(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081320
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】気流乾燥器及び清掃方法
(51)【国際特許分類】
F26B 17/10 20060101AFI20220524BHJP
F26B 3/10 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
F26B17/10 Z
F26B3/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020192777
(22)【出願日】2020-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】503245465
【氏名又は名称】株式会社アーステクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】上野 明紀
(72)【発明者】
【氏名】小柳 敬太
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA09
3L113AB04
3L113AC07
3L113AC52
3L113AC53
3L113AC66
3L113AC73
3L113AC75
3L113AC86
3L113BA02
3L113DA22
(57)【要約】
【課題】清掃を容易にかつ厳格に行うことができる気流乾燥器を提供する。
【解決手段】気流乾燥器は、被処理物を乾燥用気体とともに流通させて、当該被処理物の乾燥を行う。前記気流乾燥器は、容器と、蓋体と、仕切り部と、を備える。前記容器は、内部空間を外部に露出させるための開口部を有し、前記内部空間で前記被処理物及び前記乾燥用気体を流通させる。前記蓋体は、前記開口部を開閉できるように設けられる。前記仕切り部は、前記容器内に配置され、前記被処理物及び前記乾燥用気体が流通する流路が形成されるように前記容器の内部空間を仕切る。前記仕切り部は、前記容器又は前記蓋体に着脱可能に取り付けられる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物を乾燥用気体とともに流通させて、当該被処理物の乾燥を行う気流乾燥器において、
内部空間を外部に露出させるための開口部を有し、前記内部空間で前記被処理物及び前記乾燥用気体を流通させる容器と、
前記開口部を開閉できるように設けられた蓋体と、
前記容器内に配置され、前記被処理物及び前記乾燥用気体が流通する流路が形成されるように前記容器の内部空間を仕切る仕切り部と、
を備え、
前記仕切り部は、前記容器又は前記蓋体に着脱可能に取り付けられることを特徴とする気流乾燥器。
【請求項2】
請求項1に記載の気流乾燥器であって、
前記流路の外側を覆うように断熱部が設けられることを特徴とする気流乾燥器。
【請求項3】
請求項2に記載の気流乾燥器であって、
前記断熱部は、前記開口部の開口の向きと垂直な方向で、前記流路に対して外側に配置されることを特徴とする気流乾燥器。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の気流乾燥器であって、
前記断熱部は、前記開口部の開口の向きと平行な方向で、前記流路に対して外側に配置されることを特徴とする気流乾燥器。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の気流乾燥器であって、
前記被処理物及び前記乾燥用気体が流通する流路が配置される層が複数形成されており、
複数のうち少なくとも1つの層において、前記流路が前記仕切り部によって形成されることを特徴とする気流乾燥器。
【請求項6】
請求項5に記載の気流乾燥器であって、
前記蓋体は、互いに隣接する前記層の間を隔てる内部蓋体であることを特徴とする気流乾燥器。
【請求項7】
請求項6に記載の気流乾燥器であって、
前記内部蓋体には、互いに異なる層の前記流路を接続する貫通状の孔部が形成されていることを特徴とする気流乾燥器。
【請求項8】
内部空間を外部に露出させるための開口部を有し、前記内部空間で被処理物及び乾燥用気体を流通させる容器と、
前記開口部を開閉できるように設けられた蓋体と、
前記容器内に配置され、前記被処理物及び前記乾燥用気体が流通する流路が形成されるように前記容器の内部空間を仕切る仕切り部と、
を備え、被処理物を乾燥用気体とともに流通させて当該被処理物の乾燥を行う気流乾燥器を清掃する清掃方法であって、
前記容器又は前記蓋体から前記仕切り部を取り外す第1工程と、
前記第1工程の後に、前記容器及び前記蓋体のうち少なくとも何れかを清掃する第2工程と、
を含むことを特徴とする清掃方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、気流乾燥器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被処理物の乾燥を行うための気流乾燥器が知られている。特許文献1は、この種の気流乾燥器を開示する。
【0003】
特許文献1の気流乾燥器は、一対のプレートと、仕切り板と、を備える。一対のプレート間において、渦状に曲げられた仕切り板により、乾燥用の渦状の気流通路が形成されている。被乾燥物は、気流通路を流れる過程で乾燥する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
