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特開2022-81524CCR3アンタゴニストを含む医薬製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081524
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】CCR3アンタゴニストを含む医薬製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4545 20060101AFI20220524BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220524BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220524BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20220524BHJP
   A61K 9/32 20060101ALI20220524BHJP
   A61K 9/36 20060101ALI20220524BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220524BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20220524BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220524BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220524BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20220524BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20220524BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220524BHJP
   A61P 43/00 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 31/00 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 29/00 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 37/02 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 1/04 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 11/00 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 19/02 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 17/00 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 27/14 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 11/02 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 11/06 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 9/10 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 37/08 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 27/02 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 25/00 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 21/00 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 21/04 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 7/04 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 7/06 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 13/12 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 37/06 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 35/00 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 17/04 20060101ALN20220524BHJP
   A61P 9/14 20060101ALN20220524BHJP
【FI】
A61K31/4545
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/28
A61K9/32
A61K9/36
A61K47/02
A61K47/04
A61K47/12
A61K47/10
A61K47/44
A61K47/32
A61K47/38
A61P43/00 111
A61P31/00
A61P29/00
A61P37/02
A61P1/04
A61P11/00
A61P19/02
A61P17/00
A61P27/14
A61P11/02
A61P11/06
A61P29/00 101
A61P9/10 101
A61P37/08
A61P43/00 105
A61P27/02
A61P25/00
A61P9/10
A61P21/00
A61P21/04
A61P7/04
A61P7/06
A61P13/12
A61P37/06
A61P35/00
A61P17/04
A61P9/14
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022026735
