IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社トリプルアイズの特許一覧

特開2022-8143情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
<>
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図2
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図3
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図4
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図5
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図6
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図7
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図8
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図9
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図10
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図11
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図12
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図13
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図14
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図15
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008143
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20220105BHJP
   G06Q 10/10 20120101ALI20220105BHJP
【FI】
G06F21/32
G06Q10/10 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095043
(22)【出願日】2021-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2020099595
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020126694
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517250376
【氏名又は名称】株式会社トリプルアイズ
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(72)【発明者】
【氏名】徳内 哲也
(72)【発明者】
【氏名】片渕 博哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所定場所に訪問してゲートで体温測定した訪問者についての各種情報を用いて、各種各様なサービスを実現する情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】ゲート端末1において、体温測定部521は、店舗へ訪問した訪問者の体温を示す体温情報を取得する。顔認証制御部522は、店舗へ訪問したときに撮像された訪問者の顔画像情報に基づいて、訪問者を認証するための制御を実行する。送信制御部523は、訪問者が店舗を訪問して認証される毎に、訪問者についての顔画像情報と体温情報とを送信する制御を実行する。サーバ2において、履歴情報管理部62は、認証された訪問者の個人又は訪問者の属性に対応付けて、体温情報と顔画像情報の時系列情報を履歴情報として管理する。所定処理実行部64は、訪問者人物又はその属性に対応付けられた履歴情報の少なくとも一部を用いて、訪問者又はその属性に関するマーケティングデータ収集を実行する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定場所へ訪問したときの人物の体温を示す体温情報を取得する体温情報取得手段と、
前記所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られた前記人物の顔画像情報に基づいて、当該人物を認証するための制御を実行する顔認証制御手段と、
前記人物が前記所定場所を訪問して前記顔認証制御手段の制御により認証される毎に、当該人物についての前記顔画像情報と前記体温情報とを送信する制御を実行する送信制御手段と、
を有する第1情報処理装置と、
前記第1情報処理装置から前記顔画像情報と前記体温情報とが送信される毎に、当該顔画像情報と当該体温情報とを受信する制御を実行する受信制御手段と、
前記顔認証制御手段の制御により認証された前記人物又はその属性に対応付けて、当該人物が前記所定場所へ訪問する毎に取得された前記体温情報と前記顔画像情報の時系列情報を履歴情報として管理する履歴情報管理手段と、
前記人物又はその属性に対応付けられた前記履歴情報の少なくとも一部を用いて、当該人物又はその属性に関する所定処理を実行する所定処理実行手段と、
を有する第2情報処理装置と、
を含む情報処理システム。
【請求項2】
前記所定場所は、所定の商品又は役務を前記人物に提供する者により管理される場所であり、
前記所定処理実行手段は、前記所定処理として、前記所定の商品又は役務に関するデータマーケティングを実行する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記所定場所は、前記人物が属する団体により管理される場所であり、
前記所定処理実行手段は、前記所定処理として、前記団体における前記人物を管理するための処理を実行する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2情報処理装置は、
前記当該人物が前記所定場所へ訪問した際のコンテクスト情報を取得するコンテクスト情報取得手段
をさらに備え、
前記履歴情報管理手段は、前記人物が前記所定場所へ訪問する毎に取得された前記体温情報と前記顔画像情報と前記コンテクスト情報の時系列情報を前記履歴情報として管理する、
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
第1情報処理装置と第2情報処理装置とを含む情報処理システムにおいて、当該第1情報処理装置及び当該第2情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記第1情報処理装置は、
所定場所へ訪問したときの人物の体温を示す体温情報を取得すると共に、
前記所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られた前記人物の顔画像情報に基づいて、当該人物を認証するための制御を実行し、
前記人物が前記所定場所を訪問して認証される毎に、当該人物についての前記顔画像情報と前記体温情報とを送信し、
前記第2情報処理装置は、
前記第1情報処理装置から前記顔画像情報と前記体温情報とが送信される毎に、当該顔画像情報と当該体温情報とを受信し、
前記第1情報処理装置の制御により認証された前記人物又はその属性に対応付けて、当該人物が前記所定場所へ訪問する毎に取得された前記体温情報と前記顔画像情報の時系列情報を履歴情報として管理し、
前記人物又はその属性に対応付けられた前記履歴情報の少なくとも一部を用いて、当該人物又はその属性に関する所定処理を実行する、
情報処理方法。
【請求項6】
所定の人物又はその属性に対応付けて、当該人物が所定場所へ訪問する毎に取得された体温情報と顔画像情報の時系列情報が履歴情報として管理され、当該人物又はその属性に対応付けられた前記履歴情報の少なくとも一部が用いられて、当該人物又はその属性に関する所定処理が実行される他情報処理装置と通信する通信手段と、
前記所定場所へ訪問したときの前記所定の人物の体温を示す前記体温情報を取得する体温情報取得手段と、
前記所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られた前記所定の人物の前記顔画像情報に基づいて、当該所定の人物を認証するための制御を実行する顔認証制御手段と、
前記所定の人物が前記所定場所を訪問して前記顔認証制御手段の制御により認証される毎に、当該所定の人物についての前記顔画像情報と前記体温情報とを、前記通信手段から前記他情報処理装置に送信する制御を実行する送信制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項7】
所定の人物又はその属性に対応付けて、当該人物が所定場所へ訪問する毎に取得された体温情報と顔画像情報の時系列情報が履歴情報として管理され、当該人物又はその属性に対応付けられた前記履歴情報の少なくとも一部が用いられて、当該人物又はその属性に関する所定処理が実行される他情報処理装置と通信する情報処理装置が実行する情報処理方法において、
前記所定場所へ訪問したときの前記所定の人物の体温を示す前記体温情報を取得する体温情報取得ステップと、
前記所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られた前記所定の人物の前記顔画像情報に基づいて、当該所定の人物を認証するための制御を実行する顔認証制御ステップと、
前記所定の人物が前記所定場所を訪問して前記顔認証制御ステップにおける制御により認証される毎に、当該所定の人物についての前記顔画像情報と前記体温情報とを前記他情報処理装置に送信する制御を実行する送信制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項8】
