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特開2022-81257情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081257
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220524BHJP
   G06Q 10/04 20120101ALI20220524BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/04
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192692
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沈 嘉秋
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】カレンダーに登録された予定において、寝坊を十分に減らすことができる。
【解決手段】情報処理装置10は、ユーザのスケジュールに含まれる開始時刻と予定場所と、ユーザの行動履歴とを取得する取得部13aと、ユーザの場所の情報から取得部13aによって取得された予定場所へ移動するために必要な移動時間を予測する予測部13bと、予測部13bによって予測された移動時間に基づいてアラームの時間を設定し、取得部13aによって取得された行動履歴に基づいてアラームの設定を変更する設定部13cとを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのスケジュールに含まれる開始時刻と予定場所と、該ユーザの行動履歴とを取得する取得部と、
前記ユーザの場所の情報から前記取得部によって取得された前記予定場所へ移動するために必要な移動時間を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された移動時間に基づいてアラームの時間を設定し、前記取得部によって取得された前記行動履歴に基づいて該アラームの設定を変更する設定部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、状況の変更に関わる情報をさらに取得し、
前記予測部は、前記状況の変更に関わる情報に基づいて、前記予測された移動時間を更新し、
前記設定部は、前記更新された移動時間に基づいて、アラームの時間を再設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記状況の変更に関わる情報として、気象情報および交通情報のうち少なくとも1つを取得することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
ユーザのスケジュールに含まれる開始時刻と予定場所と、該ユーザの行動履歴とを取得する取得工程と、
前記ユーザの場所の情報から前記取得工程によって取得された前記予定場所へ移動するために必要な移動時間を予測する予測工程と、
前記予測工程によって予測された移動時間に基づいてアラームの時間を設定し、前記取得工程によって取得された前記行動履歴に基づいて該アラームの設定を変更する設定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
ユーザのスケジュールに含まれる開始時刻と予定場所と、該ユーザの行動履歴とを取得する取得ステップと、
前記ユーザの場所の情報から前記取得ステップによって取得された前記予定場所へ移動するために必要な移動時間を予測する予測ステップと、
前記予測ステップによって予測された移動時間に基づいてアラームの時間を設定し、前記取得ステップによって取得された前記行動履歴に基づいて該アラームの設定を変更する設定ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェブサービスとして提供されているカレンダーアプリケーションとしてGoogleカレンダー(登録商標)等が存在する。カレンダーアプリケーションはユーザの端末から予定の設定が可能であり、また、ユーザの端末を介して予定のリマインドを通知する機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-303687号公開
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、カレンダーに登録された予定において、寝坊を十分に減らすことができなかった。なぜならば、カレンダーアプリケーションの予定のリマインドは、せいぜい30分前に通知する程度の機能であり、寝坊等は考慮されていないからである。
【0005】
また、目覚ましのアラームは基本的には前日に設定するか、毎日一定の時間に起動するように設定する性質のものである。一方で、カレンダーに登録するような予定というのは実際の日付の1カ月前に投入されるケースは十分想定されうる。もし、その予定が早朝作業のようなものであった場合、毎日起動するようなアラームでは対処できず、前日に設定する必要がある。しかし、前日にアラームを設定せずに就寝してしまった場合には、その予定を寝過ごすことがあり得る。
【0006】
