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特開2022-81273マッサージユニットおよびマッサージ機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081273
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】マッサージユニットおよびマッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20220524BHJP
   A61H 15/00 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
A61H7/00 323L
A61H7/00 323Q
A61H15/00 370L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192713
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福永 武央
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AA10
4C100AE05
4C100AE13
4C100AF03
4C100AF04
4C100AF06
4C100AF12
4C100BA03
4C100BA07
4C100BA09
4C100BB03
4C100CA03
4C100CA05
4C100CA09
4C100DA05
4C100DA08
4C100DA10
(57)【要約】
【課題】簡単な構成を有するとともに、被施療者に接触するもみ玉の個数を切り替えることで被施療者の不快感を抑制する。
【解決手段】左右方向に延びる回転軸周りに回転可能にベース部材に取り付けられた支持プレートと、支持プレート配置される上側施療子および下側施療子と、支持プレートを第1位置と第2位置との間を往復回転移動させる回転作動部と、を有し、支持プレートが第1位置にあるとき、上側施療子および下側施療子が被施療者の身体と接触し、支持プレートが第2位置にあるとき、上側施療子および下側施療子のうち一方が被施療者の身体と接触する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
前記ベース部材に配された一対の施療部と、を有し
前記一対の前記施療部は、それぞれ、
左右方向に延びる回転軸周りに回転可能に前記ベース部材に取り付けられた支持プレートと、
前記支持プレートに前記回転軸を中心とする周方向に離れて配置される上側施療子および下側施療子と、
前記支持プレートを第1位置と前記第1位置と異なる第2位置との間を往復回転移動させる回転作動部と、を有し、
前記支持プレートが前記第1位置にあるとき、前記上側施療子および前記下側施療子が被施療者の身体と接触し、前記支持プレートが前記第2位置にあるとき、前記上側施療子および前記下側施療子のうち一方が前記被施療者の身体と接触するマッサージユニット。
【請求項2】
前記回転作動部は、
前記支持プレートを前記第1位置に向かって回転させる弾性力を前記支持プレートに付与する弾性部材と、
空気による膨張によって前記支持プレートを前記第2位置に向かって回転させる力を前記支持プレートに付与可能な膨縮部と、を有する請求項1に記載のマッサージユニット。
【請求項3】
前記回転作動部は、
前記支持プレートに対して、前記回転軸の周りの両方向に力を付勢できるとともに、前記第1位置および前記第2位置にある前記支持プレートを保持可能なアクチュエータを有する請求項1に記載のマッサージユニット。
【請求項4】
前記支持プレートは、
前記回転軸から第1の方向に延びて前記上側施療子が配置される上部側腕部と、
前記回転軸から前記第1の方向と異なる第2の方向に延びて前記下側施療子が配置される下部側腕部と、を有する請求項1から請求項3のいずれかに記載のマッサージユニット。
【請求項5】
前記上側施療子および前記下側施療子は、前記回転軸に沿う方向に延びる中心軸を中心とする回転体であり、
前記上側施療子の最大外径が、前記下側施療子の最大外径よりも大きい請求項1から請求項4のいずれかに記載のマッサージユニット。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のマッサージユニットと、
前記被施療者の身体を支持する身体支持部と、
前記身体支持部の前記被施療者の身体の背部および腿部に接する面に沿って延びるガイドレールと、を有し、
