(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081444
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】高度に動的な用途のためのコンタクトリング
(51)【国際特許分類】
H01R 4/26 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
H01R4/26
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021186053
(22)【出願日】2021-11-16
(31)【優先権主張番号】10 2020 130 634.2
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ブルクハルト
(72)【発明者】
【氏名】ヨッヘン フェアティッヒ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン マーザック
(72)【発明者】
【氏名】フーベルト ポロック
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン シェアー
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン イヴァノフ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンタクト要素間の導電接続を確立するためのコンタクトリングを提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも第1の導電性コンタクト要素と第2の導電性コンタクト要素とを接続するためのコンタクトリング10の形態の圧縮ばねコンタクトに関する。コンタクトリング10は、導電性材料を含む円形リング構造またはトポロジー的に同等の構造を含み、これらの構造は、少なくとも一側に複数の突起104、1004を有し、少なくとも一側に複数の刃18、108を有する。突起104、1004および刃18、108は、コンタクト要素の導電性材料に接触して、コンタクト要素間に導電接続を形成するように配置され、突起104、1004および刃18、108は、コンタクト要素の電気絶縁表面層に貫入する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の導電性コンタクト要素(1)と第2の導電性コンタクト要素(2)とを接続するためのコンタクトリング(10、100)であって、
前記コンタクトリング(10、100)は、
導電性材料を含む円形リング構造、または、導電性材料を含む前記円形リング構造とトポロジー的に同等の構造を含み、
前記円形リング構造、または、前記円形リング構造とトポロジー的に同等の前記構造は、少なくとも一側に複数の突起(104、1004)を含み、
前記円形リング構造、または、前記円形リング構造とトポロジー的に同等の前記構造は、少なくとも一側に複数の刃(18、108)を含み、
前記突起(104、1004)および前記刃(18、108)は、前記コンタクト要素(1、2)の導電性材料に接触して、前記コンタクト要素(1、2)間に導電接続を確立するように構成され、
前記突起(104、1004)および前記刃(18、108)は、前記コンタクト要素の電気絶縁表面層に貫入する、
コンタクトリング(10、100)。
【請求項2】
前記円形リング構造、または、前記円形リング構造とトポロジー的に同等の前記構造は、平坦に配置されている、
請求項1に記載のコンタクトリング(10、100)。
【請求項3】
前記円形リング構造、または、前記円形リング構造とトポロジー的に同等の前記構造は、半径方向のスロットを含む、
請求項1または2に記載のコンタクトリング(10、100)。
【請求項4】
前記突起(104、1004)のそれぞれが、コンタクト要素(1、2)に接続可能なテーパ端部を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載のコンタクトリング(10、100)。
【請求項5】
前記突起(104、1004)うちの少なくとも1つが、ばね接点を形成するために曲がっている、
請求項1から4のいずれか一項に記載のコンタクトリング(10、100)。
【請求項6】
前記刃(18、108)のそれぞれが、コンタクト要素(1、2)に接続可能なテーパ端部を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のコンタクトリング(10、100)。
【請求項7】
前記刃(18、108)のうちの少なくとも一部が、接点を形成するために曲がっている、
請求項1から6のいずれか一項に記載のコンタクトリング(10、100)。
【請求項8】
前記コンタクトリング(10、100)の前記導電性材料が銀めっき銅合金を含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載のコンタクトリング(10、100)。
【請求項9】
内側の前記突起(104)および外側の前記突起(1004)は、リング平面から反対方向に曲がっている、
請求項1から8のいずれか一項に記載のコンタクトリング(10)。
【請求項10】
内側の前記刃(18)および外側の前記刃(108)は、リング平面から反対方向に曲がっている、
請求項1から9のいずれか一項に記載のコンタクトリング(10)。
