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特開2022-8133容器を保持するための装置と容器処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008133
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】容器を保持するための装置と容器処理装置
(51)【国際特許分類】
   B67B 6/00 20090101AFI20220105BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
B67B6/00
B25J15/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021092916
(22)【出願日】2021-06-02
(31)【優先権主張番号】10 2020 114 905.0
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トビアス エリスマン
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ レントラー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス シェーンフェルダー
【テーマコード(参考)】
3C707
3E080
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707DS01
3C707ES03
3C707ET03
3C707EV04
3E080BB01
3E080EE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】容器処理装置で容器を保持するための、例えば容器封止装置で飲料容器の首部分または胴部分を保持するための装置を提供する。
【解決手段】旋回面21で互いに対して旋回可能であって保持対象の容器を保持するための保持部分20をそれぞれ有する二つの把持アーム2を包含し、把持アームの旋回面に垂直な昇降ロッドの変位により保持部分が互いに対して旋回可能であるように把持アームに結合される昇降ロッドをさらに包含し、容器処理装置で容器を保持するための、好ましくは飲料容器の首部分または胴部分を保持するための装置1と、このような装置を備える容器処理装置に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回面(21)で互いに対して旋回可能であるとともに保持対象の容器(7)を保持するための保持部分(20)をそれぞれ有する二つの把持アーム(2)を包含する、容器処理装置(120)で前記容器(7)を保持するための、好ましくは飲料容器(7)の首部分または胴部分を保持するための装置(1)において、
前記把持アーム(2)の前記旋回面(21)に垂直な昇降ロッド(3)の変位により前記保持部分(20)が互いに対して旋回可能であるように前記把持アーム(3)に結合される昇降ロッド(3)、
を特徴とする装置(1)。
【請求項2】
前記把持アーム(2)が共通の旋回軸線を中心として旋回可能に配置されるか、前記把持アーム(2)が旋回可能に配置される際に中心となる別々の旋回軸線(22)をそれぞれ有し、前記少なくとも一つの把持アーム(2)が前記把持アーム(2)に固定状態で接続されるとともに結合部材(4)を介して前記昇降ロッド(3)に結合される旋回レバー(23)を包含し、好ましくは前記二つの把持アーム(2)が、前記結合部材(4)を介して前記昇降ロッド(3)に各々が結合される前記旋回レバー(23)をそれぞれ有するか、前記把持アーム(2)が好ましくは二つの噛み合い歯車を介して互いに回転可能に結合されることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記結合部材(4)が前記昇降ロッド(3)に回転可能に配置され、前記結合部材(4)の回転軸線(40)が好ましくは、前記昇降ロッド(3)の長手軸線(30)に垂直な配向を持つこと、および/または、前記旋回レバー(23)が長手方向において変位可能に前記結合部材(4)に受容される、および/または、前記旋回レバー(23)が前記結合部材(4)に対して回転可能に、および/または、あそびを伴って前記結合部材(4)に受容されること、および/または、前記結合部材(4)が前記把持アームの旋回位置を調節するための調節要素、好ましくは偏心要素(43)を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