(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081310
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
A63F5/04 653
A63F5/04 661
A63F5/04 631
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192761
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丹澤 志郎
(72)【発明者】
【氏名】古屋 秀樹
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518AA01
2C518AA09
2C518AD06
2C518CA03
2C518DA01
2C518DA06
2C518EA02
2C518EA12
2C518EB02
2C518EB05
2C518FA06
(57)【要約】
【課題】従来にない興趣性の高い遊技機を提供する。
【解決手段】第1の特典を付与可能とする第1停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態を発生可能な第1特定遊技状態制御手段と、第1停止操作報知手段と第2の特典を付与可能とする第2停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第2特定遊技状態を発生可能な第2特定遊技状態制御手段と、第2特定遊技状態中のゲームにおいて、第1特定遊技状態を発生させるための抽選を実行可能な第1特定遊技状態抽選手段と、第2特定遊技状態中のゲームにおいて、所定の演出を実行可能な演出制御手段と、を備えた構成とした。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者による操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームの結果として、役の抽選結果に応じた停止態様を変動表示手段に導出可能とした遊技機において、
遊技者による第1停止操作態様に基づき、第1の特典を付与可能な第1特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第1特定停止制御手段と、
前記第1特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第1停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第1停止操作報知手段と、
遊技者による第2停止操作態様に基づき、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与可能な第2特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第2特定停止制御手段と、
前記第2特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第2停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第2停止操作報知手段と、
前記第1停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態を発生可能な第1特定遊技状態制御手段と、
前記第1停止操作報知手段と前記第2停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第2特定遊技状態を発生可能な第2特定遊技状態制御手段と、
前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、前記第1特定遊技状態を発生させるための抽選を実行可能な第1特定遊技状態抽選手段と、
前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、所定の演出を実行可能な演出制御手段と、
を備えた
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記変動表示手段は、
複数の個別変動表示手段から構成され、
前記第1停止操作報知手段は、
前記第1停止操作態様として、前記複数の個別変動表示手段に対する停止操作順序を報知可能とした
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記変動表示手段は、
複数の個別変動表示手段から構成され、
前記第2停止操作報知手段は、
前記第2停止操作態様として、所定の個別変動表示手段に所定の図柄を導出させるための停止操作態様を報知可能とした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第2特定遊技状態制御手段は、
前記第2特定遊技状態を発生させる場合に、前記第2停止操作報知手段が前記第2停止操作態様を報知する上限回数を決定可能とし、
前記第2特定遊技状態において前記上限回数となるゲームが実行された場合に、前記第2特定遊技状態を終了可能とした
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記第1特定遊技状態が発生した場合に、前記第1停止操作報知手段の能動化に加えて、前記第2停止操作報知手段を能動化させるかを遊技者が選択可能な選択手段を備えた
ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機として、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機が知られている。また、複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき該複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させて、該複数のリールの停止表示態様に応じて、特定遊技状態を発生するようにしたスロットマシンが知られている。
また、近年のスロットマシンにおいては、特定遊技状態が発生した場合に、当選した役を成立させるためのリールの停止順序をLED等の点灯により報知し、遊技者が報知された停止順序でリールを停止させた場合に、当選した役に対応する図柄の組み合わせを停止させるようにしたものが増えている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技者による操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームの結果として、役の抽選結果に応じた停止態様を変動表示手段に導出可能とした遊技機において、遊技者による第1停止操作態様に基づき、第1の特典を付与可能な第1特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第1特定停止制御手段と、前記第1特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第1停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第1停止操作報知手段と、遊技者による第2停止操作態様に基づき、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与可能な第2特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第2特定停止制御手段と、前記第2特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第2停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第2停止操作報知手段と、前記第1停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態を発生可能な第1特定遊技状態制御手段と、前記第1停止操作報知手段と前記第2停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第2特定遊技状態を発生可能な第2特定遊技状態制御手段と、前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、前記第1特定遊技状態を発生させるための抽選を実行可能な第1特定遊技状態抽選手段と、前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、所定の演出を実行可能な演出制御手段と、を備えた構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】押し順ベル役が入賞した場合の図柄組合せを説明するための図である。
【
図5】色ベル役が入賞した場合の図柄組合せを説明するための図である。
【
図6】遊技機の遊技の流れを説明するための図である。
【
図7】遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容を説明するためのタイミングチャートである。
【
図8】変形例1における疑似ボーナス状態開始時の演出を示す図である。
【
図9】変形例2におけるAT状態開始時の演出を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明の実施形態にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
まず、スロットマシン1の全体構成について、
図1~
図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1~
図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、メダル投入口2、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、メイン表示器8、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、ドラムユニット4d、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0009】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0010】
[遊技機の外観を示す概略正面図]
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体(図示省略)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を手前側から見た状態で左右方向を示す。
【0011】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置にはメイン表示器8が配置される。メイン表示器8は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
前扉1aの上部であってメイン表示器8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、メイン表示器8は、表示器装飾枠15の開口部から表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0012】
メイン表示器8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、メイン表示器8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、メイン表示器8の左右の各々には、LED等からなるランプ11が配設され、例えば、役の入賞時の光や、メイン表示器8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0013】
メイン表示器8の右側には、操作手段として例示する上部演出ボタン2fが配設される。
上部演出ボタン2fは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2fの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2fの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2fの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2fの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0014】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、変動表示手段としてのリール4を備えたドラムユニット4dが配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0015】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば20個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「7」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
【0016】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0017】
前面パネル19における表示窓6(リール4)の右側には、サブ表示器17が配置される。
サブ表示器17は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
また、サブ表示器17は、メイン表示器8よりも表示面積が小さくなっているが、メイン表示器8よりもリール4に近い位置に配設されていて、リール4の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を視認することが容易となっている。
なお、サブ表示器17は、表示窓6(リール4)の左側に設けてもよい。また、サブ表示器17をタッチパネル式の表示器で構成するようにしてもよい。
【0018】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2、操作手段として例示するベットボタン2a、演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2の内部には、メダル投入口2に投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0019】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により対応する演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。演出ボタン2dは、前述した上部演出ボタン2fよりもリール4に対して近い位置に配設されている。
【0020】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2cおよび操作手段(停止操作手段)として例示する停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、回転するリール4を停止するためのボタンであり、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、左リール4a、中リール4b、右リール4cに対応して左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが横方向に所定間隔で配設される。
【0021】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0022】
[遊技機の制御構成を示すブロック図]
図2は、スロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0023】
主制御装置10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、外部出力端子18、メダル払出装置7、ドラムユニット4dおよび有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部(記憶手段)、制御部が備えられている。
【0024】
設定手段としての確率設定装置14は、特定遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更することで、遊技者にとっての有利度合いを複数段階で設定変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、特定遊技状態の当選確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定(有利度合いが最も低い設定)であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定(有利度合いが最も高い設定)となっている。
【0025】
なお、特定遊技状態の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
また、確率設定装置14における設定値により、CZ状態やAT状態の移行確率を変化させるようにすることで、遊技者の有利度合いを複数段階で変化可能としてもよい。
また、特定遊技状態の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
【0026】
外部出力端子18は、遊技店に設置された管理装置(図示略)や呼出装置(図示略)に対して、スロットマシン1における遊技に関わる情報を出力するもので、スロットマシン1での実行ゲーム数、メダル投入数、メダル払出数、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、後述する疑似ボーナス状態、AT状態)の発生回数や移行期間等の各種データを収集するための情報を主制御装置10の制御により出力するものである。
【0027】
ドラムユニット4dは、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルをメダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2の下流側に備えられ、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0028】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役やAT状態の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0029】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づき後述する疑似ボーナス状態の移行抽選処理、AT状態中の継続抽選処理、AT状態中の上乗せ抽選処理等を行う。
【0030】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に対応して、小役、疑似ボーナス状態、AT状態等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段を備えているのである。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づき疑似ボーナス状態やAT状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0031】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0032】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0033】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、スピーカ9、メイン表示器8、ランプ11、ナビランプ12、サブ表示器17と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0034】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す演出画像、効果音の出力、ランプ演出等を、メイン表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0035】
また、副制御装置20は、演出ボタン2dからの信号に基づき、各演出の切替タイミングを制御可能となっている。
主制御装置10および副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、第1特定停止制御手段、第1停止操作報知手段、第2特定停止制御手段、第2停止操作報知手段、第1特定遊技状態制御手段、第2特定遊技状態制御手段、第1特定遊技状態抽選手段、演出制御手段が構成される。
【0036】
[リールの配列]
次に、
図3を参照して変動表示手段として例示するリール4の配列について説明する。
