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  • 特開-電源装置 図1
  • 特開-電源装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081298
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/493 20070101AFI20220524BHJP
【FI】
H02M7/493
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192747
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】503237806
【氏名又は名称】株式会社NHVコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】志方 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】栗原 健一
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA05
5H770AA15
5H770DA01
5H770DA22
5H770DA30
5H770DA41
5H770JA20Y
(57)【要約】
【課題】単相インバータを並列運転する電源装置において、出力電流に重畳する高周波ノイズの低減と、インバータ間における出力電流のアンバランスの低減とを効率的に行うことを可能とした電源装置を提供する。
【解決手段】並列運転する第1及び第2インバータ31,32において、第1U相出力線U1と第2U相出力線U2とに対して逆側のインバータ31,32の第2V相出力線V2と第1V相出力線V1とを組とし、その組毎が共通の環状磁性コア34,35にそれぞれ挿通される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単相インバータを並列運転する電源装置であって、
前記複数の単相インバータのうち、少なくとも一対の第1及び第2インバータにおいて、前記第1インバータの第1U相出力線と前記第2インバータの第2V相出力線との組、及び前記第2インバータの第2U相出力線と前記第1インバータの第1V相出力線との組の少なくとも1組が共通の環状磁性コアに挿通されて構成された、電源装置。
【請求項2】
前記一対の第1及び第2インバータにおける前記第1インバータの第1U相出力線と前記第2インバータの第2V相出力線との組、及び前記第2インバータの第2U相出力線と前記第1インバータの第1V相出力線との組のいずれについても組毎に共通の環状磁性コアにそれぞれ挿通されて構成された、請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
被照射物に対して電子線を照射する電子線照射装置の電源装置として用いられた、請求項1又は請求項2に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の単相インバータを並列運転する電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の単相インバータを並列運転する電源装置は、各インバータが同一動作を行い、各インバータのU相及びV相出力線を通じてそれぞれ同一出力を負荷側に供給する構成となっている。このような電源装置としては、例えば特許文献1等に開示のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-61300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インバータを有する電源装置は、インバータを構成する半導体スイッチのスイッチング動作等に起因する高周波ノイズが出力電流に重畳し得るため、出力電流に重畳する高周波ノイズを低減することが望まれる。このような高周波ノイズの低減には、インバータの出力線の周囲にフェライトコアやカットコアと呼ばれる環状磁性コアを配置することが有効である。
【0005】
加えて、複数のインバータを並列運転する電源装置においては、各インバータの同一動作による同一出力を負荷側に供給するものであるが、各インバータの個体差等に起因するインバータ間の出力電流のアンバランスが生じ得る。このような出力電流のアンバランスの低減対策において、本発明者は、上記環状磁性コアを用いて高周波ノイズの低減と合わせて効率的に行えないか検討していた。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、単相インバータを並列運転する電源装置において、出力電流に重畳する高周波ノイズの低減と、インバータ間における出力電流のアンバランスの低減とを効率的に行うことを可能とした電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する電源装置は、複数の単相インバータを並列運転する電源装置であって、前記複数の単相インバータのうち、少なくとも一対の第1及び第2インバータにおいて、前記第1インバータの第1U相出力線と前記第2インバータの第2V相出力線との組、及び前記第2インバータの第2U相出力線と前記第1インバータの第1V相出力線との組の少なくとも1組が共通の環状磁性コアに挿通されて構成された。