所定の人物又はその属性に対応付けて、当該人物が所定場所へ訪問する毎に取得された体温情報と顔画像情報の時系列情報が履歴情報として管理され、当該人物又はその属性に対応付けられた前記履歴情報の少なくとも一部が用いられて、当該人物又はその属性に関する所定処理が実行される他情報処理装置と通信するコンピュータに、
前記所定場所へ訪問したときの前記所定の人物の体温を示す前記体温情報を取得する体温情報取得ステップと、
前記所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られた前記所定の人物の前記顔画像情報に基づいて、当該所定の人物を認証するための制御を実行する顔認証制御ステップと、
前記所定の人物が前記所定場所を訪問して前記顔認証制御ステップにおける制御により認証される毎に、当該所定の人物についての前記顔画像情報と前記体温情報とを前記他情報処理装置に送信する制御を実行する送信制御ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【請求項9】
所定場所へ訪問したときの人物の体温を示す体温情報を取得する体温情報取得手段と、
前記所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られた前記人物の顔画像情報に基づいて、当該人物を認証するための制御を実行する顔認証制御手段と、
前記人物が前記所定場所を訪問して前記顔認証制御手段の制御により認証される毎に、当該人物についての前記顔画像情報と前記体温情報とを送信する制御を実行する送信制御手段と、
を有する他情報処理装置と通信をする情報処理装置であって、
前記他情報処理装置から前記顔画像情報と前記体温情報とが送信される毎に、当該顔画像情報と当該体温情報とを受信する制御を実行する受信制御手段と、
前記顔認証制御手段の制御により認証された前記人物又はその属性に対応付けて、当該人物が前記所定場所へ訪問する毎に取得された前記体温情報と前記顔画像情報の時系列情報を履歴情報として管理する履歴情報管理手段と、
前記人物又はその属性に対応付けられた前記履歴情報の少なくとも一部を用いて、当該人物又はその属性に関する所定処理を実行する所定処理実行手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項10】
前記所定場所は、所定の商品又は役務を前記人物に提供する者により管理される場所であり、
前記所定処理実行手段は、前記所定処理として、前記所定の商品又は役務に関するデータマーケティングを実行する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記所定場所は、前記人物が属する団体により管理される場所であり、
前記所定処理実行手段は、前記所定処理として、前記団体における前記人物を管理するための処理を実行する、
請求項9又は10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記当該人物が前記所定場所へ訪問した際のコンテクスト情報を取得するコンテクスト情報取得手段
をさらに備え、
前記履歴情報管理手段は、前記人物が前記所定場所へ訪問する毎に取得された前記体温情報と前記顔画像情報と前記コンテクスト情報の時系列情報を前記履歴情報として管理する、
請求項9乃至11のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
所定場所へ訪問したときの人物の体温を示す体温情報を取得する体温情報取得手段と、
前記所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られた前記人物の顔画像情報に基づいて、当該人物を認証するための制御を実行する顔認証制御手段と、
前記人物が前記所定場所を訪問して前記顔認証制御手段の制御により認証される毎に、当該人物についての前記顔画像情報と前記体温情報とを送信する制御を実行する送信制御手段と、
を有する他情報処理装置と通信をする情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記他情報処理装置から前記顔画像情報と前記体温情報とが送信される毎に、当該顔画像情報と当該体温情報とを受信する制御を実行する受信制御ステップと、
前記顔認証制御手段の制御により認証された前記人物又はその属性に対応付けて、当該人物が前記所定場所へ訪問する毎に取得された前記体温情報と前記顔画像情報の時系列情報を履歴情報として管理する履歴情報管理ステップと、
前記人物又はその属性に対応付けられた前記履歴情報の少なくとも一部を用いて、当該人物又はその属性に関する所定処理を実行する所定処理実行ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項14】
所定場所へ訪問したときの人物の体温を示す体温情報を取得する体温情報取得手段と、
前記所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られた前記人物の顔画像情報に基づいて、当該人物を認証するための制御を実行する顔認証制御手段と、
前記人物が前記所定場所を訪問して前記顔認証制御手段の制御により認証される毎に、当該人物についての前記顔画像情報と前記体温情報とを送信する制御を実行する送信制御手段と、
を有する他情報処理装置と通信をするコンピュータに、
前記他情報処理装置から前記顔画像情報と前記体温情報とが送信される毎に、当該顔画像情報と当該体温情報とを受信する制御を実行する受信制御ステップと、
前記顔認証制御手段の制御により認証された前記人物又はその属性に対応付けて、当該人物が前記所定場所へ訪問する毎に取得された前記体温情報と前記顔画像情報の時系列情報を履歴情報として管理する履歴情報管理ステップと、
前記人物又はその属性に対応付けられた前記履歴情報の少なくとも一部を用いて、当該人物又はその属性に関する所定処理を実行する所定処理実行ステップと、
を含む制御処理を実行するプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、感染症対策等のため、店舗や職場といった所定場所の入り口(ゲート)において、体温測定を行うことが通常になっている。体温測定の方法としては、赤外線温度計といった、非接触式の温度計が採用されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-135993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、単なる体温測定に留まらず、所定場所に訪問してゲートで体温測定した訪問者についての各種情報を用いて、各種各様なサービスを実現することが要望されている。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、所定場所に訪問してゲートで体温測定した訪問者についての各種情報を用いて、各種各様なサービスを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
所定場所へ訪問したときの人物の体温を示す体温情報を取得する体温情報取得手段と、
前記所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られた前記人物の顔画像情報に基づいて、当該人物を認証するための制御を実行する顔認証制御手段と、
前記人物が前記所定場所を訪問して前記顔認証制御手段の制御により認証される毎に、当該人物についての前記顔画像情報と前記体温情報とを送信する制御を実行する送信制御手段と、
を有する第1情報処理装置と、
前記第1情報処理装置から前記顔画像情報と前記体温情報とが送信される毎に、当該顔画像情報と当該体温情報とを受信する制御を実行する受信制御手段と、
前記顔認証制御手段の制御により認証された前記人物又はその属性に対応付けて、当該人物が前記所定場所へ訪問する毎に取得された前記体温情報と前記顔画像情報の時系列情報を履歴情報として管理する履歴情報管理手段と、
前記人物又はその属性に対応付けられた前記履歴情報の少なくとも一部を用いて、当該人物又はその属性に関する所定処理を実行する所定処理実行手段と、
を有する第2情報処理装置と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムは、上述の本発明の一態様の情報処理システムに対応する情報処理方法及びプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所定場所に訪問してゲートで体温測定した訪問者についての各種情報を用いて、各種各様なサービスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの適用対象となる本サービスの概要を示す図である。
図2】所定場所が店舗である場合に所定処理として実行されるマーケティングデータ収集が行われる場合の具体的適用例を示す図である。
図3図2の適用例についてのマーケティングデータの具体例を示す図である。
図4図2の適用例についてのマーケティングデータの分析結果の例を示す図である。
図5図2の例により収集されたマーケティングデータの分析結果の例を示す図であって、図4と異なる例である。
図6】所定場所として職場が採用された場合における、勤務者(訪問者)が出勤する際にゲート端末に表示される画面の例を示す図である。
図7】所定場所として職場が採用された場合における、勤務者(訪問者)が退勤する際にゲート端末に表示される画面の例を示す図である。
図8図6及び図7のゲート端末において取得された複数の勤務者の出勤時刻や退勤時刻等の管理画面の一例を示す図である。
図9図8の複数の勤務者のうち、ある勤務者の出勤時刻や退勤時刻等の管理画面の一例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図11図10の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図12図10の情報処理システムの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図13】従来と比較した、本サービスの情報収集の優位な点について説明する図である。
