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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081125
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20220524BHJP
   D06F 33/37 20200101ALI20220524BHJP
【FI】
D06F39/02
D06F33/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192472
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 大輔
【テーマコード(参考)】
3B166
3B167
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AA04
3B166AE01
3B166AE02
3B166AE05
3B166BA48
3B166CA01
3B166CB01
3B166CB11
3B166CB13
3B166DC44
3B166DC45
3B166DC47
3B166DE02
3B166DE04
3B166FB01
3B166FB02
3B166GA02
3B166GA06
3B166GA12
3B166GA22
3B166GA46
3B166HA11
3B166HA31
3B166JM02
3B166JM03
3B167AA01
3B167AA04
3B167AE01
3B167AE02
3B167AE05
3B167BA48
3B167FB01
3B167FB02
3B167HA11
3B167HA31
3B167JA01
3B167KA61
3B167KB02
3B167LC05
3B167LC09
3B167LD01
(57)【要約】
【課題】洗濯処理剤について液体洗剤か粉末洗剤かを問わず水槽内に自動で投入することができる洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯機において、液体洗剤タンク及び粉末洗剤タンクを装着可能なタンク装着部と、駆動手段として前記液体洗剤タンク内の液体洗剤を水槽へ投入するために駆動される第1駆動装置、及び前記粉末洗剤タンク内の粉末洗剤を水槽へ投入するために駆動される第2駆動装置と、を備え、前記タンク装着部において前記液体洗剤タンク及び前記粉末洗剤タンクのうち少なくとも一方のタンクが装着されているときに、当該タンクに対応する前記第1駆動装置或いは前記第2駆動装置を駆動させることにより、前記所定量の液体洗剤或いは粉末洗剤を前記水槽内に自動で投入する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と、
洗濯運転に際して所定量の洗濯処理剤を水槽内に自動で投入する装置であって、複数回分の洗濯処理剤を貯留可能な処理剤タンク、及びその処理剤タンク内の洗濯処理剤を前記水槽へ投入するために駆動される駆動手段を有する自動投入装置と、を備えた洗濯機であって、
前記洗濯処理剤として液体状の液体洗剤及び粉末状の粉末洗剤を別々に貯留する、別個の前記処理剤タンクとしての液体洗剤タンク及び粉末洗剤タンクと、
前記液体洗剤タンク及び前記粉末洗剤タンクを装着可能なタンク装着部と、
前記駆動手段として前記液体洗剤タンク内の液体洗剤を前記水槽へ投入するために駆動される第1駆動装置、及び前記粉末洗剤タンク内の粉末洗剤を前記水槽へ投入するために駆動される第2駆動装置と、を備え、
前記タンク装着部において前記液体洗剤タンク及び前記粉末洗剤タンクのうち少なくとも一方のタンクが装着されているときに、当該タンクに対応する前記第1駆動装置或いは前記第2駆動装置を駆動させることにより、前記所定量の液体洗剤或いは粉末洗剤を前記水槽内に自動で投入する洗濯機。
【請求項2】
前記タンク装着部は、前記液体洗剤タンクと前記粉末洗剤タンクとを選択的に装着可能な、タンク一つ分の装着部である請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
給水源に接続され、前記水槽へ給水するための給水経路と、
前記タンク装着部において、装着された前記粉末洗剤タンクの吐出口となる粉末洗剤吐出口であって、前記第2駆動装置の駆動により当該粉末洗剤タンク内の粉末洗剤を前記給水経路へ吐出する粉末洗剤吐出口と、を備え、
前記給水経路は、その途中部が前記タンク装着部の下側を経由し且つ前記粉末洗剤吐出口に連通接続されている請求項1または2記載の洗濯機。
【請求項4】
給水源に接続され、前記水槽へ給水するための給水経路と、
前記タンク装着部において、装着された前記液体洗剤タンクの吐出口となる液体洗剤吐出口であって前記第1駆動装置の駆動により当該液体洗剤タンク内の液体洗剤を前記給水経路へ吐出する液体洗剤吐出口、及び装着された前記粉末洗剤タンクの吐出口となる粉末洗剤吐出口であって前記第2駆動装置の駆動により当該粉末洗剤タンク内の粉末洗剤を前記給水経路へ吐出する粉末洗剤吐出口と、を備え、
