IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 晶科▲緑▼能(上海)管理有限公司の特許一覧 ▶ ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-太陽電池 図1
  • 特開-太陽電池 図2
  • 特開-太陽電池 図3
  • 特開-太陽電池 図4
  • 特開-太陽電池 図5
  • 特開-太陽電池 図6
  • 特開-太陽電池 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081366
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】太陽電池
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20220524BHJP
   H01L 31/0747 20120101ALI20220524BHJP
【FI】
H01L31/04 260
H01L31/06 455
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203914
(22)【出願日】2020-12-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-18
(31)【優先権主張番号】202011308762.X
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520214949
【氏名又は名称】晶科▲緑▼能(上海)管理有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】金井昇
(72)【発明者】
【氏名】張彼克
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン シン ウ
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151AA02
5F151AA03
5F151CB11
5F151CB12
5F151CB13
5F151CB19
5F151FA06
5F151FA17
5F151HA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】太陽電池の変換効率の向上に有利な太陽電池を提供する。
【解決手段】太陽電池は、ベース20、界面パッシベーション層221、第2電極225と、フィールドパッシベーション層223と、導電補強層222と、を備え、界面パッシベーション層221は、第1界面パッシベーション層221aと、ベース20と第2界面パッシベーション層221bとを含み、導電補強層222は、第1界面パッシベーション層221aにおけるキャリアが第2電極225へ流れるように、第1界面パッシベーション層221aにおけるベース20から離れる側に位置し、導電補強層222の材料の抵抗率は、フィールドパッシベーション層223の材料の抵抗率よりも小さく、導電補強層222の材料の抵抗率は、0.001Ω・cm未満である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース、前記ベースの下面を覆う界面パッシベーション層、及び前記界面パッシベーション層における前記ベースから離れる側に位置する電極と、フィールドパッシベーション層と、導電補強層と、を備え、
前記界面パッシベーション層は、隣接する前記電極の間の界面パッシベーション層に対応する第1界面パッシベーション層と、前記ベースと少なくとも一つの電極との間の界面パッシベーション層に対応する第2界面パッシベーション層とを含み、
前記フィールドパッシベーション層は、少なくとも一部が前記界面パッシベーション層と前記電極との間に位置しており、
前記導電補強層は、前記第1界面パッシベーション層におけるキャリアが前記電極へ流れるように、少なくとも一部が前記第1界面パッシベーション層における前記ベースから離れる側に位置し、前記導電補強層の材料の抵抗率は、前記フィールドパッシベーション層の材料の抵抗率よりも小さく、前記導電補強層の材料の抵抗率は、0.001Ω・cm未満である
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記導電補強層は、少なくとも、前記第1界面パッシベーション層における前記ベースから離れる表面の一部を覆い、
前記フィールドパッシベーション層は、前記導電補強層における前記ベースから離れる表面を覆っている
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記フィールドパッシベーション層は、前記第2界面パッシベーション層における前記ベースから離れる表面を覆い、
前記導電補強層の少なくとも一部は、隣接する前記電極の間に位置し、前記導電補強層は前記電極の側壁と接触している
ことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記フィールドパッシベーション層は、前記界面パッシベーション層における前記ベースから離れる表面を覆い、そのうち、隣接する前記電極の間に位置する前記フィールドパッシベーション層は、第1フィールドパッシベーション層であり、前記導電補強層は少なくとも、前記第1フィールドパッシベーション層における前記ベースから離れる表面の一部を覆っている
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記電極は、前記導電補強層を貫通して前記フィールドパッシベーション層と接触している
ことを特徴とする請求項4に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第1フィールドパッシベーション層には、凹溝が設けられており、
前記導電補強層は、前記凹溝を満たすように充填されている
ことを特徴とする請求項4に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記導電補強層は、順に積層された第1補強層と第2補強層を有し、