前記マッサージユニットは、前記ガイドレールによって案内されて前記身体支持部内で昇降するとともに、前記背部と接するときに前記支持プレートが前記第1位置に位置し、前記腿部と接するときに前記支持プレートが前記第2位置に位置する、マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージユニットおよびマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2006-204452号公報には、上下一対のもみ玉を有し、上下のもみ玉の位置を変更することで、上のもみ玉のみで施療を行うことができるとともに、上下のもみ玉の両方で施療を可能とするマッサージ機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-204452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2006-204452号公報に記載のマッサージ機では、上のもみ玉と下のもみ玉をそれぞれ独立して移動させるための機構を有しており、それぞれ独立して動作可能となっている。そのため、マッサージ機の構成が複雑であるとともに、もみ玉の使用者に対する位置の調整が複雑である。
【0005】
本発明は、簡単な構成を有するとともに、被施療者に接触するもみ玉の個数を切り替えることで被施療者の不快感を抑制できるマッサージユニットおよびマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明のマッサージユニットは、ベース部材と、前記ベース部材に配された一対の施療部と、を有する。前記一対の施療部は、それぞれ、左右方向に延びる回転軸周りに回転可能に前記ベース部材に取り付けられた支持プレートと、前記支持プレートに前記回転軸を中心とする周方向に離れて配置される上側施療子および下側施療子と、前記支持プレートを第1位置と前記第1位置と異なる第2位置との間を往復回転移動させる回転作動部と、を有する。前記支持プレートが前記第1位置にあるとき、前記上側施療子および前記下側施療子が被施療者の身体と接触し、前記支持プレートが前記第2位置にあるとき、前記上側施療子および前記下側施療子のうち一方が前記被施療者の身体と接触する。
【0007】
上記構成において、前記回転作動部は、前記支持プレートを前記第1位置に向かって回転させる弾性力を前記支持プレートに付与する弾性部材と、空気による膨張によって前記支持プレートを前記第2位置に向かって回転させる力を前記支持プレートに付与可能な膨縮部と、を有してもよい。
【0008】
上記構成において、前記回転作動部は、前記支持プレートに対して、前記回転軸の周りの両方向に力を付勢できるとともに、前記第1位置および前記第2位置にある前記支持プレートを保持可能なアクチュエータを有してもよい。
【0009】
上記構成において、前記支持プレートは、前記回転軸から第1の方向に延びて前記上側施療子が配置される上部側腕部と、前記回転軸から前記第1の方向と異なる第2の方向に延びて前記下側施療子が配置される下部側腕部と、を有してもよい。
【0010】
上記構成において、前記上側施療子および前記下側施療子は、前記回転軸に沿う方向に延びる中心軸を中心とする回転体であり、前記上側施療子の最大外径が、前記下側施療子の最大外径よりも大きくてもよい。
【0011】
上記目的を達成するために本発明のマッサージ機は、上記構成のいずれかに記載のマッサージユニットと、被施療者の身体を支持する身体支持部と、前記身体支持部の前記被施療者の身体の背部および腿部に接する面に沿って延びるガイドレールと、を有する。前記マッサージユニットは、前記ガイドレールによって案内されて前記身体支持部内で昇降するとともに、前記背部と接するときに前記支持プレートが前記第1位置に位置し、前記腿部と接するときに前記支持プレートが前記第2位置に位置するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかるマッサージユニットおよびマッサージ機によると、簡単な構成を有するとともに、被施療者に接触するもみ玉の個数を切り替えることで被施療者の不快感を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施例にかかるマッサージ機の斜視図である。
図2】施療部が第1位置にあるときのマッサージユニットの斜視図である。
図3】施療部が第2位置にあるときのマッサージユニットの斜視図である。
図4】施療部が第2位置にあるときのマッサージユニットの正面図である。
図5】支持プレートが第1位置にあるときの施療部の側面図である。