(22)【出願日】2022-02-24
(62)【分割の表示】P 2020080024の分割
【原出願日】2013-04-02
(31)【優先権主張番号】12163078.4
(32)【優先日】2012-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】517321735
【氏名又は名称】アルカヘスト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】フェッシャー アルフレート
(72)【発明者】
【氏名】シェル ヨッヘン マティアス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】CCR3受容体と関係がある疾患を治療するための医薬組成物、その調製方法、及びその使用方法を提供すること。
【解決手段】有効成分としての下記化合物(例えば、式中、RはH、Rはメチル)、第1の希釈剤、第2の希釈剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤を含む医薬組成物である。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分として式1
【化1】
1
(式中、R1は、H、C1-6-アルキル、C0-4-アルキル-C3-6-シクロアルキル、C1-6-ハロアルキルであり;
R2は、H、C1-6-アルキルであり;
Xは、クロライド又は1/2ジベンゾイルタートレートからなる群より選ばれるアニオンであり;
jは、1又は2である)
の化合物、第1の希釈剤、第2の希釈剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤を含む医薬組成物。
【請求項2】
R1が、H、メチルであり;
R2が、H、メチルであり;
Xが、クロライド又は1/2ジベンゾイルタートレートからなる群より選ばれるアニオンであり;
jが、1又は2である
請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
Xがクロライドであり、jが2である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
追加の崩壊剤を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
追加の流動促進剤を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
希釈剤が、セルロース粉末、二塩基性リン酸カルシウム無水物、二塩基性リン酸カルシウム二水和物、エリスリトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、予備糊化デンプン又はキシリトールである、請求項1~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
滑沢剤が、タルク、ポリエチレングリコール、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化ヒマシ油又はステアリン酸マグネシウムである、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
結合剤が、コポビドン(ビニルピロリドンと他のビニル誘導体との共重合体)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)又はポリビニルピロリドン(ポビドン)である、請求項1~7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウムである、請求項1~8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
任意の流動促進剤が、コロイド二酸化ケイ素である、請求項1~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
10~90%の有効成分
5~70%の希釈剤1、
5~30%の希釈剤2、
0~30%の結合剤、
1~12%の崩壊剤、及び
0.1~3%の滑沢剤
を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
30~70%の有効成分
10~75%の希釈剤1、
5~30%の希釈剤2、
0~30%の結合剤、
0.5~20%の緩衝剤
1~12%の崩壊剤、及び
0.1~3%の滑沢剤
を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
追加の崩壊剤が、クロスポビドンである、請求項4~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
カプセル、錠剤又はフィルムコート錠の剤形である、請求項1~13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
2~4%のフィルムコートを含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
フィルムコートが、膜形成剤、可塑剤、流動促進剤を含み、更に必要により1つ以上の顔料を含んでもよい、請求項14又は15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
フィルムコートが、ポリビニルアルコール(PVA)又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン、酸化鉄を含む、請求項16に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式1
【0002】
【化1】
1
【0003】
(式中、R1は、H、C1-6-アルキル、C0-4-アルキル-C3-6-シクロアルキル、C1-6-ハロアルキルであり;
R2は、H、C1-6-アルキルであり;
Xは、クロライド又は1/2ジベンゾイルタートレートからなる群より選ばれるアニオンであり;
jは、1又は2である)
の化合物を含有する医薬組成物、その調製方法、及びCCR3受容体と関係がある疾患を治療するその使用に関する。
【背景技術】
【0004】
