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特開2022-81448ガスタービンエンジン用の燃料を処理するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081448
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】ガスタービンエンジン用の燃料を処理するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/22 20060101AFI20220524BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20220524BHJP
   F02C 9/40 20060101ALI20220524BHJP
   F23R 3/28 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
F02C7/22 D
F01D25/00 Q
F02C7/22 A
F02C9/40 A
F23R3/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021186718
(22)【出願日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】20208774
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH-5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】デ シモーネ・アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】カペリ・デイヴィッド
(57)【要約】
【課題】発電システム用の燃料を濾過および処理するための効率的なシステムを提供する。
【解決手段】コンテナモジュール内の液体燃料を処理および濾過するためのシステムおよび方法が提供される。本手法は、液体燃料から水、微粒子、および生物学的汚染物質を除去するために、タンクドレイン処理システムの処理流路に沿って原燃料タンクおよびクリーン燃料タンクから液体燃料を流すことを伴う。液体燃料はまた、ガスタービンエンジンへの供給流路に沿って流れる。特に、供給流路は、タンクドレイン処理システム内のものとは異なるセパレータおよびフィルタと、移送ポンプとを含む。統合システムを介して液体燃料を処理することにより、コンテナモジュールの燃料処理システムは、設置を容易にし、使用される空間の量を最小にし、コストを低減する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのタンク(4、22)内の燃料を処理するように構成された燃料処理システム(91)であって、
ハウジング(280)と、
前記ハウジング(280)内に配置され、前記燃料から水、微粒子、および生物学的汚染物質を処理流路に沿って除去するように構成されたタンクドレイン処理システム(2)と、
前記ハウジング(280)内に配置され、供給流路(120、122)に沿って前記燃料をガスタービンエンジン(57)に圧送するように構成された第1の移送ポンプ(26)
とを備える、燃料処理システム(91)
を備えるシステム。
【請求項2】
前記タンクドレイン処理システム(2)の前記処理流路は、少なくとも1つの紫外線ライト(212)を有する生物学的処理システムと、少なくとも1つのフィルタ(30、32、34)を有する微粒子除去システムと、少なくとも1つのセパレータ(36)を有する水除去システムとを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのタンク(4、22)は、原燃料タンク(4)およびクリーン燃料タンク(22)を備える、請求項1乃至2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項4】
前記タンクドレイン処理システム(2)は、前記原燃料タンク(4)および前記クリーン燃料タンク(22)から前記燃料を受け取るように構成され、前記タンクドレイン処理システム(2)は、前記原燃料タンク(4)に前記燃料を戻すように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記燃料処理システム(91)は、前記原燃料タンク(4)から前記クリーン燃料タンク(22)への流路に沿って前記燃料から水を分離するように構成されたセパレータ(36)を備える、請求項3乃至4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記燃料処理システム(91)は、少なくとも1つのフィルタ(30、32、34)を有する微粒子除去システムと、前記クリーン燃料タンク(22)と前記ガスタービンエンジン(57)との間の前記供給流路(120、122)に沿って少なくとも1つのセパレータ(36)を有する水除去システムとを備える、請求項3乃至5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記燃料処理システム(91)は、前記ハウジング(280)内に配置されたコントローラ(42)を備え、前記コントローラ(42)は、1つまたは複数のセンサ(54)を介して前記燃料中の前記水、前記微粒子、および前記生物学的汚染物質を監視するように構成され、前記コントローラ(42)は、前記1つまたは複数のセンサ(54)からのフィードバックに基づいて前記タンクドレイン処理システム(2)および前記第1の移送ポンプ(26)の動作を制御するように構成される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記供給流路(120、122)は、少なくとも1つのフィルタ(30、32、34)を有する微粒子除去システムと、少なくとも1つのセパレータ(36)を有する水除去システムとを備える、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ハウジング(280)は、1つまたは複数の第1のドア(290)を有する第1のアクセス領域(288)と、1つまたは複数の第2のドア(290)を有する第2のアクセス領域(288)とを備え、前記第1のアクセス領域(288)は前記タンクドレイン処理システム(2)へのアクセスを備え、前記第2のアクセス領域(288)は通路、および前記第1の移送ポンプ(26)へのアクセスを備える、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ハウジング(280)は、国際標準化機構によって概説される仕様に従って製造された国際インターモーダルコンテナである、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
第1のトレーラ(84)に配置された前記ガスタービンエンジン(57)と、第2のトレーラ(86)に配置された発電機(82)とを備え、前記発電機(82)は、前記ガスタービンエンジン(57)によって駆動される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