図6】支持プレートが第2位置にあるときの施療部の側面図である。
図7】ガイドレールとマッサージユニットを拡大したマッサージ機の拡大側面図である。
図8】第1変形例のマッサージユニットの施療部の支持プレートを拡大した側面図である。
図9】第2変形例のマッサージユニットの支持プレートが第1位置にあるときの施療部の側面図である。
図10】第2変形例のマッサージユニットの支持プレートが第2位置にあるときの施療部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、一実施例にかかるマッサージ機100の斜視図である。以下の説明において、マッサージ機100に着座した被施療者から見て前側(正面側)を「前側」といい、マッサージ機100に着座した被施療者から見て後側( 背面側) を「後側」という。また、マッサージ機100に着座した被施療者から見て上側(頭側)を「上側」といい、マッサージ機100に着座した被施療者から見て下側(脚側)を「下側」という。また、マッサージ機100に着座した被施療者から見て右側を「右側」といい、マッサージ機100に着座した被施療者から見て左側を「左側」という。また、所定の方向に「沿って延びる」とは、厳密に所定の方向に延びる場合に加えて、厳密な方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【0015】
<マッサージ機100>
マッサージ機100は、支持した被施療者の全身を揉みほぐす(以下、施療と称する)。図1に示すように、マッサージ機100は、身体支持部10と、基台部20と、腕施療部30と、脚施療部40と、を有する。
【0016】
身体支持部10は、被施療者の身体を支持する。身体支持部10は、座部11と、背もたれ部12とを有する。座部11は、被施療者の臀部および腿部を支持する。座部11は、臀部または腿部を施療する膨縮部を有してもよい。膨縮部は、例えば、空気を充填、排出することで、膨張および収縮を反復可能な袋体(いわゆるエアバッグ)を有する。なお、以下の説明において用いられる膨縮部は、同様の構成を有する。
【0017】
背もたれ部12は、被施療者の肩、腰および背中を支持する。背もたれ部12は、座部11の後方から上方に立設される。背もたれ部12は、座部11に対して上部が後方に傾倒するリクライニング動作を実行する、いわゆる、リクライニング機能を有する。なお、リクライニング機能を実行する、不図示のリクライニング用のモータを有してもよい。
【0018】
身体支持部10には、被施療者の肩及び腰に接する面に沿って延びるガイドレール13および14を内蔵する。後述するマッサージユニット50は、ガイドレール13および14によって案内され昇降する。なお、ガイドレール13および14は、背もたれ部12の上部から座部11の後部にまで延長し、マッサージユニット50は座部11および背もたれ部12の内部で昇降する。また、背もたれ部12は、被施療者の肩部および上腕側部を施療する膨縮部を有してもよい。
【0019】
基台部20は、身体支持部10の下方に配置されて、身体支持部を支持する。
【0020】
腕施療部30は、座部11の左右両端から上方に立設される。腕施療部30は、膨縮袋(不図示)を内蔵し、膨縮袋の膨張および収縮によって被施療者の腕を施療する。
【0021】
脚施療部40は、被施療者の下脚を支持する。下脚とは、例えば、脚部の膝部よりも下の部分である。脚施療部40は、座部11の前方から下方に垂設される。脚施療部40は、座部11に対して下部が上方に回転する。なお、脚施療部40の回転動作は、背もたれ部12のリクライニング動作0と同期して実行可能である。また、背もたれ部12のリクライニング動作および脚施療部40の回転動作がそれぞれ独立して動作してもよい。
【0022】
<マッサージユニット50の構成>
図2は、一対の施療部52が第1位置P1にあるときのマッサージユニット50の斜視図である。図3は、一対の施療部52が第2位置P2にあるときのマッサージユニット50の斜視図である。図4は、一対の施療部52が第2位置P2にあるときのマッサージユニット50の正面図である。図5は、支持プレート520が第1位置P1にあるときの施療部52の側面図である。図6は、支持プレート520が第2位置P2にあるときの施療部52の側面図である。なお、図5および図6では、施療部52の上側施療子521および下側施療子522と、被施療者の身体Bdとが直接接触しているが、実際には、上側施療子521および下側施療子522と、被施療者の身体Bdとの間には、カバー部材(不図示)が介在している。
【0023】