ケモカインは、様々な細胞によって放出されて、他の細胞種の中でも、マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球、好酸球、好塩基球及び好中球を誘引し且つ活性化する分子量6~15kDaの走化性サイトカインである(Luster, New Eng.J Med., 338, 436-445 (1998); Rollins, Blood, 90, 909-928 (1997); Lloyd, Curr.Opin.Pharmacol., 3, 443-448 (2003); Murray, Current Drug Targets., 7, 579-588 (2006); Smit, Eur J Pharmacol., 533,277-88 (2006)に掲載されている)。
2種類の主要なケモカイン、CXC及びCCがあり、アミノ酸配列の最初の2つのシステインが単一アミノ酸によって分離している(CXC)か又は隣接している(CC)かによる。CXCケモカイン、例えばインターロイキン-8(IL-8)、好中球活性化タンパク質-2(NAP2)及びメラノーマ増殖刺激活性タンパク質(MGSA)は、主に好中球及びTリンパ球に走化性であるが、CCケモカイン、例えばRANTES、MIP-la、MIP-1、単球走化性タンパク質(MCP-1、MCP-2、MCP-3、MCP-4、及びMCP-5)及びエオタキシン(-1、-2、及び-3)は、他の細胞種の中でも、マクロファージ、Tリンパ球、好酸球、肥満細胞、樹枝状細胞、及び好塩基球に走化性である。主要なケモカインサブファミリーのどちらにも分類されないケモカインのリンホタクチン-1、リンホタクチン-2(いずれもCケモカイン)、及びフラクタルキン(CXXXCケモカイン)も存在している。
【0005】
ケモカインは、「ケモカイン受容体」と呼ばれているGタンパク質共役7回膜貫通ドメインタンパク質のファミリーに属している特定の細胞表面レセプターに結合する(Horuk, Trends Pharm.Sci., 15, 159-165 (1994); Murphy, Pharmacol Rev., 54 (2):227-229 (2002); Allen, Annu.Rev.Immunol., 25, 787-820 (2007)に掲載されている)。これらの認識リガンドを結合する際に、ケモカイン受容体は、会合した三量体Gタンパク質によって細胞内シグナルを変換し、他の応答の中でも、細胞内カルシウム濃度の急速な増大、Gタンパク質の活性化、細胞形状の変化、細胞接着分子の発現の増加、脱顆粒、細胞遊走の促進、生存及び増殖が生じる。下記の特徴的パターンを有するCCケモカインに結合又は応答する少なくとも11のヒトケモカイン受容体がある: CCR-1(又は「CKR-1」又は「CC-CKR-1」)[MIP-la、MCP-3、MCP-4、RANTES](Ben-Barruch, et al., Cell, 72, 415-425 (1993), Luster, New Eng.J.Med., 338, 436-445 (1998)); CCR-2A及びCCR-2B(又は「CKR-2A」/「CKR-2B」又は「CC-CKR-2A」/「CC-CKR-2B」)[MCP-1、MCP2、MCP-3、MCP-4、MCP-5](Charo et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 91, 2752-2756 (1994), Luster, New Eng.J.Med., 338, 436-445 (1998)); CCR3(又は「CKR-3」又は「CC-CKR-3」)[エオタキシン-1、エオタキシン-2、RANTES、MCP-3、MCP-4](Combadiere, et al., J.Biol.Chem., 270, 16491-16494 (1995), Luster, New Eng.J.Med., 338, 436-445 (1998)); CCR-4(又は「CKR-4」又は「CC-CKR-4」)[TARC、MIP-la、RANTES、MCP-1](Power et al., J.Biol.Chem., 270, 19495-19500 (1995), Luster, New Eng.J.Med., 338, 436-445 (1998)); CCR-5(又は「CKR-5」又は「CCCKR-5」)[MIP-la、RANTES、MIP-lp](Sanson, et al., Biochemistry, 35, 3362-3367 (1996)); CCR-6(又は「CKR-6」又は「CC-CKR-6」)[LARC](Baba et al., J.Biol.Chem., 272, 14893-14898 (1997)); CCR-7(又は「CKR-7」又は「CC-CKR-7」)[ELC](Yoshie et al., J.Leukoc.Biol.62, 634-644 (1997)); CCR-8(又は「CKR-8」又は「CC-CKR-8」)[1-309、TARC、MIP-1p](Napolitano et al., J.Immunol., 157, 2759-2763 (1996), Bernardini et al., Eur.J.Immunol., 28, 582-588 (1998)); CCR-10(又は「CKR-10」又は「CC-CKR-10」)[MCP-1、MCP-3](Bonini et al, DNA and Cell Biol., 16, 1249-1256 (1997));及びCCR31(又は「CKR-11」又は「CC-CKR-11」)[MCP-1、MCP-2、MCP-4](Schweickart et al., J Biol Chem, 275 9550-9556 (2000))。
【0006】
哺乳類のケモカイン受容体に加えて、哺乳類のサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス及びポックスウイルスによって発現されるタンパク質のデコイ受容体CCX-CKR、D6及びDARC/Duffyもまた、ケモカイン受容体の結合特性を示す(Wells and Schwartz, Curr.Opin.Biotech., 8, 741-748 (1997); Comerford, Bioessays., 29(3):237-47 (2007)に掲載されている)。ヒトCCケモカイン、例えばRANTESやMCP-3によって、これらのウイルスでコードされた受容体を介してカルシウムの急速な動員が生じ得る。受容体発現は、正常な免疫系監視の破壊及び感染への応答を可能にすることによって感染に対して許容状態であり得る。更に、ヒトケモカイン受容体、例えばCXCR-4、CCR2、CCR3、CCR5、CCR8は、例えば、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)と同様に微生物による哺乳類細胞の感染に対してコレセプターとして作用し得る。