変動表示手段としてのリール4は、個別変動表示手段としての左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cには、当選役や遊技状態の移行に関する複数(20個)の図柄が表されていて、各々図柄の配列が異なるものとなっている。
【0037】
まず、
図3(a)に示すように、左リール4aには、配列番号0~19の順に、「ブランク」、「ベルB」、「スイカ」、「ベルA」、「リプレイ」、「BAR」、「チェリー」、「スイカ」、「ベルA」、「リプレイ」、「赤7A」、「赤7B」、「スイカ」、「ベルA」、「リプレイ」、「白7」、「ベルB」、「スイカ」、「ベルA」、「リプレイ」が表されている。
【0038】
また、
図3(b)に示すように、中リール4bには、配列番号0~19の順に、「ブランク」、「ベルB」、「リプレイ」、「チェリー」、「スイカ」、「BAR」、「ベルB」、「リプレイ」、「チェリー」、「スイカ」、「赤7A」、「ベルA」、「リプレイ」、「白7」、「スイカ」、「白7」、「ベルA」、「リプレイ」、「チェリー」、「スイカ」、が表されている。
【0039】
また、
図3(c)に示すように、右リール4cには、配列番号0~19の順に、「ブランク」、「リプレイ」、「ベルA」、「チェリー」、「スイカ」、「BAR」、「リプレイ」、「ベルA」、「チェリー」、「赤7B」、「赤7A」、「リプレイ」、「ベルA」、「チェリー」、「スイカ」、「白7」、「リプレイ」、「ベルA」、「チェリー」、「スイカ」、が表されている。
【0040】
なお、図示では各図柄を識別する表記となっているが、実際のリール4には各役に対応した所定のデザインが施されている。
また、「ベルA」と「ベルB」、および「赤7A」と「赤7B」は、夫々同系統の図柄に設定されていて、全体的なデザインは同一であるが、内部の一部のデザインが異なるものとなっている。
また、「ブランク」、「BAR」、「赤7A」、「白7」の各々は特殊図柄として設定され、左リール4aにおける各特殊図柄の配置間隔は、後述する図柄の停止制御上の引き込み範囲よりも大きくなっていて、入賞ライン上に複数の特殊図柄を同時に狙った停止操作が不能となっている。
【0041】
また、各特殊図柄はその他の図柄よりも特殊図柄を狙った所謂目押し操作が容易となるようなデザインが施されていて、その他の図柄よりも外形が大きく、かつ比較的目立つ配色が施されている。
さらに、「ブランク」、「BAR」、「赤7A」、「白7」の各図柄を区別した目押し操作が容易となるように、例えば、「ブランク」は青色、「BAR」は黒色、「赤7A」は赤色、「白7」は白色の配色が施されている。
なお、「赤7B」にも「赤7A」と同一の配色が施されていて、「赤7A」と「赤7B」が並んで配置されることで、より目押しを容易にしている。ただし、後述するように「赤7B」は役の入賞には関係ないものとなっている。
以上のようにリール4の図柄配列が設定されている。
【0042】
このようなスロットマシン1は、主制御装置10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0043】
ゲームの開始にあたり、メダル投入口2からのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0044】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役などの複数の役(ハズレを含む)や、疑似ボーナス状態、AT状態の移行に対する今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選によりリプレイ役やベル役等の抽選結果が導出される。
【0045】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール4の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール4の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール4の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御装置10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール4の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0046】
ゲームが開始されると、各リール4a~4cは、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0047】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
各リール4a~4cの停止制御は、各々に引き込み範囲が設定されていて、停止操作が行われた時点の図柄から逆回転方向(上方向)にある所定数(例えば、4個)の図柄が引き込み可能となり、この引き込み範囲にある図柄の何れかに限り有効ライン上に停止可能となる。
【0048】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の各リール4の中段図柄を結ぶ中段の入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
【0049】
小役、リプレイ役等の当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0050】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、表示窓6内に「ベルA」および「ベルB」の図柄組合せが形成される押し順ベル役と、左リール4aに特殊図柄の何れかと1つと、中リール4bおよび右リール4cに「ベルA」との図柄組合せが形成される色ベル役と、が設定されている。
【0051】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、各リール4a~4c(個別変動表示手段)に所定の図柄が停止することで、対応する図柄の組合せが表示窓6内の所定の並びで停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。
【0052】
押し順ベル役1は、押し順が「5a→5b→5c」のときのみ入賞が成立する押し順ベル役であり、押し順の正解時には表示窓6内の上段ラインに「ベルA」もしくは「ベルB」の何れかが停止するものとなっている。
例えば、
図4(a)に示すように、左リール4aに、配列番号3~5の範囲の「ベルA」、「リプレイ」、「BAR」の図柄が表示窓6内に停止し、中リール4bに、配列番号1~3の範囲の「ベルB」、「リプレイ」、「チェリー」の図柄が表示窓6内に停止し、右リール4cに、配列番号2~4の範囲の「ベルA」、「チェリー」、「スイカ」の図柄が表示窓6内に停止して、上段ラインに「ベルA・ベルB・ベルA」の図柄組合せが押し順の正解時に停止するものとなっている。
ただし、入賞の判定は中段の入賞ライン上で判定されるので、実際には中段の入賞ライン上に停止した「リプレイ・リプレイ・チェリー」の図柄組合せが入賞の成立として判定される。
【0053】
押し順ベル役2は、押し順が「5a→5c→5b」のときのみ入賞が成立する押し順ベル役であり、押し順の正解時には表示窓6内の右斜め下ラインに「ベルA」もしくは「ベルB」の何れかが停止するものとなっている。
例えば、
図4(b)に示すように、左リール4aに、配列番号3~5の範囲の「ベルA」、「リプレイ」、「BAR」の図柄が表示窓6内に停止し、中リール4bに、配列番号10~12の範囲の「赤7A」、「ベルA」、「リプレイ」の図柄が表示窓6内に停止し、右リール4cに、配列番号0~2の範囲の「ブランク」、「リプレイ」、「ベルA」の図柄が表示窓6内に停止して、右斜め下ラインに「ベルA・ベルA・ベルA」の図柄組合せが押し順の正解時に停止するものとなっている。
ただし、実際には中段の入賞ライン上に停止した「リプレイ・ベルA・リプレイ」の図柄組合せが入賞の成立として判定される。
【0054】
押し順ベル役3は、押し順が「5b→5c→5a」のときのみ入賞が成立する押し順ベル役であり、押し順の正解時には表示窓6内の中段の入賞ラインに「ベルA」もしくは「ベルB」の何れかが停止して、この図柄組合せが入賞の成立として判定される。
例えば、
図4(c)に示すように、左リール4aに、配列番号2~4の範囲の「スイカ」、「ベルA」、「リプレイ」の図柄が表示窓6内に停止し、中リール4bに、配列番号10~12の範囲の「赤7A」、「ベルA」、「リプレイ」の図柄が表示窓6内に停止し、右リール4cに、配列番号1~3の範囲の「リプレイ」、「ベルA」、「チェリー」の図柄が表示窓6内に停止して、中段ラインに「ベルA・ベルA・ベルA」の図柄組合せが押し順の正解時に停止するものとなっている。
【0055】
押し順ベル役4は、押し順が「5b→5a→5c」のときのみ入賞が成立する押し順ベル役であり、押し順の正解時には表示窓6内の下段・中段・下段を結ぶ小山状ラインに「ベルA」もしくは「ベルB」の何れかが停止するものとなっている。
例えば、
図4(d)に示すように、左リール4aに、配列番号1~3の範囲の「ベルB」、「スイカ」、「ベルA」の図柄が表示窓6内に停止し、中リール4bに、配列番号10~12の範囲の「赤7A」、「ベルA」、「リプレイ」の図柄が表示窓6内に停止し、右リール4cに、配列番号0~2の範囲の「ブランク」、「リプレイ」、「ベルA」の図柄が表示窓6内に停止して、小山状ラインに「ベルA・ベルA・ベルA」の図柄組合せが押し順の正解時に停止するものとなっている。
ただし、実際には中段の入賞ライン上に停止した「スイカ・ベルA・リプレイ」の図柄組合せが入賞の成立として判定される。
【0056】
押し順ベル役5は、押し順が「5c→5a→5b」のときのみ入賞が成立する押し順ベル役であり、押し順の正解時には表示窓6内の右斜め上ラインに「ベルA」もしくは「ベルB」の何れかが停止するものとなっている。
例えば、
図4(e)に示すように、左リール4aに、配列番号6~8の範囲の「チェリー」、「スイカ」、「ベルA」の図柄が表示窓6内に停止し、中リール4bに、配列番号10~12の範囲の「赤7A」、「ベルA」、「リプレイ」の図柄が表示窓6内に停止し、右リール4cに、配列番号2~4の範囲の「ベルA」、「チェリー」、「スイカ」の図柄が表示窓6内に停止して、右斜め上ラインに「ベルA・ベルA・ベルA」の図柄組合せが押し順の正解時に停止するものとなっている。
ただし、実際には中段の入賞ライン上に停止した「スイカ・ベルA・チェリー」の図柄組合せが入賞の成立として判定される。
【0057】
押し順ベル役6は、押し順が「5c→5b→5a」のときのみ入賞が成立する押し順ベル役であり、押し順の正解時には表示窓6内の上段・中段・上段を結ぶ小V状ラインに「ベルA」もしくは「ベルB」の何れかが停止するものとなっている。
例えば、
図4(f)に示すように、左リール4aに、配列番号3~5の範囲の「ベルA」、「リプレイ」、「BAR」の図柄が表示窓6内に停止し、中リール4bに、配列番号10~12の範囲の「赤7A」、「ベルA」、「リプレイ」の図柄が表示窓6内に停止し、右リール4cに、配列番号2~4の範囲の「ベルA」、「チェリー」、「スイカ」の図柄が表示窓6内に停止して、小V状ラインに「ベルA・ベルA・ベルA」の図柄組合せが押し順の正解時に停止するものとなっている。
ただし、実際には中段の入賞ライン上に停止した「リプレイ・ベルA・チェリー」の図柄組合せが入賞の成立として判定される。
【0058】
以上のように、押し順ベル役1~6の何れかが当選した場合には、対応する押し順により停止ボタン5a~5cが操作された場合にのみ、当選した押し順ベル役を成立させる図柄組合せが入賞ライン上に停止することとなるのである。
すなわち、主制御装置10は、遊技者による第1停止操作態様として、当選した押し順ベル役に対応する押し順の操作に基づき、第1の特典として所定数(例えば、6枚)のメダルを付与可能な第1特定停止態様として押し順ベル役の入賞の図柄組合せをリール4に導出させることが可能な第1特定停止制御手段を構成するのである。
【0059】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
また、ベル役として、押し順の制限なしで入賞する共通ベル役を、押し順ベル役の他に設けるようにしてもよい。
【0060】
一方、色ベル役は、中段入賞ライン上に「ブランク・ベルA・ベルA」の図柄組合せが停止した場合に入賞が成立する色ベル役1と、中段入賞ライン上に「BAR・ベルA・ベルA」の図柄組合せが停止した場合に入賞が成立する色ベル役2と、中段入賞ライン上に「赤7A・ベルA・ベルA」の図柄組合せが停止した場合に入賞が成立する色ベル役3と、中段入賞ライン上に「白7・ベルA・ベルA」の図柄組合せが停止した場合に入賞が成立する色ベル役4とが設定されている。
【0061】
具体的には、色ベル役1は、
図5(a)に示すように、左リール4aに、配列番号19~1の範囲の「リプレイ」、「ブランク」、「ベルB」の図柄が表示窓6内に停止することを必須として、中リール4bに、例えば、配列番号10~12の範囲の「赤7A」、「ベルA」、「リプレイ」の図柄が表示窓6内に停止し、右リール4cに、例えば、配列番号1~3の範囲の「リプレイ」、「ベルA」、「チェリー」の図柄が表示窓6内に停止して、中段入賞ライン上に「ブランク・ベルA・ベルA」の図柄組合せが停止することで入賞となる色ベル役である。
【0062】
また、色ベル役2は、
図5(b)に示すように、左リール4aに、配列番号4~6の範囲の「リプレイ」、「BAR」、「チェリー」の図柄が表示窓6内に停止することを必須として、中リール4bに、例えば、配列番号10~12の範囲の「赤7A」、「ベルA」、「リプレイ」の図柄が表示窓6内に停止し、右リール4cに、例えば、配列番号1~3の範囲の「リプレイ」、「ベルA」、「チェリー」の図柄が表示窓6内に停止して、中段入賞ライン上に「BAR・ベルA・ベルA」の図柄組合せが停止することで入賞となる色ベル役である。
【0063】
また、色ベル役3は、
図5(c)に示すように、左リール4aに、配列番号9~11の範囲の「リプレイ」、「赤7A」、「赤7B」の図柄が表示窓6内に停止することを必須として、中リール4bに、例えば、配列番号10~12の範囲の「赤7A」、「ベルA」、「リプレイ」の図柄が表示窓6内に停止し、右リール4cに、例えば、配列番号1~3の範囲の「リプレイ」、「ベルA」、「チェリー」の図柄が表示窓6内に停止して、中段入賞ライン上に「赤7A・ベルA・ベルA」の図柄組合せが停止することで入賞となる色ベル役である。
【0064】
また、色ベル役4は、
図5(d)に示すように、左リール4aに、配列番号14~16の範囲の「リプレイ」、「白7」、「ベルB」の図柄が表示窓6内に停止することを必須として、中リール4bに、例えば、配列番号10~12の範囲の「赤7A」、「ベルA」、「リプレイ」の図柄が表示窓6内に停止し、右リール4cに、例えば、配列番号1~3の範囲の「リプレイ」、「ベルA」、「チェリー」の図柄が表示窓6内に停止して、中段入賞ライン上に「白7・ベルA・ベルA」の図柄組合せが停止することで入賞となる色ベル役である。
【0065】
また、色ベル役には、押し順ベル役とは異なりどの押し順でも入賞が成立するものとなっているが、前述したように特殊図柄の各々は引き込み範囲を超える配置間隔となっているので、入賞を成立させるには、所定の個別変動表示手段としての左リール4aに特殊図柄の何れか1つを狙った目押し操作が必要となっている。
【0066】
以上のように、色ベル役1~4の何れかが当選した場合には、対応する特殊図柄を左リール4aに狙った目押し操作が行われた場合にのみ、当選した色ベル役を成立させる図柄組合せが入賞ライン上に停止することとなるのである。
すなわち、主制御装置10は、遊技者による第2停止操作態様として、当選した色ベル役に対応する特殊図柄を狙った操作に基づき、第2の特典として所定数(例えば、15枚)のメダルを付与可能な第2特定停止態様として色ベル役の入賞の図柄組合せをリール4に導出させることが可能な第2特定停止制御手段を構成するのである。
なお、所定のリール4に特殊図柄を狙った操作を有するとともに、その他のリール4にはついては、予め設定されている押し順でリール4が停止された場合にのみ、入賞の図柄組合せが導出するようにしてもよい。
【0067】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
【0068】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役およびチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されている。
なお、スイカ役、チェリー役、リプレイ役に関しても、押し順ベル役と同様に、入賞の判定は上記した各図柄組合せが停止したときに中段の入賞ライン上に停止した図柄により行われる。
また、チェリー役やスイカ役をリプレイ役の一種としてもよい。
【0069】
リプレイ役に対応する図柄、および押し順ベル役に対応する図柄(「ベルA」もしくは「ベルB」)は、各リール4をどのタイミングで停止操作した場合でも常に引き込み範囲内に存在するように設けられていて、「リプレイ」図柄や「ベルA」図柄もしくは「ベルB」を狙った所謂目押し操作は不要となっている。それに対して、左リール4aの「チェリー」図柄と、中リール4bの「スイカ」図柄は、一部で引き込み範囲よりも広い間隔を設けて配置されているので、チェリー役の当選時には、左リール4aの停止操作に際して、「チェリー」図柄を狙った目押し操作が必要で、同様に、スイカ役の当選時には、中リール4bの停止操作に際して、「スイカ」図柄を狙った目押し操作が必要となっている。
なお、チェリー役およびスイカ役の当選時に、目押し操作を要するものであれば、各リール4での「チェリー」図柄および「スイカ」図柄の配置は何れでもよい。
【0070】
また、主制御装置10および副制御装置20は、押し順ベル役に関する報知状態として、ゲーム毎に押し順ナビを実行可能となっている。押し順ナビは、押し順ベル役1~6の何れかが当選した場合に、当選した押し順ベル役の押し順を、メイン表示器8およびナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
したがって、押し順ナビが実行された場合には、遊技者は指示された押し順に沿ってリール4を停止さえすれば当選した押し順ベル役を入賞させることが可能となるのである。
【0071】
すなわち、副制御装置20は、第1特定停止態様として押し順ベル役の入賞の図柄組合せを停止可能なゲームにおいて、その入賞の図柄組合せを停止させる第1停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第1停止操作報知手段を構成するのである。
また、副制御装置20は、第1停止操作態様として、複数の個別変動表示手段としての各リール4a~4cに対する停止操作順序を報知するのである。
【0072】
また、同様に、色ベル役に関する報知状態として、ゲーム毎に色ナビを実行可能となっている。色ナビは、色ベル役1~4の何れかが当選した場合に、当選した色ベル役に対応する左リール4aの特殊図柄の種類を、メイン表示器8により報知(色ナビを実行)する状態である。
したがって、色ナビが実行された場合には、遊技者は報知された特殊図柄を左リール4aに狙った目押し操作を行えば、当選した色ベル役を入賞させることが可能となるのである。
【0073】
すなわち、副制御装置20は、第2特定停止態様として色ベル役の入賞の図柄組合せを停止可能なゲームにおいて、その入賞の図柄組合せを停止させる第2停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第2停止操作報知手段を構成するのである。
また、副制御装置20は、第2停止操作態様として、所定の個別変動表示手段としての左リール4aに所定の図柄を導出させるための停止操作態様を報知するのである。
このように、押し順ナビおよび色ナビの実行により遊技者が容易にメダルを獲得することが可能であり、押し順ナビおよび色ナビの何れかは、後述する疑似ボーナス状態とAT状態中に実行(能動化)される。
【0074】
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
【0075】
具体的には、押し順ベル役において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、6枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cが操作されて、対応する図柄の組合せが停止表示しなかった場合には、6枚よりも少ない数(例えば、1枚)のメダルが払い出される。
【0076】
また、色ベル役において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、15枚のメダルが払い出される。
また、色ベル役の当選時に、左リール4aの中段入賞ライン上に特殊図柄の何れかが停止表示しなかった場合にはメダルの払出は行われない。
なお、押し順ベル役および色ベル役については、後述する疑似ボーナス状態やAT状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
【0077】
また、弱スイカ役および強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役および強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0078】
