(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081451
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】半導体ストリップ切断及び分類設備における空気噴射装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20220524BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20220524BHJP
【FI】
H01L21/78 F
G01R31/26 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187038
(22)【出願日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0155933
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヨン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ホ チョン
【テーマコード(参考)】
2G003
5F063
【Fターム(参考)】
2G003AA07
2G003AF05
2G003AG11
5F063AA37
5F063BA17
5F063DD01
5F063DD99
5F063FF13
(57)【要約】
【課題】個別化された半導体パッケージに残っている洗浄液を迅速かつ効果的に除去することができる空気噴射装置、及び該空気噴射装置を含む半導体ストリップ切断及び分類装備を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態に係る半導体ストリップ切断及び分類設備で個別化されたパッケージを乾燥させるための空気噴射装置は、ハウジングと、前記ハウジングの一側に設けられた空気流入口と、前記ハウジングの内部で前記空気流入口の周辺に配置されたヒーターと、前記ヒーターから発生した熱エネルギーを伝達する熱伝導フィルムと、前記ハウジングの他側に設けられた空気排出口と、を含む。本発明の実施形態によれば、ヒーター及び熱伝導フィルムによって熱エネルギーを有する空気がパッケージに噴射されるようすることにより、パッケージに残っている水気を効果的に除去することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ストリップ切断及び分類設備で個別化されたパッケージを乾燥させるための空気噴射装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングの一側に設けられた空気流入口と、
前記ハウジングの内部で前記空気流入口の周辺に配置されたヒーターと、
前記ヒーターから発生した熱エネルギーを伝達する熱伝導フィルムと、
前記ハウジングの他側に設けられた空気排出口と、を含む、空気噴射装置。
【請求項2】
前記空気排出口の断面積は外部に向かうほど狭くなる、請求項1に記載の空気噴射装置。
【請求項3】
前記空気排出口は、
垂直方向に設けられた第1排出口と、
前記垂直方向から一定の角度だけ傾いた方向に設けられた第2排出口と、
前記第2排出口の反対方向に一定の角度だけ傾いた方向に設けられた第3排出口と、を含む、請求項1に記載の空気噴射装置。
【請求項4】
前記パッケージの位置に基づいて、前記第1排出口、第2排出口及び第3排出口それぞれの開閉を調節する開閉調節ユニットをさらに含む、請求項3に記載の空気噴射装置。
【請求項5】
前記熱伝導フィルムは前記ヒーターと前記空気排出口との間に位置する、請求項1に記載の空気噴射装置。
【請求項6】
前記ハウジングの内部に配置された温度センサーをさらに含む、請求項1に記載の空気噴射装置。
【請求項7】
前記ヒーターの出力は、前記温度センサーによって測定された前記ハウジングの内部の温度に応じて調節される、請求項6に記載の空気噴射装置。
【請求項8】
半導体ストリップ切断及び分類設備で個別化されたパッケージを乾燥させるためのパッケージ乾燥装置において、
前記パッケージが装着されるベース、及び前記ベースを回転させるための回転軸を含む反転テーブルと、
前記反転テーブルに装着された前記パッケージを乾燥させるための空気を噴射する空気噴射ユニットと、
前記反転テーブルから前記パッケージを収容するパレットテーブルと、を含み、
前記空気噴射ユニットは、
ハウジングと、
前記ハウジングの一側に設けられた空気流入口と、