前記第1補強層は、前記凹溝の表面を覆い、
前記第1補強層と前記フィールドパッシベーション層との接触抵抗は、前記第2補強層と前記フィールドパッシベーション層との接触抵抗よりも小さく、
前記第2補強層の抵抗率は、前記第1補強層の抵抗率よりも小さい
ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記第1界面パッシベーション層の一部の表面が前記フィールドパッシベーション層に露出されており、
前記導電補強層は、前記第1界面パッシベーション層の露出された一部の表面と接触しており、
前記導電補強層の材料の抵抗率は、前記界面パッシベーション層の材料の抵抗率よりも小さい
ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記第1界面パッシベーション層は、前記フィールドパッシベーション層によって露出された複数の不連続な局部的表面を有し、
前記導電補強層は、前記複数の不連続な局部的表面と接触している
ことを特徴とする請求項7に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記導電補強層は、フィールドパッシベーション能力を有する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電力の分野に関し、特に太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池技術の絶えず発展に伴い、金属コンタクト領域の再結合損失は、太陽電池の変換効率のさらなる向上を制約する要因の一つとなっている。太陽電池の変換レートを上げるために、パッシベーションコンタクトにより太陽電池を不動態化して、太陽電池本体と表面の再結合を低減することが多い。よく使用されるパッシベーションコンタクト型電池は、ヘテロ接合(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer,HIT)電池とトンネル酸化物不動態化接触(Tunnel Oxide Passivated Contact,TOPCon)電池がある。
【0003】
しかしながら、従来のパッシベーションコンタクト型電池の変換効率の向上が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、太陽電池の変換効率の向上に有利な太陽電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の実施例に提供される太陽電池は、ベース、前記ベースの下面を覆う界面パッシベーション層、及び前記界面パッシベーション層における前記ベースから離れる側に位置する電極と、フィールドパッシベーション層と、導電補強層と、を備え、前記界面パッシベーション層は、隣接する前記電極の間に位置する第1界面パッシベーション層と、前記ベースと前記電極との間に位置する第2界面パッシベーション層とを含み、前記フィールドパッシベーション層は、少なくとも一部が前記界面パッシベーション層と前記電極との間に位置しており、前記導電補強層は、前記第1界面パッシベーション層におけるキャリアが前記電極へ流れるように、少なくとも一部が前記第1界面パッシベーション層における前記ベースから離れる側に位置し、前記導電補強層の材料の抵抗率は、前記フィールドパッシベーション層の材料の抵抗率よりも小さく、前記導電補強層の材料の抵抗率は、0.001Ω・cm未満である
【0006】
また、前記導電補強層は少なくとも、前記第1界面パッシベーション層における前記ベースから離れる表面の一部を覆い、前記フィールドパッシベーション層は、前記導電補強層における前記ベースから離れる表面を覆っている。
【0007】
また、前記フィールドパッシベーション層は、前記第2界面パッシベーション層における前記ベースから離れる表面を覆い、前記導電補強層の少なくとも一部は、隣接する前記電極の間に位置し、前記導電補強層は前記電極の側壁と接触している。これにより、キャリアはフィールドパッシベーション層を通過する必要がなく、導電補強層を完全に通過して電極へ流れることができ、キャリアの輸送経路における直列抵抗を小さくし、かつキャリアの輸送経路を短くすることに有利であり、キャリアがより速い輸送レート及びより小さい輸送損失で電極へ流れることができ、太陽電池がより高い変換効率を有することを確保する。
【0008】
また、前記フィールドパッシベーション層は、前記界面パッシベーション層における前記ベースから離れる表面を覆い、そのうち、隣接する前記電極の間に位置する前記フィールドパッシベーション層は、第1フィールドパッシベーション層であり、前記導電補強層は少なくとも、前記第1フィールドパッシベーション層における前記ベースから離れる表面の一部を覆っている。導電補強層の設置は、フィールドパッシベーション層と基材との間の垂直間隔を変更しないので、フィールドパッシベーション層内のドーピングイオン濃度が変化しないという条件下でも、フィールドパッシベーション層は依然としても良いフィールドパッシベーション効果を有し、キャリアの選択的な輸送を確保し、さらに太陽電池がより高い変換効率を持つことを確保する。
【0009】
また、前記電極は、前記導電補強層を貫通して前記フィールドパッシベーション層と接触している。
【0010】
また、前記第1フィールドパッシベーション層には、凹溝が設けられており、前記導電補強層は、前記凹溝を満たすように充填されている。これにより、太陽電池がより高い変換効率を持ちながら、より薄い厚みを有することを確保することに有利である。
【0011】
また、前記導電補強層は、順に積層された第1補強層と第2補強層を有し、前記第1補強層は前記凹溝の表面を覆い、前記第1補強層と前記フィールドパッシベーション層との接触抵抗は、前記第2補強層と前記フィールドパッシベーション層との接触抵抗よりも小さく、前記第2補強層の抵抗率は、前記第1補強層の抵抗率よりも小さい。
【0012】