前記給水経路は、その途中部において前記液体洗剤吐出口及び前記粉末洗剤吐出口に夫々連通接続されることにより、当該液体洗剤吐出口及び当該粉末洗剤吐出口から夫々供給される液体洗剤及び粉末洗剤に共用の供給部を有する請求項1または2記載の洗濯機。
【請求項5】
前記粉末洗剤タンクには、前記第2駆動装置が設けられている請求項1から4の何れか一項記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ユーザの利便性向上のために、洗濯処理剤を自動投入用のタンクに予め複数回分貯留しておき、洗濯運転時に必要量をタンクから水槽へ自動的に投入する自動投入装置を備えた洗濯機が開発されている。
この種の洗濯機において、自動投入装置は、例えば液体洗剤といった一の種類の洗濯処理剤に対応しており、係る液体洗剤を予めタンクに貯留しておくことで自動的に投入することができるが、粉末洗剤を用いる場合には、これを所定量、ユーザが計量カップ等で測った1回分を手動で投入する必要がある。
【0003】
即ち、自動投入装置では、水槽に接続される給水経路へタンク内の液体洗剤をポンプで吸引して送出するようになっており、係るポンプで粉末洗剤を送出することができない。このため、洗濯機において、液体洗剤の自動投入装置があっても、粉末洗剤の手動用の投入ケースを付設しており、粉末洗剤を使用するときには洗濯の都度、1回分の粉末洗剤を測って手動で投入ケースに投入せざるをえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-74823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、洗濯処理剤について液体洗剤か粉末洗剤かを問わず水槽内に自動で投入することができる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の洗濯機は、水槽と、洗濯運転に際して所定量の洗濯処理剤を水槽内に自動で投入する装置であって、複数回分の洗濯処理剤を貯留可能な処理剤タンク、及びその処理剤タンク内の洗濯処理剤を前記水槽へ投入するために駆動される駆動手段を有する自動投入装置と、を備えたものであり、前記洗濯処理剤として液体状の液体洗剤及び粉末状の粉末洗剤を別々に貯留する、別個の前記処理剤タンクとしての液体洗剤タンク及び粉末洗剤タンクと、前記液体洗剤タンク及び前記粉末洗剤タンクを装着可能なタンク装着部と、前記駆動手段として前記液体洗剤タンク内の液体洗剤を前記水槽へ投入するために駆動される第1駆動装置、及び前記粉末洗剤タンク内の粉末洗剤を前記水槽へ投入するために駆動される第2駆動装置と、を備え、前記タンク装着部において前記液体洗剤タンク及び前記粉末洗剤タンクのうち少なくとも一方のタンクが装着されているときに、当該タンクに対応する前記第1駆動装置或いは前記第2駆動装置を駆動させることにより、前記所定量の液体洗剤或いは粉末洗剤を前記水槽内に自動で投入する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態を示す洗濯機の外観斜視図
図2】洗濯機の内部構造を説明するための縦断側面図
図3】自動投入装置の構成を示す模式的な側面図
図4】粉末洗剤タンクを装着した状態で示す自動投入装置の模式的な側面図
図5】液体洗剤タンクを装着した状態で示す自動投入装置の模式的な側面図
図6】電気的構成を示すブロック図
図7】第2実施形態の粉末洗剤タンクを装着した状態で示す自動投入装置の模式的な側面図
図8】第3実施形態の自動投入装置の周辺の構成を示す模式的な側面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を具体化した複数の実施形態について、図面に基づき説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付す等して説明を省略する。
<第1実施形態>
第1実施形態について図1図6を参照しながら説明する。本実施形態の洗濯機1は、洗濯物たる衣類に対する所定の処理、この場合少なくとも、洗い処理、すすぎ処理、及び脱水処理を含む洗濯運転の実行が可能な洗濯機を例とする。また、図1図2に示すように、洗濯機1は、回転槽5の回転中心軸が水平方向に延び或は水平方向に対して傾斜する方向に延びる、所謂横軸型のドラム式洗濯機とする。
【0009】
洗濯機1において、その外郭を構成する外箱2は矩形箱状をなしている。外箱2の前面部2aは、やや前下がりの傾斜状に形成されており、この前面部2aには、洗濯物出入口3aを開閉する扉3が設けられている。
図1に示す外箱2の上面の前側部分には、操作パネル4が設けられている。操作パネル4について、詳しい図示は省略するが、電源スイッチや、スタートキー、洗濯運転のコースの設定等を行うための設定キー等、各種操作キー等が設けられている。
【0010】
図1図2に示すように、外箱2の内部には、前記回転槽5と、この回転槽5を収容する水槽6とが設けられている。回転槽5は、内部に洗濯物を収容することが可能な有底円筒状をなすドラムであり、その内周面には、洗濯物をかき上げるための周知のバッフル5aが設けられている。水槽6は、水を溜めることが可能な有底円筒状をなす槽であり、図示しないサスペンションによって弾性的に支持されている。