前記ハウジングの内部で前記空気流入口の周辺に配置されたヒーターと、
前記ヒーターから発生した熱エネルギーを伝達する熱伝導フィルムと、
前記ハウジングの他側に設けられた空気排出口と、を含む、パッケージハンドリング装置。
【請求項9】
前記空気排出口の断面積は外部に向かうほど狭くなる、請求項8に記載のパッケージハンドリング装置。
【請求項10】
前記空気排出口は、
垂直方向に設けられた第1排出口と、
前記垂直方向から一定の角度だけ傾いた方向に設けられた第2排出口と、
前記第2排出口の反対方向に一定の角度だけ傾いた方向に設けられた第3排出口と、を含む、請求項8に記載のパッケージハンドリング装置。
【請求項11】
前記パッケージの位置に基づいて、前記第1排出口、第2排出口及び第3排出口それぞれの開閉を調節する開閉調節ユニットをさらに含む、請求項10に記載のパッケージハンドリング装置。
【請求項12】
前記熱伝導フィルムは前記ヒーターと前記空気排出口との間に位置する、請求項8に記載のパッケージハンドリング装置。
【請求項13】
前記ハウジングの内部に配置された温度センサーをさらに含む、請求項8に記載のパッケージハンドリング装置。
【請求項14】
前記ヒーターの出力は、前記温度センサーによって測定された前記ハウジングの内部の温度に応じて調節される、請求項13に記載のパッケージハンドリング装置。
【請求項15】
半導体ストリップ切断及び分類設備であって、
複数のパッケージが配置された半導体ストリップが積載されるローディングユニットと、
前記半導体ストリップを切断して個別化された半導体パッケージを移送する切断ユニットと、
前記半導体パッケージを乾燥及び検査してトレイに収納する分類ユニットと、を含み、
前記分類ユニットは、
前記パッケージが装着され、移送ガイドに沿って移動するベース、及び前記ベースを回転させるための回転軸を含む反転テーブルと、
前記反転テーブルに装着された前記パッケージを乾燥させる空気噴射ユニットと、
前記反転テーブルから前記パッケージを収容するパレットテーブルと、を含み、
前記空気噴射ユニットは、
ハウジングと、
前記ハウジングの一側に設けられた空気流入口と、
前記ハウジングの内部で前記空気流入口の周辺に配置されたヒーターと、
前記ヒーターから発生した熱エネルギーを伝達する熱伝導フィルムと、
前記ハウジングの他側に設けられた空気排出口と、を含む、半導体ストリップ切断及び分類設備。
【請求項16】
前記空気排出口の断面積は外部に向かうほど狭くなる、請求項15に記載の半導体ストリップ切断及び分類設備。
【請求項17】
前記空気排出口は、
垂直方向に設けられた第1排出口と、
前記垂直方向から一定の角度だけ傾いた方向に設けられた第2排出口と、
前記第2排出口の反対方向に一定の角度だけ傾いた方向に設けられた第3排出口と、を含む、請求項15に記載の半導体ストリップ切断及び分類設備。
【請求項18】
前記パッケージの位置に基づいて、前記第1排出口、第2排出口及び第3排出口それぞれの開閉を調節する開閉調節ユニットをさらに含む、請求項17に記載の半導体ストリップ切断及び分類設備。
【請求項19】
前記熱伝導フィルムは前記ヒーターと前記空気排出口との間に位置する、請求項15に記載の半導体ストリップ切断及び分類設備。
【請求項20】
前記ハウジングの内部に配置された温度センサーをさらに含み、
前記ヒーターの出力は、前記温度センサーによって測定された前記ハウジングの内部の温度に応じて調節される、請求項15に記載の半導体ストリップ切断及び分類設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ストリップ切断及び分類設備における空気噴射装置に係り、より具体的には、個別化されたパッケージを迅速かつ効果的に乾燥させるための空気噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程は、ウエハ上に半導体素子を製造するための工程であって、例えば、露光、蒸着、エッチング、イオン注入、洗浄などを含む。半導体ストリップ切断及び分類装備は、複数のパッケージが配置されたストリップをパッケージ単位で切断して個別化し、各パッケージに対する洗浄、乾燥、検査を介して良好又は不良状態を区分して、最終的な収納容器であるトレイにそれぞれ分類して積載する。
【0003】