図14】従来と比較した、本サービスの情報収集の優位な点のうち図13と異なる点について説明する図である。
図15】従来と比較した、本サービスの情報収集の優位な点のうち図13及び図14と異なる点について説明する図である。
図16】従来と比較した、本サービスの情報収集の優位な点のうち図13乃至図15と異なる点について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
まず、図1乃至図9を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム(後述する図10参照)の適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの適用対象となる本サービスの概要を示す図である。
【0013】
本サービスは、店舗や職場等の所定場所Fに繰り返し訪問し得る1人以上の訪問者Pの体温を測定すると共に顔認証を行い、その結果得られる情報を解析等するサービスである。
【0014】
例えば図1に示すように、店舗や職場等の所定場所Fの入り口(ゲート)等にゲート端末1が配置される。
ゲート端末1は、訪問者Pが所定場所Fに来訪する毎に、内蔵するカメラ(例えば図12の撮像部51)により訪問者Pの顔を撮像し、当該訪問者Pの体温を示す体温情報を取得すると共に、前述の撮像の結果得られる訪問者Pの顔画像情報に基づいて当該訪問者Pの認証(以下、「顔認証」と呼ぶ)するための制御を実行する。
ここで、「顔画像情報」とは、訪問者Pの顔の画像に基づく情報のことをいう。顔画像情報には、訪問者Pの顔の撮像画像のデータ自体の他、訪問者Pの顔認証に用いるために特徴量等に変換されたデータ等も含まれる。
【0015】
このように、訪問者Pは、所定時刻に所定場所Fに来訪すると、顔認証が行われる。したがって、その顔認証の結果を用いることで、所定時刻に所定場所Fに来訪した者は、訪問者Pであることの特定(個人の特定)、又は当該訪問者Pの属性(例えば30代男性等)の特定が可能になる。
サービス提供者が管理するサーバ(例えば後述の図10のサーバ2)において、このように顔認証がなされた訪問者P(個人)又はその属性に対応付けられて、当該訪問者Pが所定場所Fへ訪問する毎に取得された体温情報と顔画像情報の時系列情報が履歴情報として管理される。即ち、訪問者P又はその属性についての体温の履歴管理も可能となる。
【0016】
これにより、サーバ等は、同一の所定場所Fに繰り返し訪れる人物(訪問者Pの個人/その属性)について、履歴情報の少なくとも一部(体温の履歴等)を用いて、人物(訪問者Pの個人/その属性)に関する所定処理を実行することができる。
【0017】
さらに本実施形態では、サーバ等は、訪問者Pが所定場所Fへ訪問した際のコンテクスト情報を取得することもできる。
【0018】
ここで、「コンテクスト情報」とは、訪問者Pの内的状態と外的状態とのうち少なくとも1以上の状態を示す情報のことをいう。即ち、1つのコンテクスト情報は、訪問者Pの「内的状態」と「外的状態」とのうちいずれか1つ以上の状態を示す情報となる。
ここで、「内的状態」とは、訪問者P自体をセンシングの対象とすることで得られた各種の情報により示される、訪問者Pの内部の状態のことをいう。「内的状態」を示す情報には、例えば、測定や調査等により得られた、身長、体重、体温、脈拍、体脂肪率、体型、指紋、声紋、年齢等の訪問者Pの身体的特徴を示す情報が含まれる。また、訪問者Pの体調や感情等の情報や、訪問者Pの行動履歴等も、訪問者Pの内的状態を示す情報に含まれる。
また、「外的状態」とは、訪問者Pの周囲の環境をセンシングの対象とすることで得られた各種の情報により示される、訪問者Pの外部の状態のことをいう。「外的状態」を示す情報には、例えば、訪問者Pが、過去に存在した、現在存在する、又は将来存在し得る場所における、気象(天気、気温、湿度等)の履歴や予報、室温等に関する情報が含まれる。また、外的状態を示す情報には、訪問者Pの空間的又は時間的な配置の位置を示す情報、訪問者Pの周囲の空間的方向と時間的方向のうち、少なくとも1の方向に分布する所定の状態を示す情報等も含まれる。
なお、本明細書において「時間」とは、本来的な概念である「幅」を示すものに限らず、「そのとき」を示す概念として、「時刻」や「タイミング」も含まれるものとする。このため、「時間的な配置の位置を示すデータ」には、例えば過去の所定タイミングにおける時刻や、現在時刻等が含まれる。
【0019】
この場合、サーバ等は、訪問者Pが所定場所Fへ訪問する毎に取得された体温情報と顔画像情報とコンテクスト情報の時系列情報を履歴情報として管理することができる。
つまり、サーバ等は、同一の所定場所Fに繰り返し訪れる人物(訪問者Pの個人/その属性)について、体温情報や顔画像情報の履歴のみならず、コンテクスト情報を用いて、人物(訪問者Pの個人/その属性)に関する所定処理を実行することができる。
【0020】
ここで、所定処理は、特に限定されず、例えば所定場所Fが店舗であればマーケティングデータ収集に関する処理(収集されたマーケティングデータの分析も含む)を採用することができるし、また例えば、所定場所Fが職場であれば勤怠管理に関する処理を実行することができる。
【0021】
上述したように、履歴情報には、訪問者Pの体温情報が含まれる。即ち、本サービスにおいては、ゲート端末1を用いて、訪問者Pの顔画像情報の他、訪問者Pの体温情報等が同時に取得される。これにより、訪問者Pの認証の精度が向上することなどができる。なお、本サービスのメリット等の詳細について、図13を参照して後述する。
【0022】
また、本サービスでは、高精度な顔認証の結果に基づいて、訪問者Pを特定することができる。そこで、本サービスでは、高精度の顔認証の結果に基づいて、予め指定された訪問者Pが訪問した際に、その店舗の店員等に通知を行うことができる。
具体的には例えば、履歴情報に基づいて得られる情報のうち、常連客である訪問者Pが所定場所Fである店舗に再訪問(リピート)したという情報、具体的には例えば訪問者PAが店舗Aに再訪問したという情報を精度よく管理することができる。そして、常連客である訪問者Pが再訪問(リピート)した旨がその店舗の管理者(店長等)に通知されることにより、管理者や店員はその訪問者Pへの対応を行うことができるため、店舗への再訪問の維持と増加を期待することができる。
【0023】
また例えば、訪問者Pが危険人物(例えば、その店舗で万引きを行ったことがある者)であって所定場所Fである店舗に再訪問(リピート)した場合に、危険人物が再訪問している旨がその店舗の管理者(店長等)に通知されることにより、管理者や店員はその訪問者Pへの対応を行うことができるため、再犯の防止を期待することができる。
【0024】
更に言えば、本サービスでは高精度な顔認証の結果を用いて、会員カードの顔認証や顔認証サイネージ等を提供可能できる。即ち、本サービスを発展させ、店舗の要望に合わせたカスタマイズも可能である。
【0025】
さらに以下、本サービスの具体例について、図2乃至図9を参照して説明する。
先ず図2乃至図5を参照して、所定場所Fが店舗である場合に所定処理として実行されるマーケティングデータ収集に関する例の概要について説明する。
そして、図6乃至図9を参照して、所定場所Fが職場である場合に所定処理として実行される勤怠管理に関する例の概要について説明する。
【0026】
図2は、所定場所が店舗である場合に所定処理として実行されるマーケティングデータ収集が行われる場合の具体的適用例を示す図である。
図2の例では、複数の店舗A乃Cの夫々と、これら店舗A乃至Cを統括する本部Hとが図示されている。
【0027】
以下、図2の説明において、符号Kは、符号A,B,又はCを示しているものとする。
店舗K(KはA,B,又はC)には、ゲート端末1Kと、管理者端末3Kとが配置されている。
ゲート端末1Kは、店舗Kの入り口等に配置される。ゲート端末1Kは、店舗Kへの訪問者PKの顔を撮像し、訪問者PKの体温情報を取得すると共に、撮像の結果得られる訪問者PKの顔画像情報に基づいて訪問者PKの顔認証をするための制御を実行する。
即ち、各店舗Kの各ゲート端末1Kの夫々において、上述の体温情報の取得と顔認証の制御が訪問者PAが繰り返し訪問する毎に行われる。これにより、訪問者PAの履歴情報が蓄積される。
ここで、上述したように訪問者PAの履歴情報は、顧客(訪問者PA個人)を管理するための履歴情報として蓄積されると共に、訪問者PAの所定属性(例えば男性30代等)についての履歴情報としても管理される。
ここで、履歴情報には、訪問者Pについて、体温情報と顔画像情報との他、各種各様なコンテクスト情報も含まれている。例えば、訪問者Pが訪れた店舗Kを特定可能な位置情報や、訪問者P店舗Kを訪れた時刻情報、訪問者Pの来店回数等もコンテクスト情報の一例である。また例えば、訪問者Pについて顔画像情報から推定される各種情報、例えば、推定された感情や、推定された年齢等もコンテクスト情報の一例である。
【0028】
各店舗Kに訪れた複数の訪問者Pの夫々について、このような履歴情報が夫々データベースDB(例えば後述する図12の履歴DB71)蓄積されて管理される。
これにより、サーバ2において、各店舗K毎に、これらの複数の訪問者Pの夫々の履歴情報の少なくとも一部を用いて、マーケティングデータ収集が可能になる。
その結果、管理者端末3Kは、店舗Kの管理者(例えば店長等)により管理される情報処理装置であり、当該店舗Kにおいて収集されたマーケティングデータを管理者に提示することができる。
店舗Kの管理者(例えば店長等)はまた、当該店舗Kの履歴情報についても、管理者端末3Kを用いて閲覧することができる。
【0029】
さらに、各店舗A乃至Cの単位のみならず、店舗A乃至店舗Cの夫々の履歴情報は、本部用の履歴情報としてデータベースDB(例えば後述する図12の履歴DB71)に総合的に管理される。
即ち、店舗A乃至店舗Cの履歴情報は、本部Hに配置された管理者端末3Hにおいて確認することができる。即ち、本部Hの図示せぬ担当者は、管理者端末3Hを用いて全店舗(図2の例では店舗A乃至店舗C)の全訪問者(図2の例では訪問者PA乃至PC)の夫々の履歴情報を閲覧や管理することができる。