【0011】
水槽6の背面側には、例えばDCブラシレスモータからなる洗濯機モータ7が設けられている。洗濯機モータ7の回転軸は、水槽6の背面を貫通して回転槽5の背面に連結されており、回転槽5は、洗濯機モータ7により直接回転駆動される。
【0012】
図2に示すように、洗濯機1は、水槽6内に水を供給するための給水経路9を含む給水装置10、及び水槽6内の水を機外に排水するための排水経路11を含む排水装置12を備えている。このうち、排水装置12は、水槽6の底部から機外に延びる排水経路11の途中に、排水弁12aなどを備えた構成となっている。給水装置10は、給水経路9の途中に、給水弁13や注水ケース14などを備えた構成となっており、図3は、係る給水装置10を含む構成を模式的に示している。
【0013】
具体的には、給水装置10は例えば、外箱2内における水槽6上方の左隅側に位置して設けられ、図1図3に示すようにホース接続口9a、給水弁13、注水ケース14、給水ホース15を備える。
【0014】
このうち、図示しない外部の給水源(例えば水道)に接続されるホース接続口9aは、給水弁13に接続され、この給水弁13は、注水ケース14の入口部16bに接続されている(図2図3参照)。注水ケース14の出口部16cは、給水ホース15を介して水槽6に接続されている。給水弁13は、後述する制御装置38により駆動制御される(図6参照)。こうして、給水装置10では、給水弁13の動作により、ホース接続口9aから給水弁13、給水ケース14、給水ホース15を介して水槽6に至る、給水経路9を開閉する。
【0015】
図3に示す注水ケース14は、例えば合成樹脂製のものであり、そのケース本体16の上部に、タンク収容部22を一体的に有する。ケース本体16は、前後方向に延びる容器状をなしており、入口部16bのある上側の空間と、出口部16cのある下側の空間とを隔壁16aにより仕切っている。
【0016】
詳しい図示は省略するが、隔壁16aには、ケース本体16において上側の空間から下側の空間へ水を流下させるための複数の孔が形成されている。これにより、ケース本体16内の上側の空間は、後方の入口部16bから流入する水が前方へ向かう給水経路9bとされ(矢印W1参照)、ケース本体16内の下側の空間は、上側の給水経路9bから水が注がれて、後方の出口部16cへ向かう給水経路9cとされている(矢印W2,W3参照)。
ケース本体16内の給水経路9cは、前記ホース接続口9aから水槽6に至る給水経路9の途中部にあって、以下に説明する自動投入装置20から洗濯処理剤が供給されることから「供給部9c」とも称する。
【0017】
自動投入装置20は、予め複数回分の洗濯処理剤を貯留しておき、複数回の洗濯運転にわたって所定量の洗濯処理剤を自動で水槽6内に供給する装置である。図1に示すように、自動投入装置20は、複数種類の洗濯処理剤を別々に貯留するための複数の処理剤タンク21、前記タンク収容部22、駆動装置23(図6参照)などを備えている。
【0018】
複数の処理剤タンク21は、例えば何れも合成樹脂で形成されており、前後方向又は左右方向に長い容器状をなしている。また、複数の処理剤タンク21は、複数回の運転で使用する洗濯処理剤を貯留するために、例えば何れも数百mL~2L程度の容量を有する。
【0019】
本実施形態において、これら処理剤タンク21は例えば、洗濯処理剤として液体状の液体洗剤、粉末状の粉末洗剤、及び液体状の柔軟仕上げ剤を別々に貯留する3つのタンク21で構成されることから、「液体洗剤タンク21L」、「粉末洗剤タンク21P」、及び「柔軟剤タンク21S」とも称し、相互に区別する。つまり、液体洗剤は液体洗剤タンク21Lに貯留され、粉末洗剤は粉末洗剤タンク21Pに貯留され、柔軟仕上げ剤は柔軟剤タンク21Sに貯留されるものとする。
【0020】
なお、一般的な洗濯運転においては、液体洗剤や粉末洗剤の消費量が柔軟仕上げ剤の消費量よりも多いことから、液体洗剤タンク21L及び粉末洗剤タンク21Pは夫々、柔軟剤タンク21Sに比して容量を大きくしている(図1参照)。もっとも、それらタンク21L,21P,21Sは、相互に異なる容量とし、或いは全部同じ容量に設定してもよく、粉末洗剤タンク21Pにおいて、粉末洗剤を1kg程度貯留可能な容量に設定する等、適宜の容量に設定することができる。
また、詳しくは後述するように、液体洗剤タンク21L及び粉末洗剤タンク21Pは、上方が拡開した略四角錐台の容器状としているが、図1に示す柔軟剤タンク21Sの如く前後方向又は左右方向に長い略矩形の容器状としてもよい。
【0021】
図1に示すように、タンク収容部22は、例えば外箱2の上面左側の開口2bに臨む位置にあって、前記注水ケース14におけるケース本体16の上部に一体的に設けられている。タンク収容部22は、その上面が開口した矩形箱状をなしており、当該開口2bに合わさる矩形状のカバー22a(図1にのみ図示)を有する。カバー22aは、開口2bの後縁部に設けられた支持軸22bにより回動可能に軸支され、開口2bを開閉する。