また、前記第1界面パッシベーション層の一部の表面が前記フィールドパッシベーション層に露出されており、前記導電補強層は、前記第1界面パッシベーション層の露出された一部の表面と接触しており、前記導電補強層の材料の抵抗率は、前記界面パッシベーション層の材料の抵抗率よりも小さい。
【0013】
また、前記第1界面パッシベーション層は、前記フィールドパッシベーション層によって露出された複数の不連続な局部的表面を有し、前記導電補強層は、前記複数の不連続な局部的表面と接触している。
【0014】
また、この導電補強層はフィールドパッシベーション能力を有する。このように、フィールドパッシベーション層のフィールドパッシベーション能力をある程度補償することにより、太陽電池全体として高いフィールドパッシベーション効果を有し、さらに、太陽電池が高い変換効率を持つことを確保することができる。
【0015】
本発明の実施例に提供される技術方案は、従来技術と比較して以下の利点がある。
上記技術方案において、導電補強層の材料の抵抗率がフィールドパッシベーション層の材料の抵抗率よりも小さいので、導電補強層は、第1界面パッシベーション層におけるキャリアが電極へ流れる経路として、キャリアがより速い輸送レート及びより小さい輸送損失で電極へ流れることを可能にし、さらに太陽電池の変換効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
一つ又は複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明されるが、これらの例示的な説明は、実施例を制限するものではなく、特に説明しない限り、添付の図面における図は比例上の制限を形成しない。
図1図1は、太陽電池の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の第1実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。
図3図3は、本発明の第2実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。
図4図4は、本発明の第3実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。
図5図5は、本発明の第4実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。
図6図6は、本発明の第5実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。
図7図7は、本発明の第6実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
太陽電池の構成を示す図である図1を参照する。
【0018】
図1に示すように、従来の太陽電池は、ベース10と、ベース10の下面に順に積層された界面パッシベーション層121、フィールドパッシベーション層122および電極123とを備え、界面パッシベーション層121は、隣接する電極123の間に位置する第1界面パッシベーション層121aと、電極123とベース10との間に位置する第2界面パッシベーション層121bとを含み、フィールドパッシベーション層122は、隣接する電極123の間に位置する第1フィールドパッシベーション層122aと、電極123とベース10との間に位置する第2フィールドパッシベーション層122bとを含む。
【0019】
電極123へのキャリアの輸送経路については、具体的には以下の通りである。ベース10の内部から第1界面パッシベーション層121aに輸送されたキャリアは、第1のフィールドパッシベーション層122aまで縦方向に輸送されてから、第1フィールドパッシベーション層122aによって横方向に輸送され、最後に第2フィールドパッシベーション層122bによって電極123の表面に到達する必要があり、または、まず第1界面パッシベーション層121a内を横方向に輸送されて、第2界面パッシベーション層121bに到達した後、第2フィールドパッシベーション層122bを垂直に貫通して、電極123の表面に到達する必要がある。界面パッシベーション層121とフィールドパッシベーション層122とは電気抵抗率が高く、導電能力が悪いため、太陽電池の直列抵抗が大きく、多数のキャリアの横方向輸送抵抗が大きく、多数のキャリアは横方向輸送において輸送レートが遅く、輸送に必要な時間が長く、輸送損失が大きいという問題が発生し、ひいては太陽電池の変換効率が低くなってしまう。
【0020】
上記の技術的問題の発生を回避するために、通常、隣接する電極123の間のピッチをより小さく設定することしか選択できないが、このようにすれば、電極123とフィールドパッシベーション層122との間の表面再結合面積を増やしてしまい、さらにフィールドパッシベーション層122のフィールドパッシベーション効果および太陽電池の変換効率に影響を及ぼしてしまう。また、隣接する電極123の間のピッチが小さいと、幅が同じであるフィールドパッシベーション層122により多くの電極123を設ける必要があり、すなわち、太陽電池の製造に多くの金属電極材料を消費する必要があり、太陽電池の製造コストが上昇する。
【0021】
なお、上記で言及する2本の輸送経路は、キャリアの輸送経路を極端に例示して説明するのみであり、キャリアの実際の輸送経路は、斜め輸送であってもよい。逆に、キャリアの実際の輸送経路は、横方向輸送と縦方向輸送と同等にすることができ、すなわち、第1界面パッシベーション層121aまたは第1フィールドパッシベーション層122aにおいてキャリアが横方向輸送されていると考えられる。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明の実施例に提供される太陽電池は、第1界面パッシベーション層におけるキャリアが電極へ流れる経路として、第1界面パッシベーション層のペースから離れる側に低抵抗率の導電補強層が設けられることによって、キャリアがより速いレート及びより小さい損失で電極へ流れることができ、さらに太陽電池の変換効率を向上することに有利である。
【0023】