被乾燥物として例えば医薬品等を使用する場合には、使用前に気流乾燥器(特に、その内部)の清掃を厳格に行う必要がある。多種の医薬品を次々と乾燥させる場合、医薬品の切換毎に清掃を行う必要がある。
【0006】
通常、上記特許文献1のような気流乾燥器では、仕切り板がプレートに固定されている。流路空間では、一般的に、容器に対する仕切り部の取付部分に残留物が堆積し易い。従来の構成では、この残留物を清掃時に取り除く作業に手間がかかる。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、清掃を容易にかつ厳格に行うことができる気流乾燥器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の気流乾燥器が提供される。即ち、この気流乾燥器は、被処理物を乾燥用気体とともに流通させて、当該被処理物の乾燥を行う。前記気流乾燥器は、容器と、蓋体と、仕切り部と、を備える。前記容器は、内部空間を外部に露出させるための開口部を有し、前記内部空間で前記被処理物及び前記乾燥用気体を流通させる。前記蓋体は、前記開口部を開閉することができるように前記容器に設けられる。前記仕切り部は、前記容器内に配置され、前記被処理物及び前記乾燥用気体が流通する流路が形成されるように前記容器の内部空間を仕切る。前記仕切り部は、前記容器又は前記蓋体に着脱可能に取り付けられる。
【0010】
本発明の第2の観点によれば、以下の清掃方法が提供される。即ち、この清掃方法の対象は、容器と、蓋体と、仕切り部と、を備え、被処理物を乾燥用気体とともに流通させて当該被処理物の乾燥を行う気流乾燥器である。前記容器は、内部空間を外部に露出させるための開口部を有し、前記内部空間で前記被処理物及び前記乾燥用気体を流通させる。前記蓋体は、前記開口部を開閉できるように設けられる。前記仕切り部は、前記容器内に配置され、前記被処理物及び前記乾燥用気体が流通する流路が形成されるように前記容器の内部空間を仕切る。前記清掃方法は、第1工程と、第2工程と、を含む。前記第1工程では、前記容器又は前記蓋体から前記仕切り部を取り外す。前記第2工程では、前記第1工程の後に、前記容器及び前記蓋体のうち少なくとも何れかを清掃する。
【0011】
これにより、仕切り部を容器から取り外した状態で、気流乾燥器を容易にかつ厳格に掃除することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、清掃を容易にかつ厳格に行うことができる気流乾燥器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る気流乾燥器が適用された製剤装置の全体的な構成を示す図。
【
図4】気流乾燥器が開状態である場合の様子を示す平面図。
【
図5】開状態である気流乾燥器内の様子を示す側面図。
【
図6】気流乾燥器が開状態である場合に仕切り部の取外しが行われた様子を示す図。
【
図8】(a)
図6のB断面矢視図。(b)
図6のC断面矢視図。(c)
図6のD又はE断面矢視図。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る気流乾燥器の側面図。
【
図11】気流乾燥器が開状態である場合の様子を示す平面図。
【
図12】開状態である気流乾燥器内の様子を示す側面図。
【
図15】気流乾燥器が開状態である場合の様子を示す平面図。
【
図16】開状態である気流乾燥器内の様子を示す側面図。
【
図17】開状態の場合における、第1変形例に係る気流乾燥器内の様子を示す図。
【
図18】(a)開状態の場合における、第2変形例に係る気流乾燥器内の様子を示す図。(b)開状態の場合における、第3変形例に係る気流乾燥器内の様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。まず、第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る気流乾燥器1が適用された製剤装置3の全体的な構成を示す図である。
【0015】
本実施形態においては、気流乾燥器1は製剤装置3に適用されている。なお、本発明に係る気流乾燥器は、製剤以外を目的とした装置に適用することもできる。
【0016】
図1に示すように、製剤装置3は、造粒部5と、気体供給部7と、乾燥部9と、回収部11と、気体吸引部13と、を備えている。造粒部5及び気体供給部7は、それぞれ、流路を介して乾燥部9と接続されている。乾燥部9は、流路を介して回収部11と接続されている。回収部11は、流路を介して気体吸引部13と接続されている。流路は、例えば配管から構成することができる。
【0017】
造粒部5は、供給された原料を粒状体に加工することができる。造粒部5は、フィーダ15と、バインダ供給部17と、造粒装置19と、を有している。フィーダ15は、原料を造粒装置19に供給する。バインダ供給部17は、バインダを造粒装置19に供給する。造粒装置19は、供給された原料及びバインダを用いて、粒状体(被処理物)を生成する。
【0018】
気体供給部7は、高温の気体(空気)を製剤装置3の乾燥部9側に供給することができる。気体供給部7は、ブロワ21と、ヒータ23と、を有している。ブロワ21は、外気を吸引して送り出す。ヒータ23は、ブロワ21から送られてきた気体を加熱する。加熱された気体は、乾燥部9に向かって流れる。この気体としては外気(空気)を用いているが、窒素等の不活性ガスを用いても良い。また、ヒータ23の種類は特に限定されない。
【0019】
