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特開2022-81494改良された注射ノズルを装備した無針注射装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081494
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】改良された注射ノズルを装備した無針注射装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/30 20060101AFI20220524BHJP
   A61M 5/307 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
A61M5/30 500
A61M5/307
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022021863
(22)【出願日】2022-02-16
(62)【分割の表示】P 2018547382の分割
【原出願日】2017-02-13
(31)【優先権主張番号】16/51928
(32)【優先日】2016-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】506257331
【氏名又は名称】クロスジェクト
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ロビン・シュタインベルガー
(72)【発明者】
【氏名】ジル・ビビアン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改良された注射ノズルを装備した無針注射装置を提供する。
【解決手段】無針注射装置は、注射軸Bに沿って、上部径方向シートから軸方向に伸長する容器と、ガス発生器と、有効成分を含み、前記容器中を上端から下端まで軸方向に伸長する管状貯留層24と、管状貯留層24の下端に配置され、本体12によって形成された相補的なねじ切り74上にねじ留めされるように設計されている雄ねじ72を有する有効成分を注射するためのノズルとを含み、無針注射装置は、ノズルの雄ねじ72が、全体的に三角形の断面を有し、雄ねじ72は、注射軸Bに垂直な径方向軸に関する第1の角度を有する上面と、径方向軸に関する第2の角度を有する下面とによって区切られていることと、第1の角度は、第2の角度よりも大きいこととを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無針注射装置(10)であって、
-注射軸(B)に沿って、上部径方向シート48から軸方向に伸長するハウジング(44)を形成する本体(12)と、
-ガス発生器(16)と、
-有効成分(26)を含み、前記ハウジング(44)中を上端(40)から下端(36)へと軸方向に伸長する、管状貯留層(24)と、
-前記管状貯留層(24)の下端に配置され、前記本体(12)によって形成された相補的なねじ切り(74)上にねじ留めされるように適合されている雄ねじ(72)を有する、前記有効成分(26)を注射するためのノズル(28)とを含み、
前記無針注射装置(10)は、前記ノズル(28)の雄ねじ(72)が、概して三角形の断面を有し、前記雄ねじ(72)は、注射軸(B)に垂直な径方向軸(C)に対する第1の角度(A1)を有する上面(78)と、前記径方向軸(C)に対する第2の角度(A2)を有する下面(80)とによって区切られていることと、前記第1の角度(A1)は、前記第2の角度(A2)よりも大きいこととを特徴とする、無針注射装置(10)。
【請求項2】
前記雄ねじ(72)は、のこぎり歯タイプのものであり、前記ノズル(28)の下面(80)によって形成される前記第2の角度(A2)は、前記下面(80)がフランク面を形成するようにゼロではないことを特徴とする、請求項1に記載の無針注射装置(10)。
【請求項3】
前記第1の角度(A1)は、略35度のものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の無針注射装置(10)。
【請求項4】
前記第2の角度(A2)は、略10度のものであることを特徴とする、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の無針注射装置(10)。
【請求項5】
前記ノズル(28)の雄ねじ(72)の下面(80)は、前記本体(12)によって形成され、関係付けられたねじ切り(74)の相補的な上面(82)を圧迫し、注射の間に前記ノズル(28)によって伝えられ軸方向背分力を回復することを特徴とする、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の無針注射装置(10)。
【請求項6】
