(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080979
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】塗装装置および塗装方法
(51)【国際特許分類】
B05B 5/025 20060101AFI20220524BHJP
B05D 5/06 20060101ALI20220524BHJP
B05D 1/04 20060101ALI20220524BHJP
B05D 1/32 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
B05B5/025 A
B05B5/025 E
B05D5/06 101B
B05D1/04 F
B05D1/32 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192218
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000149790
【氏名又は名称】株式会社大気社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊丹 拓
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 里佳
(72)【発明者】
【氏名】野田 祥吾
【テーマコード(参考)】
4D075
4F034
【Fターム(参考)】
4D075AA09
4D075AA37
4D075AA76
4D075AD05
4D075AD11
4D075AE02
4D075CA47
4D075CA48
4D075CB37
4D075DA06
4D075DA23
4D075DC11
4D075DC12
4D075DC13
4F034AA03
4F034BA01
4F034BB12
4F034BB15
4F034BB26
4F034BB28
(57)【要約】
【課題】車両を静電塗装するときの工数を抑えるのに有効な塗装技術を提供する。
【解決手段】塗装装置101は、ワークである車両ボデー1の2つの被塗面2a,2bの境界領域Bに押し付けられる仕切部材10と、2つの被塗面2a,2bのいずれか一方の塗装予定面である被塗面2aに向けて配置される塗料噴出ノズル23と、車両ボデー1および塗料噴出ノズル23のうちの一方を電極として他方を接地し被塗面2aと塗料噴出ノズル23との間に静電場を作るための静電気発生部30と、を備え、仕切部材10は、誘電材料からなる誘電部11を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの2つの被塗面の境界領域に押し付けられる仕切部材と、
上記2つの被塗面のいずれか一方である塗装予定面に向けて配置される噴出口を有する塗料噴出ノズルと、
上記ワークおよび上記塗料噴出ノズルのうちの一方を電極として他方を接地し上記塗装予定面と上記塗料噴出ノズルとの間に静電場を作るための静電気発生部と、
を備え、
上記仕切部材は、誘電材料からなる誘電部を有する、塗装装置。
【請求項2】
上記仕切部材は、上記塗装予定面に対して垂直に立設される板状部材であり、上記板状部材の立設高さが上記塗装予定面から上記塗料噴出ノズルの上記噴出口までの距離を下回らないように寸法設定されている、請求項1に記載の塗装装置。
【請求項3】
上記仕切部材と上記境界領域との間に介装される見切りテープを備える、請求項1または2に記載の塗装装置。
【請求項4】
ワークの2つの被塗面の境界領域に、誘電材料からなる誘電部を有する仕切部材を押し付け、
上記2つの被塗面のいずれか一方である塗装予定面に向けて塗料噴出ノズルの噴出口を配置し、
上記ワークおよび上記塗料噴出ノズルのうちの一方を電極として他方を接地し、上記塗装予定面と上記塗料噴出ノズルとの間に静電場を作り、
上記塗料噴出ノズルの上記噴出口から上記静電場の中に塗料を噴出して上記塗装予定面に塗着させる、
塗装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、ツートン塗装のための塗装方法が開示されている。この塗装方法を利用して車両のボデーを塗装する塗装作業は、概して、次のような順番で行われる。まず、ボデーに吐出ガンを使用して1色目の塗装処理を施工した後、このボデーを乾燥炉で乾燥処理する。その後、ボデーのうち1色目の塗装部分の全体をマスキングシートで覆うマスキング処理を実行する。最後に、マスキング処理されているボデーに吐出ガンを使用して2色目の塗装処理を施工した後、このボデーを乾燥炉で乾燥処理する。
【0003】
この塗装処理では、塗料と希釈溶剤を高速回転するベルカップで混合して遠心力によって吐出するベル型構造の吐出ガンを用いるのが一般的であった。ベル型構造の吐出ガンを用いる場合、塗料が広範囲に飛散するため、大型の塗装ブースが必要になる。
【0004】