乾燥部9は、気体供給部7から送られてくる高温の気体(乾燥用気体)を利用して、造粒部5から供給された粒状体を乾燥させる。乾燥部9には、造粒部5からの粒状体と、気体供給部7からの高温の気体と、が混合された混合流体が送られる。乾燥部9は、気流乾燥器1を有している。気流乾燥器1を混合流体が流れる過程で、粒状体が乾燥する。なお、気流乾燥器1の詳細については後述する。
【0020】
回収部11は、乾燥部9から送られてくる粒状体を製品として回収することができる。回収部11は、本実施形態では、サイクロン25と、バグフィルタ27と、を有している。サイクロン25は、乾燥部9からの混合流体を粒状体と気体とに分離させる。混合流体のうち、粒状体は取出部29に向かって流れ、気体はバグフィルタ27に向かって流れる。サイクロン25からの粉粒体は取出部29で製品として取り出される。バグフィルタ27は、サイクロン25からの気体から、残留している微粉を除去する。微粉が除かれた気体は気体吸引部13に向かって流れる。なお、回収部11の構成は、特に限定されない。例えば、回収部11は、サイクロンを有さず、バグフィルタのみを有するものであっても良い。
【0021】
気体吸引部13は、回収部11側からの気体を吸引することで、粒状体を気体とともに混合流体として移送させることができる。気体吸引部13は、ブロワ31を有している。ブロワ31は、回収部11側の流路の気体を吸引する。ブロワ31に吸引された気体は、大気中に排出される。
【0022】
次に、
図2から
図7を参照して、乾燥部9の気流乾燥器1について説明する。
図2は、気流乾燥器1の側面図である。
図3は、
図2のA-A断面矢視図である。
図4は、気流乾燥器1が開状態である場合の様子を示す平面図である。
図5は、開状態である気流乾燥器1内の様子を示す側面図である。
図6は、気流乾燥器1が開状態である場合に仕切り部45の取外しが行われた様子を示す図である。
図7は、別の例の気流乾燥器の断面図である。
【0023】
図2に示すように、気流乾燥器1は、第1接続部37及び第2接続部39を有する。気流乾燥器1は、第1接続部37を介して造粒部5及び気体供給部7と接続され、第2接続部を介して回収部11と接続されている。なお、気流乾燥器1は、第1接続部37を介して回収部11と接続され、第2接続部39を介して造粒部5及び気体供給部7と接続されても良い。
【0024】
図3、
図4、
図5及び
図6に示すように、気流乾燥器1は、容器41と、蓋体43と、仕切り部45と、外郭部47と、を備えている。
【0025】
容器41は、中空状に形成されている。容器41の内部空間は、開口部51を通じて外部に露出させることができる。容器41は、板状のベース部53と、筒状の壁部55と、を備える。壁部55の軸方向一方には前述の開口部51が設けられ、壁部55の軸方向他方にはベース部53が配置されている。この結果、ベース部53は、凹状の容器41の底部を構成している。本実施形態では、容器41は、有底の円筒状に形成されている。開口部51及び底部(ベース部53)は、それぞれ、円形に形成されている。容器41の内部には、混合流体を流通させることができる。
【0026】
蓋体43は、容器41の開口部51を開閉することができるように容器41に取り付けられている。蓋体43は、開口部51を閉塞可能である。蓋体43は、本実施形態では円形状を有する。蓋体43は、その外周側でヒンジ57を介して容器41に回転可能に取り付けられている。蓋体43は、容器41に対して回転することで、容器41の開口部51と対向する閉位置と、容器41から離れた開位置と、の間で移動することができる。閉位置が
図2及び
図3に、開位置が
図4及び
図5に、それぞれ示されている。
【0027】
蓋体43を閉位置に移動させることによって、気流乾燥器1を、容器41の開口部51が閉塞された閉状態とすることができる。蓋体43を開位置に移動させることによって、気流乾燥器1を、容器41の開口部51が開放された開状態にすることができる。
【0028】
気流乾燥器1の閉状態は、容器41と蓋体43とが締結部材等により締結されることによって、保持することができる。気流乾燥器1が閉状態となると、開口部51を閉塞する蓋体43によって、容器41の内部空間が封鎖される。以下では、蓋体43によって封鎖された状態の容器41の内部空間を、封鎖空間と呼ぶことがある。
【0029】
気流乾燥器1が閉状態である場合に、容器41と蓋体43との締結が解除されると、蓋体43が容器41に対して移動可能となる。よって、蓋体43を開位置に移動させて、気流乾燥器1を開状態に変更することができる。気流乾燥器1が開状態である場合、容器41の開口部51が蓋体43により閉塞されず、容器41の内部空間が外部に露出する。
【0030】
仕切り部45は、混合流体が流通する流路59が形成されるように、容器41の内部空間を仕切る。流路59は、容器41内で第1接続部37と第2接続部39とを接続する。
【0031】
本実施形態では、第1接続部37は、容器41における流路59への混合流体の入口として機能し、容器41の外周部(壁部55)から外部へ突出するように設けられている。第2接続部39は、容器41における流路59からの混合流体の出口として機能し、蓋体43の中央部から外部へ突出するように設けられている。なお、第2接続部39は、蓋体43に代えて容器41の中央部から外部へ突出するように設けられても良い。
【0032】
仕切り部45は、容器41に、詳細にはその底部(ベース部53)に着脱可能に取り付けられている。仕切り部45は、細長い矩形状の板状部材から構成されている。以下では、仕切り部45において長手方向と垂直な方向を幅方向と呼ぶことがある。仕切り部45の幅方向の寸法は、容器41の深さと略同じである。容器41の深さは、容器41における開口部51から底部までの軸方向長さと言い換えることもできる。仕切り部45は、その幅方向が容器41の軸方向に沿うように設けられている。
