム4内の衣類を取り出したか否かの判定と同義である。物体の通過を検知した場合にはSTEP18に進み、物体の通過が検知されなかった場合にはSTEP19に進む。
【0067】
物体の通過を検知した場合(STEP17で「YES」)、衣類乾燥機1は、ブザーを停止させる(STEP18)。具体的には、コントローラ30が警報部32に制御信号を送信することで、ブザー音が停止される。すなわち、ユーザが回転ドラム4内の衣類を取り出した可能性が高いため、報知を中止する。その後、STEP10にリターンする。
【0068】
一方、物体の通過を検知しなかった場合(STEP17で「NO」)、衣類乾燥機1は、運転操作があったか否かを判定する(STEP19)。ユーザは、扉6を開放して回転ドラム4内を覗き込んだ後、運転操作を行うことがあるため、その確認処理となる。運転操作があった場合にはSTEP20に進み、運転操作がなかった場合にはSTEP21に進む。
【0069】
運転操作があった場合(STEP19で「YES」)、衣類乾燥機1は、ブザーを停止させる(STEP20)。その後、「通常運転処理」に進む。
【0070】
一方、運転操作がなかった場合(STEP19で「NO」)、衣類乾燥機1は、回転ドラムを回転させ、排湿ファンを起動する(STEP21)。具体的には、コントローラ30が回転ドラム4(駆動モータ4b)及び排湿ファン24(ファンモータ24a)に電力を供給し、回転ドラム4及び排湿ファン24を起動させる。これは、衣類の生乾きを防止するための処理である。その後、STEP22に進む。
【0071】
次に、衣類乾燥機1は、衣類の湿気を検知したか否かを判定する(STEP22)。衣類の湿気が検知された場合には、湿気が検知されなくなるまでループする。一方、湿気が検知されなかった場合には、衣類の生乾き状態が解消したと判断し、STEP23に進む。
【0072】
次に、衣類乾燥機1は、ブザー、回転ドラム、排湿ファンを停止させる(STEP23)。これにより、衣類の生乾きに対する処理が完了する。このように、衣類乾燥機1は、衣類の雑菌の繁殖、匂いの発生を抑える機能も備えている。その後、一連のフローを終了する。
【0073】
最後に、図5を参照して、衣類乾燥機1の通常運転処理(乾燥処理)が終了した後のフローチャート(節電制御)について説明する。なお、通常運転の終了後には、メイン電源が自動でオフとなることを前提とする。
【0074】
まず、衣類乾燥機1は、扉開閉スイッチを待機状態に設定する(STEP31)。具体的には、コントローラ30が扉開閉スイッチ41に電力を供給して、扉6の開放、閉鎖が検知可能な状態にセットする。その後、STEP32に進む。
【0075】
次に、衣類乾燥機1は、扉が開放されたか否かを判定する(STEP32)。例えば、乾燥処理の終了後、ユーザが回転ドラム4内の衣類を取り出すときには扉6が開放される。扉6の開放が検知されなかった場合には、扉6の開放が検知されるまでループする。一方、扉開閉スイッチ41が扉の開放を検知した場合には、STEP33に進む。
【0076】
次に、衣類乾燥機1は、扉が閉鎖されたか否かを判定する(STEP33)。例えば、乾燥処理の終了後の最初の扉6の開放後に、物体通過センサ42を待機状態に設定すると、衣類の取り出し作業のため何度も物体が検知される。従って、ここでは物体通過センサ42に電源を供給することをしない。
【0077】
また、物体通過センサ42を待機状態に設定してもよいが、物体が検知されても、メイン電源の供給を行わない。これにより、衣類乾燥機1は、待機時の消費電力を抑えることができる。
【0078】
扉6の閉鎖が検知されなかった場合には、扉6の閉鎖が検知されるまでループする。一方、扉の閉鎖を検知した場合には、図4AのSTEP04に進む。すなわち、その後の扉6の開放に対しては、物体通過センサ42によって物体の通過を検知する状態とする。これ以降の処理は、上述の図4A図4Bの説明と同じであるため、説明を省略する。
【0079】
上記実施形態では、回転ドラム4に衣類が取り残されていることを、回転ドラム4が回転している状態で電極センサ43により検知した(図4B、STEP16~17)。しかしながら、回転ドラム4に衣類が取り残されていることを、排湿ファン24により検知するようにしてもよい。
【0080】
例えば、衣類が取り残されているとき、排湿ファン24の風量一定制御では、抵抗の違いから回転ドラム4の回転前後でファンモータ24aの動作電流が変化する。このように、電流値の変化から衣類の有無を判定するようにしてもよい。なお、フィルタ詰まりによって抵抗負荷は増大することもあるが、このような場合は、回転ドラム4の回転前後で電流値は変化せず、区別することができる。
【符号の説明】
【0081】
1…衣類乾燥機、2…本体ケース、4…回転ドラム、5…衣類投入口、6…扉、7…ガスバーナ、17…操作パネル、24…排湿ファン、30…コントローラ、31…タイマー、32…警報部、33…通信部、41…扉開閉スイッチ、42…物体通過センサ、43…電極センサ。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5