各パッケージに対する検査は、カメラなどのビジョン検査装置を用いて行われ、精密な検査のために、各パッケージに対しては、検査の妨げになるおそれのある異物が除去されなければならない。切断されたパッケージの洗浄に使用された洗浄液も、検査過程で邪魔になるおそれがあるので、パッケージに洗浄液が残っていないように管理する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の実施形態は、個別化された半導体パッケージに残っている洗浄液を迅速かつ効果的に除去することができる空気噴射装置、及び該空気噴射装置を含む半導体ストリップ切断及び分類装備を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の解決課題は、上述したものに限定されず、上述していない他の解決課題は、以降の記載から当業者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る半導体ストリップ切断及び分類設備で個別化されたパッケージを乾燥させるための空気噴射装置は、ハウジングと、前記ハウジングの一側に設けられた空気流入口と、前記ハウジングの内部で前記空気流入口の周辺に配置されたヒーターと、前記ヒーターから発生した熱エネルギーを伝達する熱伝導フィルムと、前記ハウジングの他側に設けられた空気排出口と、を含む
【0007】
本発明の実施形態によれば、前記空気排出口の断面積は、外部に向かうほど狭くなることができる。
【0008】
本発明の実施形態によれば、前記空気排出口は、垂直方向に設けられた第1排出口と、前記垂直方向から一定の角度だけ傾いた方向に設けられた第2排出口と、前記第2排出口の反対方向に一定の角度だけ傾いた方向に設けられた第3排出口と、を含むことができる。
【0009】
本発明の実施形態によれば、前記空気噴射装置は、前記パッケージの位置に基づいて、前記第1排出口、第2排出口及び第3排出口それぞれの開閉を調節する開閉調節ユニットをさらに含むことができる。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記熱伝導フィルムは、前記ヒーターと前記空気排出口との間に位置することができる。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記空気噴射装置は、前記ハウジングの内部に配置された温度センサーをさらに含むことができる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記ヒーターの出力は、前記温度センサーによって測定された前記ハウジングの内部の温度に応じて調節されることができる。
【0013】
本発明の実施形態に係る半導体ストリップ切断及び分類設備で個別化されたパッケージを乾燥させるためのパッケージ乾燥装置は、前記パッケージが装着されるベースと、前記ベースを回転させるための回転軸を含む反転テーブルと、前記反転テーブルに装着された前記パッケージを乾燥させるための空気を噴射する空気噴射ユニットと、前記反転テーブルから前記パッケージを収容するパレットテーブルと、を含む。前記空気噴射ユニットは、ハウジングと、前記ハウジングの一側に設けられた空気流入口と、前記ハウジングの内部で前記空気流入口の周辺に配置されたヒーターと、前記ヒーターから発生した熱エネルギーを伝達する熱伝導フィルムと、前記ハウジングの他側に設けられた空気排出口と、を含む。
【0014】
本発明の実施形態に係る半導体ストリップ切断及び分類設備は、複数のパッケージが配置された半導体ストリップが積載されるローディングユニットと、前記半導体ストリップを切断して個別化された半導体パッケージを移送する切断ユニットと、前記半導体パッケージを乾燥及び検査してトレイに収納する分類ユニットと、を含む。前記分類ユニットは、前記パッケージが装着され、移送ガイドに沿って移動するベース、及び前記ベースを回転させるための回転軸を含む反転テーブルと、前記反転テーブルに装着された前記パッケージを乾燥させる空気噴射ユニットと、前記反転テーブルから前記パッケージを収容するパレットテーブルと、を含む。前記空気噴射ユニットは、ハウジングと、前記ハウジングの一側に設けられた空気流入口と、前記ハウジングの内部で前記空気流入口の周辺に配置されたヒーターと、前記ヒーターから発生した熱エネルギーを伝達する熱伝導フィルムと、前記ハウジングの他側に設けられた空気排出口と、を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によれば、ヒーター及び熱伝導フィルムによって熱エネルギーを有する空気がパッケージに噴射されるようにすることにより、パッケージに残っている水気を効果的に除去することができる。