マッサージユニット50は、ベース部材51と、ベース部材51に配された一対の施療部52と、を有する。
【0024】
<ベース部材51>
ベース部材51は、左側ベース部材部品51A、右側ベース部材部品51B、下側連結ベース部材部品51Cおよび上側連結ベース部材部品51Dを有する。左側ベース部材部品51Aおよび右側ベース部材部品51Bは、正面視で矩形形状であり、上下方向長さが左右方向長さより長い。
【0025】
下側連結ベース部材部品51Cは、左側ベース部材部品51Aの下端と右側ベース部材部品51Bの下端とを連結する。上側連結ベース部材部品51Dは、中央が屈曲した円柱状の部材であり、左側ベース部材部品51Aの上端と右側ベース部材部品51Bの上端とを連結する。また、上側連結ベース部材部品51Dの左端は左側ベース部材部品51Aよりも左に突出し、右端は右側ベース部材部品51Bよりも右に突出する。
【0026】
<一対の施療部52>
一対の施療部52は、左右対称に配置される。なお、ここでは、左側に配置される施療部52を利用して説明する。また、一対の施療部52を区別する必要がある場合には、左側の施療部52、右側の施療部52と称する。なお、一対の施療部52を構成する構成部を区別する場合も同様に、左側または右側として区別する。
【0027】
施療部52は、支持プレート520と、上側施療子521と、下側施療子522と、回転作動部54とを有する。
【0028】
支持プレート520は、左右方向に延びる回転軸Ax周りに回転可能にベース部材51に取り付けられる。詳しくは、支持プレート520は、ベース部材51に配され、回転軸Axに沿って延びるシャフトに回転可能に取り付けられる。さらに説明すると、支持プレート520は、一体的に形成されて、厚み方向に延びる筒部525(図4等参照)を有する。筒部525がシャフトの外側に回転可能に配置される。このとき、筒部525の中心線およびシャフトの中心は、回転軸Axと一致する。これにより、支持プレート520は、ベース部材51に回転軸Axを中心に回転可能に支持される。
【0029】
支持プレート520は、側面視、略L字状の平板である。支持プレート520の平板に沿う方向において、L字を形成する二股の一方に向かう方向を第1の方向とする。また、L字を形成する二股の他方に向かう方向を第2の方向とする。さらに説明すると、第1の方向は、支持プレート520の平板に沿う方向において、第1の方向は回転軸Axから上方に向かい、第2の方向は回転軸Axから第1の方向と一定の角度、例えば、直角をなす方向である。
【0030】
支持プレート520は、第1の方向に延びる上部側腕部523と、第2の方向に延びる下部側腕部524と、を有する。そして、上部側腕部523には、上側施療子521が配置される。また、下部側腕部524には、下側施療子522が配置される。
【0031】
支持プレート520に取り付けられた上側施療子521および下側施療子522は、回転軸Axを中心とする周方向に離れて配置される。なお、上側施療子521は、下側施療子522の上方に配置される。
【0032】
上側施療子521および下側施療子522は、回転軸Axに沿う方向に延びる中心軸Bxを中心とする回転体である。なお、中心軸Bxを中心とする回転体とは、中心軸Bxを含む平面上に配された図形を中心軸Bx周りに回転させたときにできる立体である。また、本実施形態において、中心軸Bxは、回転軸Axと平行であるが、平行でなくてもよい。上側施療子521および下側施療子522は、被施療者の身体に接することで、被施療者に揉み、たたき等の施療を施す。
【0033】
回転作動部54は、支持プレート520を第1位置P1と、第1位置P1と異なる第2位置P2との間を往復回転移動させる。さらに説明すると、回転作動部54は支持プレート520に対し、支持プレート520が回転軸Ax周りに回転する方向に力を付与する。第1位置P1および第2位置P2は、それぞれ、回転軸Ax周りに回転した両端の位置である。
【0034】
さらに説明すると、第1位置P1は、支持プレート520の上部側腕部523を後方に回転させて、上側施療子521および下側施療子522が被施療者の身体Bxに接触した位置(図5等参照)、すなわち、2点支持位置である。また、第2位置P2は、支持プレート520の上部側腕部523を前方に回転させて、上側施療子521のみが被施療者の身体Bxに接触した位置(図6参照)、すなわち、1点支持位置である。
【0035】