【0008】
上記態様によれば、第1及び第2インバータの第1U相出力線と第2U相出力線とに対して逆側のインバータの第2V相出力線と第1V相出力線とを組とし、その少なくとも1組が共通の環状磁性コアに挿通される。環状磁性コアは、各出力線を流れる出力電流に重畳する高周波ノイズを低減するのみならず、異なる相の出力電流間の電流差を小さくするように機能してインバータ間における出力電流のアンバランスの低減も図れ、効率的である。
【0009】
上記電源装置において、前記一対の第1及び第2インバータにおける前記第1インバータの第1U相出力線と前記第2インバータの第2V相出力線との組、及び前記第2インバータの第2U相出力線と前記第1インバータの第1V相出力線との組のいずれについても組毎に共通の環状磁性コアにそれぞれ挿通されて構成されることが好ましい。
【0010】
上記態様によれば、第1及び第2インバータの第1U相出力線と第2U相出力線とに対して逆側のインバータの第2V相出力線と第1V相出力線とを組とし、その組毎が共通の環状磁性コアにそれぞれ挿通される。一対のインバータの全部の出力線が環状磁性コアの設置の対象となるため、出力電流に重畳する高周波ノイズの低減と、インバータ間における出力電流のアンバランスの低減とをより効率的に行うことが可能である。
【0011】
上記電源装置において、被照射物に対して電子線を照射する電子線照射装置の電源装置として用いられることが好ましい。
上記態様によれば、出力電流に重畳する高周波ノイズの低減と、インバータ間における出力電流のアンバランスの低減とを効率的に行える電子線照射装置の電源装置として提供することが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の単相インバータを並列運転する電源装置によれば、出力電流に重畳する高周波ノイズの低減と、インバータ間における出力電流のアンバランスの低減とを効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態の電源装置(高周波電源)を備える電子線照射装置の構成図。
図2】一実施形態の電源装置(高周波電源)の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、電子線照射装置のビーム像取得用材、及び電子線照射装置のビーム像取得方法の一実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態の電子線照射装置10は、走査型の電子線照射装置である。電子線照射装置10は、熱電子放出を行う例えばタングステン製のフィラメント11を備えている。フィラメント11は、フィラメント電源12からの電源供給に基づく自身の加熱により電子を放出する。フィラメント11は、加速管13の上端側に設けられている。
【0015】
加速管13は、フィラメント11が配置される上端側が閉塞された筒状をなしている。加速管13は、自身の管軸方向に並設される複数の加速電極14を有している。加速電極14は、加速用電源15からの電源供給に基づき、フィラメント11から放出された電子を収束させつつ下方に向けて加速させるような電界を生じさせる。つまり、加速管13では、加速電極14にて生じる電界にて、管軸方向の下方に向く電子流、すなわち電子線(電子ビーム)eが生じるようになっている。加速管13は、下端部に走査管16が接続されている。加速管13と走査管16とは互いに内部空間17が連通し、その内部空間17において電子線eが加速管13から走査管16側に進む。
【0016】
走査管16は、上端側が幅狭で、下方に向かうほど拡開する形状をなしている。走査管16は、その幅狭の上端部に走査コイル18が設けられている。走査コイル18は、自身への通電に基づき、加速管13にて生成された電子線eの向きを偏向、すなわち電子線eの走査を行う。走査管16の下端部には例えば略長方形状の開口窓部19が設けられており、開口窓部19には略長方形状の窓箔20が取り付けられている。窓箔20は、電子線eを透過させつつも、開口窓部19を密閉させるものである。つまり、加速管13と走査管16とに跨がる内部空間17は、密閉空間にて構成されている。内部空間17は、例えば走査管16に接続された真空ポンプ21の駆動にて、少なくとも電子線eを生じさせる期間は真空状態とされる。
【0017】
上記したフィラメント電源12、加速用電源15、走査コイル18及び真空ポンプ21は、制御装置22にて制御される。制御装置22は、各電源12,15を通じて電子線eの出力調整を行ったり、走査コイル18を通じて電子線eの走査制御を行ったり、真空ポンプ21を通じて加速管13及び走査管16の内部空間17の真空調整を行ったりする。
【0018】
そして、開口窓部19に装着の窓箔20を介して出射される電子線eは、例えば搬送装置23により搬送方向xに搬送される被照射物24に対して照射され、被照射物24に所定処理を行う。なおこの場合、電子線照射装置10は、略長方形状の開口窓部19の長手方向が搬送装置23の搬送直交方向yに向く配置であり、搬送方向x及び搬送直交方向yを含めた電子線eの所定走査が行われて、開口窓部19に対応した略長方形状の照射エリアAの照射が行われる。電子線eの被照射物24への照射効果としては、例えば素材の性質改善や機能付加、殺菌・滅菌等が期待できる。
