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特開2022-81261水面浮上照明具及び当該水面浮上照明具付き水面浮上用具
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  • 特開-水面浮上照明具及び当該水面浮上照明具付き水面浮上用具 図1
  • 特開-水面浮上照明具及び当該水面浮上照明具付き水面浮上用具 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081261
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】水面浮上照明具及び当該水面浮上照明具付き水面浮上用具
(51)【国際特許分類】
   F21L 4/00 20060101AFI20220524BHJP
   B63C 9/20 20060101ALI20220524BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220524BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20220524BHJP
   F21V 21/16 20060101ALI20220524BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20220524BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220524BHJP
【FI】
F21L4/00 110
B63C9/20 Z
F21L4/00 200
F21V23/00 113
F21V31/00 100
F21V21/16
F21V33/00
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192699
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000212533
【氏名又は名称】ワールドウォーターバッグ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊夫
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、漁業において目印として使用される浮きを漁師が発見しやすい水面浮上照明具、及び、水難事故により漂流している状態において、漂流者が逸早く発見でき、漂流者が水没しても発見可能な水面浮上照明具付き水面浮上用具を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る水面浮上用具10は、液体が浸入しない中空の密閉容器にソーラーライトEを取り付けてなることを特徴とし、水面浮上照明具付き水面浮上用具は、身体に装着可能で水面に浮上可能な水面浮上用具と、液体が浸入しない中空の密閉容器10aとを連結紐で連結してなり、水面浮上照明具10は当該密閉容器10aにソーラーライトEを取り付けてなることを特徴とする。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が浸入しない中空の密閉容器にソーラーライトを取り付けてなる
ことを特徴とする水面浮上照明具。
【請求項2】
前記ソーラーライトは、光が当たらないときには点滅又は点灯し、光が当たるときには消灯して蓄電する機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の水面浮上照明具。
【請求項3】
前記ソーラーライトは、ソーラーパネル、充電器、LEDライト、光センサー及びこれらを接続する回路を含み、
ソーラーパネルに光が当たる場合は、ソーラーパネルが発電し、その発電された電気を充電器が蓄電し、
光センサーに光が当たる場合は、光センサーからの光検知信号を充電器が受信することにより充電器からLEDライトに流れる電流がOFFになってLEDライトが消灯し、
光センサーに光が当たらない場合には、光センサーからの光検知信号を充電器が受信しないことにより充電器からLEDライトに流れる電流がONになってLEDライトへ給電されてLEDライトが点滅又は点灯する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の水面浮上照明具。
【請求項4】
前記密閉容器は、容器上面部と、容器底面部とを有し、
当該容器上面部は光透過性であり、
容器上面部における容器内側の内面に、少なくともソーラーパネルとLEDライトとを、ソーラーパネルの受光面とLEDライトの発光面とを上方に向けて取り付け、
容器底面部に重りを取り付けてなる
ことを特徴とする請求項3に記載の水面浮上照明具。
【請求項5】
前記密閉容器は、連結紐を連結できる係合部を備えており、
当該連結紐は、その紐部分がリールに巻かれており、
前記密閉容器が、特定の位置から離れる従ってリールから紐部分が引き出ていき、前記密閉容器が特定の位置に近づくに従って紐部分の復元性により紐部分がリールに巻き戻るようになっている