さらに、サーバ2において、全店舗(図2の例では店舗A乃至店舗C)の全訪問者(図2の例では訪問者PA乃至PC)の夫々の履歴情報の少なくとも一部を用いて、全店舗を対象とするマーケティングデータ収集が可能になる。
これにより、本部Hの図示せぬ担当者は、全店舗を対象とするマーケティングデータを閲覧することができる。
なお、当然ながら、本部Hの図示せぬ担当者は、店舗A乃至Cの夫々において収集されたマーケティングデータ(店舗単位のデータ)を閲覧することもできる。
【0030】
図3は、図2の適用例についてのマーケティングデータの具体例を示す図である。
【0031】
例えば、店舗Kの複数の訪問者PKの履歴情報を用いて、所定処理の一例としての来店数分析、即ち来店数の累計(例えば、その日間や月間についての累計)の分析が可能になる。この場合、来店数の総数の他、所定属性(例えば男性30代等)の来店数等の分析も可能になる。
【0032】
また例えば、店舗Kの複数の訪問者PKの履歴情報を用いて、所定処理として年齢性別分析が可能となる。具体的には、訪問者Pの顔画像情報についてAI解析を行うことにより、その訪問者Pの属性として年齢や性別(コンテクスト情報の一例)の推定が可能になる。これにより、どのような属性(年齢や性別)の訪問者Pが多いのかの分析が可能になる。
【0033】
また例えば、所定処理として、リピート分析が可能となる。具体的には、訪問者Pの顔画像情報についてAI解析を行うことにより、その訪問者Pがある時刻にある店舗(例えば、図2の店舗K)に訪問したという履歴情報が収集される。これにより、訪問者Pが繰り返し店舗Kを訪問しているかの分析が可能となる。
【0034】
また例えば、所定処理として感情分析が可能となる。具体的には、訪問者Pの体温情報や顔画像情報について分析を行い、その感情をコンテクスト情報として収集することができる。具体的には例えば、訪問者Pが笑った表情をしている場合において、体温がより高いとき、喜びの感情の程度が高いと分析される。これにより、訪問者Pが店舗Kを訪問している最中の、訪問者Pの感情の分析が可能となる。
【0035】
図4は、図2の適用例についてのマーケティングデータの分析結果の例を示す図である。
図4の分析結果は、所定の月(ここでは2019年10月)に取得されたマーケティングデータの分析結果の一例である。
【0036】
例えば、図4には、データサマリーとして、「ユニーク数(同一人物を除く)」が69人と示されている。ユニーク数は、特定された訪問者P(個人)が複数回の訪問で複数回カウントされないように計数した数である。即ち、上述したように、本サービスでは、ゲート端末1を用いて取得された顔画像情報に基づいて、訪問者Pの個人を特定することができる。そのため、本サービスでは、同一の訪問者Pを複数回カウントせず、ユニーク数としてマーケティングデータ分析が可能となるのである。
【0037】
また、図4には、「リピート数」として、リピーター43人、新規45人と示されている。図3を用いて説明したように、訪問者Pのコンテクスト情報が収集されるため、その訪問者Pがリピーターであるのか、新規であるのかが分析可能となる。
【0038】
また、図4には、訪問者Pの「性別」や「年代」、が示されている。即ち、上述したように、本サービスでは、ゲート端末1を用いて取得された顔画像情報に基づいて、訪問者Pの属性を特定することができる。そのため、本サービスでは、訪問者Pの属性に基づいたマーケティングデータの分析が可能となるのである。
【0039】
また、図4には、「感情別画像数」や、「感情比」が示されている。即ち、図3を用いて説明したように、訪問者Pの感情をコンテクスト情報として取得することができる。このように、訪問者Pの感情を分析することにより、顧客満足度を向上させるようなマーケティングが可能となるのである。
【0040】
また、図4には、「月間来店」や「年代:男女比」が示されている。即ち、上述したように、本サービスでは、コンテクスト情報の履歴も取得されるため、過去から現在にかけて収集されたコンテクスト情報に基づいて、各種の統計情報を生成することも可能となる。
【0041】
図5は、図2の適用例についてのマーケティングデータの分析結果の例のうち図4と異なる例を示す図である。
図5の分析結果は、所定の期間(ここでは2019年10月21日~10月27日)に取得されたマーケティングデータを分析した例である。
【0042】
即ち、上述したように、本サービスでは、コンテクスト情報の履歴も取得される。このため、本サービスを用いることにより、過去から現在にかけて収集されたコンテクスト情報に基づいて、任意の期間の各種の統計情報を生成することが可能となるのである。
即ち、マーケティングデータの分析においては、ある対応の前後においてその対応が有効であったかを確認することが重要である。従来、訪問者数の変動や売り上げの増減等を用いて確認することしかできなかった。しかしながら、本サービスを用いることにより、リピーターが増加したのか、訪問者Pの感情がどのように変化したか、等についても分析可能となるのである。
【0043】
なお、マーケティングデータの分析として、以下のようなことも可能となる。即ち例えば、訪問者Pが実際にどのような商品又は役務の提供を受けたかと対応付けることにより、その訪問者Pの体温情報やコンテクスト情報と、商品又は役務の関係性を用いたデータマーケティングが可能となる。
具体的には例えば、訪問者Pの体温が高いときにはアイスが売れているといった分析結果を得ることができる。また例えば、外気温が低いといった外的状況(コンテクスト情報)や訪問者Pの体温が低いときには、ホットドリンクが売れているといった分析結果を得ることができる。このような分析結果に基づいて、店舗における商品の配置を工夫するといったことが可能となる。なお、商品に限定されず、役務の提供にも適用可能である。また例えば、訪問者Pの体温と、店舗内部の室温といった外的状況(コンテクスト情報)と、滞在時間との関係性に基づいた、データマーケティングも可能である。
上述をまとめると、訪問者Pの訪問時の体温情報やコンテクスト情報の履歴と訪問後の行動(商品購入や役務の提供を受けること)との関係性を分析し、その結果得られる今までにない新たなマーケティングデータの提供をすることが可能となる。
【0044】
以上、本サービスの具体例として、図2乃至図5を参照して、所定場所Fが店舗である場合に所定処理として実行されるマーケティングデータ収集に関する例の概要について説明した。
次に、本サービスの別の具体例として、図6乃至図9を参照して、所定場所Fが職場である場合に所定処理として実行される勤怠管理に関する例の概要について説明する。
【0045】
図6は、所定場所として職場が採用された場合における、勤務者(訪問者)が出勤する際にゲート端末に表示される画面の例を示す図である。
【0046】
図6(A)は、所定場所Fである職場の勤務者(訪問者P)が出勤して、ゲート端末1に顔を近づけた時に提示される画面の例である。
なお、以下、ゲート端末1は、タッチ操作可能な端末であるものとして説明する。即ち、ゲート端末1を操作する際には、タップ操作(画面に表示されたボタン等に触れて離す操作)等が行われるものとして説明する。
ゲート端末1には、図示せぬカメラにより訪問者Pの顔のカラー画像(正面画像)を撮像し、図6(A)に示すように表示する。
それと同時に、ゲート端末1は、カメラによりサーモグラフィを撮像し、それを用いて訪問者Pの体温を測定し、その測定結果(図6の例では35.7度というメッセージとサーモグラフィ)を表示する。
このような状態で、訪問者Pは、ゲート端末1の「認証」ボタンをタップ操作する。すると、ゲート端末1は、図6(A)に示す正面画像の情報(顔画像情報)に基づいて、訪問者Pを認証する処理を実行する。即ち、ゲート端末1は、訪問者Pがその職場の勤務者であるか否かを認証する。
【0047】
ここで、訪問者Pがその職場の勤務者であると認証されなかった場合(訪問者Pがその職場の勤務者ではない場合)、図6には図示しないが、その職場に訪問してはいけない旨の警告が表示されたり、勤務者ではない外部の訪問者であるとして所定のエラー処理が実行される。
また、訪問者Pの体温が高すぎる場合(即ち、感染症などにより発熱している場合)、訪問者Pが所定場所Fに入ることを禁止する旨のエラー表示がなされる。
なお、上述したように、体温情報は過去の分としても履歴情報として管理されている。したがって、いま現在は正常な体温であっても、過去所定期間内に体温が高温であった場合には、訪問者Pが所定場所Fに入ることを禁止する旨のエラー表示がなされてもよい。
即ち例えば、訪問者Pが過去2週間以内に体温が高温であった場合には、風邪等の感染症に罹患している可能性が有るため、その感染症を伝染させる可能性が低くなるまで(所定期間経過するまで)所定場所Fに入ることを禁止する、といった措置が可能となる。
【0048】
これに対して、訪問者Pがその職場の勤務者であると認証され、かつ、当該訪問者Pの体温が正常な場合、ゲート端末1の画面は、図6(A)から図6(B)の画面に遷移する。
【0049】
図6(B)は、訪問者Pがその職場の勤務者(図6の例では氏名が「BB BB」の者)であると認証された場合における、勤怠管理のためのメニューが表示された画面例である。
図6(B)の画面には、勤怠管理に関するボタンが表示される。
図6の例では出勤時であるので、訪問者Pは、「出勤」ボタンをタップ操作する。これにより、訪問者Pは、タップ操作がなされた時刻を出勤時刻として、当該出勤時刻に職場に出勤したものとして勤怠管理される。
【0050】
このような勤怠管理がなされると、ゲート端末1の画面は、図6(B)から図6(C)の画面に遷移する。
図6(C)は、訪問者Pが出勤したものとして勤怠管理された結果、訪問者Pに対して表示される画面の例である。
図6(C)の画面には、「おはようございます!」という表示と共に、出勤時刻と「BB BB」として認証された旨と、測定された体温とが表示される。
このように、本サービスのゲート端末1を用いることにより、訪問者Pの個人を特定し、訪問者Pの体温を測定すると共に、訪問者Pの出勤時刻の管理等が可能となるのである。