本発明の実施例の目的、技術方案及び利点をより明確にするために、以下、本発明の各実施例について図面を結合して詳細に説明する。しかしながら、当業者は理解できるが、読者に本願をよりよく理解させるために、本発明の各実施例において多数の技術的細部が提案されているが、これらの技術的細部および以下の各実施例に基づく種々の変更や修正がなくても、本願が保護を要求している技術方案を実現することができる。
【0024】
図2は、本発明の第1実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。表現を簡潔にするために、以下では、いずれかのフィルム層におけるベース20に向く面を上面と称し、ベース20から離れる面を下面と称する。
【0025】
図2を参照して、太陽電池は、ベース20、ベース20の下面を覆う界面パッシベーション層221、及び界面パッシベーション層221におけるベース20から離れる側に位置する第2電極225と、フィールドパッシベーション層223と、導電補強層222と、を備え、界面パッシベーション層221は、隣接する第2電極225の間に位置する第1界面パッシベーション層221aと、ベース20と第2電極225との間に位置する第2界面パッシベーション層221bとを含み、フィールドパッシベーション層223は、少なくとも一部が界面パッシベーション層221と第2電極225との間に位置しており、導電補強層222は、第1界面パッシベーション層221aにおけるキャリアが第2電極225へ流れるように、少なくとも一部が第1界面パッシベーション層221aにおけるベース20から離れる側に位置し、導電補強層222の材料の抵抗率は、フィールドパッシベーション層223の材料の抵抗率よりも小さく、導電補強層222の材料の抵抗率は、0.001Ω・cm未満である。
【0026】
太陽電池は、ベース20の上面に順に積層されたエミッターー211、第1パッシベーション膜212、反射防止膜213及び第1電極214と、フィールドパッシベーション層223におけるベース20から離れる側に位置する第2パッシベーション膜224と、をさらに備える。
【0027】
ベース20とエミッター211は、PN接合を形成している。具体的には、ベース20がP型であれば、エミッター211はN型であり、ベース20がN型であれば、エミッターはP型である。選択できるが、ベース20の材料としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、擬似単結晶シリコン、ペロブスカイト等の半導体材料が含まれていてもよい。
【0028】
フィールドパッシベーション層223のドーピングイオンのタイプは、ベース20のドーピングイオンのタイプと同じである。具体的には、ベース20がN型シリコンウエハである場合、フィールドパッシベーション層223はN型ドーピング層(例えば、N型のドーピングポリシリコン)であり、ドーピングイオンはリンイオン等の5族元素を含む。ベース20がP型シリコンウエハである場合、フィールドパッシベーション層223はP型ドープ層(例えば、P型のドーピングポリシリコン)であり、ドーピングイオンはボロンイオン等の3族元素を含む。
【0029】
第1パッシベーション膜212及び第2パッシベーション膜224の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭窒化酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化アルミニウムなどの材料の一種または複数種を含み、反射防止膜213の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭窒化酸化ケイ素などの材料の一種または複数種を含み、第1電極214は、反射防止膜213及び第1パッシベーション膜212を貫通してエミッター211に接続され、第2電極225は、第2パッシベーション膜224を貫通してフィールドパッシベーション層223に接触接続され、第1電極214は銀アルミニウム電極であってもよく、第2電極225は銀電極であってもよい。
【0030】
本実施例では、ベース20の下面から離れる方向に、界面パッシベーション層221、導電補強層222、フィールドパッシベーション層223及び第2パッシベーション膜224が順に積層されており、第2電極225は、第2パッシベーション膜224を貫通してフィールドパッシベーション層223に接触している。
【0031】
第2電極225が界面パッシベーション層221内の多数キャリアに対して吸引力を有しているため、界面パッシベーション層221内の多数キャリアは、導電補強層222及びフィールドパッシベーション層223を整然と通過し、すなわち、規則的な電流として第2電極225へ流れている。これに応じて、界面パッシベーション層221、導電補強層222、及びフィールドパッシベーション層223の間で電流が整然と流れるため、導電補強層222は界面パッシベーション層221と電気的に接触し、導電補強層222は、第1界面パッシベーション層221aにおけるキャリアが第2電極225へ流れることに用いられると考えられる。
【0032】
上記の記載から分かるように、導電補強層222は、第1界面パッシベーション層221aにおけるキャリアが第2電極225へ流れる経路であり、具体的には、第1界面パッシベーション層221aにおける多数キャリアが第2電極225へ流れる過程において、まず導電補強層222まで縦方向に輸送されてから、導電補強層222によって横方向に輸送され、その後に、フィールドパッシベーション層223を縦方向に通過するだけで第2電極225に到達し、光電変換を完了することができる。
【0033】
つまり、第1界面パッシベーション層221aにおける多数キャリアが第2電極225へ流れる過程において、フィールドパッシベーション層223での横方向輸送は不要となるが、抵抗率がより低い導電補強層222によって横方向輸送することができる。このように、多数キャリアの横方向輸送の抵抗を小さくすることに有利であり、これにより、多数キャリアの輸送レートを高め、多数キャリアの輸送損失を低減して、太陽電池の変換効率を向上する。
【0034】