記昇降ロッド(3)が摺動要素(31)を包含して、前記少なくとも一つの結合部材(4)が前記摺動要素(31)に結合され、好ましくは前記長手軸線(30)に対して、前記結合部材(4)が一方の側で前記摺動要素(31)に結合されるとともに前記結合部材(4)が他方の側で前記旋回レバー(23)に結合され、前記摺動要素(31)が好ましくはS形状の構成であって中央部分(32)で前記昇降ロッド(3)に接続されることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記把持アーム(2)により保持される容器(7)の配向について、前記昇降ロッド(3)への前記結合部材(4)の結合部(41)が前記長手軸線(30)の方向において前記旋回レバー(23)への前記結合部材(4)の結合部(42)の上方に配置されるか、前記昇降ロッド(3)への前記結合部材(4)の前記結合部(41)が前記長手軸線(30)の方向において前記旋回レバー(23)への前記結合部材(4)の前記結合部(42)の下方に配置されること、および/または、前記結合部(42)が前記旋回軸線(22)について保持部分(20)と反対の側で前記少なくとも一つの旋回レバー(23)と前記少なくとも一つの結合部材(4)との間に配置されるか、前記結合部(42)が前記旋回軸線(22)について前記保持部分(20)の側で前記少なくとも一つの旋回レバー(23)と前記少なくとも一つの結合部材(4)との間に配置されることを特徴とする、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記昇降ロッド(3)が前記把持アーム(3)と反対の側で前記長手軸線(30)に対する前記昇降ロッド(3)の位置を制御するための制御ユニット(5)を有して、前記制御ユニット(5)が好ましくは、所定の位置への予張力を前記昇降ロッド(3)に付与するための予張力要素(50)、好ましくはバネ、および/または、前記昇降ロッド(3)の位置を予決定するための予決定装置と相互作用するための相互作用部分(51)を包含し、相互作用要素が好ましくは摺動要素、ピン、および/または、ホイール(52)の形で構成され、案内湾曲部または案内溝部として構成される予決定装置での摺動および/または転動のために好ましくは構成されることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記長手軸線(30)の方向において互いに対して変位可能である二つのロッド要素(33,34)を前記昇降ロッド(3)が包含して、前記ロッド要素(33,34)がバネ要素(35)を介して前記長手軸線(30)の方向に結合されることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記昇降ロッド(3)が前記容器処理装置(100)のハウジング(120)のハウジング開口部(121)に対して前記昇降ロッド(3)を密閉するためのシール(36)を包含して、前記昇降ロッド(3)が前記ハウジング開口部に延在し、好ましくは前記シール(36)が前記昇降ロッド(3)に締結される、および/または、前記シール(36)が前記ハウジング開口部(121)に締結されるように構成され、前記シール(36)が好ましくは動作中に前記把持アーム(2)を旋回させるのに必要な前記昇降ロッド(3)の行程を補償するように構成され、前記シール(36)が好ましくはシリコーン材料を包含する、および/または、折り畳みベローズとして構成されることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
結合部ハウジング(6)が前記少なくとも一つの結合部材(4)と前記少なくとも一つの旋回レバー(23)とを包囲して、好ましくは前記昇降ロッド(3)が前記結合部ハウジング(6)の好ましくは密閉された開口部(60)に延在して、前記把持アーム(2)が前記把持アーム(2)の前記旋回軸線(22)を中心として旋回可能であるシャフト(24)にそれぞれ締結され、前記シャフト(24)が前記結合部ハウジング(6)の好ましくは密閉されたボア(61)に延在することを特徴とする、請求項2から請求項8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
容器(7)を輸送するための輸送装置(110)を包含して、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の容器(7)を保持するための装置(1)を前記輸送装置(110)が有すること、
を特徴とする、容器処理装置(100)。
【請求項11】
