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特開2022-81417連続フィラメントから成る不織布を製造するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081417
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】連続フィラメントから成る不織布を製造するための装置
(51)【国際特許分類】
   D04H 3/16 20060101AFI20220524BHJP
   D01D 5/092 20060101ALI20220524BHJP
   D01D 5/098 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
D04H3/16
D01D5/092 101
D01D5/098
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021175253
(22)【出願日】2021-10-27
(31)【優先権主張番号】20208671
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】10 2020 130 593.1
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】505313830
【氏名又は名称】ライフェンホイザー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト・マシイネンファブリーク
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・ヴァーグナー
(72)【発明者】
【氏名】ディルク・ビュットナー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・クライン
【テーマコード(参考)】
4L045
4L047
【Fターム(参考)】
4L045AA05
4L045BA03
4L045DA23
4L045DA45
4L045DB01
4L047AB03
4L047BA08
4L047EA05
4L047EA06
4L047EA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フリースウェブを簡単かつ機能的に確実に堆積スクリーンベルトから剥離させることができ、特に剥離過程時のフリースウェブの損傷を回避することができる連続フィラメントから成る不織布を製造するための装置を提供する。
【解決手段】堆積スクリーンベルト3からフリースウェブ5を剥離させるため、少なくとも1つのリフトローラ9が設けられ、このリフトローラ9が、堆積スクリーンベルト3の上に配置されているもしくは配置可能であり、フリースウェブ5が、少なくとも1つのリフトローラ9によって、ノーズローラ7に対して間隔Aを置いて配置された剥離領域10内で堆積スクリーンベルト3から剥離可能であることを特徴とする装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続フィラメントから成る不織布を製造するための装置であって、フィラメントを紡糸するための紡糸装置(1)と、フィラメントを冷却するための冷却装置(2)が存在し、更に、堆積スクリーンベルト(3)が設けられ、この堆積スクリーンベルト上に、フィラメントが、堆積領域(4)にフリースウェブ(5)を形成するように堆積可能であり、堆積スクリーンベルト(3)が、転向領域(6)内で、少なくとも1つのノーズローラ(7)によってその搬送方向から転向可能であり、フリースウェブ(5)の移送方向で堆積スクリーンベルト(3)の下流に配置されたフリースウェブ(5)用の少なくとも1つの次処理装置(8)が存在し、フリースウェブ(5)が、転向領域(6)の上流で堆積スクリーンベルト(3)から剥離可能で、引続き次処理装置(8)に引渡し可能であるものにおいて、
堆積スクリーンベルト(3)からフリースウェブ(5)を剥離させるため、少なくとも1つのリフトローラ(9)が設けられ、このリフトローラ(9)が、堆積スクリーンベルト(3)の上に配置されているもしくは配置可能であり、フリースウェブ(5)が、少なくとも1つのリフトローラ(9)によって、ノーズローラ(7)に対して間隔Aを置いて配置された剥離領域(10)内で堆積スクリーンベルト(3)から剥離可能であること、を特徴とする装置。
【請求項2】
少なくとも1つのリフトローラ(9)は、剥離領域(10)が堆積スクリーンベルト(3)の搬送方向で転向領域の上流に位置するように、ノーズローラ(7)に対して配置されているもしくは配置可能であり、少なくとも1つのリフトローラ(9)が、好ましくは堆積スクリーンベルト(3)の搬送方向でノーズローラ(7)の上流又は下流に配置されているもしくは配置可能であること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
間隔Aが、ノーズローラ(7)と転向ローラ(15)の間の間隔Cよりも小さく、特に、間隔Cの最大50%、好ましくは最大25%、好ましくは最大10%、特に好ましくは最大5%、全く特に好ましくは最大2.5%、例えば1%であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つのリフトローラ(9)が、堆積スクリーンベルト(3)に対して高さ調整可能であり、そのため、好ましくは垂直方向に移動可能であること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つのリフトローラ(9)が、回転型リフトローラ(9)として、特に駆動可能な回転型リフトローラ(9)として形成されていること、を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つのリフトローラ(9)が、堆積スクリーンベルト(3)に対して間隔Dを置いて配置されているもしくは配置可能であること、及び、この間隔Dが、リフトローラ(9)の直径dの50%よりも大きく、好ましくはリフトローラ(9)の直径dの少なくとも55%、特に好ましくは少なくとも60%であること、を特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのリフトローラ(9)の直径dが、10~500mm、好ましくは25~400mm、好ましくは50~300mm、特に好ましくは100~250mmであること、を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも2つ、特に2つのリフトローラ(9,14)が設けられていること、第2のリフトローラ(14)が、好ましくは堆積スクリーンベルト(3)の搬送方向でノーズローラ(7)の上流に配置されているもしくは配置可能であること、及び、第1のリフトローラ(9)が、好ましくは堆積スクリーンベルト(3)の搬送方向で第2のリフトローラ(14)とノーズローラ(7)の間又はノーズローラ(7)の下流に配置されているもしくは配置可能であること、を特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
第1のリフトローラ(9)と第2のリフトローラ(14)が、同じ直径dもしくは実質的に同じ直径dを備えること、及び、好ましくは、両リフトローラ(9,14)の回転軸間隔mが、リフトローラ(9,14)の直径dの少なくとも105%、好ましくは少なくとも110%、特に好ましくは少なくとも115%であること、を特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
