(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081142
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】広告配信装置及び広告配信方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220524BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192499
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】白川 貴久
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告効率の向上を図ることを目的とする。
【解決手段】広告配信装置1は、動画広告を配信したユーザ端末から動画広告のスキップ要求を受信した場合に、ユーザ端末に配信した動画広告とは異なる動画広告をユーザ端末に配信する広告配信部33と、ユーザ端末における動画広告の総再生時間が閾値以上であるか否かを判定する判定部34と、動画広告の総再生時間が所定の閾値以上である場合に、リワードを付与するリワード付与部35とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画広告を配信したユーザ端末から動画広告のスキップ要求を受信した場合に、前記ユーザ端末に配信した前記動画広告とは異なる動画広告を前記ユーザ端末に配信する広告配信手段と、
前記ユーザ端末における動画広告の総再生時間が閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、
前記動画広告の総再生時間が所定の閾値以上である場合に、リワードを付与するリワード付与手段と
を備える広告配信装置。
【請求項2】
前記リワード付与手段は、前記動画広告の再生終了後において前記ユーザ端末からリワード要求を受信した場合に、前記動画広告の再生終了から前記リワード要求までの経過時間に基づいて、リワードを付与する請求項1に記載の広告配信装置。
【請求項3】
前記リワード付与手段は、前記動画広告の再生終了から前記リワード要求までの経過時間が所定の閾値以上であるか否かに応じて、付与するリワードの価値を変更する請求項2に記載の広告配信装置。
【請求項4】
前記広告配信手段は、前記動画広告のスキップ要求を受信した場合に、前記スキップ要求を受けた前記動画広告とは異なる動画広告を前記ユーザ端末に配信する請求項1から3のいずれかに記載の広告配信装置。
【請求項5】
動画広告をユーザ端末に配信する広告配信手段と、
前記動画広告の再生終了後において、前記ユーザ端末からリワード要求を受信した場合に、前記動画広告の再生終了時から前記リワード要求を受信するまでの経過時間に応じてリワードを付与するリワード付与手段と
を備える広告配信装置。
【請求項6】
動画広告をユーザ端末に配信する工程と、
前記ユーザ端末から動画広告のスキップ要求を受信した場合に、前記ユーザ端末に配信した前記動画広告とは異なる動画広告を前記ユーザ端末に配信する工程と、
前記ユーザ端末における動画広告の総再生時間が閾値以上であるか否かを判定する工程と、
前記動画広告の総再生時間が所定の閾値以上である場合に、リワードを付与する工程と
をコンピュータが実行する広告配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告配信装置及び広告配信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、動画広告の閲覧と引き換えに、ゲームのコンティニューやコンテンツ動画の閲覧続行などのリワードを付与するサービスが普及している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したようなリワードを付与するタイプの広告配信では、ユーザは、配信された動画広告を最後まで閲覧してリワードを獲得するか、あるいは動画広告の閲覧を拒否してリワードを受け取らないかの2つの選択肢しか与えられていない。このため、仮に、ユーザの嗜好に合わない広告が配信された場合には、閲覧が拒否される可能性が高く、広告効果が悪い。特に、動画広告を最後まで再生しリワードは獲得するが、画面は見ず閲覧しないという休憩時間となるリスクが高い。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、広告効率の向上を図ることのできる広告配信装置及び広告配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様は、動画広告を配信したユーザ端末から動画広告のスキップ要求を受信した場合に、前記ユーザ端末に配信した前記動画広告とは異なる動画広告を前記ユーザ端末に配信する広告配信手段と、前記ユーザ端末における動画広告の総再生時間が閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、前記動画広告の総再生時間が所定の閾値以上である場合に、リワードを付与するリワード付与手段とを備える広告配信装置である。
【0007】
