(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081158
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】畜産用又は農業用の水
(51)【国際特許分類】
C02F 1/68 20060101AFI20220524BHJP
A23K 10/00 20160101ALI20220524BHJP
A01G 7/06 20060101ALI20220524BHJP
B01F 23/23 20220101ALI20220524BHJP
B01F 25/21 20220101ALI20220524BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20220524BHJP
【FI】
C02F1/68 520B
A23K10/00
A01G7/06 Z
B01F3/04 A
B01F5/02 A
C02F1/68 510A
C02F1/68 540E
C25B1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192529
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】519242229
【氏名又は名称】株式会社レガルシィ
(74)【代理人】
【識別番号】100098198
【弁理士】
【氏名又は名称】旦 武尚
(72)【発明者】
【氏名】今村 充生
【テーマコード(参考)】
2B150
4G035
4K021
【Fターム(参考)】
2B150AA01
2B150AA05
2B150AB08
2B150AB09
2B150AE18
4G035AB04
4G035AC15
4K021AA01
4K021BA02
4K021CA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】畜産用又は農業用の水として効果のある水であって、かつ還元水素水或いは水素水としての効果を有する、水素含有量を多く保つことのできる水を提供する。
【解決手段】陽極と陰極を有する電解槽10内に電解質として水31を入れて電圧を印可し、水素酸素ガスを発生させた上、発生した水素酸素ガスを水に添加して形成する畜産用又は農業用の水である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極と陰極を有する電解槽(10)内に電解質として水を入れて電圧を印可し、水素酸素ガスを発生されたうえ、該発生した水素酸素ガスを水に添加して形成したことを特徴とする畜産用又は農業用の水。
【請求項2】
陽極と陰極を有する電解槽(10)内に電解質として水を入れて電圧を印可し、水素酸素ガスを発生させ、該水素酸素ガスをタンク(3)内の水に添加して形成することを特徴とする畜産用又は農業用の水。
【請求項3】
タンク(3)内の水が水道水であることを特徴とする請求項2に記載の畜産用又は農業用の水。
【請求項4】
電解質としての水が水道水であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の畜産用又は農業用の水。
【請求項5】
水素酸素ガスを微細な泡状のバブルガスとして水に添加することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の畜産用又は農業用の水。
【請求項6】
水素酸素ガスをノズル(2)によって微細な泡状のバブルガスとして水に添加することを特徴とする請求項5に記載の畜産用又は農業用の水。
【請求項7】
微細な泡状のバブルガスが5μmから30μmの微細なマイクロバブルであることを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載の畜産用又は農業用の水。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陽極と陰極を有する電解槽内の水に電圧を印可し、水素酸素ガスを発生させたうえ、該水素酸素ガスを水に添加した畜産用又は農業用の水に関する。
【背景技術】
【0002】
現在電気分解の電極反応で発生した水素を水に添加したアルカリ性の水素水や水に圧力をかけて水素を添加した水素水に関しては、健康維持の観点から飲用として用いられているものである。
例えば特開平10-296262号(特許文献1)に示すような電解水素水が存在する。
特開2004-122088号(特許文献2)に示す水素水及びその製造水の先行技術が存在する。
或いは特開2005-13825号(特許文献3)に示す還元性水素水も存在する。
特開2013-28534号(特許文献4)に示すプロチウム化された水素を含む水を用いた水素発生す方法も存在する。
【0003】
或いは特開2014-151270号(特許文献5)に示す水素水製造装置や特開2017-193490号(特許文献6)に示す還元水素水が存在する。
これらは特に飲料用に用いられる場合や腸内環境の適正化などの医療目的などに用いられることなどを主として考えられてきたものである。
更に、水素水内の水素濃度の向上を図るために各種装置や方法が取られている。
これらに対して本発明の発明者は特開2018-99408号(特許文献7)として水素酸素混合ガスのマイクロバブルを溶融させる浴槽設備を提唱する。
係る発明は湯に水素酸素混合ガスをマイクロバブル化して溶融させるものである。
【0004】
以上のように還元水素水や水素水に関しては従来より使用されてきたが、この還元水素水や水素水の有する特異性を用いて他の広い分野に対して応用できる方法が求められてきている。
特に畜産分野における家畜や家禽などの飲料用として用いる水に対してより容易かつ用いやすい水が求められている。
或いは農業における散布する水などに係る効果を有する水の提供が求められるものである。