フリースウェブ(5)が、第2のリフトローラ(14)の下側と第1のリフトローラ(9)の上側を経て案内可能であること、を特徴とする請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
ノーズローラ(7)は、堆積スクリーンベルト(3)が、少なくとも転向ローラ(15)とノーズローラ(7)の間で搬送方向に装置基礎(11)に向かって整向され、好ましくは、3°~20°、好ましくは4°~18°、特に好ましくは5°~16°の下り勾配を備えるように、垂直方向に移動可能もしくは降下可能であること、を特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
ノーズローラ(7)が、水平方向に移動可能もしくは伸縮可能であること、を特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
ノーズローラ(7)からの剥離領域(10)の間隔Aが、ノーズローラ(7)の垂直方向の移動性及び/又は水平方向の移動性もしくは伸縮性よって設定可能であること、を特徴とする請求項11又は12に記載の装置
【請求項14】
次処理装置(8)が、圧密化装置、特に熱風ボンダ、例えばオーブン及び/又はカレンダ(16)であること、及び/又は、次処理装置(8)が、ワインダであること、を特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
圧密化装置もしくはカレンダ(16)が、少なくとも1つのカレンダロール(12)、特に少なくとも1つのカレンダロール対を備え、少なくとも1つのカレンダロール(12)が、好ましくは垂直方向に移動可能であること、を特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
堆積スクリーンベルト(3)からのフリースウェブ(5)の剥離が、フリースウェブ(5)の予備圧密化後に行なわれること、を特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つのリフトローラ(9)及び/又は第2のリフトローラ(14)が、ノーズローラ(7)からの間隔Uを備え、この間隔が、それぞれのリフトローラ(9,14)の直径dの少なくとも50%であること、を特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
特に請求項1~17のいずれか1項に記載の装置によって連続フィラメントから成るフリースウェブを搬送及び処理するための方法であって、フリースウェブ(5)が、転向領域(6)内でノーズローラ(7)によってその搬送方向から転向可能な堆積スクリーンベルト(3)を介して案内され、フリースウェブ(5)が、下流に配置された次処理装置(8)に引き渡され、フリースウェブ(5)が、転向領域(6)の上流で堆積スクリーンベルト(3)から剥離されるものにおいて、
フリースウェブ(5)が、堆積スクリーンベルト(3)から剥離させるために少なくとも1つのリフトローラ(9)を介して案内され、このリフトローラが、堆積スクリーンベルト(3)の上に配置され、フリースウェブ(5)が、少なくとも1つのリフトローラ(9)によって剥離領域(10)内で堆積スクリーンベルト(3)から剥離され、この剥離領域が、ノーズローラ(7)に対して間隔Aを置いて配置され、フリースウェブ(5)が、引続き次処理装置(8)に供給されること、を特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続フィラメントから成る不織布を製造するための装置であって、フィラメントを紡糸するための紡糸装置と、フィラメントを冷却するための冷却装置が存在し、更に、堆積スクリーンベルトが設けられ、この堆積スクリーンベルト上に、フィラメントが、堆積領域にフリースウェブを形成するように堆積可能であり、堆積スクリーンベルトが、転向領域内で、少なくとも1つのノーズローラによってその搬送方向から転向可能であり、フリースウェブの移送方向で堆積スクリーンベルトの下流に配置されたフリースウェブ用の少なくとも1つの次処理装置が存在するものに関する。本発明は、更に、連続フィラメントから成るフリースウェブを搬送及び処理するための方法に関する。連続フィラメントは、実際に無限のその長さに基づいて、例えば10mmから60mmの著しく短い長さを備えるステープルファイバとは異なる。
【背景技術】
【0002】
冒頭で述べた形式の装置及び方法は、異なる実施形態で実務から基本的に知られている。このような装置の場合、フィラメントは、紡糸装置によって紡糸され、引続き冷却装置内で冷却され、最後に堆積スクリーンベルト上にフリースウェブを形成するように堆積される。実務から知られた装置の堆積スクリーンベルトは、通常は、無限循環型の堆積スクリーンベルトとして形成され、この堆積スクリーンベルトは、転向領域内でノーズローラによってその搬送方向から転向される。フリースウェブは、堆積スクリーンベルトの終端に配置されたこの転向領域内で、堆積スクリーンベルトもしくはノーズローラから次処理装置に引き渡され、そのため、転向領域内で堆積スクリーンベルトから剥離される。しかしながら、実務から知られた装置及び方法の場合、堆積スクリーンベルトからのフリースウェブの剥離は、比較的高い力が必要で、必ずしも単純で機能的に確実に可能でないことがわかった。更に、通常は少なくとも堆積領域内では堆積スクリーンベルトに対するフリースウェブの十分良好な付着が望ましいので、良好な剥離特性と堆積スクリーンベルトに対する十分な付着作用との間に目標の矛盾があることが加わる。更に、特に転向領域では、堆積スクリーンベルトの強い転向に基づいて堆積スクリーンベルトでの引掛りもしくは挟み込みが生じ得る。その結果、堆積スクリーンベルトからのフリースウェブの剥離のために、多大な力が必要となり、フィラメントの引き剥がしによるフリースウェブの損傷が生じ得る。加えて、望ましくないことに、剥離過程時にフリースウェブから引き剥がされたフィラメント残留物が堆積スクリーンベルト上に残ることがある。その点で、改善の必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに対して、本発明の根底にある技術的課題は、フリースウェブを簡単かつ機能的に確実に堆積スクリーンベルトから剥離させることができ、特に剥離過程時のフリースウェブの損傷を回避することができ、堆積スクリーンベルトからフリースウェブを剥離させるための労力を低減することができる、冒頭で述べた形式の装置を提供することである。更に、本発明の根底にある技術的課題は、フリースウェブを搬送及び処理するための相応の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この技術的課題を解決するため、本発明は、連続フィラメントから成る不織布を製造するための装置であって、フィラメントを紡糸するための紡糸装置と、フィラメントを冷却するための冷却装置が存在し、更に、堆積スクリーンベルトが設けられ、この堆積スクリーンベルト上に、フィラメントが、堆積領域にフリースウェブを形成するように堆積可能であり、堆積スクリーンベルトが、転向領域内で、少なくとも1つのノーズローラによってその搬送方向から転向可能であり、フリースウェブの移送方向で堆積スクリーンベルトの下流に配置されたフリースウェブ用の少なくとも1つの次処理装置が存在し、フリースウェブが、転向領域の上流で堆積スクリーンベルトから剥離可能で、引続き次処理装置に引渡し可能であるものを教示する。本発明による装置は、堆積スクリーンベルトからフリースウェブを剥離させるため、少なくとも1つのリフトローラが設けられ、このリフトローラが、堆積スクリーンベルトの上に配置されているもしくは配置可能であり、フリースウェブが、少なくとも1つのリフトローラによって、ノーズローラに対して間隔Aを置いて配置された剥離領域内で堆積スクリーンベルトから剥離可能であること、を特徴とする。
