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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081132
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】炭酸水製造装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 21/00 20220101AFI20220524BHJP
   B01F 25/21 20220101ALI20220524BHJP
   B01F 23/23 20220101ALI20220524BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20220524BHJP
   B01F 35/90 20220101ALI20220524BHJP
   B01F 35/00 20220101ALI20220524BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
B01F1/00 C
B01F5/02 A
B01F3/04 A
B01F15/02 A
B01F15/06 Z
B01F15/00 Z
A23L2/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192481
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】502038842
【氏名又は名称】株式会社デジアイズ
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴則
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 修治
(72)【発明者】
【氏名】小池 宏昭
【テーマコード(参考)】
4B117
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4B117LC14
4B117LE10
4B117LK04
4B117LP11
4B117LP16
4B117LT01
4G035AA06
4G035AA07
4G035AA10
4G035AA12
4G035AB05
4G035AC15
4G035AE01
4G035AE13
4G035AE15
4G037AA02
4G037CA20
4G037DA30
4G037EA01
(57)【要約】
【課題】装置全体を大型化しなくとも、炭酸水を効率的に製造する。
【解決手段】本発明の炭酸水製造装置は、原水を濾過して生成された透過水に炭酸ガスを攪拌混合させて炭酸水を生成する炭酸水生成手段と、前記炭酸水生成手段で生成された炭酸水を注水する注水手段と、を有することを特徴とする。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水を濾過して生成された透過水に炭酸ガスを攪拌混合させて炭酸水を生成する炭酸水生成手段と、
前記炭酸水生成手段で生成された炭酸水を注水する注水手段と、
を有することを特徴とする炭酸水製造装置。
【請求項2】
前記透過水を冷却する冷却手段を有し、
前記炭酸水生成手段は、前記冷却手段により冷却された前記透過水に前記炭酸ガスを攪拌混合して前記炭酸水を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の炭酸水製造装置。
【請求項3】
前記透過水を貯水する貯水手段を有し、
前記貯水手段は、内部に風船を備えた貯水タンクであり、前記貯水タンクに貯水された前記透過水は、前記風船の膨張力によって前記炭酸水生成手段に供給される
ことを特徴とする請求項1記載の炭酸水製造装置。
【請求項4】
原水を濾過して前記透過水を製造する透過水製造装置と接続され、
前記炭酸水生成手段は、前記透過水製造装置から供給された前記透過水を用いて前記炭酸水を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の炭酸水製造装置。
【請求項5】
炭酸水の注水指示を受け付ける受付手段をさらに有し、
前記炭酸水生成手段は、
前記冷却手段により冷却された前記透過水を貯水する冷却水貯水手段と、
前記冷却水貯水手段内の前記透過水に炭酸ガスを噴射するノズルと、
前記ノズルに炭酸ガスを供給するガス供給手段と、
を有し、
前記受付手段により炭酸水の注水指示が受け付けられると、前記冷却手段により冷却された前記透過水が前記冷却水貯水手段に供給されるとともに、前記ガス供給手段により前記ノズルへ炭酸ガスが供給されて、前記ノズルから炭酸ガスが噴出される
ことを特徴とする請求項2記載の炭酸水製造装置。
【請求項6】
前記冷却手段で冷却された前記透過水を濾過する濾過手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項2記載の炭酸水製造装置。
【請求項7】
炭酸水の炭酸強度を選択する選択手段を有し、
前記炭酸水生成手段は、
前記冷却手段により冷却された前記透過水を貯水する冷却水貯水手段と、
前記冷却水貯水手段内の前記透過水に炭酸ガスを噴射するノズルと、
前記ノズルに炭酸ガスを供給するガス供給手段と
を有し、
前記ガス供給手段は、選択された炭酸強度に応じた時間、炭酸ガスを前記ノズルに供給し、
前記ノズルは、前記ガス供給手段から供給された炭酸ガスを、前記冷却水貯水手段内の前記透過水に噴射する
ことを特徴とする請求項2記載の炭酸水製造装置。
【請求項8】
前記炭酸水生成手段は、
前記冷却手段により冷却された前記透過水を密閉した状態で貯水する冷却水貯水手段と、
前記冷却水貯水手段内の前記透過水に炭酸ガスを噴射するノズルと、
前記ノズルに炭酸ガスを供給するガス供給手段と
を有し、
前記ガス供給手段により供給された炭酸ガスが前記ノズルから噴射して炭酸水が生成される際に、炭酸ガスの前記透過水に対する攪拌力を維持できるように、前記冷却水貯水手段内の圧力が調整される
ことを特徴とする請求項2記載の炭酸水製造装置。
【請求項9】
前記炭酸水生成手段は、
前記冷却手段により冷却された前記透過水を密閉した状態で貯水する冷却水貯水手段と、
前記冷却水貯水手段内の前記透過水に炭酸ガスを噴射するノズルと、
前記ノズルに炭酸ガスを供給するガス供給手段と、
を有し、
前記注水手段により容器への注水が開始される前に、前記冷却水貯水手段内の圧力が減圧される
ことを特徴とする請求項2記載の炭酸水製造装置。
【請求項10】
前記炭酸水生成手段は、
前記冷却手段により冷却された前記透過水を密閉した状態で貯水する冷却水貯水手段と、
前記冷却水貯水手段に炭酸ガスを供給するガス供給手段と、
を有し、
前記注水手段は、前記冷却水貯水手段に連結しており、
前記注水手段による容器への注水は、炭酸水が前記冷却水貯水手段内の圧力によって前記注水手段に送られることによって行われ、
前記ガス供給手段は、前記注水手段から容器への炭酸水の給水が一定の速度で行うのに必要な炭酸ガスを前記冷却水貯水手段に供給する
ことを特徴とする請求項2記載の炭酸水製造装置。
【請求項11】
自装置の動作に関わる情報を外部機器に通信する通信手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の炭酸水製造装置。
【請求項12】
原水を濾過して生成された透過水に炭酸ガスを攪拌混合して炭酸水を生成するステップと、
生成された前記炭酸水を注水するステップと、
を含む炭酸水の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸水の購入指示に基づいて炭酸水を生成し、生成した炭酸水を購入者に提供する炭酸水製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リフレッシュ効果や健康志向により、無糖炭酸水(以下、炭酸水と称する)に対するニーズが高まっている。炭酸水は、飲料の他、洗顔や入浴時に用いられるなど、幅広い分野で利用される。これに伴い、業務用の炭酸製造装置だけでなく、一般家庭向けの炭酸水製造装置も種々提供されている。
【0003】
炭酸水製造装置における炭酸水の生成方法としては、例えば噴霧式、水中噴射式、循環式などの生成方法が挙げられる。噴霧式を用いた炭酸水の生成方法は、例えば圧力容器内の加圧された炭酸ガス(二酸化炭素)雰囲気中に冷水(飲用水)を噴霧して、圧力容器内に噴霧した微細な水滴に炭酸ガスを溶解させる方法である(特許文献1参照)。
【0004】
また、水中噴射式を用いた炭酸水の生成方法は、水を貯留した耐圧容器内を気密に保持した状態で水中に炭酸ガスを噴出して水に炭酸ガスを溶解する方法である(特許文献2参照)。さらに、循環式を用いた炭酸水の生成方法は、循環路内を循環する水に炭酸ガスを噴射することで、循環する水に炭酸ガスを溶解させる方法である(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-23979号公報
【特許文献2】特許第6097986号公報
【特許文献3】特開2009-297476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示される噴霧式を採用した炭酸水製造装置は、一定のガス強度(GV:Gas Volume)の炭酸水を大量に生成できる利点や、圧力容器内に炭酸ガスを充満した状態で冷水を噴霧するため、使用する炭酸ガスのロスが少ないという利点がある。その一方で、製造装置が大型化し、高価となるという欠点や、異なるガス強度(GV)の炭酸水を生成しにくいという欠点がある。
