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特開2022-81178パレットセットおよびそれを用いたタイヤの積み上げ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081178
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】パレットセットおよびそれを用いたタイヤの積み上げ方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/06 20060101AFI20220524BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20220524BHJP
   B65D 19/44 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
B65D85/06
B60C19/00 J
B65D19/44 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192558
(22)【出願日】2020-11-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】515233225
【氏名又は名称】アイエーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 英明
(72)【発明者】
【氏名】長田 豊和
【テーマコード(参考)】
3D131
3E063
3E068
【Fターム(参考)】
3D131BC55
3D131LA24
3E063AA13
3E063BA05
3E063BA08
3E063CA05
3E063CA30
3E063EE01
3E068AA34
3E068AC01
3E068BB09
3E068BB16
3E068CC30
3E068CE03
3E068CE11
3E068DD11
3E068DD12
3E068DE01
3E068EE40
(57)【要約】
【課題】鉛直に積み上げられたタイヤの搬送又は積み下ろし作業に適したパレットセットを提供する。
【解決手段】パレットセットは、下段タイヤが載せられるように構成された第1パレットと、上段タイヤが載せられるように構成され、当該下段タイヤの上に置くための第2パレットとを備える。第1パレットは、その下側に、いずれも縦方向に延びた、少なくとも3つの受け部を有し、前記3つの受け部のそれぞれの間には、第1の空間が形成され、3つの受け部を互いに連結する連結部を有し、連結部の上側には、下段タイヤが載せられるように構成され、いずれも縦方向に延びた少なくとも3つの突起部を有する。第2パレットは、下段タイヤの上に載せられるように構成された載置板と、載置板の上に突出し、上段タイヤを載せるように構成された少なくとも3つの突出部を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下段タイヤが載せられるように構成された第1パレットと、
上段タイヤが載せられるように構成され、当該下段タイヤの上に置くための第2パレットと、
を備えたパレットセットであって、
前記第1パレットは、その下側に、いずれも縦方向に延びた、少なくとも3つの受け部を有し、前記3つの受け部のそれぞれの間には、第1の空間が形成され、
前記3つの受け部を互いに連結する連結部を有し、
前記連結部の上側には、前記下段タイヤが載せられるように構成され、いずれも縦方向に延びた少なくとも3つの突起部を有し、前記3つの突起部のそれぞれの間に、第2の空間が形成され、
前記第2パレットは、
当該下段タイヤの上に載せられるように構成された載置板と、前記載置板の上に突出し、前記上段タイヤを載せるように構成された少なくとも3つの突出部を有し、前記3つの突出部のそれぞれの間に、第3の空間が形成される、パレットセット。
【請求項2】
前記第2パレットは、上面視した場合、略正方形であり、その四隅が面取りされている、請求項1に記載のパレットセット。
【請求項3】
前記第1の空間は、フォークリフターの前輪を含む脚部が挿入されるように構成され、前記第2の空間および前記第3の空間は、フォークリフターのフォークが挿入されるように構成される、請求項1又は2に記載のパレットセット。
【請求項4】
前記第1パレットの前記受け部の高さは、前記突起部および前記突出部の高さより大きく設計されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のパレットセット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のパレットセットを用いたタイヤの積み上げ方法であって、
前記第1パレットを床の上に配置し、
前記第1パレットの下側に、タイヤを保持したフォークリフターの前輪を含む脚部が挿入されるように、フォークリフターを移動させ、
前記タイヤを下降させて、前記タイヤを前記第1パレット上に配置し、