さらに、カレンダーアプリケーションの情報を基に自動でアラームを設定する機能を有する技術も存在するが、現在位置や予定場所、天候や移動手段等を考慮しておらず、そのような条件を考慮する場合は、必要な移動時間を予測して、自らアラームを設定する必要があった。また、従来技術では、起床から出発までに必要な準備時間や寝起きの良し悪し等の個人ごとの状況を踏まえたアラーム設定を、自動で行うことはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、ユーザのスケジュールに含まれる開始時刻と予定場所と、該ユーザの行動履歴とを取得する取得部と、前記ユーザの場所の情報から前記取得部によって取得された前記予定場所へ移動するために必要な移動時間を予測する予測部と、前記予測部によって予測された移動時間に基づいてアラームの時間を設定し、前記取得部によって取得された前記行動履歴に基づいて該アラームの設定を変更する設定部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報処理方法は、情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、ユーザのスケジュールに含まれる開始時刻と予定場所と、該ユーザの行動履歴とを取得する取得工程と、前記ユーザの場所の情報から前記取得工程によって取得された前記予定場所へ移動するために必要な移動時間を予測する予測工程と、前記予測工程によって予測された移動時間に基づいてアラームの時間を設定し、前記取得工程によって取得された前記行動履歴に基づいて該アラームの設定を変更する設定工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報処理プログラムは、ユーザのスケジュールに含まれる開始時刻と予定場所と、該ユーザの行動履歴とを取得する取得ステップと、前記ユーザの場所の情報から前記取得ステップによって取得された前記予定場所へ移動するために必要な移動時間を予測する予測ステップと、前記予測ステップによって予測された移動時間に基づいてアラームの時間を設定し、前記取得ステップによって取得された前記行動履歴に基づいて該アラームの設定を変更する設定ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、カレンダーに登録された予定において、寝坊を十分に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る基本的な情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第1の実施形態に係る更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、第1の実施形態に係るアラームの変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0013】
〔第1の実施形態〕
以下に、本実施形態に係る情報処理システムの構成、情報処理装置の構成、基本的な情報処理の流れ、更新処理の流れ、アラームの変更処理の流れを順に説明し、最後に本実施形態の効果を説明する。
【0014】
[情報処理システムの構成]
図1を用いて、本実施形態に係る情報処理システムの構成を詳細に説明する。図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム100は、情報処理装置10としてサーバ、ユーザの端末としてスマートフォン20(適宜、ユーザ20)、カレンダーアプリケーション30、気象情報API(Application Programming Interface)40Aおよび交通情報API40Bを有する。ここで、サーバ10、スマートフォン20、カレンダーアプリケーション30、気象情報API40Aおよび交通情報API40Bは、それぞれ通信ネットワークを介して接続されている。なお、各APIに共通の事項について説明する場合には、単にAPI40と表記する。
【0015】
まず、スマートフォン20は、ユーザの住所等をサーバ10に送信し、ユーザの基本情報を設定する(図1の(1)参照)。ここで、ユーザの基本情報とは、ユーザの住所の他、ユーザの現在位置、ユーザの移動手段やその優先順位、歩行速度等の移動に関する情報、年齢や性別等である。スマートフォン20が送信するユーザの基本情報は、特に限定されない。なお、ユーザの基本情報は、スマートフォン20以外の端末によって設定されてもよいし、当該ユーザ以外のユーザによって設定されてもよい。
【0016】
また、スマートフォン20は、ユーザの予定に関する情報をカレンダーアプリケーション30に送信し、ユーザのスケジュールを設定する(図1の(2)参照)。ここで、ユーザの予定に関する情報とは、予定の開始時刻や終了時刻、予定場所の名称や住所、予定の内容、相手や人数、種類、重要度等である。スマートフォン20が送信するユーザの予定に関する情報は、特に限定されない。なお、ユーザのスケジュールは、スマートフォン20以外の端末によって設定されてもよいし、当該ユーザ以外のユーザによって設定されてもよい。
【0017】