本実施例において、界面パッシベーション層221は、トンネル効果を有する誘電体層、例えば、トンネル酸化層(例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウムなど)、トンネル窒化物層(例えば窒化シリコン)などであってもよい。いくつかの実施例において、トンネル効果を達成するために、界面パッシベーション層221の厚さは比較的薄く形成されており、例えば、厚さは1~4nmである。本実施例において、導電補強層222の材料は、電気抵抗が0.001Ω・cm未満であり、例えば、0.0005Ω・cm、0.0002Ω・cmまたは0.00001Ω・cmである。
【0035】
本実施例において、導電補強層222の材料の抵抗率は、界面パッシベーション層221の材料の抵抗率よりも小さくなる。キャリアは輸送中に常に抵抗が最も小さい経路を輸送する傾向があるため、界面パッシベーション層221に対して導電補強層222の抵抗率が小さいと、第1界面パッシベーション層221aにおける多数キャリアは、優先的に導電補強層222を介して横方向輸送されることになり、このように、多数キャリアの平均輸送レートをより一層高め、多数キャリアの平均輸送抵抗を小さくして、太陽電池の変換効率を向上することに有利である。
【0036】
本実施例において、導電補強層222の材料タイプは、導電性ポリマー、金属ケイ化物、または酸化導電体を含んでいる。具体的には、導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどを含み、金属ケイ化物は、チタンシリサイドタングステン、チタンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイドなどを含み、酸化導電体は、スズドープ酸化インジウム(Indium Tin Oxide、ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(Aluminum-doped zinc oxide、AZO)、CdOx、InOx、SnOx、ZnOなど)を含む。
【0037】
本実施例において、導電補強層222は多層構造であり、多層構造における複数のフィルム層は、ベース20の表面に垂直な方向に積層され、異なるフィルム層の材料は、同一または異なる。そのうち、単一のフィルム層は、単一の材料または複数種の材料で構成されていてもよく、これにより、事前設定された性能要請をより良く満たす。
【0038】
具体的には、導電補強層222は、ベース20から離れる方向に順に積層された第1導電補強層(不図示)および第2導電補強層(不図示)を備えてもよく、第1導電補強層と界面パッシベーション層221との接触抵抗は、第2導電補強層と界面パッシベーション層221との接触抵抗よりも小さく、第2導電補強層の抵抗率は、第1導電補強層の抵抗率よりも小さい。このように、界面パッシベーション層221と導電補強層222との界面を通過する際の多数キャリアの損失を低減することに有利であり、これにより、第2電極225の表面に到達できる多数キャリアの数を増やし、太陽電池の変換効率を向上する。
【0039】
さらに、導電補強層222は、第3導電補強層(不図示)をも備えてもよく、第3導電補強層は、第2導電補強層とフィールドパッシベーション層223との間に位置し、第3導電補強層とフィールドパッシベーション層223との接触抵抗は、第2導電補強層とフィールドパッシベーション層223との接触抵抗よりも小さく、第2導電補強層の抵抗率は、第3導電補強層の抵抗率よりも小さい。このように、導電補強層222とフィールドパッシベーション層223との界面を通過する際の多数キャリアの損失を低減することに有利であり、これにより、第2電極225の表面に到達できる多数キャリアの数をさらに増やし、太陽電池の変換効率を向上する。
【0040】
導電補強層222は、高温熱拡散、イオン注入、物理気相成長(Physical Vapor Deposition、PVD)、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition、CVD)、原子層堆積(Atomic Layer Deposition、ALD)、ゾル-ゲル法等の方法により形成することができる。
【0041】
本発明の第2実施例は、さらに一種の太陽電池を提供する。前の実施例との違いは、本実施例では、フィールドパッシベーション層が、第2界面パッシベーション層におけるベースから離れる表面を覆っている。以下、図3を結合して詳細に説明する。図3は、本発明の第2実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。前の実施例と同一または対応する部分については、前の実施例における対応する説明を参照し得るが、以下では再び贅言しない。
【0042】
本実施例において、導電補強層322は、第1界面パッシベーション層321aにおけるベース30から離れる表面を覆っており、第2フィールドパッシベーション層323bは、第2界面パッシベーション層321bにおけるベース30から離れる表面の一部を覆っており、第2電極325は、第2フィールドパッシベーション層323bにおけるベース30から離れる表面と接触し、少なくとも一部の導電補強層322は、隣接する第2電極325の間に位置し、導電補強層322は第2電極325の側壁と接触している。そのうち、第2フィールドパッシベーション層323bは、第1フィールドパッシベーション層323aよりもベース30に近く、フィールドパッシベーション層323の全体のフィールドパッシベーション効果を高めることに有利である。同時に、導電補強層322は第2電極325と接触しているので、多数キャリアはフィールドパッシベーション層323を経由することなく、導電性増強層322を介して第2電極325の表面に直接到達することができ、これにより、多数キャリアの輸送抵抗をさらに低減し、多数キャリアの輸送損失を低減することに有利である。
【0043】