【0005】
本発明による紡糸装置は、本発明の範囲内で、特に、スピナレットとして形成されている。堆積スクリーンベルトの搬送方向は、本発明の範囲内で、特に、堆積スクリーンベルトもしくは無限循環型の堆積スクリーンベルトがフリースウェブを移送するために移動する方向を意味する。フリースウェブの移送方向は、特に、堆積スクリーンベルトの搬送方向を意味する。転向領域は、本発明に範囲内で、特に、堆積スクリーンベルトがノーズローラによってその搬送方向から転向され、従ってその搬送方向を離れる、堆積スクリーンベルトの終端の領域を意味する。剥離領域もしくはフリースウェブの剥離領域は、本発明の範囲内で、特に、フリースウェブが堆積スクリーンベルトから剥離される領域を意味する。好ましい実施形態によれば、剥離領域は、特に、堆積スクリーンベルトの搬送方向に対して横、好ましくは垂直に延在する剥離ラインである。剥離領域もしくは剥離ラインは、好ましくは、堆積スクリーンベルトの搬送方向で転向領域及び/又はノーズローラの上流に配置されている。間隔Aは、特に、ノーズローラの回転軸の堆積スクリーンベルトへの投影と、剥離領域もしくは剥離ラインとの間で測定され、回転軸の投影は、間隔Aの領域で堆積スクリーンベルトの縦方向延在部に対して垂直に行なわれる。堆積スクリーンベルトの縦方向延在部は、本発明の範囲内で、搬送方向の延在部を意味する。堆積領域は、合目的に、紡糸されたフィラメントがフリースウェブを形成するように堆積される堆積スクリーンベルトの領域を意味する。ここでは及び以下では、特に、他に記載がない限り、装置の操作位置もしくは操作状態に関係づけられる。
【0006】
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明による装置は、スパンボンド装置であり、フィラメントを引き伸ばすための延伸装置が設けられている。本発明の他の実施形態は、本発明による装置がメルトブロー装置であること、を特徴とする。
【0007】
本発明による装置が好ましい実施形態によりスパンボンド装置として形成されている場合、本発明による装置によって、スパンボンドフリースもしくはフリースウェブが製造される。この場合、単成分フィラメント及び/又は多成分フィラメントもしくは2成分フィラメントが、連続フィラメントとして生成される。多成分フィラメントもしくは2成分フィラメントは、例えば、コア-シース構成を備えた連続フィラメント又はサイド-バイ-サイド構成を備えた連続フィラメントであり得る。多成分フィラメントもしくは2成分フィラメントは、縮れ傾向を備えることがある。本発明の好ましい実施形態によれば、本発明による装置もしくは本発明による方法によって製造された連続フィラメントは、少なくとも1つの熱可塑性のプラスチック、特に少なくとも1つのポリオレフィン、好ましくはポリプロピレン及び/又はポリエチレンから成る。別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの熱可塑性のプラスチックは、ポリエステルもしくはコポリエステル、とくにポリエチレンテレフタレート及び/又はポリエチレンテレフタレートコポリマーである。
【0008】
本発明によれば、フィラメントを冷却するための冷却装置が設けられている。冷却装置は、望ましくは、冷却チャンバを備え、この冷却チャンバを経て、連続フィラメントが冷却のために案内される。冷却チャンバの対向する2つの側に、冷却空気を供給するための空気供給キャビンが配置されていることが好ましい。好ましい実施形態によれば、冷却チャンバの対向する2つの側に、上下に配置された空気供給キャビン、特に上下に配置された2つの空気供給キャビンが存在し、これら空気供給キャビンから、好ましくは、異なる温度の空気が冷却チャンバに導入される。紡糸装置と冷却装置の間にモノマー吸引装置が設けられ、このモノマー吸引装置により、紡糸プロセス時に生じる妨害ガスを装置もしくはスパンボンド装置から除去できることがわかった。妨害ガスは、例えばモノマー、オリゴマー等の物質であり得る。
【0009】
合目的に、フィラメント流動方向で冷却装置の下流には、フィラメントを引き伸ばすための延伸装置が配置されている。本発明による装置の特に推奨される実施形態によれば、冷却装置と延伸装置から成るユニットが、閉鎖型ユニットとして形成されているが、このユニットの場合、冷却装置への冷却空気の供給以外に、この閉鎖型ユニットへの別の空気供給は行なわれない。
【0010】
延伸装置堆積スクリーンベルトの間に少なくとも1つのディフューザが配置されていることが好ましい。延伸装置から流出する連続フィラメントは、ディフューザを経て案内され、次いで堆積スクリーンベル上に堆積、特に堆積スクリーンベルトの堆積領域に堆積される。本発明の1つの実施形態によれば、相前後して接続された2つのディフューザが設けられている。堆積スクリーンベルトもしくは無限循環型の堆積スクリーンベルトは、それ以外は、合目的に空気透過性に形成され、これにより、堆積スクリーンベルトを経る下からのプロセス空気の吸引を行なうことができる。合目的に、少なくとも堆積スクリーンベルトの堆積領域で、プロセス空気が、少なくとも1つの吸引装置、特に下から、堆積スクリーンベルトを経て吸引される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態は、少なくとも1つのリフトローラは、剥離領域が堆積スクリーンベルトの搬送方向で転向領域の上流に位置するように、ノーズローラに対して配置されているもしくは配置可能であること、を特徴とする。少なくとも1つのリフトローラが、堆積スクリーンベルトの搬送方向でノーズローラの上流又は下流に配置されているもしくは配置可能であること、が望ましい。フリースウェブが、少なくとも1つのリフトローラの上側を経て案内され得るもしくは案内されることは、本発明の範囲内にある。少なくとも1つのリフトローラが、非吸引型のリフトローラとして形成されていることが望ましい。
【0012】
本発明による装置の特に好ましい実施形態によれば、間隔Aが、ノーズローラと転向ローラの間の間隔Cよりも小さい。転向ローラは、これに関連して、特に、堆積スクリーンベルトを搬送するためのノーズローラに対して付加的に装備されたローラを意味するが、このローラは、堆積スクリーンベルトの搬送方向でノーズローラの上流に配置されている。転向ローラは、特に、堆積領域と転向領域の間に設けられている。転向ローラに沿って、堆積スクリーンベルトは、1つの実施形によれば、その搬送方向から転向されることなく案内することができる。好ましい実施形態によれば、堆積スクリーンベルトは、以下で更に詳細に説明するように、転向ローラによってその搬送方向から転向される。少なくとも1つのノーズローラが、堆積スクリーンベルトの搬送方向もしくはフリースウェブの移送方向で堆積領域の下流かつ防止装置と冷却装置から成るユニットの下流に配置されていることが好ましい。合目的に、少なくとも1つの転向ローラは、堆積スクリーンベルトの搬送方向もしくはフリースウェブの移送方向で同様に堆積領域の下流もしくは防止装置と冷却装置から成るユニットの下流であるがノーズローラの上流に配置されている。ノーズローラと転向ローラの間の間隔Cは、本発明の範囲内で、特に、ノーズローラと転向ローラの回転軸の間隔を意味し、この間隔は、合目的に、これら回転軸の堆積スクリーンベルトへの投影の間で測定され、回転軸の投影は、間隔Cの領域内の堆積スクリーンベルトの縦方向延在部に対して垂直に行なわれる。合目的に、転向ローラとノーズローラの間の領域は、移行領域であり、この移行領域の長さは、特に、間隔Cによって規定されている。引渡しテーブルは、合目的に、実質的に、フリースウェブを堆積スクリーンベルトから次処理装置に引き渡す機能を有する。