【0007】
特許文献2に示される水中噴射式を採用した炭酸水製造装置は、製造装置を小型化でき、安価となる利点や、異なるガス強度(GV)の炭酸水を生成することができるという利点がある。その一方で、炭酸ガスが消費しやすいため、炭酸水を大量に生成することができないという欠点がある。
【0008】
特許文献3は、循環路を流れる水に炭酸ガスを噴射するため、ガス強度(GV)が低い炭酸水となりやすく、炭酸ガスが循環する水に吸収されるまでに時間がかかるという欠点がある。
【0009】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、装置全体を大型化しなくとも、炭酸水を効率的に製造できるようにした炭酸水製造装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によると、原水を濾過して生成された透過水に炭酸ガスを攪拌混合させて炭酸水を生成する炭酸水生成手段と、前記炭酸水生成手段で生成された炭酸水を注水する注水手段と、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、装置全体を大型化しなくとも、炭酸水を効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】炭酸水製造装置の前面側の構成の一例を示す斜視図である。
図2図1に示す炭酸水製造装置の前面扉を開けた状態の構成の一例を示す斜視図である。
図3】炭酸水製造装置の回路構成の一例を示す図である。
図4】炭酸水製造装置の電気的構成の一例を示す図である。
図5】炭酸水製造装置における炭酸水の生成に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】貯水工程におけるRO水の流れを示す図である。
図7】すすぎ工程におけるRO水の流れを示す図である。
図8】給水工程におけるRO水の流れを示す図である。
図9】給気工程における炭酸ガスの流れを示す図である。
図10】減圧工程におけるガスの流れを示す図である。
図11】注水工程における炭酸水及び炭酸ガスの流れを示す図である。
図12】全排水工程におけるRO水の流れ、及び加圧タンク内に残留するガスの流れを示す図である。
図13】凍結防止工程における炭酸ガスの流れを示す図である。
図14】2台のボンベユニットを手動にて切り替えて用いるときの、ボンベユニットから給排気ユニットまでの回路構成の一例を示す図である。
図15】2台のボンベユニットを自動で切り替えて用いるときの、ボンベユニットから給排気ユニットまでの回路構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態の炭酸水製造装置について図面を用いて説明する。
【0014】
本実施形態の炭酸水製造装置10は、RO水製造装置200(図3参照)と接続され、RO水製造装置200により生成されたRO水を用いて炭酸水を生成し、生成した炭酸水を、例えば耐圧ボトル210(図3参照)に注水する装置である。RO水製造装置200は、例えば水道水又は天然水をRO(Reverse Osmosis)膜により濾過することで、純水(RO水)を製造する装置である。
【0015】
以下では、炭酸水製造装置10で生成される炭酸水の容量(水量)や、炭酸水のガス強度(GV)が固定される場合について説明する。
【0016】
図1及び図2に示すように、炭酸水製造装置10は、前面扉11及び装置本体12を有する。前面扉11は、装置本体12の幅方向における一端側(図1中右側)を中心にして、装置本体12の内部を遮蔽する閉じ位置と、装置本体12の内部を露呈する開き位置との間で回動する。
【0017】
前面扉11は、タッチパネル21、QR(Quick Response)コードリーダ22、IC(Integrated Circuit)カードリーダ23の他、注水ボックス24を有する。なお、QRコードリーダ22及びICカードリーダ23は、請求項に記載の受付手段に相当する。
【0018】
タッチパネル21は、炭酸水製造装置10の動作状態に基づく情報や、QRコードリーダ22やICカードリーダ23により読み取られた情報を表示する。また、タッチパネル21は、必要に応じて、購入可能な炭酸水のガス強度(GV)や炭酸水の水量を選択する選択ボタン(図示省略)を表示する。
【0019】
QRコードリーダ22は、購入者が有する携帯型端末機に表示されるQRコード(登録商標)や、レシートなどに印刷されたQRコードを読み取る。なお、QRコードは、例えば、購入者が購入する炭酸ガスの情報(炭酸水の水量やガス強度)を示すものである。
【0020】
ICカードリーダ23は、ICカードに埋め込まれたICチップに記憶された情報を読み取る。なお、ICカードリーダ23の代わりに、磁気カードを読み取る磁気カードリーダであってもよい。
【0021】
本実施形態では、QRコードリーダ22とICカードリーダ23を有する炭酸水製造装置10を一例として説明するが、QRコードリーダ22又はICカードリーダ23の少なくともいずれか一方を有する炭酸水製造装置であってもよい。
【0022】
注水ボックス24は、ボックス本体25と、ボックス本体25の前面側に配置される注水扉26とを有する。ボックス本体25は、内部が中空の箱形状の部材である。ボックス本体25は、耐圧ボトル210(図3参照)を収納できる大きさの内部空間を有する。ボックス本体25は、上部において、後述する加圧タンク28の下部に配置される注水管112(図3参照)を外方から内部に貫通する。また、ボックス本体25は、排水トレイ27を下部に有する。排水トレイ27は、後述する注水管112(図3参照)からこぼれた炭酸水又はRO水を回収して、外部に排水する。
【0023】
注水扉26は、ボックス本体25の内部空間を遮蔽する閉じ位置でロックされ、耐圧ボトル210をセットするとき又は耐圧ボトル210を取り出すときに、ロックが解除される。ロックの解除により、注水扉26は開き位置へと回動させることが可能となる。図示は省略するが、注水扉26は、耐圧ボトル210の注ぎ口近傍を保持した状態で耐圧ボトル210を保持する。
【0024】
前面扉11を開き位置へと回動させると、前面扉11の背面側に配置された加圧タンク28、除菌フィルタ29が露呈される。加圧タンク28は、RO水又は生成された炭酸水を貯水する。除菌フィルタ29は、後述する冷却器31により冷却されたRO水を濾過してRO水の除菌や不純物を除去する。除菌フィルタ29の詳細については、後述する。加圧タンク28は、請求項に記載の冷却水貯水手段、圧力タンクに相当する。除菌フィルタ29は、請求項に記載の濾過手段に相当する。
【0025】
また、前面扉11を開き位置へと回動させると、装置本体12は、貯水タンク30、冷却器(チラー)31などを露呈する。貯水タンク30は、外部から送り込まれるRO水を貯水し、貯水したRO水を加圧タンク28に向けて送り出す。冷却器31は、貯水タンク30から送り出されたRO水との間で熱交換を行って、加圧タンク28に向けて流れるRO水を冷却する。貯水タンク30は、請求項に記載の貯水手段に相当する。また、冷却器31は、請求項に記載の冷却手段に相当する。
【0026】
次に、本実施形態における炭酸水製造装置10の構成について、図3を用いて説明する。なお、図3においては、信号の流れを点線で示している。
【0027】
炭酸水製造装置10は、ボンベユニット41、給排気ユニット42、給水ユニット43、冷却ユニット44、除菌フィルタ29、加圧タンクユニット45、制御ユニット46などを有する。ボンベユニット41、給排気ユニット42は、請求項に記載のガス供給手段に相当する。また、ボンベユニット41、給排気ユニット42、給水ユニット43及び加圧タンクユニット45は、請求項に記載の炭酸水生成手段に相当する。
【0028】
ボンベユニット41は、ガスボンベ51に貯留される液化炭酸ガスを気化して給排気ユニット42に向けて供給する。ボンベユニット41は、ガスボンベ51、及び減圧弁ユニット52を有する。ガスボンベ51は、内部に液化炭酸ガスを貯留する。ガスボンベ51は、容器弁53を有しており、容器弁53を介して減圧弁ユニット52と接続される。
【0029】
減圧弁ユニット52は、ガスボンベ51から送り出された炭酸ガスを給排気ユニット42へと送り出す。減圧弁ユニット52は、ガス路54に圧力計55,56、減圧弁57、手動弁58を有する。減圧弁ユニット52は、ガスボンベ51側を上流とした場合、上流側から、圧力計55、減圧弁57、圧力計56、手動弁58の順で配置する。圧力計55は、減圧弁57に送り込まれる炭酸ガスの圧力を測定する。圧力計56は、減圧弁57から送り出される炭酸ガスの圧力を測定する。
【0030】
減圧弁57は、給排気ユニット42に供給する炭酸ガスの圧力が例えば1Mpaとなるように、供給する炭酸ガスの減圧調整を行う。炭酸ガスの減圧調整は、例えば圧力計56による測定値を、作業者が目視にて確認しながら実行される。また、手動弁58は、ボンベユニット41と給排気ユニット42との間に配置されるガス路60に接続される。なお、手動弁58は、通常、開状態に保持される。
【0031】