前記第2パレットの前記突出部の方向を、前記第1パレットの前記突起部の方向と合わせるように、前記タイヤの上に前記第2パレットを配置し、
前記第2パレットの下側に、前記タイヤとは別のタイヤを保持したフォークリフターの前輪を含む脚部が挿入されるように、フォークリフターを移動させ、
前記別のタイヤを下降させて、前記別のタイヤを前記第2パレット上に配置する、タイヤの積み上げ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレットセットに関し、特に、タイヤの搬送又は積み下ろし作業に適したパレットセット、およびそれを用いたタイヤの積み上げ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な物を運搬するため、様々なパレットが提案されている。例えば、特許文献1には、タイヤホイール用搬送材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-037296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このパレットは、鉛直に積み上げられたタイヤの搬送又は積み下ろし作業に適したものではない。特に、タイヤ預かりサービスにおいて、4本のタイヤを1セットとして、鉛直に積み上げた2セット又は3セット(8本又は12本)のタイヤが倉庫内に並べられている。従来のパレットでは、こうしたタイヤの積み下ろし作業が効率的に行うことができない。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、鉛直に積み上げられたタイヤの搬送又は積み下ろし作業に適したパレットセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかるパレットセットは、下段タイヤが載せられるように構成された第1パレットと、
上段タイヤが載せられるように構成され、当該下段タイヤの上に置くための第2パレットと、
を備えたパレットセットであって、
前記第1パレットは、その下側に、いずれも縦方向に延びた、少なくとも3つの受け部を有し、前記3つの受け部のそれぞれの間には、第1の空間が形成され、
前記3つの受け部を互いに連結する連結部を有し、
前記連結部の上側には、前記下段タイヤが載せられるように構成され、いずれも縦方向に延びた少なくとも3つの突起部を有し、前記3つの突起部のそれぞれの間に、第2の空間が形成され、
前記第2パレットは、
当該下段タイヤの上に載せられるように構成された載置板と、前記載置板の上に突出し、前記上段タイヤを載せるように構成された少なくとも3つの突出部を有し、前記3つの突出部のそれぞれの間に、第3の空間が形成される。
【0007】
本発明の他の態様にかかるタイヤの積み上げ方法は、上記のパレットセットを用いたタイヤの積み上げ方法であって、
前記第1パレットを床の上に配置し、
前記第1パレットの下側に、タイヤを保持したフォークリフターの前輪を含む脚部が挿入されるように、フォークリフターを移動させ、
前記タイヤを下降させて、前記タイヤを前記第1パレット上に配置し、
前記第2パレットの前記突出部の方向を、前記第1パレットの前記突起部の方向と合わせるように、前記タイヤの上に前記第2パレットを配置し、
前記第2パレットの下側に、前記タイヤとは別のタイヤを保持したフォークリフターの前輪を含む脚部が挿入されるように、フォークリフターを移動させ、
前記別のタイヤを下降させて、前記別のタイヤを前記第2パレット上に配置する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、鉛直に積み上げられたタイヤの搬送又は積み下ろし作業に適したパレットセットおよびそれを用いたタイヤの積み上げ方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1にかかる第1パレットの斜視図である。
図2】実施の形態1にかかる第1パレットの上面図である。
図3】実施の形態1にかかる第1パレットの側面図である。
図4】実施の形態1にかかる第2パレットの斜視図である。
図5】実施の形態1にかかる第2パレットの上面図である。
図6】実施の形態1にかかる第2パレットの側面図である。
図7】実施の形態1で使用される例示のリフターを説明する図である。
図8】第1パレットへのタイヤの積み下ろし作業を説明する図である。
図9】第1パレットへのタイヤの積み下ろし作業を説明する図である。
図10】第2パレットへのタイヤの積み下ろし作業を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本開示にかかるパレットセットは、例えば、タイヤの預かりサービスにおいて、フォークリフターによる、倉庫内に並べられた多数のタイヤの積み下ろし作業に用いられる。パレットセットは、主に、床の上に置いて使用される第1パレットと、鉛直に積み上げたタイヤの上に置いて使用される第2パレットを含む。
【0011】
図1図3を参照して、第1パレットの構成を説明する。図1は、実施の形態1にかかる第1パレットの斜視図である。図2は、実施の形態1にかかる第1パレットの上面図である。図3は、実施の形態1にかかる第1パレットの側面図である。