【0013】
間隔Aが、特に、間隔Cの最大50%、好ましくは最大25%、好ましくは最大10%、特に好ましくは最大5%、全く特に好ましくは最大2.5%、例えば1%であること、が好ましい。本発明による装置の別の好ましい実施形態によれば、間隔Aは、ノーズローラの直径nの少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、特に好ましくは少なくとも100%であり、全く特に好ましくはノーズローラの直径nの少なくとも125%である。更に好ましくは、間隔Aは、ノーズローラの直径nの10%~500%、特に好ましくは25%~400%、全く特に好ましくは50%~350%である。
【0014】
少なくとも1つのリフトローラが、堆積スクリーンベルトに対して高さ調整可能であり、そのため、好ましくは垂直方向に移動可能であることは、本発明の範囲内にある。望ましくは、少なくとも1つのリフトローラは、その高さ調整性もしくは垂直方向の移動性によって基本位置から異なるリフト位置に及びその逆に移動することができる。少なくとも1つのリフトローラの基本位置で、例えば、装置のクリーニング作業を行なうことができる、又は、フリースウェブの挿通を行なうことができる。その場合、装置は、その操作状態もしくはその操作位置にない。リフト位置で、少なくとも1つのリフトローラは、合目的に、装置の操作状態でフリースウェブの剥離領域もしくは剥離ラインとノーズローラとの間に間隔Aが生じるように、ノーズローラに対して配置されている。
【0015】
本発明の好ましい実施形態は、少なくとも1つのリフトローラが、回転型リフトローラとして、特に駆動可能な回転型リフトローラとして形成されていること、を特徴とする。基本的に、少なくとも1つのリフトローラが、非回転型で駆動不能に形成された簡単なラウンドプロファイルとして形成されていることも、本発明の範囲内にある。このようなラウンドプロファイルは、回転軸の代わりに縦軸を備える。しかしながら、好ましくは、少なくとも1つのリフトローラは、回転型リフトローラとして形成されている。
【0016】
本発明による装置の別の好ましい実施形態は、少なくとも1つのリフトローラが、堆積スクリーンベルトに対して間隔Dを置いて配置されているもしくは配置可能であり、この間隔Dが、合目的に、リフトローラの直径dの50%よりも大きく、好ましくはリフトローラの直径dの少なくとも55%、特に好ましくは少なくとも60%であること、を特徴とする。間隔Dは、本発明の範囲内で、特に、少なくとも1つのリフトローラの回転軸の堆積スクリーンベルトに対する間隔を意味し、この間隔Dは、合目的に、少なくとも1つのリフトローラの領域内の堆積スクリーンベルトの縦方向延在部もしくはこの縦方向延在部の仮想の延長部に対して垂直に測定される。
【0017】
少なくとも1つのリフトローラの直径dが、10~500mm、好ましくは25~400mm、好ましくは50~300mm、特に好ましくは100~250mmであること、が望ましい。合目的に、少なくとも1つのリフトローラの直径dは、ノーズローラの直径nの8倍よりも小さい。
【0018】
本発明の範囲内で全く特に重要な実施形態は、少なくとも2つ、特に2つのリフトローラが設けられていること、第2のリフトローラが、好ましくは堆積スクリーンベルトの搬送方向でノーズローラの上流に配置されているもしくは配置可能であること、及び、第1のリフトローラが、好ましくは堆積スクリーンベルトの搬送方向で第2のリフトローラとノーズローラの間又はノーズローラの下流に配置されているもしくは配置可能であること、を特徴とする。
【0019】
少なくとも2つ、特に2つのリフトローラが、回転型リフトローラとして形成されていることが好ましい。1つの実施形態によれば、少なくとも2つ、特に2つのリフトローラが駆動可能な回転型リフトローラとして形成されている。更に、第1のリフトローラと第2のリフトローラが、同じ直径dもしくは実質的に同じ直径dを備えることが、本発明の範囲内にある。しかしながらまた、第1のリフトローラと第2のリフトローラが、異なる直径d及びdを備えることも可能である。その場合、合目的に、直径d及びdは、それぞれ10~50mm、好ましくは25~400mm、好ましくは50~300mm、特に好ましくは100~250mmである。好ましくは、両リフトローラの回転軸間隔mは、リフトローラの直径dの少なくとも105%、好ましくは少なくとも110%、特に好ましくは少なくとも115%である。両リフトローラが異なる直径dもしくはdを備える場合、これら表記は、大きい方の直径を備えたリフトローラの直径に関係する。回転軸間隔mは、合目的に、リフトローラの回転軸の堆積スクリーンベルトへの投影の間で測定され、回転軸の投影は、リフトローラの領域内の堆積スクリーンベルトの縦方向延在部に対して垂直に行なわれる。両リフトローラの瑕疵天竺間隔mが、リフトローラの直径dの300%未満、好ましくは250%未満、特に好ましくは200%未満であることが好ましい。リフトローラが、異なる直径を備える場合、これら表記は、大きい方の直径を備えたリフトローラの直径に関係する。
【0020】
両リフトローラが、それぞれ、堆積スクリーンベルトに対して間隔DもしくはD及びDを置いて配置されているもしくは配置可能であること、及び、この間隔D及び/又はDが、好ましくは、リフトローラのそれぞれの直径dもしくはdの50%より大きく、特に好ましくは少なくとも55%であり、全く特に好ましくはリフトローラのそれぞれの直径dもしくはdの少なくとも60%である。
【0021】
本発明の実施バリエーションによれば、少なくとも2つ、特に2つのリフトローラが、堆積スクリーンベルトに対して、同じ間隔Dもしくは実質的に同じ間隔Dを置いて配置されている。その場合、リフトローラのそれぞれの回転軸と堆積スクリーンベルトとの間の間隔は、同じもしくは実質的に同じである。しかしながらまた、リフトローラが、堆積スクリーンベルトに対して異なる間隔D及びDを置いて配置され、その場合、好ましくは、堆積スクリーンベルトに対する第1のリフトローラの間隔Dが、堆積スクリーンベルトに対する第2のリフトローラの間隔Dよりも大きいことも、本発明の範囲内にある。2つのリフトローラの直径d及びdと、これらリフトローラの間隔D及びDに関しては、これらが、D+d>D-dの式を満足することが、本発明の範囲内にある。従って、Dとdの和が、Dとdの差よりも大きいことが好ましい。
【0022】
