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特開2022-81133注水ボックス及びこれを用いた炭酸水製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081133
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】注水ボックス及びこれを用いた炭酸水製造装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20220524BHJP
   B01F 21/00 20220101ALI20220524BHJP
   B01F 35/75 20220101ALI20220524BHJP
   B01F 35/00 20220101ALI20220524BHJP
   A23L 2/00 20060101ALN20220524BHJP
   A23L 2/54 20060101ALN20220524BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
B01F1/00 D
B01F15/02 C
B01F15/00 Z
A23L2/00 T
A23L2/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192483
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】502038842
【氏名又は名称】株式会社デジアイズ
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴則
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 修治
(72)【発明者】
【氏名】山田 直史
【テーマコード(参考)】
3E082
4B117
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
3E082BB01
3E082CC04
3E082CC10
3E082FF03
3E082FF09
4B117LC14
4B117LE10
4B117LK04
4B117LT01
4G035AA06
4G035AA11
4G035AA12
4G035AE09
4G035AE13
4G037AA11
4G037DA25
4G037EA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生成された炭酸水のガス強度の低下を抑止すると同時に、ベントステージ近傍を清潔に保つ。
【解決手段】本発明の注水ボックス18は、一面が開口された中空の箱形状であり、複数の内壁面のいずれか1つの壁面に、供給される液体が流入する注水口を有する本体と、前記本体の内部に収納される容器210を保持する容器保持部と、を有し、前記容器保持部は、前記容器の注ぎ口が前記注水口を介して流入する液体の移動軌跡上に位置し、且つ前記容器の長手方向が前記注水口を介して前記本体の内部へと流れる液体の流入方向に交差するように、前記容器を保持することを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面が開口された中空の箱形状であり、複数の内壁面のいずれか1つの壁面に、供給される液体が流入する注水口を有する本体と、
前記本体の内部に収納される容器を保持する容器保持部と、
を有し、
前記容器保持部は、前記容器の注ぎ口が前記注水口から離間した位置で前記容器を保持することを特徴とする注水ボックス。
【請求項2】
前記本体に対して開閉自在な開閉扉を有し、
前記容器保持部は、前記開閉扉を閉じたときに、前記本体の内部に対峙する前記開閉扉の面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の注水ボックス。
【請求項3】
前記容器保持部は、前記容器の注ぎ口が前記注水口を介して流入する液体の移動軌跡上に位置し、且つ前記容器の長手方向が前記注水口を介して前記本体の内部へと流れる液体の流入方向に交差するように、前記容器を保持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の注水ボックス。
【請求項4】
前記容器保持部は、少なくとも前記容器の首部を保持することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の注水ボックス。
【請求項5】
前記開閉扉が閉じたときに、前記容器保持部に保持した前記容器が正規の容器であるか否かを判別する判別部と、
前記閉じた前記開閉扉をロックするロック機構と、
を有し、
前記ロック機構は、前記判別部により前記容器保持部に保持した前記容器が正規の容器でないと判別されたときには、前記開閉扉のロックを行わずに、前記開閉扉の開閉を許容することを特徴とする請求項2に記載の注水ボックス。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の注水ボックスと、
前記注水ボックスの上方に配置され、冷却水及び炭酸ガスの供給を受けて炭酸水を生成して保持する炭酸水生成部と、
一端が前記炭酸水生成部に接続され、他端が前記注水ボックスの注水口近傍に配置され、前記炭酸水生成部で生成された前記炭酸水を、前記注水口を介して前記本体の内部に供給する注水管と、
を有し、
前記注水管を介して前記容器の内部に注水される炭酸水は、前記容器保持部に保持された前記容器の注ぎ口から前記容器の内壁面を伝って前記容器の内部に供給されることを特徴とする炭酸水製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸水や飲料水の注水時に、炭酸水や飲料水が注水される容器をボックス内で保持する注水ボックス及びこれを用いた炭酸水製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、種々の飲料を販売する自動販売機が提供されている。自動販売機は、製造した飲料を封入したペットボトルや飲料缶などの容器で提供するものや、販売機の内部で生成した飲料をカップなどに注入して提供するものがある。販売機の内部で生成した飲料をカップなどに注入して販売する自動販売機では、例えば自動販売機内の炭酸水製造装置で生成された炭酸水と、シロップ飲料の原液となる各種のシロップとを容器に注出することで、炭酸水とシロップとが混合された飲料が提供される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-23979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、生成した飲料を容器などに注入して提供する自動販売機では、炭酸水製造装置から容器へと注水する際に炭酸水が容器の底面にあたり、その衝撃で炭酸ガスが気化しやすい。したがって、容器に注水された炭酸水のガス強度(GV:Gas Volume)は、生成時よりも弱いものとなる。例えば炭酸水製造装置において、ガス強度の高い炭酸水を生成してカップに抽出することも考えられるが、ガス強度の高い炭酸水は、注出ノズルから噴出する恐れがある。
【0005】