【0019】
次に、加速用電源15の詳細構成について説明する。
本実施形態の加速用電源15は、図示略とするが、交流電圧の入力に基づくチャージポンプ動作にて直流高電圧を生成する周知のコッククロフト・ワルトン型回路(CW回路)を用いている。そのため、本実施形態の加速用電源15は、CW回路の入力に必要な交流電圧を生成するための高周波電源15aを備えている。なお、高周波電源15a及びCW回路にて生成した直流高電圧は、加速管13内に電子加速用の電界を生じさせるべく、加速管13の管軸方向に並ぶ各加速電極14に対して分圧印加されている。
【0020】
図2に示すように、高周波電源15aは、本実施形態では2つの単相インバータ、すなわち第1インバータ31と第2インバータ32とを備え、これら第1及び第2インバータ31,32を並列運転させる構成としている。
【0021】
第1インバータ31は、4個の半導体スイッチS1を用いたHブリッジ回路31aにて構成され、U相ブリッジを構成する一対の半導体スイッチS1間に第1U相出力線U1を有すると共に、V相ブリッジを構成する一対の半導体スイッチS1間に第1V相出力線V1を有している。また、第2インバータ32も同様に、4個の半導体スイッチS2を用いたHブリッジ回路32aにて構成され、U相ブリッジを構成する一対の半導体スイッチS2間に第2U相出力線U2を有すると共に、V相ブリッジを構成する一対の半導体スイッチS2間に第2V相出力線V2を有している。そして、第1インバータ31の第1U相出力線U1と第2インバータ32の第2U相出力線U2とが共に負荷(本実施形態ではCW回路)33のU相入力端子Tuに接続されると共に、第1インバータ31の第1V相出力線V1と第2インバータ32の第2V相出力線V2とが共に負荷33のV相入力端子Tvに接続される構成である。
【0022】
高周波電源15aとして負荷33であるCW回路に交流電圧を供給する際には、高周波電源15aは、第1及び第2インバータ31,32を並列運転、すなわちHブリッジ回路31a,32aを同一スイッチング動作させて、各インバータ31,32のそれぞれから同一出力として同一の交流電圧を負荷33に対して供給するようになっている。
【0023】
ところで、第1及び第2インバータ31,32を有する高周波電源15aは、各インバータ31,32を構成する半導体スイッチS1,S2のスイッチング動作等に起因する高周波ノイズが出力電流に重畳し得る。加えて、第1及び第2インバータ31,32の2つを並列運転する本実施形態のような電源装置15aは、各インバータ31,32の個体差等に起因するインバータ31,32間の出力電流のアンバランスが生じ得る。このような2つの事象に対して本実施形態では2つの環状磁性コア34,35を用い、出力電流に重畳する高周波ノイズとインバータ31,32間の出力電流のアンバランスとが共に効率的に低減できるものとなっている。環状磁性コア34,35としては、例えばフェライト等の磁性材料にて環状に作製された一般的な構成のものが用いられている。なお、環状磁性コア34,35の形状である「環状」とは、本実施形態では完全な環状形状及び一部分断する環状態様のものも含む。
【0024】
一方、本実施形態では、環状磁性コア34,35の設置態様に工夫がある。具体的に、環状磁性コア34には、第1インバータ31の第1U相出力線U1と第2インバータ32の第2V相出力線V2とが共に挿通されている。また、環状磁性コア35には、第2インバータ32の第2U相出力線U2と第1インバータ31の第1V相出力線V1とが共に挿通されている。
【0025】
ここで、図示略とするが、2つの環状磁性コアを用いる場合の一般的な設置態様(第1比較例とする)としては、第1及び第2インバータ31,32毎に環状磁性コアを独立して設置、すなわち一方の環状磁性コアに第1U相及びV相出力線U1,V1を挿通し、他方の環状磁性コアに第2U相及びV相出力線U2,V2を挿通するものである。この第1比較例では、第1U相及びV相出力線U1,V1と第2U相及びV相出力線U2,V2とのそれぞれに流れる出力電流に重畳する高周波ノイズは各環状磁性コアにより低減される。
【0026】
しかしながら、第1比較例では、インバータ31,32毎に環状磁性コアが独立して設置されることから、当然ながら各インバータ31,32の出力電流の大きさに差が生じてもその電流差を低減するように機能せず、インバータ31,32間の出力電流のアンバランスは低減できない。そのため、例えば第1インバータ31の出力電流が第2インバータ32の出力電流より大きい場合、第1U相出力線U1から第2U相出力線U2等への同相間の電流の流れ込みが生じ、第2インバータ32の出力電流が一層低下してしまうことになる。その結果、第1及び第2インバータ31,32の合計の出力電流が小さくなって高周波電源15aの所望出力からの乖離が大きくなるため、それを見越して各インバータ31,32の出力容量に余裕を持たせることが行われ、出力容量の大きいインバータ装置を使用せざるを得ない等の懸念がある。
【0027】