密閉空間を設けるためのハウジング(120)をさらに包含し、把持アーム(2)が前記ハウジング(120)の内部に配置されて昇降ロッド(3)がハウジング開口部(121)に延在し、制御ユニット(5)が、好ましくは前記ハウジング開口部(121)の上方で前記ハウジング(120)の外側に配置される、請求項10に記載の容器処理装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器処理装置で容器を保持するための、例えば容器封止装置で飲料容器の首部分または胴部分を保持するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料充填システムにおいて、各々充填される容器、および/または、既に充填された容器を、容器を保持するための装置によって保持することと、容器処理装置の個々の処理ステーションでこのようにして容器を輸送することとは周知である。このケースでは、各々の容器を保持するための多様な装置が周知であり、各々処理される容器はこの装置により多様な手法で保持される。
【0003】
ゆえに、例えば、容器を保持するための受動的装置および/または受動的クランプが周知であり、容器を保持するための装置へ各々の容器を挿入してから各々の容器を保持するだけで、受動的装置および/または受動的クランプが弾性的に予張力を付与される。容器を把持するためのこのようなクランプは特許文献1に開示されている。このケースでは、クランプは固定位置を有する。容器を把持するには、容器がクランプへ押入されなければならない。このケースでは、剛性把持アームが外向きに拡開されるので、クランプが拡開されることで発生される把持アームの閉止力と反対に容器が移動されなければならない。その結果、容器は挿入時に高程度の力を受けるので、比較的脆弱および/または変形容易な薄壁の容器を把持および/または保持するのにこのような保持装置は適していない。また、各々の容器の表面に擦り傷が生じる可能性があるので、容器の品質が低下する。
【0004】
やはり周知なのは、容器を保持するための装置の各々の保持部分の開口および閉止がアクチュエータにより能動的に行われる、容器を保持するための能動的装置および/または能動的クランプである。容器を保持するためのこのような能動的装置は、特に、容器を保持するための上流装置から各々の容器を確実かつ丁寧に移送することを許容するか、容器を保持するための下流装置へ容器を同様に確実に移送して容器への丁寧な作用を保証するように機能する。特に、容器を保持するための各々の装置の能動的な開口および閉止により、容器の擦り傷を招く各々の容器への大きな摩擦が例えば回避され、他方では、容器寸法について予決定された公差範囲内に維持されうる所定の保持力および/またはクランプ力が調節されうる。容器を保持するためのこのような能動的装置は複数の個別部品、例えば、クランプアーム、ブシュ、バネ要素、予張力要素、そして上述の部品を確実に接続するための対応の接続要素とともに、クランプアームおよび/または保持部分、例えばアクチュエータ、ローラ、または鋸歯の位置を制御するための起動要素から成る。ゆえに容器を保持するためにこのような構造を持つ装置は清掃が複雑であり、対応して高度の製造努力を必要とする。容器を保持するためのこのような装置は、例えば特許文献2または特許文献3に開示されている。
【0005】
飲料充填システムでは、充填製品がたいてい汚染に影響を受けやすいので、例えば、容器の充填または容器蓋による容器の閉止は、例えば無塵室または隔離装置により提供される特殊な雰囲気で行われる。
【0006】
清掃努力を軽減するため、例えば特許文献4または特許文献5から導出されうるように、クランプアームの位置が制御および/または予決定されるための制御ユニットを無塵室の外側に配置することが周知である。したがって、輸送装置の回転軸線について、容器を保持するための装置の径方向内側に制御ユニットを配置することで、必然的に比較的大量の輸送装置構造空間が径方向に必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第102015218204号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/085068号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102009043984号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102010049026号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102012112946号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