【0022】
タンク収容部22は、複数の処理剤タンク21を並べて外箱2内部に収容することが可能な大きさに形成されている。
具体的には図1に例示する、タンク収容部22内における左側の領域は、柔軟剤タンク21Sを装着可能なタンク装着部22Sとされ、右側の領域は、液体洗剤タンク21L及び粉末洗剤タンク21Pを装着可能なタンク装着部22LPとされている。ここで、図3図5は、タンク装着部22LPの近傍における内部構造を説明するための模式図であり、図3に示す二点鎖線の部分に、液体洗剤タンク21Lと粉末洗剤タンク21Pとが選択的に装着されるものとする(図4図5参照)。
【0023】
即ち、タンク収容部22は、図1に示すように、左側の一のタンク装着部22Sと、右側の一のタンク装着部22LPと、のタンク二つ分の装着部で構成されている。右側の一のタンク装着部22LPは、液体洗剤タンク21L或いは粉末洗剤タンク21Pの一つ分の装着部である。これにより、カバー22aを開放した状態で、タンク装着部22Sに対して柔軟剤タンク21Sを着脱し、タンク装着部22LPに対して、液体洗剤タンク21L及び粉末洗剤タンク21Pを相互に入れ替えるようにして着脱することができる。
【0024】
自動投入装置20は、上記した各洗濯処理剤を水槽6へ夫々投入するために、駆動手段としてタンク21L,21P,21Sに対応した数の駆動装置23を備える。
これら駆動装置23は、液体洗剤タンク21L内の液体洗剤を水槽6へ投入するために駆動される投入ポンプ23Lを含む第1駆動装置(図3図5参照)と、粉末洗剤タンク21P内の粉末洗剤を水槽6へ投入するために駆動される投入モータ23Pを含む第2駆動装置(図3図4参照)と、柔軟剤タンク21S内の柔軟仕上げ剤を水槽6へ投入するために駆動される投入ポンプ23S(図6にのみ図示)を含む第3駆動装置と、からなる駆動手段で構成されている。
【0025】
投入ポンプ23L,23Sは、例えばモータやソレノイドなどのアクチュエータによってピストンを駆動することにより液体を吸引して送出する構成のポンプである。
このうち、図5に示す投入ポンプ23Lは、液体洗剤タンク21Lに連通接続される流入側の接続部25aと、ケース本体16の供給部9cに連通接続される流出側の接続部25bとを一体的に有する。接続部25a,25bは、パイプ状をなす液体洗剤吐出口25となっており、投入ポンプ23Lの駆動に伴い液体洗剤タンク21L内の液体洗剤を給水経路たる供給部9cへ吐出する。
【0026】
図5に示すように、投入ポンプ23Lは、例えばタンク収容部22における前壁22cの外側に設けられている。この場合、投入ポンプ23Lにおいて、液体洗剤吐出口25は、その接続部25aが略水平に延びて液体洗剤タンク21Lの下部に連通接続され、接続部25bが下方へ延びて供給部9cに連通接続されている。このように、投入ポンプ23Lと液体洗剤吐出口25は、液体洗剤タンク21Lの下部と同じ高さ、或いは、より低い位置に配置されていることから、投入ポンプ23Lに代えて、図示しない弁装置を用いた場合でも、第1駆動装置として機能させることができる。
また、ケース本体16において供給部9cは、タンク収容部22或いはタンク装着部22LPの直ぐ下側の近傍位置となるように形成されていることから、液体洗剤吐出口25の短縮化を伴うコンパクトな配置構成とすることができる。
【0027】
図示は省略するが、投入ポンプ23Sは、投入ポンプ23Lと同様の接続部を有する。この接続部は、柔軟剤タンク21Sに連通接続される流入側の接続部と、ケース本体16の供給部9cに連通接続される流出側の接続部と、で柔軟剤吐出口を構成する。これにより、柔軟剤吐出口は、投入ポンプ23Sの駆動に伴い、柔軟剤タンク21S内の柔軟仕上げ剤を供給部9cへ吐出する。なお、供給部9cは、左右に並ぶタンク装着部22S,22LPに対応して(図1参照)、夫々のタンク装着部22S,22LPの直ぐ下側の位置に形成されるものとする。
【0028】
一方、図4に示す投入モータ23Pは、例えばタンク収容部22における後壁22dの外側に設けられている。これにより、タンク装着部22LPには、後側の投入モータ23Pと前側の投入ポンプ23Lとがタンク収容部22を挟んで対向する配置とされている(図3参照)。投入モータ23Pの回転軸には、タンク収容部22を貫通し、粉末洗剤タンク21Pの底部側へ延びる接続部26が連結されている。
【0029】
また、図4に示すタンク収容部22の底壁22eには、タンク装着部22LPに装着された粉末洗剤タンク21Pの吐出口となる、粉末洗剤吐出口27が設けられている。粉末洗剤吐出口27は、タンク装着部22LPから下方向へ延びるパイプ状をなしており、タンク収容部22の底壁22eを貫通している。
粉末洗剤吐出口27は、その上端が粉末洗剤タンク21Pの底壁31eに連通接続され、下端がケース本体16の供給部9cに連通接続されている。粉末洗剤吐出口27は、投入モータ23Pにより後述の駆動体37が駆動されることに伴い、粉末洗剤タンク21P内の粉末洗剤を供給部9cへ吐出するようになっている。
【0030】