また、上述した容器に飲料が注出される自動販売機の場合、ベントステージの上方の空間に手を挿入して、ベンドステージに載置される容器を把持して、容器をベントステージから取り出す。ベントステージの上方の空間に手を挿入したときには、例えばベントステージの上方に配置された抽出ノズルに意図せずに触れることもある。したがって、ベントステージ近傍が不衛生であるという問題もある。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生成された炭酸水のガス強度の低下を抑止すると同時に、ベントステージ近傍を清潔に保つことができる注水ボックス及びこれを用いた炭酸水製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の注水ボックスは、一面が開口された中空の箱形状であり、複数の内壁面のいずれか1つの壁面に、供給される液体が流入する注水口を有する本体と、前記本体の内部に収納される容器を保持する容器保持部と、を有し、前記容器保持部は、前記容器の注ぎ口の中心が前記注水口を介して流入する液体の移動軌跡上に位置し、且つ前記容器の長手方向が前記注水口を介して前記本体の内部へと流れる液体の流入方向に交差するように、前記容器を保持することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の炭酸水製造装置は、上記に記載の注水ボックスと、前記注水ボックスの上方に配置され、冷却水及び炭酸ガスの供給を受けて炭酸水を生成して保持する貯水部と、一端が前記貯水部に接続され、他端が前記注水ボックスの開口近傍に配置され、前記貯水部に貯水された前記炭酸水を、前記開口を介して前記本体の内部に供給する注水管と、を有し、前記注水管を介して前記本体の内部に流れ込む炭酸水は、前記容器保持部に保持された前記容器の注水口から前記容器の内壁面を伝って前記容器の内部に注水されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、生成された炭酸水のガス強度の低下を抑止すると同時に、ベントステージ近傍を清潔に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1(a)は、本実施形態の炭酸水製造装置の前面扉を閉じた状態を示す斜視図、図1(b)は、炭酸水製造装置の前面扉を開けた状態を示す斜視図である。
図2図2(a)は、注水ボックスの構成を注水ボックスの前面上方から視認した図、図2(b)は、注水ボックスの構成を注水ボックスの前面下方から視認した図である。
図3】注水ボックスの注水扉を開いた状態を示す図である。
図4図4(a)は、注水ボックスの注水扉に耐圧ボトルを保持した状態を注水ボックスの前面上方から視認した図、図4(b)は、注水ボックスの注水扉に耐圧ボトルを保持した状態を注水ボックスの前面上方から視認した図である。
図5図5(a)は、注水扉を閉じ状態に保持した注水ボックスの正面図、図5(b)は、図5(a)におけるA-A断面図、図5(c)は、図5(a)におけるB-B断面図、図5(d)は、図5(a)におけるC-C断面図、図5(e)は、図5(a)におけるD-D断面図である。
図6】炭酸水製造装置の構成の一例を示す図である。
図7】炭酸水製造装置の電気的構成の一例を示す図である。
図8】炭酸水製造装置における炭酸水の生成から、耐圧ボトルの取り出しが完了するまでの流れを示すフローチャートである。
図9】すすぎ工程におけるRO水の流れを示す図である。
図10】給水工程におけるRO水の流れを示す図である。
図11】給気工程における炭酸ガスの流れを示す図である。
図12】減圧工程におけるガスの流れを示す図である。
図13】注水工程における炭酸水及び炭酸ガスの流れを示す図である。
図14図14(a)は、自装置の前後方向にスライドする注水扉が閉じた状態を示す斜視図、図14(b)は、注水扉が開いた状態を示す斜視図である。
図15図15(a)は、下端部をボックス本体の下端部で軸支される注水扉が閉じた状態を示す斜視図、図15(b)は、注水扉が開いた状態を示す斜視図である。注水扉が閉じ位置にあるときの炭酸水製造装置を示す斜視図、図14(b)は、
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態の炭酸水製造装置について図面を用いて説明する。
【0012】
本実施形態の炭酸水製造装置10は、RO水製造装置200(図3参照)と接続され、RO水製造装置200により生成されたRO水を用いて炭酸水を生成し、生成した炭酸水を、例えば耐圧ボトル210(図3参照)に注水する装置である。RO水製造装置200は、例えば水道水又は天然水をRO(Reverse Osmosis)膜により濾過することで、純水(RO水)を製造する装置である。
【0013】
図1及び図2に示すように、炭酸水製造装置10は、前面扉11及び装置本体12を有する。前面扉11は、装置本体12の幅方向における一端側(図1中右側)を中心にして、装置本体12の内部を遮蔽する閉じ位置と、装置本体12の内部を露呈する開き位置との間で回動する。
【0014】
前面扉11は、タッチパネル21、QR(Quick Response)コードリーダ22、IC(Integrated Circuit)カードリーダ23の他、注水ボックス24を有する。
【0015】
タッチパネル21は、炭酸水製造装置10の動作状態に基づく情報や、QRコードリーダ22やICカードリーダ23により読み取られた情報を表示する。また、タッチパネル21は、必要に応じて、購入可能な炭酸水のガス強度(GV)や炭酸水の水量を選択する選択ボタン(図示省略)を表示する。
【0016】
QRコードリーダ22は、購入者が有する携帯型端末機に表示されるQRコード(登録商標)や、レシートなどに印刷されたQRコードを読み取る。なお、QRコードは、例えば、購入者が購入する炭酸ガスの情報(炭酸水の水量やガス強度)を示すものである。
【0017】
ICカードリーダ23は、ICカードに埋め込まれたICチップに記憶された情報を読み取る。なお、ICカードリーダ23の代わりに、磁気カードを読み取る磁気カードリーダであってもよい。
【0018】
本実施形態では、QRコードリーダ22とICカードリーダ23を有する炭酸水製造装置10を一例として説明するが、QRコードリーダ22又はICカードリーダ23の少なくともいずれか一方を有する炭酸水製造装置であってもよい。
【0019】
注水ボックス24は、炭酸水を注入するための耐圧ボトル210を内部に設置する。注水ボックス24は、ボックス本体25、注水扉26及び排水トレイ27を有する。なお、注水ボックス24の詳細については、後述する。
【0020】
前面扉11を開き位置へと回動させると、前面扉11の背面側に配置された加圧タンク28、除菌フィルタ29が露呈される。加圧タンク28は、RO水又は生成された炭酸水を貯水する。除菌フィルタ29は、後述する冷却器31により冷却されたRO水を濾過してRO水の除菌や不純物を除去する。
【0021】
また、前面扉11を開き位置へと回動させると、装置本体12は、貯水タンク30、冷却器(チラー)31などを露呈する。貯水タンク30は、外部から送り込まれるRO水を貯水し、貯水したRO水を加圧タンク28に向けて送り出す。冷却器31は、貯水タンク30から送り出されたRO水との間で熱交換を行って、加圧タンク28に向けて流れるRO水を冷却する。
【0022】
上述したように、注水ボックス24は、ボックス本体25、注水扉26及び排水トレイ27を有する。図2から図5に示すように、ボックス本体25は、前面が開口された中空箱形状の部材である。ボックス本体25は、注水扉26に保持される耐圧ボトル210よりも大きい、すなわち、直径が耐圧ボトル210の直径よりも大きい容器を収納することができない内部空間を有する。ここで、耐圧ボトル210は、炭酸水製造装置10において炭酸水を購入する際に用いられる専用の容器である。
【0023】
ボックス本体25は、上部側面25aにおいて開口33を有する。開口33は、加圧タンク28の下部に配置される注水管112を挿通する。加圧タンク28の内部で生成された炭酸水は、注水管112を介して、注水扉26に保持された耐圧ボトル210に注水される。
【0024】
注水扉26は、通常、閉じ位置に保持され、耐圧ボトル210を注水扉26に設置するとき又は耐圧ボトル210を注水扉26から取り外すときに開き位置へと回動される。注水扉26は、図示を省略したばねにより、閉じ位置に向けて付勢される。
【0025】
排水トレイ27は、注水管112からこぼれた炭酸水又はRO水を回収して、外部に排水する。また、排水トレイ27は、耐圧ボトル210の注水口210aにキャップ(図示省略)を取り付ける際に耐圧ボトル210の注水口210aから漏れた炭酸水を回収して、外部に排水する。
【0026】
ボックス本体25は、ボトルセンサ34、ロック機構35(図7参照)を有する。ボトルセンサ34は、注水扉26を閉じたときに、注水扉26に保持した耐圧ボトル210の首部210bに押圧されてオンとなる。ボトルセンサ34は、専用の耐圧ボトル210よりも細い容器が注水扉20に保持された状態で注水扉20を閉じたとしても、容器に接触しないようになっている。なお、注水扉26を閉じたときに、注水扉26に保持した耐圧ボトル210の首部210bに押圧されてオンとなるボトルセンサ34を設けた場合を説明しているが、これに限定する必要はなく、例えば、注水ボックス24の内部を撮像する撮像部を注水ボックス24に設け、撮像部により撮像される画像から、注水扉26に保持された容器が耐圧ボトル210であるか否かを判定するようにすることも可能である。
【0027】