この場合特に単なる還元水素水や水に圧力をかけて水素を添加した水素水とは異なり、より簡素にかつ効率よく含有水素濃度を高く維持できるものであることや純水などではない大量に使用しても低廉に使用できる水を用いることができる畜産用又は農業用の水が求められるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-296262号
【特許文献2】特開2004-122088号
【特許文献3】特開2005-13825号
【特許文献4】特開2013-28534号
【特許文献5】特開2014-151270号
【特許文献6】特開2017-193490号
【特許文献7】特開2018-99408号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の様に、係る観点より、畜産用又は農業用の水として効果のある水であって、かつ還元水素水或いは水素水としての効果を有する水素含有量を多く保つことのできる水の提供を課題とする。
更にはこれらの還元水素水や水素水について純水などを用いるものでない畜産用又は農業用の水であって一般的な水を用いても可能な畜産用又は農業用の水の提供を課題とする。
これは特にコストの面でできる限り低廉とでき、かつ簡素なシステムで使用することのできる畜産用又は農業用の水の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
係るため、請求項1に係る発明は、陽極と陰極を有する電解槽内に電解質として水を入れて電圧を印可し、水素酸素ガスを発生されたうえ、該発生した水素酸素ガスを水に添加して形成する畜産用又は農業用の水であり、係る発明によって前記課題を解決できる。
或いは、請求項2に係る発明のように陽極と陰極を有する電解槽内に電解質としての水を入れて電圧を印可し、水素酸素ガスを発生させ、該水素酸素ガスをタンク内の水に添加して形成する畜産用又は農業用の水を用いてもよい。
更に請求項3に係る発明のように タンク内の水が水道水である畜産用又は農業用の水でもよい。
【0008】
この他、請求項4に係る発明のように電解質としての水が水道水である畜産用又は農業用の水を用いてもよい。
これらの場合、請求項5に係る発明のように水素酸素ガスを微細な泡状のバブルガスとして水に添加する畜産用又は農業用の水を用いるものでもよい。
【0009】
また請求項6に係る発明のように水素酸素ガスをノズルによって微細な泡状のバブルガスとして水に添加する畜産用又は農業用の水でもよい。
更に請求項7に係る発明のように微細な泡状のバブルガスが5μmから30μmの微細なマイクロバブルである畜産用又は農業用の水を用いてもよい。
【発明の効果】
【0010】
以上のように構成したことから、まず請求項1記載の発明によれば電解槽内の電解質としての水に電圧を印可して水素酸素ガスを発生させ、更にこの水素酸素ガスを水に添加することによって少なくとも水素と酸素がより高濃度で溶け込んだ水が得られ、この水を畜産用又は農業用に用いることができる。
この水を用いることにより畜産上又は農業上極めて効果の高い結果を導くことができる。
更に請求項2に係る発明によれば、水素酸素ガスをタンク内の水に添加することによりタンク内の水の水素と酸素がより多く溶け込んだ水を得ることができる。
従って畜産用又は農業用の水としてこの水素酸素を多く溶け込ませた水を得ることができる。
【0011】
更に請求項3に係る発明によれば、水素酸素ガスを添加するタンク内の水として水道水を用いた場合であっても、この水道水の水に水素と酸素をより多く添加することができ、水素と酸素の含有量の多い水を得ることができる。
更に請求項4に係る発明によって電解槽内に水道水を入れて電解質として用いることによって、水素酸素ガスを発生させることができるものであり、純水などの高価に水を使用せずともより低廉な費用で水素酸素ガスを得ることができるものである。
請求項5に係る発明によってタンク内の水に対して水素酸素ガスを微細な泡状のバブルガスとして添加することにより、バブルガスであることから水に溶け込みやすくなり、より高濃度の水素と酸素を水に含有させることができる。
【0012】
請求項6に係る発明によって微細な泡状のバブルガスをノズルによって発生させ、このバブルガスを水に添加することによってより効率的に水素と酸素を水に含有させることかができる。
請求項7に係る発明によりバブルガスを5μmから30μmの微細な入黒バスを用いることにより水により水素と酸素を含有させることができるものとなる。
これらにより特にこの水素と酸素の該有料の多い水を畜産用又は農業用の水として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず本発明に係る発明は、陽極と陰極を有する電解槽10内の陽極11と陰極12に電圧を印可し、電解槽10内の水から水素酸素ガスを発生させたうえ、該水素酸素ガスを水に添加した畜産用又は農業用の水からなる。
即ち電解槽10内に陽極11と陰極12を有し、電解槽10内には電解液として水を入れる。
電圧を印可することにより、陽極側では、水が反応して、水酸化物イオン(OH-)を生成する。
陰極側では、水素イオン(H+)が水素分子(H2)となる。
係る電解槽10で発生した水素酸素ガスをパイプなどで導き、更に水に添加するものである。
【0015】
この場合、電解液として電解槽10内に、通常の水道水などの一般的に使用されている水を入れ、この電極部に電圧を印可し、電解槽内の水を電気分解して水素酸素ガスを得るものである。
従ってこの水素酸素ガス発生装置によって水素酸素ガスを発生させたうえで、更に水道水などの水に該水素酸素ガスを添加して水素酸素ガスを水に添加した畜産用又は農業用の水を得るものである。
この場合電解液としては通常の水道水等を用いてもよいが、純水を用いても、或いは通常の水道水に対して超音波振動を与えた水道水を用いてもよい。
尚、本発明の発明者は既に水素酸素ガス発生装置に関する先行技術として特許第5775456号の発明を行っている者であり、該装置を用いるものであってもよい。
【0016】
次に、係る水を電気分解して水素酸素ガスを発生させ該ガスを更に別途水に添加する。