少なくとも1つのタンク(4、22)からタンクドレイン処理システム(2)の処理流路に沿って燃料を流し、水、微粒子、および生物学的汚染物質を前記燃料から除去するステップであって、前記タンクドレイン処理システム(2)は、燃料処理システム(91)のハウジング(280)内に配置される、ステップと、
前記燃料を供給流路(120、122)に沿ってガスタービンエンジン(57)に流すステップであって、前記供給流路(120、122)は、前記燃料処理システム(91)の前記ハウジング(280)内に配置された第1の移送ポンプ(26)を備える、ステップ
とを含む、方法。
【請求項13】
原燃料タンク(4)からクリーン燃料タンク(22)への流路に沿って前記燃料を流すステップを含み、前記流路は、前記燃料から水を分離するように構成されたセパレータ(36)を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ガスタービンエンジン(57)への前記供給流路(120、122)に沿って前記燃料を流すステップは、少なくとも1つのフィルタ(30、32、34)を有する微粒子除去システムおよび少なくとも1つのセパレータ(36)を有する水除去システムを通して前記燃料を流すステップを含み、前記微粒子除去システムおよび前記水除去システムは、前記燃料処理システム(91)の前記ハウジング(280)に結合される、請求項12乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記燃料中の前記水、前記微粒子、および前記生物学的汚染物質を、1つまたは複数のセンサ(54)を介して監視するステップと、
前記1つまたは複数のセンサ(54)からのフィードバックに基づいて、前記タンクドレイン処理システム(2)および前記第1の移送ポンプ(26)の動作を制御するステップ
とを含む、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、ガスタービンエンジンによって駆動される発電機を有する発電システムなどの発電システムのための燃料を処理および濾過するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料処理システムは、燃料中の燃料汚染を除去するために使用されることが多い。適切な濾過による燃料送出およびシステム清浄度の管理は、効率的なエンジン動作を維持するために有益である。発電システムは、燃料の様々な処理のための別個の燃料処理システムを含む場合がある。残念なことに、別個の燃料処理システムは、コストを増加させ、追加の空間を必要とし、別個の燃料処理システム間の追加の接続を必要とし、設置のための追加の時間および労力を必要とする可能性がある。発電システムは、緊急事態において、および/または送電網のための一時的な電力源として使用することができる。したがって、設置に関連する追加の接続、時間、および労力は、電力が必要な場合に特に不利である。したがって、発電システムの確実な動作を保証するために様々な種類の燃料処理を提供しながら、設置プロセスを簡素化する燃料処理システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本明細書で特許請求される発明は、特許請求の範囲で定義される。開示される主題の効果および利点は、明示的に言及されているか否かにかかわらず、以下に提供される開示を考慮すると明らかになるであろう。様々な特許請求の範囲に開示される実施形態および以下で概説される実施形態は、互いに組み合わせ得ることが理解される。さらに、本開示により、当業者には明白かつ明らかであるが、本開示の範囲および特許請求されている主題の範囲内でさらなる実施形態が考えられることが理解されるであろう。
【0004】
特定の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は、特許請求する主題の範囲を限定することを意図しておらず、むしろ、これらの実施形態は、本対象技術の可能な形態の概要を提供することのみを意図している。実際、本発明は、以下に記載される実施形態と類似してもよく、または異なってもよい種々の形態を包含することができる。
【0005】
第1の実施形態では、システムは、少なくとも1つのタンク内の燃料を処理するように構成された燃料処理システムを含む。燃料処理システムは、ハウジングと、ハウジング内に配置されたタンクドレイン処理システムとを含み、タンクドレイン処理システムは、処理流路に沿って燃料から水、微粒子、および生物学的汚染物質を除去するように構成される。燃料処理システムはまた、ハウジング内に配置された第1の移送ポンプを含み、第1の移送ポンプは、ガスタービンエンジンへの供給流路に沿って燃料を圧送するように構成される。
【0006】
第2の実施形態では、方法は、燃料から水、微粒子、および生物学的汚染物質を除去するために、タンクドレイン処理システムの処理流路に沿って少なくとも1つのタンクから燃料を流すステップを含み、タンクドレイン処理システムは、燃料処理システムのハウジング内に配置される。本方法はまた、ガスタービンエンジンへの供給流路に沿って燃料を流すステップを含み、供給流路は、燃料処理システムのハウジング内に配置された第1の移送ポンプを含む。
【0007】
本システムおよび方法のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読解すればより良好に理解され、添付の図面においては、図面全体を通して同様の符号は同様の部分を表している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】タービントレーラ、発電機トレーラ、および発電システムの制御ハウスと併せた、コンテナモジュール内の燃料処理システムの一実施形態の概略ブロック図である。
図2】タンクドレイン処理システムの一実施形態の概略ブロック図である。
図3】コンテナモジュールおよび制御ハウスの一実施形態の概略上面図である。
図4】コンテナモジュールおよび制御ハウスの一実施形態の概略前面図である。
図5】流体接続パネルの一実施形態の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、燃料システムのための本システムおよび方法の1つまたは複数の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態に関する簡潔な説明を提供するために、実際の実施態様に関するすべての特徴について本明細書に説明するわけではない。エンジニアリングまたは設計プロジェクトなどの実際の実施の開発では、開発者の特定の目的を達成するために、例えばシステム関連および事業関連の制約条件への対応など実施に特有の決定を数多く下さなければならず、これらの制約条件は実施ごとに異なる可能性があることを理解されたい。さらに、そのような開発の努力が、複雑かつ時間を必要とするものであり得るが、それでもなお本開示の恩恵を被る当業者にとって設計、製作、および製造の日常的な取り組みにすぎないと考えられることを、理解すべきである。
【0010】