【0033】
本実施形態において、仕切り部45は、渦巻状に曲げられた状態で容器41内に配置されている。仕切り部45の長手方向一端部と外郭部47の一部とが接続されて、容器41内で流路59が渦巻状に形成されている。
【0034】
流路59は、容器41内で混合流体が流通する経路である。流路59の一端部(混合流体が流れる方向の上流側の端部)が、第1接続部37に接続される。流路59の他端部(混合流体が流れる方向の下流側の端部)が、第2接続部39に接続される。混合流体は、第1接続部37を介して流路59に流入し、流路59を流れた後、この流路59から第2接続部39を介して流出する。流路59は、気流乾燥器1が閉状態である場合、蓋体43により封鎖された状態となる。流路59の流路面積は、混合流体が流れる方向における全長にわたって略一定である。流路面積は、混合流体の流速等を考慮して適宜定められる。
【0035】
外郭部47は、容器41の外周部(壁部55)に沿うように設けられている。外郭部47は、仕切り部45が容器41に取り付けられたとき、容器41内で仕切り部45を囲むように設けられている。外郭部47は、仕切り部45とは別体に構成されている。外郭部47は、容器41の径方向において、容器41の外周部(壁部55)と仕切り部45との間に配置され、容器41内に形成される流路59の最外端の位置を規定する。外郭部47は、容器41の底部(ベース部53)に固定されている。
【0036】
このような構成により、気流乾燥器1のメンテナンス時等に、蓋体43を開位置に移動させて気流乾燥器1を開状態とすることによって、仕切り部45を容器41から、詳細にはその底部(ベース部53)から取り外すことができる。即ち、気流乾燥器1が開状態である場合、容器41の内部空間(流路59)が外部に露出する。そのため、仕切り部45を容器41から取り外して、開口部51を介して容器41の外部に取り出すことができる。
【0037】
気流乾燥器1の開状態で仕切り部45を取り外すことによって(第1工程)、作業者は、容器41の内部空間に残る残留物を完全に除去するように、開口部51から容器41内を掃除することができる。また、容器41の外部で、仕切り部45を掃除することができる(第2工程)。このような清掃方法によって、気流乾燥器1を容易にかつ厳格に掃除することができる。
【0038】
また、気流乾燥器1の使用時等には、仕切り部45を容器41に取り付けた状態で蓋体43を閉位置に移動させて気流乾燥器1を閉状態とすることによって、容器41内の流路59を封鎖した状態にすることができる。そして、流路59が封鎖された状態で、混合流体を第1接続部37から第2接続部39まで、流路59を通じて流すことができる。これにより、混合流体に含まれる粒状体の乾燥を行うことができる。
【0039】
本実施形態においては、
図3に示すように、蓋体43が閉状態である場合、流路59に対して断熱層(断熱部)が構成される。断熱層は、流路59の周囲に形成される。具体的には、断熱層は、第1断熱層75を含む。第1断熱層75は、容器41の軸方向(開口部51の開口方向)と垂直な方向で外郭部47と容器41の外周部(壁部55)との間に形成される。
【0040】
本実施形態では、第1断熱層75は、容器41と外郭部47と蓋体43とにより形成された封鎖空間に存在する空気により構成される。第1断熱層75の構成は、本実施形態の構成に限定されない。例えば、第1断熱層75に繊維系断熱材(グラスウール等)を配置しても良い。ただし、この場合は、グラスウール等に粒状体等が付着すると清掃が困難になるので、第1断熱層75の空間を全周溶接等の適宜の手段で完全に封止することが好ましい。
図3、
図5、
図6等において、断熱のための空間を破線のハッチングで示している。破線のハッチングで示された空間には、混合流体は流れない。
【0041】
第1断熱層75によって流路59を保温することができるので、混合流体に含まれる高温の気体の温度低下を抑制することができる。この結果、気流乾燥器1(乾燥部9)における乾燥性能を向上させることができる。
【0042】
なお、
図7に示すように、断熱層に、第1断熱層75に加えて第2断熱層77を含めても良い。この場合、第2断熱層77は、容器41の内部空間に対して、容器41の軸方向の両側に形成される。これにより、流路59の保温効果を更に高めることができる。第2断熱層77は、容器41の内部空間に対して片側にだけ配置されても良いが、両側に配置されることが好ましい。第2断熱層77は、容器41の軸方向で見たときに、容器41の内部空間の全体をカバーするように配置されることが好ましい。
【0043】
次に、
図6及び
図8を参照して、容器41に対して仕切り部45を取り付ける構成について説明する。
図8(a)は、
図6のB断面矢視図である。
図8(b)は、
図6のC断面矢視図である。
図8(c)は、
図6のD又はE断面矢視図である。
【0044】
仕切り部45は、容器41から、詳細にはその底部(ベース部53)から取り外すことができる。本実施形態では、
図6に示すように、容器41のベース部53に、第1突出部65と、第2突出部67と、第3突出部69と、が設けられている。第1突出部65、第2突出部67、及び第3突出部69は、それぞれ、容器41のベース部53に対して仕切り部45の位置決めを行うことができるように、容器41のベース部53の所定位置に配置されている。
【0045】
第1突出部65は、容器41のベース部53の略中央部に配置されている。