本発明の第二態様は、動画広告をユーザ端末に配信する広告配信手段と、前記動画広告の再生終了後において、前記ユーザ端末からリワード要求を受信した場合に、前記動画広告の再生終了時から前記リワード要求を受信するまでの経過時間に応じてリワードを付与するリワード付与手段とを備える広告配信装置である。
【0008】
本発明の第三態様は、動画広告をユーザ端末に配信する工程と、前記ユーザ端末から動画広告のスキップ要求を受信した場合に、前記ユーザ端末に配信した前記動画広告とは異なる動画広告を前記ユーザ端末に配信する工程と、前記ユーザ端末における動画広告の総再生時間が閾値以上であるか否かを判定する工程と、前記動画広告の総再生時間が所定の閾値以上である場合に、リワードを付与する工程とをコンピュータが実行する広告配信方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、広告効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る広告配信装置のネットワーク構成を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る広告配信装置のハードウェア構成について示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る広告配信装置が備える機能の一例を示した機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成について示した図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るユーザ端末が備える機能の一例を示した機能ブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る広告配信方法の手順の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態に係る広告配信装置及び広告配信方法について、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る広告配信装置のネットワーク構成を示した図である。
図1に示すように、広告配信装置1は、ネットワーク3を介してユーザ端末2と接続可能とされ、ユーザ端末2の要求に応じたサービス(例えば、動画広告の配信等)を行う。ネットワーク3の一例としてインターネット回線があげられるが、他のネットワーク回線であってもよい。なお、
図1では、一台のユーザ端末2を示しているが、広告配信装置1に接続されるユーザ端末2の台数は限定されない。ユーザ端末2は、ノートPC、デスクトップ型PC、タブレット端末、スマートフォン等の情報処理装置である。
【0012】
図2は、本実施形態に係る広告配信装置1のハードウェア構成の一例を示した図である。
図2に示すように、広告配信装置1は、いわゆるコンピュータシステムであり、例えば、CPU21と、CPU21が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)22と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)23と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)24と、ネットワークに接続するための通信部25、キーボードやマウス等からなる入力部26、及びデータを表示する液晶表示装置等からなる表示部27等をそれぞれ備えている。これら各部は、バス28を介して接続されている。
【0013】
上記ROM22やハードディスクドライブ24には、各種プログラムが格納されており、CPU21がこれら記憶装置からRAM23にプログラムを読み出し、実行することにより種々の機能を実現させる。
広告配信装置1は、ハードディスクドライブ24に代えて又は加えて、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等で構成される他の記憶装置を備えていてもよい。
【0014】
なお、広告配信装置1は、表示部27を必ずしも有している必要はない。また、広告配信装置1は、入力部26とネットワーク等で接続され、遠隔からの操作が可能な構成とされていてもよい。
【0015】
図3は、本発明の一実施形態に係る広告配信装置1が備える機能の一例を示した機能ブロック図である。本実施形態に係る広告配信装置1は、ユーザ端末2に対して動画広告を配信し、一定の条件を満たす動画閲覧(具体的には、動画再生)が行われた場合に、その動画閲覧と引き換えにリワードを付与するものである。
【0016】
図3に示すように、広告配信装置1は、例えば、動画広告データベース31、広告選択部32、広告配信部33、判定部34、リワード付与部35を主な構成として備えている。これら各部によって実現される後述の各種処理は、例えば、CPU21がROM22又はハードディスクドライブ24に記憶されている各種プログラムをRAM23に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0017】
動画広告データベース31には、複数の動画広告が格納されている。