回転作動部54は、弾性部材541と、膨縮部542とを有する。弾性部材541は、例えば、ねじりばねであり、筒部525の外周面に取り付けられる。また、図4図6に示すように、弾性部材541の一方の端部はベース部材51の係合凸部501と係合し、他方の端部は支持プレート520の係合部526と係合する。なお、係合凸部501および係合部526は、それぞれ、ベース部材51および支持プレート520に取り付けられたボルト(ねじ部材)であるが、これに限定されない。弾性部材541の端部を係合可能な構成を広く採用できる。これにより、弾性部材541は、支持プレート520を第1位置P1に向かって回転させる弾性力を支持プレート520に付与する。
【0036】
膨縮部542は、例えば、不図示の空気圧縮機より圧縮空気が供給されることで膨張し、空気を除くことで収縮する。つまり、膨縮部542は、空気によって膨張および収縮を反復可能な袋体(いわゆるエアバッグ)である。膨縮部542は、ベース部材51に固定される。また膨縮部542は、支持プレート520に形成され、支持プレート520を押し下げるための押圧部527と接触する。膨縮部542は、側面視扇形であり、膨張することで、扇形の中心角が広がる。膨縮部542は、膨張するとき、支持プレート520の押圧部527を第2位置P2に向けて押す。換言すると、膨縮部542は、空気による膨張によって支持プレート520を第2位置P2に向かって回転させる力を支持プレート520に付与可能である。
【0037】
マッサージユニット50は、施療駆動機構503をさらに有する。施療駆動機構503は、一対の施療部52を駆動して、一対の施療部52と接している被施療者の身体に対し、揉む、たたく等の施療を行う。
【0038】
マッサージユニット50は、ガイドローラ61および62を有する。ガイドローラ61およびガイドローラ62は、ベース部材部品51Dの両端にそれぞれ回転可能に支持される。ガイドローラ61はマッサージユニット50の昇降時にガイドレール13上を滑動し、ガイドローラ62 はマッサージユニット50の昇降時にガイドレール14上を滑動する。
【0039】
さらに、マッサージユニット50は、ピニオンギヤ63および64をさらに有する。ピニオンギヤ63はガイドレール13 に設けられるラックに噛合し、ピニオンギヤ64 はガイドレール14に設けられるラックに噛合する。ピニオンギヤ63および64は、マッサージユニット50に配置された昇降用モータによって回転駆動される。ピニオンギヤ63およびピニオンギヤ64の回転によって、マッサージユニット50は、ガイドレール13および14に沿って昇降する。
【0040】
<施療部の動作について>
一対の施療部52の支持プレート520は、回転作動部54によって、それぞれ、回転軸Ax周りに回転する。上述したとおり、膨縮部542の内部から空気が排出されて収縮したとき、支持プレート520には、支持プレート520を第1位置P1側に回転させる方向に弾性部材541の弾性力が作用する。これにより、支持プレート520は、第1位置P1に移動する。なお、支持プレート520は、第1位置P1に移動したとき、ベース部材51に設けられる第1ストッパ51Eに接触し、第1位置P1に停止する(図5参照)。
【0041】
図5に示すように、支持プレート520が第1位置P1にあるとき、施療部52の上側施療子521および下側施療子522は被施療者の身体Bdに同時に接触しやすい。これにより、施療部52の被施療者の身体Bdと接触する面積を大きくし、接触圧力の上昇を抑えることができる。
【0042】
また、不図示の空気圧縮機からの圧縮空気を膨縮部542に供給することで、膨縮部542が膨張する。これにより、支持プレート520の押圧部527には、膨縮部542から支持プレート520を第2位置P2側に回転させる力が作用する。なお、膨縮部542が押圧部527を押す力は、弾性部材541の弾性力よりも大きい。そのため、膨縮部542が膨張することで、支持プレート520は、第2位置P2に回転され、第2ストッパ51Fに接触し、第2位置P2に停止する(図6参照)。
【0043】
図6に示すように、支持プレート520が第2位置P2にあるとき、施療部52の上側施療子521が下側施療子522よりも前方に突出する。そのため、支持プレート520が第2位置にあるとき、上側施療子521が被施療者の身体Bdに接触しやすい。これにより、施療部52の被施療者の身体Bdと接触する面積を小さくし、接触圧力を上昇させることができる。
【0044】
マッサージユニット50において、左右の支持プレート520は、同時に、第1位置P1または第2位置P2にあるように動作してもよい。このように動作することで、左右の支持プレート520が第1位置P1にあるとき、左右の上側施療子521および左右の下側施療子522の4点で被施療者の身体Bdと接触する。また、左右の支持プレート520が第2位置P2にあるとき、左右の上側施療子521の2点で被施療者の身体Bdと接触する。