フリースウェブが、少なくとも一方のリフトローラの上側を経て案内可能であることは、本発明の範囲内にある。本発明による装置の好ましい実施形態により、少なくとも2つのリフトローラ、特に2つのリフトローラが設けられている場合、フリースウェブは、合目的に、第2のリフトローラの下側と第1のリフトローラの上側を経て案内可能である。これに関連して、第2のリフトローラが、堆積スクリーンベルトの搬送方向で第1のリフトローラの上流に配置されていることが好ましい。フリースウェブが、好ましい実施形態により、第2のリフトローラの下側と第1のリフトローラの上側を経て案内可能である場合、第1のリフトローラは、特に、堆積スクリーンベルトからフリースウェブを剥離させるために使用され、その場合、第2のリフトローラは、望ましくは、堆積スクリーンベルトの近傍でフリースウェブを抑制するために使用される。この実施形態の根底にある見識は、フリースウェブを抑制する第2のリフトローラにより、剥離領域が、第2のリフトローラの近傍で、特に第2のリフトローラの領域に配置されているもしくは配置可能であることである。このようにして、ノーズローラからの間隔Aを更に限定することができるので、間隔Aは、特に、間隔Cの最大25%、好ましくは最大10%、好ましくは最大5%、特に好ましくは最大2.5%、全く特に好ましくは最大1%、例えば間隔Cの0.1%である。更に、2つのリフトローラ(第1のリフトローラが剥離過程のために設けられ、第2のリフトローラが抑制のために設けられている)の使用の根底にある見識は、剥離領域もしくは剥離ラインを、第2のリフトローラによって非常に機能的に確実に規定することができることである。ここで、特に、堆積スクリーンベルトからの第2のリフトローラの間隔Dは、ノーズローラからの剥離領域もしくは剥離ラインの間隔Aに対して決定的な影響を及ぼす。特に、堆積スクリーンベルトに対する第1のリフトローラの間隔Dと堆積スクリーンベルトに対する第2のリフトローラの間隔Dの比(D/D)は、好ましくは、第2のリフトローラ周りのフリースウェブの巻付き角度が大きいほど、剥離領域もしくは剥離ラインが、堆積スクリーンベルトに対して垂直に延在する直線と、第2のリフトローラの中心点を経て延在する直線の交点の近傍に配置されているように、剥離領域もしくは剥離ラインの位置に影響を及ぼす。剥離領域もしくは剥離ラインが、第2のリフトローラの領域内で、特に第2のリフトローラの下に存在することが、本発明の範囲内にある。
【0023】
本発明の好ましい実施形態により、少なくとも2つ、特に2つのリフトローラが設けられている場合、両リフトローラが、堆積スクリーンベルトに対して高さ調整可能であり、このため、好ましくはス直方向に移動可能であることが、本発明の範囲内にある。両リフトローラが、基本位置からリフト位置もしくは異なるリフト位置に及びその逆に移動可能であることが可能である。基本位置で、望ましくは、本発明による装置のクリーニング及び/又はフリースウェブの挿通が可能である。装置が操作状態にある場合、リフトローラは、合目的にそのリフト位置に配置されている。基本的に、装置は、リフトローラによるフリースウェブの剥離が必要でない場合は、基本位置にあるリフトローラによって操作することもできる。第1のリフトローラが、その基本位置で堆積スクリーンベルトの下に配置されていること、及び/又は、第2のリフトローラが、その基本位置で堆積スクリーンベルトの上に配置されていることが望ましい。しかしながらまた、基本的に、その基本位置で、両リフトローラは、堆積スクリーンベルトの上又は下に配置することができる。
【0024】
堆積スクリーンベルトもしくは移行テーブルが、装置の操作状態で、装置基礎もしくは地面に対して平行もしくは実質的に平行に配置されていることが、基本的に本発明の範囲内にある。本発明の特に好ましい実施形態によれば、ノーズローラは、垂直方向に移動可能もしくは降下可能である。望ましくは、ノーズローラは、堆積スクリーンベルトが、少なくとも転向ローラとノーズローラの間で搬送方向に装置基礎に向かって整向され、好ましくは、0°~20°より大きい、特に3°~20°、好ましくは4°~18°、特に好ましくは5°~16°の下り勾配を備えるように、垂直方向に移動可能もしくは降下可能である。堆積スクリーンベルトが、装置基礎の方向の下り勾配を備える場合、堆積スクリーンベルトは、合目的に、転向ローラによってその-以前は特に装置基礎に対して平行に延在する-搬送方向から転向される。垂直方向のノーズローラの移動性は、特に、装置基礎の方向及びその逆のノーズローラの移動性を意味する。
【0025】
本発明による装置の別の好ましい実施形態は、ノーズローラが、水平方向に移動可能もしくは伸縮可能であること、を特徴とする。これに関連して、水平方向は、特に、装置基礎に対して平行な方向を意味する。従って、ノーズローラの水平方向の移動性もしくは伸縮性により、ノーズローラは、例えば、次処理装置の近傍に移動させ得る。更に、ノーズローラと転向ローラの間の間隔Cは、合目的に、移動もしくは伸縮時に拡大され、ノーズローラの逆移動時に縮小される。特に好ましい実施形態によれば、ノーズローラは、水平方向に移動可能もしくは伸縮可能で、垂直方向に移動可能もしくは降下可能である。この実施形態の根底にある見識は、ノーズローラを最も異なる位置に設定することができることである。例えば、装置基礎に向かって整向された堆積スクリーンベルトを実現することができ、同時に、ノーズローラを次処理装置の近傍に移動させることができる。ノーズローラが、既に垂直方向に移動もしくは降下している場合、水平方向の移動性もしくは伸縮性は、それ以外は、合目的に、堆積スクリーンベルトの搬送方向の、即ち、堆積スクリーンベルトの下り勾配もしくは転向ローラとノーズローラの間の移行テーブルの下り勾配の設定に応じた、ノーズローラの移動性もしくは伸縮性も意味する。
【0026】
本発明の特に好ましい実施形態により、ノーズローラが、水平方向に移動可能もしくは伸縮可能で、垂直方向に降下可能もしくは移動可能であり、付加的に、一方もしくは両方のリフトローラが、垂直方向に移動可能である場合、ノーズローラを異なる位置に設定することができ、両リフトローラは、前記のローラの互いの間隔及びノーズローラからの剥離領域Aの間隔が実現されるように、そのリフト位置に配置することができる。従って、これら間隔及び位置は、装置の操作状態に関係する。
【0027】
ノーズローラからの剥離領域の間隔Aが、ノーズローラの垂直方向の移動性及び/又は水平方向の移動性もしくは伸縮性よって(も)設定可能であることは、本発明の範囲内にある。
【0028】
本発明による装置の1つの実施形態によれば、ノーズローラは、水平方向にだけ移動可能もしくは伸縮可能で、垂直方向には移動可能もしくは降下可能でない。この実施形態では、堆積スクリーンベルトは、装置基礎もしくは地面に対して平行もしくは実質的に平行に配置され、ノーズローラは、水平方向に移動可能もしくは伸縮可能である。本発明による装置の別の実施形態によれば、ノーズローラは、垂直方向に移動可能もしくは降下可能でも、水平方向に移動可能もしくは伸縮可能でもないので、いわば、装置基礎もしくは地面に対して平行もしくは実質的に平行に配置された柔軟性のない堆積スクリーンベルトが存在する。前記のこれら実施形態の範囲内で、装置が転向ローラを備えないことが可能である。本発明の好ましい実施形態によれば、剥離領域もしくは剥離ラインとノーズローラの間の間隔Aは、ノーズローラと堆積スクリーンベルトの体積領域との間の間隔Eよりも小さい。間隔Eは、本発明の範囲内で、特に、ノーズローラの回転軸の体積スクリーンベルトへの投影と堆積領域、特に堆積領域の中心との間で測定され、ノーズローラの回転軸の投影は、間隔Eの領域内の体積スクリーンベルトの縦方向延在部に対して垂直に行なわれる。間隔Aが、間隔Eの最大50%、好ましくは最大25%、好ましくは最大10%、特に好ましくは最大5%、全く特に好ましくは最大2.5%、例えば1%であることが好ましい。間隔Eは、合目的に、堆積スクリーンベルトが装置基礎もしくは地面に対して平行もしくは実質的に平行に配置された装置の状態に関係し、特に、装置が転向ローラを備えない、及び/又は、ノーズローラが垂直方向に移動可能もしくは降下可能でない及び/又は水平方向に移動可能もしくは伸縮可能でない実施形態に関係する。