本発明の様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「1つの(a、an)」、「その(the)」、および「前記(said)」は、要素が1つまたは複数あることを意味することが意図される。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、包括的なものであり、列挙された要素以外のさらなる要素が存在し得ることを意味することが意図される。
【0011】
汚染物質が燃料システムに入るのを防止するために、システムがどの程度慎重に設計されているか、またはどの程度慎重に手動介入が実施されているかにかかわらず、水、微粒子、生物学的汚染物質、および他の汚染物質は、依然として燃料システムを汚染する可能性がある。以下でより詳細に説明するように、本明細書に記載の本実施形態は、発電システム用の燃料を濾過および処理するための効率的なシステムを提供する。燃料システムは、ガスタービンシステムで燃焼される処理済み燃料油を提供することができ、ガスタービンシステムでは、ガスタービン発電機が電力網用の電気を生成するために使用されることが多い。結果として、汚染物質を効果的に濾過し、燃料を処理するシステムは、ガスタービン発電機の効率を維持するために有益である。
【0012】
発電システムは、異なる種類の燃料処理を有する複数の別個の燃料処理システム(例えば、異なるゾーン内の分散型および/または独立型の燃料処理システム)を使用する場合がある。発電システムは、移動式(例えば、車輪を有する1つもしくは複数のトレーラ、1つもしくは複数の電動車両、またはそれらの組み合わせ)であってもよいし、固定式であってもよい。残念なことに、別個の燃料処理システムは、設置および運転中にコストおよび複雑さを増加させる可能性がある。例えば、別個の燃料処理システムの設置は、システムを現場に配置し、システム間の接続を行い、互いにおよび/または中央制御システムと相互作用するようにシステムを設定するために追加の時間および人件費を必要とする場合がある。
【0013】
したがって、開示された実施形態は、共通のハウジングまたはコンテナ、例えば移動式コンテナ内に複数の燃料処理サブシステム(例えば、水の除去、微粒子の除去、および生物学的汚染物質の除去)を有する統合燃料処理システムを提供する。例えば、統合燃料処理システムのサブシステムは、複数の別個のコンテナまたはゾーンではなく、単一のコンテナモジュール(例えば、1つのゾーン)に位置することができ、したがって、相互接続の数を最小限に抑え、燃料処理システムの設置プロセスのコストおよび労力を削減する。燃料処理システムのためのコンテナモジュールを有することは、設置を容易にするだけでなく、システムの移動性においても効率性を提供する。
【0014】
コンテナモジュールの燃料処理システムは、原燃料タンクおよびクリーン燃料タンクからの燃料を処理および濾過する。コンテナモジュールは、タンクドレイン処理システムと、脱塩水供給源と、1つまたは複数の移送ポンプと、1つまたは複数のセパレータと、1つまたは複数のフィルタとを含む。タンクドレイン処理システムは、燃料から水、微粒子、および細菌などの生物学的汚染物質を除去することによって、原燃料タンクおよびクリーン燃料タンクからの燃料を浄化する。特に、タンクドレインシステムは、微粒子を除去するためのフィルタと、水を除去するためのセパレータと、生物学的汚染物質を除去するための紫外線(UV)ライトを含有するサブシステムとを含む。脱塩水供給源は、1つまたは複数のセパレータを定期的に(3時間ごと、24時間ごと、または任意の適切な時間間隔)洗浄するために使用される。タンクドレインシステムの構成要素に加えて、コンテナモジュールは、水分および微粒子を除去するための1つまたは複数の追加のセパレータおよびフィルタをさらに含む。1つまたは複数の移送ポンプは、燃料がガスタービントレーラに送られる前に、これらの追加のセパレータおよびフィルタを通して燃料を圧送するように構成される。
【0015】
前述のことを念頭に置いて、以下の図面は、ガスタービンエンジンに提供することができる、燃料を効率的に濾過および処理するためのコンテナモジュール内の統合システムに関する。図1は、燃料処理システム91および制御ハウス40を有するコンテナモジュール90と、タービントレーラ84と、発電機トレーラ86とを含む発電システム150の一実施形態の概略ブロック図である。特定の実施形態では、コンテナモジュール90は、高さ40フィート(または任意の適切な高さ)のISOコンテナであってもよい。ISOコンテナは、国際標準化機構(ISO)によって概説された仕様に従って製造される国際インターモーダルコンテナとして定義することができる。ISOコンテナは、その中の貨物を荷下ろしおよび再度積み込むことなく、様々な輸送方式(すなわち、船舶、列車、トラック)にわたって使用することができる。コンテナモジュール90は、輸送を容易にするためにトレーラに積み込まれてもよい。別の実施形態では、コンテナモジュール90は、移動を容易にするために、それ自体で車輪を有してもよい。
【0016】
コンテナモジュール90は、複数のタイプの燃料処理サブシステムを含む燃料処理システム91を含有する。例えば、燃料処理システム91は、原燃料タンク4およびクリーン燃料タンク22から受け取った燃料から、水分、粒子状物質、および生物学的汚染物質を除去するためのタンクドレイン処理(TDT)システム2を含む。原燃料タンク4は、化石燃料、水素燃料、エタノール、またはバイオディーゼルに由来する液体燃料を含有してもよい。クリーン燃料タンクは、水除去システム(例えば、1つまたは複数のセパレータ8)を介して濾過された原燃料タンク4からの液体燃料を含有することができる。燃料タンクは、様々なサイズおよび形状(長方形、円筒形、または任意の適切な形状)であってもよい。燃料タンクは、閾値時間にわたってガスタービンエンジン57を動作させるのに十分な燃料を貯蔵することができるように設計される。燃料タンクは、一般に、汚染を防止するために閉じたままであるが、定期的に(3時間ごと、10時間ごと、または任意の適切な時間間隔)空気が入ることを可能にするために通気されてもよい。
【0017】
燃料タンク4、22の各々は、燃料を充填する開口部(図示せず)と、燃料を排出するドレイン(すなわち、原燃料タンク4のドレイン6およびクリーン燃料タンク22のドレイン24)とを有することができる。一実施形態では、クリーン燃料タンク22からの液体燃料がガスタービンエンジン57に圧送される間、タンクドレイン処理システム2は、原燃料タンク4およびクリーン燃料タンク22内の燃料から水分、粒子状物質、および生物学的汚染物質を同時に除去する。液体燃料は、原燃料タンク4からドレイン6を介して排出されてもよく、矢印92で示すようにタンクドレイン処理システム2に流れてもよい。同様に、液体燃料は、クリーン燃料タンク22からドレイン24を介して排出されてもよく、矢印92で示すようにタンクドレイン処理システム2に流れてもよい。一例として、タンクドレイン処理システム2は、各タンク4および22の底部から液体燃料を受け取る。
【0018】