前記雄ねじ(72)によって形成された2つの隣接三角形を接続する曲がった部分(R)は、略0.11ミリメートルの湾曲の半径を有することを特徴とする、請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の無針注射装置(10)。
【請求項7】
前記雄ねじ(72)のピッチは、略1ミリメートルのものであることを特徴とする、請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の無針注射装置(10)。
【請求項8】
前記注射ノズル(28)は、射出成型によって作られていることを特徴とする、請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の無針注射装置(10)。
【請求項9】
前記本体(12)は、射出成型で作られていることを特徴とする、請求項1から8のうちのいずれか1項に記載の無針注射装置(10)。
【請求項10】
前記管状貯留層(24)中に含まれる前記有効成分(26)は、以下の有効成分:
-メトトレキセート(Methotrexate)、
-アドレナリン(Adrenaline)、
-スマトリプタン(Sumatriptan)、
-ヒドロコルチゾン(Hydrocortisone)、
-ナロキソン(Naloxone)、
-ミダゾラム(Midazolam)、
-アポモルフィン(Apomorphine)、
-エチルナルトレキソン臭化物(Ethylnatrexone bromide)、
-フィトメナジオン(Phytomenadione)、
-塩酸クロルプロマジン(Chlorpromazine hydrochloride)、
-ズクロペンチキソール アセテート(Zuclopenthixol acetate)、
-ダナパロイドナトリウム(Danaparoid sodium)、
-エノキサパリンナトリウム(Enoxaparin sodium)、
-シオピン酸エストラジオール(Estradiol cypionate)、
-酢酸メドロキシプロゲステロン(Medroxyprogesterone acetate)、
-ナドロパリンカルシウム(Medroparin calcium)、
-酢酸メチルプレドニソロン(Methylprednisolone acetate)、
-ヘパリンカルシウム(Heparin calcium)、
-テルブリン(Terbulin)
を備えるグループから選択される、請求項1から9のうちのいずれか1項記載の無針注射装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された注射ノズルを装備した無針注射装置に関する。
【0002】
本発明の技術分野は、無針、事前充填及び使い捨て注射装置のものであり、例えば、ガス発生器のようなエネルギー源により動作し、人間医学又は獣医学における治療使用のために、液体有効成分の皮内、皮下、及び筋肉内注射に対して使用される。
【0003】
有効成分は、多かれ少なかれ強粘液、液体混合物、又は、ゲルにより構成されている。有効成分はまた、注射に適した、溶剤中で溶解した固体であってよく、又は、適切な液体中においてある濃度で懸濁した、粉末状固体で構成されてよい。有効成分の粒子サイズは、これらを塞ぐことを回避するために、ダクトの直径と適合しなければならない。
【背景技術】
【0004】
注射装置は、例えば、特許出願FR-A-2815544(WO 02/34317に対応)のように、既知の方法で、ガス発生器、膨張室、液体有効成分を含む貯留層、及び注射システムを引き続き備える本体を備えている。
【0005】
貯留層は、装置の本体によって区切られる管状ハウジングに挿入されるガラス管により構成され、ガラス管は、上部又は上流ピストンと下部又は下流ピストンによって塞がれ、それらの間に液体有効成分が含まれている。
【0006】
貯留層の自由下端は、注射軸に沿って軸方向に伸長する少なくとも1つの注射チャネルを区切っている注射ノズルと協働する。
【0007】
さらに、注射装置は、本体を覆い、注射ノズルの通路に対して適合されている下部開口を区切る、中空カバーを含む。
【0008】
有効成分の注射を可能にするために、本体は、休止位置から注射位置の間で、スライド軸に沿って下から上にスライド可能にカバー中に据え付けられ、ユーザがユーザの皮膚上で注射ノズルを押すとき、本体の駆動が実行される。
【0009】
カバー内の本体の移動は、ガス発生器をトリガし、加圧ガスを発生させることを可能にし、この加圧ガスは、注射ノズルを通すことにより患者の皮膚を通して有効成分を注入するために、ピストンが変位するよう駆動する。
【0010】
概してT字型の伸縮自在に変形可能な膜を装備した公知の注射装置があり、これは、貯留層の上端と本体によって形成されるシートとの間で軸方向に挿入される径方向環状ディスク、及び、環状ディスクから、貯留層において軸方向に伸長する管状部分を備えている。
【0011】
膜の管状部分は、移動においてピストンを駆動するために、加圧ガスの影響下で軸方向に伸長するように設計されている。