上記したように、液体洗剤タンク21Lと柔軟剤タンク21Sは、便宜上外形こそ異ならせているものの(図1参照)、何れも液体状の洗濯処理剤を扱うことから、夫々の駆動手段を含め同等の構成を採用している。一方、液体洗剤タンク21Lと粉末洗剤タンク21Pは、模式図として同じ外形で表わしているが、貯留する液体洗剤と粉末洗剤に夫々対応した構成を採用している。そこで、以下では液体洗剤タンク21L及び粉末洗剤タンク21Pを中心に説明する。
【0031】
図3図5に示すように、液体洗剤タンク21L及び粉末洗剤タンク21Pは、何れも上面開口30を有するタンク本体31と、上面開口30を覆うタンクカバー32と、の組み合わせで構成されている。
図3の二点鎖線で示すように、タンク本体31は、底壁31eと、周壁31b~31dとしての前壁31c、後壁31d、及び左右の側壁31bと、を有し、上記の如く全体として前後方向に長い逆錐台の外形をなしている。
【0032】
タンクカバー32は、前後方向に長い矩形板状に形成されおり、タンク本体31の上端に取付けられて上面開口30を閉塞する。この場合、液体洗剤タンク21Lにおいては、タンクカバー32の前部に、補給口とその蓋(何れも図示略)を設け、粉末洗剤タンク21Pにおいては、タンク本体31の上縁部にタンクカバー32のヒンジ(図示略)が設けられている。
【0033】
これにより、ユーザは、液体洗剤タンク21Lにおいてタンクカバー32の前記補給口の蓋を開いて液体洗剤を補給口から補給し、貯留させておくことができ、又、粉末洗剤タンク21Pにおいてタンクカバー32を開いて粉末洗剤を上面開口30から補給し、貯留させておくことができる。なお、各タンク21L,21Pにおいて、夫々のタンクカバー32に前記補給口と蓋を設け、或いは、夫々のタンク本体31に前記ヒンジを設けるようにしてもよい。
【0034】
ここで、図5に示すように、液体洗剤タンク21L内には、タンク本体31の前壁31c側に位置させて、投入ポンプ23Lの接続部25aに挿通されて接続される被接続部33が設けられている。図示は省略するが、被接続部33は、投入ポンプ23Lの接続部25aが挿通されることに伴い内部の弁口を開放する弁体と、その弁口を閉鎖する方向へ弁体を付勢する付勢部材と、からなる漏出防止弁を備える。
これにより、被接続部33に投入ポンプ23Lの接続部25aが挿通されていない場合、弁体により弁口を閉鎖した状態となって、液体洗剤タンク21L内の液体洗剤が外部へ漏れ出ることを防止する。一方、被接続部33に投入ポンプ23Lの接続部25aが挿通されている場合、弁体は弁口を開放した状態となって、投入ポンプ23Lにより、液体洗剤タンク21L内の液体洗剤を、被接続部33を介して、液体洗剤吐出口25から吐出させることが可能になる。
【0035】
また、液体洗剤タンク21L内には、フロート34が設けられている。フロート34は、タンクカバー32の下面の後部側に設けられた支持部35で揺動可能に支持されている。
これにより、フロート34は、液体洗剤タンク21L内において、液体洗剤の貯留量の増減に伴って、支持部35を支点に浮き沈みする。詳しい図示は省略するが、フロート34は、例えば永久磁石を内蔵しており、その永久磁石の接近を検出するための磁気センサ34a(図6の各種センサ39参照)を液体洗剤タンク21Lに搭載することで、液体洗剤の残量を自動で検出するようになっている。
【0036】
これに対し、図4に示す粉末洗剤タンク21Pには、タンク本体31の底壁31e側に位置させて、キャップ36と駆動体37が設けられている。
キャップ36は、タンク本体31の底壁31e側において、粉末洗剤吐出口27の上端を閉塞する閉塞位置と、その吐出口27の上端を開放する開放位置との間で移動可能に配置されている。キャップ36は、前記投入モータ23Pが駆動されるときを除き、常には閉塞位置にあって、粉末洗剤タンク21P内の粉末洗剤が外部へ漏れ出ることを防止する。
【0037】
図4に示すように、駆動体37は、粉末洗剤タンク21Pの後壁31dの外側に設けられた爪車37aと、粉末洗剤タンク21P内に設けられた送りバネ37b及び撹拌板37cとで構成されている。
爪車37aは、粉末洗剤タンク21Pがタンク装着部22LPに装着されるときに、投入モータ23Pの接続部26の凹凸部(図示略)と係合し、噛合する。送りバネ37bは、タンク本体31の底壁31eに沿って前後方向へ延びており、爪車37aと一体的に回転するように連ねられている。撹拌板37cは、その中心軸37dが左右の側壁31bに架け渡されて回転可能で、且つ撹拌板37cの外周が送りバネ37bと係合するように配置されている。また、撹拌板37cの外周部には、図4に示すように放射方向へ凸或いは凹となる凹凸部が周方向に等間隔で形成されている。
【0038】
そして、投入モータ23Pが駆動される際、キャップ36が閉塞位置から開放位置へ移動して、粉末洗剤吐出口27の上端を開放する。また、投入モータ23Pの駆動により、接続部26を介して爪車37aと送りバネ37bを一体的に回転させることに伴い、粉末洗剤タンク21P内の粉末洗剤が粉末洗剤吐出口27へ送り出される。このとき、撹拌板37cは、送りバネ37bと係合しながら回転して、粉末洗剤をかき崩しながら粉末洗剤吐出口27側へ送り出すことができる。
【0039】