この水は水素酸素ガスが添加されたものであり、特に水素と酸素とが更に添加されたいわゆる水素水である水となる。
本発明は係る水素酸素ガスを添加した水を畜産用又は農業用の水として使用するものである。
特にこの場合、電気分解によって生成した水素酸素ガスを水に効率的に添加することが必要である。
例えば本発明においては、この水素酸素ガスを微細な泡状のバブルガスとして水に添加するものである。
【0017】
微細な泡状のバブルガス即ちマイクロバブルとして水に添加することによって、この水内への混合の促進が図られ、より高濃度の水素と酸素を水に含有させた水素酸素ガスを添加した水を生成することができる。
これは前記した水に水素酸素ガスを添加するものであり、水素の含有量が通常の水よりも高濃度となる。
この場合この水への水素酸素ガスの添加はガスをノズル2などにより微細なバブルガスにするものの他その他各種の微細なガスに形成して水に添加するものが望ましい。
【0018】
例えば発生した水素酸素ガスをいったんタンクに留めた後、圧をかけてマイクロバブルとして水に添加するものでも、或いはノズルの排出部位からの排出口を微細な口として排出するもの或いは排出方向を交差させて微細なガスを形成するものなど必要に応じて微細なガスの排出を可能とするものであればよい。
微細なガス例えば5μmから30μm程度の微細なマイクロバブルとして水に添加することが望ましい。
もとよりこれよりも微細な泡であっても或いはこれよりも大きい泡として添加するものであってもよい。
【0019】
ノズルなどによって5μmから30μm程度の微細なマイクロバブルとして水に添加することにより効率的に水に水素を添加でき、濃度の高い還元水素水或いは水素水を生成することができる。
或いは微細なマイクロバブルではなく他の方法によって水素酸素ガスを水に添加するものであってもよい。
【0020】
このようにして構成した水素酸素ガスを添加した水は、電解液として水道水を用いると、水道水によって水素酸素ガスを添加し含有した水を製造できることとなり、大量に使用する水として用いることができる。
まず、この水素酸素ガスを添加し含有した水を畜産用の水に用いた場合においては次のものがある。
該水素酸素ガスを添加し水を養鶏に用いた場合の一例を示す。
即ち養鶏用の鶏の水として水素酸素ガスを添加し含有した水を用いた場合の卵の質について明示する。
【0021】
例えば
図1に示すように水素酸素ガス発生装置1を介して水素酸素ガスを得たうえでパイプを通して、鶏に与える水に添加するものである。
この水素酸素ガス発生装置1には電極部11と電解質を有する電解槽10を有する。
この電極部11に電圧を印可して、水素酸素ガスを発生させる。
例えば鶏に与える水を入れておくタンク3内の水に水素酸素ガス発生装置1によって発生した水素酸素ガスをパイプを用いてタンク3内に引き込むことによってタンク3内の水31に水素酸素ガスを添加する。
この場合5μmから30μm程度の微細ないわゆるマイクロバブルとなるようにノズル2などで微細なバブル状にしてタンク内に添加する。
【0022】
従ってこのタンク内の水は水素酸素ガスが添加され、水素含有量の多い水となる。
例えばマイクロバブルとして添加することによって、よりタンク内の水への混合の促進が図られることとなる。
このタンク3内で水素酸素ガスが添加され、例えば一定時間置くことによって濃度を高め、このタンクから鶏舎に送られていく。
送られたこの畜産用の水は、それぞれの鶏まで送られ飲料に供されるものとなる。
従って、このタンク3内の水31は一定時間ごとに鶏に飲料用水として供給するものである。
例えば成鶏に対してこの水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌して、卵を得る場合のこの鶏卵の状態の一例を以下の表1に示す。
この成鶏はボリスブラウンであり、日令252日の成鶏である。
産卵日は2020年2月20日午前9時から翌2月21日午前9時の間に採取した鶏卵を用いたものである。
尚、今回の実験に使用した水素酸素ガスを添加し含有した水は、2019年10月15日から鶏に与え始めたものである。
【0023】
【0024】
これに対して従来の通常の水道水を給餌した成鶏の生んだ鶏卵の状態の一例を以下の表2に示す。
【0025】
【0026】
以上のように水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が63.46グラムであり、通常の水道水を使用した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が60.40グラムであった。
この数値上からは水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は、通常の水道水を使用した鶏の鶏卵と比較して約3グラム程度大きい鶏卵となっていた。
次に、卵殻の厚みに関しては水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が4.040ミリであり、通常の水道水を使用した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が3.805ミリであった。
従って、この例の場合には水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は平均して0.235ミリ厚くなった。
更に卵白高に関しては、水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が9.26ミリであり、通常の水道水を使用した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が8.96ミリであった。
従って、この例の場合には水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は平均して卵白高が0.3ミリ高くなっている。
