(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081080
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20220524BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20220524BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20220524BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20220524BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20220524BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/64
A61K8/25
A61K8/36
A61K8/06
A61Q1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192391
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】591057522
【氏名又は名称】旭化成ファインケム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】星野 雄大
(72)【発明者】
【氏名】関口 範夫
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB292
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC251
4C083AC261
4C083AC271
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC392
4C083AC482
4C083AC661
4C083AC662
4C083AD352
4C083AD411
4C083AD412
4C083BB23
4C083BB60
4C083CC01
4C083CC12
4C083DD33
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】無機粉体の分散性に優れた組成物の提供。
【解決手段】<成分A>ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムに代表される、特定のアシル基含有アミノ酸誘導体、<成分B>疎水性無機粉体、<成分C>式R3-COOM4(R3は飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝状の炭素数7~23の炭化水素基;M4はH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸又はコリン)で表される脂肪酸又はその塩、並びに<成分D>ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイト及びヘクトライトからなる群から選ばれる一種以上の水膨潤性粘土鉱物、を含む組成物。前記組成物は水中油型であることが好ましく、リキッドファンデーション等の化粧料に用いることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の成分A~Dを含む組成物
・成分A:
一般式(1)で表されるアシル基含有アミノ酸誘導体
【化1】
(式中、
R
1及びR
2は、各々独立に、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝状の炭素数7~23の炭化水素基であり、
M
1、M
2及びM
3は、各々独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸又はコリンであり、
n
1及びn
2は、0及び2であるか、又は2及び0であり、
n
3及びn
4は、0及び2であるか、又は2及び0である)、
・成分B:
疎水性無機粉体、
・成分C:
一般式(2)で表される脂肪酸又はその塩
R
3-COOM
4 (2)
(式中、
R
3は、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝状の炭素数7~23の炭化水素基であり、
M
4は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸又はコリンである)、
・成分D:
ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイト及びヘクトライトからなる群から選ばれる一種以上の水膨潤性粘土鉱物。
【請求項2】
水を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記水の量が、前記組成物の質量を基準として、50質量%以上である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
成分Eとして、水溶性増粘剤を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記成分Aの前記成分Bに対する質量比(成分A/成分B)が、0.001~0.1である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記成分Dの前記成分Eに対する質量比(成分D/成分E)が、0.01~10である、請求項4又は5に記載の組成物。
【請求項7】
前記成分Cの量が、前記組成物の質量を基準として、0.5~10質量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
水中油型の組成物である、請求項2~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が化粧料である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