本実施例では、ベース30の下面に垂直な方向において、第1フィールドパッシベーション層323aと第2フィールドパッシベーション層323bとは同じ厚みを有し、導電補強層322の厚さは、第2フィールドパッシベーション層323bの厚さよりも大きい。他の実施例では、第2フィールドパッシベーション層の厚さは、第1フィールドパッシベーション層の厚さよりも小さく、第2フィールドパッシベーション層の厚さを制御することによって、第2電極と導電補強層との接触面積を制御している。
【0044】
本実施例では、第1フィールドパッシベーション層323aと第2フィールドパッシベーション層323bとが離間して設けられている。他の実施例では、第1フィールドパッシベーション層と第2フィールドパッシベーション層とが接続されている。具体的には、導電補強層における開口部の幅を広くし、且つ、沈着プロセスにより第1フィールドパッシベーション層と第2フィールドパッシベーション層とを同時に形成することができ、この場合、第1フィールドパッシベーション層は導電補強層の側壁をも覆い、第1フィールドパッシベーション層は導電補強層と第2電極とを隔て、第2電極の幅は変化しない。あるいは、沈着プロセスを直接実行して、第1フィールドパッシベーション層と第2フィールドパッシベーション層を同時に形成し、この場合、第2フィールドパッシベーション層は導電補強層の側壁をも覆い、第2フィールドパッシベーション層は導電補強層と第2電極とを隔て、第2電極の幅は狭くなっている。
【0045】
本実施例では、ベース30の下面に平行な水平界面において、導電補強層322の異なる箇所の材料は同一である。他の実施例では、ベースの下面に平行な水平界面において、導電補強層の異なる箇所の材料は異なっており、具体的には、導電補強層が第2電極と接触している表層の材料を調整することで、導電補強層が横方向に比較的小さい直列抵抗を有し、かつ、導電補強層と第2電極との間には比較的小さい接触抵抗を有し、これにより、界面を通過する際の多数キャリアの損失を低減して、太陽電池の変換効率を向上する。
【0046】
他の実施例では、第2フィールドパッシベーション層の厚さは、導電補強層の厚さよりも大きくてもよく、すなわち、第2電極は導電補強層と接触していない。
【0047】
本発明の第3実施例は、さらに一種の太陽電池を提供する。前の実施例との違いは、本実施例では、フィールドパッシベーション層が、界面パッシベーション層におけるベースから離れる表面を覆っている。以下、図4を結合して詳細に説明する。図4は、本発明の第3実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。前の実施例と同一または対応する部分については、前の実施例における対応する説明を参照し得るが、以下では再び贅言しない。
【0048】
本実施例では、ベース40の下面に垂直な方向において、界面パッシベーション層421、フィールドパッシベーション層423および導電補強層422が順に積層されており、第2電極425が、導電補強層422におけるベース40から離れる表面と接触している。導電補強層422は、フィールドパッシベーション層423におけるベース40から離れる側に位置するため、導電補強層422の設置は、フィールドパッシベーション層423とベース40との間の間隔を大きくすることなく、さらに、フィールドパッシベーション層423に良好なフィールドパッシベーション効果を持たせる。
【0049】
他の実施例では、本発明の第4実施例に係る太陽電池の構成を示す図である図5を参照して、第2電極525が導電補強層522を貫通してフィールドパッシベーション層523と接触しており、これにより、多数キャリアの輸送経路を短くすることと、多数キャリアの輸送抵抗を小さくすることに有利であり、太陽電池の変換効率を向上することができる。
【0050】
ここで、多数キャリアの輸送経路を短くすることと、多数キャリアの輸送抵抗を小さくすることは、第2電極525が導電補強層522のみに接触している場合、第2電極525内に入り込むために、多数キャリアが、フィールドパッシベーション層523と導電補強層522との間の界面及び導電補強層522と第2電極525との間の界面を通過する必要があることと、第2電極525がフィールドパッシベーション層523と接触している場合、多数キャリアがフィールドパッシベーション層523と第2電極525との間の界面を通過するだけで、第2電極525内に入り込むことができることを含む。
【0051】
本実施例では、導電補強層522が第2電極525と接触している。他の実施例では、太陽電池の表面再結合損失を低減するために、導電補強層と第2電極とをエアギャップで隔てることができ、具体的には、第2電極を貫通した後、第2電極と接触した導電補強層をさらにエッチングしてエアギャップを形成することができる。
【0052】
本発明の第5実施例は、さらに一種の太陽電池を提供する。前の実施例との違いは、本実施例では、第1フィールドパッシベーション層には凹溝が設けられ、導電補強層が凹溝を満たすように充填されている。以下、図6を結合して詳細に説明する。図6は、本発明の第5実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。前の実施例と同一または対応する部分については、前の実施例における対応する説明を参照し得るが、以下では再び贅言しない。
【0053】
本実施例では、第1フィールドパッシベーション層623aには凹溝623cが設けられ、導電補強層622が凹溝623cを満たすように充填されている。このようにして、多数キャリアが第1界面パッシベーション層621aから導電補強層622まで縦方向輸送する輸送経路を短くすることができ、これにより、多数キャリアの輸送抵抗を低減し、輸送時間の短縮及び輸送損失の低減を図り、太陽電池の変換効率を向上させる。また、導電補強層622の設置は、ベース60の表面に垂直な方向における太陽電池の厚みを厚くしないので、太陽電池が比較的薄い厚さと比較的小さいサイズを持つことを確保できる。
【0054】
本実施例では、凹溝623cは円弧状の凹溝であり、円弧状側壁と底面を有し、且つ、隣接する第2電極625の配列方向において、凹溝623cの開口幅は、第1フィールドパッシベーション層623a及び第1界面パッシベーション層621aの幅と等しい。他の実施例では、凹溝は方形状の凹溝であり、垂直な側壁と水平な底面を有し、凹溝の開口幅は第1フィールドパッシベーション層の厚さよりも小さく、導電補強層は凹溝を満たさなくてもよい。