図8(a)に示すように、第1突出部65は、容器41の軸方向に突出するように設けられている。第1突出部65は、本実施形態では丸棒状に形成されている。第1突出部65は、容器41の軸方向において適宜の長さだけ突出している。この突出長さL1は、容器41の深さの寸法よりも小さい。従って、第1突出部65は、仕切り部45が容器に取り付けられたときに当該容器41内に収められる。
【0046】
第1突出部65は、仕切り部45の長手方向他端部に設けられた筒状部71に嵌め込むことができる。
図8(b)に示すように、筒状部71は、仕切り部45の軸方向で適宜の長さL2を有する。この長さL2は、仕切り部45の幅方向の寸法と略同じであるか、又は小さい。また、長さL2は、第1突出部65の突出長さL1と略同じであるか、又は大きい。
【0047】
第2突出部67及び第3突出部69は、それぞれ、仕切り部45の第1部分又は第2部分を支持することができる。本実施形態では、第2突出部67及び第3突出部69は、実質的に同じ構成を有し、
図8(c)に示すように、仕切り部45の第1部分又は第2部分を厚み方向両側から挟むことが可能である。第1突出部65、第2突出部67及び第3突出部69のそれぞれは、容器41の中心に対して互いに異なる位相で配置される。第1突出部65、第2突出部67及び第3突出部69は、適宜の間隔をあけて配置されている。
【0048】
このような構成で、仕切り部45が
図6に示すように容器41から取り外された状態で、第1突出部65に仕切り部45の筒状部71を嵌めるとともに、第2突出部67及び第3突出部69のそれぞれで仕切り部45の第1部分及び第2部分を支持させる。これにより、仕切り部45を
図5に示すように容器41に対して適切な位置となるように取り付けることができる。また、逆の手順で仕切り部45を容器41から取り外すことができる。
【0049】
以上に説明したように、本実施形態の気流乾燥器1は、粒状体(被処理物)を高温の気体(乾燥用気体)とともに流通させて、当該粒状体の乾燥を行う。気流乾燥器1は、容器41と、蓋体43と、仕切り部45と、を備える。容器41は、内部空間を外部に露出させるための開口部51を有し、内部空間で混合流体(被処理物及び乾燥用気体)を流通させる。蓋体43は、開口部51を開閉することができるように容器41に設けられる。仕切り部45は、容器41内に配置され、混合流体が流通する流路59が形成されるように容器41の内部空間を仕切る。仕切り部45は、容器41に着脱可能に取り付けられる。
【0050】
これにより、仕切り部45を容器41から取り外すことができるので、気流乾燥器1(特に、容器41及び仕切り部45)を容易にかつ厳格に掃除することができる。また、長い流路59を容器41の内部にコンパクトに配置することができる。
【0051】
また、本実施形態の気流乾燥器1において、流路59の外側を覆うように第1断熱層75及び第2断熱層77が設けられる。
【0052】
これにより、流路59に対して保温効果を得ることができる。従って、混合流体に含まれる高温の気体の温度低下を抑制することができる。この結果、気流乾燥器1(乾燥部9)における乾燥性能を向上させることができる。
【0053】
本実施形態の気流乾燥器1において、第1断熱層75は、開口部51の開口の向きと垂直な方向で、流路59に対して外側に配置される。
【0054】
これにより、コンパクトな構成で、流路59の保温効果を得ることができる。
【0055】
本実施形態の気流乾燥器1において、第2断熱層77は、開口部51の開口の向きと平行な方向で、流路59に対して外側に配置される。
【0056】
これにより、コンパクトな構成で、流路59の保温効果を得ることができる。
【0057】
次に、
図9から
図12を参照して、第2実施形態を説明する。
図9は、本実施形態に係る気流乾燥器1sの側面図である。
図10は、
図9のF-F断面矢視図である。
図11は、気流乾燥器1sが開状態である場合の様子を示す平面図である。
図12は、開状態である気流乾燥器1s内の様子を示す側面図である。なお、本実施形態の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0058】
本実施形態に係る気流乾燥器1sは、2層型に構成されている点で、第1実施形態に係る気流乾燥器1と相違する。気流乾燥器1sでは、流路59としての第1流路59A及び第2流路59Bが2重に重なった状態で連続するように設けられている。これにより、第1実施形態に比べて長い流路59を実現することができる。
【0059】
図9に示すように、気流乾燥器1sは、第1接続部37及び第2接続部39を有する。
図10、
図11及び
図12に示すように、気流乾燥器1sは、2つの容器41と、2つの仕切り部45と、2つの外郭部47と、隔離体(内部蓋体)81と、を備えている。
【0060】
本実施形態では、2つの容器41のうち、一方の容器41が第1実施形態の蓋体43と同様の機能を有する。2つの容器41はヒンジ57により互いに連結され、一方が他方に対して相対回転可能である。他方の容器41は、第1実施形態の蓋体43と同様に、一方の容器41に対して開位置又は閉位置に移動することができる。
【0061】
他方の容器41が開位置に移動した場合、気流乾燥器1sが
図11及び
図12に示す開状態となり、各容器41の内部空間を外部に露出させることができる。他方の容器41が閉位置に移動した場合、気流乾燥器1sが
図9及び
図10に示す閉状態となり、各容器41の内部空間を封鎖された状態にすることができる。
【0062】