次に、サーバ10は、カレンダーアプリケーション30からユーザのスケジュールを取得する(図1の(3)参照)。なお、図1では、カレンダーアプリケーション30は、サーバ10、スマートフォン20の外部にあるが、特に限定されない。例えば、ユーザのスケジュールは、ユーザのスマートフォン20内部のカレンダーアプリケーション30に設定され、適宜サーバ10に参照されてもよい。また、ユーザのスケジュールは、サーバ10の記憶部に設定され、適宜スマートフォン20に参照されてもよい。
【0018】
一方、サーバ10は、気象情報API40Aから気象情報を取得し(図1の(4)参照)、交通情報API40Bから交通情報を取得する(図1の(5)参照)。ここで、気象情報とは、台風、大雨、猛暑等の天候に関する予報、気象警報や気象注意報等である。また、交通情報とは、通行止めや渋滞に関する道路交通情報の他、鉄道、バス、航空機、フェリー等の公共交通機関の運行情報等である。なお、サーバ10が取得する情報は、気象情報、交通情報に特に限定されない。
【0019】
続いて、サーバ10は、取得したユーザの基本情報、ユーザのスケジュール、気象情報、交通情報等を分析して、ユーザの住所等から予定場所までの必要な移動時間を予測する(図1の(6)参照)。最後に、サーバ10は、予測した移動時間に基づいて、ユーザのスマートフォン20のアラームの時間を設定する(図1の(7)参照)。なお、ユーザが複数のスマートフォンをシステムに登録していた場合、その全てのスマートフォンのアラームが起動するものとする。
【0020】
本実施形態に係る情報処理システム100では、ユーザは所有するスマートフォン20からシステムを利用する。ユーザはスマートフォン20からオンラインのカレンダー(ウェブカレンダー)30に予定を登録する。また、ユーザのスマートフォン20にアラームの設定を行うべく、情報の分析を行う役割を担うのがサーバ10である。サーバ10は、スマートフォン20、ウェブカレンダー30、各種API40から情報を取得し、ユーザがカレンダーに登録している予定に間に合うぎりぎりの時間を導き出す。サーバ10は、導き出された時間をユーザのスマートフォン20に送信し、その時間にスマートフォン20のアラームが起動するように自動で設定する。
【0021】
また、本システム100では、急な天候の変化や電車遅延に関する情報を取得し、アラームの時間を自動で更新する。さらに、本システム100では、スマートフォン20からユーザの二度寝に関する情報等のユーザの行動履歴を取得して、アラームの時間やアラームの種類を自動で変更する。このため、本システム100では、カレンダーに登録された予定において、寝坊や遅刻を十分に減らすことができる。
【0022】
[情報処理装置の構成]
図2を用いて、本実施形態に係る情報処理装置10の構成を詳細に説明する。図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。情報処理装置10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。
【0023】
通信部11は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部11は、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部11は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0024】
記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。例えば、記憶部12は、ユーザのスマートフォン20から取得したユーザの基本情報や行動履歴、カレンダーアプリケーション30から取得したユーザのスケジュール、各API40から取得した各種情報等を記憶する。ここで、記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等である。なお、図2の例では、記憶部12は情報処理装置10の内部に設置されているが、情報処理装置10の外部に設置されてもよい。また、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0025】
制御部13は、情報処理装置10全体の制御を司る。制御部13は、取得部13a、予測部13bおよび設定部13cを有する。ここで、制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。
【0026】
取得部13aは、ユーザ20のスケジュールに含まれる開始時刻と予定場所と、ユーザ20の行動履歴とを取得する。また、取得部13aは、状況の変更に関わる情報をさらに取得する。例えば、取得部13aは、状況の変更に関わる情報として、気象情報および交通情報のうち少なくとも1つを取得する。取得部13aは、取得したユーザ20のスケジュール、気象情報や交通情報等の状況の変更に関わる情報、ユーザ20の行動履歴等を記憶部12に格納する。なお、状況の変更に関わる情報については、後述する更新処理の流れにおいて説明し、ユーザの行動履歴については、後述するアラームの変更処理の流れにおいて説明する。
【0027】
予測部13bは、ユーザ20の場所の情報から取得部13aによって取得された予定場所へ移動するために必要な移動時間を予測する。また、予測部13bは、状況の変更に関わる情報に基づいて、予測された移動時間を更新する。例えば、予測部13bは、記憶部12を参照し、ユーザ20の住所、ユーザ20の優先する交通手段、予定の開始時刻、予定場所等から、必要な移動時間を予測する。また、予測部13bは、各API40から取得した気象情報や交通情報等の状況の変更に関わる情報、ユーザ20の現在位置等から、必要な移動時間や移動手段を更新する。
