(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081274
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】草刈装置
(51)【国際特許分類】
A01D 34/66 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
A01D34/66 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192714
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】中村 太秋
(72)【発明者】
【氏名】長畑 友之
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA12
2B083BA15
2B083BA16
2B083BA17
2B083CA03
2B083CA09
2B083CA28
2B083DA03
2B083DA08
2B083HA03
2B083HA06
2B083HA52
2B083HA53
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アームを駆動する回路の構成を簡易化させて障害物の周囲で作業可能な草刈装置を提供する。
【解決手段】旋回軸12を軸に旋回可能に設けた第1作業アーム21と、第2作業アーム31は、第1姿勢から、第2姿勢の間で旋回可能であって、第1作業アーム21の旋回動作させるアクチュエータ14と、圧送位置、無負荷位置に切換可能な第1切換弁と、アクチュエータ14と前記第1切換弁との間に配置し、遮断位置、開放位置、のそれぞれに切換可能な第2切換弁と、第1作業アーム21に障害物が接触をしたことを検出する第1センサ52Aと、第2作業アーム31に第1作業アーム21が接触したことを検出する第2センサ52Bと、第1作業アームが前記第1姿勢であることを検出する第3センサ52Cと、を備えることを特徴とする草刈装置A。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回軸を軸に旋回可能に設けた第1作業アームと、
前記第1作業アームとは別体に設け、且つ、前記旋回軸を軸に旋回可能に設けた第2作業アームとを有し、
前記第1作業アームおよび前記第2作業アームは、前記第1作業アーム及び前記第2作業アームの先端部が前方を向いている姿勢状態である第1姿勢から、第1姿勢以外の、前記第1作業アーム及び前記第2作業アームが完全に後方に向くまでの間の姿勢状態である第2姿勢の間で旋回可能であって、
前記第1作業アームの旋回動作させるアクチュエータと、
前記アクチュエータに流体を圧送する圧送位置、前記アクチュエータへ流体を圧送させない無負荷位置、のそれぞれに切換可能な第1切換弁と、
前記アクチュエータと前記第1切換弁との間に配置し、前記アクチュエータから前記第1切換弁側への流体を遮断する遮断位置、前記アクチュエータから前記第1切換弁側との間で流体の出入りが自由となる開放位置、のそれぞれに切換可能な第2切換弁と、
前記第1作業アームに障害物が接触をしたことを検出する第1センサと、
前記第2作業アームに前記第1作業アームが接触したことを検出する第2センサと、
前記第1作業アームが前記第1姿勢であることを検出する第3センサと、
を備えることを特徴とする草刈装置。
【請求項2】
前記第1センサのみが検出をする、又は、前記第1センサ及び第2センサ及び第3センサの全てが検出すると、前記第1切換弁を無負荷位置に切換えるとともに前記第2切換弁を開放位置に切換える、
ことを特徴とする請求項1に記載の草刈装置。
【請求項3】
前記第2センサのみが検出すると、前記第1切換弁を前記圧送位置に切換えるとともに、前記第2切換弁を前記遮断位置に切換える、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の草刈装置。
【請求項4】
前記第2センサ及び前記第3センサが検出すると、前記第1切換弁を前記無負荷位置に切換えるとともに、前記第2切換弁を前記遮断位置に切換える、
ことを特徴とする請求項1または2または3のいずれかに記載の草刈装置。
【請求項5】
草刈装置は、進行中に障害物に接触する場合、装置姿勢を示す姿勢a乃至装置姿勢を示す姿勢eの姿勢を順次とり、
装置姿勢を示す姿勢aでは、
第1作業アーム、第2作業アームが進行方向前方を向いた通常の作業姿勢である第1姿勢の状態であり、進行方向前方に障害物を検知するセンサアームが障害物を検知していない状態であり、第1作業アームが第2作業アームに接した状態であり、
油圧回路は、
油圧回路a状態であり、油圧回路a状態では、第1切換弁が無負荷位置にあり、第2制御弁が遮断位置にあり、第1切換弁、第2切換弁は共に導通せず、アクチュエータを縮み規制させ、
第2作業アームに第1作業アームが接触したことを検出する第2センサ及び第1作業アームが第1姿勢であることを検出する第3センサが検出すると、第1切換弁を無負荷位置に切換えるとともに、第2切換弁を遮断位置に切換え、
電気回路は、
電気回路a状態にあり、電気回路a状態では、第1作業アームに障害物が接触をしたことを検出する第1センサは非当接位置にあり、第2センサは第1作業アーム、第2作業アームが閉位置にあり、第3センサは第2姿勢の検出位置525を検出していない、
ことを特徴とする請求項1または2または3または4のいずれかに記載の草刈装置。
【請求項6】
草刈装置は、進行中に障害物に接触する場合、装置姿勢を示す姿勢a乃至装置姿勢を示す姿勢eの姿勢を順次とり、
装置姿勢を示す姿勢bでは、
センサアームが障害物を検知した状態であり、第1作業アームが第2作業アームに接した状態であり、第1作業アーム、第2作業アームが通常の作業姿勢である第1姿勢の状態であり、
油圧回路は、
油圧回路b状態であり、油圧回路b状態では、第1制御弁が無負荷位置にあり、第2制御弁が開放位置にあり、
電気回路は、
電気回路b状態にあり、電気回路b状態では、第1センサは当接位置にあり、第2センサは第1作業アーム、第2作業アームが閉位置にあり、第3センサは第2姿勢の検出位置を検出しておらず、
第1センサ経由で第2切換弁を導通させ、アクチュエータが伸縮自由状態であることを特徴とする請求項1または2または3または4または5のいずれかに記載の草刈装置。
【請求項7】
草刈装置は、進行中に障害物に接触する場合、装置姿勢を示す姿勢a乃至装置姿勢を示す姿勢eの姿勢を順次とり、
装置姿勢を示す姿勢cでは、
センサアームが障害物を検知した状態であり、第1作業アームが第2作業アームから離れた状態であって、第1作業アーム及び第2作業アームが通常の作業姿勢である第1姿勢から、第2姿勢側に回動途中の状態であり、センサの検出によって、切換弁の切換えによって、第1作業アーム及び第2作業アームが回動自在な状態であり、
油圧回路は、
油圧回路b状態であり、油圧回路b状態では、第1制御弁が無負荷位置にあり、第2制御弁が開放位置にあり、第1センサ52Aのみが検出をし、又は、第1センサ及び第2センサ及び第3センサの全てが検出すると、第1切換弁を無負荷位置に切換えるとともに第2切換弁を開放位置に切換え、
電気回路は、
電気回路c状態にあり、電気回路c状態では、第1センサは当接位置にあり、第2センサは第1作業アーム、第2作業アームが開位置にあり、第3センサは第2姿勢の検出位置を検出しており、第1センサ経由で第2切換弁を導通させ、アクチュエータが伸縮自由状態(変位自在状態)であることを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6のいずれかに記載の草刈装置。
【請求項8】
草刈装置は、進行中に障害物に接触する場合、装置姿勢を示す姿勢a乃至装置姿勢を示す姿勢eの姿勢を順次とり、
装置姿勢を示す姿勢dでは、
センサアームが障害物を検知していない状態であり、第1作業アームが第2作業アームから離れた状態にあり、
第1作業アーム及び第2作業アームが通常の作業姿勢である第1姿勢から、第2姿勢側に回動途中の状態にあり、
油圧回路は、
油圧回路b状態であり、油圧回路bでは、第1制御弁が無負荷位置にあり、第2制御弁が開放位置にあり、
電気回路は、
電気回路d状態にあり、電気回路d状態では、第1センサは非当接位置にあり、第2センサは第1作業アーム、第2作業アームが閉位置にあり、第3センサは第2姿勢の検出位置を検出しており、
第1センサと第2センサ経由で第2切換弁が導通し、アクチュエータが伸縮自由状態であることを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7のいずれかに記載の草刈装置。
【請求項9】
草刈装置は、進行中に障害物に接触する場合、装置姿勢を示す姿勢a乃至装置姿勢を示す姿勢eの姿勢を順次とり、
装置姿勢を示す姿勢eでは、
センサアームが障害物を検知していない状態であり、第1作業アームが第2作業アームに接した状態であり、
第1作業アーム及び第2作業アーム共に第2姿勢側に回動した状態であり、第1作業アーム及び第2作業アームが第2姿勢側に回動後、障害物Wが第1作業アーム及び第2作業アームから離れており、
油圧回路は、
油圧回路c状態であり、油圧回路cでは、第1制御弁が圧送位置にあり、第2制御弁が遮断位置にあり、第2センサのみが検出すると、第1切換弁を圧送位置に切換えるとともに、第2切換弁を遮断位置に切換え、
電気回路は、
電気回路e状態にあり、電気回路e状態では、第1センサは非当接位置にあり、第2センサは第1作業アーム、第2作業アームが閉位置にあり、第3センサは第2姿勢の検出位置を検出しており、
第1センサ乃至第3センサ経由で第1切換弁を導通させ、
アクチュエータを伸長側に駆動させ、第1作業アーム及び第2作業アームを第1姿勢に復帰させることを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8のいずれかに記載の草刈装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、草刈装置に係る。
【背景技術】
【0002】
障害物となる支柱の周囲の地面上の植物を刈り取る装置として特許文献1が公開されている。特許文献1によれば、関連する車両によって推進されるように適合された草刈り装置は、支持体、第1および第2のアーム、ならびに第1および第2の草刈り機要素を含む。支持体は、関連する車両から延びる関連するブームに取り付けるように適合されている。第1のアームおよび第2のアームは、支持体に旋回可能に取り付けられる。第1芝刈り機要素は第1アームに取り付けられ、第2芝刈り機要素は第2アームに取り付けられる、とされている。第1および第2のアームのそれぞれには、旋回駆動するためのシリンダを備え、これらシリンダを互いに連通させている。また、シリンダを連通させる油圧回路を内には各種バルブを複数配置すると共にアキュムレータを使用することによって、障害物の周囲の草刈りを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国公開特許2006/0026938A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、第1および第2のアームを駆動及び緩衝のための回路が多数存在するため、装置全体の油圧回路の構成が複雑となっている課題を有している。
したがって、本発明は上記課題に着眼してなされたものであり、アームを駆動及び緩衝する回路の構成を簡易化させて障害物の周囲で作業可能な草刈装置を提供することを目的とする。
発明者は、特願2020-119920号「草刈装置」、および特願2020-134176号「草刈装置」で、草刈装置の機体構成を提案した。本発明は、これら草刈装置の機械関係と、油圧関係、電気回路関係について提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、
旋回軸を軸に旋回可能に設けた第1作業アームと、
前記第1作業アームとは別体に設け、且つ、前記旋回軸を軸に旋回可能に設けた第2作業アームとを有し、
前記第1作業アームおよび前記第2作業アームは、前記第1作業アーム及び前記第2作業アームの先端部が前方を向いている姿勢状態である第1姿勢から、前記第1姿勢以外の、前記第1作業アーム及び前記第2作業アームが完全に後方に向くまでの間の姿勢状態である第2姿勢の間で旋回可能であって、
前記第1作業アームの旋回動作させるアクチュエータと、
前記アクチュエータに流体を圧送する圧送位置、前記アクチュエータへ流体を圧送させない無負荷位置、のそれぞれに切換可能な第1切換弁と、
前記アクチュエータと前記第1切換弁との間に配置し、前記アクチュエータから前記第1切換弁側への流体を遮断する遮断位置、前記アクチュエータから前記第1切換弁側との間で流体の出入りが自由となる開放位置、のそれぞれに切換可能な第2切換弁と、