広告選択部32は、動画広告データベース31に格納されている複数の動画広告のうち、ユーザ端末2に配信する動画広告を選択する。広告選択部32は、例えば、ユーザ端末2に関連付けてユーザ嗜好に関する情報を有しており、これら情報を参照することにより、動画広告を選択することとしてもよい。なお、動画広告又は広告を選択する技術については既に種々の技術が提案されており、これらの技術を適宜採用することが可能である。
広告配信部33は、広告選択部32によって選択された動画広告を通信部25(
図2参照)を介してユーザ端末2に配信する。
【0018】
判定部34は、動画広告のスキップ要求(詳細については後述する)をユーザ端末2から受信した場合に、ユーザ端末2における動画広告の総再生時間が閾値以上であるか否かを判定する。本実施形態において、動画広告の総再生時間は、例えば、ユーザ端末2側において計時されており、スキップ要求とともに、動画広告の総再生時間がユーザ端末2から送信される。判定部34は、スキップ要求とともに受信した動画広告の総再生時間が所定の閾値以上か否かを判定する。
また、判定部34は、リワード要求(詳細については後述する)をユーザ端末2から受信した場合に、動画広告の再生終了からリワード要求までの経過時間である無反応期間が所定期間内であるか否かを判定する。
【0019】
リワード付与部35は、判定部34によってユーザ端末2における動画広告の総再生時間が所定の閾値以上であると判定された場合に、ユーザ端末2にリワードを付与する。
また、リワード付与部35は、基本的に、ユーザ端末2において一つの動画広告が最後まで再生された場合にリワードを付与するが、無反応期間に応じて付与するリワードの価値を変化させてもよい。例えば、本実施形態においては、リワード付与部35は、無反応期間が所定期間内であった場合には、無反応期間が所定期間よりも長かった場合に比べて、より価値の高いリワードを付与することとしている。
【0020】
図4は、本実施形態に係るユーザ端末2のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。
図4に示すように、ユーザ端末2は、例えば、処理回路40、表示部45、通信部46、入力部47等を備えている。これら各部は、バス48を介して直接的に又は間接的に電気的に接続されている。
【0021】
処理回路40の一構成として、例えば、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM43、及びフラッシュメモリ44等が挙げられる。
CPU41は、バス48を介して接続されたフラッシュメモリ44に格納されたOS(Operating System)によりユーザ端末2全体の制御を行うとともに、フラッシュメモリ44等に格納された各種のプログラムに基づく処理を実行する。
ROM42は、例えば、BIOS(Basic Input/Output System)や各種データ等を格納している。
RAM43は、CPU41の実行プログラムの読み込み、及び実行プログラムによる処理データの書き込みを行う作業領域として利用される書き込み可能なメモリである。
【0022】
フラッシュメモリ44は、例えば、Windows(登録商標),iOS(登録商標)、Android(登録商標)等のユーザ端末2全体の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、ユーティリティプログラム、各種アプリケーションプログラム等を記憶する。なお、ユーザ端末2は、フラッシュメモリ44に替わる記憶手段としてHDD(Hard Disk Drive)等、他の記憶手段を備えてもよい。
【0023】
表示部45は、処理回路40(具体的にはCPU41)の制御に従って、ビデオ信号を画像として表示する。表示部45の一例として、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等が挙げられる。
【0024】
通信部46は、ネットワークを介して他のデバイスとの通信を制御する。
入力部47は、キーボード、タッチパッド、トラックポイント、及びタッチパネル等であり、ユーザが入力操作を行うためのマンマシンインタフェースとして機能する。
【0025】
図5は、本実施形態に係るユーザ端末2が備える機能の一例を示した機能ブロック図である。
図5に示すように、ユーザ端末2は、例えば、動画広告再生制御部51、総再生時間計時部52、スキップ操作処理部53、及びリワード要求操作処理部54等を備えている。これら各部によって実現される後述の各種処理は、例えば、CPU41(
図4参照)がROM42やフラッシュメモリ44等の補助記憶装置に記憶されているプログラム(例えば、リワード申請プログラム)をRAM43に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0026】
動画広告再生制御部51は、広告配信装置1から受信した動画広告を再生して、表示部45に表示する。また、入力部47から動画停止の入力操作を受け付けた場合には、再生中の動画広告を停止させる。また、動画広告再生制御部51は、動画広告の再生を停止させる指令が入力部47から入力された場合に、動画広告の再生停止通知を通信部46(
図4参照)を介して広告配信装置1に送信する。これにより、広告配信装置1は、ユーザ端末2において、動画広告の再生が停止されたことを検知することができる。
総再生時間計時部52は、動画広告再生制御部51によって再生された動画広告の総再生時間を計時する。