【0055】
そのうち、円弧状の凹溝は、ウエットエッチングプロセスにより形成することができ、方形状の凹溝は、ドライエッチングプロセスにより形成することができる。
【0056】
なお、フィールドパッシベーション層623内には、第1フィールドパッシベーション層623aの幅よりも開口幅が大きい凹溝623cが設けられてもよく、この場合、導電補強層622は第2電極625と接触しており、多数キャリアは抵抗率の大きい第2フィールドパッシベーション層623bを通過する必要がなく、多数キャリアの輸送抵抗を低減し、多数キャリアの輸送損失を低減するのに有利であり、これにより太陽電池の変換効率を向上する。
【0057】
本実施例では、導電補強層622は、ベース60から離れる方向に順に積層された第1導電補強層(不図示)と第2導電補強層(不図示)とを含み、第1導電補強層は凹溝623cの表面を覆っており、第1導電補強層とフィールドパッシベーション層との接触抵抗は、第2導電補強層とフィールドパッシベーション層との接触抵抗よりも小さく、第2導電補強層の材料の抵抗率は、第1導電補強層の材料の抵抗率よりも小さい。
【0058】
本実施例では、凹溝623cの側壁表層及び底部表層のドーピングイオン濃度は、第2フィールドパッシベーション層623bにおけるベース60から離れる表層のドーピングイオン濃度よりも小さくなり、これにより、第2フィールドパッシベーション層623bの光吸収能力を弱めて太陽電池の変換効率を向上する。他の実施例では、凹溝の側壁表層及び底部表層のドーピングイオン濃度は、第2フィールドパッシベーション層におけるベースから離れる表層のイオン濃度と等しくなり、凹溝の表面がベースの下面に近いため、凹溝の表層のドーピングイオン濃度を第2フィールドパッシベーション層の下面のドーピングイオン濃度と同じくすることで、第1フィールドパッシベーション層の一部欠失によるフィールドパッシベーション効果の低下を補うのに有利であり、第1フィールドパッシベーション層が良好なフィールドパッシベーション効果を持つことを確保する。
【0059】
具体的には、本実施例では、界面パッシベーション層の表面に多結晶シリコン層を形成した後、多結晶シリコン層におけるベース60から離れる表層にドーピングイオンを注入し、ドーピングイオンが濃度差の存在によって徐々にベース60に向かう方向へ拡散し、さらにフィールドパッシベーション層623を形成する。フィールドパッシベーション層623を形成した後、第1フィールドパッシベーション層623aに対してウェットエッチングを行って円弧状の凹溝623cを形成し、第1界面パッシベーション層621aの表面が露出するまでエッチングを継続して実行する。また、他の実施例では、多結晶シリコン層を形成した後、一部の多結晶シリコン層をエッチングして凹溝を形成し、さらに、凹溝が設けられる多結晶シリコン層の、ベースから離れる表層にイオン注入して、フィールドパッシベーション層を形成してもよい。
【0060】
本実施例では、第1界面パッシベーション層621aの一部の表面が第1フィールドパッシベーション層623aに露出されており、凹溝623内に充填された導電補強層622が、第1界面パッシベーション層621aの露出された一部の表面と接触しており、導電補強層622の材料の抵抗率が、第1界面パッシベーション層621aの材料の抵抗率よりも小さい。このように、多数キャリアは、より大きい抵抗率を有するフィールドパッシベーション層623を通過する必要がなく、第1界面パッシベーション層621aから導電補強層622に直接輸送されることができ、多数キャリアの輸送抵抗を低減し、多数キャリアの輸送損失を低減するのに有利であり、これにより太陽電池の変換効率を向上する。
【0061】
本実施例では、第1界面パッシベーション層621aの材料は、第2界面パッシベーション層621bの材料と同じであり、両者は同一の形成プロセスによって形成されている。他の実施例において、両者の材料は異なっていてもよい。
【0062】
また、フィールドパッシベーション層623の材料が多結晶シリコン、アモルファスシリコン、またはシリコン単結晶をドープした材料である場合、金属材料を直接ドープすることによって金属ケイ化物を導電補強層として形成することができる。
【0063】
本実施例において、第1界面パッシベーション層621aの露出された一部の表面は、一つの連続面である。他の実施例において、本発明の第6実施例に係る太陽電池の構成を示す図である図7を参照して、第1界面パッシベーション層721aは、第1フィールドパッシベーション層723aによって露出された複数の不連続な局部的表面を有し、導電補強層722は、複数の不連続な局部的表面と接触しており、これにより、第1界面パッシベーション層721a内の前記キャリアは、短い経路で導電補強層722に輸送されることができる。
【0064】
本実施例において、導電補強層622はフィールドパッシベーション能力を有し、これにより、ベース60の下面のいずれの位置においてもフィールドパッシベーションされることに有利であり、キャリアの選択的な輸送を確保することができる。ここで、導電補強層622のフィールドパッシベーション能力は、正電荷を形成することと、ベース60の材料よりもバンドギャップが大きい材料を使用することによって得ることができる。
【0065】
本実施例において、導電補強層の材料の抵抗率がフィールドパッシベーション層の材料の抵抗率よりも小さいので、導電補強層を第1界面パッシベーション層におけるキャリアが電極へ流れる経路とすることで、キャリアがより速いレート及びより小さい損失で電極へ流れることができ、さらに太陽電池の変換効率を向上することに有利である。
【0066】