前記第1作業アームに障害物が接触をしたことを検出する第1センサと、
前記第2作業アームに前記第1作業アームが接触したことを検出する第2センサと、
前記第1作業アームが前記第1姿勢であることを検出する第3センサと、
を備えることを特徴とする草刈装置、
に係る。
【0006】
この発明は、更に、
前記第1センサのみが検出をする、又は、前記第1センサ及び第2センサ及び第3センサの全てが検出すると、前記第1切換弁を無負荷位置に切換えるとともに前記第2切換弁を開放位置に切換える、
ことを特徴とする草刈装置、
に係る。
【0007】
この発明は、更に、
前記第2センサのみが検出すると、前記第1切換弁を前記圧送位置に切換えるとともに、前記第2切換弁を前記遮断位置に切換える、
ことを特徴とする草刈装置、
に係る。
【0008】
この発明は、更に、
前記第2センサ及び前記第3センサが検出すると、前記第1切換弁を前記無負荷位置に切換えるとともに、前記第2切換弁を前記遮断位置に切換える、
ことを特徴とする草刈装置、
に係る。
【0009】
この発明は、更に、
草刈装置は、進行中に障害物に接触する場合、装置姿勢を示す姿勢a乃至装置姿勢を示す姿勢eの姿勢を順次とり、
装置姿勢を示す姿勢aでは、
第1作業アーム、第2作業アームが進行方向前方を向いた通常の作業姿勢である第1姿勢の状態であり、進行方向前方に障害物を検知するセンサアームが障害物を検知していない状態であり、第1作業アームが第2作業アームに接した状態であり、
油圧回路は、
油圧回路a状態であり、油圧回路a状態では、第1切換弁が無負荷位置にあり、第2制御弁が遮断位置にあり、第1切換弁、第2切換弁は共に導通せず、アクチュエータを縮み規制させ、
第2作業アームに第1作業アームが接触したことを検出する第2センサ及び第1作業アームが第1姿勢であることを検出する第3センサが検出すると、第1切換弁を無負荷位置に切換えるとともに、第2切換弁を遮断位置に切換え、
電気回路は、
電気回路a状態にあり、電気回路a状態では、第1作業アームに障害物が接触をしたことを検出する第1センサは非当接位置にあり、第2センサは第1作業アーム、第2作業アームが閉位置にあり、第3センサは第2姿勢の検出位置525を検出していない、
ことを特徴とする草刈装置、
に係る。
【0010】
この発明は、更に、
草刈装置は、進行中に障害物に接触する場合、装置姿勢を示す姿勢a乃至装置姿勢を示す姿勢eの姿勢を順次とり、
装置姿勢を示す姿勢bでは、
センサアームが障害物を検知した状態であり、第1作業アームが第2作業アームに接した状態であり、第1作業アーム、第2作業アームが通常の作業姿勢である第1姿勢の状態であり、
油圧回路は、
油圧回路b状態であり、油圧回路b状態では、第1制御弁が無負荷位置にあり、第2制御弁が開放位置にあり、
電気回路は、
電気回路b状態にあり、電気回路b状態では、第1センサは当接位置にあり、第2センサは第1作業アーム、第2作業アームが閉位置にあり、第3センサは第2姿勢の検出位置を検出しておらず、
第1センサ経由で第2切換弁を導通させ、アクチュエータが伸縮自由状態であることを特徴とする草刈装置、
に係る。
【0011】
この発明は、更に、
草刈装置は、進行中に障害物に接触する場合、装置姿勢を示す姿勢a乃至装置姿勢を示す姿勢eの姿勢を順次とり、
装置姿勢を示す姿勢cでは、
センサアームが障害物を検知した状態であり、第1作業アームが第2作業アームから離れた状態であって、第1作業アーム及び第2作業アームが通常の作業姿勢である第1姿勢から、第2姿勢側に回動途中の状態であり、センサの検出によって、切換弁の切換えによって、第1作業アーム及び第2作業アームが回動自在な状態であり、
油圧回路は、
油圧回路b状態であり、油圧回路b状態では、第1制御弁が無負荷位置にあり、第2制御弁が開放位置にあり、第1センサ52Aのみが検出をし、又は、第1センサ及び第2センサ及び第3センサの全てが検出すると、第1切換弁を無負荷位置に切換えるとともに第2切換弁を開放位置に切換え、
電気回路は、
電気回路c状態にあり、電気回路c状態では、第1センサは当接位置にあり、第2センサは第1作業アーム、第2作業アームが開位置にあり、第3センサは第2姿勢の検出位置を検出しており、第1センサ経由で第2切換弁を導通させ、アクチュエータが伸縮自由状態(変位自在状態)であることを特徴とする草刈装置、
に係る。
【0012】
この発明は、更に、
草刈装置は、進行中に障害物に接触する場合、装置姿勢を示す姿勢a乃至装置姿勢を示す姿勢eの姿勢を順次とり、
装置姿勢を示す姿勢dでは、
センサアームが障害物を検知していない状態であり、第1作業アームが第2作業アームから離れた状態にあり、
第1作業アーム及び第2作業アームが通常の作業姿勢である第1姿勢から、第2姿勢側に回動途中の状態にあり、
油圧回路は、
油圧回路b状態であり、油圧回路bでは、第1制御弁が無負荷位置にあり、第2制御弁が開放位置にあり、
電気回路は、
電気回路d状態にあり、電気回路d状態では、第1センサは非当接位置にあり、第2センサは第1作業アーム、第2作業アームが閉位置にあり、第3センサは第2姿勢の検出位置を検出しており、
第1センサと第2センサ経由で第2切換弁が導通し、アクチュエータが伸縮自由状態であることを特徴とする草刈装置、
に係る。
【0013】
この発明は、更に、
草刈装置は、進行中に障害物に接触する場合、装置姿勢を示す姿勢a乃至装置姿勢を示す姿勢eの姿勢を順次とり、
装置姿勢を示す姿勢eでは、
センサアームが障害物を検知していない状態であり、第1作業アームが第2作業アームに接した状態であり、
第1作業アーム及び第2作業アーム共に第2姿勢側に回動した状態であり、第1作業アーム及び第2作業アームが第2姿勢側に回動後、障害物Wが第1作業アーム及び第2作業アームから離れており、
油圧回路は、
油圧回路c状態であり、油圧回路cでは、第1制御弁が圧送位置にあり、第2制御弁が遮断位置にあり、第2センサのみが検出すると、第1切換弁を圧送位置に切換えるとともに、第2切換弁を遮断位置に切換え、
電気回路は、
電気回路e状態にあり、電気回路e状態では、第1センサは非当接位置にあり、第2センサは第1作業アーム、第2作業アームが閉位置にあり、第3センサは第2姿勢の検出位置を検出しており、
第1センサ乃至第3センサ経由で第1切換弁を導通させ、
アクチュエータを伸長側に駆動させ、第1作業アーム及び第2作業アームを第1姿勢に復帰させることを特徴とする草刈装置、
に係る。
【発明の効果】
【0014】
この発明によって、アームを駆動及び緩衝する回路の構成を簡易化させて障害物の周囲で作業可能な草刈装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明の実施例に係る草刈装置の平面図である。第1作業アームが受入可能姿勢(第1姿勢)を示す。図中左が進行方向前方、図中上が進行方向右側であり、走行機体側である。
【
図2】この発明の実施例に係る草刈装置の側面図である。図中奥が進行方向前方、図中上が進行方向右側であり走行機体側である。
【
図3】この発明の実施例に係る草刈装置の正面図であって、第2金具、アクチュエータは一部切欠した、
図1のAA断面図である。
【
図4】この発明の実施例に係る草刈装置の動作を示す平面図である。センサアームが障害物を検知していない状態をあらわす。第1作業アームが第2作業アームに接した状態をあらわす。第1作業アーム、第2作業アームが通常の作業姿勢である第1姿勢(受入可能姿勢)の状態をあらわす。第1基部材及びリンク機構は省略し、第2基部材は断面であらわす。装置姿勢を示す姿勢aである。
【
図5】この発明の実施例に係る草刈装置の動作を示す平面図である。センサアームが障害物を検知した状態をあらわす。第1作業アームが第2作業アームに接した状態をあらわす。第1作業アーム、第2作業アームが通常の作業姿勢である第1姿勢(受入可能姿勢)の状態をあらわす。説明上、第1基部材、第2基部材を断面であらわす。装置姿勢を示す装置姿勢を示す姿勢bである。
【
図6】この発明の実施例に係る草刈装置の動作を示す平面図である。センサアームが障害物を検知した状態をあらわす。第1作業アームが第2作業アームから離れた状態をあらわす。第1作業アーム及び第2作業アームが通常の作業姿勢である第1姿勢(受入可能姿勢)から、第2姿勢(排出可能姿勢)側に回動途中の状態をあらわす。センサの検出による切換弁(制御弁)の切換えによって、第1作業アーム及び第2作業アームが回動自在な状態である。説明上、第1基部材及びリンク機構は省略し、第2基部材を断面であらわす。装置姿勢を示す姿勢cである。
【
図7】この発明の実施例に係る草刈装置の動作を示す平面図である。センサアームが障害物を検知していない状態をあらわす(第1作業アームが回動駆動時にセンサアームから障害物が離れた場合である)。第1作業アームが第2作業アームから離れた状態をあらわす。第1作業アーム及び第2作業アームが通常の作業姿勢である第1姿勢(受入可能姿勢)から、第2姿勢(排出可能姿勢)側に回動途中の状態をあらわす。説明上、第1基部材及びリンク機構は省略し、第2基部材を断面であらわす。装置姿勢を示す姿勢dである。
【
図8】この発明の実施例に係る草刈装置の動作を示す平面図である。センサアームが障害物を検知していない状態をあらわす。第1作業アームが第2作業アームに接した状態をあらわす。第1作業アーム及び第2作業アーム共に第2姿勢(排出可能姿勢)側に回動した状態をあらわす。第1作業アーム及び第2作業アームが第2姿勢(排出可能姿勢)側に回動後、障害物が第1作業アーム及び第2作業アームから離れた場合である。説明上、第1基部材及びリンク機構は省略し、第2基部材を断面であらわす。装置姿勢を示す姿勢eである。
【
図9】この発明の実施例に係る草刈装置の流体圧回路図(油圧回路図)である(装置姿勢を示す姿勢aのときの、回路aである。)。第1制御弁が無負荷位置にあり、第2制御弁が遮断位置にある。
【
図10】この発明の実施例に係る草刈装置の流体圧回路図(油圧回路図)である(装置姿勢を示す装置姿勢を示す姿勢b、c、dのときの、回路bである。)。第1制御弁が無負荷位置にあり、第2制御弁が開放位置にある。
【
図11】この発明の実施例に係る草刈装置の流体圧回路図(油圧回路図)である。(装置姿勢を示す姿勢eのときの、回路cである。)。第1制御弁が圧送位置にあり、第2制御弁が遮断位置にある。
【
図12】この発明の実施例に係る草刈装置の回路図である(電気回路a)。装置姿勢を示す姿勢aの状態である。第1切換弁が無負荷位置、第2切換弁が遮断位置にある。第1切換弁、第2切換弁は共に導通せず。アクチュエータ(シリンダ)を縮み規制させる。
【
図13】この発明の実施例に係る草刈装置の電気結線の状態を示す回路図である(電気回路b)。装置姿勢を示す姿勢bの状態である。第1切換弁が無負荷位置、第2切換弁が開放位置にある。第1センサ経由で第2切換弁を導通させる。アクチュエータ(シリンダ)が伸縮自由状態(変位自在状態)である。
【
図14】この発明の実施例に係る草刈装置の電気結線の状態を示す回路図である(電気回路c)装置姿勢を示す姿勢cの状態である。第1切換弁が無負荷位置、第2切換弁が開放位置にある。第1センサ経由で第2切換弁を導通させる。アクチュエータ(シリンダ)が伸縮自由状態(変位自在状態)である。
【
図15】この発明の実施例に係る草刈装置の電気結線の状態を示す回路図である(電気回路d)装置姿勢を示す姿勢dの状態である。第1切換弁が無負荷位置、第2切換弁が開放位置にある。第1センサと第2センサ経由で第2切換弁が導通する。アクチュエータ(シリンダ)が伸縮自由状態(変位自在状態)である。
【
図16】この発明の実施例に係る草刈装置の電気結線の状態を示す回路図である(電気回路e)装置姿勢を示す姿勢eの状態である。第1切換弁が圧送荷位置、第2切換弁が遮断位置にある。第1センサ乃至第3センサ経由で第1切換弁を導通させる。アクチュエータ(シリンダ)を伸長側に駆動させ、第1作業アーム及び第2作業アームを第1姿勢(受入可能姿勢)に復帰させる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
Aは、作業機としての草刈装置である。草刈装置Aは、1又は複数の草刈装置取付け用アーム(図示せず)により、トラクタ等からなる走行機体(図示せず)に取り付ける。
草刈装置Aは、ブーム装置等に連結される。ブーム装置(伸縮手段)は、特願2019-194694「作業機」、特願2020-14070「作業機」等と同様で、特願2020-84471「着脱機構及び着脱機構を備えた作業機」の連結機構によって連結する。なお、本願草刈装置Aが連結するのは、先願の特開2019-187386(特願2018-087440)「草刈装置」の図示と同様、例示のブーム装置(伸縮手段)だけとは限らない。