タンクドレイン処理システム2は、1つまたは複数のフィルタと、1つまたは複数のセパレータと、1つまたは複数のポンプと、1つまたは複数の紫外線(UV)ライトモジュール(図2に示す212)とを含有する。1つまたは複数のポンプは、原燃料タンク4およびクリーン燃料タンク22の底部からの液体燃料が、タンクドレイン処理システム2の1つまたは複数のフィルタに流れることを可能にする。1つまたは複数のフィルタは、燃料タンク4、22から受け取った液体燃料から粒子状物質を除去する。タンクドレイン処理システム2の1つまたは複数のフィルタを出た後、液体燃料は、液体燃料から水分を除去する1つまたは複数のセパレータに移動する。その後、UVライトモジュールが、液体燃料から細菌などの生物学的汚染物質を除去する。特定の実施形態では、燃料は、フィルタ、セパレータ、およびUVライトモジュールを並列に、および/または任意の順序で直列に流れることができる。以下に、タンクドレイン処理システム2のより詳細な説明を提供する。タンクドレイン処理システム2において燃料が処理された後、システムは、処理された燃料を原燃料タンク4に送る。
【0019】
原燃料タンク4は、矢印96に示すように、ポンプ18を介してセパレータ8に燃料を圧送する。例えば、1つまたは複数のポンプを、原燃料タンク4、ライン96、セパレータ8内、および/またはセパレータ8から上流(例えば、ポンプ18)に配置して、セパレータ8を通して燃料を圧送することができる。セパレータ8は、2つの流体を互いに分離することによって、またはそれらの異なる密度に基づいて流体を固体から分離することによって、水分を低減し、中サイズの微粒子を除去することを目的としている。水は、鋼などの鉄金属を急速に酸化させ、酸化はシステムの構成要素内で見られる場合がある。したがって、セパレータ8は、システムの金属構成要素を損傷するなどの害を引き起こす前に、水分を除去するのに有用である。
【0020】
セパレータ8は、重力だけでなく遠心力を利用して固相または固液相を分離してもよい。例えば、セパレータ8はディスクスタック型遠心分離機であってもよく、その結果、ディスクスタック構造により、より軽い粒子が液体ではなくより重い粒子に追従することが確実となり、したがって分離が改善する。しかしながら、セパレータ210(図2)は、様々なタイプのセパレータを含むことができる。脱塩水供給源12は、脱塩水でセパレータ8を浄化または洗浄する。脱塩水供給源12は、供給された脱塩水を貯蔵する容器16と、脱塩水をセパレータ8に圧送するポンプ14とを含む。ポンプ14および18の例としては、三軸ポンプ、二軸ポンプ、または遠心ポンプを挙げることができる。
【0021】
セパレータ8から放出された水分は、矢印100で示すように、汚水タンク10に導かれてもよい。一方、含有する水分が実質的に少ない液体燃料は、セパレータ8から原燃料タンク4および/またはクリーン燃料タンク22に導かれてもよい。図示されるように、セパレータ8からの液体燃料の一部は、矢印104によって示されるようにクリーン燃料タンク22に送られ、液体燃料の残りの部分は、矢印106によって示されるように移送ポンプ26および28に送られる。特定の実施形態では、セパレータ8からの液体燃料は、各移送ポンプ26および28に別々かつ同時に送られてもよく(例えば、並列配置で)、または液体燃料は、直列配置の移送ポンプ26および28に送られてもよい(例えば、ポンプ26、続いてポンプ28)。
【0022】
移送ポンプ26および28は、より細かい微粒子および残留水を除去するために、液体燃料を追加のフィルタおよびセパレータに圧送してもよい。特定の実施形態では、矢印108で示すように、移送ポンプ26および28は、液体燃料を、第1段フィルタ30などの微粒子除去システム(例えば、1つまたは複数のフィルタ30、32、および34)に圧送することができる。第1段フィルタ30は、液体燃料から汚染物質(例えば、微粒子)を除去するための濾過の第1のサイズ範囲(例えば、4~7ミクロン)を有することができる。第1段フィルタ30から、液体燃料は、矢印112で示す流路に沿って第2段フィルタ32に流れ、第2段フィルタは、液体燃料から汚染物質(例えば、微粒子)を除去するための濾過の第2のサイズ範囲(例えば、1~3ミクロン)を有することができる。
【0023】
特定の実施形態では、デブリの詰まり、部品の破損、または他の問題のために、第1段フィルタ30および第2段フィルタ32が機能しなくなった場合、移送ポンプ26および28は、矢印110で示すように、液体燃料をバイパスフィルタ34に圧送することができる。移送ポンプ26および28は、種類および圧送能力が異なっていてもよく、ポンプ26および28の例としては、三軸ポンプ、二軸ポンプ、または遠心ポンプを挙げることができる。バイパスフィルタ34は、液体燃料から汚染物質(例えば、微粒子)を除去するための濾過の第3のサイズ範囲(例えば、1~3ミクロン)を有することができる。
【0024】
液体燃料は、第1段フィルタ30および第2段フィルタ32を通過した後、またはバイパスフィルタ34を通過した後、矢印116に示すように、水除去システム(例えば、1つまたは複数のセパレータ36)に流れる。セパレータ36は、液体燃料から固相または固液相を分離することができる。例えば、セパレータ36はコアレッサであってもよく、コアレッサは、より軽いまたはより小さい粒子を重力的に排出することができるより大きな粒子に凝集させ、したがって分離を改善する。しかしながら、セパレータ36はまた、様々なサイズおよび形状であってもよい。セパレータ36は、液体燃料から残留水分を除去する役割を果たすことができる。
【0025】
セパレータ36は、供給流路を画定する供給ライン120および122にそれぞれ沿って配置されたバルブ50および52に流体結合される。バルブ50は、セパレータ36からの液体燃料のうちのどれだけが供給ライン120を介してクリーン燃料タンク22に戻されるかを制御し、その一方で、バルブ52は、セパレータ36からの液体燃料のうちのどれだけが供給ライン122を介してガスタービンエンジン57内での燃焼のためにタービントレーラ84に送られるかを制御する。
【0026】
タービントレーラ84は、空気吸入システム56と、ガスタービンエンジン57と、タービン排気コレクタとを含む。燃焼空気吸入システム56は、吸気をガスタービンエンジン57の圧縮機58に送る前に吸気から微粒子および/または水分を除去するように構成された1つまたは複数のエアフィルタを含む。圧縮機58は、ガスタービンエンジン57の燃焼および冷却に使用するために空気を圧縮する、1つまたは複数の圧縮機段(例えば、圧縮機ブレードを有する1~30段)を含む。圧縮機58は、圧縮空気の一部を、1つまたは複数の燃焼器64の1つまたは複数の燃料ノズル62に導く。燃料ノズル62は、燃料を吸入して圧縮空気と混合し、空気-燃料混合物を燃焼に適した比率で1つまたは複数の燃焼器64に分配する。
【0027】
特定の実施形態では、各燃焼器64は、複数の燃料ノズル62を含む。空気-燃料混合物は、各燃焼器64内の燃焼室において燃焼し、それによって高温の加圧排気ガスを生成する。各燃焼器64は、排気ガスを、タービン70を通してタービン排気コレクタへと導く。タービン70は、排気ガスによって駆動される1つまたは複数のタービン段(例えば、タービンブレードを有する1~30段)を含む。タービン排気コレクタは、排気スタックに排気ガスを導くことができ、排気スタックはガスタービンエンジン57からの排気ガスを通気する。