【0016】
本発明の効果は、上述したものに限定されず、上述していない他の効果は、以降の記載から当業者に明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態による半導体ストリップ切断及び分類設備の概略的な構造を示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る空気噴射装置の概略的な構造を示す。
【
図4】本発明の実施形態に係る空気噴射装置の概略的な構造を示す。
【
図5】本発明の実施形態に係る多重方向排出口を含む空気噴射装置の概略的な構造を示す。
【
図6】本発明の実施形態に係る多重方向排出口を含む空気噴射装置を用いたパッケージの乾燥過程を示す。
【
図7】本発明の実施形態に係る多重方向排出口を含む空気噴射装置を用いたパッケージの乾燥過程を示す。
【
図8】本発明の実施形態に係る多重方向排出口を含む空気噴射装置を用いたパッケージの乾燥過程を示す。
【
図9】本発明の実施形態に係る開閉調節ユニットが備えられた多重方向排出口を含む空気噴射装置の概略的な構造を示す。
【
図10】本発明の実施形態に係る開閉調節ユニットが備えられた多重方向排出口を含む空気噴射装置を用いたパッケージの乾燥過程を示す。
【
図11】本発明の実施形態に係る開閉調節ユニットが備えられた多重方向排出口を含む空気噴射装置を用いたパッケージの乾燥過程を示す。
【
図12】本発明の実施形態に係る開閉調節ユニットが備えられた多重方向排出口を含む空気噴射装置を用いたパッケージの乾燥過程を示す。
【
図13】本発明の実施形態に係る開閉調節ユニットが備えられた多重方向排出口を含む空気噴射装置を用いたパッケージの乾燥過程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。本発明は、様々に異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0019】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたって、同一又は類似の構成要素については同一の参照符号を付する。
【0020】
また、幾つかの実施形態において、同一の構成を有する構成要素については、同一の符号を使用して代表的な実施形態でのみ説明し、それ以外の他の実施形態では、代表的な実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
【0021】
明細書全体にわたって、ある部分が他の部分と「連結(又は結合)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(又は結合)」されている場合だけでなく、別の部材を挟んで「間接的に連結(又は結合)」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0022】
他に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を持っている。一般的に使用される辞典に定義されている用語は、関連技術の文脈上持つ意味と一致する意味を持つものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0023】
図1は本発明の実施形態による半導体ストリップ切断及び分類設備10の概略的な構造を示す。
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る半導体ストリップ切断及び分類設備10は、ローディングユニット100、切断ユニット200、及び分類ユニット300を含む。
【0024】
本発明の実施形態に係る半導体ストリップ切断及び分類設備10は、複数のパッケージが配置された半導体ストリップSが積載されるローディングユニット100と、半導体ストリップSを切断して個別化されたパッケージPを移送する切断ユニット200と、パッケージPを乾燥及び検査してトレイに収納する分類ユニット300と、を含む。
【0025】
ローディングユニット100は、外部から移送された半導体ストリップSを切断ユニット200の一時保管ユニット205に伝達する。
図1に詳細に示されていないが、ローディングユニット100は、半導体ストリップSが積載されるマガジンと、半導体ストリップSを押して伝達するプッシャーと、を含むことができる。ローディングユニット100に供給された半導体ストリップSは、一時保管ユニット205に位置することができる。