また、リプレイ役およびチャンスリプレイ役(チャンス役)に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役およびチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく(ベット数の設定なしで)、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
【0079】
また、各役の当選確率は、各設定値において、押し順ベル役>色ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強スイカ役>強チェリー役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強チェリー役が最も当選し難く設定されているものとする。ただし、ここでの押し順ベル役の当選確率は、各押し順ベル役の合算値とし、色ベル役についても同様とする。
なお、各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよい。
また、弱チェリー役、弱スイカ役、チャンスリプレイ役(チャンス役)、強チェリー役、強スイカ役は、当選し難い当選役という意味でレア役と称する。
【0080】
[遊技機における遊技の流れ]
次に、スロットマシン1の遊技の流れについて、
図6を参照して説明する。
図6は、実施形態に係るスロットマシン1における遊技状態を説明するための図である。
主制御装置10、副制御装置20は、スロットマシン1を、複数の遊技状態に制御可能であり、各遊技状態における各種処理、遊技状態間の移行の制御(以下単に「移行」ともいう)等を、以下のように行う。
【0081】
図6に示すように、実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態の複数の遊技状態から構成される。主制御装置10、副制御装置20は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
【0082】
また、スロットマシン1の遊技は、通常区間、有利区間を有する。これらの区間は、遊技状態によって区分され、さらに、AT状態等の遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態によって区分けされる。
遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態には、後述するように通常確率状態と高確率状態とが設定されている。
通常区間は、通常遊技状態において遊技可能な区間であって、通常遊技状態において疑似ボーナス状態が通常確率状態における抽選確率での抽選により遊技可能な区間が含まれる。
なお、通常区間においては、疑似ボーナス状態に当選しないような抽選制御を行うようにしてもよい。
また、通常区間において、疑似ボーナス状態の抽選確率を高確率状態よりもさらに高めた超高確率状態としてもよく、例えば、通常区間において、所定のレア役に当選した場合には必ず疑似ボーナス状態に当選するようにしてもよい。
有利区間は、通常区間から他の遊技状態に移行後、再度通常区間に戻るまで継続して滞在する。
【0083】
有利区間は、CZ状態、CZ状態の前兆状態、疑似ボーナス状態、疑似ボーナス状態の通常確率状態および高確率状態、疑似ボーナス状態の前兆状態、AT状態において遊技可能な区間が含まれる。主制御装置10は、有利区間に滞在中に、連続して実行されたゲームの回数をカウント(計数)する。遊技状態が有利区間中である場合には、有利区間ランプ13が点灯される。
なお、有利区間ランプ13は、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態等の実際に遊技者が当該状態を有利であると認識できる間にのみ点灯するようにしてもよい。例えば、疑似ボーナス状態の高確率状態中においては有利区間ランプ13を点灯しないようにしてもよい。
【0084】
有利区間に移行後、有利区間を終了するためには、ゲームの抽選結果等により通常区間へ移行した場合の他、「有利区間での連続ゲーム回数が所定回数に到達したこと」若しくは「有利区間中に獲得したメダル数が所定枚数に到達したこと」の何れかの条件の成立が設定され、有利区間として特定される各状態からなる一連の有利区間中に獲得できるメダル数を制限する制限手段(所謂リミッタ)が設けられている。
【0085】
なお、有利区間の上記終了条件は、一例であり、例えば、「少なくとも1回の押し順ベルの報知がされたこと」を含めてもよい。また、有利区間の上記終了条件は、例えば、「ボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」、「第一種特別役物(所謂レギュラーボーナス)の当選役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」等を含めてもよい。また、有利区間での連続ゲーム回数の上限は、1000回や1500回等、任意の数であればどのような回数でもよく、獲得メダル数の上限は、1000枚や2400枚等、任意の数であればどのような枚数でもよい。
【0086】
次に、主制御装置10および副制御装置20の制御により実行される各遊技状態(通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態)、遊技状態間の移行処理、および移行処理に伴って発生する各種演出等について、遊技状態毎に詳細に説明する。
【0087】
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行時点は、基本的に、移行条件が成立したゲームの第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。但し、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。
また、演出は、後述する前兆演出(本前兆演出又はフェイク前兆演出)、連続演出等が例示され、メイン表示器8およびサブ表示器17での画像(動画)、スピーカ9からの効果音、ランプ11での発光等による、特典の付与に対する報知や、特典が付与される前の事前報知等からなり、遊技者に対して特典の付与に対する期待感を高めるものである。
【0088】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合に滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図6に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からAT状態に直接移行しないようにしてもよい。
【0089】
通常遊技状態中には、メイン表示器8あるいはサブ表示器17において、1ゲームで完結する個別演出が所定の確率で実行される。
個別演出は、主に遊技者の期待感を高めるために実行される演出であり、後述する主制御装置10での役の抽選結果に基づき実行される当選演出が含まれる。
また、その他、個別演出には、その時点の確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)に基づき実行されるものや、ゲームを説明するために実行されるもの等も含まれる。
当選演出は、主に役の抽選結果を報知するために実行される演出であり、所定のキャラクタの出現とともに当選したレア役を報知可能なアイテムを表示したり、所定のキャラクタの出現とともにAT状態の発生に対する期待度を示す、「チャンス」や「激アツ」の文字情報を表示したり等、当選したレア役の種類や、その当選したレア役を契機とするAT状態の移行抽選結果に応じた画像が表示される演出である。
【0090】
・通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行処理(
図6の矢印a)
通常遊技状態においては、主制御装置10による特典を付与するか否かの決定結果が、予め定められた特別の決定結果となったことに基づき、第2特定遊技状態として疑似ボーナス状態(特典)を付与するものとなっている。
【0091】
より具体的には、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて予め疑似ボーナス状態への移行抽選処理を行う。例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理を行う。
疑似ボーナス状態は、所定ゲーム数が実行されるまで継続するとともに、その間にAT状態の移行抽選を行う遊技状態である。疑似ボーナス状態の詳細については後述する。
【0092】
また、通常遊技状態において、所定のレア役の当選時に疑似ボーナス状態に当選する確率は、設定手段としての確率設定装置14における設定値に応じて変更可能となっていて、例えば、チャンス役当選時には、設定1では20%、設定2では22%、設定3では24%、設定4では26%、設定5では28%、設定6では30%の各確率で疑似ボーナス状態に移行するようになっている。
【0093】
なお、疑似ボーナス状態への移行、すなわち、特典を付与するか否かの決定は、抽選手段によるレア役の抽選以外で行うようにしてもよい。例えば、所定の役(例えば、ベル役)の当選(あるいは実際の成立回数)が所定回数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよいし、前回の疑似ボーナス状態、あるいはAT状態の終了後に実行されたゲーム数が所定数となった場合に、疑似ボーナス状態への移行を決定するようにしてもよいし、役の抽選に応じてポイントを加算させるようにするとともに、当選した役の種類や、役に当選した状態に応じて加算させるポイントを変更可能にして、このポイントが所定数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよい。
【0094】
また、後述するAT状態中に、疑似ボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、疑似ボーナス状態の抽選契機役を、チャンス役と強チェリー役に設定しているが、その他の役の当選時に疑似ボーナス状態を抽選するようにしてもよい。
【0095】
疑似ボーナス状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態への移行前において、遊技者の疑似ボーナス状態への移行に対する期待感を高めるために、最終的に疑似ボーナス状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の本前兆演出(第1の特定演出)がメイン表示器8において実行される。
【0096】
すなわち、抽選手段としての主制御装置10は、疑似ボーナス状態への移行を予め決定した場合でも、直ぐに疑似ボーナス状態への移行を行わず、その時点から所定数(例えば、30回)のゲームが実行された後に疑似ボーナス状態を発生するようにしていて、副制御装置20は、主制御装置10が、疑似ボーナス状態の発生を事前に決定したことに基づき、疑似ボーナス状態に移行する前の所定数のゲーム実行期間において、前兆演出としての本前兆演出を実行させる制御を行うのである。
したがって、副制御装置20は、特典の付与として疑似ボーナス状態の移行が予め決定されている場合に、特典の付与前の所定期間において、複数のゲームに亘って特定演出(第1の特定演出)として本前兆演出を実行可能としているのである。
【0097】
また、疑似ボーナス状態への移行抽選の当選から本前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)が設定されていて、本前兆演出は、この待機期間の終了後に実行されることとなる。
したがって、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しても、直ぐには疑似ボーナス状態へは移行せず、待機期間と、本前兆演出の実行後に移行することとなる。
【0098】
本前兆演出中においては、メイン表示器8において、通常遊技状態中とは異なる背景からなるステージの画像に切り替わるとともに、登場するキャラクタが通常遊技状態中とは異なる動作を行う前兆ステージ上での演出画像が実行される。例えば、キャラクタが洞窟を進んでいくような前兆ステージ上での演出が複数のゲームを通して行われる。これらの演出は1のゲームが終了しても演出内容自体は変化することはない。例えば、所定のゲームにおいて各種イベント等の発生により画面の切替等は行われても、キャラクタが洞窟を進んでいくような演出内容自体は変化することなく次のゲームでも継続して行われる。したがって、本前兆演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、前兆ステージには、背景等が異なる複数パターンが用意されていて、副制御装置20の制御により、その時点の疑似ボーナス状態の当選の有無に応じて何れかのパターンの前兆ステージが選択されることとなっている。
【0099】
また、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役(例えば、チャンス役)に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、最終的に疑似ボーナス状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)のフェイク前兆演出(第2の特定演出)がメイン表示器8において実行される。
なお、フェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合の、所定確率(例えば、50%)で実行するようにしてもよいし、必ず実行するようにしてもよい。
【0100】
すなわち、副制御装置20は、主制御装置10が疑似ボーナス状態の移行を事前に決定していない場合における所定条件の成立に基づき、複数のゲームに亘って、特定演出(第2の特定演出)としてのフェイク前兆演出を実行可能としているのである。
したがって、副制御装置20は、特典付与手段としての主制御装置10が疑似ボーナス状態への移行を事前に決定したか否かに関わらず、チャンス役の当選等の特定条件が成立した場合には、特典が付与されるか否かを示唆可能な特定演出(本前兆演出あるいはフェイク前兆演出)を、複数のゲームに跨って実行させることが可能となっているのである。
【0101】
また、フェイク前兆演出を実行する場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役の当選からフェイク前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分のフェイク待機期間(例えば、12ゲーム)が設定される。
本前兆演出とフェイク前兆演出は、基本的には演出画像(ステージ或いは登場するキャラクタ等)は同様に設定された複数のゲームに亘る一連の演出からなり、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0102】
また、前兆演出(本前兆演出またはフェイク前兆演出)中と待機期間(あるいはフェイク待機期間)中においては、詳細は後述するが、各ゲームで実行される当選演出の発生率が、その他の通常遊技状態中よりも高められる。
特に、待機期間(あるいはフェイク待機期間)中においては、その後、前兆演出が発生することとなるので、発生率が高められた状態で発生する各当選演出が、疑似ボーナス状態の発生に対する所謂煽り演出となり、遊技者の期待感を高めることとなる。
また、煽り演出としては、その他、当選演出時に特定のキャラクタの出現率が高まったり、キャラクタのセリフ画像の配色が煽り演出以外とは異なるもの(例えば、青色)となったり、背景を変化させたり等の演出が行われる。
【0103】
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出においては、最終的に疑似ボーナス状態に移行するか否かの報知が行われるが、この場合、メイン表示器8において、前兆演出の最終ゲームの数ゲーム前(例えば、2ゲーム前)から連続的な演出(連続演出)が実行される。連続演出は、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタとが所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の間対戦する画像からなる対戦演出で実行される。
【0104】
連続演出は、ゲーム毎に主人公キャラクタと敵キャラクタが攻防を繰り返す演出画像が実行され、各ゲームの演出内容は次ゲームに引き継ぐような演出が実行される。例えば、所定のゲームで与えられた主人公キャラクタがダメージを負った場合には、そのダメージは次ゲームに持ち越すように演出(例えば、ダメージの量を示すメーターを変化させる演出)が実行される。
また、予め決定されている疑似ボーナス状態の移行の有無により、各ゲームにおける主人公キャラクタと敵キャラクタの攻防の状態が設定されていて、疑似ボーナス状態に移行する場合には、移行しない場合よりも主人公キャラクタが攻撃を行うゲームが多くなるように設定されている。
すなわち、連続演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、連続演出には、ボタン演出が併行して実行される場合もある。
【0105】
そして、疑似ボーナス状態に当選していた場合(本前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態の当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが勝利する画像が表示され、疑似ボーナス状態に当選していなかった場合(フェイク前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態の非当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが敗北する画像が表示される。
なお、連続演出ではなく、本前兆演出およびフェイク前兆演出の最終ゲームのみで完結する演出を実行し、その演出結果により疑似ボーナス状態への移行に関する報知を行ってもよい。
【0106】
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に直ぐに発生させるようにしてもよい。また、フェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に、必ず発生させるようにしてもよいし、所定確率で発生させるようにしてもよい。
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出のゲーム数は何れのゲーム数でもよいし、複数のゲーム数(例えば、15~20ゲーム)から選択的に決定するようにしてもよい。また、同様に、待機期間も複数のゲーム数(例えば、10~15ゲーム)から選択的に決定するようにして、待機期間が変化するようにしてもよい。
【0107】
なお、本前兆演出とフェイク前兆演出の実行期間として、選択し得るゲーム数を同じものに設定してもよいが、本前兆演出時には、フェイク前兆演出では選択しないゲーム数を選択可能としてもよい。このようにすれば、フェイク前兆演出ではありえない少ないゲーム数で前兆演出が終了した場合や、フェイク前兆演出ではありえない多いゲーム数まで前兆演出が継続した場合、本前兆演出が確定することとなるので、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0108】
また、通常遊技状態においては、疑似ボーナス状態への当選確率状態が異なる通常確率状態と高確率状態を有している。疑似ボーナス状態への移行抽選の当選確率は、高確率状態の方が通常確率状態よりも高くなっていて、確率状態の移行は、例えば、弱スイカ役や弱チェリー役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われる。一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、およびハズレ時の5%の確率で、高確率状態から通常確率状態へ移行する制御が行われる。
【0109】
疑似ボーナス状態の当選確率は、通常確率状態においては、例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の20%の確率で設定され、高確率状態においては、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の50%の確率で設定されている。
確率状態が通常確率状態から高確率状態に変更すると、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において高確率状態である旨の報知が行われ、例えば、通常遊技状態中には主人公キャラクタが草原を進んでいくようなステージが表示されている場合に、そのステージの背景を、昼間の背景から夕方の背景に変更させることで高確率状態である旨の報知を行うようにしている。
【0110】
ただし、高確率状態となった場合に確実にステージを変更させるのではなく、高確率状態中のゲームにおいて所定の確率(例えば、30%)でステージの変更抽選を行い、この変更抽選結果に当選した場合にのみステージを変更させるような制御が行われる。