【0028】
排気ガスがタービン70を通過すると、ガスはタービンブレード68に力を作用させ、ガスタービンエンジン57の軸に沿ってシャフト66を回転させる。図示されるとおり、シャフト66は、圧縮機58を含むガスタービンエンジン57の種々の構成要素に接続することができる。圧縮機58はまた、シャフト66に結合されたブレード60を含む。シャフト66が回転すると、圧縮機58内のブレード60も回転し、それによって空気吸入システム56からの空気を圧縮し、圧縮空気を燃料ノズル62および/または燃焼器64に送る。シャフト66はまた、例えば、発電所においてガスタービンエンジン57によって駆動され得る発電機82などの負荷に接続することができる。特に、シャフト66は、カップリング80を介して発電機82に接続されてもよく、発電機82は、発電機トレーラ86の一部であってもよい。
【0029】
発電システム150のタービントレーラ84および発電機トレーラ86は、タービントレーラ84および発電機86が電力を必要とする場所に駆動され得るように、様々な道路での輸送を容易にするための複数の車輪88を含むことができる。コンテナモジュール90、タービントレーラ84、および発電機トレーラ86はまた、コンテナモジュール90内に統合された制御ハウス40に信号を送信することができる複数のセンサ54(「S」で表される)を含む。制御ハウス40は、コンテナモジュール90、タンク4および22、ならびにタービントレーラ84内およびそれらの間の燃料流を調整するコントローラ42を含む。
【0030】
例えば、コントローラ42は、ポンプ14、18、26、および28、バルブ50および52、TDT2、セパレータ8および36などを含むがこれらに限定されない図示の構成要素の各々に通信可能に結合されてもよい。特定の実施形態では、制御ハウス40内のコントローラ42は、燃料タンク4および22内ならびに燃料処理システム91全体の様々な位置の汚染物質(例えば、水、微粒子、および生物学的汚染物質)のレベルを監視し、燃料処理システム91を制御して、各タイプの燃料処理(例えば、フィルタによる濾過、セパレータによる分離、UVライトによる生物学的除去など)の性能を改善し、汚染物質レベルを閾値レベル未満に低減するように構成される。特定の実施形態では、液体燃料中の汚染物質レベルが上限閾値より高い、または上限閾値を超える場合、コントローラ42は、燃料処理システム91を調整して、より長い時間動作させるように、かつ/または下限閾値未満の汚染物質レベルを低減するプロセスをスピードアップするのに適した流量で動作させるように調整するように構成することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、コントローラ42を有する制御ハウス40は、ガスタービンエンジン57を制御するのではなく、燃料処理システム91のみに専用である。しかしながら、コントローラ42を有する制御ハウス40の特定の実施形態は、燃焼、燃料/空気比、排出レベル、出力などを含めてガスタービンエンジン57を制御するように構成することができる。そのような実施形態では、ガスタービンエンジン57は、異なるトレーラ上の別個の制御ハウスを使用しなくてもよい。
【0032】
コントローラ42は、発電システム150を制御するためのソフトウェアプログラムを実行することができる1つまたは複数のプロセッサ44(例えば、マイクロプロセッサ)を含むことができる。さらに、プロセッサ44は、複数のマイクロプロセッサ、1つもしくは複数の「汎用」マイクロプロセッサ、1つもしくは複数の専用マイクロプロセッサ、および/または1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASICS)、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、プロセッサ44は、1つまたは複数の縮小命令セット(RISC)プロセッサを含むことができる。コントローラ42は、制御ソフトウェア、ルックアップテーブル、構成データなどの情報を格納することができるメモリデバイス46を含むことができる。メモリデバイス46は、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))および/または不揮発性メモリ(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または任意の他の適切な光学的、磁気的、もしくは固体状態の記憶媒体、またはそれらの組み合わせ)などの有形の非一時的な機械可読媒体を含むことができる。メモリデバイス46は、様々な目的に適した様々な情報を格納することができる。例えば、メモリデバイス46は、プロセッサ実行のための機械可読命令および/またはプロセッサ実行可能命令48(例えば、ファームウェアまたはソフトウェア)を格納することができる。
【0033】
特定の実施形態では、複数のセンサ54は、コントローラ42に様々な動作データを提供するのに有用な様々なセンサタイプのいずれかであってもよい。例えば、センサ54は、圧縮機58の流れ、圧力、および温度、タービン70の速度、および温度、圧縮機58およびタービン70の振動と共に、排気ガスの流れ、排気ガスの温度、圧力、および排出(例えば、CO、NOx)レベル、燃料のバッチの特性(例えば、炭素含有量、ウォッベ指数、セタン価、オクタン価など)、燃料のバッチの温度、圧縮機58およびタービン70の温度、圧力、クリアランス(例えば、圧縮機58の回転部分と静止部分との間、タービン70の回転部分と静止部分との間、および/または他の静止構成要素と回転構成要素との間の距離)、火炎温度または強度、振動、燃焼ダイナミクス(例えば、圧力、火炎強度などの変動)、発電機82からの発電機データ、タービン70からの出力電力などを監視することができる。センサ54はまた、タービントレーラ84に配置された熱電対、サーミスタなどの温度センサを含むことができる。センサ54はまた、コンテナモジュール90およびタービントレーラ84に配置された、流量計(例えば、差圧式流量計、速度式流量計、質量流量計、容積式流量計、開渠流量計)などの流量センサ、および連続レベルトランスミッタ、超音波トランスデューサ、レーザレベルトランスミッタなどの液面センサなどを含んでよい。さらに、センサ54は、コンテナモジュール90およびタービントレーラ84に含まれる、ピエゾ抵抗圧力センサ、差圧センサ、光圧力センサなどの圧力センサを含んでよい。
【0034】
燃料特性は、例えば、コンテナモジュール90およびタービントレーラ84内のヒューマンオペレータインターフェースを介して、検知され、かつ/またはその他の方法でコントローラ42に提供されてよい。燃料特性は、水分含有量、炭素含有量、化学組成、生物学的汚染物質含有量、比重、周囲温度、エネルギー含有量、特定の「数」(例えば、ウォッベ指数、セタン価、オクタン価など)、またはそれらの組み合わせを含んでよい。
【0035】