【0026】
ストリップピッカー210は、一時保管ユニット205に位置した半導体ストリップSを把持してチャックテーブル240へ移送する。パッケージピッカー220は、カッター250によって切断されてチャックテーブル240を介して移送されたパッケージPを真空吸着方式で把持して洗浄ユニット260及び反転テーブル310へ移送する。ガイドフレーム230は、ストリップピッカー210、パッケージピッカー220がX軸方向に移動するための経路を提供する。ガイドフレーム230には、ストリップピッカー210及びパッケージピッカー220を移動させるための駆動部が結合できる。
【0027】
チャックテーブル240は、ストリップピッカー210とカッター250との間、及びカッター250とパッケージピッカー220との間で半導体ストリップSとパッケージPがそれぞれ移送されるようにすることができる。チャックテーブル240は、Y軸方向に移動することができ、Z軸方向を中心に回転することができ、半導体ストリップSが装着されることができる。チャックテーブル240は、ストリップピッカー210によって移送された半導体ストリップSを吸着してカッター250へ移送する。また、チャックテーブル240は、カッター250によって切断が完了した複数のパッケージPをパッケージピッカー220へ伝達する。つまり、チャックテーブル240は、カッター250とガイドフレーム230との間を往復移動することができる。パッケージピッカー220は、洗浄ユニット260で洗浄された半導体パッケージPを吸着して反転テーブル310へ移送し、反転テーブル310に移送された半導体パッケージPは、空気噴射ユニット320によって乾燥することができる。ここで、反転テーブル310は、移送ガイド314に沿って移動するように構成される。
【0028】
分類ユニット300は、各半導体パッケージPに対する検査結果に基づいて半導体パッケージPをそれぞれ分類する。分類ユニット300は、個別化されたパッケージPをハンドリングするためのハンドリング装置と呼ばれることができる。より具体的には、分類ユニット300は、ボール検査ユニット330B、マーク検査ユニット330M、アライン検査ユニット360によって検査が完了して第1パレットテーブル341と第2パレットテーブル346に積載された半導体パッケージPを個別にピックアップし、検査結果に基づいて順次分類して他所へ移送する。第1パレットテーブル341と第2パレットテーブル346は、それぞれ、第1パレット駆動部材340と第2パレット駆動部材345によって移動することができる。
【0029】
このための分類ユニット300は、ソーティングピッカー370、ソーティングピッカー駆動部材380、第1搬出トレイ351、第2搬出トレイ356、第1搬出トレイ駆動部材350及び第2搬出トレイ駆動部材355を含むことができる。
【0030】
ソーティングピッカー370は、ボール検査ユニット330B、マーク検査ユニット330M、アライン検査ユニット360によって検査が完了して第1パレットテーブル341と第2パレットテーブル346にそれぞれ積載された半導体パッケージPをピックアップして、後述する第1搬出トレイ351、第2搬出トレイ356へ移送する。
【0031】
ソーティングピッカー駆動部材380は、レール形状をしてX軸方向に設置され、一部分はアライン検査ユニット360と隣接するように位置することができる。ソーティングピッカー駆動部材380は、ソーティングピッカー370をX軸方向に移動させる。このためのソーティングピッカー駆動部材380は、ソーティングピッカー370の移動のための駆動手段が内蔵されているものであり得る。
【0032】
第1搬出トレイ351と第2搬出トレイ356は、それぞれ良品半導体パッケージPと不良品半導体パッケージPを積載して他所へ搬出することができる。これとは異なり、第1搬出トレイ351と第2搬出トレイ356は、製造された状態に応じて半導体パッケージPを等級付け、等級に合うようにそれぞれ積載することも可能である。例えば、第1搬出トレイ351はA等級の半導体パッケージPを積載し、第2搬出トレイ356はA等級よりも製造された状態が低いB等級の半導体パッケージPを積載することができる。
【0033】
ソーティングピッカー370が第1パレットテーブル341と第2パレットテーブル346から半導体パッケージPをピックアップして第1搬出トレイ351又は第2搬出トレイ356のそれぞれにすべて積載させると、第1搬出トレイ351又は第2搬出トレイ356は、Y軸方向に移動して半導体パッケージPを他所へ伝達する。