周知の先行技術から派生して、本発明の目的は、容器処理装置で容器を保持するための、好ましくは容器封止装置で飲料容器の首部分または胴部分を保持するための改良装置とともに、対応の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
容器処理装置で容器を保持するための、好ましくは請求項1の特徴を有する容器封止装置で飲料容器の首部分または胴部分を保持するための装置により、この目的が達成される。有利な発展例は、従属請求項、明細書、そして図に開示されている。
【0010】
したがって、容器処理装置で容器を保持するための、好ましくは飲料容器の首部分または胴部分を保持するための装置が提案され、この装置は、旋回面で互いに対して旋回可能であるとともに、保持対象の容器を保持するための保持部分をそれぞれ有する二つの把持アームを包含する。装置はさらに、前記把持アームの前記旋回面に垂直な昇降ロッドの変位により前記保持部分が互いに対して旋回可能であるように前記把持アームに結合される昇降ロッドを包含する。
【0011】
把持アームの旋回面に垂直な昇降ロッドの変位により保持部分が互いに対して旋回可能であるように把持アームに結合される昇降ロッドを装置が包含するので、容器輸送装置の径方向での最小構造空間を従来の装置に対して小さくすることが可能である。径方向内向き方向からの起動手段の代わりに、容器を保持するための装置のクランプアームの起動手段は、旋回面に対して上方または下方に配置されうる。原則として、ここでは非制限の構造空間が存在する。結果として、容器を保持するための装置を輸送装置の回転軸線の近くに装着することがこの場合には可能である。
【0012】
したがって、変位可能な昇降ロッドと容器処理装置のハウジングとの間に、旋回および/または回転起動要素のケースよりも簡単な構造のシールが設けられ、特に昇降ロッドとハウジングとに固定シールが具現されうる。
【0013】
また、充填製品による汚染が発生しそうな程度が低い領域に、起動手段および/または制御ユニットが簡単に設置されうる。言い換えると、起動手段または制御ユニットは無塵室の外側にも配置されうる。
【0014】
昇降ロッドは好ましくは、その長手軸線の方向に変位可能であるように構成される。
【0015】
旋回面に垂直な長手軸線について昇降ロッドが配向される場合には特に有利であることが分かっている。
【0016】
したがって、昇降ロッドの変位を保持領域の互いに対する旋回移動に変換するために、好ましくは把持アームと昇降ロッドとの間に結合機構が配置され、この結合機構は昇降ロッドの変位を保持領域の互いに対する旋回に変換する。
【0017】
好適な実施形態によれば、前記把持アームは共通の旋回軸線を中心として旋回可能に配置される。代替的に、前記把持アームが旋回可能に配置される際の中心となる別々の旋回軸線を把持アームがそれぞれ有してもよい。
【0018】
また、旋回面での把持アームの変位により把持アームを互いに対して旋回させることが可能であり、好ましくは把持アームの互いに対する変位および旋回は、固定の旋回軸線を把持アームが有することなく行われる。
【0019】
互いに対する保持部分の移動のために、把持アームの一方のみが移動して、他方の把持アームが静止状態であるように構成されることも可能である。
【0020】
把持アームに固定状態で接続されるとともに結合部材を介して昇降ロッドに結合される旋回レバーを少なくとも一方の把持アームが包含する場合に、把持アームの位置の特に正確な制御と、同時に、清掃が簡単である容器を保持するための装置の構造の提供とが達成されうる。
【0021】
好ましくは、前記二つの把持アームは、前記結合部材を介して前記昇降ロッドに各々が結合される前記旋回レバーをそれぞれ有するか、好ましくは二つの噛み合い歯車を介して前記把持アームが互いに回転可能に結合される。
【0022】
さらなる好適な実施形態によれば、前記結合部材は前記昇降ロッドに回転可能に配置され、前記結合部材の回転軸線は好ましくは前記昇降ロッドの長手軸線に垂直な結合部材での配向を持つ。
【0023】
代替的または付加的に、前記旋回レバーは長手方向において変位可能に前記結合部材に受容されうる。
【0024】
また、前記結合部材に対して回転可能に、および/またはあそびを伴って、前記旋回レバーが前記結合部材に受容されると有利であることが分かっている。
【0025】