例えば、コンテナモジュール90内の液体燃料特性を監視するために、センサ54は、原燃料タンク4およびクリーン燃料タンク22内に、および/または燃料処理システム91全体にわたって燃料を運ぶ任意のラインに位置することができる。これらのセンサ54は、燃料処理システム91における様々な処理ステップの前後の燃料の特性を監視することを支援し、それにより、コントローラ42が、タンクドレイン処理システム2、セパレータ8および36、フィルタ30、32、および34などを通る液体燃料の流れを調整することを支援する。例えば、センサ54は、水分含有量および化学組成などの燃料特性の監視に基づいて流れの方向を調整するために、ポンプ18、26、および28の近くに置くことができる。特定の実施形態では、センサ54は、液体燃料の粒子含有量および含水量を決定するために、セパレータ(例えば、8および36)およびフィルタ(例えば、30および32)に対して上流または下流に位置することができる。脱塩水供給源12とセパレータ8との間に位置するセンサ54は、脱塩水の特性を監視することを支援し、脱塩水がセパレータ8に圧送される時期および量を調整することを支援する。
【0036】
特定の実施形態では、コントローラ42は、センサ54と、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)オペレータインターフェースと、発電機トレーラ86の構成要素を制御するのに適した1つまたは複数のアクチュエータとに通信可能に結合することができる。アクチュエータは、発電機トレーラ86の様々な構成要素を制御するのに適したバルブ、スイッチ、ポジショナ、ポンプなどを含むことができる。コントローラ42は、センサ54からデータを受信することができ、圧縮機58、燃焼器64、タービン68、発電機82などを制御するために使用することができる。
【0037】
前述のことを念頭に置いて、図2は、タンクドレイン処理システム2内の燃料処理プロセスまたは回路200の詳細図である。上述したように、タンクドレイン処理システム2は、燃料から微粒子、水、および生物学的汚染物質を除去する。図2のタンクドレイン処理システム2内の構成要素(例えば、ポンプ、セパレータ、およびフィルタ)は、図1に示すタンクドレイン処理システムの外部の構成要素とは異なることに留意されたい。燃料処理回路200は、矢印222で示すように、1つまたは複数のポンプ204を介して、燃料タンクのタンクドレイン202(例えば、原燃料タンク4のドレイン6および/またはクリーン燃料タンク22のドレイン24)からタンクドレイン処理システム2に液体燃料を圧送するように構成される。ポンプ204は、三軸ポンプ、二軸ポンプ、または遠心ポンプなどの様々なポンプサイズおよび/またはタイプを含むことができる。ポンプ204は、矢印224で示すように、液体燃料をレベルスイッチ構成要素206に圧送することができる。レベルスイッチ構成要素206は、液体燃料中の水分の量を決定する水検出器またはセンサを含むことができる。レベルスイッチ構成要素206が、原燃料タンク4またはクリーン燃料タンク22の底部から回収された液体燃料において水分のみを検出する場合、水分は、矢印228によって示されるように水ドレイン220に導かれてもよい。しかしながら、レベルスイッチ構成要素206が液体燃料中の燃料汚染物質を検出した場合、液体燃料は、矢印226で示すように微粒子除去システム(例えば、第1段フィルタ208などの1つまたは複数のフィルタ)に導かれてもよい。第1段フィルタ208は、液体燃料から汚染物質(例えば、微粒子)を除去するための濾過の第1のサイズ範囲(例えば、4~7ミクロン)を有することができる。第1段フィルタ208の後、液体燃料は、矢印230で示すように、水除去システム(例えば、1つまたは複数のセパレータ210)に流れる。
【0038】
セパレータ36と同様に、セパレータ210は液体燃料から固相または固液相を分離することができる。例えば、セパレータ210はコアレッサであってもよく、コアレッサは、重力的に排出することができるより軽いまたはより小さい粒子を凝集させ、したがって分離を改善する。しかしながら、セパレータ210は、様々なタイプのセパレータを含むことができる。セパレータ210は、液体燃料から任意の残留水分を除去する役割を果たすことができる。水および微粒子が液体燃料から実質的にまたは完全に除去された後、セパレータ210からの液体燃料は、矢印234によって示されるように生物学的処理システム(例えば、紫外線(UV)ライトシステム212)に送られてもよい。セパレータ210を介して液体燃料から分離された水分は、矢印232で示すように、水ドレイン220に導かれる。
【0039】
UVライトシステム212は、1つまたは複数の紫外線ライト216を含む。UVライトシステム212は、細菌、ウイルス、およびシストなどの生物学的汚染物質を除去し、UVライト216を介して生成される殺菌紫外線波長により無機成長を抑制する。254ナノメートル波長または任意の他の適切な波長のUV放射線などの閾値量のエネルギーにより、病原性微生物のDNAは、微生物が不活性となり、再生できないように破壊される。UVシステム212は、クリプトスポリジウム、ジアルジア、赤痢菌、サルモネラ、結核菌、連鎖球菌、大腸菌、B型肝炎、コレラ、藻類、真菌、他の細菌、他のウイルス、およびそれらの任意の組み合わせに関して液体燃料を処理する。コントローラ42は、液体燃料がUVライト216にさらされる期間(例えば、1分ごと、1時間ごと、または任意の適切な時間間隔ごと)および暴露の持続時間(10分、1時間、または任意の適切な時間間隔)を調整することができる。例えば、コントローラ42は、液体燃料の流量、したがって液体燃料が各UVライト216によって処理される暴露時間を調整するようにバルブ214を制御することができる。図示の実施形態では、バルブ214は、UVライト216に対して上流および下流に配置され、それにより、バルブ214は、液体燃料が生物学的汚染物質を実質的にまたは完全に含まないことを確実にするのを支援するために、UV処理領域を通過する燃料(例えば、体積、流量、滞留時間など)をより正確に制御することができる。バルブ214はまた、矢印236(または図1に示す矢印94)によって示されるように、原燃料タンク4への液体燃料の流れを調整する。
【0040】
タンクドレイン処理システム2内の液体燃料特性を監視するために、センサ54(「S」で表される)をタンクドレイン処理システム2全体に分散させることができる。例えば、センサ54は、タンク4および22の底部またはその近くの汚染物質(例えば、水、微粒子、および/または生物学的汚染物質)を監視するために、タンクドレイン202またはその近くの液体燃料(例えば、原燃料タンク4のドレイン6またはクリーン燃料タンク22のドレイン24)に位置してもよい。次に、センサ54からのフィードバック(例えば、汚染物質のパーセンテージまたはレベル)をコントローラ42によって使用して、ポンプ204を介したタンクドレイン処理システム2への液体燃料流のタイミング、持続時間、および流量を制御することができる。センサ54はまた、液体燃料中の微粒子、水、および生物学的汚染物質の含有量を決定するために、フィルタ208、セパレータ210の近く、およびUVライトシステム212内に位置してもよい。さらに、またはあるいは、センサ54をポンプ204およびレベルスイッチ206の近くに置くことによって、液体燃料特性(水分含有量および化学組成など)を監視することができ、監視される燃料特性に基づいて流れの方向を調整する。コントローラ42は、センサ54に通信可能に結合され、センサからデータを受信することができ、液体燃料中の汚染物質(例えば、水、微粒子、および生物学的汚染物質)のレベルを閾値レベル未満に低下させることを支援するようにタンクドレイン処理システム2を制御することができる。