【0017】
草刈装置Aにおいて、11は基部材である。基部材11は、第1基部材111、第2基部材112からなる。21は第1作業アーム、31は第2作業アームである。Bは、平行リンク機構である。
第1作業アーム21及び第2作業アーム31は、複数の部材である、ブーム装置とも呼ばれる草刈装置取付け用アームを介してトラクタ等からなる走行機体に装着し、草刈装置Aは走行機体の前方又は後方又は側方に位置して作業する。草刈装置取付け用アームに取り付ける場合は、第1基部材111上に設けた連結部61によって、草刈装置取付け用アームの先端部に連結する。
【0018】
草刈装置Aは、複数の草刈装置取付け用アームを介して走行機体の側方に位置させて装着する場合、あるいは、走行機体の左右に移動可能な草刈装置取付け用アームを介して走行機体の後方及び側方に位置させて装着する場合、あるいは、左右に移動可能な草刈装置取付け用アームを介して走行機体の後方及び側方に位置させて装着する場合の選択が可能である。さらには、草刈装置取付け用アームを介せずに、走行機体あるいは走行機体が有する3点リンク昇降装置等に直接、草刈装置Aを装着してもよい。
草刈装置Aは、鋏状に回動可能に設けた第1作業アーム21及び第2作業アーム31の間に、障害物Wを挟むことが可能であるとともに、第1作業アーム21及び第2作業アーム31のそれぞれが回動して作業を行うことが可能である。鋏状となった第1作業アーム21及び第2作業アーム31の回動支点軸から離れた先端側は進行方向に向けられる。例示する第1作業アーム21及び第2作業アーム31の先端側は円弧状に湾曲している。
【0019】
基部材11は、草刈装置Aに設ける。第1基部材111(11)は、平行リンク機構Bの走行機体側に取り付ける。第2基部材112(11)は、平行リンク機構Bの先端側の一端に設ける。第2基部材112(11)は、平行リンク機構Bを介して平行リンク機構Bの他端側に設けた第1基部材111(11)に対して水平移動可能である。
【0020】
12は、旋回軸である。旋回軸12は、第2基部材112に設け、作業面と交差する方向に向けた鉛直方向の軸からなる。第1作業アーム21及び第2作業アーム31のそれぞれは、旋回軸12を支点軸にして水平回動が可能である。また、第1作業アーム21及び第2作業アーム31の回動の姿勢状態に応じて、受入可能姿勢(第1姿勢)及び排出可能姿勢(第2姿勢)をとる。
第1作業アーム21は、旋回軸12を軸に第1姿勢から第2姿勢の間で旋回可能に設ける。第2作業アーム31は、第1作業アーム21とは別体に設け、且つ、旋回軸12を軸に第1姿勢から前記第2姿勢の間で旋回可能に設ける。
これらの姿勢についての説明は後述する。
【0021】
15は、ストッパである。ストッパ15は、第2作業アーム31に備える。
16は第1金具、17は第2金具である。第1金具16、第2金具17は、互いに連結させるとともに旋回軸12の周囲の第2基部材112(11)と第1作業アーム21を連結するように取り付ける。第1金具16及び第2金具17は、第1作業アーム21の旋回軸12を軸にした回動に伴い、それぞれ連結しながら旋回軸12の周囲近傍で回動する。
【0022】
旋回軸12は、第2基部材112(11)に取り付ける後アーム13Bの取り付け位置よりも、第2基部材112(11)に取り付ける前アーム13Aの取り付け位置の近くに設ける。すなわち、旋回軸12は第2基部材112(11)に対する前方側に位置するので、旋回軸12に連結する第1作業アーム21及び第2作業アーム31の先端部は、より前方側に位置させることができる。
【0023】
平行リンク機構Bの平行リンクは、作業アームが障害物に接触時に接触する障害物Wに近い側の前アーム13Aと、障害物Wから離れた側の後アーム13Bとからなる。平行リンク機構Bは、第1基部材111(11)に一端側を、他端側を第2基部材112(11)に回動自在に設け、作業面に対して平行方向に回動可能である。すなわち、第2基部材112(11)は、第1基部材111(11)に対して平行移動が可能である。平行リンク機構Bは、前アーム13A及び後アーム13Bの回動位置によって、展開位置あるいは退避位置を有する。これらの位置についての説明は後述する。
【0024】
平行リンク機構Bは、後述する展開位置において、第1基部材111(11)から進行方向に対する左右の外側に向けられている。これにより、障害物Wに第1作業アーム21及び第2作業アーム31が接触した場合、第1作業アーム21及び第2作業アーム31は障害物Wを第1作業アーム21と第2作業アーム31の間で挟むように、後方及び進行方向に対する幅方向の内側である走行機体側に、受動的に水平移動または地面に対して平行移動することができる。
【0025】
第1作業アーム21及び第2作業アーム31の向き等の姿勢における受入可能姿勢(第1姿勢)とは、
図1、
図4にあらわす第1作業アーム21および第2作業アーム31のように、障害物Wに接触せずに、あるいは
図5にあらわす第1作業アーム21および第2作業アーム31のように、障害物Wに接触しているが、第1作業アーム21及び第2作業アーム31の先端部が前方を向いている姿勢状態をいう。受入可能姿勢(第1姿勢)における平行リンクBの姿勢状態である、後述する展開位置あるいは退避位置のそれぞれの位置の状態は問わない。
第1作業アーム21及び第2作業アーム31の向き等の姿勢における排出可能姿勢(第2姿勢)とは、
図6、
図7、
図8に図示するように、第1作業アーム21及び第2作業アーム31が障害物Wと接触し、受入可能姿勢(第1姿勢)から水平方向に反転回動している姿勢および以後の姿勢のことをいう。
【0026】
排出可能姿勢(第2姿勢)は、
図1、
図4、
図5にあらわす第1作業アーム21及び第2作業アーム31の受入可能姿勢(第1姿勢)以外の、第1作業アーム21及び第2作業アーム31が完全に後方に向くまでの間の姿勢状態をいう。第1作業アーム21のみが進行方向に対する後方側に回動した状態も排出可能姿勢(第2姿勢)である。排出可能姿勢(第2姿勢)における平行リンクBの姿勢状態である、後述する展開位置あるいは退避位置のそれぞれの位置の状態は問わない。
この明細書では、第1姿勢(受入可能姿勢)は第1作業アーム21及び第2作業アーム31の回動中心に対する放射方向の先端側が前方に向いた位置をいい、この位置から(少しでも)後方側に回動した位置(範囲)を第2姿勢(排出可能姿勢)という。
【0027】
第1作業アーム21は、旋回軸12を軸に受入可能姿勢(第1姿勢)から排出可能姿勢(第2姿勢)の間で旋回可能に設ける。
第2作業アーム31は、第1作業アーム21とは別体に設け、且つ、旋回軸12を軸に受入可能姿勢(第1姿勢)から前記排出可能姿勢(第2姿勢)の間で旋回可能に設ける。
【0028】
平行リンク機構Bの展開位置とは、平行リンク機構Bが備える第1作業アーム21及び第2作業アーム31のアームを進行方向に対する幅方向の外側側方に展開させた状態であり、すなわち、
図1にあらわす状態をいう。
平行リンク機構Bの退避位置とは展開位置から第1作業アーム21及び第2作業アーム31を進行方向に対する幅方向の内側に移動した状態である。
【0029】
41は、第1弾性体である。第1弾性体41は、平行リンク機構Bの後アーム13Bの側部に設ける。
第1弾性体41はガススプリング、コイルバネ等からなり、この発明の実施例においてはガススプリングを採用している。第1弾性体41は、
図1以下に図示するように、両端を第1基部材111(11)と後アーム13Bの第2基部材112(11)側とに取り付ける。
【0030】
第1弾性体41は、平行リンク機構Bを、展開位置と退避位置とに位置変更が可能であるとともに、第2基部材112(11)を第1基部材111(11)に対して展開位置側に常時付勢する。
第1弾性体41によって、平行リンク機構Bは常時、進行方向に対する前方及び外側側方に付勢されている。障害物W等に接触していない状態の平行リンク機構Bは、展開位置に復帰して、進行と共に接近する障害物Wを待ち構えることができる。
【0031】
第1弾性体41は回動軸12の後方側に配置するので、前進に伴って接近する障害物等に直接接触しない。
42は、第2弾性体である。第2弾性体42はガススプリング、コイルバネ等からなり、この発明の実施例においてはガススプリングを採用している。第2弾性体42は、第1作業アーム21及び第2作業アーム31に架け渡して連結し、第2作業アーム31を第1作業アーム21側に常時付勢する。
【0032】
すなわち、第2弾性体42は、第1作業アーム21及び第2作業アーム31が互いに接近する方向に常時付勢している。そのため、第1作業アーム21及び第2作業アーム31が、障害物Wに接触しながら草刈作業をすることができ、障害物W周囲の植物を確実に刈ることができる。また、第2弾性体42は第1姿勢及び第2姿勢問わずに、第2作業アーム31を付勢しているので、姿勢移行中でも第1作業アーム及び第2作業アーム31が障害物Wを適正に挟み込むことができる。
第2弾性体42は、障害物Wが第1作業アーム21と第2作業アーム31で挟まれる内側ではない、第2作業アーム31の外側に設ける。このため、第1作業アーム21と第2作業アーム31で障害物Wを挟んで作業を行う場合において、第2弾性体42が障害物と接触することがない。
【0033】
第1作業アーム21、第2作業アーム31は、それぞれ略板状体からなる。
第1作業アーム21、第2作業アーム31は、
図2、
図3に図示するように、積層して、基部材112(11)に取り付けた旋回軸12を軸として水平方向に旋回可能に、第2基部材112(11)に取り付ける。第1作業アーム21及び第2作業アーム31は、それぞれ先端側に刈刃用モータ242,342で回転駆動する第1刈刃部24及び第2刈刃部34を設けている。第1作業アーム21、第2作業アーム31は、作業面に存在する障害物Wに接しながら第1刈刃部24及び第2刈刃部34で草刈り作業をすることが可能である。
第2作業アーム31は、第1作業アーム21とは別体に設け、且つ、第1作業アーム21とは独立して旋回軸12を軸に回動可能に設け、障害物Wに接したとき障害物Wを挟んで第1作業アーム21と対向配置する。
【0034】
第1作業アーム21は、第1作業アーム21の回動を駆動する動作手段である動作手段(アクチュエータ、シリンダ)14を備える。
動作手段14は、この実施例ではアクチュエータ、油圧シリンダからなる。動作手段14は、基部材11に取り付ける。この発明の実施例において、動作手段14は第2基部材112の後方部に取り付けている。141は、動作手段14先端に設けるロッドである。ロッド141は、油圧シリンダである動作手段14により伸縮する。動作手段14は、第1作業アーム21を旋回駆動する。
【0035】
動作手段(アクチュエータ、シリンダ)14は、ロッド141を伸縮して、第1金具16および第2金具17を介することによって、第1作業アーム21を回動させる。
第1作業アーム21は、旋回軸12を軸に旋回可能に設けているので、作業面に存在する障害物Wに接することによって旋回動作が可能である。
【0036】
第2作業アーム31に備えるストッパ15は、動作手段14で回動駆動する第1作業アーム21に接触した第2作業アーム31の回動を規制する。
ストッパ15は、受入可能姿勢(第1姿勢)における第1作業アーム21及び第2作業アーム31の位置を安定的に維持することができ、作業者が障害物Wと第2作業アーム31との接触位置を適正位置に調整することが容易である。
ストッパ15は、第2基部材112(11)に当接可能であるとともに回動を規制する。
図1、
図4、
図5乃至
図8に示すように、ストッパ15は、第2基部材112(11)の前端部に当接して、第2作業アーム31が第1作業アーム21から離反を図る方向である、走行機体側への移動を規制するので、受入可能姿勢(第1姿勢)を維持可能である。
【0037】
油圧シリンダにより伸縮する動作手段14のロッド141による作動は、ストッパ15で規制されるまでの移動可能な範囲に、第1作業アーム21及び前記第2作業アーム31の作動を規制する。
ストッパ15は、受入可能姿勢(第1姿勢)及び受入可能姿勢(第1姿勢)時の第1作業アーム21と第2作業アーム31との開口角度を鋭角に保つので、草刈装置Aの作業域が不必要に広がることがなく、円滑に草刈作業を行うことができる。
【0038】
23は、当接部である。当接部23は、第1作業アーム21の旋回軸12と作業部である第1刈刃部24との間に設ける。当接部23は、凹状に設ける。当接部23に到達した障害物Wは、当接部23を押圧することによって、第1作業アーム21を後方側に回動させる。
24は、第1刈刃部である。第1刈刃部24は、刈刃あるいは刈刃部あるいは作業部である。第1刈刃部24は、第1作業アーム21の下部の回動軸12に対する半径方向先端側に取り付ける。第1作業アーム21は、1つ以上の刈刃部を下部に有する。