2つの容器41は、一部を除いて、実質的に同じ構成を有する。具体的には、一方の容器41内に仕切り部45及び外郭部47が配置されて、第1流路59Aが形成されている。他方の容器41内に仕切り部45及び外郭部47が配置されて、第2流路59Bが形成されている。そして、一方の容器41の外周部に第1接続部37が外部へ突出するように設けられて、第1流路59Aと接続されている。他方の容器41の外周部に第2接続部39が外部へ突出するように設けられて、第2流路59Bと接続されている。
【0063】
ここで、仕切り部45は、各容器41に着脱可能に取り付けられている。仕切り部45を取り付けるための構成は、本実施形態では、第1実施形態と同様である。ただし、第1実施形態の構成と異なる構成で仕切り部45が容器41に取り付けられても良い。また、仕切り部45を容器41に取り付けるための構成は、2つの仕切り部45で同じであっても良いし、異なっても良い。
【0064】
隔離体81は、閉状態の気流乾燥器1sにおいて、2つの容器41のそれぞれの開口部51が合わせられる合わせ部に設けられる。隔離体81は、2つの容器41の内部空間を、後述の孔部83を除いて隔てるように配置される。
【0065】
隔離体81は、各容器41の開口部51に着脱可能に取り付けられる。隔離体81は、本実施形態では円板状の部材により構成されている。隔離体81がそれぞれの容器41の開口部51を閉じることにより、2つの容器41内のそれぞれの第1流路59A及び第2流路59Bが封鎖される。隔離体81は、気流乾燥器1sが開状態である場合、
図11に示すように、2つの容器41から取り外すことができる。隔離体81の取外しにより、開口部51が開かれる。
【0066】
隔離体81は、開口部51に取り付けられることにより開口部51を閉じることができ、取り外すことにより開口部51を開くことができる。従って、隔離体81は、開口部51を開閉可能な蓋体の一種である。
【0067】
隔離体81の中央部には、孔部83が貫通状に形成されている。気流乾燥器1sが閉状態である場合に、孔部83を介して、第1流路59Aの長手方向一端部(混合流体が流れる方向の下流側の端部)と、第2流路59Bの長手方向一端部(混合流体が流れる方向の上流側の端部)と、が接続される。第1流路59Aの長手方向他端部(混合流体が流れる方向の上流側の端部)は、第1接続部37と接続される。第2流路59Bの長手方向他端部(混合流体が流れる方向の下流側の端部)は、第2接続部39と接続される。
【0068】
以上の構成により、気流乾燥器1sが開状態である場合、2つの容器41のそれぞれで仕切り部45を、対応する容器41に対して、位置決めしつつ取り付けたり、取り外したりすることができる。よって、気流乾燥器1sを容易にかつ厳格に掃除することができる。
【0069】
また、気流乾燥器1sが閉状態である場合、2つの容器41が2段に重ねられた状態となるので、2つの容器41間に隔離体81を配置して、第1流路59A及び第2流路59Bを封鎖状態としたうえで混合流体をこれらに順次流すことができる。即ち、第1接続部37から供給された混合流体を、第1流路59A、孔部83、及び第2流路59Bの順に流して、第2接続部39から排出することができる。
【0070】
以上に説明したように、本実施形態の気流乾燥器1sにおいては、層が2つ形成され、それぞれの層に、粒状体及び高温の気体が流通する流路59が配置されている。2つの層の何れにおいても、流路59が仕切り部45によって形成されている。
【0071】
これにより、気流乾燥器1sの大型化を抑制しつつ、混合流体が流れる流路59を長くして、乾燥性能を向上させることができる。また、仕切り部45を取り外すことで、厳格な清掃を容易に行うことができる。
【0072】
本実施形態の気流乾燥器1sにおいて、各層の仕切り部45は、2つの容器41のそれぞれに着脱可能に取り付けられている。しかし、2つの仕切り部45のうち少なくとも1つが、互いに隣接する層の間を隔てる隔離体81に対して、着脱可能に取り付けられても良い。
【0073】
この場合も、厳格な清掃を容易に行うことができる。
【0074】
本実施形態の気流乾燥器1sにおいて、隔離体81には、互いに異なる層の流路59を接続する貫通状の孔部83が形成されている。
【0075】
これにより、複数の層に跨る流路59を簡単な構成で得ることができる。
【0076】
次に、
図13から
図16を参照して、第3実施形態を説明する。
図13は、本実施形態に係る気流乾燥器1tの側面図である。
図14は、
図13のG-G断面矢視図である。
図15は、気流乾燥器1tが開状態である場合の様子を示す平面図である。
図16は、開状態である気流乾燥器1t内の様子を示す側面図である。なお、本実施形態の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0077】
気流乾燥器1tは、3層型に構成されている点で、第1実施形態に係る気流乾燥器1と相違する。気流乾燥器1tでは、流路59としての第3流路59C、第4流路59D及び第5流路59Eと、が3重に重なった状態で連続するように設けられている。これにより、第1実施形態及び第2実施形態に比べて長い流路59を実現することができる。
【0078】
図13に示すように、気流乾燥器1tは、第1接続部37及び第2接続部39を有する。
図14、
図15及び
図16に示すように、気流乾燥器1tは、2つの容器41と、中間容器(容器)91と、3つの仕切り部45と、3つの外郭部47と、第1隔離体81と、第2隔離体93と、を備えている。
【0079】