当業者であれば、前記各実施形態は本発明を実現する具体的な実施例であるが、実用上では本発明の精神と範囲を逸脱することなく、形態及び細部において様々な変更が可能であることが理解できる。いずれの当業者は、本発明の精神と範囲を逸脱しない限り、それぞれ変更及び修正を行うことが可能であるため、本発明の保護範囲は、請求項に限定された範囲を基準にすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース、前記ベースの下面を覆う界面パッシベーション層、及び前記界面パッシベーション層における前記ベースから離れる側に位置する電極と、フィールドパッシベーション層と、導電補強層と、を備え、
前記界面パッシベーション層は、隣接する前記電極の間に位置する第1界面パッシベーション層と、前記ベースと前記電極との間に位置する第2界面パッシベーション層とを含み、
前記フィールドパッシベーション層は、少なくとも一部が前記界面パッシベーション層と前記電極との間に位置しており、
前記導電補強層は、前記第1界面パッシベーション層におけるキャリアが前記電極へ流れるように、少なくとも一部が前記第1界面パッシベーション層における前記ベースから離れる側に位置し、前記導電補強層の材料の抵抗率は、前記フィールドパッシベーション層の材料の抵抗率よりも小さく、前記導電補強層の材料の抵抗率は、0.001Ω・cm未満であり、
前記導電補強層は、少なくとも、前記第1界面パッシベーション層における前記ベースから離れる表面の一部を覆い、
前記フィールドパッシベーション層は、前記導電補強層における前記ベースから離れる表面を覆っている
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記フィールドパッシベーション層は、前記第2界面パッシベーション層における前記ベースから離れる表面を覆い、
前記導電補強層の少なくとも一部は、隣接する前記電極の間に位置し、前記導電補強層は前記電極の側壁と接触している
ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池。
【請求項3】
ベース、前記ベースの下面を覆う界面パッシベーション層、及び前記界面パッシベーション層における前記ベースから離れる側に位置する電極と、フィールドパッシベーション層と、導電補強層と、を備え、
前記界面パッシベーション層は、隣接する前記電極の間に位置する第1界面パッシベーション層と、前記ベースと前記電極との間に位置する第2界面パッシベーション層とを含み、
前記フィールドパッシベーション層は、少なくとも一部が前記界面パッシベーション層と前記電極との間に位置しており、
前記導電補強層は、前記第1界面パッシベーション層におけるキャリアが前記電極へ流れるように、少なくとも一部が前記第1界面パッシベーション層における前記ベースから離れる側に位置し、前記導電補強層の材料の抵抗率は、前記フィールドパッシベーション層の材料の抵抗率よりも小さく、前記導電補強層の材料の抵抗率は、0.001Ω・cm未満であり、
前記フィールドパッシベーション層は、前記界面パッシベーション層における前記ベースから離れる表面を覆い、そのうち、隣接する前記電極の間に位置する前記フィールドパッシベーション層は、第1フィールドパッシベーション層であり、前記導電補強層は少なくとも、前記第1フィールドパッシベーション層における前記ベースから離れる表面の一部を覆っており、
前記電極は、前記導電補強層を貫通して前記フィールドパッシベーション層と接触している
ことを特徴とする太陽電池
【請求項4】
ベース、前記ベースの下面を覆う界面パッシベーション層、及び前記界面パッシベーション層における前記ベースから離れる側に位置する電極と、フィールドパッシベーション層と、導電補強層と、を備え、
前記界面パッシベーション層は、隣接する前記電極の間に位置する第1界面パッシベーション層と、前記ベースと前記電極との間に位置する第2界面パッシベーション層とを含み、
前記フィールドパッシベーション層は、少なくとも一部が前記界面パッシベーション層と前記電極との間に位置しており、
前記導電補強層は、前記第1界面パッシベーション層におけるキャリアが前記電極へ流れるように、少なくとも一部が前記第1界面パッシベーション層における前記ベースから離れる側に位置し、前記導電補強層の材料の抵抗率は、前記フィールドパッシベーション層の材料の抵抗率よりも小さく、前記導電補強層の材料の抵抗率は、0.001Ω・cm未満であり、
前記フィールドパッシベーション層は、前記界面パッシベーション層における前記ベースから離れる表面を覆い、そのうち、隣接する前記電極の間に位置する前記フィールドパッシベーション層は、第1フィールドパッシベーション層であり、前記導電補強層は少なくとも、前記第1フィールドパッシベーション層における前記ベースから離れる表面の一部を覆っており、
前記第1フィールドパッシベーション層には、凹溝が設けられており、
前記導電補強層は、前記凹溝を満たすように充填されている
ことを特徴とする太陽電池
【請求項5】
前記導電補強層は、順に積層された第1補強層と第2補強層を有し、
前記第1補強層は、前記凹溝の表面を覆い、
前記第1補強層と前記フィールドパッシベーション層との接触抵抗は、前記第2補強層と前記フィールドパッシベーション層との接触抵抗よりも小さく、
前記第2補強層の抵抗率は、前記第1補強層の抵抗率よりも小さい
ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第1界面パッシベーション層の一部の表面が前記フィールドパッシベーション層に露出されており、
前記導電補強層は、前記第1界面パッシベーション層の露出された一部の表面と接触しており、
前記導電補強層の材料の抵抗率は、前記界面パッシベーション層の材料の抵抗率よりも小さい
ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記第1界面パッシベーション層は、前記フィールドパッシベーション層によって露出された複数の不連続な局部的表面を有し、
前記導電補強層は、前記複数の不連続な局部的表面と接触している
ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記導電補強層は、フィールドパッシベーション能力を有する
ことを特徴とする請求項またはに記載の太陽電池。