【0039】
第2作業アーム31は、1つ以上の刈刃部を下部に有する。この実施例では、第2刈刃部34を第2作業アーム31下部の回動軸12に対する半径方向先端側に有する。第2刈刃部34は、第2作業アーム31の旋回軸12近くに、さらに追加して設けていてもよい。
第2刈刃部34は、刈刃あるいは刈刃部あるいは作業部である。
【0040】
第1作業アーム21、第2作業アーム31は、旋回軸12を軸として水平方向に旋回可能に第2基部材112(11)に取り付けており、第1刈刃部24及び第2刈刃部34は、水平移動可能である。
そのため、第1作業アーム21と第2作業アーム31の、それぞれ対向する内側で障害物Wを挟みながら、第1刈刃部24及び第2刈刃部34によって、障害物Wの全周囲の草を刈る。
【0041】
241、341は、それぞれ刈刃である。刈刃241は第1刈刃部24の回転軸に、刈刃341は第2刈刃部34の回転軸に等間隔に4個ずつ設ける。なお、第1刈刃部24及び第2刈刃部34が有する刈刃241,341の個数に限定はない。
図1及び
図2に図示するように、進行方向から見た第1刈刃部24、第2刈刃部34に設けたそれぞれの刈刃241、刈刃341は、水平方向に回転する。
【0042】
242、342は、油圧モータである。油圧モータ242は、第1作業アーム21が備えるモータ基部の、第1刈刃部24の回転中心軸上に取り付ける。なお、油圧モータ242に置き換えて電気的に作動する電気モータとしてもよい。
油圧モータ342は、第2作業アーム31が備えるモータ基部の、第2刈刃部34の回転中心軸上にそれぞれに設ける。
油圧モータ242、油圧モータ342は、第1刈刃部24、第2刈刃部34にそれぞれに設けた、刈刃241、刈刃341を回転する。
【0043】
5は検知部である。検知部5は、作業部である第1刈刃部24に近接して設けるともに、
図1以下に図示するように、作業部である第1刈刃部24の回転径の放射方向外側である側方に突出するように位置させ、側部が障害物Wに接触して第1刈刃部24の回転中心側に没することによって、障害物を検知することが可能である。
51は、センサアームである。センサアーム51は、検知部5に設ける。センサアーム51は、接触センサであって、第1作業アーム21の前方外周に沿って設ける。
【0044】
センサアーム51は、第1センサアーム511と、第2センサアーム512とからなる。検知部5を構成する第1センサアーム511と、第2センサアーム512は、水平回動可能に設ける。
図1、
図4乃至
図8に図示するように、第1センサアーム511は、一端は第1作業アーム21の進行方向左側から前側にかけた外側に突出させて取り付ける。第2センサアーム512は、一端は第1センサアーム511の第1作業アーム21へ取り付く外側の端部より第1作業アーム21の障害物Wが通過する側である内側に取り付ける。
【0045】
第1センサアーム511と、第2センサアーム512は、一部重複して設置する。第1センサアーム511は、進行方向左側である外側端部に設けた回動支点軸511aで、第2センサアーム512は進行方向左側である外側端部に設けた回動支点軸512aによって、それぞれ水平方向に回動自在である。
図1に示すように、障害物Wを非検知状態のセンサアーム51である第1センサアーム511、第2センサアーム512は、平面視において、作業部である第1刈刃部24から外側に突出した状態である。
【0046】
検知部5のセンサアーム51を、第1センサアーム511、第2センサアーム512の複数で構成することによって、第1センサアーム511の回動支点軸511aから離れた先端部と作業部である第1刈刃部24との離間距離を一定以内に保ちながら、検出精度を向上させることができる。
センサアーム51の先端部は、作業部である第1刈刃部24と一定の距離以内に保てるので、作業部である第1刈刃部24から一定の距離内で障害物を検知することができる。
【0047】
第1センサ52Aは、第1センサアーム511の回動支点軸511aの近傍に設ける当接部53Aに接触可能に、検知部5に設ける。
第1センサ52Aは当接部53Aに接触することで、センサアーム51が回動したか否かの信号を発することが可能である。
【0048】
第1センサ52Aは、当接部53Aが接触することで電気回路図をあらわす
図12乃至
図16に図示する当接位置521を取り、当接部53Aが接触しないことで非当接位置522をとる。つまり、センサアーム51が障害物に接触しなければ第1センサ52Aは非当接位置522であり、センサアーム51が障害物に接触すれば第1センサ52Aは当接位置521となる。
センサアーム51が備える当接部53Aは、所謂カム片からなる。当接部53Aは、第1センサアーム511と共に、回動自在であり、第1センサ52Aに接触可能である。
当接部53Aは周縁の形状を変更すれば、第1センサ52Aが発する信号の発信時期を変更することができる。
【0049】
54は、付勢体である。付勢体54は、検知部5に設ける。付勢体54は、センサアーム51を、作業部である第1刈刃部24の回転軸に対する放射方向外側の側方に向けて付勢する。
55は、連結部である。連結部55は、摺動部551と、ピン552とからなる。摺動部551は、一方のセンサアームである第1センサアーム511に長孔状に形成する。
【0050】
連結部55は、センサアーム51である第1センサアーム511の一端部を、第2センサアーム512の中間部に連結する。連結部55によって、第1センサアーム511の一端部と、第2センサアーム512の中間部を連結する。
ピン552は、摺動部551に向けて突出させるように他方のセンサアームである第2センサアーム512に設け、摺動部551に嵌合する。ピン552は、摺動部551に設けた長孔の範囲で、摺動部551に対して摺動可能である。
【0051】
摺動部551は長孔状であり、第1センサアーム511に設ける。摺動部551は長径方向に向かうにつれて、第1センサアーム511の回動支点軸511aから遠くなるように設ける。他のセンサアームである第2センサアーム512に設けたピン552は、摺動部551の長孔内周を摺動することによって、互いのセンサアーム511、512の回動を連動させることができる。なお、摺動部551の形状や、摺動部551及びピン552の位置は、検知感度や作業部である第1刈刃部24の形状等を勘案し、自由に設定ができる。
【0052】
56は、湾曲部である。湾曲部56は、作業部である第1刈刃部24に沿って湾曲するように、センサアーム51に形成する。
湾曲部56の外側の側面は、前記検知部5が検知状態の平面視において、作業部である第1刈刃部24の側面の外周縁に大略一致するように位置するように設ける。または、作業部である第1刈刃部24の側面の外周縁より内側に位置するように設ける。
【0053】
平面視における、第1作業アーム21の先端部は第1刈刃部24を覆うように設けているため、第1刈刃部24は第1作業アーム21から突出することがなく、障害物Wに第1刈刃部24が接触することがない。この発明の実施例の場合、第1作業アーム21の先端部は円弧状に湾曲しているので、第1作業アーム21の外周縁が障害物Wに接触しながら回動することで、障害物Wをスムーズに当接部23へ案内できる。
【0054】
障害物Wがセンサアーム51に接触且つ押圧した検知状態のとき、センサアーム51は第1作業アーム21の外周縁と一致あるいは第1作業アーム21の外周縁より内側且つ作業部である第1刈刃部24の回転径より外側に位置する。すなわち、第1刈刃部24が障害物Wに可能な限り接近した位置で作業をすることができる。また、第1作業アーム21と第2作業アーム31で挟まれて当接部23に向かう障害物Wが作業部である第1刈刃部24の側方を通過する場合において、検知状態のセンサアーム51が作業部から側方に突出しないので、作業部の障害物Wへの可及的な接近を阻害しない。したがって、第1刈刃部24及び第2刈刃部34はセンサアーム51が邪魔をすることなく、障害物Wの周囲に生える草を障害物Wに可能な限り近接させて刈ることができる。
【0055】
この発明の実施例において、当接部23に向かう障害物Wが作業部である第1刈刃部24及び第2刈刃部34の側方を通過するときに、障害物Wへ接触するのは第1作業アーム21及び第2作業アーム31及びセンサアーム51である。このため、障害物Wを、第1作業アーム21の外周及び第2作業アーム31の外周に沿って、当接部23に案内できる。
【0056】
水平回動するセンサアーム51に湾曲部34を備えているので、センサアーム51が取り付けられている第1作業アーム21の外周縁が湾曲した状態でも、この湾曲に沿ってセンサアーム51を配置できる。また、検知状態の平面視において、作業部である第1刈刃部24の端縁にほほ一致するように配置させることができるので、センサアーム51が作業部である第1刈刃部24から障害物W方向に突出することがなく、センサアーム51及び障害物Wに過大な押圧力が加わることを防止できる。
複数のセンサアームで構成したセンサアーム51の回動支点から離れた先端において、1つのセンサアームのみで構成したときに比べ、大きく外側に突出することがないので、設置する場所が小さくて済む。スペースを有効的に活用でき、適正な部品配置をすることができる。
【0057】
センサアーム51に障害物Wが接触すると、センサアーム51が後方に回動する。すると、センサアーム51後方に設置している第1センサ52Aは、当接部53Aを介して押され、検出状態とする。
センサアーム51は、この実施例では、第1作業アーム21の前方外周に沿って設けたが、第2作業アーム31の前方外周に沿うように併せて設けて、同様の作用を行っても良い。
【0058】
検知部5のセンサアーム51は、第1センサアーム511、第2センサアーム512の複数で構成する。しかし、互いのセンサアーム51である第1センサアーム511、第2センサアーム512は連結構造を取っているため、信号を発するセンサは1個のみの配置で済む。そのため、信号を送る配線や回路、及び、この信号を処理する制御部の内部プログラムを簡素化できる。
また、複数のセンサアーム51の連結により、センサアームの先端部の回動に係る移動距離が短縮できる。障害物Wが接触・押圧して各センサアーム51が回動した場合に、各回動支点部511a,512aから障害物Wが押圧した位置までの距離の差によって生じるセンサの検精度のばらつきを、可能な限り小さくでき、障害物Wの検出の確実性を向上させる。
【0059】
第1センサアーム511の回動は、連結部55を介することによって、他のセンサアームである第2センサアーム512に連動して伝達され、他のセンサアームである第2センサアーム512も同様に同方向に回動する。また、他のセンサアームである第2センサアーム512に障害物Wが押圧して第2センサアーム512が回動する場合は、連結部55を介することによって、他のセンサアームである第2センサアーム512の回動が第1センサアーム511に伝達され、第1センサアーム511も同様に同方向に回動し、スイッチを作動させる。
【0060】
各センサアーム51(第1センサアーム511、第2センサアーム512)の回動は水平方向に回動し、且つ、水平方向に互いの一部を重複させながら重ねて複数配置している。センサアーム51(第1センサアーム511、第2センサアーム512)同士の水平方向の隙間や段差がなくなるため、障害物Wが挟まったり、引っ掛かったりすることがない。
本願発明の実施例は、センサアーム51に対し、障害物Wが水平方向に摺動しながら作業をするため、この点は重要である。
【0061】
第1作業アーム21及び第2作業アーム31を受入可能姿勢(第1姿勢)から排出可能姿勢(第2姿勢)、あるいは排出可能姿勢(第2姿勢)から受入可能姿勢(第1姿勢)に旋回させるためには、動作手段14のロッド141を伸縮動作させる。このようなロッド141の作動の制御に、センサアーム51を使用する。
動作手段14のロッド141の伸縮によって、第1作業アーム21ひいては第2作業アーム31を障害物Wの周囲で回転動作させて、障害物Wへのアーム衝突による損傷を防ぐ。
センサアーム51は障害物Wに対して装置側が能動的に旋回する為の感知機構となる。
【0062】
52Bは、第2センサである。53Bは、当接部である。第2センサ52Bは、第1作業アームの回動支点軸12の周辺付近に設けるとともに、第2作業アーム31の回動軸12の周辺付近に設けた当接部53Bと接触可能に設ける。第2センサ52B及び当接部53Bは回動軸12付近に設置しているため、作業部である第1刈刃部24及び第2刈刃部34より遠ざけることができる。このため、障害物Wはその周囲にある草等が、第2センサ52Bに接触することによる誤検出や破損等を防止できる。
【0063】