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の水面浮上照明具。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の水面浮上照明具が、身体に装着可能で水面に浮上可能な水面浮上用具に連結紐で連結してなる
ことを特徴とする水面浮上照明具付き水面浮上用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水面浮上照明具及び当該水面浮上照明具付き水面浮上用具に関し、特に、漁業において漁網を浮かせ、かつ、目印として使用される浮きを漁師が発見しやすいように、当該浮きに対して連結紐で取り付ける水面浮上照明具に関し、また、水難事故に遭遇した際に身体を浮かせることができる水面浮上用具に、漂流者の漂流位置を発見しやすいように連結紐で前記水面浮上照明具を取り付けた水面浮上照明具付き水面浮上用具に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、下記特許文献1に示されるように、水難事故により漂流している状態において、身体の安全性及び安定性が高く、かつ、快適な状態を維持できる水面浮上用具を案出した。
【0003】
ところで、実際に津波に巻き込まれて漂流してしまった場合には、海上や空中からはその漂流者を発見することは容易ではなく、特に夜間になると海上や空中からの照明によって漂流者を捜索することになるので、捜索範囲も狭くなり漂流者を発見することは至難の業である。また、漂流者が水没してしまったときには、捜索はほとんど不可能になっているのが現状である。その結果、東日本大震災においては行方不明者が未だなお多数の残っているままの状態であるのが現実である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-199142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明者は鋭意研究を重ねて、漁業において目印として使用される浮きを漁師が発見しやすい水面浮上照明具を案出し、水難事故により漂流している状態において、漂流者が逸早く発見でき、たとえ漂流者が水没しても発見可能な水面浮上照明具付き水面浮上用具を案出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る水面浮上照明具は、液体が浸入しない中空の密閉容器にソーラーライトを取り付けてなることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る水面浮上照明具は、上記請求項1の構成に加えて、前記ソーラーライトは、光が当たらないときには点滅又は点灯し、光が当たるときには消灯して蓄電する機能を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る水面浮上照明具は、上記請求項1又は2の構成に加えて、前記ソーラーライトは、ソーラーパネル、充電器、LEDライト、光センサー及びこれらを接続する回路を含み、ソーラーパネルに光が当たる場合は、ソーラーパネルが発電し、その発電された電気を充電器が蓄電し、光センサーに光が当たる場合は、光センサーからの光検知信号を充電器が受信することにより充電器からLEDライトに流れる電流がOFFになってLEDライトが消灯し、光センサーに光が当たらない場合には、光センサーからの光検知信号を充電器が受信しないことにより充電器からLEDライトに流れる電流がONになってLEDライトへ給電されてLEDライトが点滅又は点灯することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係る水面浮上照明具は、上記請求項3の構成に加えて、前記密閉容器は、容器上面部と、容器底面部とを有し、当該容器上面部は光透過性であり、容器上面部における容器内側の内面に、少なくともソーラーパネルとLEDライトとを、ソーラーパネルの受光面とLEDライトの発光面とを上方に向けて取り付け、容器底面部に重りを取り付けてなることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項5に係る水面浮上照明具は、上記請求項1~4のいずれかの構成に加えて、前記密閉容器は、連結紐を連結できる係合部を備えており、当該連結紐は、その紐部分がリールに巻かれており、前記密閉容器が、特定の位置から離れる従ってリールから紐部分が引き出ていき、前記密閉容器が特定の位置に近づくに従って紐部分の復元性により紐部分がリールに巻き戻るようになっていることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項6に係る水面浮上照明具付き水面浮上用具は、前記請求項1~5のいずれか1項に記載の水面浮上照明具が、身体に装着可能で水面に浮上可能な水面浮上用具に連結紐で連結してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る水面浮上照明具は、上記のように構成したため、漁業において目印として使用される浮きを暗闇の中でも漁師が逸早く発見でき、作業効率を向上させる効果がある。