また、通常確率状態中のゲームにおいても所定の確率(2%)でステージへの変更抽選が行われ、この変更抽選に当選した場合も高確率状態を示すステージに変更させるような制御が行われる。
【0111】
一方、夕方の背景からなるステージの滞在時にも昼間の背景への変更抽選が行われ、通常確率状態中のゲームでは相対的に高い確率(例えば、20%)で変更抽選に当選し、高確率状態中のゲームでは相対的に低い確率(例えば、5%)で変更抽選に当選するような制御が行われる。
したがって、夕方の背景からなるステージになっていても必ずしも高確率状態に滞在しているわけではなく、夕方の背景からなるステージは、あくまでも高確率状態を示唆するものとなっている。
【0112】
なお、確率設定装置14における設定値を変更した場合や、主制御装置10がリセットされた場合には、通常区間を経て有利区間に移行した後、通常確率状態での通常遊技状態により実質的な遊技が開始可能となるが、確率設定装置14での設定値毎に、所定の確率で通常遊技状態を高確率状態で開始するようにしてもよい。
また、チャンス役と強チェリー役当選時に異なる確率で疑似ボーナス状態に当選するようにしてもよい。
【0113】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(
図6の矢印c)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。例えば、強スイカ役当選時の所定の確率(例えば、10%)でCZ状態への移行処理を行う。CZ状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
【0114】
なお、通常遊技状態において、主制御装置10により、例えば、弱チェリー役の当選を契機にCZ状態の当選確率状態を変更可能にしてもよい。また、副制御装置20により、当選確率状態に対する報知制御を行ってもよい。報知制御を行う場合には、各確率状態を直接的に報知する形態ではなく、その時点での確率状態がどの状態であるかを、メイン表示器8の表示内容を変化させることで遊技者が予測できる程度に行うようにしてもよい。
また、通常遊技状態において、所定のレア役の当選時にCZ状態に当選する確率を、設定手段としての確率設定装置14における設定値に応じて変更可能としてもよい。
【0115】
また、CZ状態への移行抽選に当選した場合でも、直ぐにはCZ状態へは移行させずに、所定ゲーム数(例えば、5~8ゲーム)の間、CZ状態待機状態(遅延期間)を発生させ、この間CZ状態の移行を待機させた後に、CZ状態へ移行させるようにしている。
また、CZ状態待機状態中は、前述した疑似ボーナス状態の待機期間と同様に、メイン表示器8での演出内容をその他の状態と異ならせるような制御が行われる。
【0116】
すなわち、各ゲームで実行される当選演出の発生率が、その他の通常遊技状態中よりも高められることで、当選演出が、その後発生するCZ状態に対する所謂煽り演出となり、遊技者の期待感を高めることとなる。
また、煽り演出としては、その他、当選演出時に特定のキャラクタの出現率が高まったり、キャラクタのセリフ画像の配色が煽り演出以外とは異なるもの(例えば、青色)となったり、背景を変化させたり等の演出が行われる。
そして、CZ状態待機状態が終了することとなるゲームの終了時に、CZ状態に移行することがメイン表示器8において報知される。
【0117】
なお、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感を高めるためにCZ状態待機状態中に、最終的にCZ状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、2ゲーム)のCZ状態の連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。
【0118】
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選したが、CZ状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、上記遅延期間と同様に所定ゲーム数(例えば、5~8ゲーム)間、メイン表示器8での演出内容がその他の状態と異ならせるような演出(所謂煽り演出)の制御が行われる。
したがって、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、CZ状態への移行の有無にかかわらず、遊技者の期待感が所定期間高められるのである。
【0119】
なお、最終的にCZ状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZ状態のフェイク連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。この場合、CZ状態の連続演出とフェイク連続演出は、基本的には登場するキャラクタ等を同様に設定して、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けるようにしてもよい。
例えば、CZ状態の連続演出(あるいはフェイク連続演出)として、各ゲームを通じてキャラクタがスポーツ競技に挑戦するような演出画像を実行してもよい。この場合、連続演出(あるいはフェイク連続演出)中はその間のゲームを通してスポーツ競技が連続して実行され、CZ状態に当選していた場合には、最終的に競技に成功(例えば、サッカーでゴールに成功)し、CZ状態に当選していない場合には、競技に失敗する演出画像が実行される。
【0120】
また、CZ状態待機状態中に、前兆演出(本前兆演出又はフェイク前兆演出)と同様のCZ状態の前兆演出(CZ本前兆演出又はCZフェイク前兆演出)をメイン表示器8において実行するようにしてもよいし、CZ状態の前兆演出(CZ本前兆演出又はCZフェイク前兆演出)の最終段階で連続演出又はフェイク連続演出を実行するようにしてもよい。
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の煽り演出が行われる期間は、複数ゲームが実行される期間であれば何れでもよく、乱数の抽出に基づき複数のゲーム数から何れか1つのゲーム数を決定してもよいし、固定のゲーム数で決定してもよい。
【0121】
・通常遊技状態からAT状態への移行処理(
図6の矢印g)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、第1特定遊技状態としてのAT状態への移行抽選処理を行う。例えば、強チェリー役当選時に所定の確率(例えば、1%)でAT状態への移行処理を行う。AT状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
なお、通常遊技状態におけるAT状態への移行は、所定のレア役への当選を条件に行う以外に、何れの小役にも当選しなかったハズレ抽選結果が導出されたときの所定の確率(例えば、1%)で行うようにしてもよい。
【0122】
本実施形態においては、AT状態への移行は、遊技者の期待感を高めるために、主に疑似ボーナス状態を経由して実行されるようになっていることから、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率は極めて低い確率に設定されている。
なお、確率設定装置14での設定確率に応じて、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率を変更可能にしてもよいし、比較的高い設定値(例えば、設定4~6)の場合のみ通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選可能としてもよい。
また、通常遊技状態において、AT状態の移行抽選に当選した場合には、前述した疑似ボーナス状態の発生時と同様の前兆演出が実行され、前兆演出の終了後にAT状態が発生するようになっている。
【0123】
なお、通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の発生時と異なる前兆演出の選択制御を行うようにしてもよく、例えば、直接AT状態へ移行する場合には、フェイク前兆演出においては出現率が低い(あるいは出現しない)キャラクタや背景から構成される前兆演出の選択率を、疑似ボーナス状態の発生時よりも高めるようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態の発生時には実行されない前兆演出を、直接AT状態へ移行する場合にのみ実行するようにしてもよい。
【0124】
(CZ状態)
CZ状態は、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、通常遊技状態よりも各ゲームにおいて高確率で疑似ボーナス状態への移行抽選処理が行われるので、通常遊技状態に滞在中よりも疑似ボーナス状態へ移行しやすい遊技状態である。
なお、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時に押し順ナビを実行するようにしてもよいし、押し順ベル役当選時の一部、すなわち押し順ベル役当選時の所定の確率(例えば、40%)で押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0125】
CZ状態に滞在中は、通常遊技状態に滞在中よりも、疑似ボーナス状態に移行しやすいので、CZ状態は、一連の遊技の流れにおいてチャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最大で10ゲームである。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10および副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、CZ状態中の各種演出や残ゲーム数がメイン表示器8に表示される。
【0126】
・CZ状態から疑似ボーナス状態への移行処理(
図6の矢印e)
CZ状態では、各ゲームにおいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行う。
疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、例えば、レア役当選時が50%、ベル役当選時およびリプレイ役当選時が10%、ハズレ役当選時が5%である。疑似ボーナス状態の移行抽選はCZ状態中のゲーム毎に行われるが、疑似ボーナス状態への移行の有無はCZ状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームで疑似ボーナス状態への移行が報知された場合には、通常遊技状態のときと同様に、遊技状態が疑似ボーナス状態へ移行することとなる。
なお、疑似ボーナス状態の移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でも疑似ボーナス状態の移行抽選は実行される。
【0127】
なお、各当選役の一部又は全部についての疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、上記以外でもよい。また、ベル役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしたが、ベル役に対応する図柄が入賞することに基づいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0128】
また、CZ状態中は、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するCZ演出がメイン表示器8で表示される。CZ演出においては、例えば、最初の数ゲーム間(例えば、7ゲーム間)で主人公キャラクタが対戦の準備を行う演出画像が表示され、CZ状態の最後の数ゲーム間(例えば、3ゲーム間)においては、複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出として主人公キャラクタと敵キャラクタとが対戦する演出画像が表示される。そして、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選していた場合には、最終ゲームで主人公キャラクタが勝利して疑似ボーナス状態へ移行することが報知される。
【0129】
また、CZ状態中においては、その間に実行されたゲームの当選内容に応じて、対戦準備演出中の背景や対戦演出中の攻防内容が変化して、疑似ボーナス状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。また、CZ状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数はゲームが実行される毎に減算されていく。
また、CZ演出における対戦演出前の準備演出中においても、主人公キャラクタが対戦の準備を行う演出画像が各ゲームを通して連続して実行されることから、準備演出中も複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出となる。
【0130】
なお、CZ状態中において、対戦演出を実行せずにCZ状態への移行の有無の報知を行うようにしてもよく、例えば、CZ状態中の所定のゲームで疑似ボーナス状態に当選した場合には、そのゲームの間で疑似ボーナス状態に移行することを報知する演出を実行するようにしてもよい。この場合、CZ状態中に何れのゲームでも疑似ボーナス状態に当選しなかった場合には、疑似ボーナス状態に移行することを報知する演出が行われないままCZ状態が終了することとなる。
【0131】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(
図6の矢印d)
CZ状態において、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合には、CZ状態中における規定数のゲームの実行後、通常遊技状態に移行する。このとき、CZ演出において、主人公キャラクタが敗北して疑似ボーナス状態へ移行しないことが報知される。
【0132】
なお、CZ状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0133】
(疑似ボーナス状態)
第2特定遊技状態としての疑似ボーナス状態は、当該疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビと、色ベル役に対する色ナビの双方が実行されることで、メダルの獲得が極めて容易な遊技状態である。
また、詳細は後述するが、AT状態は、疑似ボーナス状態とは異なり、色ベル役に対する色ナビは実行されず、押し順ベル役に対する押し順ナビのみが実行されるので、疑似ボーナス状態は、AT状態よりもメダルの獲得が容易な遊技状態となっている。
【0134】
また、疑似ボーナス状態は、所定期間(例えば、18ゲーム~20ゲーム)継続して、その間に実行される所定のゲームにおいて、AT状態の移行抽選が行われるものとなっている。
したがって、多数のメダルを獲得可能な疑似ボーナス状態中にAT状態の移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の終了後にAT状態が発生することとなるので、遊技者が一定のメダルを獲得しつつ、次の疑似ボーナス状態を発生させるためのゲームを実行することが可能となり、相乗的に遊技者に有利な状態が生じることとなるのである。
【0135】
なお、押し順ベル役の当選確率、および色ベル役の当選確率は、所定期間何れかの1つのナビ状態が継続した場合に、所定期間におけるメダルが増加する値となっているが、押し順ベル役の当選確率(例えば、約57%)の方が色ベル役の当選確率(例えば、約30%)よりも高い値に設定することが好ましい。
また、疑似ボーナス状態が継続する期間は、実行されたゲーム数で規定する以外に、押し順ナビと色ナビのうち何れか一方のナビ、あるいは双方のナビが実行される回数、払い出されたメダル数(払出枚数)、メダルの払い出しにより実際に増加したメダル数(純増枚数)等により規定するようにしてもよい。
【0136】
また、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームでは、主制御装置10の制御により、スタートレバー3の操作から停止ボタン5の操作が有効となるまでの期間が、通常のゲームよりも延長され、この期間に、リール4を逆回転させた後、リール4において特定の図柄組合せ(「赤7A、赤7A、赤7A」)を一旦停止させたのちに再度正回転させる、所謂リール演出が行われて、疑似ボーナス状態が発生したことが報知される。
【0137】
リール演出が行われるリール演出期間は、例えば、15秒に設定され、この間は、停止ボタン5の操作が無効となるので、リール4が作動していてもゲームの進行が不能な状態となっている。
そして、リール演出期間の終了時には、特定の図柄組合せ(例えば、「赤7A、赤7A、赤7A」)が一旦停止(自動停止)することとなるので、疑似ボーナス状態は、遊技内容的にはAT状態と同様にナビが実行される状態となっているが、見た目上は所謂ビッグボーナス状態(リアルボーナス状態)が発生したようなものとなり、AT状態との差別化が図られている。
【0138】
また、リール演出期間が終了すると、リール4が正回転での回転を自動的に開始するとともに、停止ボタン5の操作が有効となり、この時点から、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームの停止操作が通常のゲームと同様に可能となる。
また、リール演出中においては、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、リール演出に対応する演出画像として疑似ボーナス状態の発生を報知する表示が行われる。
【0139】
・疑似ボーナス状態からAT状態への移行処理(
図6の矢印f)
疑似ボーナス状態では、当該疑似ボーナス状態の終盤に実行される所定数のゲーム(1~3ゲーム)においてAT状態の移行抽選処理を行う。
本実施形態においては、AT状態の移行抽選処理は、最長で疑似ボーナス状態の最後の3ゲームの間に設定された抽選ゲーム期間に跨って実行され、抽選ゲーム期間おける各ゲームで実行される対戦抽選の結果態様によりAT状態に移行させるか否かが決定される。
そして、抽選ゲーム期間における各ゲームでの対戦抽選の結果が全て当選となった場合に、特別条件が成立したものと判定されてAT状態の移行が決定され、疑似ボーナス状態の終了後に遊技状態がAT状態に移行することとなる。
【0140】
すなわち、主制御装置10は、所定期間としての抽選ゲーム期間における複数のゲームの実行に関連してAT状態に移行させるか否かを決定可能であって、複数のゲームにおけるAT状態の移行に関わる抽選結果が、予め定められている特別条件を満たした場合に、所定の特典を付与することを決定可能に構成されているのである。
なお、本実施形態においては、疑似ボーナス状態の終盤に実行される所定数のゲームにおいてAT状態の移行抽選処理を行うようにしているが、疑似ボーナス状態の終了後に、AT状態の移行抽選処理を行うための所定ゲーム数の期間を設けて、疑似ボーナス状態の終了後にAT状態に移行するか否かのゲームを実行するようにしてもよい。
【0141】
また、抽選ゲーム期間に実行される各ゲームでの対戦抽選は、役の抽選とは別個に実行され、その当選確率が常に一定ではなく、各ゲーム間で異なる確率になるような抽選態様が設定されている。
例えば、抽選ゲーム期間中の最初のゲームでは対戦抽選の当選確率が50%で、2番目のゲームでは60%で、3番目のゲームでは70%で各ゲームの対戦抽選が実行される。
【0142】
なお、抽選態様は、所定の確率でAT状態に移行するものであれば上記した各対戦抽選の確率以外でもよい。
また、複数の抽選態様を設定して、所定条件の成立に基づき何れかの抽選態様を変更可能に構成してもよい。
例えば、抽選ゲーム期間中の3ゲームにおける対戦抽選の当選確率が全て50%で各ゲームの対戦抽選が実行される抽選態様と、最初のゲームでは対戦抽選の当選確率が25%で、2番目のゲームでは50%で、3番目のゲームでは100%で各ゲームの対戦抽選が実行される抽選態様とを設定し、何れかの抽選態様を切り替えるようにしてもよい。ただし、この場合、疑似ボーナス状態からAT状態に移行するトータルの確率は、どの抽選態様となっても同一とすることが好ましい。
【0143】
また、上記抽選態様の変更は、遊技者の操作に基づき実行可能にして、遊技者の好みに応じて抽選態様を選択可能にとしてもよい。
また、疑似ボーナス状態からAT状態に移行するトータルの確率を、設定手段としての確率設定装置14における設定値に応じて変更可能としてもよい。
【0144】
また、疑似ボーナス状態からAT状態に移行するトータルの確率を、抽選態様に応じて異なるように設定してもよく、例えば、所定のレア役(例えば、強チェリー役)の成立等、通常遊技状態中や疑似ボーナス状態中に成立する所定条件に基づき、AT状態に移行するトータルの確率が、低い抽選態様から高い抽選態様に切り替えるようにしてもよい。また、この場合に、トータルの確率が低い抽選態様においてAT状態に当選した場合には、トータルの確率が高い抽選態様においてAT状態に当選した場合よりも、遊技者に有利となるような特典を付与するようにしてもよい。例えば、トータルの確率が低い抽選態様においてAT状態に当選した場合には、AT状態の継続権利を複数記憶(ストック)したり、継続回数を多くしたAT状態(上位AT状態)を発生させたりしてもよい。