当接部53Bは、第1作業アーム21と第2作業アーム31が相対的に閉じて、互いの先端部が接触した場合に、第2センサ52Bと接触する。逆に、当接部53Bは、第1作業アーム21と第2作業アーム31が相対的に開いて、互いの先端部が非接触となった場合には、第2センサ52Bと非接触となる。第2センサ52Bと当接部53Bとは、このような位置関係になるように、それぞれ、第1作業アームの回動支点軸12の周辺付近及び第2作業アーム31の回動軸12の周辺付近に設ける。第2センサ52Bは、第1作業アーム21と第2作業アーム31との相対的な開閉を、当接部53Bとの接触の有無によって検出することができる。
【0064】
第2センサ52Bは、第2作業アーム31と第1作業アーム21が閉じた状態であり、第2作業アーム31と第1作業アーム21が互い接触しているのか、第2作業アーム31と第1作業アーム21が開いた状態であり、第2作業アーム31と第1作業アーム21が互い接触していないのかを検知する。
第2センサ52Bは当接部53Bに接触あるいは非接触することで、第2作業アーム31と第1作業アーム21が相対的に回動したか否かの信号を発することが可能である。
【0065】
第2センサ52Bは、
図12乃至
図16に図示する回路図のように、第1作業アーム21が第2作業アーム31に対して相対的に開いた開位置523と、第1作業アーム21が第2作業アーム31に対して相対的に閉じた閉位置524をとる。第2センサ52Bは、当接部53Bへの接触有無によって、第2センサ52B内の電気回路を切り換えて、第2作業アーム31に対する第1作業アーム21の開閉を検知する。第1作業アーム21が開位置523と、
図12乃至
図16に図示する第1作業アーム21が閉位置524をとることで、第2作業アーム31に第1作業アーム21が接触したことを検出する。
【0066】
当接部53Bは、所謂面状からなる。当接部53Bは第2作業アーム31の回動支点である回動軸12付近に設けているので、第2作業アーム31と一体となって回動する。
当接部53Bは面の突出形状または湾曲形状を変更すれば、第2センサ52Bが発する信号の発信時期を変更することができる。また、当接部53Bは、実施例の他に所謂カム片からなる当接片としてもよい。この場合の当接部53Bは、第2作業アーム31から第1作業アーム側に向けて突出させた周縁を第2センサ52Bに接触させることによって、第2作業アーム31と第1作業アーム21の開閉状態を第2センサ52Bに検出させる。
第2センサ52Bは、当接部53Bを介して押され、第2作業アーム31と第1作業アーム21が相対的に閉じて接触したことを検出する。
【0067】
52Cは、第3センサである。第3センサ52Cは、第2基部材112(11)の回動軸12付近に設ける。
53Cは、当接部である。当接部53Cは、第1作業アーム21の上部且つ回動支点となる回動軸12の周囲付近に設ける。当接部53Cは、回動軸12と同軸に設けたボスによって第1作業アーム21と一体に構成され、第1作業アーム21と共に回動する。
第3センサ52Cは当接部53Cに接触することで、第1作業アーム21が第2基部材112(11)に対して相対的に回動したか否かの信号を発することが可能である。
【0068】
第3センサ52Cは、第1作業アーム21が第1姿勢であるか否かを検出する。
この発明の実施例の電気回路を図示する
図14乃至
図16に図示する525は、第3センサ52Cによって回路が導通すると、第1作業アーム21が第2姿勢であることを検出する検出位置である。これに対し、
図12乃至
図13に図示する検出位置525は、第3センサ52Cによって回路が遮断された状態で、第1作業アーム21が第2基部材112(11)に対して相対的に回動しない第1姿勢であると回路上で認識させる。第2姿勢の検出位置525は、第3センサ52Cにより、第2作業アーム31の位置を検出する。
当接部53Cの第3センサ52Cと接する部分は、例示においては面状部材からなるが、所謂カム片としてもよい。
当接部53Cは接触面の周縁の形状を変更すれば、第3センサ52Cが発する信号の発信時期を変更することができる。
【0069】
油圧回路及び電気回路の構成について説明する。
流体回路図をあらわす
図9乃至
図11に図示するように、アクチュエータあるいはシリンダとも呼ばれる動作手段14は、ボトム側室内143と、ロッド側室内142とからなる。ボトム側室内143と、ロッド側室内142とに油圧が流入することで、アクチュエータ14のロッド141を伸縮する。
アクチュエータ14は、ロッド141を伸縮することで、第1作業アーム21を旋回動作させる。
73は、貯留タンクである。貯留タンク73では、流体を貯留する。実施例において流体は液体である油を採用している。
【0070】
74は、流体圧発生源(ポンプ)である。流体圧発生源(ポンプ)74は、貯留タンク73に接続し、貯留タンク73の油圧を下流側に送る。
75は、第1切換弁(第1制御弁)である。第1切換弁75は、流体圧発生源(ポンプ)74の下流側に、送り管路71aを介して連通する。
第1切換弁(第1制御弁)75は、第1切換弁(第1制御弁)75より下流側に位置するアクチュエータ14に流体を圧送する圧送位置751と、アクチュエータ14へ流体を圧送させない無負荷位置752、のそれぞれに切換可能である。
76は、第2切換弁である。第2切換弁76は、第1切換弁75の下流側且つアクチュエータ14の上流側に配置し、送り管路71bを介して連通する。
【0071】
第2切換弁(第2制御弁)76は、アクチュエータ14のボトム側室内143と、第1切換弁(第1制御弁)との間に送り管路71cを介して連通する。第2切換弁(第2制御弁)76は、アクチュエータ14から第1切換弁(第1制御弁)75側への流体を遮断する遮断位置761と、アクチュエータ14から第1切換弁(第1制御弁)75側との間で流体の出入りが自由となる開放位置762、のそれぞれに切換可能である。
アクチュエータ14のロッド側室内142と第1切換弁(第1制御弁)75と戻り管路72aを介して連通する。
第1切換弁(第1制御弁)75は、戻り管路72bによって、貯留タンク73と連通する。
送り管路71cと、戻り管路72aとの間にリリーフ弁77を設ける。リリーフ弁77の詳細は後述する。
【0072】
電気回路の構成について、
図12乃至
図16にしたがって説明する。
第1センサ52Aは、センサアーム51に障害物Wが接触をしたことによるセンサアーム51の移動を検出する。
第1センサ52Aは、当接位置521と、非当接位置522とを取ることが可能である。当接位置521と、非当接位置522のいずれか一方に切換えることで、電気回路を第1切換弁75に向かう回路か、第2切換弁76に向かう回路かに、択一的に分岐させる。
【0073】
第2センサ52Bは、第1作業アーム21と第2作業アーム31が閉じて互いに接触しているか否かを検出する。第2センサ52Bは、第1作業アーム21と第2作業アーム31が相対的に開いて接触していない開位置523と、第1作業アーム21と第2作業アーム31が相対的に閉じて接触した閉位置524とを取ることが可能である。第2センサ52Bは、開位置523と閉位置524のいずれか一方に切換えることで、第1センサ52Aが非当接位置522に切換わり、第1切換弁75側に分岐した電気回路を再度、第2切換弁76側へ向かう回路である開位置523と、第1切換弁75側に向かう回路である閉位置524とに分岐させることが可能である。
【0074】
第3センサ52Cは、第2作業アーム31が第1姿勢であるか否かを検出する。上記閉位置524とで分岐させて第1切換弁75側に向かう回路を断続させることが可能である。第3センサ52Cは、第2作業アーム31が第1姿勢である場合は、第1切換弁75へ向かう回路を遮断させ、第2作業アーム31が第2姿勢である場合は第1切換弁75へ向かう回路を接続させることができる。
【0075】
アクチュエータ14は、第1作業アーム31の旋回動作を流体圧によって駆動させる。
流体圧発生源74は、アクチュエータ14へ、送り管路71a、送り管路71b、送り管路71cを介して流体圧を圧送することができる。
戻り管路72a、戻り管路72bは、アクチュエータ14から流体圧を貯留タンク73に返送する。
第2切換弁76は、アクチュエータ14と第1切換弁75側との間に配置し、
図9、
図11に図示するような、逆止回路である第1切換弁75側からへアクチュエータ14側の流体の移動を可能としながらもアクチュエータ14から第1切換弁75側への流体を遮断する遮断位置761、
図10に図示するようなアクチュエータ14から第1切換弁75側との間で流体の出入りが自由となる開放位置762、のそれぞれに切換可能である。
【0076】
リリーフ弁77は、第2切換弁76が
図9に図示するような、遮断位置761の場合且つ第1切換弁75が開放位置762の場合であって、送り管路71c内の圧力が高まった場合に、第2切換弁76とアクチュエータ14との間の送り管路71cと戻り管路72aとを連通する連通状態を形成することが可能である。また、リリーフ弁77は、
図11に図示するように、第2切換弁76が遮断位置761の場合且つ第1切換弁75が圧送位置751場合であって、送り管路71a、送り管路71b、送り管路71c内の圧力が高まった場合に、送り管路71cと戻り管路72aとを連通する連通状態を形成することが可能である。
リリーフ弁77による、送り管路71cと戻り管路72aとの連通状態のとき、アクチュエータ14へ流体圧がかからなくなるので、アクチュエータ14は変位自在な状態となる。
【0077】
第1切換弁75は、流体圧発生源74と第2切換弁76との間に位置し、アクチュエータ14に流体を圧送する圧送位置751、アクチュエータ14へ流体を圧送させない無負荷位置752、のそれぞれに切換可能である。
リリーフ弁77による、送り管路送り管路71cと戻り管路72aとの連通状態は第1切換弁75の圧送位置751及び無負荷位置752に関係なく形成することが可能である。
【0078】
草刈装置Aの装置姿勢を示す姿勢と、油圧回路、電気回路の関係について説明する。
この発明の実施例に係る草刈装置Aは、装置姿勢を示す姿勢a乃至装置姿勢を示す姿勢eの姿勢を順次とる。それぞれの姿勢に応じて、油圧回路は油圧回路a乃至cの状態を順次とり、電気回路は電気回路a乃至eの状態を順次とる。
【0079】
(装置姿勢を示す姿勢a)
装置姿勢を示す姿勢aにおける、草刈装置Aの姿勢と、油圧回路、電気回路の関係について説明する。
草刈装置Aは、装置姿勢を示す姿勢aでは、
図1、
図4に図示するように、第1作業アーム21が受入可能姿勢(第1姿勢)を示す。センサアーム51(511、512)が障害物Wを検知していない状態である。第1作業アーム21が第2作業アーム31に接した状態である。第1作業アーム21、第2作業アーム31が通常の作業姿勢である第1姿勢(受入可能姿勢)の状態である。
【0080】
(油圧回路a)
装置姿勢を示す姿勢aでは、油圧回路は、
図9に図示する油圧回路a状態である。第1制御弁75が無負荷位置752にあり、第2制御弁76が遮断位置761にある。第1切換弁(制御弁)75、第2切換弁(制御弁)76は共に導通しているものの、無負荷位置752の第1制御弁75によって、流体圧発生源74で発生させた流体圧は送り管路71aから、無負荷位置752の内部で連通する戻り管路72bに接続する。したがって、流体圧は流体圧発生源74から送り管路71bに向かうことがない。さらに、遮断位置761の逆止回路によって、ボトム側室内143及び送り管路71cの流体は送り管路71b側に向かわないので、アクチュエータ(シリンダ)14を縮み規制させる。すなわち、
図1及び
図4に示す第1作業アーム21及び第2作業アーム31は、第1姿勢(受入可能姿勢)を維持できる。
図1、
図4、
図9、
図12に図示するように、第1センサ52Aによる障害物Wが非検出の状態であって、第2センサ52Bが第2作業アームと第1作業アームとの接触を検出し、且つ第3センサ52Cによって第2作業アームが第1姿勢であることを検出すると、第1切換弁(第1制御弁)75を無負荷位置752に切換えるとともに、第2切換弁(第2制御弁)76を遮断位置761に切換える。
【0081】
(電気回路a)
装置姿勢を示す姿勢aでは、電気回路は、
図12に図示する電気回路a状態にある。第1センサ52Aは非当接位置522にある。第2センサ52Bは第1作業アーム21、第2作業アーム31が相対的に閉じて接触しているので閉位置524にある。第3センサ52Cは第2作業アーム31が第2姿勢(排出可能姿勢)ではないので、検出位置525を検出していない。したがって、第1切換弁75、第2切換弁76のそれぞれには電圧がかからずに、それぞれの復帰位置である、第1切換弁75を無負荷位置752にさせるとともに、第2切換弁76を遮断位置761に切換える。
【0082】
(装置姿勢を示す姿勢b)
装置姿勢を示す姿勢bにおける、草刈装置Aの姿勢と、油圧回路、電気回路の関係について説明する。
草刈装置Aは、装置姿勢を示す姿勢bでは、