【0041】
上述したコンテナモジュール90における燃料処理システム91の機能と共に、コンテナモジュール90の構造をここで説明する。図3は、燃料処理システム91および制御ハウス40を有するコンテナモジュール90の概略上面図である。コンテナモジュール90は、複数の壁282と、天井または屋根284と、および底部支持構造または床286(図4を参照)とを有するハウジングまたはエンクロージャ280(例えば、金属製エンクロージャ)を含む。壁282はまた、取り外し可能なパネルまたはドア290を有する複数のアクセス開口部288(またはアクセス領域)を含む。図示の実施形態では、エンクロージャ280は、対向する第1および第2の遠位端294および296の間で長手方向軸292に沿って細長であり、また、エンクロージャ280は、第1および第2遠位端294および296の間で軸方向に延びる対向壁282(例えば、対向する側面または側壁298および300)を含む。タンクドレイン処理システム2は、第1の遠位端294に隣接してエンクロージャ280の内部に配置され、制御ハウス40は、第2の遠位端296に隣接してエンクロージャ280の内部に配置される。第2の遠位端296は、エンクロージャ280内の制御ハウス40および燃料処理システム91の様々な構成要素に結合された接続パネル302(例えば、流体接続パネル)を有する。接続パネル302は、コンテナモジュール90をタンク4および22、ガスタービンエンジン57、ならびに任意の他の関連機器に接続するための電気接続部および流体接続部を含むことができる。以下では、接続パネル302との接続について、より詳細に説明する。
【0042】
第1の遠位端294において、エンクロージャ280のアクセス開口部288のうちの一方は、取り外し可能なパネルまたはドア290(例えば、ヒンジ311および313を介してエンクロージャ280に結合されたヒンジ付きドア310および312)と、階段304とを有する。オペレータまたはサービス技術者は、ユーザの監視および制御、整備、ならびに修理を含む様々な理由で、階段304、アクセス開口部288、ならびにドア310および312を使用して、タンクドレイン処理システム2にアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、オペレータまたはサービス技術者は、第1の遠位端294を介して燃料処理システム91の他の構成要素にアクセスすることができてもよい。さらに、特定の実施形態では、第2の遠位端296は、制御ハウス40へのアクセスを可能にするために、第1の遠位端294と同様の構成(例えば、階段304、アクセス開口部288、およびドア310および312)を含んでもよい。
【0043】
エンクロージャ280の側壁298および300の一方または両方はまた、1つまたは複数のアクセス開口部288およびドア290を含むことができる。図示の実施形態では、側壁298は、1つまたは複数のアクセス開口部288およびドア290(例えば、第1のマルチセクションドア314および第2のマルチセクションドア316)を有する。例えば、第1の側壁298において、アクセス開口部288は、第1および第2の遠位端294および296の間のエンクロージャ280の全長または実質的に全長(例えば、全長の80、85、90、または95%)を覆ってもよい。第1のマルチセクションドア314は、ヒンジ322を介して互いに結合された第1および第2のドアセクション318および320を含み、第1のドアセクション318はヒンジ324を介してエンクロージャ280に結合されている。同様に、第2のマルチセクションドア316は、ヒンジ330を介して互いに結合された第1および第2のドアセクション326および328を含み、第1のドアセクション326はヒンジ332を介してエンクロージャ280に結合されている。第1および第2のマルチセクションドア314および316の各々は、第1の位置については破線で示され、第2の位置については実線で示されるように、2つの異なる位置に示されている。
【0044】
第1および第2のマルチセクションドア314および316は、エンクロージャ280内へのアクセス、より具体的には、タンクドレイン処理システム2(またはその少なくとも一部)、セパレータ8および36、ポンプ26および28、フィルタ30、32、および34、ならびに制御ハウス40へのアクセスを可能にするために回転して開くように構成される。側壁298に沿ったアクセス開口部288はまた、制御ハウス40に隣接して配置することができる階段306を含む。第1および第2のマルチセクションドア314および316は、ドアセクションのサイズおよび数が異なってもよく、同時にまたは互いに独立して開閉してもよい。いくつかの実施形態では、側壁298は、第1および第2のマルチセクションドア314および316の一方もしくは両方の代わりに、またはそれらに加えて、1つまたは複数のスライドドア290を含んでもよい。エンクロージャ280の屋根284はまた、中央通気口334などの1つまたは複数の通気口を含むことができる。
【0045】
図4は、第1および第2のマルチセクションドア314および316が開位置にある(明確にするために取り外されている)第1の側壁298に沿ったコンテナモジュール90の概略正面図350であり、エンクロージャ280の内部の燃料処理システム91および制御ハウス40の構成要素の配置構成をさらに示す。入口または出口として機能する階段304は、タンクドレイン処理システム2の近くにおいて、コンテナモジュール90の第1の遠位端294に位置する。別の入口または出口として機能する階段306は、第2の遠位端296において制御ハウス40に隣接する第1の側壁298に沿って位置する。図4において、移送ポンプ26および28から制御ハウス40へと、または制御ハウス40に向かって広がる破線の水平線は、図1にも示されるように、エンクロージャ280の内側の通路354(例えば、手すり352にほぼ平行)に直接隣接する手すり352を表す。通路354は、移送ポンプ26および28、フィルタ30、32、および34、セパレータ36、ならびに制御ハウス40に隣接して、エンクロージャ280に沿って長手方向に延びている。したがって、階段306および通路354を使用して、オペレータまたはサービス技術者は、エンクロージャ280に入り、検査、調節または制御、およびメンテナンスのためにこれらの構成要素(26、28、30、32、34、36、40)のそれぞれに容易にアクセスすることができる。オペレータまたはサービス技術者はまた、通路354および/またはアクセス開口部288を介して、タンクドレイン処理システム2、セパレータ8、および/または脱塩水供給源12にアクセスすることができる。
【0046】