なお、キャップ36は、投入モータ23Pの駆動開始から駆動終了まで開放位置に保持され、その駆動終了直後に閉塞位置に復帰する。キャップ36は、例えばソレノイドといった、投入モータ23Pとは別の駆動装置(図示略)により駆動させることができるが、投入モータ23Pの駆動開始と駆動終了に連動して、開放位置と閉塞位置に駆動するように構成されていればよい。上記した駆動体37及び投入モータ23P、並びにキャップ36及びその駆動装置は第2駆動装置に相当する。
【0040】
図6は、洗濯機1の電気的構成を示すブロック図である。同図の制御装置38は、記憶部を含むマイクロコンピュータを主体に構成され、洗濯機1全体の制御を司る。
制御装置38には、操作パネル4、洗濯機モータ7、各種センサ39が接続されるとともに、液体洗剤用の投入ポンプ23L、柔軟仕上げ剤用の投入ポンプ23S、粉末洗剤用の投入モータ23P、給水弁13、排水弁12a等が接続されている。
【0041】
各種センサ39は、磁気センサ34aを含み、制御装置38は、当該センサ34aからの入力信号に基づいて液体洗剤タンク21L内の液体洗剤の残量の他、タンク装着部22LPに液体洗剤タンク21Lが装着されているか否かを判定する。
或いは、液体洗剤タンク21Lと粉末洗剤タンク21Pとでは、爪車37a等の有無により外形が相違することから、タンク装着部22LPに装着されているタンク21L,21Pの種類を外形の相違に基づき判別可能な近接センサ等を設ける構成としてもよく、又、操作パネル4上で液体洗剤と粉末洗剤の何れを投入するかを選択操作可能な構成としてもよい。何れの構成においても、制御装置38は、洗濯運転に際して、タンク装着部22LPに装着されているタンクが、液体洗剤タンク21Lと粉末洗剤タンク21Pとの何れであるかを判定し、当該タンクに対応する投入ポンプ23Lや投入モータ23Pを駆動させることができる。
【0042】
制御装置38は、操作パネル4上でユーザにより設定される洗濯運転のコース等に応じて、前記記憶部に予め記憶された制御プログラム並びに各種センサ39からの入力信号に基づき、給水弁13、自動投入装置20の投入ポンプ23L,23Sや投入モータ23P、洗濯機モータ7、排水弁12a等を制御し、以って、前記洗い処理、すすぎ処理、及び脱水処理の夫々の行程からなる洗濯運転を自動で実行する。
【0043】
次に、上記構成の作用について、液体洗剤タンク21L及び粉末洗剤タンク21Pを相互に入れ替えて使用する場合を例に説明する。
ここで、自動投入装置20では、図4に示すように予め粉末洗剤が貯留された粉末洗剤タンク21Pがタンク装着部22LPに装着されているものとする。また、この場合、粉末洗剤タンク21Pは、キャップ36が粉末洗剤吐出口27の上端に合わさっており、駆動体37の爪車37aが投入モータ23Pの接続部26に接続され、噛合している。
【0044】
そして、制御装置38は、洗濯運転を自動で実行する場合、洗い処理の行程において、給水弁13の動作による給水開始前に、タンク装着部22LPに装着されている粉末洗剤タンク21Pのキャップ36を閉塞位置から開放位置へ駆動させるとともに、投入モータ23Pを駆動させる。これにより、粉末洗剤タンク21P内の粉末洗剤は、撹拌板37cと送りバネ37bで、かき崩されつつ粉末洗剤吐出口27へ送り出され、給水経路9の供給部9cには、粉末洗剤吐出口27から所要量の粉末洗剤が自動的に供給される(矢印P1参照)。
【0045】
また、制御装置38は、洗い処理の行程において、給水弁13を動作させ、所定水位までの給水を行う。このとき、給水源からの水が、ホース接続口9aから当該給水弁13を通って給水ケース14内に流れ(矢印W1参照)、その上側の給水経路9bから下側の供給部9cへ注がれる。
これにより、注がれた水の勢いで供給部9cの粉末洗剤は撹拌され或いは溶かされながら、その水とともに後方の出口部16c側へ流れ(矢印P2、P3)、給水ホース15を介して水槽6内に供給される。こうして、自動投入装置20は、洗濯運転に際して、所定量の粉末洗剤を水槽6内へ自動で投入する。
【0046】
ユーザは、粉末洗剤に替えて液体洗剤を使用したいとき、タンク装着部22LPに装着されている粉末洗剤タンク21Pを液体洗剤タンク21Lに入れ替える。この場合、先ずタンク収容部22のカバー22aを開き、粉末洗剤タンク21Pを上方へ引上げるようにしてタンク装着部22LPから取外す(図4図3参照)。
【0047】
そして、液体洗剤タンク21Lを、タンク収容部22に収容するようにしてタンク装着部22LPに取付ける(図3図5参照)。これに伴い、液体洗剤タンク21Lは、その被接続部33が投入ポンプ23Lの接続部25aに挿入され、嵌合する。この液体洗剤タンク21Lには、図5に示すように複数回分の液体洗剤が貯留されているものとする。
【0048】
この状態で、制御装置38は、洗濯運転を自動で実行する場合、洗い処理の行程における給水開始前に、タンク装着部22LPに装着されている液体洗剤タンク21Lに対応する投入ポンプ23Lを駆動させる。これにより、給水経路9の供給部9cには、液体洗剤吐出口25から所要量の液体洗剤が自動的に供給される(矢印L1参照)。