【0051】
図7は、所定場所として職場が採用された場合における、勤務者(訪問者)が退勤する際にゲート端末に表示される画面の例を示す図である。
【0052】
図7(A)は、所定場所Fである職場の勤務者(訪問者P)が退勤するべく、退勤時にゲート端末1に顔を近づけたときに表示される画面の例である。
図6(A)の説明と同様に、訪問者Pは、ゲート端末1の「認証」ボタンをタップ操作する。すると、ゲート端末1は、図7(A)に示す正面画像の情報(顔画像情報)に基づいて、訪問者Pを認証する処理を実行する。即ち、ゲート端末1は、訪問者Pがその職場に出勤済みの勤務者であるか否かを認証する。
ここで、訪問者Pの体温が高すぎる場合、訪問者Pに翌日の出勤を控えるようにする旨のエラー表示がなされてもよい。
【0053】
訪問者Pがその職場の勤務者であると認証され、かつ、当該訪問者Pが正常な場合、ゲート端末1の画面は、図7(A)から図7(B)の画面に遷移する。
【0054】
図7(B)は、訪問者Pがその職場の勤務者であると認証された場合における、勤怠管理のためのメニューが表示された画面例である。
図7(B)の画面には、勤怠管理に関するボタンが表示される。
図7の例では退勤時であるので、訪問者Pは、「退勤」ボタンをタップ操作する。これにより、訪問者Pは、タップ操作がなされた時刻を退勤時刻として、当該退勤時刻に職場から退勤したものとして勤怠管理される。
【0055】
このような勤怠管理がなされると、ゲート端末1の画面は、図7(B)から図7(C)の画面に遷移する。
図7(C)は、訪問者Pが退勤したものとして勤怠管理された結果、訪問者Pに対して表示される画面の例である。
図7(C)の画面には、「お疲れ様でした!」という表示と共に、退勤時刻と「BB BB」として認証された旨と、測定された体温とが表示される。
このように、本サービスのゲート端末1を用いることにより、訪問者Pの個人を特定し、訪問者Pの体温を測定すると共に、訪問者Pの退勤時刻の管理等が可能となるのである。
【0056】
図6及び図7を用いて説明したように、本サービスのゲート端末1を用いることにより、訪問者Pの個人を特定し、訪問者Pの体温を測定すると共に、訪問者P出勤時刻の管理等が可能となるのである。
即ち、本サービスのゲート端末1を用いることにより、出勤時や退勤時において、訪問者Pの体温の測定がなされる。そして、訪問者Pの体温を含む顔画像情報に基づいて、訪問者Pの個人が認証される。さらに、訪問者Pの操作に基づいて、訪問者Pの勤怠管理が行われる。
本サービスでは、所定場所Fの入り口に設けられたゲート端末1を用いて訪問者Pの個人の認証や勤怠管理が行われるため、出勤時刻や退勤時刻の偽装が困難となるのである。訪問者Pの認証に体温情報が用いられるために認証の精度が向上すると共に、正しい体温情報とその訪問者Pとが対応付けられたコンテクスト情報として記録される。
【0057】
図8は、図6及び図7のゲート端末において取得された複数の勤務者の出勤時刻や退勤時刻等の管理画面の一例を示す図である。
図8には、「現在の出勤状況」及び「出勤状況一覧」が表示されている。
具体的には、図8の出勤状況一覧には、「出勤先」として、ゲート端末1を識別するための情報が表示されている。これにより、ゲート端末1が複数台用意されている場合、即ち、複数の職場や複数の入り口が存在する場合において、訪問者Pが何れのゲート端末1を用いて出勤したかが把握可能となっている。
また、図8の出勤状況一覧には、出勤時刻及び退勤時刻が表示されている。例えば、従業員名「BB BB」においては、「出勤時刻」は「08:53」であって、「退勤時刻」は「17:03」である旨が表示されている。
このように、勤怠管理を行う者はその職場の訪問者Pの勤怠状況を一目で把握することができる。
【0058】
図9は、図8の複数の勤務者のうち、ある勤務者の出勤時刻や退勤時刻等の管理画面の一例を示す図である。
図9の左に示す画面のように、ある勤務者(図9の例では、「□□ □□」という者)の出勤時刻や退勤時刻は、その日毎に体温情報と共に確認できる。
また、図9の左に示す画面のように、その日(ここでは、2020年6月3日)の打刻一覧を確認することができる。打刻一覧には、出勤時や退勤時における時刻と体温情報が表示される。
また、打刻一覧の夫々の打刻の「画像」ボタンを操作することにより、夫々の打刻における顔画像情報(ここでは、顔の撮像画像そのもの)が表示される。
【0059】
以上、図1乃至図9を参照して、本サービスについて説明した。
以下、図10乃至図12を参照して、本サービスを実現するための情報処理システム、即ち本発明の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成等について説明する。
【0060】
図10は、本発明の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0061】
図10に示す情報処理システムは、ゲート端末1-1乃至1-n(nは1以上の整数値)と、サーバ2と、管理者端末3-1乃至3-m(mは1以上の整数値)とを含む。
ゲート端末1-1乃至1-nと、サーバ2と、管理者端末3-1乃至3-mとは、インターネット(Internet)等のネットワークNを介して相互に接続されている。なお、ネットワークNは、その形態は特に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、LAN(Local Area Network)、インターネット等を採用することができる。
以下、ゲート端末1-1乃至1-nの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「ゲート端末1」と呼ぶ。また、管理者端末3-1乃至3-mの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「管理者端末3」と呼ぶ。
【0062】
ゲート端末1は、所定場所Fのゲートに設置され、訪問者Pが訪問する毎に、体温情報を取得すると共に、撮像された顔画像情報を用いて顔認証の制御を行う。
サーバ2は、サービス提供者(図示せず)により管理される情報処理装置であり、訪問者Pが所定場所Fを訪れる毎に当該訪問者Pの体温情報及び顔画像情報を取得する。サーバ2は、訪問者P(個人)又はその属性に対応付けて、訪問者Pが所定場所Fへ訪問する毎に取得された体温情報と顔画像情報の時系列情報を履歴情報として管理する。そして、サーバ2は、訪問者P(個人)又はその属性に対応付けられた履歴情報の少なくとも一部を用いて、当該人物又はその属性に関する所定処理を実行する。
管理者端末3は、所定場所Fの管理者により管理される情報処理装置であり、サーバ2による所定処理の実行結果等を管理者に提示する。ここで、例えば所定場所Fが店舗なら、その店舗の店長等又は複数の店舗を取りまとめる本部の者が、管理者端末3の管理者に該当する。また例えば所定場所Fが職場なら、その職場の部署の管理者(課長や部長等)や、職場全体の管理者(総務部や人事部の担当者)が、管理者端末3の管理者に該当する。
【0063】
図11は、図10の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0064】
サーバ2は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memoy)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0065】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0066】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0067】
入力部16は、各種ハードウェア釦等で構成され、操作者の指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。
【0068】
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(ゲート端末1や管理者端末3等)との間で行う通信を制御する。
【0069】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0070】
このような図11のサーバ2の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理の実行が可能になる。
なお、図示はしないが、図10の情報処理システムのうち、ゲート端末1及び管理者端末3も、図11に示すハードウェア構成を有している。このため、ゲート端末1及び管理者端末3のハードウェア構成についての説明は省略する。ただし、ゲート端末1及び管理者端末3がスマートフォンやタブレットで構成される場合には、入力部16及び出力部17として、タッチパネルを有している。
【0071】
図12は、図10の情報処理システムの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0072】
図12に示すように、ゲート端末1においては、撮像部51と、主制御部52と、通信部53とが機能する。
【0073】
撮像部51は、所定場所Fに来訪した訪問者Pの顔を撮像し、その結果得られる撮像画像のデータを主制御部52に提供する。ここで、撮像画像には、通常のカラー画像の他、サーモグラフィも含まれているものとする。
【0074】
主制御部52は、体温測定部521と、顔認証制御部522と、送信制御部523とを有する。
【0075】
体温測定部521は、所定場所Fへ訪問したときの訪問者Pの体温を測定することで、当該体温を示す体温情報を取得する。ここで、体温の測定手法は特に限定されないが、本実施形態では、撮像部51から提供されたサーモグラフィを用いる手法が採用されている。
【0076】
顔認証制御部522は、所定場所Fへ訪問したときに撮像された結果得られた訪問者Pの顔画像情報に基づいて、当該人物の顔認証をするための制御を実行する。