【0012】
注射ノズルは、貯留層上に軸方向に支えられている上面と、閉鎖キャップと協働するように適合されている下部注射面とにより軸方向で区切られている。
【0013】
また、注射ノズルは、本体によって形成される相補的なねじ切り上にねじ留めされるように適合されている雄ねじを有している。
【0014】
したがって、本体上のノズルのねじ留めは、注射の間、膜、貯留層、及び本体の間を確実に密閉するために、貯留層の上端と本体によって形成されるシートとの間で膜の径方向環状ディスクを軸方向にピンチすることを可能にする。
【0015】
ガス発生器によって発生する圧力の影響下で、本体と膜及び貯留層によって形成される組立との間のスライドが時として観測される。
【0016】
このスライドは、注射装置の注射特徴をランダムに阻害する多かれ少なかれかなりの漏出を生成するまで膜と本体との間の接続を部分的に離し、これらの漏出は、注射性能に関する分散を発生させる。
【発明の概要】
【0017】
本発明は、特に、この欠点を解決することを目的とし、この目的のための無針注射装置に関連し、無針注射装置は、
-注射軸に沿って、上部径方向シート48から軸方向に伸長するハウジングを形成する本体と、
-ガス発生器と、
-有効成分を含み、ハウジング中を上端から下端へと軸方向に伸長する、管状貯留層と、-管状貯留層の下端に配置され、本体によって形成された相補的なねじ切り上にねじ留めされるように適合されている雄ねじを有する、有効成分を注射するためのノズルとを含み、
無針注射装置は、ノズルの雄ねじが、概して三角形の断面を有し、雄ねじは、注射軸に垂直な径方向軸に対する第1の角度を有する上面と、径方向軸に対する第2の角度を有する下面とによって区切られていることと、第1の角度は、第2の角度よりも大きいこととを特徴とする。
【0018】
本発明にしたがうノズルの設計は、ノズルのねじの下面によって形成される第2の角度を制限することを可能にし、これは、ノズルの又は本体によって形成される相補的なねじ切りの断裂の前に、ノズルのトルクをより固く締め付けることを可能にする。
【0019】
したがって、膜と貯留層との間の漏出のリスクは取り除かれる。
【0020】
本発明の別の特徴にしたがうと、雄ねじは、のこぎり歯タイプのものであり、すなわち、ノズルの下面によって形成される第2の角度は、下面がフランク面を形成するようにゼロではない。
【0021】
このようなフランク面は、その製造の間、ノズルの取り出しを促進する。
【0022】
好ましくは、第1の角度は、約35度のものである。
【0023】
また、第2の角度は、約10度のものである。10度の角度は、同時にノズルの取り出しを促進し、ノズルのトルクを固く締め付けることとを可能にする、関心をそそる折衷物である。
【0024】
別の特徴にしたがうと、ノズルの雄ねじの下面は、本体によって形成される
関係付けられたねじ切りの相補的な上面を圧迫し、注射の間にノズルによって送られる軸方向推進力を回復する。
【0025】
また、雄ねじによって形成された2つの隣接三角形を接続する曲がった部分は、約0.11ミリメートルの湾曲の半径を有する。
【0026】
さらに、雄ねじのピッチは、約1ミリメートルのものである。
【0027】
好ましくは、注射ノズルは、射出成型によって作られている。
【0028】
同様に、本体は、射出成型で作られている。
【0029】
別の特徴にしたがうと、貯留層中に含まれる有効成分は、以下の有効成分:
-メトトレキセート(Methotrexate)、
-アドレナリン(Adrenaline)、
-スマトリプタン(Sumatriptan)、
-ヒドロコルチゾン(Hydrocortisone)、
-ナロキソン(Naloxone)、
-ミダゾラム(Midazolam)、
-アポモルフィン(Apomorphine)、
-エチルナルトレキソン臭化物(Ethylnatrexone bromide)、
-フィトメナジオン(Phytomenadione)、
-塩酸クロルプロマジン(Chlorpromazine hydrochloride)、
-ズクロペンチキソール アセテート(Zuclopenthixol acetate)、
-ダナパロイドナトリウム(Danaparoid sodium)、
-エノキサパリンナトリウム(Enoxaparin sodium)、
-シオピン酸エストラジオール(Estradiol cypionate)、
-酢酸メドロキシプロゲステロン(Medroxyprogesterone acetate)、
-ナドロパリンカルシウム(Medroparin calcium)、
-酢酸メチルプレドニソロン(Methylprednisolone acetate)、
-ヘパリンカルシウム(Heparin calcium)、
-テルブリン(Terbulin)
を備えるグループから選択される。
【0030】
