(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022080987
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】水平開きのペット用ドア
(51)【国際特許分類】
A01K 29/00 20060101AFI20220524BHJP
E05F 1/06 20060101ALI20220524BHJP
E06B 3/36 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
A01K29/00 Z
E05F1/06 B
E06B3/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192235
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】510094311
【氏名又は名称】岡本 喜八
(74)【代理人】
【識別番号】100150142
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 礼路
(72)【発明者】
【氏名】岡本 喜八
【テーマコード(参考)】
2E014
【Fターム(参考)】
2E014AA02
2E014DA00
2E014DB02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】グラビティヒンジを利用したペット用ドアであるにもかかわらず、非常に軽いフラップを使用することができ、かつ自動的にフラップを閉位置に戻すことができるペット用ドアを提供する。
【解決手段】ドア枠とフラップ3とを備える、ペット用ドア1であって、フラップ3はドア枠の上端および下端に設置されたガイド棒4を軸にして水平方向に回転自在に支持され、ドア枠および前記フラップ3はグラビティヒンジによって接続され、およびフラップ3はドア枠の上端に設置された付勢手段によって付勢される、ペット用ドア1を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア枠とフラップとを備える、ペット用ドアであって、
前記フラップは、前記ドア枠の上端および下端に設置されたガイド棒を軸にして水平方向に回転自在に支持され、
前記ドア枠および前記フラップは、グラビティヒンジによって接続される、
ペット用ドア。
【請求項2】
前記フラップは、前記ドア枠の上端に設置された付勢手段によって付勢される、請求項1に記載のペット用ドア。
【請求項3】
前記グラビティヒンジは、前記ドア枠の下端に設置されたガイド棒が貫通するように設置され、かつ
前記グラビティヒンジの下コマは、前記ドア枠に固定され、
前記グラビティヒンジの上コマは、前記フラップに固定され、
前記グラビティヒンジは、前記フラップが閉位置において前記ドア枠内に静止するように固定される、請求項1または2に記載のペット用ドア。
【請求項4】
前記付勢手段は、バネであり、
前記バネは、前記ドア枠の回転穴に固定された滑りブッシュと前記ドア枠の上端との間に、かつ前記ドア枠の上端に設置されたガイド棒が貫通するように設置される、請求項2に記載のペット用ドア。
【請求項5】
前記ドア枠は、フロントパネルおよびリアパネルからなり、前記フロントパネルを角穴の一方の外側から、前記リアパネルを他方の側から勘合することにより形成される、請求項1~4のいずれか一項に記載のペット用ドア。
【請求項6】
前記ドア枠において、閉位置においてロック機構を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のペット用ドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用ドアに関する。より詳細には、本発明は、グラビティヒンジを介して設置されたスイングドアを備えるペット用ドアに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々なペット用ドアが市販されている。ペット用ドアの多くは、ドア枠の上部にヒンジを設置し、ヒンジを介してフラップをぶら下げる形式である。ペットの押す力によってフラップが開き、ペットが通過した後は、重力によってフラップが垂直位置に戻る。さらにドア枠およびフラップの下端に磁石を設置して、磁石の引力によって軽い力で垂直位置に保持する方式が一般的である。
【0003】
上記のように、従来のペット用ドアのフラップは、上部に設置されたヒンジを介してフラップをぶら下げる開閉機構であるために、子犬やネコなどの非力なペットがフラップを押し開けようとしても重力によるフラップの抵抗を感じて押し開けることができないことがある。
【0004】
また、従来のペットドアのフラップは、ペットがフラップを押し開けて通過した後、フラップが重力で垂直位置に戻るときに、パタンと下がるフラップにペットの尾を挟んでしまったり、後続するペットの頭に当たったりするため、ペットにとって快適な通過状況とはいえない。
【0005】