【0145】
また、上記抽選ゲーム期間中においては、ゲームの実行に対応して、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、演出制御手段としての副制御装置20の制御により、メイン表示器8において所定の演出としてキャラクタによる連続演出が実行される。
疑似ボーナス状態中の連続演出は、前述した本前兆演出(あるいは、フェイク前兆演出)中に実行される連続演出とは演出内容が異なっていて、ゲーム毎に対戦演出が完結するような内容となっている。
【0146】
すなわち、本前兆演出(あるいは、フェイク前兆演出)中に実行される連続演出では、主人公キャラクタが敵キャラクタと3ゲームに亘ってそのまま対戦し、最終ゲームにおいて対戦結果が導出されるような内容となっているが、疑似ボーナス状態中の連続演出では、各ゲームにおける対戦抽選に応じて、ゲーム毎に対戦結果が導出されるような内容で対戦演出が実行される。
また、各ゲームにおける対戦演出では、ゲーム毎に設定される当選確率に基づき対戦演出が実行されるので、ゲーム毎に敵キャラクタと対戦する味方側のキャラクタ(主人公キャラクタを含む)が、上記当選確率に対応して異なる種類で登場可能となっている。
【0147】
例えば、連続演出中の1ゲーム目のゲームにおいては、50%の当選確率である対戦抽選に対応して味方キャラクタAが登場し、2ゲーム目のゲームにおいては、60%の当選確率である対戦抽選に対応して味方キャラクタBが登場し、3ゲーム目のゲームにおいては、70%の当選確率である対戦抽選に対応して味方キャラクタC(例えば、主人公キャラクタ)が登場するものとなっている。
【0148】
そして、各ゲームにおける対戦抽選が当選していた場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に勝利し、対戦抽選が当選していなかった場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に敗北するような演出が、ゲーム毎に完結的に行われる。その結果、全てのゲームにおける対戦抽選が当選していた場合には、味方側のキャラクタが全て勝利するものとなり、最終的にAT状態の移行が報知されることとなる。
一方、抽選ゲーム期間における対戦抽選に1回でも非当選となった場合には、その時点で抽選ゲーム期間は終了して、疑似ボーナス状態もその時点で終了することとなる。したがって、対戦抽選の結果に応じて疑似ボーナス状態の期間が変化することとなる。
【0149】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においては、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場する疑似ボーナス状態中の演出(疑似ボーナス演出)がメイン表示器8あるいはサブ表示器17で表示される。疑似ボーナス演出においては、例えば、登場する各キャラクタの紹介画像等が表示されるとともに、所定の楽曲がスピーカ9から出力される。
【0150】
一方、疑似ボーナス状態の抽選ゲーム期間中においては、各対戦抽選に応じて、対戦演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、AT状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。
また、疑似ボーナス状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数は、ゲームが実行される毎に減算される。
【0151】
なお、本実施形態においては、疑似ボーナス状態におけるAT状態の移行抽選を行う期間を、疑似ボーナス状態の最後の3ゲームに設定するようにしているが、連続する複数のゲームにおいて移行抽選を行うものであれば何れでもよく、例えば、4ゲームや5ゲーム等でもよい。
また、AT状態の移行する条件は、複数のゲームにおける対戦抽選が全て当選した場合に設定しているが、その他の条件でもよく、例えば、1回や2回の当選によりAT状態に移行することを決定してもよい。
【0152】
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に1回でも非当選となった場合には、その時点で抽選ゲーム期間(疑似ボーナス状態)を終了するようにしているが、各ゲームでの抽選結果に関わらず抽選ゲーム期間での3ゲーム全てを実行するようにしてもよい。また、この場合に、全てのゲームの対戦抽選で非当選となった場合には、特別な特典としてAT状態に移行させるようにしてもよい。ただし、この場合、100%の確率で対戦抽選に当選となるゲームが実行されないことが条件となる。
【0153】
また、疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選は、上記した抽選ゲーム期間中以外に実行してもよく、例えば、通常の操作態様(例えば、左リール4aを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、リプレイ役に対応する図柄組合せが停止するが、通常の操作態様とは異なる変則操作態様(例えば、右リール4cを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、特定の図柄組合せ(例えば、「赤7A、赤7A、赤7A」)が停止する特定のリプレイ役を抽選可能とし、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間において特定のリプレイ役に当選した場合には、無条件(100%の確率)でAT状態に移行するようにしてもよい。
この場合、特定のリプレイ役に当選した場合には、メイン表示器8において、変則操作態様、および特定の図柄組合せを狙うように促す画像を表示することが好ましい。
【0154】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、所定の確率(例えば、10%)でその時点でAT状態に移行する権利を付与するようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態に移行する権利を付与するのではなく、所定の確率(例えば、20%)で、抽選ゲーム期間における所定ゲーム分(1ゲームあるいは2ゲーム分)の対戦抽選に当選する権利を、その時点で付与するようにしても良い。
この場合には、レア役の当選時に、メイン表示器8において、1ゲームで完結する当選演出を実行することが好ましい。
【0155】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間におけるレア役当選時にAT状態に移行する権利が付与された場合には、抽選ゲーム期間中のゲームにおいて、対戦抽選の如何に関わらず必ず全勝するような連続演出を行うようにすることが好ましい。
また、抽選ゲーム期間において、対戦抽選とは別個に引分抽選を実行し、対戦抽選に非当選となり、かつ引分抽選に当選した場合には、その回の対戦抽選を無効とし、新たな対戦抽選を行うゲームを抽選ゲーム期間に追加実行してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に全て当選となった場合には、抽選ゲーム期間を延長して、対戦抽選に非当選となるまで抽選ゲーム期間を終了させないようにしてもよい。この場合、延長されたゲームの対戦抽選で当選となった場合には、AT状態の継続権利をその都度付与するようにしてもよい。
【0156】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中における各ゲームの対戦演出中に、ボタン演出を実行してもよい。
操作演出としてのボタン演出は、先ず、メイン表示器8(あるいはサブ表示器17)に演出ボタン2dの操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)等からなる操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)が操作された場合に、所定の画像をメイン表示器8(あるいはサブ表示器17)に表示する一連の演出であり、例えば、対戦演出が実行されるゲームの終了時に、操作ボタンを模した画像や操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2dが操作された場合に、予め決定されている対戦抽選の結果を報知する画像をメイン表示器8において表示する演出である。
この場合、対戦抽選の結果が当選であった場合には、非当選の場合よりもボタン演出が実行される確率が高くなるようにすることが好ましい。
【0157】
・疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行処理(
図6の矢印b)
疑似ボーナス状態において、特別条件が成立せずにAT状態への移行権利が付与されなかった場合、すなわち、疑似ボーナス状態における抽選ゲーム期間中の各ゲームの対戦抽選が全て当選とならなかった場合には、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行する。
本実施形態においては、抽選ゲーム期間中のゲームにおいて、1回でも対戦抽選が非当選となると特別条件の非成立が確定することとなるので、抽選ゲーム期間中の何れかのゲームにおいて対戦抽選が非当選となった時点で疑似ボーナス状態の終了条件が成立し、次のゲームから遊技状態が通常遊技状態に移行するものとしている。
【0158】
したがって、抽選ゲーム期間中におけるゲームの対戦抽選の結果に応じて、疑似ボーナス状態の継続期間が変化することとなる。
例えば、抽選ゲーム期間中の最初のゲームである18ゲーム目の対戦抽選が非当選となった場合には、疑似ボーナス状態の継続期間は18ゲームとなるが、最後のゲームである20ゲーム目に初めて非当選となった場合には、継続期間が20ゲームとなる。
また、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ナビおよび色ナビは行われるので、最終的に疑似ボーナス状態において特別条件が成立しなかった場合でも、対戦抽選が非当選とならずに抽選ゲーム期間が継続するほど、メダルを獲得する機会が増え、その分遊技者にとって有利な状態となるのである。
なお、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ベル役に対する押し順ナビ、および色ベル役に対する色ナビを実行可能としているが、抽選ゲーム期間中のゲームにおいては、押し順ナビあるいは色ナビを行わないようにしてもよいし、所定の確率(例えば、50%)でのみ押し順ナビあるいは色ナビを行うようにしてもよい。
【0159】
なお、疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示し、この表示するキャラクタを確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択することで、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0160】
(AT状態)
AT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが当該期間継続的に行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
ただし、疑似ボーナス状態とは異なり、AT状態中には色ベル役に対する色ナビは実行されず、押し順ナビのみが実行されるので、疑似ボーナス状態中よりもメダルの獲得量が少ないものとなっている。
【0161】
AT状態中は、AT状態の初期移行時に付与された所定数のゲーム(例えば、30ゲーム)を、AT状態を継続可能な残ゲーム数として継続が管理されて、残ゲーム数がゲーム毎に減算され、残ゲーム数が無くなるまでAT状態は継続される。
そして、AT状態において残ゲーム数が無くなった場合、AT状態が終了することとなる。
【0162】
AT状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、AT状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、AT状態中の各種演出の画像表示が行われる。また、AT状態中の、残ゲーム数、一連のAT状態中に獲得したメダルの総数、AT状態中に実行された総ゲーム数が、メイン表示器8に表示される。
【0163】
また、AT状態では、当該AT状態の最後に実行される所定数のゲーム(2~3ゲーム)においてAT状態の継続抽選処理を行う。
本実施形態においては、AT状態の継続抽選処理は、最長でAT状態の最後の3ゲームの間に設定された抽選ゲーム期間に跨って実行され、抽選ゲーム期間おける各ゲームで実行される対戦抽選の結果態様によりAT状態を継続させるか否かが決定される。
そして、抽選ゲーム期間おける各ゲームでの対戦抽選の結果が2回当選となった場合に、特別条件が成立したものと判定されてAT状態の継続が決定され、実行中のAT状態の終了後に新たなAT状態が開始することとなる。
すなわち、主制御装置10は、所定期間としての抽選ゲーム期間における複数のゲームの実行に関連して所定の特典(AT状態の継続)を付与するか否かを決定可能であって、複数のゲームにおける所定の特典の付与に関わる抽選結果が、予め定められている特別条件を満たした場合に、所定の特典を付与することを決定可能に構成されているのである。
【0164】
また、新たなAT状態においても、AT状態の初期移行時と同様にAT状態自体の継続が管理され、所定数(例えば、30回)のゲームが実行されると当該AT状態が終了することとなるが、この新たなAT状態の最後に実行される所定数のゲーム(2~3ゲーム)においても、初期移行時と同様にAT状態の継続抽選処理が行われる。
したがって、各AT状態中の継続抽選処理における特別条件の成立により、AT状態が繰り返して実行されることとなるのである。
【0165】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間に実行される各ゲームでの対戦抽選は、疑似ボーナス状態中と同様に、その当選確率が常に一定でないものに設定されている。
なお、AT状態中の抽選ゲーム期間における各対戦抽選の当選確率は、疑似ボーナス状態中と同様にしてもよいし、異なるものにしてもよい。また、AT状態中の抽選ゲーム期間の抽選態様を複数設定し、所定条件の成立に基づき変更可能としてもよいし、遊技者の操作に基づき変更可能にして、遊技者の好みに応じて選択可能にしてもよい。
【0166】
また、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態における抽選ゲーム期間中においても、ゲームの実行に対応して、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8においてキャラクタによる連続演出が実行される。
AT状態中の連続演出に関しても、疑似ボーナス状態中と同様に、ゲーム毎に対戦演出が完結するような内容となっていて、ゲーム毎に設定される当選確率に基づき対戦演出が実行され、ゲーム毎に敵キャラクタと対戦する味方側のキャラクタ(主人公キャラクタを含む)が、上記当選確率に対応して異なる種類で登場することとなる。
【0167】
そして、各ゲームにおける対戦抽選が当選していた場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に勝利し、対戦抽選が当選していなかった場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に敗北するような演出が、ゲーム毎に完結的に行われる。
ただし、AT状態中の継続抽選処理においては、疑似ボーナス状態中の移行抽選処理とは条件の一部が異なるものに設定されていて、疑似ボーナス状態中においては、3ゲームにおける対戦抽選の結果が全て当選となった場合にAT状態への移行が確定するものとなっていることに対して、AT状態中においては、3ゲームにおける対戦抽選の結果のうち、2ゲームが当選となった場合に次回のAT状態の継続が確定するものとなっている。
【0168】
したがって、AT状態の継続条件は、AT状態の突入条件である移行条件よりも難易度が低くなり、例えば、1ゲーム目と2ゲーム目の対戦抽選で当選となった場合には、その時点で次回のAT状態の継続が確定し、かりに3ゲーム目の対戦抽選が非当選となった場合でも、当該ゲームでの対戦演出が負けとなる結果の導出後、最終的にAT状態の継続が報知されて新たなAT状態に移行することとなる。
【0169】
また、本実施形態においては、AT状態中の抽選ゲーム期間に実行される各ゲームでの対戦抽選の結果が全て当選となった場合には、次回のAT状態の継続権利の付与の他、次々回のAT状態の継続権利を付与するようにしている。
すなわち、AT状態中の抽選ゲーム期間における対戦抽選において、2回の当選結果が導出された場合には、所定の特典の付与として次回のAT状態の継続権利が付与されるが、3回の当選結果が導出された場合には、上記所定の特典の付与の他、別の特典の付与として次々回のAT状態についても継続するように継続権利が記憶保持(ストック)されるのである。
【0170】
なお、AT状態の継続権利が記憶保持(ストック)されている場合には、無条件でAT状態が継続することとなるので、次回のAT状態中の抽選ゲーム期間中のゲームでは、前述したような対戦演出を行わずに、継続することが確定していることを報知可能な演出画像をメイン表示器8において実行することが好ましい。
【0171】
また、AT状態の継続権利が記憶保持(ストック)されている場合でも、無条件でAT状態を確定させるのではなく、次回のAT状態において通常の継続抽選処理を行い、特別条件が非成立となった場合に限りAT状態の継続権利の記憶保持情報を用いてAT状態を継続させるようにしてもよい。
したがって、この場合には、次回のAT状態中の抽選ゲーム期間中のゲームでも対戦抽選を行い、このとき特別条件が成立した場合には、AT状態の継続権利の記憶保持情報を用いずに次回以降に使用を保留した状態でAT状態が継続することとなる。
さらに、3回の当選結果の導出により付与されるAT状態の継続権利を、主制御装置10により複数記憶保持可能(ストック可能)として、例えば、3回の当選結果の導出が連続した場合には、2つの継続権利を加算記憶可能としてもよい。
この場合、AT状態の継続権利の記憶保持情報を用いたAT状態の継続が行われた場合には、その都度継続権利の記憶保持情報が減算されることとなる。
【0172】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においては、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するAT状態中の演出がメイン表示器8あるいはサブ表示器17で表示される。AT状態中の演出においては、例えば、登場する各キャラクタの紹介画像等が表示されるとともに、所定の楽曲がスピーカ9から出力される。
【0173】
一方、AT状態の抽選ゲーム期間中においては、対戦抽選の種類に応じて、対戦演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、AT状態の継続に対する期待感に変化を与えるようになっている。
【0174】
なお、本実施形態においては、AT状態におけるAT状態の継続抽選を行う期間を、AT状態の最後の3ゲームに設定するようにしているが、連続する複数のゲームにおいて移行抽選を行うものであれば何れでもよく、例えば、4ゲームや5ゲーム等でもよい。
また、AT状態が継続する条件である特別条件は、複数のゲームにおける対戦抽選が2回当選した場合に設定しているが、その他の条件でもよく、例えば、1回や3回の当選によりAT状態が継続することを決定してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に1回でも非当選となった場合には、その時点で抽選ゲーム期間(AT状態)を終了するようにしているが、各ゲームでの抽選結果に関わらず抽選ゲーム期間での3ゲーム全てを実行するようにしてもよい。また、この場合に、全てのゲームの対戦抽選で非当選となった場合には、特別な特典として次回のAT状態に継続させるようにしてもよい。ただし、この場合、100%の確率で対戦抽選に当選となるゲームが実行されないことが条件となる。
【0175】
また、AT状態中における次回のAT状態の継続抽選は、上記した抽選ゲーム期間中以外に実行してもよく、例えば、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間において特定のリプレイ役に当選した場合には、無条件(100%の確率)でAT状態が継続するようにしてもよい。
【0176】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、所定の確率(例えば、10%)でその時点でAT状態が継続する権利を付与するようにしてもよい。
また、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態に継続する権利を付与するのではなく、所定の確率(例えば、20%)で、抽選ゲーム期間における所定ゲーム分(1~3ゲーム分)の対戦抽選に当選する権利を、その時点で付与するようにしても良い。