給排気ユニット42は、炭酸水の生成時や、炭酸水の注水時に、減圧弁ユニット52から供給される炭酸ガスを、加圧タンクユニット45へと供給する。また、給排気ユニット42は、炭酸水の生成時に、加圧タンクユニット45から送り出される炭酸ガスを冷却ユニット44に供給する。さらに、給排気ユニット42は、加圧タンクユニット45における減圧時や後述する全排出時に、加圧タンクユニット45から送り出される炭酸ガスを排出する。また、全排水とは、後述する貯水タンク30に貯水されたRO水を全て排出することを示す。
【0032】
給排気ユニット42は、ボンベユニット41と加圧タンクユニット45との間に配置される。給排気ユニット42は、ガス路61,62,63、及び排気路64,65を有する。
【0033】
ガス路61は、ボンベユニット41側を上流とした場合、上流側端部において、ガス路60に接続され、下流側端部において、加圧タンクユニット45の一方弁103に接続される。ガス路61は、上流側から、手動弁67、ガスフィルタ68、圧力スイッチ(PS)69、制御弁70の順で配置する。
【0034】
手動弁67は、ガス路61の上流側端部に配置される。手動弁67は、ガス路60を介して、減圧弁ユニット52に接続される。手動弁67は通常開状態で保持される。ガスフィルタ68は、ガス路61を流れる炭酸ガスに含まれる不純物を除去する。圧力スイッチ69は、ガス路61の圧力が一定圧力(例えば0.8MPa)以上となるときにオンとなり、制御ユニット46に向けてオン信号を出力する。制御弁70は、例えば炭酸水の生成時に開状態となる。
【0035】
ガス路62は、上流側端部をガス路61に、下流側端部を加圧タンクユニット45の一方弁105に各々接続する。ガス路62は、例えば圧力スイッチ69と制御弁70との間でガス路61に接続する。
【0036】
ガス路62は、上流側から、制御弁71、減圧弁72で配置する。制御弁71は、例えば炭酸水の注水時に開状態となる。減圧弁72は、加圧タンクユニット45に向けて供給される炭酸ガスの圧力を減圧する。
【0037】
ガス路63は、上流側端部をガス路61に接続される。ガス路63は、下流側端部を冷却ユニット44の冷却器の貯水槽に挿入される。ガス路63は、ガス路62と同様に、例えば圧力スイッチ69と制御弁70との間でガス路61に接続する。
【0038】
ガス路63は、上流側から、制御弁73、オリフィス弁74を配置する。制御弁73は、例えば、冷却器31の冷却槽に貯水された冷却水が過冷却となるときに開状態となる。オリフィス弁74は、冷却器31に向けて供給される炭酸ガスの流量を調整する。
【0039】
排気路64は、加圧タンクユニット側を上流側としたときに、上流側から、ウォーターセパレータ75、制御弁76及びサイレンサ77の順で配置する。
【0040】
ウォーターセパレータ75は、加圧タンク28から排出される炭酸ガスに含まれる液体を分離する。分離した液体は、ウォーターセパレータ75に接続された排水路78を介して排水される。排水路78は、下流側で、冷却器31に接続されるオーバーフロー用の排水路94に接続する。したがって、ウォーターセパレータ75から排水される液体は、オーバーフロー用の排水路94へと流れた後、外部に排水される。
【0041】
制御弁76は、例えば加圧タンク28の減圧時、全排水時に開状態となる。サイレンサ77は、加圧タンク28から炭酸ガスを排出する際に発生するノイズを消音する。
【0042】
排気路65は、上流側端部を、ウォーターセパレータ75及び制御弁76の間で、排気路64に接続される。また、排気路65は、下流側端部を、オリフィス弁74の下流側で、ガス路63に接続される。
【0043】
排気路65は、リリーフ弁79を配置する。リリーフ弁79は、炭酸水の生成時に、例えば排気路65の圧力が0.5MPaに到達すると開状態となる。リリーフ弁79が開状態となることで、加圧タンク28の内部圧力が一定の圧力に保持される。
【0044】
給水ユニット43は、炭酸水製造装置10に供給されるRO水を受容し、必要に応じて、受容した水を加圧タンクユニット45に供給するユニットである。受容したRO水を下流に供給するタイミングは、例えば炭酸水の生成時や、すすぎ時、全排水時などが挙げられる。すすぎとは、例えば貯水タンクに貯水されたRO水を用いて加圧タンク28の内部を洗い流すことを示す。
【0045】
給水ユニット43は、RO水製造装置200と接続される水路80を有する。水路80は、RO水製造装置200側を上流としたときに、上流側から、制御弁81、一方弁82、流量計83、圧力スイッチ(PS)84、制御弁85の順で配置する。
【0046】
制御弁81は、RO水製造装置200からのRO水の供給時に開状態となる。一方弁82は、RO水製造装置200へのRO水の逆流を防止する。流量計83は、水路80を流れるRO水の流量を計測し、計測信号を制御ユニット46に出力する。圧力スイッチ84は、水路80を流れるRO水の圧力値が予め設定された圧力値(例えば0.2MPa)以上となるときにオンとなり、制御ユニット46にオン信号を出力する。なお、予め設定された圧力値は、RO水が加圧タンク28に向けて供給されるのに十分な速度となるときのRO水の圧力値である。制御弁85は、例えば、炭酸水の生成時、すすぎ時及び全排水時に開状態となる。
【0047】
水路80は、一方弁82と流量計83との間で、水路86,87を接続する。水路86は、貯水タンク30と接続される。水路86は、手動弁88を有する。手動弁88は、通常、開状態であり、貯水タンク30の交換などの際に閉状態となる。
【0048】
貯水タンク30は、図示は省略するが、ダイヤフラムとして機能する風船を内部に有する。貯水タンク30は、請求項に記載の炭酸水生成手段として機能する。貯水タンク30は、貯水タンク30に送り込まれた水の圧力を受けて風船が収縮されることで、RO水を貯水する。また、貯水タンク30は、所定のタイミングで、収縮された風船が膨張することで、貯水したRO水を送り出す。なお、所定のタイミングは、例えば炭酸水の生成時、すすぎ時及び全排水時である。なお、貯水タンク30からRO水が送り出されるときのRO水の流量は、例えば1~2L/minである。
【0049】
水路87は、例えば水路80内のRO水や、貯水タンク30に貯水されたRO水を排水する排水路である。水路87は、手動弁89を有する。手動弁89は、通常、閉状態に保持される。
【0050】
冷却ユニット44は、給水ユニット43と、加圧タンクユニット45との間に配置される。冷却ユニット44は、冷却器31を有する。冷却器31は、貯水槽に貯水した冷却水をコンプレッサ31a(図4参照)により冷却して、冷却器31の内部に挿通された水路91の内部を流れるRO水との間で熱交換を行って、RO水を冷却する。冷却器31により、RO水は、例えば25℃から4℃まで冷却される。冷却器31は、水温計31bを有する。水温計31bは、貯水した冷却水の温度を示す温度信号を制御ユニット46に出力する。なお、水路91は、上流側で給水ユニット43の制御弁85に接続され、下流側で除菌フィルタ29に接続される。
【0051】
冷却器31は、排水路92と接続される。排水路92は、手動弁93を有する。手動弁93は、通常、閉状態に保持され、例えば冷却器31の貯水槽に貯水される冷却水を排出する際に、開状態に切り替えられる。
【0052】
冷却器31は、オーバーフロー用の排水路94と接続される。オーバーフロー用の排水路94は、冷却器31の貯水槽に貯水した冷却水の貯水量が所定量以上となるときに、冷却器31の貯水槽に貯水した冷却水を排水する。オーバーフロー用の排水路94は、排水トラップ95を有する。排水トラップ95は、排水経路の下流側からの異臭を遮断する。また、排水トラップ95は、排水路94の内部のガスの流出を防止するようにしてもよい。排水路94は、排水トラップ95の上流側で、通気路96を接続する。通気路96は、排水路94内の排水の流れを円滑にし、また排水トラップ95における封水を保護する。なお、通気路96を設けることで、排水路94に新鮮な空気を流通させ、排水路94内の換気を行うようにしてもよい。また、オーバーフロー用の排水路94は、通気路96が接続される位置よりも上流側で、ウォーターセパレータ75に接続された排水路78を接続する。
【0053】
除菌フィルタ29は、上流側端部を水路91に、下流側端部を水路97に接続する。除菌フィルタ29は、冷却器31により冷却されたRO水を濾過して、RO水中に含まれる細菌などを除去する。除菌フィルタ29は、例えば直径0.2μmの開口を複数有する中空糸膜を、円筒状に束ねた中空糸膜束を有するフィルタである。なお、中空糸膜に設けられる開口の大きさは、0.2μmに限定される必要はなく、例えば一般に除菌効果があるとされる0.45μm以下であればよい。
【0054】
加圧タンクユニット45は、加圧タンク28に供給されるRO水及び炭酸ガスにより炭酸水を生成する。加圧タンクユニット45は、給気路99,100、給水路101、排気路102を有する。
【0055】
給気路99は、上流側に一方弁103を、下流側に加圧タンク28の内部に設置される噴出ノズル104を接続する。一方弁103は、給排気ユニット42のガス路61と接続され、給気路99を流れる炭酸ガスの逆流を防止する。
【0056】
給気路100は、上流側に一方弁105を、下流側に加圧タンク28を接続する。一方弁105は、給排気ユニット42のガス路62と接続され、給気路100を流れる炭酸ガスの逆流を防止する。給気路100は、オリフィス弁106を配置する。オリフィス弁106は、給気路100を流れる炭酸ガスの流量を調整する。
【0057】