そこで、上部のヒンジを介してフラップをぶら下げる開閉機構ではなく、左右一端のヒンジを介する開閉機構によるスイングドアを備えるペット用ドアが開発されている(特許文献1)。特許文献1では、スイングドアを水平方向に回転自在に設置している。また、ドア枠とフラップとをグラビティヒンジを介して接続することにより、フラップの自重でゆっくりと閉位置に戻ることが記載されている。
【0006】
子猫や子犬などの非力なペットがこのペット用ドアを通過することができるようにするには、フラップを少しでも軽くしてペットの弱い力でも押し開けることができるようにしなければならない。しかし、特許文献1に記載のペット用ドアは、グラビティヒンジを介してフラップの自重によって閉位置に戻す機構であるため、一定以上の自重を有するフラップでなければグラビティヒンジが機能しない。したがって、軽いフラップを取り付けた場合、フラップが自動的に閉位置に戻らないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した課題に着目してなされたものであり、グラビティヒンジを利用したペット用ドアであるにもかかわらず、非常に軽いフラップを使用することができ、かつ自動的にフラップを閉位置に戻すことができるペット用ドアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、非常に軽いフラップを使用することができ、かつ自動的にフラップを閉位置に戻すことができるペット用ドアのための機構を開発した。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ペット用ドアにおいて、簡易な機構およびグラビティヒンジを利用し、非常に軽いフラップを使用することができ、かつ自動的にフラップを閉位置に戻すことができる。
【0011】
本発明は、ドア枠とフラップとを備える、ペット用ドアであって、
前記フラップは、前記ドア枠の上端および下端に設置されたガイド棒を軸にして水平方向に回転自在に支持され、
前記ドア枠および前記フラップは、グラビティヒンジによって接続される、
ペット用ドアを提供する。
【0012】
また、本発明は、前記フラップが前記ドア枠の上端に設置された付勢手段によって付勢される、ペット用ドアを提供する。
【0013】
また、本発明は、前記グラビティヒンジが前記ドア枠の下端に設置されたガイド棒が貫通するように設置され、かつ
前記グラビティヒンジの下コマが前記ドア枠に固定され、
前記グラビティヒンジの上コマが前記フラップに固定され、
前記グラビティヒンジが前記フラップが閉位置において前記ドア枠内に静止するように固定される、上記ペット用ドアを提供する。
【0014】
また、本発明は、前記付勢手段がバネであり、
前記バネが前記ドア枠の回転穴に固定された滑りブッシュと前記ドア枠の上端との間に、かつ前記ドア枠の上端に設置されたガイド棒が貫通するように設置される、上記ペット用ドアを提供する。
【0015】
また、本発明は、前記ドア枠は、フロントパネルおよびリアパネルからなり、前記フロントパネルを角穴の一方の側から、前記リアパネルを他方の側から勘合することにより形成される、上記ペット用ドアを提供する。
【0016】
また、本発明は、前記ドア枠において、閉位置においてロック機構を備える、上記ペット用ドアを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】本発明のペット用ドアのドア枠とフラップの接続部分の機構の一例を示す図。
【
図3】本発明のペット用ドアに使用されるグラビティヒンジの機構を示す図。
【
図4】本発明のペット用ドアに使用されるスプリング機構を示す図。
【
図5】本発明のペット用ドアのフラップの一例を示す図。
【
図6】本発明のペット用ドアのドア枠とフラップの動作機構の一例を示す図。
【
図7】本発明のペット用ドアのドア枠とフラップの接続部分の動作機構の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明のペット用ドアを説明する。本発明のペット用ドア1は、
図1に示すように、ドア枠2とフラップ3とを備える。
【0019】
ドア枠2は、枠内にフラップ3を設置できる開口を有し、枠外を扉や隔壁等に施行した角穴に設置することができる形状を有する。ドア枠2は、たとえば枠内の上端にガイド棒4を設置するための穴を有し、当該穴にガイド棒が設置される。フラップ3は、ドア枠2の上端および下端に設置されたガイド棒4を軸にして水平方向に回転自在に支持される。すなわち、フラップ3は、ドア枠2に対して横回転して開閉される。フラップ3は、任意の角度にフラップ3を回転して開閉できるように設置することができ、たとえば閉位置からいずれの方向にも120°回転させて開くように設置することができる。
図2は、本発明のペット用ドア1のドア枠2とフラップ3の接続部分の機構の一例を示す。
【0020】
フラップ3は、たとえば
図5に示すように左右のいずれか一辺を筒状に形成して回転穴9を設けることができる。ドア枠2に設置したガイド棒4をこの回転穴9の上下に挿入することにより、上下のガイド棒4を軸にしてフラップ3を水平方向に回転させることができる。ガイド棒4は、ドア枠2の上端および下端に設置されるが、ガイド棒4は、ドア枠2においてフラップ3の回転穴9に対応する箇所に固定することができる。ドア枠2には、ガイド棒4の設置場所に適合する予め穴を開けておき、ガイド棒4を勘合して設置することができる。