また、同じく図示略の第2比較例として、全部の出力線U1,V1,U2,V2を1つの環状磁性コアに挿通させる態様もある。この態様においても、各出力線U1,V1,U2,V2に流れる出力電流に重畳する高周波ノイズは、1つの環状磁性コアにより低減させることは可能である。しかしながら、第2比較例においても、各インバータ31,32の出力電流の大きさに差があったとしても、1つの環状磁性コアを挿通する出力線U1,V1,U2,V2をそれぞれ流れる出力電流の異なる相毎の合計の電流差は生じない。そのため、環状磁性コアがインバータ31,32の出力電流の電流差を低減するように機能せず、インバータ31,32間の出力電流のアンバランスは低減できない。その結果、第2比較例においても、上記第1比較例と同様な懸念があった。
【0028】
これに対し、本実施形態では、第1及び第2U相出力線U1,U2に対して第1及び第2V相出力線V1,V2を交差させて逆側の環状磁性コア34,35にそれぞれ挿通する態様としている。本実施形態においても、第1U相出力線U1と第2V相出力線V2とのそれぞれに流れる出力電流に重畳する高周波ノイズは環状磁性コア34により低減され、第2U相出力線U2と第1V相出力線V1とのそれぞれに流れる出力電流に重畳する高周波ノイズは環状磁性コア35により低減される。
【0029】
加えて、本実施形態においては、各インバータ31,32の出力電流の大きさに差があった場合、環状磁性コア34を共に挿通する第1U相出力線U1と第2V相出力線V2とに流れる出力電流に電流差があると、異なる相すなわち電流の向きが異なる電流同士は互いに電流差が小さくなるように環状磁性コア34が機能する。環状磁性コア35についても同様に、第2U相出力線U2と第1V相出力線V1とに流れる出力電流の電流差が小さくなるように環状磁性コア35が機能する。そのため、例えば第1インバータ31の出力電流が第2インバータ32の出力電流より大きい場合であっても、各環状磁性コア34,35により各出力電流の電流差が小さくなるように動作するため、第1U相出力線U1から第2U相出力線U2等への同相間の電流の流れ込みを抑制でき、上記第1及び第2比較例よりも第1及び第2インバータ31,32の合計の出力電流を大きくすることが可能である。その結果、高周波電源15aの所望出力からの乖離を小さくでき、各インバータ31,32に出力容量の小さいインバータ装置の選定が可能となる等の効果が期待できるものとなっている。
【0030】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態では、第1及び第2インバータ31,32の第1U相出力線U1と第2U相出力線U2とに対して逆側のインバータ31,32の第2V相出力線V2と第1V相出力線V1とを組とし、その組毎が共通の環状磁性コア34,35にそれぞれ挿通される。環状磁性コア34,35は、各出力線U1,V1,U2,V2を流れる出力電流に重畳する高周波ノイズを低減するのみならず、異なる相の出力電流間の電流差を小さくするように機能してインバータ31,32間における出力電流のアンバランスの低減も図れ、効率的な設置態様である。
【0031】
(2)本実施形態では、一対のインバータ31,32の全部の出力線U1,V1,U2,V2が環状磁性コア34,35の設置の対象であるため、出力電流に重畳する高周波ノイズの低減と、インバータ31,32間における出力電流のアンバランスの低減とをより効率的に行うことができる。
【0032】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1及び第2インバータ31,32の第1U相出力線U1と第2U相出力線U2とに対して逆側のインバータ31,32の第2V相出力線V2と第1V相出力線V1とを組とし、その片方の組に環状磁性コアを設置してもよい。このようにしても、出力電流に重畳する高周波ノイズの低減と、インバータ31,32間における出力電流のアンバランスの低減とが十分に図れる。また、2つのインバータ31,32に対して環状磁性コアが1つで済む。
【0033】
・一対(2つ)のインバータ31,32を有する高周波電源15a(電源装置)を対象としたが、インバータ装置の用いる数はこれに限らず、3つ以上用いる構成のものであってもよい。この場合、環状磁性コアの設置対象は、一対(2つ)のインバータである。
【0034】
・その他、高周波電源15aや高周波電源15aを含む加速用電源15の構成を適宜変更してもよい。
・電子線eの進行方向を下方向の設定としていたが、上方向や水平方向、斜め方向であってもよい。
【0035】
・単一のフィラメント11から放出された電子から電子線eを形成し走査コイル18にて走査して照射エリアAの照射を行う走査型の電子線照射装置10に適用したが、照射エリアに対応して複数のフィラメントを用い走査コイルを省略した態様のエリア型の電子線照射装置に適用してもよい。
【0036】
・電子線照射装置10の電源装置に適用したが、複数の単相インバータを並列運転するその他の電源装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0037】
10…電子線照射装置
15a…高周波電源(電源装置)
24…被照射物
31…第1インバータ(単相インバータ)
32…第2インバータ(単相インバータ)
34…環状磁性コア
35…環状磁性コア
U1…第1U相出力線
U2…第2U相出力線
V1…第1V相出力線
V2…第2V相出力線
e…電子線
図1
図2