【請求項11】
5個の突起(104、1004)と6個の刃(18、108)とを各側に有する、
請求項1から10のいずれか一項に記載のコンタクトリング(10)。
【請求項12】
前記コンタクトリング(100)の一側、すなわち外側または内側のみが、突起(104、1004)および刃(18、108)を有する、
請求項1から8のいずれか一項に記載のコンタクトリング(100)。
【請求項13】
前記コンタクトリングは半径方向のスロットを有し、前記スロットの複数の縁部が、リング平面から反対方向に曲がる複数の刃を形成する、
請求項12に記載のコンタクトリング(100)。
【請求項14】
前記コンタクトリングは、16個の突起(104、1004)と9個の刃(18、108)とを前記外側または前記内側に有し、両側には有していない、
請求項13に記載のコンタクトリング(100)。
【請求項15】
前記コンタクトリング(10、100)が前記コンタクト要素のうちの一方に組み込まれている、
請求項1から14のいずれか一項に記載のコンタクトリング(10、100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクト要素を導電的に接続するコンタクトリングに関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトリングは、導電性材料から形成され、したがって、コンタクト要素間の導電接続を確立することができる、圧縮ばねコンタクトの形態で知られている。これらのコンタクトリングは、通常、厚みが薄く、例えば、コンタクト要素の表面に交互に接触するように波形を有する。
【0003】
図1A、
図1Bは、接続部材(connecting member)のない2つのコンタクト要素(
図1A)と、接続部材のある2つのコンタクト要素(
図1B)との従来の配置を示す。
図1Bの接続部材は、従来技術から公知の一般的なコンタクトリングである。コンタクトリングは、厚みが薄く波形であり、通常、ばね鋼(spring steel)から形成されている。ばね鋼は、良好な機械的特性を有するが、電熱特性が不十分であり、これは厚い銀めっきによってもほとんど補うことができない。公知のコンタクトリングの接触部は、通常の接触力では、酸化アルミニウムなどの電気絶縁表面層に確実に貫入することもできない。また、このような接触部は腐食しやすい。
【0004】
コンタクト要素は、導電性材料を含むが、その表面が自然酸化物などの電気絶縁層から形成されており、
図1Bに示すコンタクトリングによって十分な導電性を有して接続することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この問題は、
図1Cに示すコンタクトリングによって解決される。このようなコンタクトリングは、導電性材料、例えば銀めっき銅合金のストリップを閉じて、閉リング状構造を形成することによって形成されている。ストリップは、少なくとも1つの長手方向側に突起を含む。この突起は、コンタクト要素の電気絶縁表面層に貫入することによりコンタクト要素の導電性コア間に導電接続を確立する先端または鋭い縁部を有する。
【0006】
しかしながら、
図1Cによるコンタクトリングをコンタクト要素間に主に弾性的に取り付けることにより、このコンタクトリングの耐振性は制限される。これは、振動の負荷全体が突起を介して伝達されるからである。したがって、突起または他の可撓性構造を、恒久的に高い動的負荷に耐えられるように形成し、寸法決めすることは非常に困難である。したがって、良好な電熱特性と高い耐振性とを組み合わせたコンタクト片が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項において提示される。
【0008】
導電性コアと電気絶縁表面層とを有するコンタクト要素を接続するために、本発明は、導電性材料から形成され、コンタクト要素の電気絶縁表面層をそれぞれ貫通するコンタクト部材を使用し、コンタクト片の全体的に曲がり易い支持を避けるという考えに基づく。
【0009】
本発明によるコンタクト部材は、リングまたはリング状ディスク(ring shaped disk)の形状を有する。本出願において、「リング」および「リング状ディスク」という用語は、円形リング構造および円形リング構造とトポロジー的に同等(topologically equivalent)の構造を指す。より深い理解を得るために、「リング」という用語のみが、以下でさらなる詳細なしに使用される。図面は例として円形リング構造を示すが、円形リング構造とトポロジー的に同等の構造も含まれる。
【0010】
コンタクト部材のリング形状により、特に、円筒形コンタクト要素と対応するベース領域との効率的な接続が可能になる。これは、コンタクト部材が、限られたリング状の設置空間で使用するための適切な構成を有するからである。コンタクト部材は、導電性材料、例えば銀めっき銅合金から形成されたディスクから、より小さい同心のディスクおよび半径方向の要素を除去して、スロットを有する厚みが薄いリングを形成するようにして作製される。銀めっき銅合金の使用は、機械的特性と電熱特性との良好な妥協を示すため有利である。
【0011】
コンタクトリングは、内向き面および外向き面のうちの少なくとも一方に突起を含む。突起は、リング平面から曲がり、コンタクト要素の電気絶縁表面層に貫入することによりコンタクト要素の導電性コア間に導電接続を確立する先端または鋭い縁部を有する。突起を、半径方向(