把持アームの位置を調節可能にするため、前記把持アームの旋回位置を調節するための調節要素、好ましくは偏心要素を前記結合部材が有しうる。
【0026】
さらなる好適な実施形態によれば、昇降ロッドは摺動要素を包含し、少なくとも一つの結合部材は摺動要素を介して昇降ロッドに結合される。
【0027】
好適な発展例によれば、前記長手軸線について前記結合部材が一方の側で前記摺動要素に結合され、前記結合部材が他方の側で前記旋回レバーに結合されうる。
【0028】
摺動要素がS形状の構成であって中央部分で昇降ロッドに接続される時には、容器を保持するための装置の簡単で安定した構造が達成されることが分かっている。
【0029】
さらなる好適な実施形態によれば、容器を保持するための装置で把持アームにより保持される容器の配向について、前記昇降ロッドへの前記結合部材の結合部は前記長手軸線の方向において前記旋回レバーへの前記結合部材の結合部の上方に配置される。把持アームの方向での昇降ロッドの変位により、言い換えると、容器を保持するための装置の配向について下向きの昇降ロッドの変位により、旋回レバーが旋回軸線について保持部分の側に延在する場合には、把持アームの開口、ゆえに把持アームの保持部分の互いからの旋回が許容されうる。したがって、昇降ロッドの上昇、ゆえに昇降ロッドの上向きの変位により、保持部分が互いに向かって反対方向に旋回される保持部分の閉止が達成されうる。
【0030】
旋回レバーが旋回軸線について保持部分と反対の側、すなわち装置の背面に延在する場合には、把持アームの方向での昇降ロッドの変位により、言い換えると容器を保持するための装置の配向について下向きへの昇降ロッドの変位により、把持アームの閉止、ゆえに把持アームの保持部分の互いへの旋回が許容されうる。したがって、昇降ロッドの上昇、ゆえに昇降ロッドの上向きの変位により、保持部分が互いから反対方向に旋回される保持部分の開口が達成されうる。
【0031】
代替的に、前記昇降ロッドへの前記結合部材の前記結合部は、前記長手軸線の方向において、前記旋回レバーへの前記結合部材の前記結合部の下方に配置されうる。その結果、保持部分の側に旋回レバーが配置される時には、把持アームの方向での昇降ロッドの変位により、言い換えると容器を保持するための装置の配向に対して下向きの昇降ロッドの変位により、保持部分が互いから反対方向に旋回される把持アームの開口を達成することが可能である。保持部分と反対の側に旋回レバーが延在する時には、閉止が行われる。したがって、昇降ロッドの上昇、ゆえに昇降ロッドの上向きの変位により、旋回レバーが保持部分の側に配置された時には保持部分の閉止、ゆえに把持アームの保持部分の互いへの旋回が達成され、旋回レバーが保持部分と反対の側に延在する時には閉止が達成されうる。
【0032】
その結果、さらなる好適な実施形態によれば、前記旋回軸線について保持部分と反対の側で前記少なくとも一つの旋回レバーと前記少なくとも一つの結合部材との間に前記結合部が配置されうるか、前記旋回軸線について前記保持部分の側で前記少なくとも一つの旋回レバーと前記少なくとも一つの結合部材との間に前記結合部が配置されうる。
【0033】
さらなる好適な実施形態によれば、前記昇降ロッドは前記把持アームと反対の側で、前記長手軸線に対する前記昇降ロッドの位置を制御するための制御ユニットを有する。制御ユニットは、製品の充填により汚染されるリスクが低い領域に設けられうる。特に、その結果、容器を保持するための装置の把持アームを包囲するハウジングの外側に制御ユニットを配置することが可能である。
【0034】
把持アームの保持部分を所定の位置、例えば保持部分の閉止位置または保持部分の開口位置に保持するために、制御ユニットは、所定位置への予張力を昇降ロッドに付与するための予張力要素、好ましくはバネを包含しうる。
【0035】
代替的または付加的に、前記昇降ロッドは、前記昇降ロッドの位置を予決定するための予決定装置と相互作用するための相互作用部分を包含し、相互作用要素は好ましくは摺動要素、ピン、および/または、ホイールの形で構成され、案内湾曲部または案内溝部として構成される予決定装置で摺動および/または転動するように好ましくは構成される。
【0036】
さらなる好適な実施形態によれば、前記昇降ロッドは、前記長手軸線の方向において互いに対して変位可能である二つのロッド要素を包含し、前記ロッド要素は前記長手軸線の方向にバネ要素を介して結合される。その結果、バネ要素のバネ経路に従って発生される、容器が保持部分に保持されるための保持力を提供することが可能である。このケースの保持力は互いに対するロッド要素の超過行程から得られ、超過行程はバネ要素のバネ経路を表す。
【0037】