図5に図示するように、センサアーム51(511、512)が障害物Wを検知した状態である。第1作業アーム21が第2作業アーム31に接した状態である。第1作業アーム21、第2作業アーム31が通常の作業姿勢である第1姿勢(受入可能姿勢)の状態をあらわす。
【0083】
(油圧回路b)
装置姿勢を示す姿勢bでは、油圧回路は、
図10に図示する油圧回路bである。第1制御弁75が無負荷位置752にあり、第2制御弁が開放位置762にある。流体圧発生源74から発生した流体圧は無負荷位置752によって、貯留タンク73に返送され、アクチュエータ14には圧力がかからない。アクチュエータ14のロッド側室内142とボトム側室内143は、第2切換弁76と第1制御弁75を介して、互いに流体が往来可能な連通状態となり、アクチュエータ14のロッド141は出没自在な状態となる。
【0084】
(電気回路b)
装置姿勢を示す姿勢aでは、電気回路は、
図13に図示する電気回路b状態にある。第1センサ52Aはセンサアーム51(511、512)が障害物Wに押圧されて回動しているので当接位置521にある。第2センサ52Bは第1作業アーム21、第2作業アーム31が互いに閉じて接触しているので閉位置524にある。第3センサ52Cは第2作業アーム31が第2姿勢(排出可能姿勢)ではないので、検出位置525を検出していない。
電気回路上、当接位置521にある第1センサ52A経由で第2切換弁(制御弁)76に電力を導通させるので、第2切換弁(制御弁)76は開放位置762に切り換わる。これに対し、第1切換弁75には電気的な印加がされないので、第1切換弁75は復帰位置である無負荷位置752の状態である。したがって、アクチュエータ(シリンダ)14が流体圧のかからない伸縮自由状態(変位自在状態)となり、機体の進行に伴う障害物Wの第1アーム21への押圧によって、第1アーム21を後方側に回動させることができる。
【0085】
(装置姿勢を示す姿勢c)
装置姿勢を示す姿勢cにおける、草刈装置Aの姿勢と、油圧回路、電気回路の関係について説明する。
草刈装置Aは、装置姿勢を示す姿勢cでは、
図6に図示するように、センサアーム51(511、512)が障害物Wを検知した状態である。障害物Wが第1作業アーム21と第2作業アーム31とによって挟まれた状態であるので、第1作業アーム21が第2作業アーム31から離れた状態である。第1作業アーム21及び第2作業アーム31が通常の作業姿勢である第1姿勢(受入可能姿勢)から、第2姿勢(排出可能姿勢)側に移行後、回動途中の状態をあらわす。センサの検出によって、切換弁(制御弁)の切換えを行い、第1作業アーム21及び第2作業アーム31が回動自在な状態である。
【0086】
(油圧回路b)
装置姿勢を示す姿勢cでは、油圧回路は、
図10に図示する油圧回路bである。第1制御弁75が無負荷位置752にあり、第2制御弁が開放位置762にある。油圧回路bの詳細は上記した(油圧回路b)に記載の通りであるので、繰り返しの説明は省略する。
【0087】
(電気回路c)
装置姿勢を示す姿勢cでは、電気回路は、
図14に図示する電気回路c状態にある。第1センサ52Aは当接位置521にある。第2センサ52Bは第1作業アーム21、第2作業アーム31が障害物Wを挟んで相対的に開いているので、開位置523にある。第3センサ52Cは、第2作業アーム31が障害物Wを第1作業アーム21で挟むとともに、後方側に水平回動して第2姿勢(排出可能姿勢)であるので、検出位置525を検出している。電気回路において、第1センサ52Aの当接位置521経由で第2切換弁(制御弁)76に電力を導通させ、開放位置762に切換える。これに対し、第1切換弁75は電圧が印加されないので、無負荷位置752の状態である。したがって、アクチュエータ(シリンダ)14が流体圧のかからない伸縮自由状態(変位自在状態)であり、上記姿勢b及び油圧回路b及び電気回路bの状態に引き続いて、障害物Wの押圧による第1アーム21の後方側への回動を継続させることができる。
【0088】
(装置姿勢を示す姿勢d)
装置姿勢を示す姿勢dにおける、草刈装置Aの姿勢と、油圧回路、電気回路の関係について説明する。
草刈装置Aは、装置姿勢を示す姿勢dでは、
図7に図示するように、第1作業アーム21及び第2作業アーム31が第2姿勢のときであって、センサアーム51(511、512)が障害物Wを検知していない状態をあらわす(第1作業アーム21が回動駆動時にセンサアーム51(511、512)から障害物Wが離れた場合である)。障害物Wは第1作業アーム21と第2作業アーム31で挟まれた状態であり、第1作業アーム21が第2作業アーム31から離れた状態にある。
第1作業アーム21及び第2作業アーム31が通常の作業姿勢である第1姿勢(受入可能姿勢)から、第2姿勢(排出可能姿勢)側に回動途中の状態にある。
【0089】
(油圧回路b)
装置姿勢を示す姿勢dでは、油圧回路は、
図10に図示する油圧回路bである。第1制御弁75が無負荷位置752にあり、第2制御弁が開放位置762にある。油圧回路bの詳細は上記した(油圧回路b)に記載の通りであるので、繰り返しの説明は省略する。
【0090】
(電気回路d)
装置姿勢を示す姿勢dでは、電気回路は、
図15に図示する電気回路dである。障害物Wはセンサアーム51から離れた状態であるため、第1センサ52Aは非当接位置522にある。第2センサ52Bは第1作業アーム21、第2作業アーム31が互いに開いた状態であるので開位置523にある。第3センサ52Cは第2作業アーム31が第2姿勢(排出可能姿勢)のため検出位置525を検出している。
第1センサ52Aと第2センサ52C経由で第2切換弁(制御弁)76が導通するので、第2切換弁(制御弁)76は開放位置762となる。したがって、アクチュエータ(シリンダ)14が伸縮自由状態(変位自在状態)である。
【0091】
例示の姿勢dの場合、障害物Wはセンサアーム51及び第1作業アーム21から離れた状態であり、第1作業アーム21が後方側に押圧されないので、伸縮自由状態のアクチュエータ14は伸縮しない。機体の進行によって、再び、センサアーム51及び第1作業アーム21が障害物Wで押されると、上記姿勢cの状態となり、第1作業アーム21が後方に回動する。このため、第2姿勢において、障害物Wとセンサアーム51及び第1作業アーム21の接触状態によって、姿勢cと姿勢eの状態を交互に繰り返す状態となっても、アクチュエータ14はロッド141に外部からの力である障害物Wが第1作業アーム21を回動させる力がかからない限り、伸縮することがない。つまり、センサアーム51が障害物Wに押されている場合、又は、第1作業アーム21が第2姿勢であって、第1作業アーム21と第2作業アーム31が相対的に開いている場合は、第2切換弁(制御弁)76が開放位置762となるため、第1作業アーム21は流体圧によらず自由に水平回動することができる。
【0092】
(装置姿勢を示す姿勢e)
装置姿勢を示す姿勢eにおける、草刈装置Aの姿勢と、油圧回路、電気回路の関係について説明する。
草刈装置Aの装置姿勢を示す姿勢eでは、
図8に図示するように、センサアーム51(511、512)が障害物Wを検知していない状態である。第1作業アーム21が第2作業アーム31に接した状態である。
第1作業アーム21及び第2作業アーム31共に第2姿勢(排出可能姿勢)側に回動した状態である。つまり、障害物Wを挟んだ第1作業アーム21及び第2作業アーム31の先端側が共に第2姿勢(排出可能姿勢)側である後方に回動後、障害物Wが第1作業アーム21及び第2作業アーム31から排出後に離れて、第1作業アーム21及び第2作業アーム31が閉じている状態である。
【0093】
(油圧回路c)
装置姿勢を示す姿勢eでは、油圧回路は、
図11に図示する油圧回路cである。第1制御弁75が圧送位置751にあり、第2制御弁76が遮断位置761にある。流体圧発生源74から発生した流体圧は、圧送位置751によって送り管路71aと送り管路71bを介して第2切換弁76に圧送される。圧送位置751での送り管路71aと送り管路71bは、戻り管路72aと戻り管路72bとの連通状態とはならないので、流体が貯留タンク73に返送されない。つまり、流体の上流側と下流側は別の回路となっている。第2制御弁76が逆止回路である遮断位置761によって、流体圧発生源74側から送られた流体圧は、遮られること無く、下流側であるアクチュエータ14のボトム側室内143に送られる。ロッド側室内142の流体は、さらに下流の戻り管路72a、第1制御弁75、戻り管路72bを介して、貯留タンク73に戻る。よって、アクチュエータ14のロッド141が突出し、アクチュエータ14を伸長させることができる。
【0094】
(電気回路e)
装置姿勢を示す姿勢eでの、電気回路は、
図16に図示する電気回路eである。
第1センサ52Aはセンサアーム51(511、512)が障害物Wに押圧されていないので、非当接位置522にある。第2センサ52Bは第1作業アーム21、第2作業アーム31が互いに閉じて接触しているので、閉位置524にある。第3センサ52Cは第2作業アーム31が第2姿勢(排出可能姿勢)の状態であるので、検出位置525を検出している。
電気回路eにおいて、第1センサ52A乃至第3センサ経由で第1切換弁75を導通させ、印加させることによって、第1切換弁75が圧送位置751に切換わる。第1切換弁75に対し、第2切換弁76は導通状態が解除されるので、電気的な印加がなされずに遮断位置761に復帰させる。
アクチュエータ(シリンダ)14を伸長側に駆動させ、第1作業アーム21及び第2作業アーム31を第1姿勢(受入可能姿勢)に復帰させる。
【0095】
草刈装置Aの作動を説明する。
図1乃至
図8に図示するように、草刈装置Aは、走行機体に進行方向前方側に押されあるいは引っ張られて駆動され草刈りをする。作業中には、障害物Wが存在する場合がある。
第1弾性体41は、第2作業アーム31を第1作業アーム21に寄せる方向に付勢しているため、第1作業アーム21と第2作業アーム31とは近接され、両者間の先端部は閉鎖されている。また、第1作業アーム21は動作手段14によって先端部を前方に向けられる。同時に第2作業アーム31は、第1作業アーム21に押されるので第2弾性体42の付勢力に抗して前方に向けられる。したがって、第1作業アーム21及び第2作業アーム31は、受入可能姿勢(第1姿勢)を取っている状態である。
【0096】
(装置姿勢を示す姿勢a)
通常の草刈作業状態では、
図1、
図4に図示するように、第2作業アーム31を第1作業アーム21に寄せる方向に付勢する第1弾性体41は伸びている。このとき、動作手段14のロッド141は、伸状態を取っている。
センサアーム51(第1センサアーム511、第2センサアーム512)は、障害物Wに接触しておらず、障害物Wを感知していない。
第1作業アーム21、第2作業アーム31、センサアーム51は、このような進行方向前方を向いた状態をとって受入可能姿勢(第1姿勢)となり、走行機体は、草刈装置Aを進行方向前方に移動させる。この時の電気回路は、
図9に示す電気回路aであり、油圧回路bを形成させる。
【0097】
草刈装置Aは、進行中に障害物Wがあると、
図4乃至
図8に図示するように障害物Wが第2作業アーム31に当接する。
【0098】
(装置姿勢を示す姿勢b)
図5では、障害物Wと第2作業アーム31が当接した瞬間をあらわしている。
図4に例示するこの発明の実施例の場合、障害物Wは第1作業アーム21の刈刃241回転軸上に配置した油圧モータ242と、第2作業アーム31の刈刃341回転軸上に配置した油圧モータ342の間に位置し、且つ、第1作業アーム21及び第2作業アーム31の先端部に当接した状態を示している。さらに、障害物Wはセンサアーム51を押圧していて、第1センサ52Aが第1作業アーム21に障害物Wが接触をしたことを検出している状態である。
【0099】
図4に図示する状態から、走行機体が進行しながら障害物Wに当接すると
図5に図示する状態となる。
図5に図示するように、障害物Wが第1作業アーム21に当接するとともに、障害物Wがセンサアーム51に接触して感知し、センサアーム51が後方に回動する。センサアーム51後方に設置している第1センサ52Aを押し、当接位置521に電気回路を切換えた検出状態とする。すなわち、電気回路は、
図13に図示する電気回路bの状態となり、油圧回路を
図10に示す油圧回路bを形成する。
【0100】
第1センサ52Aが検出状態の電気回路bをとると、動作手段14の油圧制御バルブの電磁弁である第2切換弁76を開放位置762側に作動させて油圧回路bを形成し、動作手段14のロッド141を短縮可能な状態にさせる。また、この場合の第1切換弁75は無負荷位置752のままであるので、第1作業アーム21は自由に回動可能な状態となる。以下ロッド141を短縮駆動させるまでの一連の作動の制御に、センサアーム51を使用する。