【0013】
また、本発明に係る水面浮上照明具付き水面浮上用具は、上記のように構成したことにより、水難事故により漂流している状態において、漂流者が逸早く発見できるため、場合によっては行方不明者中の生存者の発見が増え、また、行方不明者中の死者も逸早く発見でき、さらに、水面浮上照明具は連結紐により水面浮上用具に連結されているので、連結紐の長さ分だけ広範囲に移動しながら発光にするので漂流者を発見し易くなり、さらにまた、たとえ漂流者が水没するようなことがあっても水面浮上照明具が水面を漂うことになり、発見し易くなるので、短期間で行方不明者の数を激減させる効果がある。さらに太陽光発電式LEDライト、いわゆるソーラーライトを使用することにより、長期間に亘って照明能力が維持できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の水面浮上用具を身体に装着した状態で水面に浮かんでいる状態を示す概略説明図である。
図2】本発明の第1の実施例であって、水面浮上照明具の概略斜視図である。
図3】本発明の第1の実施例における水面浮上照明具の概略分解図である。
図4】本発明の第1の実施例における水面浮上照明具の概略部分断面図である。
図5】本発明の第1の実施例におけるソーラーライトの概略斜視図である。
図6】本発明の第1の実施例における水面浮上照明具と水面浮上用具とを連結する連結紐の概略斜視図である。
図7】本発明の第2の実施例であって、水面浮上照明具の概略斜視図である。
図8】本発明の第2の実施例における水面浮上照明具の概略分解図である。
図9】本発明の第2の実施例における水面浮上照明具の概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の好適な実施例を添付の図面の従って詳細に説明する。図1図6は実施例1を示し、図7図9は実施例2を示す。
【実施例0016】
図1は、上記特許文献1に開示される水面浮上用具を身体に装着して水面に浮かんだ状態を示す。この状態においては、脇部空気収納袋Aが身体に装着され、ジャケットBの着用と共に肩周り部空気収納袋Cが装着された状態において、膝裏部空気収納袋Dを装着して水面に浮かんでいる。
【0017】
詳しくは、前記したジャケットBを着用した状態で、2つの脇部空気収納袋Aが身体の脇下両側に装着され、肩周り部空気収納袋Cが装着された状態で津波に対する準備状態となり、水面に浮いている状態において、膝裏部空気収納袋Dを装着する。そのため、膝裏部空気収納袋Dに空気を封入していない扁平な状態で折り畳んでコンパクトな形態にしてジャケットB内に収納しておき、水面に安定して浮いている状態で、折り畳んだ状態の膝裏部空気収納袋DをジャケットBから取り出して、膝裏部空気収納袋D内に空気を吹き込んで膝裏部空気収納袋Dを完成させて、身体の膝裏部に装着する。
【0018】
したがって、身体の周りを取り囲むように、身体の頭部は肩周り部空気収納袋Cによって支えられ、身体の胴部は両脇の脇部空気収納袋Aによって支えられ、身体の脚部は膝裏部空気収納袋Dによって支えられることになるため、これらの空気収納袋により身体があたかも筏の上に乗っているような状態となるので、極めて安定した状態で水面に浮かび上がることができる。
【0019】
以上の構成よりなる身体に装着可能で水面に浮上可能な水面浮上用具に、次記する水面浮上照明具が取り付けられる。もちろん当該水面浮上照明具はその他の用途にも使用できる。
【0020】
図2図4は、本実施例に係る水面浮上照明具10を示し、当該水面浮上照明具10は、蓋体11及び容体12からなる密閉容器10aにより構成される。
【0021】
前記蓋体11は、その側部に回動自在のフラップ11aが軸着または押し下げ変形可能に取着されており、当該フラップ11aには、図4に示すように、嵌合凸部11bが形成されている。一方、容体12は、その上端部の周囲に外向きの被嵌合凸部12bが形成されており、図4に示すように、蓋体11のフラップ11aを押し下げて、フラップ11aの嵌合凸部11bを容体12の被嵌合凸部12bに嵌合させると蓋体11が容体12に装着されるようになっている。また、図4に示すように、容体12の上端部に接触する蓋体11の箇所に伸縮性のパッキング11cが取り付けられていて、容体12に蓋体11が装着されると、液体が浸入しない中空の密閉容器10aが完成し、当該密閉容器10aは水面浮上照明具10のベースとなる。
【0022】
前記蓋体11は、その上面部11dが光透過性の合成樹脂で形成されており、上面部11dの内側内面に後述するソーラーライトEが取り付けられている。一方、容体12には、その底面部12dには鉛等で構成された重りFが取り付けられて、水面浮上照明具10が完成する。当該重りFは、蓋体11の上面部11dに取り付けられているソーラーライトEが上方に向いて密閉容器10aが水面に浮かび、密閉容器10aが水没してしまわない範囲の重さのものを使用する。このように構成したので、当該水面浮上照明具10は、中空の密閉容器10aからなるため、水面に浮かび、かつ、容体の底面部12dに重りFが取り付けられているため、ソーラーライトEが取り付けられている蓋体11の上面部11dが常に上方、すなわち大気に向かう状態で浮かび上がる。