ここで、「顔認証をするための制御」とは、ゲート端末1自体で認証処理を実行しても良いが、必ずしも実行する必要はなく、顔認証のための何らかの制御を実行すれば足りるという意味である。例えば顔認証制御部522は、図示せぬ他の装置に必要情報(顔画像情報等)を送信して、当該必要情報を用いて他の装置で顔認証を実行してその認証結果を送信してもらい、当該認証結果を受信する制御をすることもできる。
ここで本実施形態では、顔画像情報は、撮像部51により撮像されたカラー画像のデータが用いられる。この撮像部51は、訪問者Pの顔が正面に写る画像(以下、「正面画像」と呼ぶ)の撮像が容易である。したがって、顔認証制御部522は、訪問者Pの正面画像を顔画像情報として用いた顔認証の制御ができるので、その顔認証の精度は98%以上を達成することができる。これは、所謂、顔決済で使われている精度に等しい精度であって、図1に示す本サービスでも、顔決済と同様の精度での訪問者P個人の認証が実現される。
【0077】
送信制御部523は、訪問者Pが所定場所を訪問して認証される毎に、当該訪問者Pについての顔画像情報と体温情報とを含む送信情報を、通信部53を介してサーバ2に送信する制御を実行する。
ここで、送信情報は、顔画像情報と体温情報の他、任意の情報を含むことができる。例えば認証結果や、1以上のコンテクスト情報(所定場所Fを特定可能な情報や、時間情報の他、図示せぬセンサにより取得された各種検出情報等)を送信情報に含めてもよい。
【0078】
通信部53は、送信制御部523の制御に基づいて、訪問者Pが所定場所Fを訪問して認証される毎に、当該訪問者Pについての顔画像情報と体温情報とを含む送信情報を、サーバ2に送信する。
【0079】
このようなゲート端末1に対して、サーバ2のCPU11においては、受信制御部61と、コンテクスト情報取得部62と、履歴情報管理部63と、所定処理実行部64と、送信制御部65とが機能する。
また、サーバ2の記憶部18には、履歴DB71が設けられている。
【0080】
受信制御部61は、ゲート端末1から送信情報(顔画像情報と体温情報とを含む情報)が送信される毎に、即ち、訪問者Pが所定場所F(ゲート端末1の設置場所)を訪問して認証される毎に、当該送信情を通信部19に受信させる制御を実行する。
【0081】
コンテクスト情報取得部62は、訪問者Pが所定場所F(ゲート端末1の設置場所)を訪問して認証される毎に、当該訪問者Pのコンテクスト情報を取得する。なお、コンテクスト情報は、上述したようにゲート端末1から送信される送信情報に含まれる他、図示せぬ各種装置から通信部19を介して取得可能である。例えば、所定場所Fに設置された図示せぬ装置や、訪問者Pが携帯している端末やウェアラブル端末等から、コンテクスト情報は取得可能である。
【0082】
履歴情報管理部63は、顔認証がなされた訪問者P(個人)又はその属性に対応付けて、当該訪問者Pが所定場所へ訪問する毎に取得された体温情報と顔画像情報とコンテクスト情報を含む各種情報の時系列情報を、履歴情報として履歴DB71に格納して管理する。
【0083】
所定処理実行部64は、訪問者P(個人)又はその属性に対応付けられた履歴情報の少なくとも一部を履歴DB71から抽出して、抽出した情報を用いて、当該訪問者P(個人)又はその属性に関する所定処理を実行する。
例えば、所定場所Fが、所定の商品又は役務を訪問者Pに提供する者により管理される場所(店舗等)である場合、所定処理実行部64は、所定処理として、所定の商品又は役務に関するデータマーケティングを実行することができる。
また例えば、所定場所Fが、訪問者Pが属する団体により管理される場所(職場等)である場合、所定処理実行部64は、所定処理として、団体における訪問者Pを管理するための処理(例えば勤怠管理に関する処理等)を実行する。
【0084】
以上、図10乃至図12を参照して、上述の本サービスの具体例を実現するための情報処理システムの構成等について説明した。
以下、図13乃至図16を参照して、訪問者Pの体温情報や顔画像情報、コンテクスト情報、これらの履歴の情報を収集することによるメリット等について説明する。
【0085】
図13は、従来と比較した、本サービスの情報収集の優位な点について説明する図である。
【0086】
図13は、従来と比較した、本サービスの情報収集の優位な点について説明する図である。
図13の左に示すように、従来、店舗K(所定場所F)の入り口等には、監視カメラ等が設置され、その監視カメラが撮像する所定範囲内に入った訪問者Pの像が撮像画像として取得されていた。そして、この撮像画像を分析することにより、訪問者Pの個人又は属性を分析し、マーケティングデータ収集が行われていた。この場合、監視カメラでは正面画像が収集できず、顔の一部分のみが撮影され、顔認証の認証(特定)の精度が向上しづらいことがあった。即ち、監視カメラでは訪問者Pがカメラに正対したことで得られる訪問者Pの正面の撮像画像が収集できず、訪問者Pの個人や属性の分析の精度が向上しづらかった。
【0087】
これに対して図13の右に示すように、本サービスでは、正面からの顔を撮影可能である。即ち、訪問者Pは、体温を測定するため、ゲート端末1に正対して静止する。これにより、訪問者Pが正対した撮像画像が得られる。その結果、訪問者Pの顔の各パーツ(目や鼻、口等)の全てが撮像され、更には、その位置や大きさまである程度均一になった撮像画像が得られるため、顔画像情報の分析が容易となる。即ち、ゲート端末1で正面画像を集めることにより、顔認証の精度が向上するのである。
【0088】
図14は、従来と比較した、本サービスの情報収集の優位な点のうち図13と異なる点について説明する図である。
図14の左に示すように、従来、訪問者Pは、個人情報を取られたくない等として、監視カメラ等により撮像されることを拒絶することがあった。また、顔画像は個人情報にあたるため、基本的にはデータ提供に本人の同意が必要という側面もあった。
【0089】
これに対して図14の右に示すように本サービスでは、データ提供への心理的ハードルを下げることができる。即ち、訪問者Pは、検温(体温を測定)するためであれば、データの取得は仕方ないものとして把握する。これにより、顔画像取得の手段を監視カメラからゲート端末1にすることで、データ提供へ同意する心理的ハードルを下げることができるのである。
【0090】
図15は、従来と比較した、本サービスの情報収集の優位な点のうち図13及び図14と異なる点について説明する図である。
図15の左に示すように、従来、カラー画像に含まれる顔(目や鼻、口などの配置)から、訪問者Pが存在すると把握し、その訪問者Pの個人を特定する、ということがなされていた。カメラのみの場合、画像(例えば、紙に印刷された写真)を生体(訪問者P)とご認識する恐れがあった。
【0091】
これに対して図15の右に示すように本サービスでは、カラー画像として撮像する領域の温度(訪問者Pの顔のカラー画像を取得している場合、訪問者Pの体温)を同時に取得することができる。これにより、画像(例えば、紙に印刷された写真)を生体(訪問者P)とご認識する恐れが低減する。図15には、写真が印刷された紙が16.2度であることから、生体とご認識することがない旨がしめされているが、サーモグラフィを用いると、更に好適である。即ち、温度情報として、ある1点若しくは代表的な1つの値を用いるのではなく、二次元的な温度配置(いわゆる、サーモグラフィで表示可能な温度分布)を用いると、更に生体とご認識してしまう恐れが低減される。
【0092】
図16は、従来と比較した、本サービスの情報収集の優位な点のうち図13乃至図15と異なる点について説明する図である。
図16に示すように、本サービスでは、ゲート端末1を用いて、訪問者P1乃至P3の夫々の体温情報と共に、訪問者P1乃至P3の個人や属性の情報を収集し履歴として管理することができる。例えば、店舗の管理者は、収集された情報を用いて所定の商品又は役務に関するデータマーケティングを実行することができる。
具体的には例えば、訪問者P1の体温が36.2度であって、40台男性であるという属性を収集すると共に、履歴に基づいて初来店である旨を把握することができる。
また例えば、訪問者P2の体温が36.4度であって、30代女性であるという属性を収集するとともに、履歴に基づいて4回目の来店である旨が把握できる。
また、体温が38.6度と高すぎる(即ち、感染症などにより発熱している可能性がある)訪問者P3に対しては、店舗に入ることを禁止する旨の対応をすることもできる。
【0093】
このように、ゲート端末1を用いて体温情報を取得するため、異常体温者である訪問者Pの所定場所Fへの侵入を未然に防ぐことができるため、所定場所F内の他の訪問者Pの安心安全を確保することができる。さらには、全ての訪問者Pの属性を取得することができるため、売上向上に通じるマーケティングデータを取得することができる。
【0094】
ここで、上述の本サービスにより、訪問者Pや所定場所F(例えば、店舗)の管理者にとってどのようなメリットが得られるかについて説明する。
即ち、訪問者Pにストレスを与えないスムーズなセルフサーモ検温で、訪問者P安心感を提供することができる。
また、管理者にとっては、感染症等の患者の所定場所Fへの侵入を水際で食い止め、感染症のクラスター発生のリスクヘッジをすることができる。また、感染症等の患者が所定場所Fへ侵入していないことのエビデンスとして履歴情報を保管することができる。また、単なる検温システムで済ませず、本サービスを活用することで、検温と同時に売上向上の顧客分析システムのトータルとして顧客管理を実現することができる。
【0095】
より具体的には、ガンタイプの温度計を用いた検温ではなく、訪問者P自身で検温を行う。即ち、訪問者Pの検温結果や顔データ、時間を、履歴として残すことにより、感染症対策環境下における重要なマーケティングデータ収集が可能となる。
また、履歴データの本部での集中管理(例えば、図2の本部Hでの管理)を行うことで、本部におけるチェック業務を可能とし、アラーム・警告システムと組み合わせることでより高度な管理を実現することができる。
また、本サービスでは、所定場所F(例えば店舗)への入り口等において、店員が個別に体温測定の声掛けや測定、記録を行う必要がなく、継続的に実施する業務として、業務負荷とならないように自動化することができる。