本発明の他の特徴及び利点は、どの参照が添付の図面になされているか理解するために、以下の詳細な説明を読む際に現れるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明にしたがう、注射装置を図示した分解斜視図である。
図2図2は、休止位置にある図1の注射装置を図示した軸方向の断面図である。
図3図3は、図1の注射装置の本体上の注射ノズルの結合を図示した詳細な軸方向の断面図である。
図4図4は、図3のノズルのねじを図示した折り込みの詳細な軸方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
発明の詳細な説明及び特許請求の範囲において、発明の詳細な説明及び特許請求の範囲を明確にするために、縦、高さ、横の用語は、図中で示されている三面体L、V、Tを参照して、非限定的に採用される。
【0033】
さらに、本出願において、用語「上」、「下」、「水平」、「垂直」、及びその派生用語は、要素又はコンポーネントの位置又は向きを指し、この位置又はこの向きは、地球の重力を参照することなく、図中の装置の向きと、三面体L、V、Tとを参照して考慮される。
【0034】
同様に、用語「軸方向」及び「径方向」は、注射装置の注射軸Bを参照して理解されるべきである。
【0035】
図1は、打撃装置14と、雷管18及び火工品チャージ20を備えるガス発生器16と、膨張室22と、液体有効成分26を含む貯留層24と、注射ノズル28とを連続して備えているU字型の本体12を含む、無針注射装置又は無針シリンジを示している。
【0036】
打撃装置14とガス発生器16は、垂直スライド軸Aに沿って軸方向に伸長する本体12の第1の線形サブアセンブリを構成し、有効成分26を含む貯留層24と注射ノズル28とは、第2の垂直注射軸Bに沿って軸方向に伸長する本体12の第2の線形サブアセンブリを形成する。
【0037】
これら2つのサブアセンブリは、サブアセンブリの軸A、Bに垂直な軸を有する膨張室22によって、互いに接続されている。
【0038】
貯留層24は、上部ピストン32と下部ピストン34により塞がれているガラス管30により構成されており、上部ピストン32と下部ピストン34の間に液体有効成分26が含まれ、ピストンは、伸縮自在に変形可能なエラストマーベースの材料で作られている。
【0039】
貯留層24は、注射ノズル28に面して配置される環状下面38を有する下部フランジ36から、環状上面42を有する上部フランジ40にまで、軸方向に伸長している。
【0040】
図2中に見られるように、貯留層24は、本体12によって形成されているハウジング44中に配置されており、ハウジング44は、注射軸Bの回りに伸長している管状壁46によって径方向に区切られている。
【0041】
ハウジング44は、上部径方向シート48から軸方向に伸長しており、上部径方向シート48は本体12によって形成され、膨張室22の出口穴49を区切っている。
【0042】
好ましい実施形態にしたがうと、本体12は、プラスチック射出成型により作られている。
【0043】
また、図2にしたがうと、無針注射装置10は、概してT型の伸縮自在に変形可能な膜50を装備し、膜50は、貯留層24の上部フランジ40と本体12によって形成されるシート48との間に軸方向に挿入される径方向環状ディスク52、及び環状ディスク52から貯留層24中で軸方向に伸長する管状部分54を備えている。
【0044】
膜50の管状部分54は、注射ノズル28を通して有効成分26を噴射するために、ガス発生器16によって発生したガスの圧力の影響下で、上部ピストン32を下方に押すために、軸方向に伸長するように設計されている。
【0045】
この目的のために、膜50は、エラストマーベースの材料で作られている。より具体的には、膜50は、EPDM、すなわち、エチレンプロピレンジエンモノマー(ethylene-propylene-diene monomer)で作られている。
【0046】
図1を参照すると、本体12は、中空カバー56によって包まれており、中空カバー56は、中空カバーの底部を形成する水平底板58によって閉じられている下開口部の範囲を定めている。
【0047】
水平底板58は、注射ノズル28及び本体12の下端が通過するのに適した注射軸Bの回りの円形通路60の範囲を定めており、注射ノズル28が中空カバー56から出て垂直に下に突出する下部セグメントを含むようになっている。
【0048】
また、注射装置10は、バヨネットタイプのロック手段によって、本体12上に取り外し可能に据え付けられている栓62を装備している。
【0049】
注射ノズル28は、本体12によって形成されたハウジング44から出現する自由端上にねじ留めされ、注射ノズル28は、貯留層24とハウジング44のシート48上の膜50とによって形成される組立体を軸方向に加圧する。
【0050】
また、図3中で詳細に図示する注射ノズル28は、貯留層24の下面38上に軸方向に支えられている上面から閉鎖キャップ68と協働するように適合されている下部注射面へと、注射軸Bに沿って軸方向に伸長する概して円柱形状を有している。