ロック機構35は、注水扉26を閉じ位置へと回動させたときに、注水扉26の取っ手36に設けた係合部36aを係止する機構である。ロック機構35は、ロックセンサ35a(図7参照)を有する。ロックセンサ35aは、注水扉26を閉じ位置まで回動させたときに、注水扉26の取っ手36に設けた係合部36aに押圧されてオンとなる。上述したように、ボックス本体25は、専用の耐圧ボトル210が収納できる大きさである。したがって、専用の耐圧ボトル210よりも太い容器が注水扉26に保持された状態で注水扉26を閉じたとしても、容器がボトルセンサ34に当接するが、注水扉26が閉じ位置まで移動しない状態で保持される。その結果、ロックセンサ35aは、注水扉26が閉じたことを検知できない。なお、ロックセンサ35aは、ロック機構35により注水扉26のロックが解除された後、注水扉26が開き位置へと移動したときにオフとなる。
【0028】
注水扉26は、ボックス本体25との間に配置したヒンジ部37により、図2中上下方向を回動中心として、閉じ位置と開き位置との間で回動する。注水扉26は、閉じ位置にあるとき、ボックス本体25の内部を遮蔽する。また、注水扉26は、開き位置にあるとき、ボックス本体25の内部や注水扉26の内側の面26aに配置した保持片38や支持ガイド39を露呈する。ここで、保持片38や支持ガイド39は、耐圧ボトル210を保持するボトルホルダとして機能する。
【0029】
注水扉26は、耐圧ボトル210を傾斜した状態で保持する。図示は省略するが、耐圧ボトル210を保持した状態で注水扉26を閉じると、保持した耐圧ボトル210の注水口210aが注水管112の下方に位置する。図3から図5に示すように、注水扉26は、内側の面26aの上部に固定される保持片38と、注水扉26の内側の面26aの下部に固定される支持ガイド39とを有する。
【0030】
保持片38は、耐圧ボトル210の首部210bを保持する。保持片38は、例えば長方形状の金属板の長手方向における一端を直角に屈曲した屈曲部38aと、長手方向における他端側で、金属板の短手方向における一端から他端側に向けて切り欠いた切欠き部38bとを有する。屈曲部38aは、保持片38を注水扉26の内側の面26aにねじ止め固定する固定部として機能する。図5(a)に示すように、耐圧ボトル210を保持した状態で注水扉26を閉じると、保持した耐圧ボトル210の注水口210aは、鉛直方向に延びる注水管112の下方に位置する。つまり、注水口210aは、注水管112から下方に流れ出る炭酸水の移動軌跡上に位置する。なお、鉛直方向に延びる注水管112に対して耐圧ボトル210を傾けて保持するようにしているが、耐圧ボトル210を耐圧ボトル210の長手方向(耐圧ボトル210の注水口210aの軸方向)を鉛直方向に平行となるように配置する一方で、注水管112の軸方向を耐圧ボトル210の注水口210aの軸方向に対して傾斜させることも可能である。
【0031】
切欠き部38bは、注水扉26に耐圧ボトル210を保持する際に、耐圧ボトル210の首部210bが挿入される。耐圧ボトルの首部210bを切欠き部38bに挿入した状態では、耐圧ボトル210の首部210bに設けた鍔部210cが切欠き部38bの上面の周縁部に当接される。したがって、耐圧ボトル210の首部210bが保持片38から抜け落ちることが防止される。なお、切欠き部38bの幅は、耐圧ボトル210の首部210bにおける直径の最小値以上、耐圧ボトル210の首部210bに設けた鍔部210cの外径未満に設定される。
【0032】
支持ガイド39は、保持片38の切欠き部38bに首部が挿入された耐圧ボトル210の下部側面を支持する。支持ガイド39は、両端部が同一方向で且つ平行に延出されるように、複数回屈曲された、例えばステンレス鋼などの金属製の棒材である。複数回屈曲される金属製の棒材の両端部のうち、一方の端部39aは、他方の端部39bから離間する方向に突出するように屈曲された屈曲部39cを有する。屈曲部39cは、耐圧ボトル210の下部側面を2か所で支持する側面支持部として機能する。したがって、図5に示すように、注水扉26に保持される耐圧ボトル210は、耐圧ボトル210の首部210bが保持片38に保持され、耐圧ボトル210の下部側面が支持ガイド39に位置決めた状態で支持される。
【0033】
なお、本実施形態では、支持ガイド39により耐圧ボトル210の下部側面を支持しているが、保持片38のみで耐圧ボトルを保持できるのであれば、支持ガイド39の構成は省略することが可能である。また、支持ガイド39は、耐圧ボトル210の下部側面を支持するようにしているが、支持ガイド39によって耐圧ボトル210を支持する位置は、これに限定されるものではない。なお、保持片38及び支持ガイド39の構成は一例を示したものであり、耐圧ボトル210を保持できる構造であればよい。したがって、保持片38及び支持ガイド39を一体としてもよい。
【0034】
次に、炭酸水製造装置10の構成について、図6を用いて説明する。なお、図6においては、信号の流れを点線で示している。
【0035】
炭酸水製造装置10は、ボンベユニット41、給排気ユニット42、給水ユニット43、冷却ユニット44、除菌フィルタ29、加圧タンクユニット45、制御ユニット46などを有する。
【0036】
ボンベユニット41は、ガスボンベ51に貯留される液化炭酸ガスを気化して給排気ユニット42に向けて供給する。ボンベユニット41は、ガスボンベ51、及び減圧弁ユニット52を有する。ガスボンベ51は、内部に液化炭酸ガスを貯留する。ガスボンベ51は、容器弁53を有しており、容器弁53を介して減圧弁ユニット52と接続される。
【0037】
減圧弁ユニット52は、ガスボンベ51から送り出された炭酸ガスを給排気ユニット42へと送り出す。減圧弁ユニット52は、ガス路54に圧力計55,56、減圧弁57、手動弁58を有する。減圧弁ユニット52は、ガスボンベ51側を上流とした場合、上流側から、圧力計55、減圧弁57、圧力計56、手動弁58の順で配置する。圧力計55は、減圧弁57に送り込まれる炭酸ガスの圧力を測定する。圧力計56は、減圧弁57から送り出される炭酸ガスの圧力を測定する。
【0038】
減圧弁57は、給排気ユニット42に供給する炭酸ガスの圧力が例えば1Mpaとなるように、供給する炭酸ガスの減圧調整を行う。炭酸ガスの減圧調整は、例えば圧力計56による測定値を、作業者が目視にて確認しながら実行される。また、手動弁58は、ボンベユニット41と給排気ユニット42との間に配置されるガス路60に接続される。なお、手動弁58は、通常、開状態に保持される。
【0039】
給排気ユニット42は、炭酸水の生成時や、炭酸水の注水時に、減圧弁ユニット52から供給される炭酸ガスを、加圧タンクユニット45へと供給する。また、給排気ユニット42は、炭酸水の生成時に、加圧タンクユニット45から送り出される炭酸ガスを冷却ユニット44に供給する。さらに、給排気ユニット42は、加圧タンクユニット45における減圧時や全排出時に、加圧タンクユニット45から送り出される炭酸ガスを排出する。また、全排水とは、後述する貯水タンク30に貯水されたRO水を全て排出することを示す。
【0040】
給排気ユニット42は、ボンベユニット41と加圧タンクユニット45との間に配置される。給排気ユニット42は、ガス路61,62,63、及び排気路64,65を有する。
【0041】
ガス路61は、ボンベユニット41側を上流とした場合、上流側端部において、ガス路60に接続され、下流側端部において、加圧タンクユニット45の一方弁103に接続される。ガス路61は、上流側から、手動弁67、ガスフィルタ68、圧力スイッチ(PS)69、制御弁70の順で配置する。
【0042】
手動弁67は、ガス路61の上流側端部に配置される。手動弁67は、ガス路60を介して、減圧弁ユニット52に接続される。手動弁67は通常開状態で保持される。ガスフィルタ68は、ガス路61を流れる炭酸ガスに含まれる不純物を除去する。圧力スイッチ69は、ガス路61の圧力が一定圧力(例えば0.8MPa)以上となるときにオンとなり、制御ユニット46に向けてオン信号を出力する。制御弁70は、例えば炭酸水の生成時に開状態となる。
【0043】
ガス路62は、上流側端部をガス路61に、下流側端部を加圧タンクユニット45の一方弁105に各々接続する。ガス路62は、例えば圧力スイッチ69と制御弁70との間でガス路61に接続する。
【0044】
ガス路62は、上流側から、制御弁71、減圧弁72で配置する。制御弁71は、例えば炭酸水の注水時に開状態となる。減圧弁72は、加圧タンクユニット45に向けて供給される炭酸ガスの圧力を減圧する。