【0034】
第1搬出トレイ駆動部材350は、第1搬出トレイ351を移動させる。第1搬出トレイ駆動部材350は、第1搬出トレイ351の移動のための駆動手段が内蔵されているものであり得る。
【0035】
第2搬出トレイ駆動部材355は、第2搬出トレイ356を移動させる。第2搬出トレイ駆動部材355は、第2搬出トレイ356の移動のための駆動手段が内蔵されているものであり得る。
【0036】
半導体ストリップ切断及び分類設備10は、前述したように、半導体ストリップSを切断、洗浄、乾燥、及び検査後に分類して他所へ排出することができる。一方、本発明の実施形態によるパッケージピッカー220が半導体ストリップ切断及び分類設備10に含まれることに限定されず、一般的な半導体パッケージ製造システムに適用可能である。以下、洗浄ユニット260で洗浄液を用いて洗浄したパッケージPを空気噴射ユニット320で迅速かつ効果的に乾燥させるための装置及び方法について説明する。
【0037】
一般的に、半導体ストリップSとパッケージPは、電気的接続のためのボール(Ball)が形成されたボール面Bと、各パッケージPのマークが刻印されるマーク面Mとから構成される。一方、パッケージPのボール面Bが上方を向き、マーク面Mが下方を向く状態がデッドバグ(Dead Bug)と呼ばれ、パッケージPのマーク面Mが上方を向き、ボール面が下方を向く状態がライブバグ(Live Bug)と呼ばれる。切断ユニット200における切断及び洗浄工程は、すべてボール面Bが上部を向いたデッドバグ状態で行われ、各パッケージPは、デッドバグ状態でパッケージピッカー220によって反転テーブル310に伝達される。
【0038】
図2はパッケージの乾燥過程を示す。
図2を参照すると、パッケージPが装着された状態の反転テーブル310は、特定の方向(例えば、y方向)に移動し、空気噴射ユニット320がパッケージPに向かって下方に空気を噴射して、パッケージPに残っている水気を除去する。空気噴射ユニット320で排出された空気の圧力によって、反転テーブル310とパッケージPに残っている水気は蒸発するか或いは反転テーブル310の周辺に飛散するおそれがある。飛散した水気は周辺の装置に付いてしまい、一部の装置の場合は水気により性能に悪影響が及ぼすおそれがある。例えば、飛散した水気がボール検査ユニット330Bのレンズに飛散する場合、パッケージPのビジョン検査が適切に行われないおそれがある。
【0039】
そのため、本発明の実施形態は、パッケージPに高温の空気を噴射して、パッケージPに残っている水気が周辺に飛散せず蒸発するようにするための空気噴射ユニット320を提供する。本発明の実施形態に係る空気噴射ユニット320は、ハウジング3201と、ハウジング3201の一側に設けられた空気流入口3202と、ハウジング3201の内部で空気流入口3202の周辺に配置されたヒーター3203と、ヒーター3203から発生した熱エネルギーを伝達する熱伝導フィルム3204と、ハウジング3201の他側に設けられた空気排出口3205と、を含む。本発明の実施形態によれば、ヒーター3203によって生成され、熱伝導フィルム3204によってハウジング3201の内部に均一に分布した熱エネルギーを有する空気をパッケージPに供給することにより、水気が周辺装置に飛散せず蒸発するようにすることができる。
【0040】
図3及び
図4は本発明の実施形態に係る空気噴射装置(空気噴射ユニット320)の概略的な構造を示す。
図3及び
図4に示すように、空気噴射ユニット320は、反転テーブル310の移動経路上に位置し、エアナイフのようにパッケージPの水気を除去するために空気を噴射することができる。
【0041】
ハウジング3201は、一定の第1水平方向(例えば、x方向)に沿って長く設けられることができる。一方、ハウジング3201は、別途の移動体と結合され、第2水平方向(例えば、y方向)に沿って移動可能に構成されることもできる。ハウジング3201の一側に設けられた空気流入口3202は、空気が流入するラインに連結され、空気流入口3202を介して流入した空気がハウジング3201の内部に供給される。ヒーター3203は、空気流入口3202を介して供給された空気に熱エネルギーを加え、熱伝導フィルム3204は、ヒーター3203によって放出された熱エネルギーをハウジング3201の内部の空間に均等に伝達する。熱エネルギーによって、高温の空気は、空気排出口3205によって排出され、パッケージPから水気を除去することができる。本発明の実施形態によれば、空気噴射ユニット320は、高温の空気をパッケージPに向けて噴射し、ヘアドライヤーのように高温の空気が持つ熱エネルギーがパッケージPの水気を蒸発させながら除去することができるため、より迅速かつ効果的にパッケージPを乾燥させることができる。