【0045】
図7は、ガイドレール14とマッサージユニット50を拡大したマッサージ機100の拡大側面図である。図7に示すように、ガイドレール13の上部131は、背もたれ部12に配置され、下部132は、座部11の後部に配置される。図示は省略するがガイドレール14も同様の構成を有する。マッサージユニット50は、ガイドレール13および14に沿って、背もたれ部12の内部を昇降する。そして、マッサージユニット50は、背もたれ部12の下部から座部11の後部に移動する。
【0046】
本実施形態にかかるマッサージ機100では、マッサージユニット50が背もたれ部12にあるとき、左右の支持プレート520を第2位置P2に移動させる。これにより、左右の上側施療子521の2点で被施療者の身体Bdと接触する。
【0047】
また、マッサージユニット50が座部11の後部にあるとき、左右の支持プレート520を第1位置P1に移動させる。これにより、左右の上側施療子521と、左右の下側施療子522と、の4点で被施療者の身体Bdと接触する。
【0048】
すなわち、マッサージユニット50は、被施療者の背部と接するときに一対の支持プレート520が第2位置P2に位置し、被施療者の腿部と接するときに一対の支持プレート520が第1位置P1に位置する。
【0049】
以上のとおり、マッサージユニット50が被施療者から受ける力が小さい背もたれ部12では、2点で被施療者の身体Bdと接触することで、左右の上側施療子521で被施療者の背部に作用する圧力を高めることができる。また、マッサージユニット50が被施療者を下方から支持する座部11では、左右の上側施療子521および左右の下側施療子522の4点で被施療者の身体Bdと接触するため、圧力を分散する。そのため、マッサージ機100では、マッサージユニット50の位置にかかわらず、必要十分な圧力で被施療者の身体Bdと接触して施療することができる。
【0050】
本実施形態のマッサージユニット50において、左右の支持プレート520は、左右の膨縮部542によって押されている。左右の膨縮部542は、膨張している状態において、収縮する方向に一定以上の力が作用すると、収縮するように形成されている。このように形成されることで、例えば、背もたれ部12がリクライニングする等によって、被施療者の身体Bdに接触する圧力が一定の圧力以上になったとき、左右の支持プレート520は、第1位置P1側に移動する。これにより、2点支持状態から4点支持状態となり、圧力を分散することができる。そのため、施療時の圧力を一定以下に抑制でき、各施療子から過剰な圧力が作用することによる被施療者の不快感を抑制できる。
【0051】
本実施形態にかかるマッサージユニット50では、左右の支持プレート520が、同じ位置にあるように構成されている。つまり、左右の支持プレート520が、ともに第1位置P1またはともに第2位置P2にあるときに施療を行う。しかしながら、これに限定されない。例えば、左右の支持プレート520の一方が第1位置P1に、また、他方が第2位置P2にあってもよい。また、左右の支持プレート520の一方が第1位置P1にあるときに、他方が第1位置P1と第2位置P2の間に位置してもよい。さらに、左右の支持プレート520の一方が第2位置P2にあるときに、他方が第1位置P1と第2位置P2の間に位置してもよい。
【0052】
なお、本実施形態のマッサージユニット50において、第2位置P2は、上部側腕部523が前方に突出するように支持プレート520を回転させ、上部施療子521が被施療者の身体と接触した、一点支持位置である。しかしながら、これに限定されず、下部側腕部524が前方に突出するように支持プレート520を回転させ、下部側腕部522が被施療者の身体と接触した状態を第2位置としてもよい。
【0053】
<第1変形例>
図8は、第1変形例のマッサージユニットの施療部52Aの支持プレート520を拡大した側面図である。図8に示すマッサージユニット50の施療部52Aでは、下側施療子522に替えて下側施療子522Aを有する点で、施療部52と異なる。施療部52Aは、下側施療子522Aが異なる以外、施療部52と同じ構成を有する。そのため、実質上、施療部52Aの施療部52と同じ部分には、同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明を省略する。
【0054】
図8に示すように、上側施療子521の最大外径が下側施療子522Aの最大外径よりも大きい。なお、施療子の最大外径とは、施療子の回転軸を中心とする外周面の回転軸を中心とする直径のうち、最大のものである。
【0055】