L-リジンとN-ラウロイル-L-グルタミン酸との反応によって得られるアシル基含有アミノ酸誘導体は、化粧料の原料として使用されており、様々効果を発揮することが知られている。例えば、特許文献1は、前記アミノ酸誘導体で被覆された被覆顔料が、しっとり感及び付着性に優れることを開示している。特許文献2は、前記アミノ酸誘導体を含む化粧料が、肌のバリア機能、水分保持能等に優れることを開示している。特許文献3は、前記アミノ酸誘導体を含む化粧料が、撥水性及び使用感に優れることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-139145号公報
【特許文献2】特開2010-90095号公報
【特許文献3】特開2015-78243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、無機粉体の分散性に優れた組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等が鋭意検討した結果、アシル基含有アミノ酸誘導体、疎水性無機粉体、脂肪酸及び水膨潤性粘土鉱物を組み合わせることによって、無機粉体の分散性に優れた組成物を提供できることを見出した。
【0006】
本発明は以下の実施形態を含む。
[1]
下記の成分A~Dを含む組成物
・成分A:
一般式(1)で表されるアシル基含有アミノ酸誘導体
【化1】
(式中、
R
1及びR
2は、各々独立に、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝状の炭素数7~23の炭化水素基であり、
M
1、M
2及びM
3は、各々独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸又はコリンであり、
n
1及びn
2は、0及び2であるか、又は2及び0であり、
n
3及びn
4は、0及び2であるか、又は2及び0である)、
・成分B:
疎水性無機粉体、
・成分C:
一般式(2)で表される脂肪酸又はその塩
R
3-COOM
4 (2)
(式中、
R
3は、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝状の炭素数7~23の炭化水素基であり、
M
4は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸又はコリンである)、
・成分D:
ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイト及びヘクトライトからなる群から選ばれる一種以上の水膨潤性粘土鉱物。
[2]
水を更に含む、[1]に記載の組成物。
[3]
前記水の量が、前記組成物の質量を基準として、50質量%以上である、[2]に記載の組成物。
[4]
成分Eとして、水溶性増粘剤を更に含む、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]
前記成分Aの前記成分Bに対する質量比(成分A/成分B)が、0.001~0.1である、[1]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]
前記成分Dの前記成分Eに対する質量比(成分D/成分E)が、0.01~10である、[4]又は[5]に記載の組成物。
[7]
前記成分Cの量が、前記組成物の質量を基準として、0.5~10質量%である、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]
水中油型の組成物である、[2]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]
前記組成物が化粧料である、[1]~[8]のいずれかに記載の組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、無機粉体の分散性に優れた組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0009】
本発明の一実施形態は、アシル基含有アミノ酸誘導体(成分A)、疎水性無機粉体(成分B)、脂肪酸(成分C)及び水膨潤性粘土鉱物(成分D)を含む組成物に関する。成分A~Dを組み合わせることによって、無機粉体の分散性を向上させることができる。
【0010】
(成分A)
成分Aは、一般式(1)で表されるアシル基含有アミノ酸誘導体である。
【化2】
(式中、
R
1及びR
2は、各々独立に、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝状の炭素数7~23の炭化水素基であり、
M
1、M
2及びM
3は、各々独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸又はコリンであり、
n
1及びn
2は、0及び2であるか、又は2及び0であり、
n
3及びn
4は、0及び2であるか、又は2及び0である)
【0011】
成分Aを使用することにより、無機粉体の分散性及び組成物の安定性を向上させることができる。成分Aは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0012】
一般式(1)におけるR1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数9の炭化水素基、炭素数11の炭化水素基、炭素数13の炭化水素基、炭素数15の炭化水素基、炭素数17の炭化水素基、炭素数19の炭化水素基、炭素数21の炭化水素基等としてもよい。R1-C(=O)-構造及びR2-C(=O)-構造としては、それぞれ独立して、カプロイル基、ウンデリレノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、イソミリストイル基、パルミトイル基、イソパルミトイル基、ステアロイル基、イソステアロイル基、オレイル基、リノーリル基、リノレイル基、アラキジル基、ベヘニル基等を挙げることができる。パーム油、パーム核油、ヤシ油等に由来する組成物の混合炭化水素基であってもよい。経済的観点からは、R1-C(=O)-構造及びR2-C(=O)-構造を、ラウロイル基及び/又はミリストイル基とすることが好ましい。
【0013】
一般式(1)におけるCOOM1、COOM2及びCOOM3は、全て遊離カルボン酸でもよいし、全てカルボン酸塩でもよいし、遊離カルボン酸とカルボン酸塩との組み合わせでもよい。
【0014】