さらなる好適な実施形態によれば、前記昇降ロッドは、容器処理装置のハウジングのハウジング開口部に対して前記昇降ロッドを密閉するためのシールを包含し、前記昇降ロッドは前記ハウジング開口部に延在する。ゆえに、ハウジングの内側に把持アームを配置することが可能であり、好ましくは特殊な雰囲気、特に例えば無塵室に対応する細菌数の少ない雰囲気がハウジングの内部に設けられ、把持アームに保持される容器はその中での処理が可能であり、制御ユニットはハウジングの外側に配置されうる。
【0038】
好ましくは、前記昇降ロッドに前記シールが締結される。代替的または付加的に、前記シールは前記ハウジング開口部に締結されるように構成されてもよい。
【0039】
シールは好ましくは、動作中に把持アームを旋回させるのに必要とされる昇降ロッドの行程を補償するように構成され、シールは好ましくはシリコーン材料を包含する、および/または、折り畳みベローズとして構成される。
【0040】
この意味での「締結される」は静的な締結を意味すると理解され、昇降ロッドとシールとの間、および/または、ハウジングとシールとの間の相対移動は、存在しない、および/または、可能でない。
【0041】
さらなる好適な実施形態によれば、結合部ハウジングは前記少なくとも一つの結合部材と前記少なくとも一つの旋回レバーとを包囲し、好ましくは前記結合部ハウジングの好ましくは密閉された開口部に前記昇降ロッドが延在し、前記把持アームの前記旋回軸線を中心として旋回可能であるシャフトに前記アームがそれぞれ締結され、前記結合部ハウジングの好ましくは密閉されたボアにシャフトが延在する。その結果、昇降ロッドと把持アームとの間の結合部の領域、特に結合部材が昇降ロッドに結合される領域、結合部材が旋回レバーに結合される領域、そして台部でのシャフトの軸受は、例えば製品の充填による汚染から結合部ハウジングにより保護されうる。
【0042】
上述した目的は、請求項10の特徴を有する容器処理装置によっても達成される。容器処理装置の発展例は、従属請求項に、そして本明細書および図に開示される。
【0043】
したがって、好ましくは容器蓋で容器を封止するための容器処理装置が提案され、この容器処理装置は、容器を輸送するための輸送装置を包含する。容器処理装置は、先行の実施形態の一つによる容器を保持するための装置を前記輸送装置が有することを特徴とする。
【0044】
輸送装置は先行の実施形態の一つに記載の容器を保持するための装置を有するので、装置について記載される利点および効果は、容器処理装置にも等しく関連している。
【0045】
好適な実施形態によれば、前記容器処理装置は密閉空間を提供するためのハウジングを包含し、把持アームが前記ハウジングの内部に配置されて昇降ロッドがハウジング開口部に延在し、制御ユニットはハウジングの外側に、好ましくは前記ハウジング開口部の上方に配置される。
【0046】
好ましくは、ハウジング開口部と昇降ロッドとの間に設けられる上記のシールによりハウジング開口部が密閉される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明のさらなる好適な実施形態が、以下の図の説明によってより詳しく記載される。
図1】容器処理装置の側面図を概略的に示す。
図2】容器を保持するための装置の側面斜視図を概略的に示す。
図3図2の装置の背面斜視図を概略的に示す。
図4図2の装置の背面図を概略的に示す。
図5】開口状態における図2の装置の一対の把持アームを概略的に示す。
図6】閉止状態における図5の一対の把持アームを概略的に示す。
図7図1の装置の機能図を概略的に示す。
図8】容器を保持するためのさらなる装置の機能図を概略的に示す。
図9】容器を保持するためのさらなる装置の側面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図を参照して好適な例示的実施形態が以下に記載される。このケースで、同じまたは類似であるか同じ機能を有する要素は同一の参照番号で様々な図に提示され、冗長性を回避するためにこれらの要素の反復的な説明は幾つかのケースでは省略される。
【0049】
図1に概略的に示されているのは、容器7を輸送するための輸送装置110と、本ケースでは容器蓋(不図示)で容器7を封止するための封止装置の形である処理装置130と、処理装置130を少なくとも部分的に包囲するハウジング120とを包含する容器処理装置100の側面図である。ハウジング120は、例えば、周囲に対して遮蔽された雰囲気を内部に形成するように機能する隔離装置でありうる。
【0050】