図1Cのように)または接線方向(
図2のように)に向けることができる。
【0012】
加えて、コンタクトリングは、リング平面から曲がり、先端または鋭い縁部を有し、したがってコンタクト要素の対向面に貫入する刃を含む。刃は、突起の間に等間隔に配置されている。その結果、刃によって、最終的な配置状態で、コンタクトリングとコンタクト要素との密な圧入が可能になる。突起は主に曲げの応力を受け、刃は主に座屈の応力を受ける。したがって、突起は制御された方法で変形し、刃はわずかに変形する。突起のみを備えたリング状ディスクであれば、長手方向に弾性になる。一方、本発明によるリング状ディスクは、刃によって長手方向に補強される。したがって、突起の振動が刃によって緩和されるため、コンタクトリングの全体的な耐振性が高くなる。
【0013】
多数の短い突起を使用することにより、本発明によるコンタクトリングは、多接触の物理的特性の利点から利益を得て、良好な電熱特性(electrothermal properties)を有する。突起はそれぞれ導電接触を確立し、それにより、コンタクト要素間に複数の導電接続が形成されて、多くの短い電流および重複する接触をもたらす。追加の刃は、この効果をさらに高める。
【0014】
コンタクト要素に接触するための平面接触部(planar contact sections)を有する公知のコンタクトリングとは対照的に、本発明によるコンタクトリングの接触部(contact sections)は非常に限られているため、腐食の発生を低減させる。
【0015】
有利な実施形態によれば、突起および刃は、コンタクトリングの内側および外側に交互に配置されている。
【0016】
さらなる有利な実施形態によれば、突起および刃は、コンタクトリングの内側のみまたは外側のみに配置されている。
【0017】
コンタクトリングを、2つのコンタクト要素を含むコンタクトシステムの一部として使用することができ、コンタクトリングは第1のコンタクト要素に組み込まれる。この場合、接触は、第2のコンタクト要素と第1のコンタクト要素に組み込まれたコンタクトリングとの間の一側でのみ行われる。
【0018】
すべての実施形態によるコンタクトリングは、突起および刃の向き、配置、数、および構成に関して高度な適応性を有する。
【0019】
本発明をより深く理解するために、以下の図面に示す実施形態を用いて本発明を詳細に説明する。ここでは、同じ要素は、同じ参照符号および同じ構成要素の指定を用いて指定される。さらに、図示し説明する異なる実施形態のいくつかの特徴または特徴の組合せは、それ自体が独立した本発明の解決策であるか、または本発明による解決策でもあり得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】第1のコンタクト要素および第2のコンタクト要素を示す図である。
【
図1B】公知の実施形態において、コンタクトリングによって接続された
図1Aの2つのコンタクト要素を示す図である。
【
図1C】突起を有するコンタクトリングを示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態によるコンタクトリングを示す図である。
【
図3A】本発明の第1の実施形態によるコンタクトリングをコンタクト要素1と共に示す図である。
【
図3B】本発明の第1の実施形態によるコンタクトリングをコンタクト要素2と共に示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態によるコンタクトリングをコンタクト要素2と共に示す図であり、コンタクト要素2のジャーナル(journal)が、コンタクトリングが配置される溝を有している。
【
図5A】本発明の第2の実施形態によるコンタクトリングを示す図である。
【
図5B】本発明の第2の実施形態によるコンタクトリングをコンタクト要素1と共に示す図である。
【
図5C】本発明の第2の実施形態によるコンタクトリングをコンタクト要素2と共に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下で、
図2~
図5Cを参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0022】
図2~
図4は、本発明の第1の実施形態によるコンタクトリング10を示す。
図2に示すように、コンタクトリング10は、スロット17を有する導電性材料から形成された厚みが薄い(flat:平たい、平坦な)リング状構造を含む。コンタクトリング10は、内向き面104および外向き面1004に突起104、1004を有する。突起104、1004は、リング平面から曲がってテーパ状になっており、コンタクト要素1、2の電気絶縁表面層に貫入することによりコンタクト要素1、2の導電性コア間に導電接続を確立する先端または鋭い縁部を有する。コンタクト要素1、2の対向面の配置に応じて、突起104、1004を半径方向(
図1Cのように)または接線方向(
図2のように)に向けることができる。突起104、1004を接線方向に向けると、より効率的な組立てが可能になるため好ましい。
【0023】