【0045】
ガス路63は、上流側端部をガス路61に接続される。ガス路63は、下流側端部を冷却ユニット44の冷却器の貯水槽に挿入される。ガス路63は、ガス路62と同様に、例えば圧力スイッチ69と制御弁70との間でガス路61に接続する。
【0046】
ガス路63は、上流側から、制御弁73、オリフィス弁74を配置する。制御弁73は、例えば、冷却器31の冷却槽に貯水された冷却水が過冷却となるときに開状態となる。オリフィス弁74は、冷却器31に向けて供給される炭酸ガスの流量を調整する。
【0047】
排気路64は、加圧タンクユニット側を上流側としたときに、上流側から、ウォーターセパレータ75、制御弁76及びサイレンサ77の順で配置する。
【0048】
ウォーターセパレータ75は、加圧タンク28から排出される炭酸ガスに含まれる液体を分離する。分離した液体は、ウォーターセパレータ75に接続された排水路78を介して排水される。排水路78は、下流側で、冷却器31に接続されるオーバーフロー用の排水路94に接続する。したがって、ウォーターセパレータ75から排水される液体は、オーバーフロー用の排水路94へと流れた後、外部に排水される。
【0049】
制御弁76は、例えば加圧タンク28の減圧時、全排水時に開状態となる。サイレンサ77は、加圧タンク28から炭酸ガスを排出する際に発生するノイズを消音する。
【0050】
排気路65は、上流側端部を、ウォーターセパレータ75及び制御弁76の間で、排気路64に接続される。また、排気路65は、下流側端部を、オリフィス弁74の下流側で、ガス路63に接続される。
【0051】
排気路65は、リリーフ弁79を配置する。リリーフ弁79は、炭酸水の生成時に、例えば排気路65の圧力が0.5MPaに到達すると開状態となる。リリーフ弁79が開状態となることで、加圧タンク28の内部圧力が一定の圧力に保持される。
【0052】
給水ユニット43は、炭酸水製造装置10に供給されるRO水を受容し、必要に応じて、受容した水を加圧タンクユニット45に供給するユニットである。受容したRO水を下流に供給するタイミングは、例えば炭酸水の生成時や、すすぎ時、全排水時などが挙げられる。すすぎとは、例えば貯水タンクに貯水されたRO水を用いて加圧タンク28の内部を洗い流すことを示す。
【0053】
給水ユニット43は、RO水製造装置200と接続される水路80を有する。水路80は、RO水製造装置200側を上流としたときに、上流側から、制御弁81、一方弁82、流量計83、圧力スイッチ(PS)84、制御弁85の順で配置する。
【0054】
制御弁81は、RO水製造装置200からのRO水の供給時に開状態となる。一方弁82は、RO水製造装置200へのRO水の逆流を防止する。流量計83は、水路80を流れるRO水の流量を計測し、計測信号を制御ユニット46に出力する。圧力スイッチ84は、水路80を流れるRO水の圧力値が予め設定された圧力値(例えば0.2MPa)以上となるときにオンとなり、制御ユニット46にオン信号を出力する。なお、予め設定された圧力値は、RO水が加圧タンク28に向けて供給されるのに十分な速度となるときのRO水の圧力値である。制御弁85は、例えば、炭酸水の生成時、すすぎ時及び全排水時に開状態となる。
【0055】
水路80は、一方弁82と流量計83との間で、水路86,87を接続する。水路86は、貯水タンク30と接続される。水路86は、手動弁88を有する。手動弁88は、通常、開状態であり、貯水タンク30の交換などの際に閉状態となる。
【0056】
貯水タンク30は、図示は省略するが、ダイヤフラムとして機能する風船を内部に有する。貯水タンク30は、請求項に記載の炭酸水生成手段として機能する。貯水タンク30は、貯水タンク30に送り込まれた水の圧力を受けて風船が収縮されることで、RO水を貯水する。また、貯水タンク30は、所定のタイミングで、収縮された風船が膨張することで、貯水したRO水を送り出す。なお、所定のタイミングは、例えば炭酸水の生成時、すすぎ時及び全排水時である。なお、貯水タンク30からRO水が送り出されるときのRO水の流量は、例えば1~2L/minである。
【0057】
水路87は、例えば水路80内のRO水や、貯水タンク30に貯水されたRO水を排水する排水路である。水路87は、手動弁89を有する。手動弁89は、通常、閉状態に保持される。
【0058】
冷却ユニット44は、給水ユニット43と、加圧タンクユニット45との間に配置される。冷却ユニット44は、冷却器31を有する。冷却器31は、貯水槽に貯水した冷却水をコンプレッサ31a(図7参照)により冷却して、冷却器31の内部に挿通された水路91の内部を流れるRO水との間で熱交換を行って、RO水を冷却する。冷却器31により、RO水は、例えば25℃から4℃まで冷却される。冷却器31は、水温計31bを有する。水温計31bは、貯水した冷却水の温度を示す温度信号を制御ユニット46に出力する。なお、水路91は、上流側で給水ユニット43の制御弁85に接続され、下流側で除菌フィルタ29に接続される。
【0059】
冷却器31は、排水路92と接続される。排水路92は、手動弁93を有する。手動弁93は、通常、閉状態に保持され、例えば冷却器31の貯水槽に貯水される冷却水を排出する際に、開状態に切り替えられる。
【0060】
冷却器31は、オーバーフロー用の排水路94と接続される。オーバーフロー用の排水路94は、冷却器31の貯水槽に貯水した冷却水の貯水量が所定量以上となるときに、冷却器31の貯水槽に貯水した冷却水を排水する。オーバーフロー用の排水路94は、排水トラップ95を有する。排水トラップ95は、排水経路の下流側からの異臭を遮断する。また、排水トラップ95は、排水路94の内部のガスの流出を防止するようにしてもよい。排水路94は、排水トラップ95の上流側で、通気路96を接続する。通気路96は、排水路94内の排水の流れを円滑にし、また排水トラップ95における封水を保護する。なお、通気路96を設けることで、排水路94に新鮮な空気を流通させ、排水路94内の換気を行うようにしてもよい。また、オーバーフロー用の排水路94は、通気路96が接続される位置よりも上流側で、ウォーターセパレータ75に接続された排水路78を接続する。
【0061】
除菌フィルタ29は、上流側端部を水路91に、下流側端部を水路97に接続する。除菌フィルタ29は、冷却器31により冷却されたRO水を濾過して、RO水中に含まれる細菌などを除去する。除菌フィルタ29は、例えば直径0.2μmの開口を複数有する中空糸膜を、円筒状に束ねた中空糸膜束を有するフィルタである。なお、中空糸膜に設けられる開口の大きさは、0.2μmに限定される必要はなく、例えば一般に除菌効果があるとされる0.45μm以下であればよい。
【0062】
加圧タンクユニット45は、加圧タンク28に供給されるRO水及び炭酸ガスにより炭酸水を生成する。加圧タンクユニット45は、給気路99,100、給水路101、排気路102を有する。
【0063】
給気路99は、上流側に一方弁103を、下流側に加圧タンク28の内部に設置される噴出ノズル104を接続する。一方弁103は、給排気ユニット42のガス路61と接続され、給気路99を流れる炭酸ガスの逆流を防止する。
【0064】
給気路100は、上流側に一方弁105を、下流側に加圧タンク28を接続する。一方弁105は、給排気ユニット42のガス路62と接続され、給気路100を流れる炭酸ガスの逆流を防止する。給気路100は、オリフィス弁106を配置する。オリフィス弁106は、給気路100を流れる炭酸ガスの流量を調整する。
【0065】
給水路101は、上流側に一方弁107を、下流側に加圧タンク28の下部に設置される噴出ノズル108に接続する。一方弁107は、水路97と接続される。
【0066】
排気路102は、加圧タンク28側を上流側としたときに、上流側に加圧タンク28の上部を接続し、下流側に一方弁109を接続する。一方弁109は、給排気ユニット42に向けた炭酸ガスの逆流を防止する。なお、一方弁109は、排気路110を介して、給排気ユニット42のウォーターセパレータ75に接続される。
【0067】
加圧タンク28は、噴出ノズル104,108を内部に有する。噴出ノズル104は、加圧タンク28の上部に配置される。噴出ノズル104が設置される位置は、例えば噴出ノズル104の噴出口が加圧タンク28の内部に貯水されたRO水に浸水する位置であればよい。噴出ノズル104は、ボンベユニット41から供給される炭酸ガスを加圧タンク28の内部に貯水されたRO水中に噴出する。ここで、噴出ノズル104は、請求項に記載の炭酸水生成手段及びノズルとして機能する。