【0023】
また、前記容体12の側面には、後述する連結紐Gをつなぐ環体12eが取り付けられている。
【0024】
前記ソーラーライトEは、図5に示すように、主としてソーラーパネルE1、充電器E2、LEDライトE3及び光センサーE4を備えており、これらソーラーパネルE1、充電器E2、LEDライトE3及び光センサーE4はそれぞれ回路で電気的に接続されている。そして、これらソーラーパネルE1、充電器E2、LEDライトE3及び光センサーE4は、万一、前記密閉容器10a内に海水等の液体が侵入してきても、海水等の液体に湿潤しないように密閉袋E5により封入され、前記密閉容器10aの蓋体11の上面部11dの内側内面に取り付けやすいように扁平な状態に形成されている。密閉袋E5は、その周囲にシール部E5’が形成された扁平な袋であり、例えばソーラーパネルE1、充電器E2、LEDライトE3及び光センサーE4を上下2枚の透明フィルムの間に挟んでパウチ加工のようなラミネート加工により扁平な状態になるように形成されている。なお、海水等の液体が湿潤しないように密閉する方法はこれに限られるものではなく、扁平な密閉容器内にソーラーパネルE1、充電器E2、LEDライトE3及び光センサーE4を配設してもよい。
【0025】
前記ソーラーパネルE1は太陽光等の光を電気エネルギーに変換するものであって、光がソーラーパネルE1に当たる場合に発電する。前記充電器E2は、電気を蓄電するものであって、ソーラーパネルE1により発電した電気を蓄電する。
【0026】
LEDライトE3は、充電器E2から給電されたときに点灯又は点滅し、充電器E2から給電されないときには消灯する。
【0027】
前記光センサーE4は光を検知することにより光検知信号を発信するものであって、光センサーE4に光が当たる場合は、光センサーE4からの光検知信号を充電器E2が受信することにより充電器E2からLEDライトE3に流れる電流がOFFになってLEDライトE3が消灯する。光センサーE4に光が当たらない場合には、光センサーE4からの光検知信号を充電器E2が受信しないことにより充電器E2からLEDライトE3に流れる電流がONになってLEDライトE3へ給電されてLEDライトE3が点滅又は点灯する。
【0028】
なお、ソーラーパネルE1、充電器E2、LEDライトE3及び光センサーE4の組合せはこれに限られるものではなく、太陽光により充電ができ、光が当たらないときに点灯又は点滅するライトを備える構成であればよい。
【0029】
そして、前記したソーラーライトEは、密閉容器10aの蓋体11の上面部11dの内側内面にソーラーライトEのうちの少なくともソーラーパネルE1及びLEDライトE3が大気側へ向けて取り付けられており、底面部12dに取り付けた重りFにより底面部12d側が下方に沈むことになるので、ソーラーライトEにおけるソーラーパネルE1及びLEDライトE3は常に大気側へ向くことになる。そのためソーラーパネルE1は太陽光を受けやすくなるので、発電効果が大きく、かつ、LEDライトE3は大気の方向に発光することになるので、照明効果が大きくなる。
【0030】
図6は、前記水面浮上用具と密閉容器10aとを連結する連結紐Gを示す。連結紐Gは、紐体G1と、その両端部に取り付けた連結具G2とから構成される。
【0031】
紐体G1は、丈夫な紐であればよいが、本実施例においては、紐体G1がもつれたりしないように、リールG3に引き出し自在に巻かれており、また、引き出された紐体G1が自動的にリールG3に巻き戻るようになっている。そのため、紐体G1は保形性がある金属線に合成樹脂を被覆したものを使用している。すなわち、当該金属線は巻かれている状態を保つようになっており、リールG3から引き出された紐体G1が引っ張られずにたるむような場合には、保形性がある金属線の復元力によりたるみ分がリールG3に巻き戻るようになっている。もちろん、リールを使用せず紐体G1を丈夫な素材から形成し、束ねたり巻いたりした状態で構成してもよい。このように紐体G1はいくらでも長くすることができる利点がある。
【0032】
連結具G2は、その一方が前記水面浮上用具の適宜箇所、例えばベルト通しなどに係合でき、他方が前記密閉容器10aに取り付けられている環体12eに係合できるように、本実施例では取り付けが容易で取り外しに手数が掛かる、すなわち簡単に外れてしまわないようにカラビナを採用している。もちろんカラビナに限られるものではなく、着脱自在で環状のものに取り付けられる構造のものであればよい。
【0033】
このように上記の構成をなす水面浮上照明具10を連結紐Gにより水面浮上用具に装着していると、ソーラーライトEにおける光センサーE4により夜間においてはLEDライトE3が点灯又は点滅するので、海上及び上空から漂流者が発見しやすくなり、また、連結紐Gの紐体G1の長さ分だけ広範囲に移動して発光にするので漂流者を発見し易くなり、さらに、たとえ漂流者が水没するようなことがあっても水面浮上照明具10が水面を漂うことになって発見し易くなるので、短期間で行方不明者の数を激減させる効果がある。