この場合には、レア役の当選時に、メイン表示器8において、1ゲームで完結する当選演出を実行することが好ましい。
また、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態の抽選ゲーム期間中の期間における各ゲームの対戦演出中に、ボタン演出を実行してもよい。
【0177】
また、AT状態中に、所定のレア役(例えば、弱チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態のゲーム数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選した場合に、当選契機となったレア役に対応して予め定められた数のゲーム数を、当該実行中のAT状態の残ゲーム数に上乗せ(加算)してもよい。
【0178】
また、AT状態中において、特定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、上記上乗せ抽選の他に、特定期間(例えば、10ゲーム)ゲーム数が上乗せされる確率をその他の状態よりも高めた上乗せ特化ゾーンを発生可能としてもよい。
上乗せ特化ゾーンは、特定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定確率(例えば、10%)で発生し、上乗せ特化ゾーン中においては、当選確率の低いレア役の他、例えば、リプレイ役以外の全ての役を上乗せの契機役とし、所定の特典として多数のゲーム数が付与(上乗せ)される可能性が高められるようにした状態である。
【0179】
また、上乗せ特化ゾーン中において、所定の役(例えば、レア役)に当選した場合の所定確率(例えば、15%)で、AT状態を継続するための権利を付与(ストック)するようにしてもよい。また、AT状態を継続するための権利を上記条件の成立毎に複数付与(ストック)するようにしてもよい。
この場合、AT状態を継続するための権利数(ストック数)が残っている状態では、AT状態中の継続抽選処理において無条件で特別条件が成立することとなる。
【0180】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間における対戦抽選において、3回の当選結果が導出された場合には、所定の特典の付与の他、別の特典の付与として次々回のAT状態についても継続するように継続権利を記憶保持(ストック)するようにしているが、別の特典の付与として、その時点で実行されているAT状態や次回のAT状態における残ゲーム数に所定数(例えば、20回)のゲーム数を上乗せするようにしてもよいし、別の特典の付与として、前述した上乗せ特化ゾーンをその時点で実行されているAT状態の終了後に実行するようにしてもよい。
【0181】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間において、対戦抽選とは別個に引分抽選を実行し、対戦抽選に非当選となり、かつ引分抽選に当選した場合には、その回の対戦抽選を無効とし、新たな対戦抽選を行うゲームを抽選ゲーム期間に追加実行してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に全て当選となった場合には、抽選ゲーム期間を延長して、対戦抽選に非当選となるまで抽選ゲーム期間を終了させないようにしてもよい。この場合、延長されたゲームの対戦抽選で当選となった場合には、AT状態の継続権利をその都度付与するようにしてもよい。
【0182】
・AT状態から疑似ボーナス状態への移行処理(
図6の矢印i)
AT状態中においても通常遊技状態中と同様に、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて予め疑似ボーナス状態への移行抽選処理が行われ、例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理が行われる。
【0183】
そして、AT状態中における疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、実行中のAT状態を一時的に中断して、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行することとなる。
したがって、AT状態の残ゲーム数は疑似ボーナス状態への移行時に保留され、再度AT状態に復帰した場合に、保留された残ゲーム数に基づきAT状態が再開されるものとなる。
また、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合には、前述同様、所定期間(例えば、20ゲーム間)疑似ボーナス状態が実行されることとなり、ナビ状態が押し順ナビのみの実行される状態から、押し順ナビと色ナビの双方が実行される状態に変化して、その分メダルの獲得が増加することとなる。
【0184】
ただし、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合には、通常遊技状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合とは異なり、AT状態の移行抽選処理は行われず、予め定められたゲーム数が実行された場合に疑似ボーナス状態は終了し、AT状態に復帰することとなる。
【0185】
なお、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合にも、前述同様の継続抽選期間を設けて、AT状態の継続権利を増加させるようなAT状態の抽選処理を行うようにしてもよい。
また、AT状態中に疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合に、直ぐに疑似ボーナス状態に移行させずに、所定期間(例えば、3ゲーム間)前述同様に対戦演出(主人公側が勝利する対戦演出)を実行した後に疑似ボーナス状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態中に所定のレア役に当選して疑似ボーナス状態の移行抽選に非当選であった場合にも、対戦演出(主人公側が敗北する対戦演出)を実行するようにしてもよい。
【0186】
・AT状態から通常遊技状態への移行処理(
図6の矢印h)
AT状態において、特別条件が成立せずに次回のAT状態への継続権利が付与されなかった場合、すなわち、AT状態における抽選ゲーム期間中の各ゲームの対戦抽選において、2回の当選結果が導出されなかった場合には、AT状態終了後に通常遊技状態に移行する。
本実施形態においては、抽選ゲーム期間中のゲームにおいて、対戦抽選が非当選となる結果が2回導出されると特別条件の非成立が確定することとなるので、抽選ゲーム期間中の何れかのゲームにおいて対戦抽選が非当選となる結果が2回導出された時点でAT状態の終了条件が成立し、次のゲームから遊技状態が通常遊技状態に移行するものとしている。
【0187】
したがって、抽選ゲーム期間中におけるゲームの対戦抽選の結果に応じて、実行中のAT状態の継続期間が変化することとなる。
例えば、抽選ゲーム期間中の最初のゲームである28ゲーム目の対戦抽選が非当選となり、さらに、2回のゲームである29ゲーム目の対戦抽選も非当選となった場合には、AT状態の継続期間は29ゲームとなるが、この2回目のゲームの対戦抽選が当選となり、最後のゲームである30ゲーム目に非当選となった場合には、継続期間が30ゲームとなる。
【0188】
また、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ナビは行われるので、最終的にAT状態における継続抽選処理において特別条件が成立しなかった場合でも、対戦抽選の非当選が2回導出されずに抽選ゲーム期間が継続するほど、メダルを獲得する機会が増え、その分遊技者にとって有利な状態となるのである。
なお、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ベル役に対する押し順ナビを行うようにしているが、抽選ゲーム期間中のゲームにおいては、押し順ナビを行わないか、あるいは、所定の確率(例えば、50%)でのみ押し順ナビを行うようにしてもよい。
【0189】
AT状態から通常遊技状態へ移行した場合には、疑似ボーナス状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
【0190】
また、AT状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のエンディング状態が設定され、エンディング状態(エンディング期間)中は、ゲームの進行が一時的に不能となり、エンディング状態終了後に通常遊技状態に移行することとなる。
エンディング状態中においては、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像がメイン表示器8やサブ表示器17により表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
以上のように実施形態のスロットマシン1において遊技状態の移行が行われる。
【0191】
[遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容]
次に、
図7のタイミングチャートを参照して、本実施形態のスロットマシン1における、主制御装置10および副制御装置20の制御により実現する遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容について、特に、遊技状態が通常遊技状態→疑似ボーナス状態→AT状態の順に移行するときの遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容について説明する。
図7は、遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行、疑似ボーナス状態からAT状態への移行と、その間のメイン表示器8における表示内容の変化の対応関係を示している。
具体的には、主制御装置10の制御により、通常遊技状態において所定の役(例えば、チャンス役)の当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行が決定され、その後ゲームの進行により遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態へ移行し、さらに、疑似ボーナス状態中のAT状態の移行抽選に当選してAT状態へ移行した場合の、メイン表示器8において表示されるナビ状態と、演出内容(演出画像)を示している。
なお、
図7では、通常遊技状態中の本前兆演出の最終段階で実行される連続演出以降の期間について示していて、それより前の期間については省略している。
【0192】
本実施形態では、各種特典の抽選、各種遊技状態の変更(変更時点も含む)に関わる制御は主制御装置10が行い、当該制御に関する制御情報を主制御装置10からの副制御装置20に送信して、副制御装置20が対応する各種表示に関わる制御を行うようにしている。
なお、遊技状態の変更に直接関係しない演出(例えば、フェイク前兆演出等)の開始時点や実行期間は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき副制御装置20で制御してもよいし、主制御装置10からの制御情報の受信なしで副制御装置20独自で制御してもよい。ただし、演出の契機となる制御情報(例えば、レア役の当選情報等)は受信する必要がある。
【0193】
まず、
図7に示すように、疑似ボーナス状態への移行が決定されていないときの通常遊技状態中において、チャンス役当選と共に疑似ボーナス状態に当選した場合には、前述したように、本前兆演出が実行されることとなるが、本前兆演出の最終段階で実行される連続演出の最終ゲーム(図示2ゲーム目)で、主人公キャラクタが勝利する画像や疑似ボーナス状態への移行を報知する画像がメイン表示器8に表示されることとなる。
なお、通常遊技状態中においては、メイン表示器8での押し順ナビおよび色ナビは実行されない。
【0194】
そして、3ゲーム目のゲーム開始(タイミングt0)から、遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態へ移行することとなる。
遊技状態が疑似ボーナス状態に移行すると、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20は、押し順ナビの制御および色ナビの制御を能動化し、押し順ベル役の何れかが当選した場合には、その役に対応する押し順ナビを実行するとともに、色ベル役の何れかが当選した場合には、その役に対応する色ナビを実行する状態に制御することとなる。
したがって、疑似ボーナス状態中においては、押し順ナビと色ナビの双方が実行されて、メダルを極めて容易に獲得できる状態となるのである。
また、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行すると、主制御装置10は外部出力端子18を介して、管理装置側に疑似ボーナス状態に移行した旨を伝える情報を継続して出力する。
【0195】
そして、20ゲーム目のゲームに移行すると、前述したようにAT状態の移行抽選期間となり、メイン表示器8においてAT状態に移行するか否かの連続演出(対戦演出)が実行されることとなる。
図7は、AT状態に移行する場合を例示しているので、20ゲーム(タイミングt1)と、21ゲーム(タイミングt2)と、22ゲーム(タイミングt2)の全ての移行抽選に当選し、22ゲーム目のゲーム終了時にAT状態に移行することを報知する演出画像がメイン表示器8において表示されることとなる。
【0196】
そして、23ゲーム目のゲーム開始時点(タイミングt4)から遊技状態がAT状態に移行することとなり、メイン表示器8においてAT状態中の演出画像が表示されることとなる。
また、遊技状態がAT状態に移行すると、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20は、押し順ナビと色ナビのうち押し順ナビの制御のみを能動化し、押し順ベル役の何れかが当選した場合には、その役に対応する押し順ナビを実行する状態に制御することとなる。
【0197】
したがって、疑似ボーナス状態中に能動化されていた色ナビの制御は、AT状態への移行により不能動化され、色ベル役の何れかが当選した場合でも、その役に対応する色ナビは実行されなくなり、AT状態中においてはメダルの獲得は容易にできるが、疑似ボーナス状態中よりも色ナビが実行されない分、メダルの獲得が少量になるのである。
しかしながら、AT状態中のゲームにおいても疑似ボーナス状態の移行抽選は行われるので、AT状態の移行により、一定のメダルを獲得しつつ次の疑似ボーナス状態の移行抽選が行われることとなり、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、遊技状態がAT状態に移行すると、主制御装置10は外部出力端子18を介して、管理装置側にAT状態に移行した旨を伝える情報を継続して出力する。
【0198】
以上のように、実施形態におけるスロットマシン1においては、疑似ボーナス状態が発生した場合には、疑似ボーナス状態中に押し順ナビおよび色ナビの双方が実行されるのである。
すなわち、主制御装置10は、第1停止操作報知手段および第2停止操作報知手段としての副制御装置20による押し順ナビおよび色ナビを実行(能動化)させることで、遊技者にとって有利な第2特定遊技状態としての疑似ボーナス状態を発生可能な第2特定遊技状態制御手段を構成するのである。
【0199】
したがって、疑似ボーナス状態の発生により、遊技者が多数のメダルが獲得可能となり、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、特に色ナビの実行により、疑似ボーナス状態中にはより多数のメダルが獲得可能となる反面、特殊図柄を狙った目押し操作という、比較的遊技者の労力を要する操作を強いることとなるが、疑似ボーナス状態はAT状態よりも継続期間が限られているので、遊技者に不満感を与えない程度の短期間でより多数のメダルが獲得可能となるのである。
【0200】
また、AT状態が発生した場合には、AT状態中に押し順ナビのみが実行されることで、疑似ボーナス状態中よりも少ないが遊技者が多数のメダルを獲得可能となるのである。
すなわち、主制御装置10は、第1停止操作報知手段としての副制御装置20による押し順ナビを実行(能動化)させることで、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態としてのAT状態を発生可能な第1特定遊技状態制御手段を構成するのである。
【0201】
したがって、AT状態の発生により、遊技者が多数のメダルが獲得可能となり、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、特に押し順ナビは色ナビに比べ遊技者の労力を要しないので、AT状態が長く継続した場合でも、遊技者に不満感を与えずにメダルが獲得可能となるのである。
【0202】
また、疑似ボーナス状態中には、AT状態の移行抽選処理が実行されて、そのときのAT状態の移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の終了後にAT状態が発生することとなるのである。
すなわち、主制御装置10は、第2特定遊技状態としての疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、第1特定遊技状態としてのAT状態を発生させるための抽選を実行可能な第1特定遊技状態抽選手段を構成するのである。
したがって、疑似ボーナス状態が発生した場合には、多数のメダルの獲得の他、AT状態の発生に対する期待感も高めることが可能となるのである。
また、AT状態の抽選に当選した場合には、一定のメダルを獲得しつつ次回の疑似ボーナス状態の発生に対する期待感も高まることとなるので、遊技者の期待感を相乗的に高めることが可能となるのである。
【0203】
また、疑似ボーナス状態中においては、例えば、AT状態の移行抽選に対応した連続演出が実行されることとなる。
すなわち、副制御装置20は、第2特定遊技状態としての疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、所定の演出として連続演出を実行可能な演出制御手段を構成するのである。
したがって、疑似ボーナス状態中においては、AT状態の移行に対する演出が実行されることとなり、遊技の興趣性を高めることが可能となるのである。
【0204】
なお、押し順ナビは、遊技者が当選した押し順ベル役を成立させるためのリール4の押し順を認識できるものであれば何れのものでもよく、同様に、色ナビは、遊技者が当選した色ベル役の種類と目押しすべきリール4の種類を認識できるものであれば何れのものでもよく、メイン表示器8での画像の他、サブ表示器17、所定の発光手段、スピーカ9を使用して報知するようにしてもよい。
【0205】
また、疑似ボーナス状態中に押し順ナビと色ナビの双方を実行し、AT状態中に押し順ナビのみを実行するようにしているが、どのナビを能動化するかの態様は上記外でもよく、例えば、疑似ボーナス状態中に色ナビのみを実行し、AT状態中に押し順ナビのみを実行してもよいし、AT状態中に押し順ナビと色ナビの双方を実行し、疑似ボーナス状態中に押し順ナビのみを実行してもよい。
【0206】
また、複数態様の疑似ボーナス状態を発生させる機能を主制御装置10に備えるようにしてもよい。
例えば、所定ゲーム数(例えば、20ゲーム)継続する第1の疑似ボーナス状態と、所定ゲーム数よりも多いゲーム数(例えば、30ゲーム)継続する第2の疑似ボーナス状態とを発生可能として、乱数等の抽選結果に基づき何れかの疑似ボーナス状態を選択的に発生させるようにしてもよい。
【0207】
また、押し順ナビのみを能動化させる第1の疑似ボーナス状態と、押し順ナビと色ナビの双方を能動化させる第2の疑似ボーナス状態とを上記同様選択的に発生させるようにしてもよい。
さらに、押し順ナビのみを能動化させる第1の疑似ボーナス状態と、押し順ナビと色ナビの双方を能動化させる第2の疑似ボーナス状態とで、AT状態に移行する確率が異なるようにAT状態の移行抽選を行うようにしてもよい。例えば、第1の疑似ボーナス状態よりも第2の疑似ボーナス状態が発生した場合の方がAT状態に移行する確率を高めるようにするのである。
このようにすれば、メダルの獲得量やAT状態の移行に対する遊技者の期待感が異なる疑似ボーナス状態が発生することとなり、遊技の興趣性をより向上させることが可能となるのである。
【0208】
また、前述した有利区間中のリミッタ機能を設ける場合に、AT状態中にリミッタに到達することを事前に判定し、その事前判定結果に基づきメイン表示器8において、所定のエンディング演出を実行するエンディング演出制御手段を副制御装置20が設けるようにしてもよい。
エンディング演出は、通常のAT状態中の演出画像とは異なりリミッタに到達する場合にのみ実行される演出画像を表示するものであり、遊技者の達成感を高めるような演出である。
【0209】
このとき獲得メダル数に基づくリミッタの事前判定は、押し順ベル役の当選により獲得できるメダル数を基準に判定することが好ましく、例えば、AT状態の残りゲーム数のうち、全ての残ゲームで押し順ベルが当選した場合に獲得可能なメダル数がリミッタ値に達した場合に、リミッタの事前判定を実行(エンディング演出の開始を判定)することが好ましい。