加えて、コンタクトリング10は、内向き面および外向き面にそれぞれ刃18、108を含み、これらの刃108は、リング平面から曲がり、先端または鋭い縁部を有し、したがってコンタクト要素1および2の対向面に貫入する。刃18、108は、突起104、1004の間に均一に配置されていることが好ましいが、必ずしも均一に配置されているとは限らない。その結果、刃18、108によって、最終的な配置状態で、コンタクトリング10とコンタクト要素1、2との密な圧入が可能になる。突起104、1004と比較して、刃18、108はリング平面に対してより大きい角度で配置されるため、変形が少ない。刃18、108はコンタクトリング10を長手方向に補強するため、突起104、1004の振動が緩和され、コンタクトリング10の全体的な耐振性が高くなる。加えて、刃18、108は、より高い接触垂直力(contact normal forces)を有するより多くの接触領域を提供することによって、接触抵抗を低減させる。
【0024】
コンタクトリング10の材料は、銀めっき銅合金を含むことが好ましい。ばね鋼とは対照的に、この材料は良好な機械的特性および良好な電熱特性を有する。
【0025】
図3Aおよび
図3Bは、コンタクトリング10の適用例を示す。コンタクトリング10は、2つのコンタクト要素1、2間に配置されて、突起14、1004および刃18、108によりコンタクト要素1、2の対向配置面に接触するようになっている。コンタクト要素1、2が互いに押し付けられると、突起14、1004および刃18、108の先端または鋭い縁部は、導電性アルミニウムから形成されたコンタクト要素の表面に自然に形成される酸化アルミニウムの層などの電気絶縁表面層に貫入する。
【0026】
したがって、コンタクト要素1、2が、互いを電気的に分離する絶縁表面を含む場合でも、第1のコンタクト要素1の導電性コアと第2のコンタクト要素2の導電性コアとの間のコンタクトリング10によって、導電接続を確立することができる。コンタクトリング10の両側の多数の突起104、1004および刃18、108は、2つのコンタクト要素1、2間の接続の電熱特性に対して物理的に好ましい効果を有する。
【0027】
また、コンタクト要素1、2に接触するための鋭い突起104、1004および刃18、108を有するコンタクトリング10の構造は、コンタクト要素1、2の保護面が損傷を受ける接触部の面積を最小限に抑える。これにより、コンタクト要素1、2の腐食を防ぐことができる。
【0028】
図4は、溝19を有するジャーナル20を含むコンタクト要素2の可能な実施形態を示す。コンタクトリング10は、スロット17によって半径方向に拡張可能であるため、特別な接合プロセスを必要とせずに、ジャーナル20の溝19に挿入および保持することができる。これは閉環状構造では不可能である。
【0029】
図5Aは、本発明の第2の実施形態によるコンタクトリングを単体で示し、
図5Bは、本発明の第2の実施形態によるコンタクトリングをコンタクト要素1と共に示し、
図5Cは、本発明の第2の実施形態によるコンタクトリングをコンタクト要素2と共に示している。第1の実施形態のコンタクトリング10と同様に、コンタクトリング100は、スロット17を有する導電性材料から形成された厚みが薄い(flat:平たい、平坦な)リング状構造を含む。コンタクトリング100は、外向き面に突起1004を有する。突起1004は、リング平面から曲がってテーパ状になっており、コンタクト要素1、2の電気絶縁表面層に貫入することによりコンタクト要素1、2の導電性コア間に導電接続を形成する先端または鋭い縁部を有する。コンタクト要素1、2の対向面の配置に応じて、突起1004を半径方向(
図1Cのように)または接線方向(
図5A~
図5Cのように)に向けることができる。突起1004を接線方向に向けると、より効率的な構造が可能になるため好ましい。
【0030】
加えて、コンタクトリング100は、外向き面に刃108を含み、これらの刃108は、リング平面から曲がり、先端または鋭い縁部を有し、したがってコンタクト要素1、2の対向面に貫入する。刃108は、突起1004の間に均一に配置されていることが好ましいが、必ずしも均一に配置されているとは限らない。その結果、刃によって、最終的な配置状態で、コンタクトリング100とコンタクト要素1、2との密な締まり嵌めが可能になる。突起1004と比較して、刃108は、リング平面に対してより大きい角度で配置されるため、変形が少ない。刃108は、コンタクトリング100を長手方向に補強するため、突起1004の振動が緩和され、コンタクトリング100の全体的な耐振性が高くなる。加えて、刃108は、より高い接触垂直力を有するより多くの接触領域を提供することによって、接触抵抗を低減させる。
【0031】
第2の実施形態によるコンタクトリング100は、外側のみに突起1004および刃108を有し、内側にはこれらを有していないという点で、第1の実施形態によるコンタクトリング10とは異なる。この配置は、コンタクト要素1、2の対向面の配置に応じて逆になることがある。
【0032】
第1の実施形態によるコンタクトリング10と同様に、第2の実施形態によるコンタクトリング100の材料は、良好な機械的特性および良好な電熱特性を有する銀めっき銅合金を含むことが好ましい。コンタクトリング100の設計によって、打抜きおよび曲げによる簡単かつ安価な製造と、非常に良好な組立てとが可能になる。
【符号の説明】
【0033】
1、2 コンタクト要素
3 公知の実施形態のコンタクトリング
4 突起を有するコンタクトリング
10、100 コンタクトリング
14、104 突起、内側の突起
14、1004 突起、外側の突起
15 平坦部
16 閉合部
17 スロット
18 内側の刃
108 外側の刃
19 溝
20 ジャーナル
【外国語明細書】