【0029】
本発明の範囲内で全く特に重要な実施形態は、次処理装置が、圧密化装置、特に熱風ボンダ、例えばオーブン及び/又はカレンダであること、及び/又は、次処理装置が、ワインダであること、を特徴とする。装置が、少なくとも2つの次処理装置、特に圧密化装置、特にカレンダとワインダを備えることが可能である。その場合、合目的に、フリースウェブの移送方向にまず圧密化装置もしくはカレンダが配置され、圧密化装置もしくはカレンダの下流にワインダが設けられている。圧密化装置もしくはカレンダは、特に、フリースウェブの圧密化もしくは最終圧密化のために使用される。合目的にフリースウェブは、剥離領域内での剥離過程後、圧密化装置もしくはカレンダに引き渡される。
【0030】
圧密化装置もしくはカレンダが、少なくとも1つのカレンダロール、特に少なくとも1つのカレンダロール対を備え、少なくとも1つのカレンダロールが、好ましくは垂直方向に移動可能であることは、本発明の範囲内にある。フリースウェブは、特に、少なくとも1つのカレンダロール対の少なくとも2つの-好ましくは上下に配置された-カレンダロールの間のギャップもしくはニップを経て案内される。この場合、フリースウェブは、カレンダもしくは少なくとも1つのカレンダロール対が開いているので、フリースウェブがカレンダロールのどれにも接触しないように案内するか、例えばフリースウェブの相応の側の特性に影響を及ぼすために、フリースウェブがカレンダロールの一方だけに接触するように案内するか、カレンダもしくは少なくとも1つのカレンダロール対が閉じているので、フリースウェブが両カレンダロールに接触するように案内するかのいずれかができる。更に、フリースウェブが、両カレンダロールの間を通過する際に-特に熱接着によって-圧密化されることも、本発明の範囲内にある。特に好ましくは、圧密化装置もしくはカレンダに対して少なくとも3つのカレンダロールが設けられ、好ましくは、少なくとも1つのカレンダロールが、垂直方向に移動可能で、少なくとも3つのカレンダロールが、特に好ましくは上下に配置されている。この配置により、それぞれ、最も上のカレンダロールと中央のカレンダロールから成る及び最も下のカレンダロールと中央のカレンダロールから成る2つのカレンダロール対が生じる。フリースウェブは、圧密化もしくは最終圧密化のため、合目的に、生じるギャップの1つを経て案内される。これに関連して、ノーズローラ及び/又はリフトローラの位置がカレンダの操作モードに依存して設定可能であるもしくは設定されることが、本発明の範囲内にある。圧密化装置もしくはカレンダは、望ましくは、フリースウェブが圧密化もしくは最終圧密化される少なくとも1つの圧密化領域を備える。これに関連して、圧密化領域は、フリースウェブが少なくとも1つのカレンダロールとの相互作用もしくは接触によって圧密化もしくは最終圧密化又は他の方法で処理される領域を意味する。圧密化装置もしくはカレンダの圧密化領域がノーズローラの上及び/又は堆積スクリーンベルトの上に配置されていることが望ましい。この場合、圧密化領域の配置は、装置の操作位置もしくは操作状態に関係する。
【0031】
カレンダが圧密化カレンダ及び/又はコーティングカレンダ及び/又は補正カレンダ及び/又は積層カレンダ及び/又は活性化カレンダであることは、本発明の範囲内にある。
【0032】
堆積スクリーンベルトからのフリースウェブの剥離が、フリースウェブの予備圧密化後に行なわれることが望ましい。従って、フリースウェブは、望ましくは、堆積スクリーンベルトからの剥離前に予備圧密化される。このため、装置は、合目的に、好ましくは堆積スクリーンベルトの搬送方向で剥離領域の上流に配置された予備圧密化装置を備える。堆積スクリーンベルトからのフリースウェブの剥離がフリースウェブの最終圧密化の前に行なわれることが可能である。しかしながら、原理的に、フリースウェブの最終圧密化が堆積スクリーンベルトからのフリースウェブの剥離の前に行なわれるように、装置が装備されていることも可能である。フリースウェブの最終圧密化が堆積スクリーンベルトからのフリースウェブの剥離の前に行なわれるこのような実施形態は、フリースウェブが引続きコーティングカレンダ及び/又は補正カレンダ及び/又は積層カレンダ及び/又は活性化カレンダ及び/又は熱風ボンダ、例えばオーブンに直接的に供給される場合が、特に好ましい。
【0033】
更に、少なくとも1つのリフトローラ及び/又は第2のリフトローラが、ノーズローラからの間隔Uを備え、この間隔が、それぞれのリフトローラの直径の少なくとも50%であることが、本発明の範囲内にある。間隔Uは、合目的に、リフトローラの回転軸の体積スクリーンベルトへの投影とノーズローラの回転軸の体積スクリーンベルトへの投影の間で測定され、これら回転軸の投影は、間隔Uの範囲内の堆積スクリーンベルトの縦方向延在部もしくはこの縦方向延在部の仮想の延長部に対して垂直に行なわれる。好ましい実施形態により少なくとも2つ、特に2つのリフトローラが設けられている場合、好ましくは、両リフトローラは、それぞれのリフトローラの直径の少なくとも50%のノーズローラからの間隔U及びUを備える。
【0034】
技術的課題を解決するため、本発明は、更に、特に前記装置によって連続フィラメントから成るフリースウェブを搬送及び処理するための方法であって、フリースウェブが、転向領域内でノーズローラによってその搬送方向から転向可能な堆積スクリーンベルトを介して案内され、フリースウェブが、下流に配置された次処理装置に引き渡され、フリースウェブが、転向領域の上流で堆積スクリーンベルトから剥離されるものを教示する。本発明による方法は、フリースウェブが、堆積スクリーンベルトから剥離させるために少なくとも1つのリフトローラを介して案内され、このリフトローラが、堆積スクリーンベルトの上に配置され、フリースウェブが、少なくとも1つのリフトローラによって剥離領域内で堆積スクリーンベルトから剥離され、この剥離領域が、ノーズローラに対して間隔Aを置いて配置され、フリースウェブが、引続き次処理装置に供給されることを特徴とする。
【0035】
好ましい実施形態によれば、フリースウェブは、次処理装置内で引続き巻取り及び/又はコーティング及び/又は補正及び/又は活性化及び/又は圧密化される。
【0036】
本発明の根底にある見識は、ジョン発明による装置によって、堆積スクリーンベルトからのフリースウェブの機能的に確実で簡単な剥離が可能であること、及び、特に、フリースウェブを剥離させるための労力を既知の措置と比べて低減することができること、である。これは、堆積スクリーンベルトの搬送方向で転向領域の上流に配置された剥離領域での少なくとも1つのリフトローラによるフリースウェブの剥離によって達成される。フリースウェブの剥離は、本発明による措置によって、特に、例えばフィラメントの引き裂きによってフリースウェブを損傷させることなく行なうことができるので、堆積スクリーンベルトに望ましくないフィラメント残留物も残らない。更に、本発明による措置が、比較的簡単でそれ程の労力もしくはコストをかけることなく実現することができることを強調すべきである。本発明の好ましい実施形態により少なくとも2つ、特に2つのリフトローラが設けられている場合、剥離領域もしくは剥離ラインは、従ってノーズローラからの間隔Aは、非常に正確に設定することができる。リフトローラの好ましい垂直方向の移動性及び/又はノーズローラの水平方向の移動性もしくは伸縮性及び/又はノーズローラの垂直方向の移動性により、装置の異なる操作状態を設定することができ、特に、次処理装置、例えばカレンダに対するノーズローラの間隔を設定すること及び/又は堆積スクリーンベルトの下り勾配を実現することができ、それにもかかわらず、リフトローラは、フリースウェブの剥離が転向領域の上流の剥離領域もしくは剥離ラインで行なわれるもしくは行なわれ得るように、堆積スクリーンベルトに対して配置することができる。従って、本発明による装置もしくは本発明による方法は、非常に柔軟に使用可能であり、異なる操作位置で、それぞれ、堆積スクリーンベルトからのフリースウェブの簡単かつ機能的に確実な剥離が可能であり、この剥離のためには、比較的僅かな労力しか必要でなく、この剥離は、特に、フリースウェブを損傷させることなく行なうことができる。