給水路101は、上流側に一方弁107を、下流側に加圧タンク28の下部に設置される噴出ノズル108に接続する。一方弁107は、水路97と接続される。
【0058】
排気路102は、加圧タンク28側を上流側としたときに、上流側に加圧タンク28の上部を接続し、下流側に一方弁109を接続する。一方弁109は、給排気ユニット42に向けた炭酸ガスの逆流を防止する。なお、一方弁109は、排気路110を介して、給排気ユニット42のウォーターセパレータ75に接続される。
【0059】
加圧タンク28は、噴出ノズル104,108を内部に有する。噴出ノズル104は、加圧タンク28の上部に配置される。噴出ノズル104が設置される位置は、例えば噴出ノズル104の噴出口が加圧タンク28の内部に貯水されたRO水に浸水する位置であればよい。噴出ノズル104は、ボンベユニット41から供給される炭酸ガスを加圧タンク28の内部に貯水されたRO水中に噴出する。ここで、噴出ノズル104は、請求項に記載の炭酸水生成手段及びノズルとして機能する。
【0060】
噴出ノズル108は、加圧タンク28の下部に配置される。噴出ノズル108は、給水ユニット43から供給されるRO水を加圧タンク28の内部で、加圧タンク28の上方に噴出する。ここで、加圧タンク28の内部に送り込まれるRO水の流量は、例えば1~2L/minである。
【0061】
加圧タンク28は、噴出ノズル104、噴出ノズル108の他に、圧力スイッチ(PS)111を有する。圧力スイッチ111は、加圧タンク28の圧力が一定値以上となる場合にオンとなり、制御ユニット46に向けてオン信号を出力する。
【0062】
加圧タンク28の下部には、注水管112が接続される。注水管112は、加圧タンク28に貯水されるRO水や、炭酸水を排出する。なお、注水管112は、制御弁113を有する。制御弁113は、例えば、すすぎ時、全排水時、炭酸水の注水時などに開状態となる。制御弁113が開状態となると、加圧タンク28に貯水されたRO水又は炭酸水が注水管112から流れ出る。ここで、炭酸水の注水時に、注水ボックス24の注水扉26に耐圧ボトル210をセットしている場合、注水管112を介して炭酸水が耐圧ボトル210に注水される。また、すすぎ動作時や全排水時に、制御弁113が開状態となると、注水管112から流れ出るRO水は、注水ボックス24の下部に配置された排水トレイ27にて受容され、外部に排水される。ここで、注水管112及び制御弁113は、請求項に記載の注水手段に相当する。
【0063】
次に、炭酸水製造装置10の電気的構成について、図4の機能ブロック図を用いて説明する。なお、図4にて記載されるユニットは、他のユニットと電気的に接続されるユニットのみの表示としている。したがって、図4においては、ボンベユニット41の構成については省略している。
【0064】
図4に示すように、炭酸水製造装置10は、タッチパネル21、QRコードリーダ22、ICカードリーダ23、給排気ユニット42、給水ユニット43、冷却ユニット44、加圧タンクユニット45の他、これらに電気的に接続される制御ユニット46を有する。
【0065】
制御ユニット46は、不図示の制御プログラムを実行することで、主制御部131、時刻制御部132、給水制御部133、給排気制御部134、冷却制御部135、注水制御部136、表示制御部137及び通信制御部138の機能を実行する。
【0066】
主制御部131は、QRコードリーダ22によって読み取られたQRコードの情報や、ICカードリーダ23によって読み取られたICカードに記録された情報や、時刻制御部132により制御される情報に基づいて、給水制御部133、給排気制御部134、冷却制御部135、注水制御部136、表示制御部137及び通信制御部138を統括的に制御する。また、主制御部131は、RO水製造装置200との間で信号の送受信を行う。
【0067】
時刻制御部132は、現在日時を管理する。また、時刻制御部132は、予め設定された時刻となるときに、予め設定された時刻に到達したことを示す信号を主制御部131に出力する。これを受けて、主制御部131は、制御ユニット46の各部を制御して、全排水工程を実行する。なお、予め設定された時刻は、炭酸水製造装置10が設置される、例えばスーパーなどの店舗の営業時間外にとなる時刻に設定される。
【0068】
また、時刻制御部132は、例えば炭酸水製造装置10において販売指令を各部に出力からの経過時間を測定する。そして、経過時間が一定時間(例えば30分など)経過すると、時刻制御部132は、一定時間経過したことを示す信号を主制御部131に出力する。これを受けて、主制御部131は、制御ユニット46の各部を制御して、すすぎ工程を開始する。
【0069】
給水制御部133は、主制御部131からのRO水の受水開始及び受水停止の指示を受けて、制御弁81の開閉制御を行う。なお、RO水の受水開始の指示は、例えば圧力スイッチ84から給水制御部133に信号の出力が停止された後、主制御部131がRO水製造装置200に対してRO水の供給を指示する信号(送水信号)の送信を行い、RO水製造装置200からRO水の供給を実行する信号(送水動作信号)を受信したときに、主制御部131から給水制御部133に出力される。また、受水停止の指示は、例えば圧力スイッチ84から給水制御部133への信号が再度出力された後、主制御部131がRO水製造装置200に対してRO水の供給停止を指示する信号(送水停止信号)の送信を行い、RO水製造装置200からRO水の供給停止を行った信号(停止動作信号)を受信したときに、主制御部131から給水制御部133に出力される。
【0070】
また、給水制御部133は、主制御部131からのすすぎ開始及びすすぎ停止の指示、給水開始及び給水停止の指示、あるいは、全排水開始及び全排水停止の指示を受けて、制御弁85の開閉制御を行う。このとき、給水制御部133は、流量計83からの計測信号に基づいて加圧タンク28に供給したRO水の供給量を算出し、算出したRO水の供給量が予め設定される供給量となるときに制御弁85を閉状態に切り替える。
【0071】
給排気制御部134は、主制御部131からの給気開始及び給気停止の指示を受けて、制御弁70の開閉制御を行う。また、給排気制御部134は、主制御部131からの注水開始及び注水停止の指示を受けて、制御弁71の開閉制御を行う。また、給排気制御部134は、冷却器31の水温計31bからの計測信号に基づき、制御弁73の開閉制御を行う。また、給排気制御部134は、圧力スイッチ69からのオン信号が停止されたことを受けて、主制御部131にエラーが発生したことを指示する。このとき、主制御部131は、炭酸水の販売停止を各部に指示する。
【0072】
冷却制御部135は、コンプレッサ31aを常時駆動させる。また、冷却制御部135は、冷却器31に配置された水温計31bの計測信号に基づき、冷却器31の貯水槽に貯水される冷却水の温度が加圧タンクへと供給されるRO水を冷却するのに適した温度であるか否かを判定する。冷却器31の貯水槽に貯水される冷却水の温度が加圧タンク28へと供給されるRO水を冷却するのに適した温度ではない場合(すなわち、貯水槽に貯水された冷却水の温度が高い場合)には、冷却制御部135は、エラー信号を主制御部131に出力する。これを受けて、主制御部131は、販売停止指令を各部に出力する。
【0073】
注水制御部136は、主制御部131からのすすぎ開始及びすすぎ停止の指示、注水開始及び注水停止の指示、あるいは、全排水開始及び全排水停止の指示を受けて、制御弁113の開閉制御を行う。
【0074】
表示制御部137は、タッチパネル21の操作に基づいた表示や、QRコードリーダ22やICカードリーダ23による読み取りに基づいた表示の他、炭酸水製造装置10における各種動作に対する表示制御を行う。
【0075】
通信制御部138は、例えば通信部139を介して、サーバなどの情報管理端末機140と接続される。通信制御部138は、炭酸水製造装置10における炭酸水の製造履歴や発生したエラーの履歴の情報など、炭酸水製造装置10の動作に関わる情報を、情報管理端末機140に送信する。
【0076】
以下、本実施形態における炭酸水製造装置10における処理の流れについて、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0077】
ステップS101において、給水制御部133は、圧力スイッチ84からのオン信号が出力されているか否かを判定する。上述したように、圧力スイッチ84は、水路80を流れるRO水の圧力値が予め設定された圧力値(例えば0.2MPa)以上となるときにオンとなり、制御ユニット46にオン信号を出力する。なお、圧力スイッチ84がオンとなるときの圧力値は0.2MPaである。
【0078】
例えば、圧力スイッチ84からのオン信号の出力が停止されている場合(ステップS101がYesの場合)、給水制御部133は、貯水タンク30の貯水量が一定値以下であると判定し、ステップS102の処理に進む。一方、圧力スイッチ84からのオン信号が出力されている場合(ステップS101がNoの場合)、給水制御部133は、貯水タンク30の貯水量が一定値を超えていると判定する。この場合、ステップS103の処理に進む。
【0079】
ステップS102:貯水工程
ステップS102において、主制御部131は、炭酸水製造装置10を構成する各ユニットから、エラー信号が出力されているか否かを確認する。主制御部131がエラー信号を受信していないと判断すると、主制御部131は、RO水製造装置200に向けて、送水信号を送信する。
【0080】