【0101】
(装置姿勢を示す姿勢c)
図5に図示する状態から、走行機体が走行を続行すると、
図6に図示する状態となる。
図6に図示する状態では、走行機体の進行による障害物Wの押圧によって、第1作業アーム21を外側に開き、障害物Wが第1作業アーム21と第2作業アーム31との間に位置した状態となる。
図6に2点鎖線であらわす障害物Wは、走行機体の進行が進み、更に当接部23側に相対移動した位置であり、障害物Wの押圧によって第1作業アームが後方側に回動している途中の状態である。第2作業アーム31は、第1作業アーム21に追従するように回動した第2姿勢に移行している。
【0102】
障害物Wが、センサアーム51を押圧するとともに第1作業アーム21と第2作業アーム31の間に入り込むと、障害物Wによって第1センサ52A、第2センサ52B、第3センサ52Cのそれぞれが検出状態となり、動作手段14のロッド141を短縮可能な状態にさせる。すると、
図6に図示するように、第1作業アーム21は、旋回軸12を旋回中心として第2作業アーム21から離れる方向である後方側に旋回する。
この時、第2弾性体42は短縮動作をするため、受入可能姿勢(第1姿勢)のときに比較して、反発力をさらに増加させた状態となる。
図6に示すように、障害物Wが当接部23付近に相対移動すると、第2作業アーム31は第2弾性体42によって、第1作業アーム21側に旋回移動する。したがって、障害物Wは、第1作業アーム及び第2作業アームに接触しながら挟まれた状態となる。すなわち、電気回路は
図14に示す電気回路cを形成し、油圧回路を
図10に示す油圧回路bを形成する。
動作手段14のロッド141は自由に伸縮自在な状態となっているので、第1作業アーム21、第1作業アーム21に連結する第2作業アーム31、を障害物Wの周囲で障害物Wの接触によって受動的に回転動作させて、障害物Wへのアーム衝突による損傷を防ぐ。
【0103】
図6に図示するように、第2弾性体42で、障害物Wを第1作業アーム21と第2作業アーム31の間に接触させるので、刈刃241、刈刃341で障害物Wの周囲の限りなく近い位置を刈ることができる。
障害物Wが、第1作業アーム21と第2作業アーム31の刈刃241、刈刃341の間を通過中は、障害物Wを当接部23あるいは旋回軸12付近に効率的に送り込むことができる。
その後、第1作業アーム21と第2作業アーム31の回動支点である旋回軸12側に障害物Wを相対移動させる。
【0104】
図6に図示するように、草刈装置Aは、第1作業アーム21と第2作業アーム31との間で障害物Wを挟んで更に進行する。すると、障害物Wが当接部23、センサアーム51(第1センサアーム511、第2センサアーム512)に当接する。同時に、障害物Wは旋回軸12側への移動を継続したのち、当接部23を押圧する。センサアーム51の押圧によって、第1センサ52Aが検出状態となって、第1作業アーム21が障害物Wによって当接部23を押圧するので、旋回軸12を回転中心として回転する。第1作業アーム21に連結する第2作業アーム31も、第2弾性体42の増加した反発力によって第1作業アーム21に連動して回転することができる。
【0105】
走行機体、草刈装置Aは、更に進行する。走行機体の進行と共に、動作手段14のロッド141が更に縮むと、旋回軸12を回転中心として更に第1作業アーム21は、後方側に回転する。
第2作業アーム31は、旋回駆動可能となった第1作業アーム21に連結するので、第1作業アーム21に連動して旋回する。また、第2作業アーム31は、第1作業アーム21とは別に旋回自在であるが、第2弾性体42により第1作業アーム21側に付勢されているので、障害物Wを旋回軸12及び当接部23付近で挟みながら旋回する。
すると、障害物Wに接触した草刈装置Aの第1作業アーム21及び第2作業アーム31の先端部は、後方側を向く。
【0106】
(装置姿勢を示す姿勢d)
図6に図示する状態から、走行機体が進行速度を変化させて走行させる、あるいは、第1作業アーム21及び第2作業アーム31にさらに回動が阻害される等の回動が適正に行われない場合、
図7に図示する状態となることがある。この状態は、第1作業アーム21及び第2作業アーム31が排出可能姿勢(第2姿勢)をあらわし、障害物Wによるセンサアーム51の押圧が解除された状態、及び、第1作業アーム21が第2作業アーム31に対して開く方向に回動した状態である。すなわち、電気回路は
図15に示す電気回路dを形成し、油圧回路を
図10に示す油圧回路bを形成する。電気回路dの導通経路は、姿勢b及び姿勢cの場合に比較して変更があるものの、油圧回路は姿勢b及び姿勢cの場合と変更がないので、引き続き、第1作業アーム21が自由に回動できる状態である。第2姿勢、且つ、第1作業アーム21が第2作業アームに対して相対的に開いた状態のとき、センサアーム51の押圧が解除されても、動作手段14が駆動状態となる油圧回路構成とならない。このため、不意な動作で障害物W及び草刈装置Aを損傷させることが無い。
【0107】
(装置姿勢を示す姿勢e)
図6及び
図7に図示する状態から、走行機体が進行を継続すると、
図8に図示する状態となる。
図8に図示するように、走行機体に進行に伴って相対的に障害物Wが、後方側を向いた当接部23を離れ、後方を向いた第1作業アーム21及び第2作業アーム31の先端部に向かう。やがて、第1作業アーム21及び第2作業アーム31の先端部から障害物Wが後方側に離脱する。
【0108】
図8に示す排出可能姿勢(第2姿勢)において、走行機体の進行と共に、障害物Wは、第1作業アーム21及び第2作業アーム31から離脱する。離脱時において、障害物Wは、第2作業アーム31を押し退けて後方側に相対移動する。第2作業アーム31は第2弾性体42で付勢されているので、障害物Wが第2作業アーム31を押し退けた後は、再度第1作業アーム21側に回動する。
【0109】
障害物Wが、第1作業アーム21及び第2作業アーム31から離脱すると、センサアーム51は、障害物Wと接触しないため、障害物Wを感知しない。第1作業アーム21及び第2作業アーム31は障害物Wを挟んではいないため、互いに閉じて接触している。
排出可能姿勢(第2姿勢)であって、センサアーム51で障害物Wを感知しなくなり、第1作業アーム21及び第2作業アーム31が互いに閉じると、第1センサ52Aが非当接位置522をとり、第2センサ52Bは閉位置524をとるため、電気回路は
図16に示す電気回路eの状態となる。電気回路eは油圧回路を
図11に示す油圧回路cの状態を形成させ、動作手段14のロッド141伸長させる。すると、第1作業アーム21は先端部を前方に向けた元の位置の受入可能姿勢である第1姿勢に復帰する。
第2作業アーム31は第2弾性体42の弾性力で、回転移動する第1作業アーム21に付随して第2作業アーム21も移動して第1姿勢に復帰する。
【0110】
(1)油圧回路の作用効果について説明する。
図10に図示するように、第1切換弁(制御弁)75が無負荷位置752のとき、第1切換弁(制御弁)75はポンプ(流体圧発生源)74側の回路とタンク73側の回路とが連通状態となっている。さらに、第1切換弁(制御弁)75とアクチュエータ(シリンダ)14のロッド側室内142へ連絡する回路(送り管路71b、71c)は、連通状態となっている。
すなわち、アクチュエータ(シリンダ)14のロッド側室内142へ通じる回路(戻り管路72a、72b)は、ポンプ74側及びタンク73側と連通状態である。このため、ポンプ74から圧送される流体圧は、アクチュエータ14のロッド側回路142へ圧力をかけずに、タンク73側に返される。さらに、ポンプ74で発生させた流体圧は、強制的に止めること無くタンク73側に返送されるので、第1切換弁(制御弁)75とポンプ74及びタンク73間の回路に制御弁等を追加する必要が無くなる。
【0111】
(2)この発明の実施例の場合、ポンプ74は、走行機体からの動力によって、常時駆動状態となるため、この動力切換えや、ポンプ74で発生させた流体圧の切換えをする必要が無い。すなわち、流体圧発生源(ポンプ)74と流体貯留タンク(オイルタンク)73を共通としながらも、送り側管路(71b、71c)戻り側管路(72b、72c)を可能な限り簡素な回路構成として、装置全体を極力簡素な構成とすることができる。
【0112】
(3)
図9に図示するように、第1切換弁(制御弁)75が無負荷位置752のときであって、さらに第2切換弁(制御弁)76を遮断位置761に切換えた時、アクチュエータ(シリンダ)14のボトム側室内143から第1切換弁(制御弁)75に向かう流体の流れが止められる。従って、アクチュエータ14は短縮することなく、現在の伸縮位置を維持することができる。すなわち、通常作業時の姿勢である第1姿勢(受入可能姿勢)を維持する。
【0113】
(4)
図10に図示するように、第1切換弁(制御弁)75が無負荷位置752のときであって、第2切換弁(制御弁)76を開放位置762に切換えた時、ボトム側室内143と第1切換弁(制御弁)75に向かう流体の流れは自由に往来可能となる。すなわち、アクチュエータ(シリンダ)14のロッド側室内142及びアクチュエータ(シリンダ)14のボトム側室内143は、タンク73に連通状態となる。
【0114】
さらに、無負荷位置752のときの第1切換弁(制御弁)75は、アクチュエータ(シリンダ)14のロッド側室内142とボトム側室内143とを連通状態にさせる。従って、ポンプ74から圧送される流体圧はタンク73に返されてアクチュエータ14には圧力が掛からない。また、ロッド141は自由に伸縮可能な状態にすることができ、第1作業アーム21は障害物Wの押圧によって、受動的に受入可能姿勢(第1姿勢)から排出可能姿勢(第2姿勢)側に回動することができる(障害物による第1作業アーム21の排出可能姿勢(第2姿勢)方向への回動)。
【0115】
(5)
図11に図示するように、第1切換弁(制御弁)75が圧送位置751のとき、第1切換弁(制御弁)75は、ポンプ74側の回路(71a、71b、71c)とアクチュエータ(シリンダ)14のボトム側室内143を連通させ、且つ、アクチュエータ(シリンダ)14のロッド側室内142とタンク73側の回路(72a、72b)とをそれぞれ連通状態にさせる。
このため、ポンプ74から圧送される流体圧は、アクチュエータ14のボトム側143回路(71a、71b、71c)へ圧送され、アクチュエータ14のロッド141を伸長させることができる。アクチュエータ14のロッド側142回路(72a、72b)内の流体は第1切換弁(制御弁)75を経由してタンク73側に返される。
【0116】
この時の、第2切換弁(制御弁)76の切換え位置は、遮断位置761、開放位置762のどちらであってもアクチュエータ14の伸長動作の駆動に影響はない。この発明の実施例の場合の第2切換弁(制御弁)76は、遮断位置761に切換えるものの第1切換弁(制御弁)遮断位置75からボトム側室内143に向かう流体の流れを妨げることがない(排出可能姿勢(第2姿勢)から受入可能姿勢(第1姿勢)への復帰動作)。
【0117】
(6)
図11に図示するように、第1切換弁(制御弁)75が圧送位置751状態のとき、第2切換弁(制御弁)76が遮断位置761に切換わるのは、第1切換弁(制御弁)75及び第2切換弁(制御弁)76の2つの切換弁(制御弁)をそれぞれ切換え動作をさせる電気回路(詳細は後述)を、3つのセンサ(スイッチ)によって動作するように、リレー回路を構成しているために発生する。(3)の動作と、(5)の動作を簡易な構成によって実現したものである。(仮に、上記
図11に図示する(5)のときに第2切換弁(制御弁)76を開放位置762にする場合は、別途制御装置が必要になり、簡易な構成とはならない)
【0118】
(7)この発明の実施例の流体圧回路の構成によって、第1作業アーム21及び第2作業アーム31はアクチュエータ14の1つのみで回動することができる。すなわち弾性体であるスプリングを設置していることによって、第2作業アーム31は第1作業アーム21に追従するように回動動作が可能である。
【0119】
(8)2つの切換位置を有する第1切換弁(制御弁)75の切換え動作のみで、アクチュエータ14の伸長方向への動作駆動と、伸縮方向への自由動作の、それぞれに切り換えることができる。
したがって、第1作業アーム21の受入可能姿勢(第1姿勢)側への強制復帰と、障害物を挟んだ時の受動動作を容易に切り換えることができる。
【0120】
(9)第2切換弁(制御弁)76の遮断位置761でアクチュエータ(シリンダ)14のボトム側室内143の圧力の流出を遮断するのみで、アクチュエータ14の短縮を阻止するので、回路構成の簡略化ができる。
(10)第1切換弁(制御弁)75及び第2切換弁(制御弁)76を切換えるために、第1センサ52A、第2センサ52B、第3センサ52Cの、3つのセンサを使用する。この3つのセンサと2つの切換弁(制御弁)をリレー回路によって接続することによって、2つの切換弁(制御弁)は制御装置を要せずに動作することが可能となっている。