【0051】
ノズル28の円柱周辺面70は、本体12の自由端上のノズル28をねじ止めするように設計されたねじ72を有しており、本体12は、この目的のために提供された相補的なねじ切り74が施されている。
【0052】
さらに、ノズル28は、注射軸Bに並行に伸長する(示していない)三つの軸注射チャネル72を区切っており、各チャネルは、ノズル28の、上面64及び下面66に開いている。
【0053】
ノズル28は、注射のトリガに続いて、下部ピストン34を収容するように適合されている中央ハウジング76を区切る。
【0054】
より具体的には、下部ピストン34がハウジング76に入るとき、有効成分26が、ハウジングから、それぞれのチャネルに入ることを可能にするように、各チャネルの自由端は、ハウジング76と通じるフレアを形成する。
【0055】
実際に、有効成分26がチャネルを通して流れることを可能にするために、ガス発生器16がトリガされたとき、加圧ガスは、上部ピストン32、有効成分26、及び下部ピストン34によって形成された液柱を押し、下部ピストン34は、この端に設けられたノズル28のハウジング76に入る。
【0056】
本発明にしたがって、図4を参照すると、ノズル28のねじ72は、概して三角形の断面を有し、ねじ72は、注射軸Bに垂直な横の径方向の軸Cに対して第1の角度A1を有する上面78と径方向の軸Cに対して第2の角度A2を有する下面80とによって区切られている。
【0057】
図4中に見られるように、第1の角度A1は、第2の角度A2よりも大きい。
【0058】
ノズル28のねじ72は、のこぎり歯タイプのものであり、すなわち、ノズル28の下面80によって形成される第2の角度A2は、下面80がフランク面を形成するようにゼロではない。
【0059】
実際に、注射ノズル28は、好ましくはプラスチック射出成型によって作られ、下面80は、その製造型からノズル28の取り出しを可能にするフランク面を形成する。
【0060】
より具体的には、第1の角度A1は、約35度のものであり、第2の角度A2は、約10度のものである。
【0061】
したがって、ねじ72の上面78とした面80との間で区切られる角度は、約45度のものである。
【0062】
図3にしたがうと、ノズル28のねじ72の下面80は、注射の間にノズル28によって伝えられる軸方向背分力を回復するために、本体12によって形成され、関係付けられたねじ切り74の相補的な上面82を圧迫する。
【0063】
好ましい実施形態にしたがうと、ねじ72によって形成された2つの隣接三角形を接続する曲がった部分Rは、約0.11ミリメートルの湾曲の半径を有する。用語、曲がった部分Rは、ノズル28のねじ72に隣接する、第1の三角形の下面80と第2の三角形上面78とを接続する凹部を意味する。
【0064】
また、ねじ72のピッチは、約1ミリメートルのものである。
【0065】
本発明にしたがう注射装置10は、いくつかの利点を有している。
【0066】
ねじ72ののこぎり歯形状により、本体12上に送られる力は、垂直に近く、より具体的には、これらの力は、軸受面を形成するねじ72の下面に垂直であり、すなわち、力は、垂直軸に対して10度の角度に近い。
【0067】
逆に、先行技術にしたがうと、ねじ72は、概してメートルねじ又はISOメートルねじであり、すなわち、30度に近い第1の角度を有する上面と、同様に30度に近い第2の角度を有する下面とによって区切られる、等辺三角形の断面のねじである。
【0068】
したがって、本発明にしたがう装置10は、本体12が破損することを回避するために、半径方向力によって、本体12に基礎を置くことを少なくすることができる。
【0069】
さらに、本発明にしたがう装置は、本体12上の注射ノズル28のトルクを固く締め付けることを可能にし、本体12によって形成されるシート48に対して膜50の環状ディスク52を十分に軸方向に圧迫することを可能にし、これは、このレベルにおける漏出を回避することになる。

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無針注射装置(10)であって、
-注射軸(B)に沿って、上部径方向シート(48)から軸方向に伸長するハウジング(44)を形成する本体(12)と、
-ガス発生器(16)と、
-有効成分(26)を含み、前記ハウジング(44)中を上端(40)から下端(36)へと軸方向に伸長する、管状貯留層(24)と、
-前記管状貯留層(24)の下端に配置され、前記本体(12)によって形成された相補的なねじ切り(74)上にねじ留めされるように適合されている雄ねじ(72)を有する、前記有効成分(26)を注射するためのノズル(28)とを含み、
前記無針注射装置(10)は、前記ノズル(28)の雄ねじ(72)が、概して三角形の断面を有し、前記雄ねじ(72)は、注射軸(B)に垂直な径方向軸(C)に対する第1の角度(A1)を有する上面(78)と、前記径方向軸(C)に対する第2の角度(A2)を有する下面(80)とによって区切られていることと、前記第1の角度(A1)は、前記第2の角度(A2)よりも大きいこととを特徴とする、無針注射装置(10)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