【0012】
第1パレット10は、複数の受け部13a、13b、13cと、複数の連結部12a、12b,12c、12dと、複数の突起部11a、11b、11c、11dと、を備える。
【0013】
複数の受け部13a、13b、13cは、床の上に縦方向(Y方向)に並べて置かれる、細長い立方体形状の部材である。本例では、3つの受け部13a、13b、13cが使用され、受け部13a、13bとの間の空間(第1の空間)と、受け部13b、13cの間の空間(第1の空間)に、後述するフォークリフターの2つの前輪を有する2つの脚部がそれぞれ挿入されるように構成される。
【0014】
連結部12a、12b,12c、12dは、縦方向(Y方向)とは直行する横方向(X方向)に並べられ、各受け部13a、13b、13cを連結する。複数の突起部11a、11b、11c、11dは、連結部12a、12b,12c、12dの上にY方向に並べて置かれる細長い立方体形状の部材である。本例では、4つの突起部11a、11b、11c、11dが使用され、突起部11a、11bの間の空間(第2の空間)と、突起部11c、11dの間の空間(第2の空間)に、後述するリフターの2つのフォークがそれぞれ挿入されるよう構成される。しかし、突起部11の数は4つに限定されない。例えば、突起部の数は、3つ以上であってもよい。また、連結部と受け部と突起部は、ねじ、接着剤などの任意の連結手段で互いに連結することができる。また、本例では、軽量化の観点から、隙間を空けて並べた4つの連結部を用いたが、これに限定されず、1つ以上の連結部であってもよい。
【0015】
図2に示すように、第1パレット10は、上面視した場合、矩形(本例では、650mm×650mmの正方形)に構成され、重量のある多数のタイヤ(例えば、8本のタイヤの重量は200kg以上)を平積み状態で載せることができる。また、図2に示すように、複数の突起部11は、第1パレット10の横方向(X方向)幅の中心線に対して、対称に配置してもよい。複数の受け部13も、第1パレット10の横方向(X方向)幅の中心線に対して、対称に配置してもよい。更に、複数の連結部12も、第1パレット10の縦方向(Y方向)幅の中心線に対して、対称に配置してもよい。
【0016】
図3に示すように、受け部13a、13b、13cのZ方向の高さは、突起部11a、11b、11c、11dのZ方向の高さより高い。本例では、受け部13a、13b、13cのZ方向の高さは、110mmであり、突起部11a、11b、11c、11dのZ方向の高さは、50mmである。これは、後述するリフターの前輪を有する脚部が、フォークよりも大きく、フォークよりも、脚部が挿入される空間が大きい必要があるからである。なお、受け部のZ方向の高さは、これに限定されず、使用するフォークリフターの脚部の高さに応じて、任意に設定することができる。突起部のZ方向の高さも、これに限定されず、使用するフォークリフターのフォークの厚さに応じて、任意に設定することができる。
【0017】
本例では、第1パレット10は、木製の部材から構成されるが、樹脂などの部材にから構成してもよい。
【0018】
図4図6を参照して、第2パレットの構成を説明する。図4は、実施の形態1にかかる第2パレットの斜視図である。図5は、実施の形態1にかかる第2パレットの上面図である。図6は、実施の形態1にかかる第2パレットの側面図である。
【0019】
第2パレット20は、X方向に並べられた、平板である複数の載置板22a、22b,22cと、複数の載置板22a、22b,22cの上に置かれ、Y方向に並べられ、Z方向に突出した複数の突出部21a、21b,21cを備える。
【0020】
載置板22a、22b,22cは、下段のタイヤの上に置かれるため、平板で構成される。本例では、3つの突出部21a、21b、21cが使用され、突出部21a、21bの間の空間(第3の空間)と,突出部21b、21cの間の空間(第3の空間)に、後述するリフターの2つのフォークがそれぞれ挿入されるよう構成される。しかし、突出部の数は3つに限定されない。また、突出部21a、21b、21cのZ方向の高さは、突起部11a、11b、11c、11dのZ方向の高さと同じ、50mmとしている。これらの高さは、例えば、50mm±5mmに設定してもよい。なお、突出部および突起部の高さは、これに限定されず、使用するフォークリフターのフォークの厚さに応じて、任意に設定することができる。
【0021】
図5に示すように、第2パレット20は、上面視した場合、四隅が面取りされた矩形(本例では、600mm×600mmの正方形)に構成される。すなわち、載置板22a、22cは、それぞれ一方側の両隅が面取りされている。同様に、突出部21a、21cは、それぞれ一方側の両隅が面取りされている。なお、面取りは、略45度の角度で削るC面取りとしたが、角を丸めたR面取りであってもよい。このように構成された第2パレットは、多数のタイヤを平積み状態で載せることができ、また第2パレット20の四隅が積み下ろし作業等の邪魔にならない。また、図5に示すように、複数の突出部21は、第2パレット20の縦方向(Y方向)幅の中心線に対して、対称に配置してもよい。複数の載置板22は、第2パレット20の横方向(X方向)幅の中心線に対して、対称に配置してもよい。