本実施形態では、2つの容器41はヒンジ95により互いに連結され、一方が他方に対して相対回転可能である。他方の容器41は、第1実施形態の蓋体43と同様に、一方の容器41に対して開位置又は閉位置に移動することができる。他方の容器41が閉位置に移動したとき、2つの容器41の間に中間容器91が配置可能となっている。即ち、2つの容器41と中間容器91とが3段に重ねられた状態となる。
【0080】
中間容器91は、一方の容器41に対してヒンジ96により連結され、当該容器41に対して相対回転可能である。中間容器91は、開位置又は閉位置に移動することができる。
【0081】
他方の容器41及び中間容器91が開位置に移動した場合、気流乾燥器1tが
図15及び
図16に示す開状態となり、各容器41及び中間容器91の内部空間を外部に露出させることができる。他方の容器41及び中間容器91が閉位置に移動した場合、気流乾燥器1tが
図13及び
図14に示す閉状態となり、各容器41の内部空間を封鎖された状態にすることができる。
【0082】
2つの容器41は、一部を除いて、実質的に同じ構成を有する。具体的には、一方の容器41内に仕切り部45及び外郭部47が配置されて、第3流路59Cが形成されている。他方の容器41内に仕切り部45及び外郭部47が配置されて、第5流路59Eが形成されている。そして、一方の容器41の外周部に第1接続部37が外部へ突出するように設けられて、第3流路59Cと接続されている。他方の容器41の中央部に第2接続部39が外部へ突出するように設けられて、第5流路59Eと接続されている。
【0083】
中間容器91は、本実施形態では円筒状に形成されている。中間容器91の径は、容器41の径と略同じである。中間容器91内に仕切り部45及び外郭部47が配置されて、第4流路59Dが形成されている。中間容器91は、一方の開口部99を他方の容器41の開口部51と向き合わせることができる。中間容器91には、他方の開口部を閉塞するように第1隔離体81(蓋体に相当)が着脱可能に取り付けられる。この隔離体81に、仕切り部45が着脱可能に取り付けられる。中間容器91の内部空間の外周側に、第1断熱層75と同様の構成の第3断熱層92が形成される。
図15では、第1隔離体81から取り外された仕切り部45を省略している。
【0084】
前述のとおり、中間容器91内に仕切り部45及び外郭部47が配置されることによって、第4流路59Dが形成される。気流乾燥器1tが閉状態である場合に、混合流体が流れる方向において、第4流路59Dの上流側の端部に、第3流路59Cの下流側の端部が、孔部83を介して接続されている。第2隔離体93の外周部には、孔部97が形成されている。第4流路59Dの下流側の端部に、第5流路59Eの上流側の端部が、孔部97を介して接続されている。
【0085】
容器41の内部空間を仕切る仕切り部45は、当該容器41に着脱可能に取り付けられている。中間容器91の内部空間を仕切る仕切り部45は、第1隔離体81又は第2隔離体93に着脱可能に取り付けられている。仕切り部45を容器41等に取り付けるための構成は任意であって、例えば、第1実施形態と同様な構成とすることができる。本実施形態において、一方の容器41では、仕切り部45は、外郭部47と別体に構成されている。他方の容器41及び中間容器91のそれぞれでは、仕切り部45は、外郭部47と一体的に構成されている。他方の容器41では、仕切り部45は、容器41の底部(ベース部53)に外郭部47と一体で着脱可能に取り付けることができる。中間容器91では、仕切り部45は、第1隔離体81又は第2隔離体93に外郭部47と一体で着脱可能に取り付けることができる。
【0086】
第2隔離体93は、一部(仕切り部45を取り付けるための構成、及び孔部)を除いて、実質的に第1隔離体81と同じように構成されている。第2隔離体93には、貫通状の孔部97が形成されている。
【0087】
このような構成により、気流乾燥器1tが開状態である場合、2つの容器41及び中間容器91のそれぞれで仕切り部45を、対応する容器41及び中間容器91に対して、位置決めしつつ取り付けたり、取り外したりすることができる。よって、気流乾燥器1tを容易にかつ厳格に掃除することができる。
【0088】
また、気流乾燥器1tが閉状態である場合、2つの容器41及び中間容器91が3段に重ねられた状態となる。このとき、2つの容器41の間に、中間容器91が位置している。この状態で、一方の容器41と中間容器91との間に第1隔離体81が配置され、中間容器91と他方の容器41との間に第2隔離体93が配置される。そのため、第3流路59C、第4流路59D及び第5流路59Eを封鎖状態として、これらに混合流体を順次流すことができる。即ち、第1接続部37から供給された混合流体を、第3流路59C、孔部83、第4流路59D、孔部97、第5流路59Eの順に流して、第2接続部39から排出することができる。
【0089】
以上に説明したように、本実施形態の気流乾燥器1tにおいては、層が3つ形成され、それぞれの層に、粒状体及び高温の気体が流通する流路59が配置されている。3つの層の何れにおいても、流路59が仕切り部45によって形成されている。
【0090】
これにより、気流乾燥器1tの大型化を抑制しつつ、混合流体が流れる流路59を長くして、乾燥性能を向上させることができる。また、仕切り部45を取り外すことで、厳格な清掃を容易に行うことができる。
【0091】
次に、上記実施形態の変形例を説明する。ここでは、第1実施形態での変形例を説明するが、第2実施形態及び第3実施形態についても同様の構成を採用することができる。
図17は、開状態の場合における、第1変形例に係る気流乾燥器1x内の様子を示す図である。