【0068】
噴出ノズル108は、加圧タンク28の下部に配置される。噴出ノズル108は、給水ユニット43から供給されるRO水を加圧タンク28の内部で、加圧タンク28の上方に噴出する。ここで、加圧タンク28の内部に送り込まれるRO水の流量は、例えば1~2L/minである。
【0069】
加圧タンク28は、噴出ノズル104、噴出ノズル108の他に、圧力スイッチ(PS)111を有する。圧力スイッチ111は、加圧タンク28の圧力が一定値以上となる場合にオンとなり、制御ユニット46に向けてオン信号を出力する。
【0070】
加圧タンク28の下部には、注水管112が接続される。注水管112は、加圧タンク28に貯水されるRO水や、炭酸水を排出する。なお、注水管112は、制御弁113を有する。制御弁113は、例えば、すすぎ時、全排水時、炭酸水の注水時などに開状態となる。制御弁113が開状態となると、加圧タンク28に貯水されたRO水又は炭酸水が注水管112から流れ出る。ここで、炭酸水の注水時に、注水ボックス24の注水扉26に耐圧ボトル210をセットしている場合、注水管112を介して炭酸水が耐圧ボトル210に注水される。また、すすぎ動作時や全排水時に、制御弁113が開状態となると、注水管112から流れ出るRO水は、注水ボックス24の下部に配置された排水トレイ27にて受容され、外部に排水される。ここで、注水管112及び制御弁113は、請求項に記載の注水手段に相当する。
【0071】
次に、炭酸水製造装置10の電気的構成について、図7の機能ブロック図を用いて説明する。なお、図7にて記載されるユニットは、他のユニットと電気的に接続されるユニットのみの表示としている。したがって、図7においては、ボンベユニット41の構成については省略している。
【0072】
図7に示すように、炭酸水製造装置10は、タッチパネル21、QRコードリーダ22、ICカードリーダ23、給排気ユニット42、給水ユニット43、冷却ユニット44、加圧タンクユニット45の他、これらに電気的に接続される制御ユニット46を有する。
【0073】
制御ユニット46は、不図示の制御プログラムを実行することで、主制御部131、時刻制御部132、給水制御部133、給排気制御部134、冷却制御部135、注水制御部136、表示制御部137及び通信制御部138の機能を実行する。
【0074】
主制御部131は、QRコードリーダ22によって読み取られたQRコードの情報や、ICカードリーダ23によって読み取られたICカードに記録された情報や、時刻制御部132により制御される情報に基づいて、給水制御部133、給排気制御部134、冷却制御部135、注水制御部136、表示制御部137及び通信制御部138を統括的に制御する。また、主制御部131は、RO水製造装置200との間で信号の送受信を行う。
【0075】
また、主制御部131は、RO水の加圧タンク28への給水時に、注水ボックス24のロック機構35による注水扉26のロックを解除する。また、主制御部131は、ロックセンサ35aからオン信号が出力されると、ロック機構35による注水扉26をロックする。このとき、主制御部131は、ボトルセンサ34からオン信号が出力されていれば、RO水の加圧タンク28への給水が終了した後に、給排気制御部134に給気開始の指示を行う。なお、ロックセンサ35aからのオン信号、ボトルセンサ34からのオン信号のいずれか一方の信号が出力されていない場合、主制御部131は、一定時間経過した後、給排気制御部134及び注水制御部136に排水開始の指示を行う。
【0076】
時刻制御部132は、現在日時を管理する。また、時刻制御部132は、予め設定された時刻となるときに、予め設定された時刻に到達したことを示す信号を主制御部131に出力する。これを受けて、主制御部131は、制御ユニット46の各部を制御して、全排水工程を実行する。なお、予め設定された時刻は、炭酸水製造装置10が設置される、例えばスーパーなどの店舗の営業時間外にとなる時刻に設定される。
【0077】
また、時刻制御部132は、例えば炭酸水製造装置10において販売指令を各部に出力からの経過時間を測定する。そして、経過時間が一定時間(例えば30分など)経過すると、時刻制御部132は、一定時間経過したことを示す信号を主制御部131に出力する。これを受けて、主制御部131は、制御ユニット46の各部を制御して、すすぎ工程を開始する。
【0078】
給水制御部133は、主制御部131からのRO水の受水開始及び受水停止の指示を受けて、制御弁81の開閉制御を行う。なお、RO水の受水開始の指示は、例えば圧力スイッチ84から給水制御部133に信号の出力が停止された後、主制御部131がRO水製造装置200に対してRO水の供給を指示する信号(送水信号)の送信を行い、RO水製造装置200からRO水の供給を実行する信号(送水動作信号)を受信したときに、主制御部131から給水制御部133に出力される。また、受水停止の指示は、例えば圧力スイッチ84から給水制御部133への信号が再度出力された後、主制御部131がRO水製造装置200に対してRO水の供給停止を指示する信号(送水停止信号)の送信を行い、RO水製造装置200からRO水の供給停止を行った信号(停止動作信号)を受信したときに、主制御部131から給水制御部133に出力される。
【0079】
また、給水制御部133は、主制御部131からのすすぎ開始及びすすぎ停止の指示、給水開始及び給水停止の指示、あるいは、全排水開始及び全排水停止の指示を受けて、制御弁85の開閉制御を行う。このとき、給水制御部133は、流量計83からの計測信号に基づいて加圧タンク28に供給したRO水の供給量を算出し、算出したRO水の供給量が予め設定される供給量となるときに制御弁85を閉状態に切り替える。
【0080】
給排気制御部134は、主制御部131からの給気開始及び給気停止の指示を受けて、制御弁70の開閉制御を行う。また、給排気制御部134は、主制御部131からの注水開始及び注水停止の指示を受けて、制御弁71の開閉制御を行う。また、給排気制御部134は、冷却器31の水温計31bからの計測信号に基づき、制御弁73の開閉制御を行う。また、給排気制御部134は、圧力スイッチ69からのオン信号が停止されたことを受けて、主制御部131にエラーが発生したことを指示する。このとき、主制御部131は、炭酸水の販売停止を各部に指示する。
【0081】
冷却制御部135は、コンプレッサ31aを常時駆動させる。また、冷却制御部135は、冷却器31に配置された水温計31bの計測信号に基づき、冷却器31の貯水槽に貯水される冷却水の温度が加圧タンクへと供給されるRO水を冷却するのに適した温度であるか否かを判定する。冷却器31の貯水槽に貯水される冷却水の温度が加圧タンク28へと供給されるRO水を冷却するのに適した温度ではない場合(すなわち、貯水槽に貯水された冷却水の温度が高い場合)には、冷却制御部135は、エラー信号を主制御部131に出力する。これを受けて、主制御部131は、販売停止指令を各部に出力する。
【0082】
注水制御部136は、主制御部131からのすすぎ開始及びすすぎ停止の指示、注水開始及び注水停止の指示、あるいは、全排水開始及び全排水停止の指示を受けて、制御弁113の開閉制御を行う。
【0083】
表示制御部137は、タッチパネル21の操作に基づいた表示や、QRコードリーダ22やICカードリーダ23による読み取りに基づいた表示の他、炭酸水製造装置10における各種動作に対する表示制御を行う。
【0084】
通信制御部138は、例えば通信部139を介して、サーバなどの情報管理端末機140と接続される。通信制御部138は、炭酸水製造装置10における炭酸水の製造履歴や発生したエラーの履歴の情報など、炭酸水製造装置10の動作に関わる情報を、情報管理端末機140に送信する。
【0085】
以下、炭酸水製造装置10における炭酸水の購入に係る処理の流れを、図8のフローチャートに基づいて説明する。なお、図8のフローチャートにおける処理の流れは、炭酸水製造装置に対して購入指令を受けたことに起因して実行される。
【0086】
ステップS101:すすぎ工程