下側施療子522Aの最大外径を、上側施療子521の最大外径よりも小さく形成することで、支持プレート520が第2位置P2に移動したときに、下側施療子522Aに接触しにくい。そのため、強い圧力で施療したい場合に、圧力が分散しにくく、施療の効果を高めることができる。また、本変形例では、下側施療子522を最大外径が小さい下側施療子522Aに交換したものを例にしているが、これに限定されない。下側施療子522をそのままに、上側施療子521を最大外径が大きい構成のものに交換してもよい。
【0056】
<第2変形例>
図9は、第2変形例のマッサージユニット50の支持プレート520が第1位置P1にあるときの施療部52Bの側面図である。図10は、第2変形例のマッサージユニット50の支持プレート520が第2位置P2にあるときの施療部52Bの側面図である。図9および図10に示す、施療部52Bは、回転作動部56異なる。施療部52Bのこれ以外の点は、施療部52と同じ構成を有し、同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
【0057】
図9図10に示すように、施療部52Bの回転作動部56は、支持プレート520に対して、回転軸Axの周りの両方向に力を付勢できるとともに、第1位置P1および第2位置P2にある支持プレート520を保持可能なアクチュエータを有する。さらに説明すると、回転作動部56は、ボールねじ561と、ボールナット562と、駆動部563と、を含むアクチュエータを有する。
【0058】
ボールナット562は、ボールねじ561に外嵌し、ボールねじ561の外周面に形成されたらせん状の溝内を転動するボールを有する。ボールナット562は、支持プレート520に回転可能に取り付けられる。駆動部563は、ボールねじ561を回転させる動力源を有する。動力源としては、例えば、電動モータを挙げることができるが、これに限定されない。駆動部563は、ベース部材51に回転可能に支持される。
【0059】
回転作動部56において、ボールねじ561が回転することで、ボールナット562がボールねじ561に沿って移動する。ボールナット562が移動することで、支持プレート520は第1位置P1に向かってまたは第2位置P2に向かって回転移動する。
【0060】
回転作動部56を用いる場合、ボールねじ561およびボールナット562の機能により、第2位置P2にある支持プレート520に被施療者からの力が付与した場合であっても、第1位置P1側に移動しにくい。被施療者から上側施療子521に力が付与されても、一定以上の圧力が作用することを抑制するため、予め被施療者の身体Bd(例えば、形状、重量等)を測定し、その測定結果に基づいて、第2位置P2を調整するようにしてもよい。さらには、被施療者の身体Bdから上側施療子521に一定以上の負荷が作用する場合に、ボールナット562を第1位置P1側に移動するように駆動部563を駆動するようにしてもよい。
【0061】
このような構成の一対の施療部52を有することで、マッサージユニット50は、被施療者の身体Bdに一定以上の圧力が作用することを抑制し、被施療者の不快感を抑制できる。
【0062】
以上に、本発明の実施形態および変形例を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、被施療者の身体を揉みほぐす椅子式のマッサージ機に利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
100 マッサージ機
10 身体支持部
11 座部
12 背もたれ部
13 ガイドレール
14 ガイドレール
20 基台部
30 腕施療部
40 脚施療部
50 マッサージユニット
501 係合凸部
503 施療駆動機構
51 ベース部材
51A ベース部材部品
51B ベース部材部品
51C ベース部材部品
51D ベース部材部品
51E 第1ストッパ
51F 第2ストッパ
52 施療部
520 支持プレート
521 上側施療子
522 下側施療子
523 上部側腕部
524 下部側腕部
525 筒部
526 係合部
527 押圧部
52A 施療部
522A 下側施療子
52B 施療部
54 回転作動部
541 弾性部材
542 膨縮部
56 回転作動部
561 ボールねじ
562 ボールナット
563 駆動部
61 ガイドローラ
62 ガイドローラ
63 ピニオンギヤ
64 ピニオンギヤ
Bd 身体
Ax 回転軸
Bx 中心軸
P1 第1位置
P2 第2位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10