【0037】
以下で、本発明を、1つの実施例だけを図示した図面により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】基本状態にある2つのリフトローラを備えた本発明による装置を経る垂直断面図
図2】第1の操作状態もしくは第1の操作位置にある図1による装置
図3】第2の操作状態もしくは第2の操作位置にある図1による装置
図4図2による状態にある装置のノーズローラ及びリフトローラの拡大図
【発明を実施するための形態】
【0039】
図は、連続フィラメントから成る不織布を製造するための装置を示し、スピナレットとして形成された、フィラメントを紡糸するための紡糸装置1と、フィラメントを冷却するための冷却装置2が存在する。更に、堆積スクリーンベルト3が設けられ、この堆積スクリーンベルト上に、フィラメントが、堆積領域にフリースウェブ5を形成するように堆積可能である。合目的に及び図による実施例では、装置は、スパンボンド装置であり、フィラメントを引き伸ばすための延伸装置17が設けられている。連続フィラメントは、合目的に、少なくとも1つの熱可塑性のプラスチックから成る単成分フィラメントであり得る。冷却装置2は、望ましくは及びこの実施例では、冷却チャンバ18を備え、この冷却チャンバを経て連続フィラメントが案内される。好ましくは及びこの実施例では、冷却チャンバ18の対向する2つの側に、上下に配置された2つの空気供給キャビン19,20が配置され、これら空気供給キャビンから、好ましくは、異なる温度の空気が、冷却チャンバ18内に導入される。更に好ましくは及びこの実施例では、防止装置1と冷却装置2の間にモノマー吸引装置21が設けられ、このモノマー吸引装置によって、紡糸プロセス時に生じる妨害ガスを、装置もしくはスパンボンド装置から除去することができる。妨害ガスは、例えばモノマー、オリゴマー等の物質であり得る。
【0040】
合目的に及びこの実施例では、フィラメント流動方向FSで冷却装置2の下流に、フィラメントを引き伸ばすための延伸装置17が配置されている。非常に望ましい実施形態によれば及びこの実施例では、冷却装置2と延伸装置17から成るユニットが、閉じたユニットとして形成されているが、このユニットの場合、冷却装置2への冷却空気の供給以外に、この閉じたユニットへの別の空気供給は行なわれない。
【0041】
本発明の範囲内及びこの実施例では、延伸装置17と堆積スクリーンベルト3の間に、ディフューザ23が配置され、このディフューザを経て連続フィラメントが案内される。望ましい実施形態によれば及びこの実施例では、延伸装置17とディフューザ23の間に、2次空気をディフューザ23に導入するための2次空気流入ギャップ24が設けられている。ディフューザ23の通過後、連続フィラメントは、堆積スクリーンベルト3上に、堆積領域4にフリースウェブ5を形成するように堆積され、次に、合目的に、堆積スクリーンベルト3により堆積スクリーンベルト3の搬送方向Tに搬出される。望ましくは及びこの実施例では、堆積スクリーンベルト3の下に、堆積スクリーンベルト3を経て空気もしくはプロセス空気を吸引するための吸引装置22が設けられている。
【0042】
本発明によれば、堆積スクリーンベルト3は、転向領域6内で、少なくとも1つのノーズローラ7によってその搬送方向Tから転向可能である。フリースウェブ5は、装置の操作状態(図2~4)で転向領域6の上流で堆積スクリーンベルト3からは切り可能で、引続き少なくとも1つの次処理装置8に引渡し可能である。この実施例では、2つの次処理装置8、即ちカレンダ16とワインダ26が設けられている。
【0043】
堆積スクリーンベルトからフリースウェブ5を剥離させるため、好ましくは及び図による実施例では、2つのリフトローラ9,14が存在する。望ましくは及びこの実施例では、ロフトローラ9,14は、堆積スクリーンベルト3に対して高さ調整可能に形成され、好ましくは及びこの実施例では、垂直方向に移動可能である。これは、特に図1に認められる。合目的に、リフトローラ9,14は、その高さ調整性もしくは垂直方向の移動性によって基本位置から異なるリフト位置に及びその逆に移動することができる。図1に図示したリフトローラ9,14の基本位置で、本発明による装置のクリーニング及び/又はフリースウェブの挿通が可能であるので、装置は、未だ操作状態にない。リフトローラ9,14の2つの異なるリフト位置が、図2及び3に図示されている。これらの図は、操作状態にある装置を示す。リフトローラ9,14の操作状態もしくはリフト位置で、ロフトローラ9,14は、合目的に、堆積スクリーンベルト3の上に配置されており、フリースウェブ5は、リフトローラ9,14によって、ノーズローラ7に対して間隔Aを置いて配置されかつ特に搬送方向Tでノーズローラ7の上流に配置された剥離領域10もしくは剥離ラインにおいて堆積スクリーンベルト3から剥離可能である。ノーズローラ7と剥離領域10もしくは剥離ラインの間の間隔Aは、特に、ノーズローラ7の回転軸と剥離領域もしくは剥離ライン10の間の間隔を意味する。この場合、間隔Aは、合目的に、ノーズローラ7の回転軸の堆積スクリーンベルト3への投影と剥離領域10もしくは剥離ラインとの間で測定され、回転軸の投影は、間隔Aの領域内の体積スクリーンベルト3の縦方向延在部に対して垂直に行なわれる(図2~4)。
【0044】
望ましくは及び図による実施例では、装置の操作状態で、第1のリフトローラ9は、堆積スクリーンベルト3の搬送方向Tでノーズローラ7の下流に配置されている(図2)か、又は、ノーズローラ7の上流に配置されている(図3)。第2のリフトローラ14は、好ましくは、堆積スクリーンベルト3の搬送方向Tでノーズローラ7の上流に配置されている。
【0045】
本発明の特に好ましい実施形態によれば及びこの実施例では、間隔Aは、ノーズローラ7と転向ローラ15の間の間隔Cよりも小さい。転向ローラ15は、合目的に、堆積スクリーンベルト3を搬送するためのノーズローラ7に対して付加的に装備されたかつ堆積スクリーンベルト3の搬送方向Tでノーズローラ7の上流に配置されたローラである。転向ローラ15は、望ましくは及びこの実施例では、堆積領域4と転向領域6の間に設けられている。転向ローラ15において、堆積スクリーンベルト3は、以下で更に詳細に説明するように、その搬送方向から転向されることなく搬送方向に沿って案内する(図1)ことと、転向ローラ15によってその搬送方向から転向させる(図2及び3)ことのいずれかとすることができる。
【0046】
ノーズローラ7と転向ローラ15の間の間隔Cは、本発明の範囲内で、特に、ノーズローラ7と転向ローラ15の回転軸の間隔を意味し、この間隔は、合目的に、これら回転軸の体積スクリーンベルト3への投影の間で測定され、これら回転軸の投影は、間隔Cの領域内の体積スクリーンベルト3の縦方向延在部に対して垂直に行なわれる。間隔Aが、間隔Cの最大30%、好ましくは最大20%であることが望ましい。図2による実施例で、間隔Aは、間隔Cの約5%であってもよい。