そこで、ベル型構造の吐出ガンに代えて、下記の特許文献2に記載の静電霧化塗装機を使用した静電塗装を採用することができる。この静電塗装は、概して、接地した被塗物を陽極とし、塗料噴出ノズルを陰極として、両極間に高電圧を与えて静電場を作り、静電場の中に塗料を飛散させて帯電させるものである。これにより、塗料が静電場にしたがって被塗物に吸引されて塗膜が形成される。このような静電塗装によれば、塗料を電気吸引作用によって付着させるため、塗着効率が高く塗料が広範囲に飛散するのを抑えられるため塗装ブースを小型化できるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8-155386号公報
【特許文献1】特開2020-93195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の静電霧化塗装機を使用してツートン塗装を行う場合、1色目の塗装部分の全体をマスキングシートで覆うような工数のかかる作業を行うことなく、2色目の塗料が1色目の塗膜側に塗料がはみ出すのを抑制するための技術が求められている。また、このような技術については、ツートン塗装のみならず、加飾用の塗装の場合も同様の要請がある。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、車両を静電塗装するときの工数を抑えるのに有効な塗装技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
ワークの2つの被塗面の境界領域に押し付けられる仕切部材と、
上記2つの被塗面のいずれか一方である塗装予定面に向けて配置される噴出口を有する塗料噴出ノズルと、
上記ワークおよび上記塗料噴出ノズルのうちの一方を電極として他方を接地し上記塗装予定面と上記塗料噴出ノズルとの間に静電場を作るための静電気発生部と、
を備え、
上記仕切部材は、誘電材料からなる誘電部を有する、塗装装置、
にある。
【0009】
本発明の他の態様は、
ワークの2つの被塗面の境界領域に、誘電材料からなる誘電部を有する仕切部材を押し付け、
上記2つの被塗面のいずれか一方である塗装予定面に向けて塗料噴出ノズルの噴出口を配置し、
上記ワークおよび上記塗料噴出ノズルのうちの一方を電極として他方を接地し、上記塗装予定面と上記塗料噴出ノズルとの間に静電場を作り、
上記塗料噴出ノズルの上記噴出口から上記静電場の中に塗料を噴出して上記塗装予定面に塗着させる、
塗装方法、
にある。
【発明の効果】
【0010】
上記の塗装装置および塗装方法によれば、塗装予定面と塗料噴出ノズルとの間に静電場が作られた状態で、塗料噴出ノズルの噴出口から塗装予定面に向けて静電場の中に塗料が噴出される。陰極である塗料噴出ノズル側から噴出された塗料は、霧化して負に帯電した状態で陽極側である塗装予定面に吸引されて塗膜を形成する。
【0011】
このとき、2つの被塗面の境界領域に押し付けられる仕切部材が誘電材料からなる誘電部を有するため、塗料が吸引される電気力線とは逆向きの電気力線が誘電部に形成される。このため、塗装予定面には境界領域を避けるようにして塗料が吸引される。これにより、塗料が境界領域を挟んで塗装予定面とは反対側の被塗面にはみ出すのを抑制することができる。その結果、塗装予定面とは反対側の被塗面の全体をマスキングシートで覆うような工数のかかる作業を行う必要がない。
【0012】
以上のごとく、上記の各態様によれば、車両を静電塗装するときの工数を抑えるのに有効な塗装技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1の塗装装置を使用して車両の天井パネルを塗装する様子を示す斜視図。
【
図3】実施形態1の塗装装置により実行される塗装方法の様子を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述の態様の好ましい実施形態について説明する。
【0015】
上記の、塗装装置において、上記仕切部材は、上記塗装予定面に対して垂直に立設される板状部材であり、上記板状部材の立設高さが上記塗装予定面から上記塗料噴出ノズルの噴出口までの距離を下回らないように寸法設定されているのが好ましい。
【0016】
この塗装装置によれば、板状部材の立設高さを塗装予定面から塗料噴出ノズルの噴出口までの距離を下回らないように寸法設定することによって、塗料噴出ノズルの噴出口から塗装予定面に向けて噴出された塗料が板状部材を越えて塗装予定面とは反対側の被塗面に付着するのを抑制することができる。
【0017】
上記の塗装装置は、上記仕切部材と上記境界領域との間に介装される見切りテープを備えるのが好ましい。
【0018】
この塗装装置によれば、塗料噴出ノズルの噴出口から塗装予定面に向けて噴出された塗料が仕切部材と上記境界領域の隙間を通じて塗装予定面とは反対側の被塗面に漏れるのを見切りテープによって抑制することができる。
【0019】
(実施形態1)