さらに、本発明にしたがう装置は、本体12上の注射ノズル28のトルクを固く締め付けることを可能にし、本体12によって形成されるシート48に対して膜50の環状ディスク52を十分に軸方向に圧迫することを可能にし、これは、このレベルにおける漏出を回避することになる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 無針注射装置(10)であって、
-注射軸(B)に沿って、上部径方向シート(48)から軸方向に伸長するハウジング(44)を形成する本体(12)と、
-ガス発生器(16)と、
-有効成分(26)を含み、前記ハウジング(44)中を上端(40)から下端(36)へと軸方向に伸長する、管状貯留層(24)と、
-前記管状貯留層(24)の下端に配置され、前記本体(12)によって形成された相補的なねじ切り(74)上にねじ留めされるように適合されている雄ねじ(72)を有する、前記有効成分(26)を注射するためのノズル(28)とを含み、
前記無針注射装置(10)は、前記ノズル(28)の雄ねじ(72)が、概して三角形の断面を有し、前記雄ねじ(72)は、注射軸(B)に垂直な径方向軸(C)に対する第1の角度(A1)を有する上面(78)と、前記径方向軸(C)に対する第2の角度(A2)を有する下面(80)とによって区切られていることと、前記第1の角度(A1)は、前記第2の角度(A2)よりも大きいこととを特徴とする、無針注射装置(10)。
[2] 前記雄ねじ(72)は、のこぎり歯タイプのものであり、前記ノズル(28)の下面(80)によって形成される前記第2の角度(A2)は、前記下面(80)がフランク面を形成するようにゼロではないことを特徴とする、[1]に記載の無針注射装置(10)。
[3] 前記第1の角度(A1)は、略35度のものであることを特徴とする、[1]または[2]に記載の無針注射装置(10)。
[4] 前記第2の角度(A2)は、略10度のものであることを特徴とする、[1]から[3]のうちのいずれか1項に記載の無針注射装置(10)。
[5] 前記ノズル(28)の雄ねじ(72)の下面(80)は、前記本体(12)によって形成され、関係付けられたねじ切り(74)の相補的な上面(82)を圧迫し、注射の間に前記ノズル(28)によって伝えられ軸方向背分力を回復することを特徴とする、[1]から[4]のうちのいずれか1項に記載の無針注射装置(10)。
[6]前記雄ねじ(72)によって形成された2つの隣接三角形を接続する曲がった部分(R)は、略0.11ミリメートルの曲率半径を有することを特徴とする、[1]から[5]のうちのいずれか1項に記載の無針注射装置(10)。
[7] 前記雄ねじ(72)のピッチは、略1ミリメートルのものであることを特徴とする、[1]から[6]のうちのいずれか1項に記載の無針注射装置(10)。
[8] 前記注射ノズル(28)は、射出成型によって作られていることを特徴とする、[1]から[7]のうちのいずれか1項に記載の無針注射装置(10)。
[9] 前記本体(12)は、射出成型で作られていることを特徴とする、[1]から[8]のうちのいずれか1項に記載の無針注射装置(10)。
[10] 前記管状貯留層(24)中に含まれる前記有効成分(26)は、以下の有効成分:
-メトトレキセート(Methotrexate)、
-アドレナリン(Adrenaline)、
-スマトリプタン(Sumatriptan)、
-ヒドロコルチゾン(Hydrocortisone)、
-ナロキソン(Naloxone)、
-ミダゾラム(Midazolam)、
-アポモルフィン(Apomorphine)、
-エチルナルトレキソン臭化物(Ethylnatrexone bromide)、
-フィトメナジオン(Phytomenadione)、
-塩酸クロルプロマジン(Chlorpromazine hydrochloride)、
-ズクロペンチキソール アセテート(Zuclopenthixol acetate)、
-ダナパロイドナトリウム(Danaparoid sodium)、
-エノキサパリンナトリウム(Enoxaparin sodium)、
-シオピン酸エストラジオール(Estradiol cypionate)、
-酢酸メドロキシプロゲステロン(Medroxyprogesterone acetate)、
-ナドロパリンカルシウム(Medroparin calcium)、
-酢酸メチルプレドニソロン(Methylprednisolone acetate)、
-ヘパリンカルシウム(Heparin calcium)、
-テルブリン(Terbulin)
を備えるグループから選択される、[1]から[9]のうちのいずれか1項記載の無針注射装置(10)。
【外国語明細書】