【0042】
本発明の実施形態によれば、空気排出口3205は、外部に向かうほど断面積が狭くなるように形成されることができる。
図4に示すように、空気が噴射される方向である下方に向かうほど、空気排出口3205は狭くなる形状に提供されることができる。空気排出口3205の断面積を外部に向かうほど狭くなるように構成することにより、パッケージPへと排出される空気の圧力がさらに大きくなり、これによりパッケージPの水気がより効果的に除去されることができる。
【0043】
本発明の実施形態によれば、熱伝導フィルム3204は、ヒーター3203と空気排出口3205との間に位置することができる。
図3及び
図4に示すように、熱伝導フィルム3204は、ヒーター3203と空気排出口3205との間に位置し、ヒーター3203により発生した熱エネルギーが空気排出口3205までに伝達されるようにすることができる。熱伝導フィルム3204は、ハウジング3201の内部の壁に付着するか或いは内部の構造物に付着することができる。
【0044】
図5は本発明の実施形態に係る多重方向排出口を含む空気噴射装置の概略的な構造を示す。本発明の実施形態によれば、空気排出口3205は、垂直方向(例えば、z方向)に設けられた第1排出口3205Aと、垂直方向(例えば、z方向)から一定の角度だけ傾いた方向に設けられた第2排出口3205Bと、第2排出口3205Bの反対方向に一定の角度だけ傾いた方向に設けられた第3排出口3205Cと、を含むことができる。
【0045】
図5、
図6、
図7及び
図8に示すように、空気排出口3205は、様々な方向に空気を噴射するように構成されることができる。特定の方向(例えば、z方向)にのみ空気を噴射する場合、パッケージPと反転テーブル310(ベース312)との間の段差により水気が溜まることがある。
図8乃至
図10に示すように、様々な方向に空気を噴射することにより、パッケージPと反転テーブル310との間の段差に溜まっている水気まで除去できる。
【0046】
図9は本発明の実施形態に係る開閉調節ユニットが備えられた多重方向排出口を含む空気噴射装置の概略的な構造を示す。本発明の実施形態によれば、空気噴射ユニット320は、パッケージPの位置に基づいて第1排出口3205A、第2排出口3205B及び第3排出口3205Cそれぞれの開閉を調節する開閉調節ユニット3206をさらに含むことができる。開閉調節ユニット3206は、第1排出口3205A、第2排出口3205Bおよび第3排出口3205Cそれぞれに配置された開閉弁の開放または閉鎖を制御することができ、各排出口の開放または閉鎖は、反転テーブル310に対する空気噴射ユニット320の位置に基づいて制御できる。
【0047】
例えば、
図10乃至
図13に示すように、反転テーブル310に吸着されたパッケージPに対する空気噴射ユニット320の位置に応じて、開放される排出口または閉鎖される排出口が決定できる。
図10に示すように、反転テーブル310に吸着されたパッケージPが近接すると、当該方向に対応する排出口(例えば、第2排出口3205B)が開放され、残りの排出口(例えば、第1排出口3205A、第3排出口3205C)は閉鎖されることができる。
図11に示すように、パッケージPが空気噴射ユニット320の下に位置すると、垂直方向に空気を排出する第1排出口3205Aが開放されることができる。以後、
図12に示すように、第2排出口3205Bが閉鎖され、第3排出口3205Cが開放されることができ、
図13に示すように、第1排出口3205Aが閉鎖されることができる。
【0048】
図9乃至
図13に示すように、反転テーブル310の位置に基づいて、空気噴射ユニット320の位置に応じて選択的に各排出口3205A、3205B、3205Cの開放または閉鎖を制御することにより、特定の方向に空気排出方向を調節し、より効果的にパッケージPの水気を除去することができる。
【0049】
本発明の実施形態によれば、空気噴射ユニット320は、ハウジング3201の内部に配置された温度センサー(図示せず)をさらに含むことができる。温度センサーは、ハウジング3201の内壁に付着してハウジング3201の内部の温度を出力することができる。温度センサーは、温度に応じてその抵抗値が変更される抵抗を含むRTD(resistance temperature detector)センサーによって実現できる。