【0022】
本例では、第2パレット20は、木製の部材から構成されるが、樹脂などの部材にから構成してもよい。
【0023】
次に、図7図10を参照して、フォークリフターを用いたタイヤの積み下ろし作業を説明する。
まず、図7は、実施の形態1で使用される例示のフォークリフターを説明する図である。
フォークリフター100は、主に、台車170と、電動油圧式駆動部150と、電動油圧式駆動部150により鉛直方向に昇降可能な昇降体160と、を有する。
【0024】
電動油圧式駆動部150は、バッテリの電圧で駆動する電動モータ(不図示)と、当該電動モータで駆動する電動油圧ポンプ(不図示)と、当該電動油圧ポンプの作動で伸縮する油圧ダンパ183a、183bと、を備える。
【0025】
台車170は、略平行に並べられた一対の脚部171a、171bと、一対の脚部171a、171bの一端を連結する連結材175と、連結材175と連結されたベース部176と、2つの前輪172a,172bと、2つの後輪173a、173bと、を有する。一対の脚部171a、171bは、細長い板材であり、それぞれ、最前部に前輪172a,172bを有している。また、矩形のベース部176の下側には、2つの後輪173a、173bが設けられている。
【0026】
台車170の連結材175上には、2本の支柱181a、181bが立設されている。支柱181a、181bには、昇降体160が鉛直方向に摺動可能に支持されている。また、連結材175上には、2本の支柱181a、181bの外側に、油圧ダンパ183a、183bが立設されている。油圧ダンパ183a、183bにより、昇降体160は、鉛直方向に昇降することができる。さらに、昇降体160には、鉛直方向に対して垂直な方向に前方に延び、互いに離間した一対のフォーク(挿入爪とも呼ばれる)162a、162bが設けられている。また、昇降体160は、フォーク162a、162bに載せた物(例えば、タイヤ)が支柱181a、181b側に転倒するのを防止するガイド161が設けられている。また、2本の支柱181a、181bには、それぞれ、作業者が把持して台車170を移動させるための把持部182a、182bを有する。なお、フォークリフター100は、図示されていないが、操作レバーを有し、作業者が操作レバーを操作することで、フォークおよび昇降体を鉛直方向に上昇および下降させることができる。
【0027】
図8および図9は、第1パレットへのタイヤの積み下ろし作業を説明する図である。
ラック(不図示)に並べられた4本のタイヤ300を、フォークリフター100のフォーク162a、162bで保持しながら、床の上に置かれた第1パレット10まで台車170を移動させる。図8に示すように、受け部13a、13bとの間の空間と、受け部13b、13cの間の空間に、フォークリフター100の2つの前輪172a、172bを有する2つの脚部171a、171bがそれぞれ挿入されるように、台車170を移動させる。この際、4本のタイヤ300は、第1パレット10の上方に配置されたフォーク162a、162bにより、保持されている。
【0028】
フォークリフター100の2つの前輪172a、172bを有する2つの脚部171a、171bがそれぞれ、第1パレット10の下側の空間に挿入された状態で、フォーク162a、162bを、それぞれ、突起部11a、11bの間の空間と,突起部11c、11dの間の空間まで下降させる。それにより、図9に示すように、4本のタイヤ300は、突起部11a、11b、11c、11dの上に載せられる。その後、台車170を後方に移動させることによって、フォーク162a、162bを、それぞれ、突起部11a、11bの間の空間と,突起部11c、11dの間の空間から抜き出すことができる。すなわち、突起部11a、11b、11c、11dの高さ(Z方向の高さ)は、フォーク162a、162bのZ方向の厚さより大きくなるように設計されている。また、フォークリフター100の前輪172a、172bを有する脚部171a、171bと、フォーク162a、162bは、ともに、Y方向に伸びている。そのため、脚部171a、171bを、第1パレット10の下側の空間に挿入されると、フォーク162a、162bは、突起部11a、11bの間の空間と,突起部11c、11dの間の空間の上方に位置決めされる。これにより、作業者は、容易にタイヤを積み下ろしすることができる。
【0029】
図10は、第1パレット10上の4本のタイヤ300の上に第2パレット20を配置し、更に、その上に、4本のタイヤ300を積み上げる例を示す。第2パレット20は、作業者により、突出部21a、21b、21cがフォーク162a、162bと略平行になるように、下段の4本のタイヤ300の上に配置される。ラック(不図示)から4本のタイヤをフォークリフター100のフォーク162a、162bで保持しながら、図10に示すように、台車170を第1パレット10の下側に移動させる。
【0030】