以下、実施形態1の塗装装置および塗装方法について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
なお、本明細書の説明で参照する図面では、特に断わらない限り、車両前方を矢印FRで示し、車両右方を矢印RHで示し、車両上方を矢印UPで示している。また、車幅方向に相当する左右方向を矢印Xで示し、車高方向に相当する上下方向を矢印Yで示している。
【0021】
図1に示されるように、実施形態1の塗装装置101は、概して、仕切部材10と、塗料噴出ノズル23を有する塗装機20と、静電気発生部30と、を備えている。
図1では、ワークである車両ボデー1のルーフパネル2の外表面に塗装する場合について例示している。
【0022】
仕切部材10は、ルーフパネル2の2つの被塗面2a,2bを仕切るためのものであり、2つの被塗面2a,2bの境界領域Bに押し付けられるように設けられる。仕切部材10は、誘電材料からなる誘電部11を有する。本実施形態では、仕切部材10の全体が誘電部11によって構成されている。
【0023】
誘電材料は、直流電圧に対して電気を通さない絶縁性を有する材料であり、この誘電材料として、典型的には、プラスチック、セラミックスなどを使用するのが好ましい。
【0024】
本実施形態では、仕切部材10は、塗装予定面である被塗面2aに対して垂直に立設される板状部材として構成されている。このとき、仕切部材10は被塗面2aに対して実質的に垂直に立設されればよく、ここでいう「垂直」には、厳密に垂直である場合のみならず、許容範囲内で僅かに傾斜する場合をも包含される。
【0025】
塗装機20は、塗装ロボット50のアーム部に連結される本体部21と、この本体部21の先端に取り付けられたノズルヘッド22と、を有する。ノズルヘッド22は、円柱形状の導電性部材であり、周方向に配置された複数の塗料噴出ノズル23を内蔵している。
【0026】
各塗料噴出ノズル23は、導電性を有する筒状部材であり、その先端に噴出口23a(
図3を参照)を有する。ルーフパネル2の外表面を塗装する場合、塗装予定面である被塗面2aに向けて塗料噴出ノズル23の噴出口23aが配置される。このとき、各塗料噴出ノズル23は、上下方向Yが軸方向となるように延びている。
【0027】
塗装ロボット50は、制御盤40に設けられた制御部41に電気的に接続されている。制御部41は、塗装ロボット50のアーム部の移動軌跡を制御する機能を有する。塗装ロボット50の制御により、被塗面2aに対する塗装機20の相対的や位置や姿勢を調整しつつ塗装作業を行うことが可能になる。
【0028】
なお、この塗装機20の更なる具体的な構造については、例えば、特開2020-93195号公報に記載の静電霧化塗装機の構造を参照することができる。
【0029】
塗装機20の塗料噴出ノズル23は、静電気発生部30に電気的に接続されている。静電気発生部30は、静電塗装に一般的に用いられるものである。この静電気発生部30は、車両ボデー1のルーフパネル2および塗料噴出ノズル23のうちの一方を電極として他方を接地し、両極間に高電圧を印加することによって、被塗面2aと塗料噴出ノズル23との間に静電場を作る機能を有する。この場合、ルーフパネル2を接地して陽極とし塗料噴出ノズル23を陰極とする形態や、塗料噴出ノズル23を接地して陽極としルーフパネル2を陰極とする形態を適宜に採用することができる。静電気発生部30は、制御盤40に設けられた制御部42によって制御される。
【0030】
実施形態1の塗装方法は、車両ボデー1をツートン塗装する方法であり、
図2に示される作業フローにしたがって実行される。
【0031】
前工程S1が終了した車両ボデー1に対して、塗装工程S2で1色目の塗装処理を施工する。この塗装工程S2では、車両ボデー1を第1塗装ブースP1に搬入し、この車両ボデー1に対する上塗り及び乾燥を行う。このときの上塗りは、特に図示しないものの、既知のベル型構造の吐出ガンを使用して実行される。
【0032】
塗装工程S2が終了した車両ボデー1に対して、塗装工程S3で2色目の塗装処理を施工する。この塗装工程S3では、車両ボデー1を第1塗装ブースP1とは別の第2塗装ブースP2に搬入し、この車両ボデー1に対する上塗り及び乾燥を行う。このときの上塗りは、実施形態1の塗装装置101を使用して実行される。
【0033】
塗装工程S3が終了した車両ボデー1は、検査工程S4で検査されたのち、組立工程S5に搬出される。
【0034】
図3に示されるように、塗装工程S3では、先ず、被塗面2aと被塗面2b(1色目の塗膜C1)の境界領域Bに仕切部材10を押し付ける。この境界領域Bには、被塗面2bの一部が含まれるのが好ましい。そして、被塗面2aに向けて塗料噴出ノズル23の噴出口23aが配置されるように、塗装ロボット50を制御する。その後、車両ボデー1を接地して陽極とし塗料噴出ノズル23を陰極として、静電気発生部30によって両極間に高電圧を印加し、被塗面2aと塗料噴出ノズル23との間に静電場を作る。最後に、塗料噴出ノズル23の噴出口23aから静電場の中に塗料を噴出して被塗面2aに塗着させる。