ステップS101において、主制御部131は、表示制御部137を介して、タッチパネル21に、例えば「すすぎ中」などのコメントを表示する。また、主制御部131は、給水制御部133に、すすぎ開始を指示する。給水制御部133は、制御弁85を閉状態から開状態へと切り替える。図9に示すように、制御弁85が開状態に切り替わると、水路80内の圧力が開放されて、貯水タンク30の風船が膨張し、貯水タンク30内のRO水を貯水タンク30から水路86へと送り出す。貯水タンク30から送り出されるRO水は、水路86から水路80へと流れ、冷却ユニット44の水路91へと流れる。水路91を流れるRO水は、冷却器31により冷却された後、除菌フィルタ29へと流れる。
【0087】
RO水は、除菌フィルタ29を通過した後、水路97を流れる。そして、RO水は、一方弁107を通過し、給水路101を介して、加圧タンク28の内部の噴出ノズル108から加圧タンク28の内部に噴出する。RO水が噴出ノズル108から噴出することで、加圧タンク28の内部が洗浄される。すすぎ開始を指示してから一定時間T1経過すると、給水制御部133は、制御弁85を開状態から閉状態へと切り替える。
【0088】
その後、主制御部131は、給排気制御部134、注水制御部136に排水開始を指示する。給排気制御部134は、制御弁71を閉状態から開状態へと切り替える。同時に、注水制御部136は、制御弁113を閉状態から開状態へと切り替える。これにより、加圧タンク28の内部を洗浄したRO水が加圧タンク28に送り込まれる炭酸ガスにより注水管112へと押し出される。注水管112へと押し出されるRO水は、排水トレイ27へと流れた後、外部へと排水される。
【0089】
主制御部131は、排水開始を指示してから一定時間T2経過した後、給排気制御部134、注水制御部136に排水停止を指示する。給排気制御部134は、制御弁71を開状態から閉状態へと切り替える。同時に、注水制御部136は、制御弁113を開状態から閉状態へと切り替える。これにより、加圧タンク28から注水管112を介したRO水の排水が停止される。一定時間T2は、加圧タンク28に供給されたRO水が全て排出されるまでの時間である。なお、一定時間T2は、流量計83からの計測信号に基づいて算出されるRO水の供給量に基づいて設定される時間である。
【0090】
ステップS102:給水工程
ステップS102において、主制御部131は、表示制御部137を介して、タッチパネル21に、例えば「給水中」などのコメントを表示する。また、主制御部131は、給水制御部133及び給排気制御部134に、給水開始を指示する。給水制御部133は、制御弁85を閉状態から開状態へと切り替える。また、給排気制御部134は、制御弁76を閉状態から開状態へと切り替える。図10に示すように、制御弁85が開状態に切り替わると、貯水タンク30に貯水されたRO水が水路86、水路80及び水路91の順で流れる。水路91をRO水が流れると、RO水は冷却器31により冷却される。そして、除菌フィルタ29により濾過された後、水路97、給水路101を流れ、噴出ノズル108から加圧タンク28の内部に噴出される。なお、加圧タンク28に噴出されたRO水は、加圧タンク28の内部に貯水される。このとき、制御弁76が開状態に切り替わっており、加圧タンク28に残留する炭酸ガスは、加圧タンク28の内部に貯水されるRO水により、排気路102へと押し出される。排気路102に押し出された炭酸ガスは、排気路110及び排気路64の順に流れ、外部へと排気される。これにより、加圧タンク28の内部にRO水を給水したときに、加圧タンク28の内部に残留する炭酸ガスの圧力上昇が防止される。その結果、RO水の加圧タンク28への給水がスムーズに実行される。
【0091】
給水制御部133は、流量計83により計測された計測信号に基づいて、供給するRO水の水量を算出する。給水制御部133は、算出したRO水の供給量が、一回の炭酸水の生成時に必要となるRO水の水量となると、制御弁85を開状態から閉状態へと切り替える。これにより、加圧タンク28へのRO水の供給が停止される。RO水の供給を停止した後、給水制御部133は、主制御部131に対して、給水終了を示す信号を出力する。
【0092】
ステップS103において、主制御部131は、注水ボックス24のロック機構35を作動して、注水扉26のロックを解除する。これにより、炭酸水の購入者は、注水扉26を閉じ位置から開き位置へと移動させることが可能となる。
【0093】
ステップS104において、主制御部131は、ボトルセンサ34及びロックセンサ35aがオンとなるか否かを判定する。注水扉26のロックが解除されると、炭酸水を購入する購入者により、注水扉26が閉じ位置から開き位置へと回動される。なお、ロックセンサ35aは、注水扉26を開き位置へと回動されることでオフとなる。注水扉26が開き位置へと回動された後、購入者により、耐圧ボトル210が注水扉26の内側の面26aに固定した保持片38に保持する。耐圧ボトル210の保持片38への保持は、耐圧ボトル210の首部210bを保持片38の切欠き部38bに挿入することで行われる。このとき、耐圧ボトル210の下部側面は、支持ガイド39の側面支持部39cに支持される。
【0094】
その後、注水扉26は開き位置から閉じ位置に向けて回動される。注水扉26に保持される容器が耐圧ボトル210の場合には、注水扉26は閉じ位置まで回動され、ボトルセンサ34及びロックセンサ35aが各々オンとなる。したがって、これらセンサから主制御部131にオン信号が出力される。これを受けて、主制御部131は、ボトルセンサ34及びロックセンサ35aがオンであると判定する(ステップS104がYes)。そして、主制御部131は、ステップS105の処理に進む。
【0095】
一方、注水扉26に保持される容器が耐圧ボトル210よりも細い容器の場合には、耐圧ボトル210と同様に、注水扉26は閉じ位置まで回動される。このとき、容器はボトルセンサ34に検出されない。つまり、ロックセンサ35aはオンとなるが、ボトルセンサ34はオンとならない。この場合、主制御部131は、ボトルセンサ34及びロックセンサ35aがオンでないと判定する(ステップS104がNo)。そして、主制御部131は、ステップS112の処理に進む。
【0096】
また、注水扉26に保持される容器が耐圧ボトル210よりも太い容器の場合には、容器はボトルセンサ34に検出されるが、注水扉26は閉じ位置まで回動させることができない。つまり、ボトルセンサ34はオンとなるが、ロックセンサ35aはオンとならない。この場合も、主制御部131は、ボトルセンサ34及びロックセンサ35aがオンでないと判定する(ステップS104がNo)。そして、主制御部131は、ステップS112の処理に進む。
【0097】
ステップS105において、主制御部131は、ロック機構35を作動して、注水扉26をロックする。したがって、注水扉26が開き位置へと回動することが防止され、注水ボックス24の内部に耐圧ボトル210が収納された状態で保持される。
【0098】
ステップS106:給気工程
ステップS106において、主制御部131は、給排気制御部134に給気開始を指示する。給排気制御部134は、制御弁70を閉状態から開状態へと切り替える。図11に示すように、ガスボンベ51に貯留される炭酸ガスが、ガス路54、ガス路60、ガス路61の順に流れる。ガス路60からガス路61へと流れる炭酸ガスは、ガスフィルタ68により不純物が除去された後、制御弁70を通過し、加圧タンクユニット45に供給される。加圧タンクユニット45に到達した炭酸ガスは、一方弁103を通過し、加圧タンク28の内部の噴出ノズル104から加圧タンク28の内部に噴出される。そして、給排気制御部134は、一定時間T3経過した後、制御弁70を開状態から閉状態へと切り替える。ここで、一定時間T3とは、生成される炭酸水のガス強度(GV)に基づいて設定される時間である。
【0099】
上述したように、噴出ノズル104は、噴出口が加圧タンク28に貯水されるRO水に浸水している。加圧タンク28の内部に炭酸ガスが供給されると、加圧タンク28に貯水されたRO水中に炭酸ガスが噴出する。これにより、RO水に噴出された炭酸ガスが攪拌されながら、RO水と混合される。炭酸ガスとRO水との攪拌及び混合を行うと、加圧タンク28の圧力が上昇する。加圧タンク28の圧力値が一定圧力値(例えば0.5MPa)以上となると、給排気ユニット42のリリーフ弁79が開く。リリーフ弁79が開くと、加圧タンク28の圧力が低下して、噴出ノズル104から新たな炭酸ガスが噴出されて、加圧タンク28のRO水との混合及び攪拌を促進し、再度、加圧タンク28内の圧力が上昇する。なお、リリーフ弁79は一定圧力を超過する毎に開く。したがって、リリーフ弁79が開くたびに、加圧タンク28の内部の圧力値を一定圧力値に維持しつつ、RO水と炭酸ガスが混合及び攪拌される。その結果、一定時間T3の経過によって、所定のガス強度(GV)の炭酸水が生成される。一定時間T3は、ガス強度(GV)に基づいて設定される時間である。