一般式(1)におけるカルボン酸塩(COOM1、COOM2及びCOOM3)としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、アルキルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩等のアミン塩(有機又は無機アンモニウム塩);リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩、及びコリン塩を挙げることができる。性能及び入手容易性の観点からは、ナトリウム塩、カリウム塩及びトリエタノールアミン塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
【0015】
成分Aの含有量は、組成物の質量を基準として、好ましくは0.001~5質量%であり、より好ましくは0.05~3質量%であり、更に好ましくは0.01~1.5質量%である。
【0016】
成分Aは、特開2005-139145号公報、特開2010-90095号公報等に記載の方法を参考にして合成することができる。
【0017】
(成分B)
成分Bは、疎水性無機粉体である。疎水性無機粉体は、水中油型エマルジョンにおいて油層中に存在できる程度の疎水性を有していればよい。疎水性無機粉体は、本来的に疎水性の性質を有する無機粉体であってもよいし、疎水性処理によって疎水性の性質を獲得した無機粉体であってもよい。本明細書において「疎水性処理」とは、無機粉体の表面の一部又は全部を疎水性成分で処理することにより、処理前の無機粉体よりも疎水性(親油性)を高くすることを意味する。
【0018】
無機粉体としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、タルク、マイカ、グンジョウ、白雲母、及び合成雲母等の無機顔料を挙げることができる。無機粉体に対する疎水性処理としては、既存の方法を採用することができる。例えば、疎水性処理として、フッ素化合物処理(パーフルオロアルキルリン酸エステル処理、パーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理等)、シリコーン処理(メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理等)、シリコーン樹脂処理(トリメチルシロキシケイ酸処理等)、ペンダント処理(気相法シリコーン処理後にアルキル鎖等を付加する方法)、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、アルミニウムカップリング剤処理、シラン処理(アルキル化シランやアルキル化シラザン処理等)、油剤処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理(ステアリン酸塩やミリスチン酸塩処理等)、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理等を挙げることができる。成分Bは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0019】
成分Bの含有量は、組成物の質量を基準として、好ましくは0.1~50質量%であり、より好ましくは1~30質量%であり、更に好ましくは5~20質量%である。
【0020】
(成分C)
成分Cは、一般式(2)で表される脂肪酸又はその塩である。
R3-COOM4 (2)
(式中、
R3は、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝状の炭素数7~23の炭化水素基であり、
M4は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸又はコリンである)
【0021】
成分Cを使用することにより、無機粉体の分散性及び組成物の安定性を向上させることができる。成分Cは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0022】
一般式(2)におけるR3は、炭素数8の炭化水素基、炭素数10の炭化水素基、炭素数12の炭化水素基、炭素数14の炭化水素基、炭素数16の炭化水素基、炭素数18の炭化水素基、炭素数20の炭化水素基等としてもよい。一般式(2)で表される脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リシノレン酸、ウンデシレン酸、トール酸、アラギジン酸、リノレン酸、及びベヘニン酸を挙げることができる。特に限定するものではないが、パルミチン酸及び/又はステアリン酸であることが好ましい。
【0023】
一般式(2)で表される脂肪酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、アルキルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩等のアミン塩(有機又は無機アンモニウム塩);リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩、コリン塩等を挙げることができる。ナトリウム塩、カリウム塩及びトリエタノールアミン塩が好ましく、カリウム塩がより好ましい。
【0024】
成分Cの含有量は、組成物の質量を基準として、好ましくは0.5~10質量%であり、より好ましくは0.7~5質量%であり、更に好ましくは1~3質量%である。
【0025】
(成分D)
成分Dは、ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイト及びヘクトライトからなる群から選ばれる一種以上の水膨潤性粘土鉱物である。
【0026】
成分Dを使用することにより、無機粉体の分散性及び組成物の安定性を向上させることができる。成分Dは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0027】
成分Dの含有量は、組成物の質量を基準として、好ましくは0.01~20質量%であり、より好ましくは0.05~10質量%であり、更に好ましくは0.1~6質量%である。
【0028】
(成分E)
本実施形態に係る組成物は、水溶性増粘剤(成分E)を更に含んでいてもよい。成分Eを使用することにより、組成物の粘度を上げて、無機粉体の沈降を抑制することができる。
【0029】