【0027】
スキップ操作処理部53は、再生されている動画広告をスキップするスキップ指令が入力部47から入力された場合に、動画広告再生制御部51に対して再生中の動画広告を停止する指令を出力するとともに、総再生時間計時部52によって計時されている総再生時間を取得する。そして、スキップ操作処理部53は、スキップ要求と総再生時間とを通信部46を介して広告配信装置1に送信する。
【0028】
例えば、表示部45に動画広告が再生されている期間において、表示部45の一部には、動画広告をスキップするためのスキップボタンが表示されている。このスキップボタンをユーザが操作すると、入力部47からスキップ操作処理部53にスキップ指令が出力される。また、このスキップボタンは、動画広告が所定期間再生された後に、表示部45に表示されることとしてもよい。
【0029】
リワード要求操作処理部54は、動画広告が最後まで再生された後に、ユーザがリワードを要求するためのリワード要求ボタンを表示部45に表示させるとともに、動画広告の再生終了からの経過時間を計時する。そして、表示部45に表示させたリワード要求ボタンがユーザによって操作された場合に、入力部47からリワード要求指令を受け付け、リワード要求及び動画広告の再生終了からリワード要求指令が入力されるまでの経過時間である「無反応期間」を通信部46を介して広告配信装置1に送信する。
【0030】
次に、本実施形態に係る広告配信方法について、
図6を参照して説明する。
図6は、広告配信装置1において実行される広告配信方法の手順の一例を示したフローチャートである。本実施形態に係る広告配信方法は、例えば、広告配信装置1がユーザ端末2から動画広告の配信要求を受信したタイミングで開始される。
この動画広告の配信要求は、例えば、ユーザがゲームのコンティニューやコンテンツ動画の閲覧続行などのリワードと引き換えに動画広告を閲覧する旨の入力操作を入力部47から行ったときに、ユーザ端末2から広告配信装置1へ送信されるものである。
【0031】
広告配信装置1は、動画広告の配信要求をユーザ端末2から受信すると、動画広告データベース31からいずれかの動画広告を選択し、選択した動画広告をユーザ端末2に配信する(SA1)。例えば、広告配信装置1は、広告単価、ユーザの興味度に基づくパラメータ値、又は広告単価とユーザの興味度に基づくパラメータ値との乗算値である収益度が所定値以上の動画広告を選択して、選択した動画広告をユーザ端末2に配信する。なお、動画広告の選択手法については、上記に限定されず、適宜公知の手法を用いればよい。
これにより、ユーザ端末2では、動画広告再生制御部51によって動画広告の再生が開始されるとともに、その再生時間が総再生時間計時部52によって計時される。続いて、広告配信装置1は、ユーザ端末2から再生停止通知を受信したか否かを判定する。この結果、再生停止通知を受信した場合には(SA2:YES)、リワードを付与することなく(SA3)、本処理を終了する。
【0032】
一方、ステップSA2において、再生停止通知を受信していない場合には(SA2:NO)、続いて、スキップ要求を受信したか否かを判定する(SA4)。この結果、スキップ要求を受信した場合には(SA4:YES)、スキップ要求とともにユーザ端末2から受信した総再生時間が所定の閾値以上か否かを判定する(SA5)。この結果、総再生時間が閾値以上でない場合には(SA5:NO)、スキップ要求を受けた動画広告のユーザ端末2への推薦度を低下させ(SA6)、次に配信する動画広告を選択し(SA7)、選択した動画広告を再びユーザ端末2に配信する。
【0033】
なお、ステップSA6の動画広告の選択では、スキップ要求を受けた動画広告とは異なる動画広告を選択するとよい。
例えば、広告単価、ユーザの興味度、又は、収益度に基づいて、動画広告を選択してもよい。具体的には、広告単価、ユーザの興味度、又は、収益度が最も高い動画広告を選択してもよい。また、広告単価が所定値以上の動画広告、ユーザの興味度が所定値以上の動画広告、又は、収益度が所定値以上の動画広告の中からいずれか一つをランダムに選択してもよい。
【0034】
また、例えば、収益度、広告単価、ユーザの興味度に関係なく、ランダムに動画広告を選択してもよい。
また、例えば、新しい動画広告又はユーザへの配信回数が所定値以下の動画広告を優先的に選択してもよい。例えば、比較的新しい動画広告やユーザへの配信回数が所定値以下の動画広告については、ユーザの反応に対するデータが十分に蓄積されておらず、ユーザの興味度に対する確度が低い。このため、このような動画配信を優先的にユーザに配信することで、ユーザがどのような反応をしたかというリアクションデータを蓄積でき、ユーザの興味度に対する確度を向上させることが可能となる。
また、スキップ要求を受けた動画広告とは類似度の低い(類似度が所定値以下)の動画広告を選択するとよい。このようにすることで、ユーザが興味を示す可能性を少しでも高めることが可能となる。
【0035】