フォーク162a、162bをそれぞれ、突出部21a、21bの間の空間と,突出部21b、21cの間の空間まで下降させることで、上段の4本のタイヤ300を、第2パレット20の突出部21a,21b、21cの上に載せることができる。更に、台車170を後方に移動させることで、フォーク162a、162bを、それぞれ、突出部21a、21bの間の空間と,突出部21b、21cの間の空間から抜き出すことができる。すなわち、突出部21a、21b、21cの高さ(Z方向の高さ)は、フォーク162a、162bのZ方向の厚さより大きくなるように設計されている。
【0031】
以上説明したように、本実施形態にかかるパレットセットは、一般的なフォークリフターを用いて、4本のタイヤの上に、更に4本のタイヤを載せるなどの作業を容易に行うことができる。
【0032】
さらに、12本のタイヤを積み上げる場合には、積み上げた8本のタイヤの上に、第2パレットを配置し、上述したように、更に4本のタイヤを第2パレット上に載せることができる。
【0033】
また、積み上げられた8本のタイヤから、必要なタイヤのセットを取り出す場合は、上記した手順を逆に行うことによって実現され得る。
【0034】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施形態では、4本のタイヤを1セットとしたが、1本、2本又は3本のタイヤを1セットとしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
10 第1パレット
11 突起部
12 連結部
13 受け部
20 第2パレット
21 突出部
22 載置板
100 フォークリフター
150 電動油圧式駆動部
160 昇降体
161 ガイド
162 フォーク(挿入爪)
170 台車
171 脚部
172 前輪
173 後輪
175 連結材
176 ベース部
181 支柱
182 把持部
183 油圧ダンパ
185 連結材
300 タイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下段タイヤが載せられるように構成された第1パレットと、
上段タイヤが載せられるように構成され、当該下段タイヤの上に置くための第2パレットと、
を備えたパレットセットであって、
前記第1パレットは、その下側に、いずれも第1方向に延びた、少なくとも3つの受け部を有し、前記3つの受け部のそれぞれの間には、フォークリフターの前輪を含む一対の脚部が挿入されるように第1の空間が形成され、
前記3つの受け部を互いに連結する連結部を有し、
前記連結部の上側には、前記下段タイヤが載せられるように構成され、いずれも前記第1方向に延びた少なくとも3つの突起部を有し、前記3つの突起部のそれぞれの間に、前記フォークリフターの一対のフォークが挿入されるように第2の空間が形成され、
前記第2パレットは、
当該下段タイヤの上に載せられるように構成された平坦面を有する載置板と、前記載置板の上に突出し、前記上段タイヤを載せるように構成され、いずれも前記第1方向に延びた少なくとも3つの突出部を有し、前記3つの突出部のそれぞれの間に、前記フォークリフターの前記一対のフォークが挿入されるように第3の空間が形成され、前記載置板は、前記下段タイヤの上に置かれたとき、前記載置板の平坦面と前記下段タイヤの間には、フォークリフターの前輪を含む一対の脚部が挿入されるような前記第1の空間が形成されないように構成されている、パレットセット。
【請求項2】
前記第2パレットは、上面視した場合、略正方形であり、その四隅が面取りされている、請求項1に記載のパレットセット。
【請求項3】
前記第1の空間は、フォークリフターの前輪を含む脚部が挿入されるように構成され、前記第2の空間および前記第3の空間は、フォークリフターのフォークが挿入されるように構成される、請求項1又は2に記載のパレットセット。
【請求項4】
前記第1パレットの前記受け部の高さは、前記突起部および前記突出部の高さより大きく設計されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のパレットセット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のパレットセットを用いたタイヤの積み上げ方法であって、
前記第1パレットを床の上に配置し、
前記第1パレットの下側に、タイヤをフォークで保持したフォークリフターの前輪を含む脚部が挿入されるように、フォークリフターを移動させ、
前記タイヤを保持したフォークを前記第2の空間まで下降させて、前記タイヤを前記第1パレット上に配置し、
前記第2パレットの前記突出部の方向を、前記第1パレットの前記突起部の方向と合わせるように、前記タイヤの上に前記第2パレットを配置し、
前記第パレットの下側に、前記タイヤとは別のタイヤをフォークで保持したフォークリフターの前輪を含む脚部が挿入されるように、フォークリフターを移動させ、
前記別のタイヤを保持したフォークを前記第3の空間まで下降させて、前記別のタイヤを前記第2パレット上に配置する、タイヤの積み上げ方法。