送水信号を受信すると、RO水製造装置200は、炭酸水製造装置10への送水が可能であるか否かを判定する。そして、炭酸水製造装置10への給水が可能であると判断した場合、RO水製造装置200は、送水動作を行い、同時に、炭酸水製造装置10に対して、送水動作信号を送信する。主制御部131は、送水動作信号を受信すると、主制御部131は、給水制御部114に対して、貯水開始を指示する。
【0081】
主制御部131により貯水開始が指示されると、給水制御部133は、制御弁81を閉状態から開状態へと切り替える。これにより、RO水がRO水製造装置200から送水される。図6に示すように、水路80の制御弁85や水路87の手動弁89は閉状態である。一方、水路86の手動弁88は開状態である。したがって、制御弁81が開状態に切り替わると、RO水製造装置200から送水されるRO水は、水路80、水路86の順に流れ、貯水タンク30へと供給される。貯水タンク30の内部に有する風船は、貯水タンク30に供給されるRO水の圧力によって収縮される。風船が収縮されることで、RO水が貯水タンク30に貯水される。
【0082】
そして、貯水タンク30に貯水されるRO水の貯水量が多くなると、圧力スイッチ84がオンとなり、オン信号が出力される。給水制御部133は、圧力スイッチ84からのオン信号が出力されたことを主制御部131に通知する。これを受けて、主制御部131は、RO水製造装置200に対して送水停止信号を送信する。RO水製造装置200は、主制御部131からの送水停止信号を受けて、RO水の送水を停止する。そして、RO水製造装置200は主制御部131に停止動作信号を送信する。RO水製造装置200からの停止動作信号を受信すると、主制御部131は、給水制御部133に貯水停止を指示する。貯水停止の指示を受けて、給水制御部133は、制御弁81を開状態から閉状態に切り替える。
【0083】
ステップS103において、主制御部131は、販売指令を受けたか否かを判定する。例えば炭酸水を購入する購入者が、QRコードをQRコードリーダ22にかざすと、QRコードリーダ22によりQRコードが読み取られる。読み取られたQRコードの情報は、主制御部131に入力される。主制御部131は、QRコードの情報を受けて、販売指令を受けたか否かを判定する。例えば、販売指令を受けたと判定した場合(ステップS103がYesの場合)、主制御部131は、ステップS104の処理に進む。一方、QRコードの情報が炭酸水の購入に関わる情報でない場合や、QRコードリーダ22からQRコードの情報が入力されない場合には、主制御部131は、販売指令を受けていないと判定する(ステップS103がNoである)。この場合、主制御部131は、後述するステップS112の処理を実行する。
【0084】
なお、購入者が、ICカードを用いて炭酸水を購入する場合は、ICカードリーダ23に読み取られたICカードの情報を受けて、主制御部131は、販売指令を受けたか否かを判定すればよい。また、タッチパネル21の操作を行って炭酸水を購入する場合、タッチパネル21の操作により入力される入力信号に基づいて、販売指令を受けたか否かを判定すればよい。
【0085】
ステップS104:すすぎ工程
ステップS104において、主制御部131は、表示制御部137を介して、タッチパネル21に、例えば「すすぎ中」などのコメントを表示する。また、主制御部131は、給水制御部133に、すすぎ開始を指示する。給水制御部133は、制御弁85を閉状態から開状態へと切り替える。図7に示すように、制御弁85が開状態に切り替わると、水路80内の圧力が開放されて、貯水タンク30の風船が膨張し、貯水タンク30内のRO水を貯水タンク30から水路86へと送り出す。貯水タンク30から送り出されるRO水は、水路86から水路80へと流れ、冷却ユニット44の水路91へと流れる。水路91を流れるRO水は、冷却器31により冷却された後、除菌フィルタ29へと流れる。
【0086】
RO水は、除菌フィルタ29を通過した後、水路97を流れる。そして、RO水は、一方弁107を通過し、給水路101を介して、加圧タンク28の内部の噴出ノズル108から加圧タンク28の内部に噴出する。RO水が噴出ノズル108から噴出することで、加圧タンク28の内部が洗浄される。すすぎ開始を指示してから一定時間T1経過すると、給水制御部133は、制御弁85を開状態から閉状態へと切り替える。
【0087】
その後、主制御部131は、給排気制御部134、注水制御部136に排水開始を指示する。給排気制御部134は、制御弁71を閉状態から開状態へと切り替える。同時に、注水制御部136は、制御弁113を閉状態から開状態へと切り替える。これにより、加圧タンク28の内部を洗浄したRO水が加圧タンク28に送り込まれる炭酸ガスにより注水管112へと押し出される。注水管112へと押し出されるRO水は、排水トレイ27へと流れた後、外部へと排水される。
【0088】
主制御部131は、排水開始を指示してから一定時間T2経過した後、給排気制御部134、注水制御部136に排水停止を指示する。給排気制御部134は、制御弁71を開状態から閉状態へと切り替える。同時に、注水制御部136は、制御弁113を開状態から閉状態へと切り替える。これにより、加圧タンク28から注水管112を介したRO水の排水が停止される。一定時間T2は、加圧タンク28に供給されたRO水が全て排出されるまでの時間である。なお、一定時間T2は、流量計83からの計測信号に基づいて算出されるRO水の供給量に基づいて設定される時間である。
【0089】
ステップS105:給水工程
ステップS105において、主制御部131は、表示制御部137を介して、タッチパネル21に、例えば「給水中」などのコメントを表示する。また、主制御部131は、給水制御部133及び給排気制御部134に、給水開始を指示する。給水制御部133は、制御弁85を閉状態から開状態へと切り替える。また、給排気制御部134は、制御弁76を閉状態から開状態へと切り替える。図8に示すように、制御弁85が開状態に切り替わると、貯水タンク30に貯水されたRO水が水路86、水路80及び水路91の順で流れる。水路91をRO水が流れると、RO水は冷却器31により冷却される。そして、除菌フィルタ29により濾過された後、水路97、給水路101を流れ、噴出ノズル108から加圧タンク28の内部に噴出される。なお、加圧タンク28に噴出されたRO水は、加圧タンク28の内部に貯水される。このとき、制御弁76が開状態に切り替わっており、加圧タンク28に残留する炭酸ガスは、加圧タンク28の内部に貯水されるRO水により、排気路102へと押し出される。排気路102に押し出された炭酸ガスは、排気路110及び排気路64の順に流れ、外部へと排気される。これにより、加圧タンク28の内部にRO水を給水したときに、加圧タンク28の内部に残留する炭酸ガスの圧力上昇が防止される。その結果、RO水の加圧タンク28への給水がスムーズに実行される。
【0090】
給水制御部133は、流量計83により計測された計測信号に基づいて、供給するRO水の水量を算出する。給水制御部133は、算出したRO水の供給量が、一回の炭酸水の生成時に必要となるRO水の水量となると、制御弁85を開状態から閉状態へと切り替える。これにより、加圧タンク28へのRO水の供給が停止される。RO水の供給を停止した後、給水制御部133は、主制御部131に対して、給水終了を示す信号を出力する。
【0091】
ステップS106において、主制御部131は、耐圧ボトルがセットされた状態で、注水扉が閉状態にあるか否かを判定する。ステップS105の処理が開始されると、主制御部131は、注水ボックス24の注水扉26のロックを解除する。同時に、主制御部131は、表示制御部137を介して、タッチパネル21に、例えば「注水扉を開き、ボトルをセットしてください」など、購入者に対して指示コメントを表示する。これを受けて、購入者は、注水ボックス24の注水扉26を開き、注水扉26に耐圧ボトル210をセットする。そして、購入者は、耐圧ボトル210がセットされた注水扉26を閉じる。
【0092】
例えば、耐圧ボトル210を注水扉26にセットし、注水扉26を閉じると、図示を省略したボトルセンサが耐圧ボトル210を検知する。同時に、図示を省略した扉センサが注水扉26を検知する。これらセンサからの検知信号は、主制御部131に出力される。例えば、これらセンサからの検知信号が各々主制御部131に入力される場合(ステップS106がYes)、主制御部131は、ステップS107の処理を実行する。一方、これらセンサからの検知信号の少なくとも一方の検知信号しか入力されない場合や、これらセンサの両方から検知信号が入力されない場合(ステップS106がNoとなる場合)には、主制御部131は、ステップS110の処理を実行する。
【0093】
ステップS107:給気工程
ステップS107において、主制御部131は、給排気制御部134に給気開始を指示する。給排気制御部134は、制御弁70を閉状態から開状態へと切り替える。図9に示すように、ガスボンベ51に貯留される炭酸ガスが、ガス路54、ガス路60、ガス路61の順に流れる。ガス路60からガス路61へと流れる炭酸ガスは、ガスフィルタ68により不純物が除去された後、制御弁70を通過し、加圧タンクユニット45に供給される。加圧タンクユニット45に到達した炭酸ガスは、一方弁103を通過し、加圧タンク28の内部の噴出ノズル104から加圧タンク28の内部に噴出される。そして、給排気制御部134は、一定時間T3経過した後、制御弁70を開状態から閉状態へと切り替える。ここで、一定時間T3とは、生成される炭酸水のガス強度(GV)に基づいて設定される時間である。