【0021】
ドア枠2およびフラップ3は、グラビティヒンジ5を介して接続される。グラビティヒンジ5は、任意のタイプのグラビティヒンジを使用することができる。グラビティヒンジ5は、たとえば
図3に示すように、上コマ51および下コマ52で構成され、それぞれの中央に開けられた穴にガイド棒4が設置される。グラビティヒンジ5は、静止位置において上コマ51と下コマ52が
図3の中央に示す状態に位置し、一本の円柱の形状となる。上コマ51に水平方向に力を加えて回転すると、
図3の左に示すように上コマ51がせり上がる。力を除くと、上コマ51が重力によって元の静止位置に戻って静止する。グラビティヒンジ5は、任意の材質であることができる。たとえば、グラビティヒンジ5は、ポリカーボネートなどの熱可塑性プラスチックおよび鉄などの金属であることができる。
【0022】
本発明のペット用ドア1において、上コマ51は、フラップ3の回転穴9の下端に固定される。一方、下コマ52は、ドア枠2の下端に固定されたガイド棒4の位置に固定される。下コマ52の中央に開けられた穴にガイド棒4を通して固定される。また、上コマ51および下コマ52は、
図2に示すようにフラップ3が閉位置においてドア枠内に静止する向きに固定する。
【0023】
また、上記のように、グラビティヒンジ5は、上コマ51にかかる力によって静止位置に回転する。このとき、上コマ51にかかる力が小さいと、上コマ51を回転させるほどの力が働かない。したがって、上コマ51を固定したフラップ3が軽い場合、フラップ3が自動的に閉位置に戻らない。しかし、本発明のペット用ドア1は、ドア枠2の上端に設置された付勢手段を有することにより、かかる問題が解消される。
【0024】
フラップ3は、ドア枠2の上端に設置された付勢手段によって付勢される。フラップ3は、任意の手段によって、たとえば弾性体によって付勢することができる。たとえば、フラップ3は、
図2に示すようにバネ7によって付勢することができる。バネ7は、任意の手段によって設置することができ、たとえばドア枠2の上端に設置されたガイド棒4に通して設置することができる。バネ7は、たとえば
図4に示すように、滑りブッシュ8を使用して固定することができる。
図2に示すように、滑りブッシュ8をフラップ3の回転穴9およびドア枠2の上端に固定して、その間にバネ7を設置する。付勢手段は、所望の力でフラップ3の上端を付勢するように調整することができる。たとえば、フラップ3が軽い場合、フラップの自重だけでは上コマ51を回転させることができない。一方、フラップ3は、子猫や子犬などの非力なペットでも押し開けることができるように、軽い力で押せることが望まれる。したがって、付勢手段は、両者を勘案して力を調整することができる。たとえば、付勢手段は、数グラム~数百グラム、たとえば1グラム~200グラム、5グラム~100グラム、10グラム~50グラムの必要な押下圧力を付勢するように調整することができる。付勢手段としてバネ7を使用する場合、バネの強さ、太さ、長さおよび材質等を調整することによって所望の弾性力を得ることができる。また、付勢手段は、グラビティヒンジが回転するためのきっかけを与えるための最低限の力を加えるだけでよいため、非常に弱い力をフラップに対して付勢するだけでよい。
【0025】
本発明のペット用ドア1において、ドア枠2およびフラップ3は、任意の材料で製造することができる。たとえば、ドア枠2は、ABS等の樹脂で製造することができる。たとえば、フラップ3は、ポリカーボネートなどの透明かつ堅い材料で製造することができる。また、ドア枠2は、任意の構造であることができる。たとえば、ドア枠2は、フロントパネル21およびリアパネル22から構成することができる。フロントパネル21を家屋等の設置箇所に開けた角穴の一方の側、たとえば屋外側から、リアパネル22を家屋の他方の側、たとえば屋内側から勘合することにより一体として形成することができる。ペット用ドア1を設置する家屋において、設置するために扉や隔壁等に施行した角穴に対して、屋外からフロントパネル21をはめ込む場合、屋内側からリアパネル22をはめ込み、両者を固定ねじなどで家屋に固定することによりドア枠2を形成することができる。また、滑りブッシュ8は、その内径をガイド棒4の外径に合わせて、フラップがスムーズに動作するサイズにすればよく、任意の材料を使用することができる。
【0026】
また、本発明のペット用ドア1は、フラップ3の閉位置において開かないようにするためのロック機構を有していてもよい。ロック機構は、任意のタイプの鍵などを使用することができる。ロック機構を有することにより、ペットが通行できなくすることができる。ロック機構は、市販の種々のロックを取り付けて施錠するタイプであることができるが、簡易な止め具であることもできる。
【0027】
図6および
図7は、ペット用ドア1の動作態様を示す図である。
図6は、フロントパネル21およびリアパネル22で形成されたドア枠2にフラップ3を設置した箇所の上面からの模式図である。また、
図7は、ドア枠2にフラップ3を設置した箇所の側面からの模式図である。
図6および
図7において、左図は、フラップがドア枠2内に収まった閉位置の状態を示し、右図は、フラップが90°開いた状態を示す。