これは、AT状態中には色ナビが実行される疑似ボーナス状態の発生の可能性もあることから、色ベル役の当選により獲得できるメダル数を加味して事前判定を行ってしまうと、その後に疑似ボーナス状態が発生しなかった場合には、エンディング演出が実行されたにもかかわらずリミッタに到達しなかった、というような事態が生じてしまうが、このような事態を未然に防止するためである。
【0210】
したがって、エンディング演出が実行された場合には、確実にリミッタに到達することが可能となるとともに、相対的に獲得メダル数の少ない押し順ベル役を基準に事前判定が行われるので、エンディング演出が実行される期間を長くすることが可能となり、遊技者の達成感をより高めることが可能となるのである。
【0211】
また、エンディング演出が実行されているAT状態もしくは疑似ボーナス状態中における何れかのナビが実行されたゲームにおいて、実行されたナビとは異なる停止操作態様が行われた場合(入賞を取りこぼした場合)に、前述した疑似ボーナス状態の終了時と同様に、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9)により報知してもよい。
このようにすれば、エンディング演出が行われた場合に、遊技者に対して有用情報の提供といった、別の特典を付与することが可能となり、遊技者の遊技意欲を高めることが可能となるのである。
また、この場合に、設定関連情報の報知回数は、1回のみに限定等、制限を設けてもよいし、複数回(例えば、3回)の入賞の取りこぼしが生じた際に、設定関連情報の報知を行うようにしてもよい。
【0212】
また、色ベル役の当選時に、左リール4aを最初に停止させる押し順以外の4通りある押し順(例えば、「5b→5a→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特殊の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、中段の有効ライン上に所定の図柄組合せ(例えば、「リプレイ・ベルA・ベルA」)を停止させ、この図柄組合せの停止により所定数(例えば、3枚)のメダルを払い出すようにしてもよい。
【0213】
例えば、「ブランク・ベルA・ベルA」を入賞の図柄組合せとする色ベル役1の当選時に「5b→5a→5c」の押し順が実行された場合、「BAR・ベルA・ベルA」を入賞の図柄組合せとする色ベル役2の当選時に「5b→5c→5a」の押し順が実行された場合、「赤7A・ベルA・ベルA」を入賞の図柄組合せとする色ベル役3の当選時に「5c→5a→5b」の押し順が実行された場合、「白7・ベルA・ベルA」を入賞の図柄組合せとする色ベル役4の当選時に「5c→5b→5a」の押し順が実行された場合の各々で3枚のメダルを払い出すようにしてもよい。
【0214】
そして、AT状態中に色ベル役の何れかが当選した場合に、3枚のメダルが払い出される特殊の押し順をナビする特殊押し順ナビを主制御装置10および副制御装置20が実行するようにしてもよい。
このようにすれば、色ナビが実行されないAT状態中に色ベル役が当選した場合でも、特殊押し順ナビが実行されて、現状の持メダルが維持される程度のメダルが獲得できることとなり、AT状態中に色ベル役に頻繁に当選することで、遊技者の獲得メダルが少量となってしまうことを防止できるのである。
また、左リール4aを最初に停止させることを条件とする色ベル役(15枚役)の成立を防止することも可能となるので、AT状態中のメダルの獲得量が極めて大きくなることを防止できメダルの獲得量を安定化させることが可能となるのである。
【0215】
また、上記の場合に、AT状態中の特殊押し順ナビの表示態様を押し順ナビと同様に実行することが好ましく、このようにすれば、主に押し順ナビが実行されるAT状態中に、特殊押し順ナビが実行された場合でも、何ら違和感なくナビを実行することが可能となるのである。
【0216】
また、疑似ボーナス状態中には、押し順ナビと色ナビの双方を実行するようにしているが、疑似ボーナス状態中に所定ゲーム数が実行されるまでは、押し順ナビと色ナビの双方を実行するようにし、その後のゲームでは押し順ナビのみを実行するようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態の実行に際して、押し順ナビと色ナビの双方が実行されるゲーム数と、押し順ナビのみが実行されるゲーム数とを決定して、ナビの態様が変化するゲーム数を異ならせるようにしてもよい。
【0217】
また、一方のナビのみが実行される特定遊技状態の開始時に、最初に一方のナビが実行されるまでは他方のナビを特別に実行させる救済手段を主制御装置10および副制御装置20が備えるようにしてもよい。
例えば、押し順ナビのみが実行されるAT状態が開始された際に、最初に押し順ナビが実行されるまでのゲームにおいて、色ナビ役が当選した場合に色ナビを実行するのである。
このようにすれば、特定遊技状態が発生したにもかかわらず、初期時にメダルが獲得できずに、手持ちのメダルが無くなることでメダルの再貸出しを遊技者に強いてしまうことを防止できるのである。
【0218】
また、メイン表示器8において実行される押し順ナビと色ナビの表示態様を明確に異ならせるようにしてもよい。
例えば、押し順ナビを実行する場合には、メイン表示器8の画面の下部に押し順を示す画像を表示し、一方、色ナビを実行する場合には、メイン表示器8の画面の略中央部に特殊図柄を示す画像を表示してもよいし、押し順ナビを実行する場合には、メイン表示器8の画面の所定部に押し順を示す所定の大きさの画像を表示し、一方、色ナビを実行する場合には、メイン表示器8の画面の所定部に、押し順を示す画像よりも大きく特殊図柄を示す画像を表示してもよい。
このようにすれば、遊技者による操作間違いを防止することができるし、特に押し順ナビと色ナビの混在により、操作間違いがさらに生じやすい疑似ボーナス状態中においても、遊技者による操作間違いを防止することが可能となるのである。
【0219】
また、AT状態中の所定ゲームにおいて、押し順ベル役1~6の何れかに当選した場合に、押し順ナビを実行せずに遊技者にそのときの押し順を選択させるような、所謂押し順当てゲームを実行するようにしてもよい。
この場合、押し順当てゲームにおいて、当選した押し順ベル役に対応する押し順が操作された場合には、所定の特典として所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)の上乗せを行うようにしてもよい。
【0220】
また、疑似ボーナス状態中における押し順ベル役あるいは色ベル役に当選した所定ゲームにおいて、ナビを実行しないで当選したベル役を遊技者に選択させるようなゲームを実行して、当選したベル役を入賞させた場合に所定の特典を付与するようにしてもよい。
この場合、遊技者は押し順ベル役に当選しているか、あるいは色ベル役に当選しているかも分からないので、より選択肢が広がることとなり、その分興趣性を高めることが可能となるのである。
【0221】
また、本実施形態においては、疑似ボーナス状態に移行することが報知された場合に、次ゲームで即座に疑似ボーナス状態に移行させるようにしているが、疑似ボーナス状態に移行することが報知された後に、所定の役として、例えば、左リール4a以外のリール4が停止された場合に、所定の図柄組合せ態様(例えば、「赤7A・赤7A・赤7A」)が停止可能なリプレイ役の入賞を契機に疑似ボーナス状態に移行させるようにしてもよい。
【0222】
この場合、疑似ボーナス状態に移行することが報知された後に、所定の役が当選するまでの準備期間においては、遊技者のメダルが減少する可能性があるので、メダルの減少を抑制するような補填機能を設けるようにしてもよい。
例えば、押し順ベル役を最初のリール4の停止順序のみが正解して押し順ベル役の入賞を取りこぼした場合に、次ゲームにおいてメダルの獲得が容易となるように押し順ナビを実行するようにしてもよいし、所謂シンブルボーナスが停止した次ゲームなどに限定したナビを行うようにしてもよい。
このようにすれば、遊技者の不満感を防止することが可能となるのである。
以上のように、本実施形態におけるスロットマシン1が構成される。
【0223】
〔変形例1〕
次に、本実施形態の変形例1について
図8を参照して説明する。
前述した実施形態におけるスロットマシン1では、疑似ボーナス状態の継続期間は、予め設定されているゲーム数(例えば、20ゲーム)で規定されているが、本実施形態の変形例1においては、疑似ボーナス状態の継続期間は、色ナビの実行回数により規定するようにしている。
したがって、疑似ボーナス状態の継続期間の規定のみが前述した実施形態と異なっていて、その他の構成は前述の実施形態と同様となっている。
【0224】
すなわち、主制御装置10は、疑似ボーナス状態の発生に際して、予め疑似ボーナス状態を終了させることとなる色ナビの上限回数を決定し、その決定されている色ナビの上限回数分、実際の色ナビが実行された時点で疑似ボーナス状態を終了するようにしている。
したがって、疑似ボーナス状態の継続期間は、ランダム的に抽選される色ベル役の当選状態により変化することとなる。
また、押し順ナビの実行回数は疑似ボーナス状態の継続期間には無関係としているので、色ナビの実行回数が上限回数に到達せずに疑似ボーナス状態の継続期間が長引けば、その間に押し順ナビが実行される可能性が高くなり、その分メダルを獲得する期間が延長することとなるのである。
【0225】
また、主制御装置10は、疑似ボーナス状態中の色ナビの上限回数を、疑似ボーナス状態の発生に際して、予め設定されている複数の上限回数(5回、10回、15回)のうちから何れか1つを決定するようにしていて、決定された上限回数により疑似ボーナス状態の継続期間を変化させるようにしている。
なお、色ナビの上限回数の決定は何れでもよいが、例えば、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した際に、所定の乱数の抽選に基づき上限回数を決定してもよいし、疑似ボーナス状態を開始する最初のゲーム実行時に、所定の乱数の抽選に基づき上限回数を決定してもよい。また、確率設定装置14の設定値に応じて、色ナビの上限回数の決定内容に変化を与えるようにしてもよい。
【0226】
図8は、疑似ボーナス状態の開始する最初のゲームの開始時、ゲーム実行中およびゲーム終了後のメイン表示器8での演出画像を示している。
上記したように、主制御装置10では、疑似ボーナス状態の発生に際して、色ナビの上限回数を決定するようにしているが、演出制御手段としての副制御装置20では、主制御装置10からの制御情報に基づき、色ナビの上限回数の決定に対応した所定の演出として選択演出をメイン表示器8において実行するようにしている。
【0227】
図8(a)に示すように、疑似ボーナス状態の最初のゲームが開始されると、メイン表示器8の画面主要部において、色ナビの上限回数5回に対応する「色ナビ×5」の文字情報を含んだ第1色ナビ選択画像31aと、色ナビの上限回数10回に対応する「色ナビ×10」の文字情報を含んだ第2色ナビ選択画像31bと、色ナビの上限回数15回に対応する「色ナビ×15」の文字情報を含んだ第3色ナビ選択画像31cと、が略三角形上に並んで表示される。
【0228】
また、メイン表示器8の画面上部には、色ナビの上限回数の選択演出が実行されることを報知する、「色ナビ獲得ゲーム」の文字情報からなるゲーム内容画像30が表示される。
また、図示は省略したが、疑似ボーナス状態の最初のゲームで何れかのベル役に当選した場合には、対応するナビが選択演出と併行してメイン表示器8に表示されることとなる。
なお、疑似ボーナス状態の最初のゲームでは、選択演出の視認性を阻害しないように何れのナビも実行しないようにしてもよい。
【0229】
そして、最初のゲームの実行中には、各選択画像の囲い枠が順に高速発光移動し、当該ゲームの終了時点で、選択画像の囲い枠の高速発光移動が、予め主制御装置10で決定されている色ナビの上限回数に対応する選択画像の位置で停止して、色ナビの上限回数の決定結果が報知されることとなる。
なお、
図8では、色ナビの上限回数として、10回が決定された場合を例示しているので、囲い枠の高速発光移動は、第2色ナビ選択画像31bの位置で停止することとなる。
【0230】
図8(b)は、疑似ボーナス状態の最初のゲームが終了した時点のメイン表示器8の演出画像を示している。
図8(b)に示すように、色ナビの上限回数として10回が決定されていると、囲い枠の高速発光移動の停止後、第2色ナビ選択画像31bのみが画面略中央部に表示されて、今回の色ナビの上限回数が報知されることとなる。
そして、最初のゲームの終了から所定時間(例えば、2秒)経過後に、
図8(c)に示すように、「ゲーム結果、色ナビ:10」の文字情報を含む結果報知画像32がメイン表示器8の画面略中央部に表示されて、今回の色ナビの上限回数が10回であることが詳細に報知されることとなる。
【0231】
この状態で次のゲームが開始されると、結果報知画像32は消去されて疑似ボーナス状態中の演出画像や各種ナビが実行されることとなり、決定された色ナビの残回数が画面の所定部の表示されることとなる。
【0232】
以上のように、本実施形態の変形例1では、疑似ボーナス状態の発生に際して、当該疑似ボーナス状態中に実行可能な色ナビの上限回数が決定されて、その上限回数分疑似ボーナス状態が継続することとなるのである。
すなわち、第2特定遊技状態制御手段としての主制御装置10は、第2特定遊技状態としての疑似ボーナス状態を発生させる場合に、第2停止操作報知手段としての主制御装置10が色ナビ(第2停止操作態様)を報知する上限回数を決定可能とし、疑似ボーナス状態においてその上限回数となるゲームが実行された場合に、疑似ボーナス状態を終了可能とするのである。
したがって、疑似ボーナス状態の継続可能ゲーム数が固定的ではなく種々変化することとなり、多彩な疑似ボーナス状態の実行態様が形成されて、興趣性の高い疑似ボーナス状態を発生させることが可能となるのである。
【0233】
また、疑似ボーナス状態の継続期間は、色ナビの実行回数のみで規定され、押し順ナビの実行回数は継続期間に影響は与えないので、疑似ボーナス状態中に色ナビの実行回数が増加せずにゲームが進行した場合には、その間に押し順ナビが実行される可能性が生じて、その分疑似ボーナス状態中のメダルの獲得数が増加することとなり、ナビの実行態様に応じてメダルの獲得数が変化するような、興趣性が高く遊技者の期待感を変化させるような遊技を実行することが可能となるのである。
【0234】
また、演出制御手段としての副制御装置20は、第2特定遊技状態としての疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、所定の演出として選択演出を実行するようにしているので、疑似ボーナス状態中の興趣性を高めることが可能となるのである。
なお、疑似ボーナス状態の継続期間を押し順ナビの実行回数のみで規定するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態の変形例1が実現される。
【0235】
〔変形例2〕
次に、本実施形態の変形例2について
図9を参照して説明する。
前述した実施形態におけるスロットマシン1では、AT状態の継続期間は、予め設定されているゲーム数(例えば、30ゲーム)で規定されているが、本実施形態の変形例2においては、AT状態の継続期間は、AT状態中に遊技者が獲得したメダル数(純増枚数)により規定するようにしている。
【0236】
さらに、本実施形態の変形例2においては、ナビ状態も前述した実施形態と異なるものとなっていて、主制御装置10では、前述の実施形態と同様に、AT状態中に押し順ナビのみを実行(能動化)させるタイプ1のナビ状態と、AT状態中に押し順ナビと色ナビの双方を実行(能動化)させるタイプ2のナビ状態とを発生可能としていて、その他の構成は前述の実施形態と同様となっている。
【0237】
したがって、AT状態中にタイプ1のナビ状態が実行されると、押し順ナビのみが実行されて、色ベル役の当選時には色ナビが実行されなくなり、単位ゲーム当たりのメダルの増加量が相対的に小さいものとなり、AT状態中にタイプ2のナビ状態が実行されると、押し順ナビと色ナビの双方が実行されることとなり、単位ゲーム当たりのメダルの増加量が相対的に大きいものとなるのである。
ただし、本実施形態の変形例2においては、AT状態の終了条件は、前述したようにAT状態中に遊技者が獲得したメダル数が所定数(例えば、200枚)となった場合に設定されているので、単位時間当たりのメダルの増加量が異なっても、1回のAT状態の発生により遊技者が得られるメダル数は同一となるのである。
【0238】
また、AT状態中におけるナビ状態のタイプは、遊技者が選択可能となっていて、所定の操作手段として、例えば、遊技者によるベットボタン2aの操作に基づき、主制御装置10が何れかのタイプを決定するようにしている。
【0239】
図9は、AT状態が開始する最初のゲームの開始時およびゲーム実行中のメイン表示器8での演出画像を示している。
上記したように、主制御装置10では、AT状態の発生に際して、ナビ状態のタイプを決定するようにしているが、副制御装置20では、主制御装置10からの制御情報に基づき、ナビ状態のタイプの決定に対応した選択演出をメイン表示器8において実行するようにしている。
【0240】
図9(a)に示すように、AT状態の最初のゲームが開始されると、メイン表示器8の画面主要部において、ナビ状態のタイプ1を選択操作するための「タイプ1、押し順ナビ」の文字情報を含んだ第1操作選択画像34aと、ナビ状態のタイプ2を選択操作するための「タイプ2、押し順ナビ+色ナビ」の文字情報を含んだ第2操作選択画像34bと、が左右方向に並んで表示される。
【0241】
また、メイン表示器8の画面上部右側には、AT状態中に獲得可能なメダル数を報知する残メダル数画像33表示される。
AT状態中の最初のゲームでは、残メダル数画像33して初期枚数である「200枚」の数値情報が表示され、AT状態中にメダルが獲得されるたびに、その獲得枚数に対応して数値情報が減算されることとなる。
また、メイン表示器8の画面下部には、AT状態中のナビ状態(ゲーム)のタイプを選択することを促す、「ゲームタイプの選択」の文字情報からなるゲーム選択指示画像35aが表示される。
【0242】
また、図示は省略したが、AT状態の最初のゲームで押し順ベル役に当選した場合には、対応する押し順ナビが選択演出と併行してメイン表示器8に表示されることとなる。ただし、AT状態の最初のゲームに限っては、かりにその後タイプ2が選択される場合であっても、色ベル役に当選した場合には色ナビは実行しないようにすることが好ましい。
なお、疑似ボーナス状態の最初のゲームでは、何れのナビも実行しないようにしてもよい。
【0243】
そして、最初のゲームの実行中には、初期状態として第1操作選択画像34aの囲い枠が発光して、その時点では第1操作選択画像34aが有効となっていることが報知され、遊技者によるベットボタン2aの操作毎に発光する操作選択画像が交互に入れ替わることで、遊技者が所望するナビ状態のタイプの選択が可能となる。
その後、遊技者が所望するナビ状態のタイプに対応する操作選択画像が発光している状態で、ゲームを終了(最後のリール4を停止)させると、発光している操作選択画像に対応するナビ状態のタイプが選択されることとなる。
【0244】
なお、
図9では、タイプ1のナビ状態が選択された場合を例示しているので、
図9(b)に示すように、ゲーム終了後には、第1操作選択画像34aのみが画面略中央部に表示されて、今回選択したナビ状態のタイプが報知されることとなる。
また、ゲーム終了後には、今回はナビ状態のタイプ1が選択されたことを報知する、「ゲームタイプ1を決定」の文字情報からなるゲーム選択結果画像35bが画面の下部に表示されることとなる。
【0245】
この状態で次のゲームが開始されると、第1操作選択画像34aおよびゲーム選択結果画像35bは消去されてAT状態中の演出画像や選択された何れかのナビが実行されることとなり、メダルの獲得に応じて残メダル数画像33減算表示されることとなる。
【0246】
以上のように、本実施形態の変形例2では、AT状態の発生に際して、当該AT状態中に実行されるナビ状態のタイプが遊技者の選択により決定されて、その選択されたタイプによりAT状態が実行されることとなるのである。
すなわち、本実施形態の変形例2のスロットマシン1は、第1特定遊技状態としてのAT状態が発生した場合に、押し順ナビ(第1停止操作報知手段)の能動化に加えて、色ナビ(第2停止操作報知手段)を能動化させるかを遊技者が選択可能な選択手段を備えることとなのである。
これにより、例えば、タイプ1のナビ状態が選択された場合には、単位ゲーム当たりのメダルの獲得量は小さくなるが、より継続期間が長くなるようなAT状態が発生することとなり、タイプ2のナビ状態が選択された場合には、継続期間は短くはなるが、単位ゲーム当たりのメダルの獲得量は大きくなるようなAT状態が発生することとなるのである。
【0247】
したがって、遊技者の好みに応じたAT状態を発生することが可能となり、遊技者の満足感を高めることが可能となるのである。
また、選択されたAT状態のナビ状態に応じて、AT状態中のメダルの獲得態様や継続期間が種々変化することとなり、より多彩な遊技態様の実行により遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0248】
なお、前述した実施形態の変形例1の機能を本変形例2のスロットマシン1に設けるようにしてもよい。