【0100】
一方、リリーフ弁79の開放に伴って排気路65を流れる炭酸ガスは、ガス路63を介して、冷却器31の貯水槽の内部に噴出される。炭酸ガスが冷却器31の貯水槽に貯水される冷却水の内部や水面に噴出される。これにより、貯水槽に貯水される冷却水の過冷却や、過冷却に伴なった冷却水の凍結が防止される。同時に、炭酸ガスの排気時に発生するノイズの発生が防止される。
【0101】
ステップS107:減圧工程
ステップS107において、主制御部131は、給排気制御部134に対して、減圧開始を指示する。給排気制御部134は、制御弁76を閉状態から開状態へと切り替える。図12に示すように、加圧タンク28の内部の炭酸ガスが排気路102、排気路110及び排気路64を介して外部に排出される。なお、減圧工程は、圧力スイッチ111からのオン信号の出力が停止されるまで実施される。
【0102】
ステップS108:注水工程
ステップS108において、主制御部131は、給排気制御部134及び注水制御部136に対して、注水開始を指示する。注水制御部136は、制御弁113を閉状態から開状態へと切り替える。また、給排気制御部134は、制御弁70を閉状態から開状態へと切り替える。図13に示すように、炭酸ガスがガス路61、給気路99を介して、加圧タンク28の内部に供給される。加圧タンク28の内部に炭酸ガスが供給されることで、加圧タンク28の内部に貯水される炭酸水は、炭酸ガスにより押圧されながら、注水管112から流れ出る。つまり、加圧タンク28の内部の炭酸水が一定速度で注水される。また、注水管112から注水される炭酸水の噴き出しが防止される。そして、一定時間T4経過後、主制御部131は、給排気制御部134及び注水制御部136に対して、注水停止を指示する。一定時間T4とは、炭酸水の注水を開始してから、加圧タンク28の内部の炭酸水が全て注水されるまでの時間である。
【0103】
注水停止を受けて、給排気制御部134は、制御弁70を開状態から閉状態へと切り替える。同時に、注水制御部136は、制御弁113を開状態から閉状態へと切り替える。
【0104】
ステップS109において、主制御部131は、ロック機構35を作動させて、注水扉26のロックを解除する。同時に、主制御部131は、表示制御部137を介して、例えば「注水完了。ボトルを取り出してください」などのコメントをタッチパネル21に表示する。これを受けて、購入者は、注水扉26を開き、耐圧ボトル210を取り外す。そして、耐圧ボトル210の注水口210aにキャップを取り付けた後、注水扉26を閉じる。
【0105】
ステップS110において、主制御部131は、ロックセンサ35aがオンで、ボトルセンサ34がオフとなるか否かを判定する。注水扉26が閉じ位置から開き位置へと回動されると、注水扉26の取っ手36に設けた係合部36aがロックセンサ35aを押圧する。その結果、ロックセンサ35aがオンとなり、オン信号が主制御部131に出力される。このとき、注水扉26から耐圧ボトル210が取り外されていれば、ボトルセンサ34はオフのままである。したがって、主制御部131は、ロックセンサ35aがオンで、ボトルセンサ34はオフであると判定する(ステップS110がYes)。
【0106】
一方、注水扉26から耐圧ボトル210が取り外されていない場合、注水扉26が閉じ位置へと回動すると、ボトルセンサ34は再度オンとなる。この場合、主制御部131は、ロックセンサ35a、ボトルセンサ34がともにオンであると判定する(ステップS110がNo)。この場合、主制御部131は、ロックセンサ35aがオンで、ボトルセンサ34がオフと判定されるまで、ステップS110の処理を繰り返し行う。
【0107】
また、耐圧ボトル210が取り外された注水扉26が閉じ位置に回動せずに、開き位置にある場合には、ロックセンサ35a及びボトルセンサ34はオフのままである。この場合も、主制御部131は、ロックセンサ35aがオンで、ボトルセンサ34がオフと判定されるまで、ステップS110の処理を繰り返し行う。
【0108】
ステップS111において、主制御部131は、ロック機構35を作動して、注水扉26をロックする。したがって、注水扉26が開き位置へと回動することが防止される。
【0109】
上述したステップS104の判定処理で、ボトルセンサ34、ロックセンサ35aがともにオンと判定されない場合、主制御部131は、ステップS112の処理を行う。
【0110】
ステップS112において、主制御部131は、注水ボックス24の注水扉26のロックが解除されてから、一定時間経過していると判断した場合(ステップS112でYesとなる場合)、主制御部131はステップS113の処理に進む。一方、一定時間経過していないと判断した場合(ステップS112でNoとなる場合)、主制御部131はステップS104に戻る。
【0111】
ステップS113:排水工程
ステップS113において、主制御部131は、注水制御部136に排水開始を指示する。注水制御部136は、制御弁113を閉状態から開状態へと切り替える。制御弁113を閉状態から開状態へと切り替えると、加圧タンク28の内部に貯水されるRO水は、注水管112から排水トレイ27へと流れ、外部へと排水される。そして、一定時間T5経過後、主制御部131は、注水制御部136に対して、排水停止を指示する。排水停止を受けて、注水制御部136は、制御弁113を開状態から閉状態へと切り替える。一定時間T5は、加圧タンク28のRO水が排出される時間である。
【0112】
なお、ステップS113における排水工程において、主制御部131は、注水制御部136に対して排水開始を指示するだけでなく、給排気制御部134に対しても排水開始の指示を行うことも可能である。例えば主制御部131が給排気制御部134に対しても排水開始を指示した場合、給排気制御部134は制御弁71を閉状態から開状態へと切り替える。制御弁71が開状態となると、炭酸ガスがガス路62、給気路100を介して加圧タンク28の内部に供給される。炭酸ガスが加圧タンク28に供給されると、加圧タンク28の内部の圧力が上昇して、加圧タンク28に貯水されたRO水を注水管112に向けて押し出す。その結果、加圧タンク28に貯水されたRO水が注水管112を介して排水される。
【0113】
ここで、加圧タンク28の内部の炭酸ガスの圧力は大気圧程度である。例えば制御弁113のみが開状態に切り替えられた場合、すなわち、炭酸ガスを加圧タンク28に供給せずに排水する場合、加圧タンク28の内部の炭酸ガスだけでは、加圧タンク28に貯水されたRO水が全て排水されず、加圧タンク28の内部に残留する虞がある。したがって、炭酸ガスを加圧タンク28に供給することで、加圧タンク28の内部の炭酸ガスの圧力により加圧タンク28に貯水されるRO水を注水管112に向けて押圧し、加圧タンク28に貯水された全てのRO水を、注水管112を介して外部に排水する。これによりにより、加圧タンク28の内部に貯水されたRO水の残留を抑止することができる。
【0114】
このように、本実施形態の注水ボックス24では、注水扉26に耐圧ボトル210をセットする、又は注水扉26に保持した耐圧ボトル210を取り外すことから、注水ボックス24の内部に手を挿入する必要がない。したがって、注水ボックス24の内部に購入者の手を挿入することで、手に付着した汚れや細菌が注水ボックス24の内部に付着することがなくなり、注水ボックス24の内部の衛生面が確保される。
【0115】
また、注水扉26に保持される耐圧ボトル210は傾けて保持されているので、注水管112から注水される炭酸水は、耐圧ボトルの内壁面に沿って耐圧ボトル210の内部に注がれる。その結果、注水時に炭酸水に加わる衝撃を低減でき、炭酸水のガス強度を必要以上に弱めることが防止される。
【0116】
なお、注水ボックス24では、専用の容器である耐圧ボトル210を注水扉26に設置し、注水扉26を閉じたときに、ボトルセンサ34及びロックセンサ35aが各々オンとなる。この場合、注水扉26がロック機構35によりロックされた後、炭酸水が耐圧ボトル210に注水される。その一方、耐圧ボトル210よりも細い容器又は太い容器を注水扉26に設置し、注水扉26を閉じたときには、ボトルセンサ34及びロックセンサ35aのいずれか一方はオンとならない。この場合、注水扉26がロック機構35によりロックされず、また、炭酸水の容器への注水も行われない。したがって、専用の容器である耐圧ボトル210以外の容器を用いて炭酸水の供給を受けることを防止することができる。