【0049】
また、洗い処理の行程において、給水弁13の動作により所定水位まで給水を行うとき、給水源からの水が、ホース接続口9aから当該給水弁13を通って給水ケース14内に流れ(矢印W1参照)、その上側の給水経路9bから下側の供給部9cへ注がれる。これにより、注がれた水の勢いで供給部9cの液体洗剤は溶かされながら、その水とともに後方の出口部16c側へ流れ(矢印L2、L3)、給水ホース15を介して水槽6内へ供給される。こうして、自動投入装置20は、洗濯運転に際して、所定量の液体洗剤を水槽6内へ自動で投入する。
【0050】
以上説明したように、本第実施形態の自動投入装置20は、液体洗剤タンク21L及び粉末洗剤タンク21Pを装着可能なタンク装着部22LPと、駆動手段として液体洗剤タンク21L内の液体洗剤を水槽6へ投入するために駆動される第1駆動装置、及び粉末洗剤タンク21P内の粉末洗剤を水槽6へ投入するために駆動される第2駆動装置と、を備え、タンク装着部22LPにおいて液体洗剤タンク21L及び粉末洗剤タンク21Pのうち少なくとも一方のタンクが装着されているときに、当該タンクに対応する前記第1駆動装置或いは前記第2駆動装置を駆動させることにより、所定量の液体洗剤或いは粉末洗剤を水槽6内に自動で投入する。
【0051】
これによれば、洗濯処理剤について液体洗剤か粉末洗剤かを問わず、ユーザの所望する液体洗剤タンク21Lと粉末洗剤タンク21Pの何れか一方のタンクを装着すれば、その所定量の洗濯処理剤を水槽6内に自動で投入することができ、利便性を向上させることができる。また、これによれば、手動で1回分の洗濯処理剤を測って投入していた従来の手間を省くことができるとともに、液体洗剤か粉末洗剤かを問わず、洗濯処理剤の不足による洗浄力の低下や過剰によるむだ使いをも抑制することが可能となる。
【0052】
前記タンク装着部22LPは、液体洗剤タンク21Lと粉末洗剤タンク21Pとを選択的に装着可能な、タンク一つ分の装着部である。
これによれば、タンク装着部22LPにて、液体洗剤タンク21L及び粉末洗剤タンク21Pを相互に入れ替えて使用することができる。また、両方のタンク21L,21Pが収まる配置スペースを設けた場合に比して、その配置スペースを半減させることが可能となり、洗濯機1全体の大型化を抑制しながらも、液体洗剤タンク21Lや粉末洗剤タンク21Pの容量アップを図ることができる。
【0053】
前記タンク装着部22LPにおいて、装着された粉末洗剤タンク21Pの吐出口となる粉末洗剤吐出口27であって、前記第2駆動装置の駆動により当該粉末洗剤タンク21P内の粉末洗剤を給水経路9へ吐出する粉末洗剤吐出口27を備え、給水経路9は、その途中部が例えば図4の供給部9cの如く、タンク装着部22LPの下側を経由し且つ粉末洗剤吐出口27に連通接続されている。
これによれば、粉末洗剤吐出口27において、粉末洗剤をその自重を利用して給水経路9の途中部へと落下させる構成をとることができ、第2駆動装置と粉末洗剤吐出口27のコンパクト化と簡単化を図ることができる。
【0054】
前記タンク装着部22LPにおいて、装着された液体洗剤タンク21Lの吐出口となる液体洗剤吐出口25であって前記第1駆動装置の駆動により当該液体洗剤タンク21L内の液体洗剤を給水経路9へ吐出する液体洗剤吐出口25、及び、装着された粉末洗剤タンク21Pの前記粉末洗剤吐出口27と、を備え、給水経路9は、その途中部において液体洗剤吐出口25及び粉末洗剤吐出口27に夫々連通接続されることにより、当該液体洗剤吐出口25及び当該粉末洗剤吐出口27から夫々供給される液体洗剤及び粉末洗剤に共用の供給部9cを有する。
【0055】
これによれば、給水経路9を利用して、液体洗剤タンク21L内の液体洗剤を水槽6へ供給するための経路と、粉末洗剤タンク21P内の粉末洗剤を水槽6へ供給するための経路と、の共用による構成の簡単化と省スペース化を図ることができる。また、係る省スペース化の分、液体洗剤タンク21Lや粉末洗剤タンク21Pの容量アップを図ることができる等、自動投入装置20における設計の自由度も高めうる。
【0056】
なお、本実施形態の洗濯機1は、上記のように自動投入装置20において液体洗剤と粉末洗剤とを選択的に自動で投入する構成を採っていることから、以下の実施形態で説明する手動用の投入ケース42(図8参照)を設けていない。つまり、本実施形態の自動投入装置20によれば、係る従来の手動による投入ケース42を無くすことができ、又、特にはタンク一つ分の装着部22LPとした構成と相俟って、省スペース化よる洗濯機1全体の小型化や、タンク21L,21Pの容量アップを図ることが可能となる。
【0057】
<他の実施形態>
図7図8は、本発明の第2、第3実施形態を示している。以下では、既述した実施形態と実質的に異なる点について述べることとする。
図7に示す第2実施形態の粉末洗剤タンク21P´は、第1実施形態の粉末洗剤タンク21Pと次の点で相違する。
【0058】
即ち、粉末洗剤タンク21P´は、タンク本体31の上部に設けられた投入モータ23Pを一体的に有する。図7に例示するように、投入モータ23Pは、その配置面においてタンク本体31の上面開口30の後部を覆い、タンクカバー32の後部を構成するように配置されている。