【0028】
設定部13cは、予測部13bによって予測された移動時間に基づいてアラームの時間を設定し、取得部13aによって取得された行動履歴に基づいてアラームの設定を変更する。また、設定部13cは、予測部13bによって更新された移動時間に基づいて、アラームの時間を再設定する。例えば、設定部13cは、予測部13bによって予測や更新された移動時間に準備時間を加えて、その時間から起床すべき時刻を導き出し、アラームの時間を設定する。ここで、準備時間とは、起床時刻から出発時刻までの時間である。また、設定部13cは、取得されたユーザ20の行動履歴に基づいて、アラームを早めの時間に設定したり、アラームの音量を大きくしたり、二度寝防止機能であるスヌーズ機能の設定をしたりする。
【0029】
[基本的な情報処理の流れ]
図3を用いて、本実施形態に係る基本的な情報処理の流れを詳細に説明する。図3は、第1の実施形態に係る基本的な情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、サーバ10は、ユーザのスマートフォン20からユーザの基本情報を取得する(ステップS101)。また、サーバ10は、カレンダーアプリケーション30からユーザのスケジュールの開始時間の情報とスケジュールの予定場所の情報を取得する(ステップS102、ステップS103)。さらに、サーバ10は、気象情報API40Aから気象情報を取得し(ステップS104)、交通情報API40Bから交通情報を取得する(ステップS105)。
【0030】
なお、サーバ10の行うステップS101~S105の処理の順序は一例であり、図3の処理の順序に限定されない。また、ステップS101~S105の各種情報の取得処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0031】
次に、サーバ10は、上記のステップで取得した情報を分析して予定場所までの必要な移動時間を予測する(ステップS106)。このとき、サーバ10は、ユーザの場所の情報がユーザの住所と一致しなければ、ユーザのスマートフォン20からユーザの現在位置の情報を取得する。また、サーバ10は、ユーザの住所、ユーザのスケジュールに含まれる開始時刻や予定場所の他、予定の重要度等を考慮して移動時間を予測してもよい。例えば、通常の予定より重要度が高い予定であれば、5分前に予定場所に必ず到着するように移動時間を予測する。
【0032】
また、サーバ10は、気象情報や交通情報等を考慮して、雨天時や電車の遅延情報が出ていたら一定時間を移動時間に加算してもよいし、気象条件や曜日の条件から公共交通機関の遅延時間を予測して、その時間を移動時間に加算してもよい。
【0033】
そして、サーバ10は、予測した移動時間に準備時間を加えた時間を基に、ユーザのスマートフォン20のアラームの時間を設定して処理は終了する(ステップS107)。このとき、予測した移動時間の他にユーザの基本情報等を考慮して、アラームの時間やアラームの種類を設定してもよい。例えば、ユーザの性別ごとに準備時間を変更してアラームの時間を設定してもよい。また、起床時のアラームと出発時のアラーム等の複数のアラームが起動するようにしてもよい。
【0034】
[更新処理の流れ]
図4を用いて、本実施形態に係る更新処理の流れを詳細に説明する。図4は、第1の実施形態に係る更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、サーバ10は、ユーザの基本情報を参照し、ユーザの基本情報に変更があった場合(ステップS201肯定)、変更されたユーザの基本情報を取得する(ステップS202)。例えば、サーバ10は、ユーザの場所の情報がユーザの住所と一致しなければ、ユーザのスマートフォン20からユーザの現在位置の情報を取得する。
【0035】
また、サーバ10は、カレンダーアプリケーション30からユーザのスケジュールを参照し、スケジュールに変更があった場合(ステップS203肯定)、変更されたスケジュールを取得する(ステップS204)。さらに、サーバ10は、気象情報に変更があった場合(ステップS205肯定)、気象情報API40Aから変更された気象情報を取得し(ステップS206)、交通情報に変更があった場合(ステップS207肯定)、交通情報API40Bから変更された交通情報を取得する(ステップS208)。
【0036】
なお、サーバ10の行うステップS201~S208の処理の順序は一例であり、図4の処理の順序に限定されない。また、ステップS201~S208の各種情報の取得処理のうち、省略される処理があってもよい。また、ユーザの基本情報およびスケジュールは、ユーザ20以外のユーザによって変更されてもよい。
【0037】
次に、サーバ10は、上記のステップで取得した情報を分析して予定場所までの必要な移動時間を更新する(ステップS209)。そして、更新した移動時間に準備時間を加えた時間を基に、ユーザのスマートフォン20のアラームの時間を再設定して処理は終了する(ステップS210)。
【0038】