【0094】
上述したように、噴出ノズル104は、噴出口が加圧タンク28に貯水されるRO水に浸水している。加圧タンク28の内部に炭酸ガスが供給されると、加圧タンク28に貯水されたRO水中に炭酸ガスが噴出する。これにより、RO水に噴出された炭酸ガスが攪拌されながら、RO水と混合される。炭酸ガスとRO水との攪拌及び混合を行うと、加圧タンク28の圧力が上昇する。加圧タンク28の圧力値が一定圧力値(例えば0.5MPa)以上となると、給排気ユニット42のリリーフ弁79が開く。リリーフ弁79が開くと、加圧タンク28の圧力が低下して、噴出ノズル104から新たな炭酸ガスが噴出されて、加圧タンク28のRO水との混合及び攪拌を促進し、再度、加圧タンク28内の圧力が上昇する。なお、リリーフ弁79は一定圧力を超過する毎に開く。したがって、リリーフ弁79が開くたびに、加圧タンク28の内部の圧力値を一定圧力値に維持しつつ、RO水と炭酸ガスが混合及び攪拌される。その結果、一定時間T3の経過によって、所定のガス強度(GV)の炭酸水が生成される。一定時間T3は、ガス強度(GV)に基づいて設定される時間である。
【0095】
一方、リリーフ弁79の開放に伴って排気路65を流れる炭酸ガスは、ガス路63を介して、冷却器31の貯水槽の内部に噴出される。炭酸ガスが冷却器31の貯水槽に貯水される冷却水の内部や水面に噴出されることで、冷却器31の貯水槽に貯水される冷却水に衝撃が与えられる。これにより、貯水槽に貯水される冷却水の過冷却や、過冷却に伴なった冷却水の凍結が防止される。同時に、炭酸ガスの排気時に発生するノイズの発生が防止される。
【0096】
ステップS108:減圧工程
ステップS108において、主制御部131は、給排気制御部134に対して、減圧開始を指示する。給排気制御部134は、制御弁76を閉状態から開状態へと切り替える。図10に示すように、加圧タンク28の内部の炭酸ガスが排気路102、排気路110及び排気路64を介して外部に排出される。なお、減圧工程は、圧力スイッチ111からのオン信号の出力が停止されるまで実施される。
【0097】
ステップS109:注水工程
ステップS109において、主制御部131は、給排気制御部134及び注水制御部136に対して、注水開始を指示する。注水制御部136は、制御弁113を閉状態から開状態へと切り替える。また、給排気制御部134は、制御弁71を閉状態から開状態へと切り替える。図11に示すように、炭酸ガスがガス路61、給気路99を介して、加圧タンク28の内部に供給される。加圧タンク28の内部に炭酸ガスが供給されることで、加圧タンク28の内部に貯水される炭酸水は、炭酸ガスにより押圧されながら、注水管112から流れ出る。つまり、加圧タンク28の内部の炭酸水が一定速度で注水される。また、注水管112から注水される炭酸水の噴き出しが防止される。そして、一定時間T4経過後、主制御部131は、給排気制御部134及び注水制御部136に対して、注水停止を指示する。一定時間T4とは、炭酸水の注水を開始してから、加圧タンク28の内部の炭酸水が全て注水されるまでの時間である。
【0098】
注水停止を受けて、給排気制御部134は、制御弁71を開状態から閉状態へと切り替える。同時に、注水制御部136は、制御弁113を開状態から閉状態へと切り替える。その後、主制御部131は、注水ボックス24の注水扉26のロックを解除する。同時に、主制御部131は、表示制御部137を介して、例えば「注水完了。ボトルを取り出してください」などのコメントをタッチパネル21に表示する。これを受けて、購入者は、注水扉26を開き、耐圧ボトル210を取り外す。そして、耐圧ボトル210の注水口にキャップを取り付けた後、注水扉26を閉じる。注水扉26が閉じられると、上述した扉センサがオンとなるので、主制御部131は、注水扉26をロックする。これによれば、冷却されたRO水に炭酸ガスを溶解した炭酸水を容易に取得することができる。
【0099】
上述したステップS106の判定処理の結果がNoとなる場合、すなわち、注水扉26が開いている場合(耐圧ボトル210がセットされたものの注水扉26が開いている場合も含む)には、ステップS110の処理を実行する。
【0100】
ステップS110において、主制御部131は、注水ボックス24の注水扉26のロックが解除されてから、一定時間経過していると判断した場合(ステップS110でYesとなる場合)、主制御部131はステップS111の処理に進む。一方、一定時間経過していないと判断した場合(ステップS110でNoとなる場合)、主制御部131はステップS106に戻る。
【0101】
ステップS111:排水工程
ステップS111において、主制御部131は、注水制御部136に排水開始を指示する。注水制御部136は、制御弁113を閉状態から開状態へと切り替える。制御弁113を閉状態から開状態へと切り替えると、加圧タンク28の内部に貯水されるRO水は、注水管112から排水トレイ27へと流れ、外部へと排水される。そして、一定時間T5経過後、主制御部131は、注水制御部136に対して、排水停止を指示する。排水停止を受けて、注水制御部136は、制御弁113を開状態から閉状態へと切り替える。一定時間T5は、加圧タンク28のRO水が排出される時間である。
【0102】
なお、ステップS111における排水工程において、主制御部131は、注水制御部136に対して排水開始を指示するだけでなく、給排気制御部134に対しても排水開始の指示を行うことも可能である。例えば主制御部131が給排気制御部134に対しても排水開始を指示した場合、給排気制御部134は制御弁71を閉状態から開状態へと切り替える。制御弁71が開状態となると、炭酸ガスがガス路62、給気路100を介して加圧タンク28の内部に供給される。炭酸ガスが加圧タンク28に供給されると、加圧タンク28の内部の圧力が上昇して、加圧タンク28に貯水されたRO水を注水管112に向けて押し出す。その結果、加圧タンク28に貯水されたRO水が注水管112を介して排水される。
【0103】
ここで、加圧タンク28の内部の炭酸ガスの圧力は大気圧程度である。例えば制御弁113のみが開状態に切り替えられた場合、すなわち、炭酸ガスを加圧タンク28に供給せずに排水する場合、加圧タンク28の内部の炭酸ガスだけでは、加圧タンク28に貯水されたRO水が全て排水されず、加圧タンク28の内部に残留する虞がある。したがって、炭酸ガスを加圧タンク28に供給することで、加圧タンク28の内部の炭酸ガスの圧力により加圧タンク28に貯水されるRO水を注水管112に向けて押圧し、加圧タンク28に貯水された全てのRO水を、注水管112を介して外部に排水する。これによりにより、加圧タンク28の内部に貯水されたRO水の残留を抑止することができる。
【0104】
上述したステップS103の処理において、販売指令を受け付けていない場合(ステップS103でNoとなる場合)、ステップS112の処理を実行する。
【0105】
ステップS112において、主制御部131は、一定時間が経過したか否かを判定する。主制御部131は、販売指令を受けてから一定時間(30分等)が経過したと判断した場合(ステップS112がYesの場合)、主制御部131は、ステップS113の処理を実行する。一方、一定時間が経過していない場合(ステップS112がNoの場合)、主制御部131は、ステップS116の処理を実行する。
【0106】
ステップS113において、主制御部131は、予め設定された排水時刻であるか否かを判定する。主制御部131は、時刻制御部132が設定した時刻に到達したか否かを判定することで、排水時刻であるか否かを判定する。排水時刻である場合(ステップS113がYesの場合)、主制御部131は、ステップS114の処理を実行する。一方、排水時刻ではない場合(ステップS113がNoの場合)、主制御部131は、ステップS115の処理を実行する。
【0107】
ステップS114:全排水工程
ステップS114において、主制御部131は、給水制御部133、注水制御部136に全排水開始を指示する。給水制御部133は、制御弁85を閉状態から開状態へと切り替える。図12に示すように、貯水タンク30に貯水されたRO水が、加圧タンク28に向けて供給される。同時に、注水制御部136は、制御弁113を閉状態から開状態へと切り替える。
【0108】
このとき、制御弁76は閉状態に保持される。制御弁76が閉状態に保持されることで、加圧タンク28に残留する炭酸ガスの排気経路が遮断される。したがって、加圧タンク28にRO水が送り込まれると、加圧タンク28の内部に残留する炭酸ガスは圧力上昇を引き起こし、貯水タンク30に送り込まれたRO水を貯水タンク20の下部に設けた注水管112に向けて押し出す。つまり、加圧タンク28に給水されるRO水は、全て、加圧タンク28の内部に残留する炭酸ガスによって注水管112から流れ出て、外部に排水される。なお、制御弁76を開状態に切り替えると、加圧タンク28にRO水が送り込まれると、加圧タンク28の内部に残留する炭酸ガスは、排気路102、排気路110、排気路64を介して外部に排気される。したがって、RO水は、加圧タンク28の内部の炭酸ガスの押圧を受けずに注水管112から排水される。その結果、加圧タンク28に貯水されるRO水が残留する可能性がある。したがって、全排水工程では、制御弁76は開状態に切り替えられることはなく、閉状態に保持される。
【0109】