【0035】
実施形態1によれば、被塗面2aと塗料噴出ノズル23との間に静電場が作られた状態で、塗料噴出ノズル23の噴出口23aから被塗面2aに向けて静電場の中に塗料が噴出される。陰極である塗料噴出ノズル23側から噴出された塗料は、霧化して負に帯電した状態で陽極側である被塗面2aに吸引されて塗膜C2を形成する。
【0036】
このとき、2つの被塗面2a,2bの境界領域Bに押し付けられる仕切部材10が誘電材料からなる誘電部11を有するため、塗料が吸引される電気力線Laとは逆向きの電気力線Lbが誘電部11に形成される。このため、被塗面2aには境界領域Bを避けるようにして塗料が吸引される。これにより、塗料が境界領域Bを挟んで被塗面2aとは反対側の被塗面2bにはみ出すのを抑制することができる。その結果、被塗面2bの全体をマスキングシートで覆うような工数のかかる作業を行う必要がない。
【0037】
従って、実施形態1によれば、車両を静電塗装するときの工数を抑えるのに有効な塗装技術を提供することができる。
【0038】
実施形態1では、
図3に示されるように、仕切部材10の立設高さd2を被塗面2aから塗料噴出ノズル23の噴出口23aまでの距離d1を下回らないように寸法設定するのが好ましい。これにより、塗料噴出ノズル23の噴出口23aから被塗面2aに向けて噴出された塗料が仕切部材10を越えて被塗面2bに付着するのを抑制することができる。
【0039】
実施形態1によれば、第2塗装ブースP2では、塗料を電気吸引作用によって付着させる静電塗装を用いるため、塗着効率が高く塗料が広範囲に飛散するのを抑えられることができる。このため、第1塗装ブースP1に比べて第2塗装ブースP2を小型化することができる。したがって、設備にかかる費用を下げることができ、また設置スペースが少なくて済むという利点がある。その結果、塗装工程S2に比べて塗装工程S3の負荷低減が可能になり、エネルギー費用や工数を削減することができる。
【0040】
以下、実施形態1に関連する他の実施形態について図面を参照しつつ説明する。他の実施形態において、実施形態1の要素と同一の要素には同一の符号を付しており、当該同一の要素についての説明は省略する。
【0041】
(実施形態2)
図4に示されるように、実施形態2は、仕切部材10と境界領域Bとの間に介装される見切りテープ12を使用する点で、実施形態1と相違している。
【0042】
その他の構成及び方法は、実施形態1と同様である。
【0043】
実施形態2によれば、塗料噴出ノズル23の噴出口23aから被塗面2aに向けて噴出された塗料が仕切部材10と境界領域Bの隙間を通じて被塗面2aに漏れるのを見切りテープ12によって抑制することができる。
【0044】
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0045】
(実施形態3)
図5に示されるように、実施形態3は、仕切部材10を横倒しにして境界領域Bに押し付ける点で、実施形態1と相違している。この場合、仕切部材10の立設高さd2(厚みに相当)が被塗面2aから塗料噴出ノズル23の噴出口23aまでの距離d1を下回る。
【0046】
その他の構成及び方法は、実施形態1と同様である。
【0047】
実施形態3によれば、仕切部材10を横倒しにすることで、実施形態1の場合に比べて、仕切部材10自体で被塗面2bの広範囲を被覆することができる。この場合、仕切部材10の誘電部11による塗料の反発作用と、仕切部材10による被塗面2bの被覆作用と、の協働により、塗料噴出ノズル23の噴出口23aが仕切部材10よりも高所に配置されても、噴出口23aから噴出した塗料を被塗面2aのみに選択的に塗着させることができる。
【0048】
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0049】
本発明は、上述の典型的な実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上述の実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0050】
上述の実施形態では、仕切部材10の全体が誘電部11によって構成される場合について例示したが、これに代えて、仕切部材10の一部を誘電部11とする構造を採用することもできる。また、仕切部材10として誘電部11によって構成された見切りテープ12を用いることもできる。
【0051】
上述の実施形態では、車両ボデー1のツートン塗装について例示したが、各実施形態を車両ドア等の加飾用の塗装に適用することもできる。
【符号の説明】
【0052】
1 車両ボデー
2a 被塗面(塗装予定面)
2b 被塗面
10 仕切部材(板状部材)
11 誘電部
12 見切りテープ
23 塗料噴出ノズル
23a 噴出口
30 静電気発生部
101,102,103 塗装装置
B 境界領域