また、同時に現状のマーケティングデータを蓄積することにより、感染症対策環境下で抱えている問題点の解決又は第2波、第3波といった繰り返しの対策環境下におけるマーケティングの事前対策に取り組むことが可能となる。
上述のように、検温や記録を業務不可とならないように自動で行うことができるため、感染症対策環境下以外の平時においても、継続的に検温を実施することにより、密室における集団感染対策を恒常的に実施しているという「お客様への安心感」と「ウイルス対策への企業努力」をアピールすることが可能となる。
【0096】
以上、本発明の情報処理装置の一実施形態について説明したが、本発明は上述した本実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0097】
即ち、本サービスの情報処理システムは、上述の実施形態に限定されず、以下に説明する構成や処理としてもよい。
即ち例えば、ゲート端末1は、スマートフォンやタブレットといった形態の汎用の情報処理装置で構成され、カラー画像及びサーモグラフィの撮像が可能なカメラを後付けすることにより、撮像部51を備える構成としてもよい。これにより、汎用の情報処理装置を利用して低コストに本サービスを導入することができる。
【0098】
また例えば、ゲート端末1で顔認証や体温測定の結果を、その所定場所Fの管理者等に報知することができる。即ち例えば、訪問者Pの体温があらかじめ設定した温度を超えている場合に管理者が使用する情報処理装置の画面にアラートとしてその旨が報知されてもよい。このとき、訪問者Pの撮像画像が管理者に提供されることにより、高熱の疑いのある訪問者Pへの再検温や所定場所Fへの進入禁止などの措置をとることができる。また、ゲート端末1が入り口に配置されることにより、体温測定を行わずに侵入しようとする訪問者Pが居た場合にもその旨が管理者の情報処理装置に報知されてもよい。
即ち、所定場所Fの入り口に単に体温計を設置しただけでは、「検温を義務づけているが、実際測っているか心配」、「スタッフの検温も実施したい」、といった懸念があった。しかしながら、本サービスであれば、これらの懸念を解消することができる。
【0099】
また、上述の実施形態では、所定場所Fが職場の例として、勤怠管理を行ったが、特にこれに限定されない。即ち例えば、勤怠管理(出勤時刻や退勤時刻の打刻(記録))を行わず、訪問者Pを勤務者として認証し、その体温のみを記録することもできる。
また例えば、職場における省エネルギーの活動等に活用することができる。具体的には例えば、その職場に属する訪問者Pが複数いた場合であって、その訪問者Pが夏場に外出先(営業先)から職場に戻ってきたものとする。この場合、複数の訪問者Pの体温の情報とその履歴に基づいて、その職場のクーラーの運転状況を調整することができる。このように、訪問者Pの体温情報に基づいて、その職場のエアコンの調整を適切に行うといった、省エネに活用することができる。
【0100】
また、本サービスにおける総合認証の要素となる顔認証は、従来から行われている、訪問者Pの顔を正面から撮像した1枚の静止画像のデータによるものに限定されない。例えば、複数枚(例えば3枚)の静止画像のデータや、多数枚の静止画像のデータからなる動画像によるものも含まれる。これにより、1枚の静止画像のデータでは実現できない訪問者Pの表情の変化(例えば頬の筋肉の動きの変化)に基づいた認証が可能となる。
【0101】
具体的には例えば、訪問者Pの表情の変化を撮像した動画像のデータを集積し、ディープラーニング等の技術を用いて特徴量の解析等を行うことで、動画像による顔認証が実現可能となる。訪問者Pの表情の変化は、その訪問者Pの感情が表出したものである。このため、訪問者Pの表情と感情との関連性を示す感情特徴量を抽出した解析等を行うことも可能となる。また、訪問者Pを撮像した動画像には、訪問者Pの正面の顔、横顔、及び後ろ姿の動画像のデータが含まれ得るため、訪問者Pの正面の顔と、横顔と、後ろ姿との関係を対応付けて管理することもできる。これにより、従来から行われている訪問者Pの正面の顔の静止画像のデータを用いた顔認証のみならず、訪問者Pの横顔の静止画像や後ろ姿の静止画像のデータを用いた認証も可能となる。さらに、多数の訪問者Pの正面の顔と、横顔と、後ろ姿とを対応付けたデータを集積し、ディープラーニング等の技術を用いて特徴量の抽出及び解析等を行うことができる。その結果、訪問者Pの正面の顔の静止画像のデータから、横顔や後ろ姿を推測することも可能となる。またさらに、推測の精度を向上させていくことで、マスクやサングラスをした状態の訪問者Pの顔の静止画像のデータから、マスクやサングラスを外した状態を推測することもできる。また、マスクで隠れない部分(目やその周りの皮膚)の動き(まばたきや皮膚の振幅)に基づく認証を行うことも可能となる。
【0102】
また、本サービスによれば、例えば求められるセキュリティの高さ、予算等に応じて、柔軟に認証のレベルやパターンに差異を設けることもできる。
【0103】
また例えば、本サービスによれば、パスワードによるログイン操作が不要になるので、パスワードの失念や入力ミス等が生じることがなくなる。また、他人の「なりすまし」によるログイン操作が行われることがなくなる。
【0104】
また例えば、本サービスによれば、訪問者Pを容易に特定することができるので、戸籍管理が不十分な国や地域における国民等の管理を容易に行うことができるようになる。また、未知のウイルス等の感染ルートの特定することも可能となる。
【0105】
また例えば、上述の実施形態では、サーバにおいて訪問者Pが所定場所Fへ訪問する毎に取得された体温情報と顔画像情報とコンテクスト情報の時系列情報を履歴情報として管理するものとしたが、特にこれに限定されない。即ち例えば、ゲート端末1において体温情報と顔画像情報とコンテクスト情報が取得されて、総合判断及び総合認証に利用されるが、これに限定されない。複数の訪問者Pの夫々の所有する情報処理装置(例えば、スマートフォン)に記憶されたコンテクストデータに基づく総合判断及び総合認証を行うこともできる。これにより、例えば訪問者P間の関連性(例えば友人関係、恋人関係、同僚等)に基づいた総合判断及び総合認証も可能となる。
【0106】
また例えば、上述の実施形態では、訪問者Pが職場に出勤する際、ゲート端末1において取得されたコンテクスト関連情報を、履歴情報としてサーバ2が記憶して管理しているが、これに限定されない。例えば、職場の入り口に設置されたゲート端末1がコンテクスト関連情報を記憶して、適宜必要に応じてサーバ2に送信してもよい。
【0107】
また例えば、上述の実施形態では、認証のために訪問者Pを撮像するカメラ等の撮像装置は、固定式であることを前提としているが、特に固定式に限定されない。例えばドローン等の小型飛行体にカメラ等の撮像装置を搭載させて、訪問者Pを撮像させてもよい。この場合、その撮像画像のデータを重ねていくことで、撮像対象の高低差を認識することができる。その結果、訪問者Pの顔認証も可能となる。
【0108】
また例えば、図9に示すフローチャートにおいて、ステップS1とステップS2とは順不同である。即ち、顔関連情報とコンテクスト関連情報が取得されるタイミングはどちらが先であってもよい。
【0109】
また、図10に示すシステム構成、図11に示すハードウェア構成、及び図12に示す機能的構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0110】
換言すると、図12に示す機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が、図10に示す情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図12の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図12に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ2の機能ブロックを、ゲート端末1又は管理者端末3、あるいは図示せぬ他の情報処理装置等に移譲してもよい。即ち、サーバ2による履歴情報の管理をゲート端末1が行えるようにすることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0111】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0112】
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成される。
【0113】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図7のリムーバブルメディア30により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア30は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図7のROM12や、図7の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0114】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0115】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば図12のゲート端末1及びサーバ2を含む情報処理システム)は、
所定場所(例えば、図2乃至図5等の例では店舗、図6乃至図9の例では職場)へ訪問したときの人物(例えば、図1等の訪問者P)の体温を示す体温情報を取得する体温情報取得手段(例えば、図12の体温測定部521)と、
前記所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られた前記人物の顔画像情報(例えば、明細書中のカラー画像)に基づいて、当該人物を認証するための制御を実行する顔認証制御手段(例えば、図12の顔認証制御部522)と、
前記人物が前記所定場所を訪問して前記顔認証制御手段の制御により認証される毎に、当該人物についての前記顔画像情報と前記体温情報とを送信する制御を実行する送信制御手段(例えば、図12の送信制御部523)と、
を有する第1情報処理装置(例えば、図1図12のゲート端末1)と、