例えば、疑似ボーナス状態の継続期間を色ナビの実行回数により規定するとともに、AT状態が発生した場合には、ナビ状態のタイプを選択可能としてもよいのである。
【0249】
また、AT状態中のゲームの進行に応じて周期的に特典を付与可能なゲームを実行する周期的特典付与手段を主制御装置10が備えるようにしてもよい。例えば、20ゲーム毎にAT状態の残ゲーム数に所定のゲーム数を上乗せするような抽選を行うようにしてもよい。
このようにすれば、タイプ1を選択した場合には、短期間に多数のメダルは獲得できないが、AT状態の継続期間が相対的に長くなるので、より上乗せ抽選の機会が多く得られることとなり、遊技者のゲーム数の上乗せに対する期待感を高めることが可能となるのである。
【0250】
一方、タイプ2を選択した場合には、AT状態の継続期間が相対的に短くなる分、上乗せ抽選の機会が少なくなるが、短期間に多数のメダルが得られることとなり、遊技者の遊技意欲を高めることが可能となるのである。
したがって、双方のタイプにメリット・デメリットが生ずることとなり、遊技者が選択しがいのある遊技内容となるのである。
以上のように、本実施形態の変形例2が実現される。
【0251】
以上説明したように、本発明においては、遊技者による操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームの結果として、役の抽選結果に応じた停止態様を変動表示手段(リール4)に導出可能とした遊技機(スロットマシン1)において、遊技者による第1停止操作態様に基づき、第1の特典を付与可能な第1特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第1特定停止制御手段(主制御装置10)と、前記第1特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第1停止操作態様を遊技者に認識可能に報知(押し順ナビを実行)可能な第1停止操作報知手段(副制御装置20)と、遊技者による第2停止操作態様に基づき、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与可能な第2特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第2特定停止制御手段(主制御装置10)と、前記第2特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第2停止操作態様を遊技者に認識可能に報知(色ナビを実行)可能な第2停止操作報知手段(副制御装置20)と、前記第1停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態を発生可能な第1特定遊技状態制御手段(主制御装置10)と、前記第1停止操作報知手段と前記第2停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第2特定遊技状態を発生可能な第2特定遊技状態制御手段(主制御装置10)と、前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、前記第1特定遊技状態を発生させるための抽選を実行可能な第1特定遊技状態抽選手段(主制御装置10)と、前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、所定の演出を実行可能な演出制御手段(副制御装置20)と、を備えた構成としている。
【0252】
ここで、第1特定停止制御手段、第1停止操作報知手段、第2特定停止制御手段、第2停止操作報知手段、第1特定遊技状態制御手段、第2特定遊技状態制御手段、第1特定遊技状態抽選手段、演出制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
また、第1停止操作報知手段、第2停止操作報知手段はメイン表示器8やサブ表示器17等の表示手段を含むものとしてもよい。
また、演出は、液晶表示器、LED表示器、EL表示器等の複数の情報を表示する表示手段で実行されるものでもよいし、スピーカや、ランプ等の発光手段で実行されるものでもよい。
【0253】
したがって、報知態様の異なる複数種の特定遊技状態が発生可能となり、得られる特典の大きさや、特定遊技状態の継続期間が種々変化して、遊技者の期待感を高めることが可能となるとともに、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2特定遊技状態中には、第1特定遊技状態を発生させるための抽選が実行されるので、第2特定遊技状態が発生した場合には、第2特定遊技状態の発生により得られる特典の他、第1特定遊技状態の発生に対する期待感も高めることが可能となるのである。
【0254】
また、第1特定遊技状態を発生させるための抽選に当選した場合には、一定の特典を獲得しつつ次回の第2特定遊技状態の発生に対する期待感も高まることとなるので、遊技者の期待感を相乗的に高めることが可能となる。
また、第2特定遊技状態中のゲームにおいて、所定の演出が実行されるので、第2特定遊技状態中における遊技の興趣性を高めることが可能となるのである。
【0255】
また、前記変動表示手段は、複数の個別変動表示手段(左リール4a、中リール4b、右リール4c)から構成され、前記第1停止操作報知手段は、前記第1停止操作態様として、前記複数の個別変動表示手段に対する停止操作順序を報知可能な構成としている。
したがって、簡単かつ確実に第1特定停止態様を変動表示手段に導出させることが可能となるのである。
【0256】
また、前記変動表示手段は、複数の個別変動表示手段から構成され、前記第2停止操作報知手段は、前記第2停止操作態様として、所定の個別変動表示手段(左リール4a)に所定の図柄を導出させるための停止操作態様を報知可能な構成としている。
したがって、遊技者の技量により第2特定停止態様を変動表示手段に導出させることが可能となり、遊技者に対して一定の達成感を与えることが可能となる。
また、第1停止操作態様に対して第2停止操作態様を差別化することが可能となり、遊技がより多彩化して興趣性を向上させることが可能となる。
【0257】
また、前記第2特定遊技状態制御手段は、前記第2特定遊技状態を発生させる場合に、前記第2停止操作報知手段が前記第2停止操作態様を報知する上限回数を決定可能とし、前記第2特定遊技状態において前記上限回数となるゲームが実行された場合に、前記第2特定遊技状態を終了可能な構成としている。
したがって、第2特定遊技状態の継続期間が固定的ではなく種々変化することとなるので、多彩な第2特定遊技状態の実行態様が形成されて、興趣性の高い第2特定遊技状態を発生させることが可能となり、また、第2特定遊技状態中に得られる特典が変化することとなるので、遊技者の期待感を変化させることが可能となる。
【0258】
また、前記第1特定遊技状態が発生した場合に、前記第1停止操作報知手段の能動化に加えて、前記第2停止操作報知手段を能動化させるかを遊技者が選択可能な選択手段(主制御装置10)を備えた構成としている。
したがって、遊技者の好みに応じた遊技態様を実行することが可能となり、多数の遊技者を満足させることが可能となる。
【0259】
一方、特許文献1には、リールの他に表示装置(画像表示装置)を備えて、表示装置において役の抽選に関わる報知を行うようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機においては、ゲーム性が乏しく興趣性の向上として十分なものではなかった。
このように、本発明のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0260】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特典としてAT状態(AT)を付与するものとしたが、ART又はRTを付与するようにしてもよい。
【0261】
また、本実施形態では、AT状態のタイプとして、所定のゲーム数単位で実行されるAT状態を複数回継続可能なタイプにしているが、AT状態中の残りゲーム数が無くなった場合に終了するようなタイプにしてもよい。
【0262】
また、本実施形態では、操作手段として演出ボタン2dや上部演出ボタン2fを例示しているが、遊技者の操作により入力信号を出力するものであれば、その他でもよく、ベットボタン2a、停止ボタン5、スタートレバー3等でもよい。
【0263】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、当選演出、前兆演出および予告演出中の所定の時期に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよいし、当選演出、前兆演出および選択演出が実行された場合に振動手段を作動させるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、当選演出、前兆演出および選択演出中の所定の時期に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
【0264】
また、表示手段として、メイン表示器8、サブ表示器17を設けているが、当選演出、前兆演出および選択演出を、何れか1つの表示手段で実行してもよいし、2つの表示手段の両方で実行するようにしてもよい。
【0265】
また、前述の実施形態では、抽選手段などの各種手段としての動作を主制御装置10が行ったが、副制御装置20がその一部又は全部を行い、副制御装置20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
【0266】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の疑似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0267】
1:スロットマシン
2:ベットボタン
4:リール
5:停止ボタン
8:メイン表示器
10:主制御装置
17:サブ表示器
20:副制御装置
【手続補正書】
【提出日】2022-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者による操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームの結果として、役の抽選結果に応じた停止態様を変動表示手段に導出可能とした遊技機において、
遊技者による第1停止操作態様に基づき、第1の特典を付与可能な第1特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第1特定停止制御手段と、
前記第1特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第1停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第1停止操作報知手段と、
遊技者による第2停止操作態様に基づき、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与可能な第2特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第2特定停止制御手段と、
前記第2特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第2停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第2停止操作報知手段と、
前記第1停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態を発生可能な第1特定遊技状態制御手段と、
前記第1停止操作報知手段と前記第2停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第2特定遊技状態を発生可能な第2特定遊技状態制御手段と、
前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、前記第1特定遊技状態を発生させるための判定を実行可能な第1特定遊技状態判定手段と、
前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、所定の演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
さらに、前記第1特定遊技状態が発生した場合に、前記第1停止操作報知手段の能動化に加えて、前記第2停止操作報知手段を能動化させるかを遊技者が選択可能な選択手段を備えた
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技者による操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームの結果として、役の抽選結果に応じた停止態様を変動表示手段に導出可能とした遊技機において、
遊技者による第1停止操作態様に基づき、第1の特典を付与可能な第1特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第1特定停止制御手段と、
前記第1特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第1停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第1停止操作報知手段と、
遊技者による第2停止操作態様に基づき、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与可能な第2特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第2特定停止制御手段と、
前記第2特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第2停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第2停止操作報知手段と、
前記第1停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態を発生可能な第1特定遊技状態制御手段と、
前記第1停止操作報知手段と前記第2停止操作報知手段のうち、少なくともいずれか一方を能動化させることで、遊技者にとって有利な第2特定遊技状態を発生可能な第2特定遊技状態制御手段と、
前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、前記第1特定遊技状態を発生させるための判定を実行可能な第1特定遊技状態判定手段と、
前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、所定の演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
前記第2特定遊技状態制御手段は、
前記第1停止操作報知手段と前記第2停止操作報知手段の両方を能動化させる一の第2特定遊技状態と、前記第1停止操作報知手段を能動化する一方前記第2停止操作報知手段を能動化させない他の第2特定遊技状態と、を含む複数種類の前記第2特定遊技状態のうちいずれかを選択的に発生させる制御を実行可能であり、
前記第1特定遊技状態判定手段は、
前記一の第2特定遊技状態と前記他の第2特定遊技状態とで、前記第1特定遊技状態を発生させると判定する確率を異ならせる制御を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
遊技者による操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームの結果として、役の抽選結果に応じた停止態様を変動表示手段に導出可能とした遊技機において、
遊技者による第1停止操作態様に基づき、第1の特典を付与可能な第1特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第1特定停止制御手段と、
前記第1特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第1停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第1停止操作報知手段と、
遊技者による第2停止操作態様に基づき、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与可能な第2特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第2特定停止制御手段と、
前記第2特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第2停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第2停止操作報知手段と、
前記第1停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態を発生可能な第1特定遊技状態制御手段と、
前記第1停止操作報知手段と前記第2停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第2特定遊技状態を発生可能な第2特定遊技状態制御手段と、
前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、前記第1特定遊技状態を発生させるための判定を実行可能な第1特定遊技状態判定手段と、
前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、所定の演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
前記第2特定遊技状態制御手段は、
前記第2特定遊技状態を発生させる場合に、前記第2停止操作報知手段が前記第2停止操作態様を報知する上限回数を決定可能とし、
前記第2特定遊技状態において前記上限回数となるゲームが実行された場合に、前記第2特定遊技状態を終了可能とし、
前記第2特定遊技状態において前記上限回数となるゲームが実行されるまでは、前記第1停止操作報知手段が前記第1停止操作態様を上限回数なく報知可能である
前記第1特定停止態様を導出可能なゲームが実行される確率よりも、前記第2特定停止態様を導出可能なゲームが実行される確率の方が低く設定される
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記変動表示手段は、
複数の個別変動表示手段から構成され、
前記第1停止操作報知手段は、
前記第1停止操作態様として、前記複数の個別変動表示手段に対する停止操作順序を報知可能とした
前記第2停止操作報知手段は、
前記第2停止操作態様として、所定の個別変動表示手段に所定の図柄を導出させるための停止操作態様を報知可能とした
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記第1特定遊技状態が開始されてから最初に前記第1停止操作報知手段による報知が行われるまで期間において、前記第2停止操作報知手段による報知を実行可能とする
ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の遊技機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技者による操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームの結果として、役の抽選結果に応じた停止態様を変動表示手段に導出可能とした遊技機において、遊技者による第1停止操作態様に基づき、第1の特典を付与可能な第1特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第1特定停止制御手段と、前記第1特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第1停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第1停止操作報知手段と、遊技者による第2停止操作態様に基づき、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与可能な第2特定停止態様を前記変動表示手段に導出させることが可能な第2特定停止制御手段と、前記第2特定停止態様を導出可能なゲームにおいて、前記第2停止操作態様を遊技者に認識可能に報知可能な第2停止操作報知手段と、前記第1停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態を発生可能な第1特定遊技状態制御手段と、前記第1停止操作報知手段と前記第2停止操作報知手段を能動化させることで、遊技者にとって有利な第2特定遊技状態を発生可能な第2特定遊技状態制御手段と、前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、前記第1特定遊技状態を発生させるための判定を実行可能な第1特定遊技状態判定手段と、前記第2特定遊技状態中のゲームにおいて、所定の演出を実行可能な演出制御手段と、を備え、さらに、前記第1特定遊技状態が発生した場合に、前記第1停止操作報知手段の能動化に加えて、前記第2停止操作報知手段を能動化させるかを遊技者が選択可能な選択手段を備えた構成とした。