その後、一定時間T6経過すると、主制御部131は、給水制御部133、注水制御部136に全排水停止を指示する。これを受けて、給水制御部133は、制御弁85を開状態から閉状態へと切り替える。また、注水制御部136は、制御弁113を開状態から閉状態へと切り替える。これら処理を実行すると、主制御部131は、ステップS101の処理に戻る。これにより、貯水タンク30に貯留されたRO水が全て排水される。この処理が実行されると、ステップS101の処理に戻る。
【0110】
上述したステップS113において、排水時刻ではないと判定された場合(ステップS113でNoとなる場合)、ステップS115に進む。主制御部131は、すすぎ工程を行う。なお、ステップS115におけるすすぎ工程は、ステップS104におけるすすぎ工程と同一であることから、ここでは、詳細を省略する。
【0111】
上述したステップS112において、一定時間経過していないと判定された場合(ステップS112でNoとなる場合)、ステップS116の処理が実行される。
【0112】
ステップS116において、主制御部131は、冷却器31の水温計31bの計測値が一定温度以下となる場合(ステップS116でYesとなる場合)、主制御部131は、ステップS117の処理を実行する。一方、冷却器31の水温計31bの計測値が一定温度を超過する場合(ステップS116でNoとなる場合)、ステップS101の処理に戻る。
【0113】
ステップS117:過冷却防止工程
ステップS117において、主制御部131は、給排気制御部134に、給気開始を指示する。これを受けて、給排気制御部134は、制御弁73を閉状態から開状態へと切り替える。図13に示すように、制御弁73を開状態へと切り替えると、炭酸ガスが、ガス路60を介して、ガス路61、ガス路63の順で流れる。ガス路63は、冷却器31の貯水槽の内部に挿入されている。したがって、ガス路63を流れる炭酸ガスは、冷却器31の貯水槽に貯水された冷却水の内部に噴出する。炭酸ガスが冷却器31の貯水槽に貯水される冷却水の内部に噴出されることで、冷却器31の貯水槽に貯水される冷却水に衝撃が与えられて、貯水槽に貯水される冷却水の過冷却が防止される。
【0114】
上記に記載した形態では、生成される炭酸水の水量を一定としているが、複数の水量から選択できるようにしてもよい。また、生成される炭酸水のガス強度(GV)に関しても同様であり、複数のガス強度(GV)から選択できるようにしてもよい。
【0115】
炭酸水の水量や、ガス強度(GV)を選択できるようにする場合、タッチパネル21において選択することができるようにしてもよいし、購入する炭酸水の水量やガス強度(GV)の情報を示すQRコードを、購入者が所有する携帯型端末機により予め取得し、炭酸水製造装置10のQRコードリーダ22に読み取らせるようにしてもよい。また、タッチパネル21とは別に、炭酸水の水量や、ガス強度(GV)を選択する選択ボタンを設けることも可能である。なお、生成される炭酸ガスのガス強度(GV)に関しては、ガス強度(GV)と、予め炭酸ガスの加圧タンクへの供給時間とを対応付けたデータを制御ユニットに記憶させておき、このデータを参照して、炭酸ガスの供給時間を設定すればよい。なお、ガス強度(GV)は、容器に封入した水の圧力と水温とを測定することで算出される炭酸ガス吸収係数により求めることができる。
【0116】
上記に記載した形態では、炭酸水製造装置をRO水製造装置に接続し、RO水製造装置にて生成されたRO水を炭酸水製造装置に供給する場合を例示している。しかしながら、炭酸水を生成する際にRO水を用いるのではなく、例えば水道水を使用することも可能である。
【0117】
上記に記載した形態では、1つのガスボンベ51を有するボンベユニット41を用いた場合を例示している。しかしながら、2以上のガスボンベ51を有するボンベユニットを用いることも可能である。図14に示すように、例えば、2つのボンベユニットを並列に接続し、切換弁の手動操作により、炭酸ガスを供給するボンベユニットを切り替えることも可能である。2つのボンベユニットの構成が同一であることから、図14では、一方のボンベユニットに「A」を、他方のボンベユニットに「B」を付して説明する。
【0118】
ボンベユニット144Aは、ガスボンベ145A、容器弁146A、減圧弁ユニット147Aを有する。減圧弁ユニット147Aは、圧力計148A,149A、減圧弁150A、ヒータ151A及び手動弁152Aを有する。減圧弁ユニット147Aは、ガス路153Aの上流側から、圧力計148A、減圧弁150A、圧力計149A、ヒータ151A、手動弁152Aの順で配置する。
【0119】
ボンベユニット144Aの手動弁152Aは、ガス路153と接続される。同様に、ボンベユニット144Bの手動弁152Bは、ガス路154と接続される。ガス路153,154は、給排気ユニット42に接続される切替弁155に接続される。なお、切替弁155は、ガス路156を介して、給排気ユニット42に接続される。この場合、使用者の手動操作により、切替弁155を切り替えて、使用するボンベユニットを切り替えることができる。
【0120】
また、この他に、複数のガスボンベユニットを用いる場合、各ガスボンベユニットと制御ユニットとを電気的に接続して、使用するガスボンベユニットを自動により切り替えるようにすることも可能である。図15に示すように、2つのボンベユニットを並列に接続し、制御ユニットにより、炭酸ガスを供給するボンベユニットを切り替える。この場合も、2つのボンベユニットの構成が同一であることから、図15では、一方のボンベユニットに「A」を、他方のボンベユニットに「B」を付して説明する。
【0121】
ボンベユニット161Aは、ガスボンベ145A、容器弁146A、減圧弁ユニット147A及びバルブユニット162Aを有する。なお、ガスボンベ145A、容器弁146A及び減圧弁ユニット147Aについては省略する。
【0122】
バルブユニット162Aは、圧力スイッチ163A、制御弁164A及び一方弁165Aを有する。バルブユニット162Aは、減圧弁ユニット147Aの手動弁152Aに接続されるガス路166Aに、圧力スイッチ163A、制御弁164A及び一方弁165Aを配置する。なお、一方弁165Aは、ガス路167と接続される。ガス路167は、下流側で、ボンベユニット161Bからのガス路168と合流したのち、給排気ユニット42に接続される。圧力スイッチ163Aは、所定圧力値(例えば0.8MPa)以上となるときにオン信号を制御ユニット170に出力する。制御弁164Aは、制御ユニット170により開閉制御される。例えば制御弁164Aは、圧力スイッチ163Aからのオン信号が出力されると閉状態から開状態へと切り替えられ、圧力スイッチ163Aからのオン信号の出力が停止されると、開状態から閉状態へと切り替えられる。
【0123】
制御ユニット170は、以下の手順で2つのボンベユニット161A,161Bの切替制御を行う。
【0124】
例えば圧力スイッチ163A、163Bからオン信号が各々出力されていない場合、制御ユニット170は、制御弁164A、164Bを閉状態に保持する。
【0125】
炭酸水製造装置の電源を投入した後、圧力スイッチ163A、163Bからオン信号が各々出力される場合、制御ユニット170は、制御弁164Aを開状態に切り替え、制御弁164Bを閉状態に保持する。
【0126】
制御弁164Aが開状態にあり、圧力スイッチ163A、163Bからオン信号が各々出力される場合、制御ユニット170は、制御弁164Aを開状態に、制御弁164Bを閉状態に各々保持する。
【0127】
同様にして、制御弁164Bが開状態にあり、圧力スイッチ163A、163Bからオン信号が各々出力される場合、制御ユニット170は、制御弁164Aを閉状態に、制御弁164Bを開状態に各々保持する。
【0128】
制御弁164Aが開状態にあり、圧力スイッチ163Aからのオン信号の出力が停止された場合、制御ユニット170は、制御弁164Aを開状態から閉状態に切り替える。このとき、圧力スイッチ163Bからオン信号が出力されているときには、制御ユニット170は、制御弁164Bを閉状態から開状態に切り替える。
【0129】
同様にして、制御弁164Bが開状態にあり、圧力スイッチ163Bからのオン信号の出力が停止された場合、制御ユニット170は、制御弁164Bを開状態から閉状態に切り替える。このとき、圧力スイッチ163Aからオン信号が出力されているときには、制御ユニット170は、制御弁164Aを閉状態から開状態に切り替える。
【0130】
これによれば、炭酸ガスを供給するガスボンベ内の炭酸ガスの残量がなくなったときに、異なるガスボンベからの炭酸ガスの供給を自動的に切り替えることができることになり、ガスボンベを効率良く交換することができる。
【0131】
<実施形態の総括>
本発明は、炭酸水の購入指示に基づいて炭酸水を生成し、生成した炭酸水を購入者に提供する炭酸水製造装置に関する。
【0132】
噴霧式を採用した炭酸水製造装置は、一定のガス強度(GV)の炭酸水を大量に生成できる利点や、圧力容器内に炭酸ガスを充満した状態で冷水を噴霧するため、使用する炭酸ガスのロスが少ないという利点がある。その一方で、製造装置が大型化し、高価となるという欠点や、異なるガス強度(GV)の炭酸水を生成しにくいという欠点がある。
【0133】
また、水中噴射式を採用した炭酸水製造装置は、製造装置を小型化でき、安価となる利点や、異なるガス強度(GV)の炭酸水を生成することができるという利点がある。その一方で、炭酸ガスを消費しやすいため、炭酸水を大量に生成することができないという欠点がある。