成分Eとしては、例えば、キサンタンガム、寒天、アガロース、アルギン、アルギン酸、アカシアガム、アミロペクチン、キチン、デキストラン、カッシアガム、セルロースガム、ゼラチン、ジェランガム、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ペクチン、スクレロチウムガム、ペクチン、トレハロース、ゼラチン、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、カルシウムカラギーナン、カルニチン、カラギーナン、グアーガム、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム、ヒアルロン酸、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤゴム、ケルプ、イナゴマメゴム、豆ゴム、アルギン酸カリウム、カラギーナンカリウム、アルギン酸プロピレングリコール、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カラギーナンナトリウム、及びトラガカントガムを挙げることができる。成分Eは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
成分Eの含有量は、組成物の質量を基準として、好ましくは0.01~10質量%であり、より好ましくは0.03~5質量%であり、更に好ましくは0.05~1質量%である。
【0031】
(溶媒)
本実施形態に係る組成物は、水相を構成する水、及び油相を構成する油(例えば、動物油、植物油及び合成油)を更に含んでいてもよい。水の含有量は、組成物の質量を基準として、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは55~75質量%であり、更に好ましくは60~70質量%である。
【0032】
(その他の成分)
本実施形態に係る組成物は、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、組成物の用途に応じて適宜選択すればよい。
【0033】
(組成物)
本実施形態に係る組成物において、成分Aの成分Bに対する質量比(成分A/成分B)は、好ましくは0.001~0.15であり、より好ましくは0.005~0.1であり、更に好ましくは0.005~0.05である。
【0034】
本実施形態に係る組成物において、成分Dの成分Eに対する質量比(成分D/成分E)は、好ましくは0.01~10であり、より好ましくは0.05~2.5であり、更に好ましくは0.05~0.25である。
【0035】
本実施形態に係る組成物は、水中油型の組成物であることが好ましい。本実施形態に係る組成物は、化粧料であることが好ましい。本実施形態に係る組成物は、水中油型の化粧料であることが好ましい。
【0036】
本実施形態に係る組成物の具体例としては、例えば、ファンデーション、コンシーラー、頬紅、口紅、アイカラー、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、チーク、リップクリーム及びサンスクリーン剤を挙げることができる。これらは水中油型の形態であることが好ましい。
【実施例0037】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
【0038】
[水中油型組成物の調製]
表1~表3に示す組成を有する水中油型組成物(リキッドファンデーション)を調製した。具体的な調製方法は以下のとおりである。
(1)混合物(II)の調製
1,3-ブチレングリコールにメチルパラベンを添加し、50℃以下で溶解し、フェノキシエタノールを添加し、溶解した。更にキサンタンガム及びベントナイトを添加し、湿潤させた。その後、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを加え、攪拌混合して混合物(II)を得た。
(2)混合物(III)の調製
顔料としての、それぞれ疎水性処理した酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化鉄(黄)、酸化鉄(赤)及び酸化鉄(黒)を秤量し、小型粉砕機で粉砕して混合物(III)を得た。
(3)混合物(V)の調製
混合物(II)をディスパー処理しながら混合物(III)を添加した。混合物(III)が全て添加された後、均一に混合されたスラリーが得られるまで引き続きディスパー処理を行い、混合物(V)を得た。
(4)混合物(I)の調製
イオン交換水に、ヘキサメタリン酸ナトリウム及び水酸化カリウムを順次添加し、室温で攪拌溶解して混合物(I)を得た。
(5)混合物(VI)の調製
混合物(V)をディスパー処理しながら混合物(I)を徐々に添加し、70℃に加熱溶解して、水相部としての混合物(VI)を得た。
(6)混合物(IV)の調製
ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、バチルアルコール、ワセリン、エチルヘキサン酸セチル、スクワラン、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル及びオクチルメトキシシンナメートを秤量し、70℃に加熱溶解して、油相部としての混合物(IV)を得た。
(7)水中油型組成物の調製
水相部としての混合物(VI)に油相部としての混合物(IV)を70℃で添加し、ホモミキサーで乳化した。これを35℃まで冷却し、水中油型組成物を得た。
【0039】
[顔料分散性評価]
調製した水中油型組成物に含まれる顔料の分散性を評価した。マイクロスコープ(1000倍)で観察し、水中油型組成物50μg中の1μm以上の粒子の数を測定した。結果を表1~表3に示す。
(評価基準)
A:0個
B:1~5個
C:6個以上
【0040】
[安定性評価]
調製した水中油型組成物について、50℃で30日間保存した際の外観を評価した。結果を表1~表3に示す。
(評価基準)
A:粉体・油性成分の分離及び状態の変化は認められない。
B:粉体・油性成分の分離は認められないが、状態にやや変化が認められる。
C:粉体・油性成分の分離が認められる。
【0041】
[使用感]
調製した水中油型組成物(リキッドファンデーション)について、女性パネラー10名による使用感の評価を行った。使用感が悪い(0点)から使用感が良い(5点)までの5段階で評価し、10名の平均点を評価結果とした。結果を表1~表3に示す。
【0042】
[撥水性]
調製した水中油型組成物をガラス板状に塗布し、乾燥後に水を滴下して接触角の測定をした。結果を表1~表3に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【0043】
表1~表3の結果から、成分A~Dを全て含有することによって、顔料の分散性に優れることが確認された。