なお、サーバ10は、初回のアラーム設定から一定時間経過した場合に、上記の更新処理を行うように静的に更新の時期を設定することができる。例えば、サーバ10は、初回のアラーム設定は予定の開始時刻の10時間前に設定し、その後1時間ごとに更新処理を行ってもよい。
【0039】
また、サーバ10は、特定の契機に基づいて上記の更新処理を行うように動的に設定することができる。例えば、サーバ10は、交通情報API40Bから飛行機の遅延情報等を取得した場合に、上記の更新処理を行って出発時刻を変更してもよい。また、サーバ10は、初回に設定した出発予定時刻に遅れたことを検知した場合に、上記の更新処理を行って予定に間に合う移動手段を提案してもよい。
【0040】
[アラームの変更処理の流れ]
図5を用いて、本実施形態に係るアラームの変更処理の流れを詳細に説明する。図5は、第1の実施形態に係るアラームの変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、サーバ10は、ユーザの行動履歴を取得する(ステップS301)。ここで、ユーザの行動履歴は、ユーザの過去の寝坊や遅刻の回数、二度寝の傾向、起床から出発までの平均的な準備時間、歩行速度、エレベータの利用状況等のユーザのスマートフォン20から取得される情報の他、ユーザが事前に申告した傾向や、センサ等から取得した体温や脳波等の生体情報であってもよい。
【0041】
次に、サーバ10は、ユーザの行動履歴を参照し、アラームの時間を変更する場合(ステップS302肯定)、その行動履歴に基づいてアラームの時間を変更する(ステップS303)。例えば、サーバ10は、ユーザが過去に寝坊した履歴があれば、余裕を持った時間に起床できるように早めの時間にアラームの設定を行う。また、サーバ10は、過去のスマートフォン20の操作履歴からユーザの準備時間が短い傾向があれば、遅めの時間にアラームの設定を行う。
【0042】
また、サーバ10は、ユーザの行動履歴を参照し、アラームの種類を変更する場合(ステップS304肯定)、その行動履歴に基づいてアラームの種類を変更する(ステップS305)。ここで、アラームの種類は、音量や音の種類、スヌーズ機能等であるが、特に限定されず、光や振動等を利用したものであってもよい。
【0043】
例えば、サーバ10は、ユーザの二度寝が多い傾向を検知した場合には、アラームの音量を大きくしたり、スヌーズ機能を設定したりする。また、サーバ10は、ユーザのアラーム起動前に起床する傾向を検知した場合には、アラームの音量を小さくしたり、スヌーズ機能を解除したりする。
【0044】
さらに、サーバ10は、一定時間アラームが作動してもユーザが起床しない場合には、スマートスピーカーと連動してアラーム音を発生させたり、スマートフォン20に自動音声による電話を発信したりしてもよい。また、サーバ10は、スマートウォッチのセンサ等から取得した生体情報に基づいて、覚醒しやすいタイミングでアラームが作動する設定をしてもよい。
【0045】
そして、サーバ10は、スマートフォン20のアラームの時間や種類を再設定して処理は終了する(ステップS306)。なお、サーバ10の行うステップS302~S305の処理の順序は一例であり、図5の処理の順序に限定されない。また、ステップS302~S305の各種情報の変更処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0046】
[第1の実施形態の効果]
第1に、上述した本実施形態に係る情報処理システム100では、ユーザ20のスケジュールに含まれる開始時刻と予定場所と、ユーザ20の行動履歴とを取得し、ユーザ20の場所の情報から予定場所へ移動するために必要な移動時間を予測し、予測した移動時間に基づいて、アラームの時間を設定する。このため、カレンダーに登録された予定において、寝坊を十分に減らすことができる。
【0047】
第2に、本実施形態に係る情報処理システム100では、状況の変更に関わる情報をさらに取得し、取得した状況の変更に関わる情報に基づいて、予測された移動時間を更新し、更新した移動時間に基づいて、アラームの時間を再設定する。このため、カレンダーに登録された予定において、状況の変更があった場合でも、寝坊や遅刻を十分に減らすことができる。
【0048】
第3に、本実施形態に係る情報処理システム100では、状況の変更に関わる情報として、気象情報および交通情報のうち少なくとも1つを取得する。このため、このため、カレンダーに登録された予定において、急な天候の変化や電車の遅延等があった場合でも、寝坊や遅刻を十分に減らすことができる。
【0049】
〔システム構成等〕
上記実施形態に係る図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のごとく構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0050】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0051】
〔プログラム〕
また、上記実施形態において説明した情報処理装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0052】