輸送装置110は、旋回面21で互いに対して旋回可能であるとともに、本ケースでは保持対象の容器7の首部分で容器7を保持するための保持部分20をそれぞれ有する二つの把持アーム2を包含する、容器7を保持するための装置1を有する。
【0051】
装置1はさらに、旋回面21に垂直な昇降ロッド3の変位により保持部分20が互いに対して旋回可能であるように把持アーム2に結合される昇降ロッド3を包含する。図1では、昇降ロッド3の変位は参照番号37によって指示され、把持アーム2の旋回は参照番号20によって指示されている。
【0052】
昇降ロッド3は長手軸線30に沿って延在する。本ケースでは、その長手軸線30について昇降ロッド3は旋回面21に垂直な配向を持つ。
【0053】
旋回面21に垂直な昇降ロッド3の変位を互いに対する把持アーム2の旋回に変換するように設計される結合機構10が、昇降ロッド3と把持アーム2と間に配置される。
【0054】
昇降ロッド3は、長手軸線30に対する昇降ロッド3の位置を制御するための制御ユニット5を包含する。制御ユニット5は、一方の側で昇降ロッド3の突出部38に支持されるとともに他方の側で輸送装置110の搬送部111に支持される、本ケースでは渦巻バネの形の予張力要素50を包含する。
【0055】
予張力要素50と突出部38とを回転により分離するための転動軸受53が、突出部38とこれに支持される渦巻バネとの間に配置される。
【0056】
予張力要素50によって、本ケースでは重力方向gに対応する長手軸線30の方向で見た上端位置へ昇降ロッド3が予張力を付与される。
【0057】
制御ユニット5はさらに、本ケースでは案内湾曲部(不図示)上を転動しうるホイール52の形である相互作用部分51を包含する。昇降ロッド3の上端位置で、把持アーム2、ゆえに保持部分20は開口位置にある。
【0058】
把持アーム2、ゆえに保持部分20を、保持対象の容器7を保持するための閉止位置へ移動させるために、予張力要素50の予張力に反して、把持アーム2の方向の旋回面21に垂直に昇降ロッド3が移動する。重力方向gでの昇降ロッドの変位37は、結合機構10により把持アーム2の旋回移動22に転換される。
【0059】
昇降ロッド3は、長手軸線30の方向において互いに対して変位可能であるとともにバネ要素35を介して長手軸線の方向に結合される二つのロッド要素33,34を包含する。したがって、バネ要素35と、上方ロッド要素33の超過行程とを介して、保持部分20に閉止力が提供されうる。
【0060】
ロッド要素33の超過行程、ゆえに把持アーム2の方向での昇降要素3の変位のために把持アーム2が閉止位置に置かれた後でホイール52を介して予決定されるロッド要素33が付加的にカバーする経路は、このケースではバネ要素35のバネ経路に対応し、バネ要素35のバネ剛性に対応する圧縮力がこれにより下方ロッド要素34に伝達される。この圧縮力が結合機構10を介して把持アーム2に伝達されるので、保持対象の容器7の方向に把持アーム2が対応の閉止力でその保持部分20に押圧される。
【0061】
代替的に、昇降ロッドはまた、昇降ロッド3が重力方向gと反対に上昇するように把持アームに結合されうる。従って、それゆえ、予張力要素35は張力バネとして設計されうる。
【0062】
装置1の把持アーム2は、ハウジング120により提供される密閉空間の内側に配置される。昇降ロッド3はハウジング開口部121に延在し、制御ユニット5は、ハウジング120の外側に、本ケースではハウジング120の上方に配置される。
【0063】
昇降ロッド3はシール36を包含し、昇降ロッド3はこれによりハウジング開口部121に対して密閉される。本ケースでは、シール36が昇降ロッド3に固定状態で締結され、ハウジング開口部121および/またはハウジング120にも固定状態で締結される。シール36は、動作中に必要とされる昇降ロッド3の行程がシール36により補償されるように構成される。本ケースにおいて、シール36は、シリコーン材料を包含して折り畳みベローズの形で構成される。
【0064】
代替的に、シール36は中空シリンダの形でも構成されうる。
【0065】
図2および3は、例えば図1による容器処理装置100に含まれるような、容器を保持するための装置1の側面斜視図および背面斜視図を概略的に示す。
【0066】
図1について既に記載したように、装置1は、旋回面21で互いに対して旋回可能である二つの把持アーム2と、昇降ロッド3とを包含する。
【0067】
把持アーム2は、長手軸線30に平行な配向を持ち機械的シャフト24を介して構成される旋回軸線22をこのケースでは中心として、台部11に旋回可能に配置される。各把持アーム2はさらに、シャフト24に配置されるとともに旋回軸線22について保持部分20と反対の側で旋回軸線22に垂直に延在する旋回レバー23を包含する。旋回レバー23は本ケースにおいて、回転に関する固定状態で把持アーム2に接続される。