【0027】
これらの数値に基づいてハウユニットを算出すると、水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が95.1であり、通常の水道水を使用した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が94.3であった。
このことから考察すると水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵の方がより大きくかつ品質の高い鶏卵を得ることができるものである。
【0028】
次に、更に水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した日令489日のボリスブラウンの成鶏から採取した鶏卵の状態の一例を表3に示す。
産卵日は2020年10月16日午前9時から翌10月17日午前10時の間に採取した鶏卵を用いたものである。
尚、この実験に使用した水素酸素ガスを添加し含有した水は、2019年10月15日から鶏に与え始めたものである。
【0029】
【0030】
これに対して従来の通常の水道水を給餌した成鶏の生んだ鶏卵の状態の一例を以下の表4に示す。
【0031】
【0032】
以上のように表3に示す水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が63.96グラムであり、表4に示す通常の水道水を使用した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が62.69グラムであった。
この数値上からは水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は、通常の水道水を使用した鶏の鶏卵と比較して約1.3グラム程度大きい鶏卵となっていた。
次に、卵殻の厚みに関しては水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が4.135ミリであり、通常の水道水を使用した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が3.905ミリであった。
【0033】
従って、この例の場合には水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は平均して0.23ミリ厚くなった。
更に卵白高に関しては、水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が8.15ミリであり、通常の水道水を使用した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が7.44ミリであった。
従って、この例の場合には水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は平均して卵白高が0.7ミリ高くなっている。
これらの数値に基づいてハウユニットを算出すると、水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が88.8であり、通常の水道水を使用した鶏の鶏卵は、20個当たりの平均が80.6であった。
【0034】
この表3及び表4に示す場合にあっても水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵の方がより大きくかつ品質の高い鶏卵を得ることができるものである。
特に鶏卵の品質を表すハウユニットの数値も水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵の方が通常の水道水よりも平均して高いものであり、より高品質の鶏卵を得ることができるものである。
この例は、成鶏に対して水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の例であるが、更に雛の段階から水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌することにより、より品質の高い鶏卵の採取を可能とするものと考えられる。
【0035】
以上は、この水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した鶏の鶏卵に関してのデータをまとめたものであるが、この鶏自体の品質や鶏に代え牛にこの水素酸素ガスを添加し含有した水を給餌した場合のミルク等に関しても同様の効果を有するものと考えられる。 次に農業用の水に対して水素酸素ガスを添加し含有した水を散布した場合の例として、通常のプランターでプチトマトを生育した例を示す。
2020年4月15日から7月3日までの間に水素酸素ガスを添加し含有した水を用いて散布したプランターのプチトマトの苗と、通常の水道水を散布したプランターのプチトマトの苗とを生育させた。
【0036】
7月3日にそれぞれのプランターにて生育したプチトマトを収穫したところ、それぞれのプチトマトの大きさは次の通りであった。
水素酸素ガスを添加し含有した水を散布したプランターで生育させて収穫したプチトマトの大きさは平均3.1ミリであった。
これに対して通常の水道水を散布したプランターで生育させて収穫したプチトマトの大きさは平均2.0ミリであった。
【0037】
以上のように、陽極と陰極を有する電解槽内の水に電圧を印可し、水素酸素ガスを発生させたうえ、該水素酸素ガスを水に添加した畜産用又は農業用の水を用いると、極めて効果的な結果を生じることができるものとなる。
例えば畜産関係における養鶏においては、鶏卵の質を高く維持できることとなり、より高品質の鶏卵を得ることができる。
また農業用の水として用いた場合には同様に農産物の品質を高めることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 水素酸素ガス発生装置
10 電解槽
11 電極部
2 ノズル
3 タンク
31 水