図18(a)は、開状態の場合における、第2変形例に係る気流乾燥器1y内の様子を示す図である。
図18(b)は、開状態の場合における、第3変形例に係る気流乾燥器1z内の様子を示す図である。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0092】
図17に示すように、第1変形例に係る気流乾燥器1xでは、容器41は、開口部51及び底部(ベース部53)を有する筒状であって、容器41の軸方向で見た場合に楕円状に形成されている。蓋体43は、容器41に応じた形状に形成されている。仕切り部45は、容器41の楕円形状に沿うように、直線部101及び曲部103を有する渦巻状に形成されている。これにより、容器41において、適切な長さの流路59を確保することができる。
【0093】
図18(a)に示すように、第2変形例に係る気流乾燥器1yでは、容器41は、開口部51及び底部(ベース部53)を有する筒状であって、容器41の軸方向に見て略四角形状に形成されている。蓋体43は、容器41に応じた形状に形成されている。仕切り部45は、容器41の略四角形状に沿うように、略四角形の渦巻形状に形成されている。具体的には、仕切り部45は、直線部107及び角部109を有する渦巻状に形成されている。仕切り部45では、異なる方向に延びる直線部107が連続的に設けられ、連続する2つの直線部107の間に角部109が設けられている。これにより、容器41において、適切な長さの流路59を確保することができる。なお、
図18(a)では示していないが、角部109には、混合流体の流れに対して過度な抵抗とならないように丸みを付けることが好ましい。
【0094】
図18(b)に示すように、第3変形例に係る気流乾燥器1zでは、容器は、開口部及び底部を有する筒状であって、容器41の軸方向で見た場合に略四角形状に形成されている。蓋体43は、容器41に応じた形状に形成されている。仕切り部45は、直線部111を有している。直線部111は、容器41の軸方向に垂直な方向に延びるように設けられている。仕切り部45は、直線部111を用いて、混合流体を交互に逆向きに流通させる形状の流路59を形成している。そして、流路59の長手方向一端部(混合流体が流れる方向における上流側の端部)が、容器41の外周部に設けられた第1接続部37に接続されている。流路59の長手方向他端部(混合流体が流れる方向における下流側の端部)が、容器41の外周部に設けられた第2接続部39に接続されている。これにより、容器41において、適切な長さの流路59を確保することができる。
【0095】
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0096】
上記の実施形態では、第1接続部37を流路59への混合流体の入口として機能させ、第2接続部39を流路59の出口として機能させている。しかし、第2接続部39を流路59の入口として機能させ、第1接続部37を流路59の出口として機能させるようにしても良い。
【0097】
仕切り部45を容器41に着脱可能に取り付けるための構成は任意である。例えば、細長い突出部を、仕切り部45の経路に沿って適宜の間隔を形成しながら、仕切り部45の厚み方向一側、他側、一側、・・・というように交互に配置することが考えられる。第2突出部67及び第3突出部69のような突出部の数及び位置についても任意に定めることができる。
【0098】
仕切り部45は、容器41に代えて、蓋体43に着脱可能に取り付けても良い。仕切り部45を蓋体43に着脱可能に取り付けるための構成は、特に限定されないが、例えば上記の実施形態と同様の構成とすることができる。
【0099】
仕切り部45により形成される流路59の形状は、特に限定されない。
【0100】
第2実施形態では、2つの容器41のうち少なくとも一方の外周部に第1断熱層75を設けることができる。
【0101】
第2実施形態では、2つの容器41のうち少なくとも一方の外周部に第2断熱層77を設けても良い。
【0102】
第3実施形態では、第4流路59Dを形成するための仕切り部45を、第1隔離体81に代えて、第2隔離体93に着脱可能に取り付けても良い。
【0103】
第3実施形態では、2つの容器41及び中間容器91の少なくとも1つの外周部に第1断熱層75又は第3断熱層92を設けることができる。
【0104】
第3実施形態では、2つの容器41のうち少なくとも一方の外周部に第2断熱層77を設けても良い。
【0105】
第2実施形態において、隔離体81を容器41に対してヒンジで連結しても良い。第3実施形態において、第1隔離体81及び第2隔離体93の少なくとも一方を、容器41又は中間容器91に対してヒンジで連結しても良い。
【0106】
各実施形態の気流乾燥器が使用される向きは任意であり、例えば
図3のように横向きで使用しても良いし、縦向きで使用しても良い。
【0107】
気流乾燥器は、例えば食品の乾燥のために使用されても良い。
【0108】
上述の教示を考慮すれば、本発明が多くの変更形態及び変形形態をとり得ることは明らかである。従って、本発明が、添付の特許請求の範囲内において、本明細書に記載された以外の方法で実施され得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0109】
1,1s,1t 気流乾燥器
41 容器
43 蓋体
45 仕切り部
51 開口部
59 流路
81 隔離体、第1隔離体(蓋体、内部蓋体)
83 孔部
91 中間容器(容器)
93 隔離体、第2隔離体(蓋体、内部蓋体)
97 孔部