【0034】
また、昼間は太陽光によりソーラーライトEにおけるソーラーパネルE1により充電器E2に電気が蓄電され、その蓄電された電気によりLEDライトが発光するので、前記のLEDライトE3による漂流者が発見しやすくなる効果が永久的に持続でき、行方不明者を捜索するのがより一層容易になり、その結果、行方不明者の激減につながる。
【0035】
また、図示は省略するが、本実施例における水面浮上照明具10及び連結紐Gを利用して、連結紐Gにおける一方の連結具G2を水面浮上照明具10に取り付け、他方の連結具G2を漁業において目印として使用される浮きに取り付けて使用すると、水面浮上照明具10は暗闇で発光するので、漁師が前記浮きを即座に発見できる。もちろん水面浮上照明具10はその他の用途にも使用可能である。
【実施例0036】
図7図9は、実施例1における密閉容器10aの変更例であり、本実施例における密閉容器20aは、実施例1における直方体状の密閉容器10aを円筒状にしたものである。したがって、実施例1と同様の本実施例の構成については、実施例1と同一の符号を付し、その説明は実施例1における説明を援用して本実施例における説明を省略する。
【0037】
図7図9に示すように、本実施例に係る水面浮上照明具20は、円形の蓋体21と容体22とから構成される。
【0038】
前記容体22は、その上部の外周面がねじ切りされており、蓋体21は、内面側下部の内周面に容体22のねじ切りの形状に合致するようにねじ切りされていて、図9に示すように、蓋体21と容体22が螺合することにより蓋体21が容体22に装着される。また、蓋体21の下端と容体22のねじ切り部の下端とが接触する箇所にリング状のパッキング21cが嵌められており、容体22に蓋体21が装着されると、水面浮上照明具20のベースとなる液体が浸入しない中空の密閉容器20aが完成する。
【0039】
前記蓋体21は、その上面部21dが光透過性の合成樹脂で形成されており、上面部21dの内側内面に実施例1において説明したソーラーライトEが取り付けられている。一方、容体22にはその底面部22dには鉛等で構成された重り2Fが取り付けられて、水面浮上照明具20が完成する。当該重り2Fは、蓋体21の上面部21dに取り付けられているソーラーライトEが上方に向いて密閉容器20aが水面に浮かび、密閉容器20aが水没してしまわない範囲の重さのものを使用する。このように構成したので、当該水面浮上照明具20は、中空の密閉容器20aからなるため、水面に浮かび、かつ、容体の底面部22dに重り2Fが取り付けられているため、ソーラーライトEが取り付けられている蓋体21の上面部21dが常に上方、すなわち大気に向かう状態で浮かび上がる。
【0040】
また、前記容体22の側面には、実施例1で説明した連結紐Gをつなぐ環体22eが取り付けられている。
【0041】
上記のように本実施例における水面浮上照明具20を構成したので、実施例1と同様の効果を発揮できる。
【0042】
また、図示は省略するが、本実施例における水面浮上照明具20及び連結紐Gを利用して、連結紐Gにおける一方の連結具G2を水面浮上照明具20に取り付け、他方の連結具G2を漁業において目印として使用される浮きに取り付けて使用すると、水面浮上照明具20は暗闇で発光するので、漁師が前記浮きを即座に発見できる。もちろん水面浮上照明具20はその他の用途にも使用可能である。
【0043】
なお、実施例1においては直方体形状であってフラップで開閉し、実施例2においては円筒状であって、螺合により開閉する構造のものを例示したが、密閉容器の形状及び開閉機構はこれに限られるものではない。少なくとも中空の水面に浮かぶ密閉容器において、その上面部にソーラーライトを取り付け、底面部に重りが取り付けられる構成であればよい。
【0044】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0045】
A・・・脇部空気収納袋
B・・・ジャケット
C・・・肩周り部空気収納袋
D・・・膝裏部空気収納袋
10・・水面浮上照明具
10a・密閉容器
11・・蓋体
11a・蓋体のフラップ
11b・フラップの嵌合凸部
11c・パッキング
11d・蓋体の上面部
12・・容体
12b・容体の被嵌合凸部
12d・容体の底面部
12e・環体
F・・・重り
G・・・連結紐
G1・・紐体
G2・・連結具
G3・・リール
E・・・ソーラーライト
E1・・ソーラーパネル
E2・・充電器
E3・・LEDライト
E4・・光センサー
E5・・密閉袋
E5’・シール部
20・・水面浮上照明具
20a・密閉容器
21・・蓋体
21c・パッキング
21d・蓋体の上面部
22・・容体
22d・容体の底面部
22e・環体
2F・・重り
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9