【0068】
昇降ロッド3は、摺動要素31の中央部分32で昇降ロッド3に強固に締結されるS形状の摺動要素31を包含する。
【0069】
各旋回レバー23はそれぞれ結合部材4を介して昇降ロッド3に結合され、関連の旋回軸線22について保持部分20と反対の側で結合部材4と旋回レバー23との間に結合部42が置かれる。各結合部材4は、昇降ロッド3の摺動要素31の側にそれぞれ回転可能に配置され、結合部材4の回転軸線40(図3参照)は長手軸線30に垂直な配向を持つ。結合部材4の他の側で、旋回レバー23は膠着を防止するためにあそびを伴って結合部材4で案内される。
【0070】
また、各結合部材4は、把持アームの旋回位置を調節するために本ケースでは偏心要素43として構成される調節要素を包含する。結合部41と結合部42との間隔は、偏心要素43を介して調節されうる。
【0071】
図2および3の装置1の背面図を概略的に示す図4で確認されうるように、結合部材4と摺動要素31との間の結合部41は結合部材4と旋回レバー23との間の結合部42の上方に配置され、結合部41,42は旋回軸線22について保持部分20と反対の側に配置される。その結果、重力方向gでの昇降ロッド3の変位は把持アーム2の閉止を招く。
【0072】
開口状態での装置1の一対の把持アーム2が図5に概略的に示され、閉止状態での図5の一対の把持アームが図6に概略的に示されている。
【0073】
図7は、図2から4の装置1の機能図を概略的に示し、昇降ロッド3とともに、S形状の摺動要素31と、結合部41,42を備える結合部材4とが、重力方向gに見た上方位置において実線で示されている。昇降ロッド3が所定の変位37だけ変位された時にこれらが取る位置は、破線によって指示されている。長手軸線30に垂直な外向きの結合部42の対応オフセット44は、変位37により具現される。結合部材4により結合部42に結合される旋回レバー23は、オフセット44に対応するとともに各々の把持アーム2に伝達される旋回移動を受ける。
【0074】
結合部42の上方に結合部41が配置されることで、昇降ロッド3が下向きに移動することにより把持アーム2が閉止される。
【0075】
図8は、容器を保持するためのさらなる装置1の機能図を概略的に示す。装置1は実質的に図7のものに対応し、同図で結合部41は結合部42の下方に配置されている。したがって、結合部41,42が旋回軸線22について保持部分20と反対の側に配置されるので、昇降ロッド3の上昇、ゆえに重力方向gと反対の変位37により把持アーム2が閉止される。
【0076】
容器7を保持するためのさらなる装置1の側面図が図9に概略的に示されている。装置1は図2から4のものに実質的に対応し、結合部ハウジング6が摺動要素31と結合部材4と旋回レバー23とを包囲している。
【0077】
昇降ロッド3は、シール62によって密閉された結合部ハウジング6の開口部60に延在し、把持アーム2のシャフト24は、シール63によって密閉された結合部ハウジング6のボア61にそれぞれ延在する。
【0078】
シール62はこのケースで、動作中に発生する昇降ロッド3の必要な行程を補償するように構成される。また、シール63は、動作中に発生するシャフト24の必要な旋回移動を補償するように構成される。
【0079】
適用可能な場合には、例示的実施形態に示されている個々の特徴の全てが、本発明の範囲を逸脱することなく、ともに組み合わされうる、および/または、置き換えられうる。
【符号の説明】
【0080】
1 装置
10 結合機構
11 台部
2 把持アーム
20 保持部分
21 旋回面
22 旋回軸線
23 旋回レバー
24 シャフト
25 旋回
3 昇降ロッド
30 長手軸線
31 摺動要素
32 中央部分
33 ロッド要素
34 ロッド要素
35 バネ
36 シール
37 変位
38 突出部
4 結合部材
40 回転軸線
41 上昇ロッドとの結合部
42 旋回レバーとの結合部
43 偏心要素
44 オフセット
5 制御ユニット
50 予張力要素
51 相互作用部分
52 ホイール
53 転動軸受
6 結合部ハウジング
60 開口部
61 ボア
62 シール
63 シール
7 容器
100 容器処理装置
110 輸送装置
111 搬送部
120 ハウジング
121 ハウジング開口部
130 処理装置
g 重力方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】