図5は、接続パネル302の一実施形態の概略図であり、コンテナモジュール90内の燃料処理システム91の適切なシステムまたは構成要素に通じる1つまたは複数の導管に結合された流体ポート422、424、426、428、および430の構成400を示す。流体ポート422、424、426、428、および430は、図1に示すように、外部構成要素(すなわち、コンテナモジュール90の外側)に取り外し可能に結合されるように構成される。例えば、流体ポート422、424、426、428、および430は、ねじ付きコネクタ、クォータターンコネクタ、プッシュプルコネクタ、クイックディスコネクトコネクタ、または1つもしくは複数のシールを有する任意の適切なコネクタを含むことができる。
【0047】
流体ポート422は、矢印412で示すように、液体燃料を原燃料タンク4に送るように構成された導管に接続することができる。原燃料タンク4は、矢印402で示すように、導管を介してセパレータ8(図1参照)に結合されたセパレータ入口406に液体燃料を送るように構成される。流体ポート424は、矢印414で示すように、液体燃料(例えば、燃料流出)を燃料処理システム91からクリーン燃料タンク22に送るために導管に接続することができる。流体ポート426は、矢印416で示すように、液体燃料(例えば、クリーン燃料)を燃料処理システム91からクリーン燃料タンク22に送るために導管に接続することができる。クリーン燃料タンク22は、矢印404で示すように、液体燃料(例えば、クリーン燃料)を、導管を通して燃料ポンプ入口408(例えば、図1の移送ポンプ26および28)に送るように構成される。流体ポート428は、矢印418で示すように、液体燃料(例えば、燃料流出)を、導管を通してドレイン出口432に送るように構成される。さらに、流体ポート430は、矢印420で示すように、液体燃料(例えば、クリーン燃料)を燃焼器(例えば、発電機82に結合されたガスタービンエンジン57の燃料ノズル62)に送るために導管に接続するように構成される。流体接続パネル302は、単に本明細書に記載の流体ポートに限定されず、むしろ流体ポート422、424、426、428、および430は、制御ハウス40、コンテナモジュール90、タンク4および22、ならびにガスタービンエンジン57の間の接続の例として機能する。
【0048】
本開示の技術的効果は、移動式発電システムへの輸送および接続を容易にするためにコンテナモジュール90内に全体的に配置された燃料処理システム91を含む。コンテナモジュール90の燃料処理システム91は、原燃料タンク4およびクリーン燃料タンク22からの燃料を処理および濾過する。コンテナモジュール90は、タンクドレイン処理システム2と、脱塩水供給源12と、1つまたは複数のポンプ18、26、および28と、1つまたは複数のセパレータ8および36と、1つまたは複数のフィルタ30、32、および34とを含む。タンクドレイン処理システム2は、燃料からセパレータ210を介して水、フィルタ208を介して微粒子、およびUVライトシステム212を介して生物学的汚染物質(細菌など)を除去することによって、原燃料タンク4およびクリーン燃料タンク22からの燃料を浄化する。タンクドレインシステム2の構成要素に加えて、コンテナモジュール90は、水分および微粒子を除去するための追加のセパレータ(例えば、セパレータ8、セパレータ36)およびフィルタ(例えば、第1段フィルタ30、第2段フィルタ32、バイパスフィルタ34)を含む。移送ポンプ26および28は、燃料がタービントレーラ84に送られて発電機トレーラ86内の発電機82に動力を供給する前に、これらの追加のセパレータ8および36ならびにフィルタ30、32、および34を通るように燃料を圧送する。様々なサブシステムを統合する燃料処理システム91のためのコンテナモジュール90は、設置を容易にし、使用される空間の量を最小にし、燃料処理システムを開発および実行する際の全体的なコストおよび労力を低減する。
【0049】
本明細書は、最良の態様を含む本発明を開示するために、ならびにどのような当業者も、任意の装置またはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実行を含む本発明の実践を可能にするために、実施例を使用している。本明細書で特許請求される本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【符号の説明】
【0050】
2 タンクドレイン処理システム
4 原燃料タンク
6 ドレイン
8 セパレータ
10 汚水タンク
12 脱塩水供給源
14 ポンプ
16 容器
18 ポンプ
22 クリーン燃料タンク
24 ドレイン
26 移送ポンプ
28 移送ポンプ
30 第1段フィルタ
32 第2段フィルタ
34 バイパスフィルタ
36 セパレータ
40 制御ハウス
42 コントローラ
44 プロセッサ
46 メモリデバイス
48 プロセッサ実行可能命令
50 バルブ
52 バルブ
54 センサ
56 燃焼空気吸入システム
57 ガスタービンエンジン
58 圧縮機
60 ブレード
62 燃料ノズル
64 燃焼器
66 シャフト
68 タービン、タービンブレード
70 タービン
80 カップリング
82 発電機
84 タービントレーラ
86 発電機トレーラ、発電機
88 車輪
90 コンテナモジュール
91 燃料処理システム
92 矢印
94 矢印
96 矢印、ライン
100 矢印
104 矢印
106 矢印
108 矢印
110 矢印
112 矢印
116 矢印
120 供給ライン
122 供給ライン
150 発電システム
200 燃料処理回路、燃料処理プロセス
202 タンクドレイン
204 ポンプ
206 レベルスイッチ、レベルスイッチ構成要素
208 第1段フィルタ
210 セパレータ
212 紫外線(UV)ライトシステム
214 バルブ
216 紫外線ライト、UVライト
220 水ドレイン
222 矢印
224 矢印
226 矢印
228 矢印
230 矢印
232 矢印
236 矢印
280 エンクロージャ、ハウジング
282 対向壁
284 天井、屋根
286 底部支持構造または床
288 アクセス開口部
290 パネルまたはドア、スライドドア
292 長手方向軸
294 第1の遠位端
296 第2の遠位端
298 第1の側壁
300 側壁
302 流体接続パネル
304 階段
306 階段
310 ヒンジ付きドア
311 ヒンジ
312 ヒンジ付きドア
313 ヒンジ
314 第1のマルチセクションドア
316 第2のマルチセクションドア
318 第1のドアセクション
320 第2のドアセクション
322 ヒンジ
324 ヒンジ
326 第1のドアセクション
328 第2のドアセクション
330 ヒンジ
332 ヒンジ
334 中央通気口
350 概略正面図
352 手すり
354 通路
400 構成
402 矢印
404 矢印
406 セパレータ入口
408 燃料ポンプ入口
412 矢印
414 矢印
416 矢印
418 矢印
420 矢印
422 流体ポート
424 流体ポート
426 流体ポート
428 流体ポート
430 流体ポート
432 ドレイン出口
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】