タンク装着部22LPには、図示しないコネクタ部が設けられておいる。タンク装着部22LPに粉末洗剤タンク21P´が装着されているときに、投入モータ23Pは、前記コネクタ部を介して制御装置38と電気的に接続され、給電されるようになっている。
【0059】
粉末洗剤タンク21P´には、投入モータ23Pと前記爪車37aとの間に位置させて、回転伝達機構41が設けられている。詳しい図示は省略するが、回転伝達機構41は例えば、上下方向に延びるシャフト41aと、そのシャフト41aの上端に設けられ投入モータ23Pの回転軸側と歯合する歯車機構41bと、シャフト41aの下端に設けられ爪車37aと歯合する歯車機構41cとを有する。これにより、回転伝達機構41は、投入モータ23Pの回転駆動力を、歯車機構41b、シャフト41a及び歯車機構41cを介して、駆動体37に伝達する第2駆動装置として構成されている。
【0060】
このように本第2実施形態の粉末洗剤タンク21P´には、第2駆動装置として例えば投入モータ23P、回転伝達機構41及び駆動体37の全部が設けられている。
これによれば、タンク装着部22LP側において、第2駆動装置を配設するためのスペースを省略することができる。それ故、係るタンク一つ分の装着部22LPにおいて、粉末洗剤タンク21P´と液体洗剤タンク21Lとで共用の収容スペースを確保する上で有用なものとすることができる。また、投入モータ23Pの配置面を、タンクカバー32側に設け或いはタンクカバー32として機能させることができ、よりコンパクトな配置構成とすることができる。
【0061】
図8は、第3実施形態のタンク装着部22LPの近傍の構成を示す側面図である。
同図に示すように、注水ケース14のケース本体16には、手動用投入ケース42が前方への引き出しが可能に配置されている。
手動用投入ケース42は、例えば上面が開放された合成樹脂製の容器からなり、一回の洗濯運転で使用する量の洗濯処理剤が投入される。手動用投入ケース42は、ケース本体16内において上側の給水経路9bから注がれる水を受けるようになっている。
【0062】
この場合、手動用投入ケース42は、その前壁42aのみが外箱2の前面部2aから露出ており、便宜上、図1にて前壁42aを二点鎖線で示している。ユーザは、手動用投入ケース42を前方へ引き出して一回分の洗濯処理剤を手動で投入し、ケース本体16内に収容する。これにより、手動用投入ケース42内の洗濯処理剤は、上側の給水経路9bから注がれる水とともに、水槽6側へ供給することができる。
従って例えば、手動用投入ケース42は、洗濯処理剤として柔軟仕上げ剤を投入するものとし、自動投入装置20における柔軟剤タンク21S及びそのタンク装着部22Sを省略してもよい。
【0063】
また例えば、タンク収容部22は、タンク21L,21Pについて一つ分の装着部22LPに限らず、その液体洗剤タンク21Lと粉末洗剤タンク21Pとを並べて収容可能なタンク二つ分の装着部で構成してもよい。この場合、タンク二つ分の装着部における、液体洗剤吐出口25及び粉末洗剤吐出口27や、第1駆動装置及び第2駆動装置といったタンク21L,21P周辺の構成は、その液体洗剤タンク21L及び粉末洗剤タンク21Pに対応した配置とすることができる。
【0064】
上記した各実施形態について、図示しない縦軸型の洗濯機にも適用しうることは勿論である。また、各実施形態を組み合わせたり、各実施形態に記載の変更形態を組み合わせて実施することもできる。
第1駆動装置や第2駆動装置は、上記した投入ポンプ23Lや投入モータ23P等に限るものではなく、図示しない弁機構やソレノイドといったアクチュエータによって、液体洗剤タンク21L内の液体洗剤或いは粉末洗剤タンク21P内の粉末洗剤を水槽6へ投入可能な駆動装置で構成してもよい。
【0065】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示
したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は
、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、
種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変更は、発明の
範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含
まれる。
【符号の説明】
【0066】
図面中、1は洗濯機、6は水槽、9は給水経路、9cは供給部、20は自動投入装置、21は処理剤タンク,21Lは液体洗剤タンク,21P,21P´は粉末洗剤タンク、22LPはタンク装着部、23は駆動装置,23Lは投入ポンプ(第1駆動装置)、23Pは投入モータ(第2駆動装置)、25は液体洗剤吐出口、27は粉末洗剤吐出口、36はキャップ(第2駆動装置)、37は駆動体(第2駆動装置)、41は回転伝達機構(第2駆動装置)、を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8