図6は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。図6に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0053】
メモリ1010は、図6に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、図6に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、図6に例示するように、ディスクドライブ1100に接続される。例えば、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、図6に例示するように、例えば、マウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、図6に例示するように、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0054】
ここで、図6に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記のプログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えば、ハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0055】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えば、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0056】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0057】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
10 サーバ(情報処理装置)
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
13a 取得部
13b 予測部
13c 設定部
20 スマートフォン
30 カレンダーアプリケーション
40A 気象情報API
40B 交通情報API
100 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-03-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのスケジュールに含まれる開始時刻と予定場所と、該ユーザの過去の寝坊や遅刻の回数、二度寝の傾向、起床から出発までの平均的な準備時間、歩行速度、エレベータの利用状況、事前に申告した傾向、および生体情報のうち少なくとも1つを含む行動履歴とを取得する取得部と、
前記ユーザの場所の情報から前記取得部によって取得された前記予定場所へ移動するために必要な移動時間を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された移動時間に基づいてアラームの時間を設定し、前記取得部によって取得された前記行動履歴に基づいて該アラームの設定を変更する設定部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、状況の変更に関わる情報をさらに取得し、
前記予測部は、前記状況の変更に関わる情報に基づいて、前記予測された移動時間を更新し、
前記設定部は、前記更新された移動時間に基づいて、アラームの時間を再設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記状況の変更に関わる情報として、気象情報および交通情報のうち少なくとも1つを取得することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
ユーザのスケジュールに含まれる開始時刻と予定場所と、該ユーザの過去の寝坊または遅刻の回数、二度寝の傾向、起床から出発までの平均的な準備時間、歩行速度、エレベータの利用状況、事前に申告した傾向、および生体情報のうち少なくとも1つを含む行動履歴とを取得する取得工程と、
前記ユーザの場所の情報から前記取得工程によって取得された前記予定場所へ移動するために必要な移動時間を予測する予測工程と、
前記予測工程によって予測された移動時間に基づいてアラームの時間を設定し、前記取得工程によって取得された前記行動履歴に基づいて該アラームの設定を変更する設定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
ユーザのスケジュールに含まれる開始時刻と予定場所と、該ユーザの過去の寝坊や遅刻の回数、二度寝の傾向、起床から出発までの平均的な準備時間、歩行速度、エレベータの利用状況、事前に申告した傾向、および生体情報のうち少なくとも1つを含む行動履歴とを取得する取得ステップと、
前記ユーザの場所の情報から前記取得ステップによって取得された前記予定場所へ移動するために必要な移動時間を予測する予測ステップと、
前記予測ステップによって予測された移動時間に基づいてアラームの時間を設定し、前記取得ステップによって取得された前記行動履歴に基づいて該アラームの設定を変更する設定ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。