動画広告がユーザ端末2に配信されることにより、ユーザ端末2では動画広告が再生される。そして、ユーザ端末2から再生停止通知を受信することなく(SA2:NO)、再度、スキップ要求を受信すると(SA4:YES)、広告配信装置1は、スキップ要求とともに受信した総再生時間が閾値以上であるか否かを再び判定する(SA5)。この結果、総再生時間が閾値以上であった場合には(SA5:YES)、第1リワードを付与し(SA10)、本処理を終了する。ここで、第1リワードとは、後述する第2リワードに比べて価値の高いリワードであり、一例として、ゲームのコンティニューを許可するリワードや動画コンテンツの閲覧続行を許可するリワード等が挙げられる。
【0036】
一方、ステップSA4において、スキップ要求を受信していない場合には(SA4:NO)、続いて、リワード要求を受信した否かを判定する(SA8)。この結果、リワード要求を受信していなかった場合、すなわち、ユーザ端末2において動画広告の再生が終了していないか、あるいは、動画広告の再生は終了したが、リワード要求の入力操作がユーザによって行われていない等の場合には、ステップSA2に戻り、後続の処理を実行する。
【0037】
これに対し、ステップSA8において、リワード要求を受信した場合には(SA8:YES)、リワード要求とともにユーザ端末2から受信した無反応期間が所定期間内であるか否かを判定する(SA9)。この結果、無反応期間が所定期間内であれば(SA9:YES)、第1リワードを付与し(SA10)、処理を終了する。一方、無反応期間が所定期間を超えている場合には(SA9:NO)、第1リワードよりも価値の低い第2リワードを付与し(SA11)、処理を終了する。
【0038】
すなわち、無反応期間が長かった場合、ユーザは動画広告が終了したことに所定期間以上気づいていなかったと考えられ、動画広告を閲覧していた可能性が低い。このように動画広告を閲覧していない可能性が高い場合には、広告主が期待する広告効果を得られていない可能性がある。従って、このような場合には、第1リワードを付与することはせずに、第1リワードよりも価値の低い第2リワードを付与することとする。これにより、ユーザは、動画広告を実際に閲覧しないと所望の価値のリワードを手にすることができないこととなるため、ユーザの閲覧意欲を向上させることが期待できる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態に係る広告配信装置及び広告配信方法によれば、ユーザ端末2から動画広告のスキップ要求を受信した場合に、スキップ要求を受けた動画広告とは異なる動画広告をユーザ端末2に対して配信する。これにより、ユーザは興味がない動画広告をスキップすることで、興味のない動画広告の閲覧を回避することができるとともに、興味のある広告動画の配信を期待することが可能となる。
【0040】
また、スキップ操作を行った場合でも、動画広告の総再生時間は計時されており、この総再生時間が閾値以上である場合に、リワードが付与される。すなわち、スキップ操作が行われた場合でも、ユーザは一定時間を広告閲覧に消費したと評価することができるため、リワードを付与することとしている。これにより、ユーザに対して納得感を与えることが可能となる。
【0041】
また、広告配信装置1側では、スキップ要求を受信することにより、スキップ要求の対象とされた動画広告が短時間であってもユーザによって視聴されたことを確信することができる。このため、その動画広告の広告主がその視聴時間に相当する広告費を支払うことに対して納得感を与えることが可能となる。特に、スキップをして、総再生時間が一定以上ある場合は、複数の広告主の広告を閲覧していることとなり、複数広告主で分担することになるため広告費負担の合理性が高まる。
更に、広告配信装置1側においては、スキップ要求を受けることにより、ユーザの嗜好情報を蓄積することができる。これにより、広告のレコメンド精度を向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態に係る広告配信装置及び広告配信方法によれば、ユーザ端末2からリワード要求を受信した場合において、無反応期間が所定期間内か否かに応じて付与するリワードの価値を変えている。例えば、無反応期間が所定期間よりも長いような場合には、動画広告が再生されている期間においてユーザが動画広告を視聴していない可能性が高い。このような場合には、たとえ動画広告の再生が最後まで行われても、付与するリワードの価値を下げることにより、ユーザに対して動画広告視聴のインセンティブを与えることが可能となる。また、広告主に対しても、実施に視聴されていない可能性がある場合には、広告費用を減額する等の措置を行うことにより、納得感を与えることができる。
【0043】
以上、本発明について上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0044】
例えば、上記実施形態では、動画広告の総再生時間の計時をユーザ端末2で行う場合について説明したが、広告配信装置1において総再生時間の計時を行うこととしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 :広告配信装置
2 :ユーザ端末
3 :ネットワーク
25 :通信部
26 :入力部
27 :表示部
31 :動画広告データベース
32 :広告選択部
33 :広告配信部
34 :判定部
35 :リワード付与部
45 :表示部
46 :通信部
47 :入力部
51 :動画広告再生制御部
52 :総再生時間計時部
53 :スキップ操作処理部
54 :リワード要求操作処理部