【0047】
望ましくは及びこの実施例では、リフトローラ9,14は、回転型リフトローラとして形成されている。リフトローラ9,14の直径dは、好ましくは25~400mm、特に100~250mmである。本発明の範囲内で及びこの実施例では、第1のリフトローラ9と第2のリフトローラ14は、同じ直径dもしくは実質的に同じ直径dを備える。特に好ましくは及びこの実施例(図4)では、両リフトローラ9,14の回転軸間隔mは、装置の操作状態で、リフトローラ9,14の直径dの少なくとも115%である。図による実施例で、両ロフトローラ9,14の回転軸間隔mは、リフトローラ9,14の直径dの約130%であってよい。これに関連して、回転軸間隔mは、特に、両リフトローラ9,14の回転軸の間隔を意味し、この回転軸間隔mは、合目的に、リフトローラ9,14の回転軸の体積スクリーンベルト3への投影の間で測定され、これら回転軸の投影は、堆積スクリーンベルト3の縦方向延在部もしくはこの縦方向延在部の仮想の延長部に対して垂直に行なわれる。
【0048】
合目的に及びこの実施例では、リフトローラ9,14は、堆積スクリーンベルト3に対して間隔Dを置いて配置されている。これに関連して、間隔Dは、特に、堆積スクリーンベルト3に対するそれぞれのリフトローラ9,14の回転軸の間隔を意味する。この場合、堆積スクリーンベルト3に対する間隔Dは、合目的に、リフトローラ9,14の領域内の体積スクリーンベルト3の縦方向延在部もしくはこの縦方向延在部の仮想の延長部に対して垂直に測定もしくは決定される。図による実施例(特に図3)では、堆積スクリーンベルト3からの第1のリフトローラ9の間隔がDで指示され、堆積スクリーンベルト3からの第2のリフトローラ14の間隔がDで指示されている。本発明の範囲内及びこの実施例で、間隔Dもしくは間隔D及びDは、それぞれのリフトローラ9,14の直径dの50%よりも大きい。
【0049】
更に好ましくは及びこの実施例(特に図3)では、堆積スクリーンベルト3からの第1のリフトローラ9の間隔Dは、堆積スクリーンベルト3からの第2のリフトローラ14の間隔Dよりも大きい。フリースウェブ5は、合目的に及びこの実施例では、装置の操作状態で、第2のリフトローラ14の下側と第1のリフトローラ9の上側を経て案内可能である。これは、特に、図2~4に図示されている。第1のリフトローラ9は、好ましくは、堆積スクリーンベルトからフリースウェブ5を剥離させるために使用される。第2のリフトローラ14は、望ましくは堆積スクリーンベルト3の近傍でフリースウェブ5を抑制するために使用される。これにより、剥離領域10もしくは剥離ラインは、合目的に及びこの実施例では、第2のリフトローラ14の近傍で、特に第2のリフトローラ14に下に存在する。
【0050】
非常に好ましい実施形態によれば及びこの実施例では、ノーズローラ7は、堆積スクリーンベルト3が転向ローラ15とノーズローラ7の間で搬送方向Tに装置基礎11に向かって整向されているように、垂直方向に移動可能もしくは降下可能である。合目的に及びこの実施例では、堆積スクリーンベルトは、この領域内で3°~20°の下り勾配を備える。図2による実施例では、堆積スクリーンベルト3は、約7°の下り勾配を備えることが、また図3による実施例では約15°の下り勾配を備えることができる。従って、転向ローラ15は、堆積スクリーンベルト3を、以前は特に装置基礎11に対して平行に延在するその搬送方向Tから転向させる(図2及び3)。これに関連して、垂直方向のノーズローラ7の移動性は、特に、装置基礎11の方向及びその逆の移動性を意味する。更に好ましくは及びこの実施例では、ノーズローラ7は、水平方向に移動可能もしくは伸縮可能である。これに関連して、水平方向は、特に、装置基礎11に対して平行な方向を意味する。ノーズローラ7の水平方向の移動性もしくは伸縮性により、このノーズローラ7は、例えば、次処理装置8もしくはカレンダ16の近傍に移動させ得る。特に好ましくは及びこの実施例では、ノーズローラ7は、水平方向に移動可能もしくは伸縮可能で、垂直方向に移動可能もしくは降下可能であるので、ノーズローラを異なる位置に設定することができる。好ましい実施形態によれば及びこの実施例では、ノーズローラ7が、水平方向に移動可能もしくは伸縮可能で垂直方向に降下可能であり、付加的に、リフトローラ9,14が垂直方向に移動可能である場合、ノーズローラ7を異なる位置に設定することができ、リフトローラ9,14は、特にノーズローラ7からの体積領域10の間隔Aが装置の操作状態で実現され得るように、そのリフト位置に配置することができる。
【0051】
本発明の範囲内及びこの実施例で、次処理装置8は、カレンダ16として形成されている。図1による実施例では、ワインダ26の形態の別の次処理装置8を設けることができ、その場合、フリースウェブ5の移送方向でまずカレンダ16が、引続きワインダ26が配置されていることが認められる。カレンダ16は、図による実施例では、垂直方向に移動可能な3つのカレンダロール12.1,12.2及び12.3を備える。フリースウェブ5は、特に、カレンダロール12.1,12.2,12.3の2つの間のギャップもしくはニップを経て案内される。これら3つのカレンダロール12.1,12.2,12.3は、合目的に及びこの実施例では、上下に配置されている。これにより、それぞれ、最も上のカレンダロール12.1と中央のカレンダロール12.2から成るカレンダロール対と、最も下のカレンダロール12.3と中央のカレンダロール12.2から成るカレンダロール対が生じる。フリースウェブ5は、圧密化もしくは最終圧密化のため、合目的に及びこの実施例では、カレンダロール12.1,12.2,12.3の間に生じるギャップもしくはニップを経て案内される。その場合、カレンダ16の圧密化領域13内で、フリースウェブ5は、圧密化もしくは最終圧密化させることができる。これに関連して、圧密化領域13は、フリースウェブ5が少なくとも1つのカレンダロール12.1,12.2,12.3の作用によって圧密化もしくは最終圧密化され得る領域を意味する。本発明の範囲内及び図2~4による実施例では、カレンダ16の圧密化領域13は、装置の操作状態で、それぞれ、ノーズローラ7の上及び堆積スクリーンベルト3の上に配置されている。
【0052】
更に好ましくは及び図による実施例では、堆積スクリーンベルト3からのフリースウェブ5の剥離は、フリースウェブ5の予備圧密化後に行なわれる。従って、フリースウェブは、望ましくは及びこの実施例では、堆積スクリーンベルト3からの剥離前に予備圧密化装置25によって予備圧密化される。これは、特に図1に認められる。
【0053】
更に、第1のリフトローラ9及び/又は第2のリフトローラ14が、ノーズローラ7からの間隔Uを備え、この間隔が、それぞれのリフトローラ9,14の直径の少なくとも50%であることが、本発明の範囲内にある。これに関連して、間隔Uは、特に、ノーズローラ7の回転軸からの少なくとも一方のリフトローラ9,14の回転軸の間隔を意味し、間隔Uは、合目的に、リフトローラ9,14とノーズローラ7の回転軸の体積スクリーンベルト3への投影の間で測定され、これら回転軸の投影は、間隔Uの領域内の堆積スクリーンベルト3の縦方向延在部もしくはこの縦方向延在部の仮想の延長部に対して垂直に行なわれる。図による実施例では、両リフトローラ9,14は、それぞれ、ノーズローラ7からの中心点間隔U及びUを備え、この中心点間隔は、それぞれのリフトローラ9,14の直径dの少なくとも50%である(図4)。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】