図6左に示すように、フラップ3がドア枠2に収まっている閉位置では、グラビティヒンジ5は、静止位置にある(
図7左)。また、
図7左に示すように、バネ7は伸びた状態で、フラップ3に付勢される力は弱い。一方、
図6右は、フラップ3を押して回転させた場合を示すが、このときグラビティヒンジ5上コマ51と下コマ52がずれた状態にある(
図7右)。
図7右に示すように、バネ7は縮められた状態となり、フラップ3に付勢される力が強くなる。これにより、フラップ3の自重に加えてバネの弾性力によって、フラップ3が回転しやすくなる。
【0028】
本発明のペット用ドア1は、以下のように製造することができる。フロントパネル21の上下のガイド棒4の設置箇所には、ガイド棒4を取り付けるための取り付け穴が設けられている。まず、ガイド棒4に下コマ52に差し込み、フロントパネル21の下部の取付穴へガイド棒4を勘合させる。次いで、フロントパネル21の下端からガイド棒4をねじ止めする。予め上コマ52は、フラップ3に固定しておく。一方、フロントパネル21の上部に取り付けるガイド棒4をフラップ4に固定した上コマ52に上から差し込む。フラップ3の上部の中空の回転穴へ滑りブッシュ8およびスプリング7を組み込む。次いで、フロントパネル21の上部の取付穴に上ガイド棒4を上から差し込み、ねじによってガイド棒4を上端から固定する。これにより、ペット用ドア1のフロントパネル21にグラビティヒンジ5を介してフラップ3を組み込むことができる。
【0029】
本発明のペット用ドア1は、以下のように組み付けることができる。まず、ペット用ドア1を取り付けるための扉または壁などの対象物に対して、ペット用ドア1似合わせた寸法の角穴を開ける。次いで、リアパネル22を角穴へ嵌め込み、ねじで対象物に固定する。次いで、予めフラップ3を組み込んだフロントパネル21をリアパネル22を嵌め込んだ角穴へ差し込む。最後に、フロントパネル21およびリアパネル22をねじで対象物へ固定する。
【0030】
本発明のペット用ドアによれば、非常に軽いフラップを使用してもグラビティヒンジを静止位置に回転させることができる。したがって、子猫や子犬などの非力なペットであっても、フラップを容易に押し開けることができ、かつ通過後に閉位置に閉じることができる。
【実施例0031】
以下、本発明のペット用ドア1の一例を示す。
【0032】
図1に示したペット用ドアは、
図2に示したようにグラビティヒンジおよびバネを備えたペット用ドアである。フロントパネルおよびリアパネルは、ABS樹脂を図面に示した形状に成形した。フロントパネルのサイズは、縦29cm、横26cm、厚さ2.5cmであり、およびリアパネルのサイズは、フロントパネルよりも一回り大きく作製した。フラップは、ポリカーボネートを
図6に示した形状でドア枠内に収まるサイズに成形し、縦22cm、横20cm、厚さ0.2cmであった。また、フラップの重量は、150gグラムであった。
【0033】
ドア枠の左右の一端には、その上端および下端にガイド棒を固定する穴を開けた。さらに、ドア枠の下端には、ガイド棒が貫通するようにグラビティヒンジの下コマを固定した。
【0034】
一方、フラップは、その回転穴の下端にグラビティヒンジの上コマを固定した。グラビティヒンジの上コマおよび下コマは、その静止位置がドアの閉位置となる向きに固定した。また、フラップは、その回転穴の上端に滑りブッシュを固定し、ドア枠にも滑りブッシュを固定した。
【0035】
上端に固定したガイド棒にバネを挿入し、滑りブッシュ間で伸縮可能にさせた。一方、下端に固定したガイド棒には、グラビティヒンジの下コマの上にグラビティヒンジの上コマを挿入した。これにより、フラップは、水平方向に回転させることができる。使用したグラビティヒンジは、本稿案の特性に合わせて自社製を使用した。グラビティヒンジの材質は、ポリカーボネートである。また、グラビティヒンジの上コマは、直径16mm、長い箇所の高さ23mm、短い箇所の高さ13mmである。グラビティヒンジの下コマは、直径16mm、長い箇所の高さ20mm、短い箇所の高さ9mmである。
【0036】
フロントパネルの枠内の上下端にガイド棒を設置し、および下端にグラビティヒンジを固定して、上端に滑りブッシュを設置した。バネを上端のガイド棒を通してフラップの回転穴に入れてドア枠を設置した。家屋のドアに施行した角穴に対して、片側からフロントパネルをはめ込み、他方の側からリアパネルをはめ込み、両者を家屋のドアに固定することによりドア枠を形成した。
【0037】
ペット用ドアにおいて、バネを有さない場合は、フラップが非常に軽量であるため押し開けた後に閉位置に戻らないことがあるが、作成したペット用ドアは、バネの付勢によりゆっくりとフラップが閉位置に戻った。一方、作成したペット用ドアは、押し開ける際に余分な力を必要とするわけではなく、バネを有さないペット用ドアと同じ力でフラップを押し上げることができた。子猫や子犬などの非力なペットであっても容易にフラップを押し開けることができることがわかった。また、付勢される力は、単にグラビティヒンジを始動させるために必要なわずかな力だけであるため、急激に上コマを回転させるわけではなく、ゆっくりとフラップが戻ることが確認できた。