前記第1情報処理装置から前記顔画像情報と前記体温情報とが送信される毎に、当該顔画像情報と当該体温情報とを受信する制御を実行する受信制御手段(例えば、図12の受信制御部61)と、
前記顔認証制御手段の制御により認証された前記人物(例えば、明細書中の訪問者Pの個人)又はその属性(例えば、明細書中の訪問者Pの年齢30代男性といった属性)に対応付けて、当該人物が前記所定場所へ訪問する毎に取得された前記体温情報と前記顔画像情報の時系列情報を履歴情報として管理する履歴情報管理手段(例えば、履歴情報管理部63)と、
前記人物又はその属性に対応付けられた前記履歴情報の少なくとも一部を用いて、当該人物又はその属性に関する所定処理(例えば、明細書中のマーケティングデータ収集や勤怠管理)を実行する所定処理実行手段(例えば、所定処理実行部64)と、
を有する第2情報処理装置(例えば、図2図12のサーバ2)と、
を含めば足りる。
【0116】
これにより、所定場所へ訪問したときの人物の体温を示す体温情報が取得され、所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られたその人物の顔画像情報に基づいて、その人物を認証するための制御が実行され、その人物が所定場所を訪問して認証される毎に、その人物についての顔画像情報と体温情報とが、第1情報処理装置から第2情報処理装置に送信される。
また、第1情報処理装置から顔画像情報と体温情報とが送信される毎に、顔画像情報と体温情報とが受信され、認証されたその人物又はその属性に対応付けて、その人物が所定場所へ訪問する毎に取得された体温情報と顔画像情報の時系列情報が履歴情報として管理される。
そして、その人物又はその属性に対応付けられた履歴情報の少なくとも一部を用いて、その人物又はその属性に関する所定処理が実行される。
これにより、例えば、人物は、体温を測定するため、という意識で、第1情報処理装置に正対して静止する。これにより、人物が正対した顔画像情報(例えば、カラー画像)が得られる。その結果、人物の顔の各パーツ(目や鼻、口等)の全てが撮像され、更には、その位置や大きさまである程度均一になった撮像画像が得られるため、顔画像情報の分析が容易となる。即ち、ゲート端末1で正面画像を集めることにより、顔認証の精度が向上する。
また例えば、人物の認証において、体温を測定するため、画像(例えば、紙に印刷された写真)を生体とご認識する恐れが低減する。
このように所定場所へ訪問する毎に、その人物又はその属性に対応付けて、その人物の顔画像情報及び体温情報が管理され、より精度の良い情報が得られる。所定場所に訪問して第1情報処理装置で体温測定し人物についてのこれらの情報を用いて、各種各様なサービスを実現することが可能となる。
【0117】
さらに、
前記所定場所は、所定の商品又は役務を前記人物に提供する者(例えば、図2の本部Hの担当者)により管理される場所(例えば、図2の店舗)であり、
前記所定処理実行手段は、前記所定処理として、前記所定の商品又は役務に関するデータマーケティング(例えば、明細書中のマーケティングデータ収集やその分析)を実行する、ことができる。
【0118】
上述のように、このように所定場所へ訪問する毎に、その人物又はその属性に対応付けて、その人物の顔画像情報及び体温情報が管理され、より精度の良い情報が得られるため、より精度の良いデータマーケティングが可能となる。更に言えば、人物がその場所へ訪問する際の体温が測定されるため、その人物の体温が高すぎる場合において、その場所への訪問を禁止することができる。また、精度よく認証が行われるため、その人物が過去に問題を起こしていた場合(例えば、商品を提供する場所で万引きを行っていた場合や、役務を提供する場所で騒動を起こしていた場合)には、その人物がその場所に訪問することを禁止する等、何らかの対応を行うことが可能となる。
【0119】
さらに、
前記所定場所は、前記人物が属する団体(例えば、会社)により管理される場所(例えば、職場、所謂、オフィス)であり、
前記所定処理実行手段は、前記所定処理として、前記団体における前記人物を管理する(例えば、明細書中の勤怠管理)ための処理を実行する、
ことができる。
【0120】
上述のように、このように所定場所へ訪問する毎に、その人物又はその属性に対応付けて、その人物の顔画像情報及び体温情報が管理され、より精度の良い情報が得られるため、より精度の良い勤怠管理が可能となる。更に言えば、人物がその場所(例えば、職場)へ訪問する際の体温が測定されるため、その人物の体温が高すぎる場合において、その場所への訪問を禁止することができる。また、精度よく認証が行われるため、その団体におけるその人物の管理として、他の人物により虚偽の情報が入力される、といったことが起こらないようにすることができる。
【0121】
さらに、
前記第2情報処理装置は、
前記当該人物が前記所定場所へ訪問した際のコンテクスト情報を取得するコンテクスト情報取得手段(例えば、図12のコンテクスト情報取得部62)
をさらに備え、
前記履歴情報管理手段は、前記人物が前記所定場所へ訪問する毎に取得された前記体温情報と前記顔画像情報と前記コンテクスト情報の時系列情報を前記履歴情報として管理する、
ことができる。
【0122】
これにより、人物が前記所定場所へ訪問した際のその人物のs状態と外的状態とのうち少なくとも1以上の状態を示すコンテクスト情報の時系列情報を前提とした、各種各様な所定処理が可能となる。
【0123】
また、本発明が適用される情報処理装置(例えば図12のゲート端末1)は、
所定の人物(例えば、図1等の訪問者Pの個人)又はその属性(例えば、明細書中の訪問者Pの年齢30代男性といった属性)に対応付けて、当該人物が所定場所(例えば、図2乃至図5等の例では店舗、図6乃至図9の例では職場)へ訪問する毎に取得された体温情報と顔画像情報の時系列情報が履歴情報として管理され、当該人物又はその属性に対応付けられた前記履歴情報の少なくとも一部が用いられて、当該人物又はその属性に関する所定処理(例えば、明細書中のマーケティングデータ収集や勤怠管理)を実行する所定処理実行手段(例えば、所定処理実行部64)が実行される他情報処理装置と通信する通信手段(例えば、図12の通信部53)と、
前記所定場所へ訪問したときの前記所定の人物の体温を示す前記体温情報を取得する体温情報取得手段(例えば、図12の体温測定部521)と、
前記所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られた前記所定の人物の前記顔画像情報に基づいて、当該所定の人物を認証するための制御を実行する顔認証制御手段(例えば、図12の顔認証制御部522)と、
前記所定の人物が前記所定場所を訪問して前記顔認証制御手段の制御により認証される毎に、当該所定の人物についての前記顔画像情報と前記体温情報とを、前記通信手段から前記他情報処理装置に送信する制御を実行する送信制御手段(例えば、図12の送信制御部523)と、
を備えれば足りる。
【0124】
また、本発明が適用される情報処理装置(例えば図12のサーバ2)は、
所定場所(例えば、図2乃至図5等の例では店舗、図6乃至図9の例では職場)へ訪問したときの人物の体温を示す体温情報を取得する体温情報取得手段(例えば、図12の体温測定部521)と、
前記所定場所へ訪問したときに撮像された結果得られた前記人物の顔画像情報に基づいて、当該人物を認証するための制御を実行する顔認証制御手段(例えば、図12の顔認証制御部522)と、
前記人物が前記所定場所を訪問して前記顔認証制御手段の制御により認証される毎に、当該人物についての前記顔画像情報と前記体温情報とを送信する制御を実行する送信制御手段(例えば、図12の送信制御部523)と、
を有する他情報処理装置(例えば、図12のゲート端末1)と通信をする情報処理装置であって、
前記他情報処理装置から前記顔画像情報と前記体温情報とが送信される毎に、当該顔画像情報と当該体温情報とを受信する制御を実行する受信制御手段(例えば、図12の受信制御部61)と、
前記顔認証制御手段の制御により認証された前記人物又はその属性に対応付けて、当該人物が前記所定場所へ訪問する毎に取得された前記体温情報と前記顔画像情報の時系列情報を履歴情報として管理する履歴情報管理手段(例えば、図12の履歴情報管理部63)と、
前記人物又はその属性に対応付けられた前記履歴情報の少なくとも一部を用いて、当該人物又はその属性に関する所定処理を実行する所定処理実行手段(例えば、図12の所定処理実行部64)と、
を備えれば足りる。
【0125】
さらに、
前記所定場所は、所定の商品又は役務を前記人物に提供する者により管理される場所であり、
前記所定処理実行手段は、前記所定処理として、前記所定の商品又は役務に関するデータマーケティングを実行する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【0126】
前記所定場所は、前記人物が属する団体(例えば、会社)により管理される場所(例えば、職場、所謂、オフィス)であり、
前記所定処理実行手段は、前記所定処理として、前記団体における前記人物を管理する(例えば、明細書中の勤怠管理)ための処理を実行する、
ことができる。
【0127】
さらに、
前記当該人物が前記所定場所へ訪問した際のコンテクスト情報を取得するコンテクスト情報取得手段(例えば、図12のコンテクスト情報取得部62)
をさらに備え、
前記履歴情報管理手段は、前記人物が前記所定場所へ訪問する毎に取得された前記体温情報と前記顔画像情報と前記コンテクスト情報の時系列情報を前記履歴情報として管理する、
ことができる。
【符号の説明】
【0128】
1・・・ゲート端末、51・・・撮像部、52・・・主制御部、521・・・体温測定部、522・・・顔認証制御部、523・・・送信制御部、53・・・通信部、2・・・サーバ、11・・・CPU、19・・・通信部、30・・・リムーバブルメディア、61・・・受信制御部、62・・・コンテクスト情報取得部、63・・・履歴情報管理部、64・・・所定処理実行部、65・・・送信制御部、18・・・記憶部、71・・・履歴DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16