【0050】
本発明の実施形態によれば、ヒーター3203の出力は、温度センサーによって測定されたハウジング3201の内部の温度に応じて調節できる。ヒーター3203は、外部に位置したヒーターコントローラによって制御できるが、ヒーターコントローラは、温度センサーによって測定されたハウジング3201の内部の温度に応じてヒーターの出力を調節することができる。温度センサーによって測定されたハウジング3201の内部の温度に応じてヒーターの出力を調節することにより、一定のレベルの温度を有する熱い空気をパッケージPに噴射し、パッケージPの水気が熱い空気によってより効果的に除去できる。
【0051】
上述したパッケージPの水気を除去するための乾燥装置は、パッケージハンドリング装置と半導体ストリップ切断及び分類設備10の一部として構成されることができる。本発明の実施形態に係る半導体ストリップ切断及び分類設備10で個別化されたパッケージをハンドリングするパッケージハンドリング装置は、パッケージPが装着されるベース、及びベースを回転させるための回転軸を含む反転テーブル310と、反転テーブル312に装着されたパッケージPを乾燥させるための空気を噴射する空気噴射ユニット320と、反転テーブル310からパッケージPを収容するパレットテーブル341、346と、を含む。空気噴射ユニット320は、ハウジング3201と、ハウジング3201の一側に設けられた空気流入口3202と、ハウジング3201の内部で空気流入口3202の周辺に配置されたヒーター3203と、ヒーター3203から発生した熱エネルギーを伝達する熱伝導フィルム3204と、ハウジング3201の他側に設けられた空気排出口3205と、を含む。
【0052】
本発明の実施形態に係る半導体ストリップ切断及び分類設備10は、複数のパッケージが配置された半導体ストリップSが積載されるローディングユニット100と、半導体ストリップSを切断して個別化された半導体パッケージPを移送する切断ユニット200と、半導体パッケージPを乾燥及び検査してトレイ351、356に収納する分類ユニット300と、を含む。分類ユニット300は、パッケージPが装着されるベース、及び前記ベースを回転させるための回転軸を含む反転テーブル310と、反転テーブル310に装着されたパッケージPを乾燥させるための空気を噴射する空気噴射ユニット320と、反転テーブル310からパッケージPを収容するパレットテーブル341、346と、を含む。空気噴射ユニット320は、ハウジング3201と、ハウジング3201の一側に設けられた空気流入口3203と、ハウジング3201の内部で空気流入口3202の周辺に配置されたヒーター3203と、ヒーター3203から発生した熱エネルギーを伝達する熱伝導フィルム3204と、ハウジング3201の他側に設けられた空気排出口3205と、を含む。
【0053】
本実施形態及び本明細書に添付された図面は、本発明に含まれる技術的思想の一部を明確に示しているものに過ぎず、本発明の明細書及び図面に含まれている技術的思想の範囲内で当業者が容易に類推することができる変形例と具体的な実施形態はいずれも本発明の権利範囲に含まれることが自明であるというべきである。
【0054】
したがって、本発明の思想は、説明された実施形態に局限されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等であるか或いは等価的変形があるすべてのものは、本発明の思想の範疇に属するというべきである。
【符号の説明】
【0055】
100 ローディングユニット
200 切断ユニット
205 一時保管ユニット
210 ストリップピッカー
220 パッケージピッカー
230 ガイドフレーム
240 チャックテーブル
250 カッター
260 洗浄ユニット
300 分類ユニット
310 反転テーブル
314 移送ガイド
320 乾燥ユニT
3201 ハウジング
3202 空気流入口
3203 ヒーター
3204 熱伝導フィルム
3205 空気排出口
330B ボール検査ユニット
330M マーク検査ユニット
340 第1パレット駆動部材
341 第1パレットテーブル
345 第2パレット駆動部材
346 第2パレットテーブル
350 第1搬出トレイ駆動部材
351 第1搬出トレイ
352 第2搬出トレイ
355 第2搬出トレイ駆動部材
356 第2搬出トレイ
360 検査部
370 ソーティングピッカー
380 ソーティングピッカー駆動部材
800 分類部
P 半導体パッケージ
S 半導体ストリップ