【0121】
(11)電気回路の作用効果について説明する。
通常作業位置である第1作業アーム21及び第2作業アーム31が受入可能姿勢(第1姿勢)のときの電気回路の状態を説明する。
図12に図示するように、第1センサ52Aは障害物W等に当接していないので、回路を非当接位置522に切換えて第2センサ52Bへ通じる回路に接続する。
【0122】
第2センサ52Bは、第2作業アーム31と第1作業アーム21が閉じた状態であり、第2作業アーム31と第1作業アーム21が互い接触しているので、回路を当接の位置(作業アームが閉位置524)に切換えて第3センサへ通じる回路に接続する。第3センサは第2作業アーム31が受入可能姿勢(第1姿勢)であるので導通しない(受入可能姿勢(第1姿勢)であることを検出する)。
従って、第1切換弁(制御弁)75と第2切換弁(制御弁)76へは電源との導通(図中+12VとGNDの双方に接続した状態)が切断され、切換弁の復帰位置である、第1切換弁(制御弁)75を無負荷位置752、第2切換弁(制御弁)76を遮断位置761に、それぞれを切換える。
【0123】
(12)第1作業アーム21に備えたセンサアーム51(第1センサアーム511、第2センサアーム512)に障害物Wが接触した場合の電気回路の状態を説明する。
図13に図示するように、第1センサ52Aは、障害物W等に当接して回動したセンサアーム51を検出し、回路を当接の位置521に切換えて、第2切換弁(制御弁)76に通じる回路に接続する。そのため、第2切換弁(制御弁)76は電源に接続され、開放位置762に切り替わる。その後、流体回路は
図10に図示する(4)の状態になる。第1切換弁(制御弁)75は電源との導通が切断されているので、復帰位置である無負荷位置752である。
【0124】
(13)センサアーム51に障害物Wが接触した場合、第2作業アーム31と第1作業アーム21が開いた状態、且つ、第2作業アーム31が排出可能姿勢(第2姿勢)側に回動した場合を説明する。
この状態では、
図14に図示するように、第2センサ52Bが切り替わって第2切換弁(制御弁)76側に回路を接続し(作業アームが開位置523)、且つ、第3センサが第1切換弁(制御弁)75と導通状態となる(第2姿勢の検出位置)。しかし、第1センサ52Aによって、当接位置521と接触し、第2切換弁(制御弁)76に通じる回路に電源を接続するので、第2切換弁(制御弁)76は開放位置762を維持する。これに対し、第1切換弁(制御弁)75は電源との導通が切断されているので、復帰位置である無負荷位置752である。流体回路は(4)の状態のまま維持している。
【0125】
(14)上記(10)の状態(第1切換弁(制御弁)75及び第2切換弁(制御弁)76を切換えるために、第1センサ52A、第2センサ52B、第3センサ52Cの、3つのセンサを使用する。この3つのセンサと2つの切換弁(制御弁)をリレー回路によって接続)であって、第1作業アーム21に備えたセンサアーム51(第1センサアーム511、第2センサアーム512)が障害物Wに非当接状態、第2作業アーム31と第1作業アーム21が開いた状態、第2作業アーム31が排出可能姿勢(第2姿勢)側に回動している状態となった場合を説明する。
図15に図示するように、第1センサ52Aは障害物W等に当接していないので、回路を非当接位置522に切換えて第2センサ52Bへ通じる回路に接続する。
【0126】
第2作業アーム31と第1作業アーム21が開いた状態、且つ、第2作業アーム31が排出可能姿勢(第2姿勢)側に回動しているので、第2センサ52Bは非接触(作業アームが開位置523)を検出する。したがって、GND側の電源と接続状態の第2センサ52Bは、第2切換弁(制御弁)76側に回路を接続し、第2切換弁(制御弁)76は電源に接続した状態を維持する。
【0127】
流体回路は、第2切換弁(制御弁)76を開放位置762にしたままの状態を維持することができる。第3センサは、第2作業アーム31が受入可能姿勢(第1姿勢)ではないと検出し、第1切換弁(制御弁)75と第3センサを導通状態にさせるが(第2姿勢の検出位置525)、第1切換弁(制御弁)75は電源と導通状態とならないため、無負荷位置752のままとなる。これにより、流体回路は、(4)の状態を維持することができる。
【0128】
(15)第1作業アーム21と第2作業アーム31が排出可能姿勢(第2姿勢)であって、センサアームから障害物Wが離れ第1センサ52Aが障害物との接触を検出せず、且つ、第1作業アーム21と第2作業アーム31が閉じた状態を説明する。
すなわち、
図8に図示するように、第1作業アーム21と第2作業アーム31で障害物Wを挟んだ後、機体の進行とともに回動し、その後、障害物Wが第1作業アーム21と第2作業アーム31から離れた状態を説明する。
【0129】
図16に示すように、第1センサ52Aは障害物W等に当接していないので、GND側の電源回路を非当接位置522に切換えて、第2センサ52Bへ通じる回路に接続する。第2作業アーム31と第1作業アーム21が互い接触しているので、回路を当接位置(作業アームが閉位置524)に切換えて、GND側の電源回路は第3センサへ通じる回路に接続する。
【0130】
第3センサは第2作業アーム31が排出可能姿勢(第2姿勢)であるので導通状態(排出可能姿勢(第2姿勢)であることを検出、第2姿勢の検出位置525)となる。従って、第2切換弁(制御弁)76は電源との導通が切断されて遮断位置761に復帰し、第1切換弁(制御弁)75は電源に接続(図中+12VとGNDの双方に接続)することによって、圧送位置751に切り換わる。
流体回路は上記(5)の状態となり、第1作業アーム21及び第2作業アーム31は受入可能姿勢(第1姿勢)に回動駆動する。
【0131】
油圧回路及び電気回路の作用効果について説明する。
(1)アクチュエータ14のボトム側室内143は流体圧発生源(ポンプ)74と送り管路71a、71b、71cによって接続し、アクチュエータ14のロッド側室142内は戻り管路72a、72bによって貯留タンク73に接続している。なお、送り管路71b、71cには第2切換弁76が配置していて、
図9(油圧回路a、姿勢a
図1、
図4、電気回路a
図12)、
図11(油圧回路c、姿勢e
図8、電気回路e
図16)に図示するように、第2切換弁76が遮断位置761の場合は、ボトム側室内143から流体圧発生源74側への流体の移動ができないようになっている。
【0132】
(2)
図9、
図11に図示するように、第2切換弁76が遮断位置の場合、送り管路71a、71b、71c内の圧力上昇に伴ってリリーフ弁77が作動する。これによって、送り管路71a、71b、71c内の流体を戻り管路72a、72b内に逃がす。この発明の実施例における、送り管路71a、71b、71c内の圧力上昇は、第1作業アーム21又は第2作業アーム31に障害物W等が接触し、第2姿勢側に強制的に押圧された状況を想定している。すなわち、アクチュエータ14であるシリンダ14のロッド141が短縮する方向への押圧によって、ボトム側室内143と第2切換弁76の間の送り管路71a、71b、71c内の圧力が上昇する。圧力上昇によって、リリーフ弁77が動作し、送り管路71a、71b、71c内の流体(圧)を戻り管路72a、72bに逃がす。
【0133】
(3)リリーフ弁77の動作状態では、アクチュエータ14のボトム側室内143及びロッド側室142ともに、貯留タンク73に接続している。さらに、ボトム側室内143はロッド側室142に連通状態となるため、シリンダであるアクチュエータ14は伸縮が自由な状態(変位自在な状態)となる。実施形態に照らし合わせると、第2姿勢側に強制的に押圧された第1作業アーム21又は第2作業アーム31は、障害物Wに抗することなく、第2姿勢側に回動することができる。したがって、第1作業アーム21又は第2作業アーム31を含む草刈装置Aの損傷を防ぐことができる。
この場合の強制的な押圧とは、各センサ52A、52B、52Cの検知が行われずに各切換弁75、76が正常な動作をしていない状態での押圧を指す。
【0134】
(4)なお、
図10(油圧回路b、姿勢d
図7、電気回路d
図15)に図示するように、第2切換弁76が開放位置、且つ、第1切換弁75が無負荷位置の場合、送り管路71a、71b、71c内の圧力上昇があっても、無負荷位置の第1切換弁75内で送り管路71a、71b、71cと戻り管路72a、72bが連通しているので、送り管路71a、71b、71c内の流体を戻り管路72a、72b内に逃がす。さらに、ボトム側室内143はロッド側室142に連通状態となるため、リリーフ弁77を動作させること無くシリンダであるアクチュエータ14は伸縮が自由な状態(変位自在な状態)となる。
実施形態に照らし合わせると第2姿勢側に強制的に押圧された第1作業アーム21又は第2作業アーム31は、障害物Wに抗することなく、第2姿勢側に回動することができる(実施例における、各センサ52A、52B、52Cの検知によって、各切換弁75、76を動作させた正常な動作状態)。
【0135】
(5)但し、上記した正常な動作状態であっても、例えば、アクチュエータ14の伸縮動作速度が速すぎる、などの異常によって送り管路71a、71b、71c内の圧力が上昇した場合は、リリーフ弁77が動作して、回路及び装置の損傷を未然に防ぐことができる。
(6)
図11(油圧回路c、姿勢e
図8、電気回路e
図16)に図示するように、第1切換弁75が圧送位置の場合であっても、送り管路71a、71b、71c内の流体圧力が上昇したときは、第2切換弁76の切換位置によらず、リリーフ弁77が動作して圧力を戻り回路に逃がすことができる。
【0136】
(7)アクチュエータ14の駆動状態、非駆動状態をさせる回路構成を簡易にしながらも、各アームの駆動機構及び緩衝機構を実現している。
(8)実施形態でのアクチュエータ14は、シリンダとして説明したが、流体圧モータを用いて第1作業アーム21を回動させてもよい。また、シリンダとしてのアクチュエータ14の伸縮動作と第1作業アーム21の回動方向は、必ずしも例示のものに限定はされない。
【0137】
本発明の実施例では、第1作業アーム21、第2作業アーム31の回動支点軸である旋回軸12は同一軸で足る。
本願発明では、ロッド141の伸縮に合わせて第1作業アーム21を旋回させる。
第2作業アーム31は、あくまで第1作業アーム21に付随して第2弾性体42によって緩衝しながら旋回する。
【0138】
本発明の実施例の当接部23の前方側は第1作業アーム21及び第2作業アーム31が閉じられ閉鎖した閉鎖部Cを形成することができる。
走行機体を進行させながら動作手段14のロッド141の伸縮によって、第1作業アーム21ひいては第2作業アーム31を閉鎖部C内に位置する障害物Wの周囲で回転動作させて、障害物Wへのアーム衝突による損傷を防ぐ。
説明した実施例において、センサアーム51は第1センサアーム511、第2センサアーム512の2つで構成したが、さらに3つ以上のセンサアームを連結させて構成してもよい。この場合、各センサアームの先端部の回動に係る移動距離が短縮できるので、スイッチの検出精度のさらなる向上が期待できる。
実施例の電気回路を示す図において、電圧を示す+12Vとの記載があるが、電圧はこれに限定されず、使用する電圧に応じて適宜変更が可能である。また、+側、-側であるGND側を入れ替えて電気回路を構成することもでき、使用する機器の仕様に合わせて適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0139】
11 基部材
111 第1基部材
112 第2基部材
12 旋回軸
13 アーム
13A 前アーム
13B 後アーム
14 動作手段(アクチュエータ、シリンダ)
15 ストッパ
21 第1作業アーム
22 旋回規制手段ガイド(旋回規制手段)
23 当接部
24 第1刈刃部(刈刃、刈刃部、作業部)
31 第2作業アーム
32 旋回規制突起(旋回規制手段)
34 第2刈刃部(刈刃、刈刃部、作業部)
41 第1弾性体
42 第2弾性体
5 検知部
51 センサアーム
511 第1センサアーム
511a 第1センサアームの回動支点軸
512 第2センサアーム
512a 第2センサアームの回動支点軸
52A 第1センサ
52B 第2センサ
52C 第3センサ
53A 当接部
53B 当接部
53C 当接部
71a 送り管路
71b 送り管路
71c 送り管路
72a 戻り管路
72b 戻り管路
73 タンク
74 流体圧発生源(ポンプ)
75 第1切換弁(第1制御弁)
751 圧送位置
752 無負荷位置
76 第2切換弁(第2制御弁)
761 遮断位置
762 開放位置
77 リリーフ弁
A 草刈装置
S 作業機
W 障害物