【0134】
さらに、循環路を流れる水に炭酸ガスを噴射するため、ガス強度(GV)が低い炭酸水となりやすく、炭酸ガスが循環する水に吸収されるまでに時間がかかるという欠点がある。
【0135】
本発明は、装置全体を大型化しなくとも、炭酸水を効率的に製造することを目的とする。
【0136】
本発明の一態様は、原水を濾過して生成された透過水に炭酸ガスを攪拌混合させて炭酸水を生成するボンベユニット41、給排気ユニット42、給水ユニット43、加圧タンクユニット45と、生成された炭酸水を注水する注水管112、制御弁113と、を有することを特徴としている。
【0137】
上記構成によれば、例えば、外部のRO水製造装置200が生成したRO水に炭酸ガスを攪拌混合させて炭酸水を生成し、生成した炭酸水を、注水管112を介して耐圧ボトル210に注水するようにしたので、例えば、外部のRO水製造装置200からRO水の供給を受けて炭酸水を生成することができ、それをボトルに入れてそれを販売することができる。
【0138】
また、透過水を冷却する冷却器31を有し、炭酸水を生成するために、冷却器31により冷却された透過水に炭酸ガスを攪拌混合して炭酸水を生成することを特徴としている。
【0139】
上記構成によれば、加圧タンクユニット45に向けてRO水を供給する際に、冷却器31によりRO水が冷却されるので、加圧タンクユニット45に供給されたRO水に炭酸ガスを効率良く攪拌混合させることができる。
【0140】
また、透過水を貯水する貯水タンク30を有し、貯水タンク30は、内部に風船を備え、貯水タンク30に貯水された透過水は、風船の膨張力によって加圧タンクユニット45に供給されることを特徴としている。
【0141】
上記構成によれば、貯水タンク30の内部にダイヤフラムの風船を備え、風船の膨張力によって、貯水タンク30に貯水されている水が加圧タンクユニット45の加圧タンク28に供給されるようにしたので、例えばポンプなどの動力機器を用いなくても、貯水タンク30に貯水されている水を加圧タンクユニット45に供給することができる。
【0142】
また、原水を濾過して前記透過水を製造するRO水製造装置200と接続され、炭酸水を生成するために、RO水製造装置200から供給された透過水を用いて炭酸水を生成することを特徴としている。
【0143】
上記構成によれば、外部のRO水製造装置200から供給されたRO水を、加圧タンクユニット45に貯水した後、炭酸水を攪拌混合して炭酸水を生成することができる。
【0144】
また、炭酸水の注水指示を受け付けるQRコードリーダ22、ICカードリーダ23をさらに有し、炭酸水を生成するために、冷却器31により冷却された透過水を貯水する加圧タンク28と、加圧タンク28内の透過水に炭酸ガスを噴射する噴出ノズル104と、噴出ノズル104に炭酸ガスを供給するボンベユニット41、給排気ユニット42と、を有し、QRコードリーダ22,ICカードリーダ23により炭酸水の注水指示が受け付けられると、冷却器31により冷却された透過水が加圧タンク28に供給されるとともに、ボンベユニット41、給排気ユニット42により噴出ノズル104へ炭酸ガスが供給されて、噴出ノズル104から炭酸ガスが噴出されることを特徴としている。
【0145】
上記構成によれば、炭酸水の購入を受け付けたときに、冷却器31により冷却された水が加圧タンク28に供給されて炭酸水の生成を開始するようにしたので、炭酸水の生成直前まで冷却した水を利用して炭酸水を生成することができる。
【0146】
また、冷却器31で冷却された前記透過水を濾過する除菌フィルタ29をさらに有することを特徴としている。
【0147】
上記構成によれば、冷却器31の内部に一時滞留した透過水を、炭酸水の生成に利用する直前に濾過することができる。
【0148】
また、炭酸水の炭酸強度を選択するタッチパネル21を有し、炭酸水を生成するために、冷却器31により冷却された前記透過水を貯水する加圧タンク28と、加圧タンク28内の透過水に炭酸ガスを噴射する噴出ノズル104と、噴出ノズル104に炭酸ガスを供給するボンベユニット41、給排気ユニット42と、を有し、ボンベユニット41、給排気ユニット42は、選択された炭酸強度に応じた時間、炭酸ガスを噴出ノズル104に供給し、噴出ノズル104は、ボンベユニット41、給排気ユニット42から供給された炭酸ガスを、加圧タンク28内の透過水に噴射することを特徴としている。
【0149】
上記構成によれば、購入者に選択されたガス強度(GV)に応じた時間だけ炭酸ガスを噴出ノズル104から加圧タンク28の内部のRO水に噴出させるようにしたので、その時間、加圧タンク28の内部のRO水に炭酸ガスが攪拌混合される。その結果、購入者が希望する強度の炭酸ガスを生成することができる。
【0150】
また、炭酸水を生成するために、冷却器31により冷却された透過水を密閉した状態で貯水する加圧タンク28と、加圧タンク28内の前記透過水に炭酸ガスを噴射する噴出ノズル104と、噴出ノズル104に炭酸ガスを供給するボンベユニット41、給排気ユニット42と、有し、ボンベユニット41、給排気ユニット42により供給された炭酸ガスが噴出ノズル104から噴射して炭酸水が生成される際に、炭酸ガスの前記透過水に対する攪拌力を維持できるように、加圧タンク28内の圧力が調整されることを特徴としている。
【0151】
上記構成によれば、加圧タンク28に貯められている透過水に炭酸ガスを攪拌させて炭酸水を生成する際に、炭酸ガスの透過水に対する攪拌力を維持できるように、加圧タンク28の内部の圧力が調整されるようにしたので、炭酸ガスが透過水に継続的に攪拌される。
【0152】
また、炭酸水を生成するために、冷却器31により冷却された透過水を密閉した状態で貯水する加圧タンク28と、加圧タンク28内の前記透過水に炭酸ガスを噴射する噴出ノズル104と、噴出ノズル104に炭酸ガスを供給するボンベユニット41、給排気ユニット42と、を有し、注水管112、制御弁113により耐圧ボトル210への注水が開始される前に、加圧タンク28内の圧力が減圧されることを特徴としている。
【0153】
上記構成によれば、注水管112から耐圧ボトル210への注水が開始される前に、加圧タンク28の内部の圧力が減圧されるようにしたので、注水管112から爆発的に炭酸水が噴き出すことを防止することができる。
【0154】
また、炭酸水を生成するために、冷却器31により冷却された冷却水を密閉した状態で貯水する加圧タンク28と、加圧タンク28に炭酸ガスを供給するボンベユニット41、給排気ユニット42と、を有し、注水管112、制御弁113は、加圧タンク28に連結しており、注水管112、制御弁113による耐圧ボトル210への注水は、炭酸水が加圧タンク28内の圧力によって注水管112、制御弁113に送られることによって行われ、ボンベユニット41、給排気ユニット42は、注水管112、制御弁113から耐圧ボトル210への炭酸水の給水が一定の速度で行うのに必要な炭酸ガスを加圧タンク28に供給することを特徴としている。
【0155】
上記構成によれば、注水管112からの耐圧ボトル210への注水は、加圧タンク28の内部の圧力によって炭酸水が注水管112に送られることによって行われ、ガスボンベ51からは、注水管112から耐圧ボトル210への炭酸水の注水が一定の速度で行われるように、炭酸ガスが加圧タンク28に供給されるようにしたので、ポンプなどの動力装置を用いずに、耐圧ボトル210に炭酸水を供給することができる。また、炭酸ガスは、炭酸水を生成する際に加圧タンク28に供給されるので無駄とはならない。
【0156】
また、自装置の動作に関わる情報を情報管理端末機140に通信する通信部139をさらに有することを特徴としている。
【0157】
上記構成によれば、通信部139は、炭酸水製造装置10における炭酸水の製造履歴や発生したエラーの履歴等の情報や、貯水タンク30におけるRO水の貯水量の情報など、炭酸水製造装置10の動作に関わる情報を、情報管理端末機140に送信するので、情報管理端末機140を用いて炭酸水製造装置10を管理することができる。
【0158】
また、炭酸水の製造方法としては、原水を濾過して生成された透過水に炭酸ガスを攪拌混合して炭酸水を生成するステップ(給水工程、給気工程)と、生成された前記炭酸水を注水するステップ(注水工程)と、を含むことを特徴としている。
【0159】
上記構成によれば、例えば、外部のRO水製造装置200が生成したRO水に炭酸ガスを攪拌混合させて炭酸水を生成し、生成した炭酸水を耐圧ボトル210に注水するようにしたので、例えば、外部のRO水製造装置200からRO水の供給を受けて炭酸水を生成することができ、それをボトルに入れてそれを販売することができる。
【符号の説明】
【0160】
10…炭酸水製造装置
21…タッチパネル
22…QRコードリーダ
23…ICカードリーダ
24…注水ボックス
28…加圧タンク
29…除菌フィルタ
30…貯水タンク
31…冷却器(チラー)
41…ボンベユニット
42…給排気ユニット
43…給水ユニット
44…冷却ユニット
45…加圧タンクユニット
46…制御ユニット
51…ガスボンベ
52…減圧弁ユニット
104…噴出ノズル
112…注水管
113…制御弁
139…通信部
140…情報管理端末機
200…RO水製造装置
210…耐圧ボトル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15