【0117】
上述した形態では、注水ボックス24を炭酸水製造装置10に設けた場合を一例として説明しているが、RO水などの飲料水を提供する自動販売機にも用いることが可能である。
【0118】
上記に説明した炭酸水製造装置10に用いた注水ボックス24は、ボックス本体25と、ボックス本体25に対して鉛直方向を軸にして開き位置と閉じ位置との間で回動する注水扉26とを有する場合を一例として説明している。しかしながら、注水ボックス24に設けられる注水扉26は、上記に説明した注水扉に限定されるものではない。以下、上記の実施形態と同一の構成部分には、上記の実施形態と、同一の符号を付している。
【0119】
図14(a)及び図14(b)に示すように、炭酸水製造装置150の注水ボックス151は、注水扉152と、ボックス本体153とを有する。注水扉152は、後面側に設けた箱部152aをボックス本体153に収納する閉じ位置(図14(a)参照)と、箱部152aをボックス本体153から露呈する開き位置(図14(b)参照)との間で移動する。例えば注水扉152を閉じ位置から開き位置へ移動させる場合は、注水扉152をボックス本体153から引き出す。また、注水扉152を開き位置から閉じ位置へと移動させる場合は、注水扉152をボックス本体153に押し込む。
【0120】
また、図15(a)及び図15(b)に示すように、炭酸水製造装置154の注水ボックス155は、ボックス本体156と、ボックス本体156の下部で軸支される注水扉157とを有する。注水扉157は、下端部を回動中心として、ボックス本体156の前面開口部分を遮蔽する閉じ位置(図15(a)参照)と、ボックス本体156の前面開口部分を露呈する開き位置(図15(b)参照)との間で回動する。例えば注水扉157を閉じ位置から開き位置へ回動させる場合は、注水扉157の上端部をボックス本体156から引き出す。また、例えば注水扉157を開き位置から閉じ位置へ回動させる場合は、注水扉157の上端部をボックス本体156に押し込む。
【0121】
なお、注水ボックス151,155の場合も、注水ボックス24と同様にして、注水扉152,157の裏面側に、耐圧ボトルを保持する保持片を設ける必要がある。
【0122】
<実施形態の総括>
炭酸水や飲料水の注水時に、炭酸水や飲料水が注水される容器をボックス内で保持する注水ボックス及びこれを用いた炭酸水製造装置に関する。
【0123】
生成した飲料を容器などに注入して提供する自動販売機では、炭酸水製造装置から容器へと供給する際に炭酸水から炭酸ガスが気化してしまい、容器に抽出される炭酸水のガス強度(GV:Gas Volume)が弱くなりやすい。例えば炭酸水製造装置において、ガス強度の高い炭酸水を生成してカップに抽出することも考えられるが、ガス強度の高い炭酸水は、炭酸水注出ノズルから噴出する恐れがある。
【0124】
また、上述した容器に飲料が注出される自動販売機の場合、ベントステージの上方の空間に手を挿入して、ベンドステージに載置される容器を把持して、容器をベントステージから取り出す。ベントステージの上方の空間に手を挿入したときには、例えばベントステージの上方に配置された抽出ノズルに意図せずに触れることもある。したがって、ベントステージ近傍が不衛生であるという問題もある。
【0125】
生成された炭酸水のガス強度の低下を抑止すると同時に、ベントステージ近傍を清潔に保つことを目的としている。
【0126】
上述した注水ボックスは、一面が開口された中空の箱形状であり、複数の内壁面のいずれか1つの壁面に、供給される液体が流入する開口33を有するボックス本体25と、ボックス本体25の内部に収納される耐圧ボトル210を保持する保持片38と、を有し、保持片38は、耐圧ボトル210の注水口210aが開口33から離間した位置で耐圧ボトル210を保持することを特徴としている。
【0127】
上記構成によれば、保持片38を注水扉26に設けた場合には、注水扉26に耐圧ボトル210をセットする、又は注水扉26に保持した耐圧ボトル210を取り外すことになるので、注水ボックス24の内部に手を挿入する必要がない。したがって、注水ボックス24の内部に購入者の手を挿入することで、手に付着した汚れや細菌が注水ボックス24の内部に付着することがなくなり、注水ボックス24の内部の衛生面が確保される。
【0128】
また、ボックス本体25に対して開閉自在な注水扉26を有し、保持片38は、注水扉26を閉じたときに、ボックス本体25の内部に対峙する注水扉26の面26aに設けられることを特徴としている。
【0129】
これによれば、注水扉26に耐圧ボトル210をセットして注水扉26を閉じるという簡単な行為を行うだけで済み、耐圧ボトル210のセット時に注水ボックス24の内部に手を挿入する行為がなくなる。すなわち、注水ボックス24の内部に触れることがなくなるので、注水ボックス24の内部に振れた手に付着した汚れや細菌などが注水ボックス24の内部に付着することが防止される。その結果、注水ボックス24の内部を清潔に保つことができる。
【0130】
また、保持片38は、耐圧ボトル210の注水口210aが開口33を介して流入する液体の移動軌跡上に位置し、且つ耐圧ボトル210の長手方向が開口33を介してボックス本体25の内部へと流れる液体の流入方向に交差するように、耐圧ボトル210を保持することを特徴としている。
【0131】
これによれば、耐圧ボトル210の内部に流入する炭酸水は、耐圧ボトル210の内壁面又は底面に対して垂直ではなく、所定の角度で当たる。つまり、炭酸水が受ける衝撃は、耐圧ボトル210の内壁面に垂直に落下して当たる場合に比べて小さくなるので、炭酸水から気化する炭酸ガスを抑制できる。
【0132】
また、保持片38は、少なくとも耐圧ボトル210の首部210bを保持することを特徴としている。
【0133】
これによれば、保持片38に耐圧ボトル210の首部210bを保持するという簡単な作業を行うだけで、耐圧ボトル210を注水扉26にセットすることができる。また、首部210bの大きさが一定で、容量が異なる複数の耐圧ボトル210を専用の容器として設けた場合であっても、保持片38で耐圧ボトル210を保持できる。
【0134】
また、注水扉26が閉じたときに、保持片38に保持した耐圧ボトル210が正規の容器であるか否かを判別するボトルセンサ34と、閉じた注水扉26をロックするロック機構35と、を有し、ロック機構35は、ボトルセンサ34により保持片38に保持した耐圧ボトル210が正規の容器でないと判別されたときには、注水扉26のロックを行わずに、注水扉26の開閉を許容することを特徴としている。
【0135】
これによれば、炭酸水を注水する容器として、例えば耐圧ボトル210以外の容器が使用された場合には、注水扉26がロックされず、炭酸水の容器への注水も行われない。したがって、不適切な容器の利用を防止することができる。
【0136】
また、炭酸水製造装置10は、注水ボックス24と、注水ボックス24の上方に配置され、冷却水及び炭酸ガスの供給を受けて炭酸水を生成して保持する加圧タンク28と、一端が加圧タンク28に接続され、他端が注水ボックス24の開口33近傍に配置され、加圧タンク28で生成された炭酸水を、開口33を介してボックス本体25の内部に供給する注水管112と、を有し、注水管112を介して耐圧ボトル210の内部に注水される炭酸水は、保持片38に保持された耐圧ボトル210の注水口210aから耐圧ボトル210の内壁面を伝って耐圧ボトル210の内部に供給されることを特徴としている。
【0137】
これによれば、加圧タンク28で生成される炭酸水を、そのガス強度を低下させることなく耐圧ボトル210に注水することができる。また、耐圧ボトル210をセットする際には、注水ボックス24の内部に手を挿入することがなくなるので、注水ボックス24の内部を清潔に保つことができる。
【符号の説明】
【0138】
10…炭酸水製造装置
18…注水ボックス
19…ボックス本体
20…注水扉
28…加圧タンク
34…ボトルセンサ
35…ロック機構
35a…ロックセンサ
38…保持片
39…支持ガイド
33…開口
112…注水管
210…耐圧ボトル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15