ケモカイン受容体は、喘息及びアレルギー疾患を含めて、炎症性、感染性及び免疫調節性の障害及び疾患、並びに関節リウマチ、グレーブス病、慢性閉塞性肺疾患、アテローム硬化症のような自己免疫症状の重要な伝達物質に関係があるとされている。例えば、ケモカイン受容体CCR3は、特に、好酸球、好塩基球、TH2細胞、肺胞マクロファージ、肥満細胞、上皮細胞、小グリア細胞、アストロサイト及び線維芽細胞上で発現される。CCR3は、好酸球をアレルギー性炎症の部位に誘引し、引き続きこれらの細胞を活性化するのに極めて重要な役割を果たしている。CCR3に対するケモカインリガンドは、細胞内カルシウム濃度の急速な増大、Gタンパク質のGTP交換の増加、ERKリン酸化の増加、受容体内在化の強化、好酸球の形状変化、細胞接着分子の発現増強、細胞脱顆粒、及び細胞遊走の促進を誘導する。従って、ケモカイン受容体を阻害する薬剤は、そのような障害及び疾患に有効である。更に、ケモカイン受容体を阻害する薬剤は、感染症においても、例えばHIVによるCCR3発現細胞の感染を阻止することによるか又はサイトメガロウイルスのようなウイルスによる免疫細胞応答の操作を防止する点で有効である。
【0007】
それ故、CCR3は重要な標的であり、CCR3の拮抗は炎症性、好酸性、免疫調節性及び感染性の障害及び疾患の治療に効果的であると思われる(Wegmann, Am J Respir Cell Mol Biol., 36(1):61-67 (2007); Fryer J Clin Invest., 116(1):228-236 (2006); De Lucca, Curr Opin Drug Discov Devel., 9(4):516-524 (2006)。
式1の置換ピペリジンが、副作用の少ないCCR3アンタゴニストとして非常に適していることがわかり、国際公開第2010 115836号パンフレットに開示されている、例えば、Watson PS, Bioorg Med Chem Lett., 16(21):5695-5699 (2006)に記載されているようにノルエピネフリン(NET)、ドーパミン(DAT)又はセロトニン再取込み輸送体(5-HTT)の阻害、又はDe Lucca, J Med Chem., 48(6):2194-2211(2005)に記載されているように5HT2A、5HT2C又はドーパミンD2受容体の阻害、又はDe Lucca, Curr Opin Drug Discov Devel., 9(4):516-524 (2006)に記載されているようにhERGチャネルの阻害、又はalpha1Bアドレナリン受容体の阻害。
従って、式1のこれらの化合物は、先行技術から知られているものと同様の医薬製剤の薬剤として用いることができる(List et al., Arzneiformenlehre,Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft mbH Stuttgart, 4.Auflage, p70ff)。
化合物による初期安定性実験から、薬剤物質が、医薬品登録当局の規則に従って薬剤の標準条件下で充分な安定性を可能にする製造プロセス及び/又は製剤成分のため安定効果を必要とすることが明らかになった。更に嵩密度或いはハウスナー比を誘導すること、静電帯電、表面接着性のような薬剤物質の物理的特性のため、直接圧縮又は水性造粒のような広く用いられている標準製造プロセスを化合物に適用することができない。これらの特性は、流動性や圧縮率のような鍵となる特徴に著しく影響することになり、これは医薬剤形を製造するために薬剤物質の加工に重要である。
【0008】
表1: ハウスナー比及び対応する流れ特性
【0009】
ハウスナー比は、式 嵩密度/タップ密度によって算出されるバルク容積と圧縮容積との比である。嵩密度は、注入された密度としてPh.Eur.2.9.15(ヨーロッパ薬局方 第4版)に準じて測定される。タップ密度は、Ph.Eur.2.9.15に準じて測定される(Voigt R., Lehrbuch der pharmazeutischen Technologie [Textbook of Pharmaceutical Technology], Verlag Chemie, 5th Edition, page 148も参照のこと)。ハウスナー比は、粉末の流動性/圧縮率の基準であり、理想的には約1でなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、当業者は、製剤中の薬剤物質の分解、特に空気中の湿度及び標準医薬賦形剤の含水量に起因し得る加水分解開裂を妨げるために、式1の化合物の新規で且つ本発明の医薬製剤を見出す必要性を予想した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の詳細な説明
本発明の第1の目的は、式1
【0012】
【化2】
1
【0013】
(式中、R1は、H、C1-6-アルキル、C0-4-アルキル-C3-6-シクロアルキル、C1-6-ハロアルキルであり;
R2は、H、C1-6-アルキルであり;
Xは、クロライド又は1/2ジベンゾイルタートレートからなる群より選ばれるアニオンであり;
jは、1又は2である)
の化合物を含有する医薬組成物、その調製方法、及びCCR3受容体と関係がある疾患を治療するその使用に関する。
【0014】
式1(式中、
R1は、H、C1-6-アルキルであり;
R2は、H、C1-6-アルキルであり;
Xは、クロライド又は1/2ジベンゾイルタートレートからなる群より選ばれるアニオンであり;
jは、1又は2である)
の化合物を含有する医薬組成物が好ましい。
式1(式中、
R1は、H、メチル、エチル、プロピル、ブチルであり;
R2は、H、メチル、エチル、プロピル、ブチルであり;
Xは、クロライド又は1/2ジベンゾイルタートレートからなる群より選ばれるアニオン、好ましくはクロライドであり;
jは、1又は2、好ましくは2である)
の化合物を含有する医薬組成物が好ましい。
【0015】
式1(式中、
R1は、H、メチル、エチル、プロピル、ブチルであり;
R2は、H、メチルであり;
Xは、クロライド又は1/2ジベンゾイルタートレートからなる群より選ばれるアニオン、好ましくはクロライドであり;
jは、1又は2、好ましくは2である)
の化合物を含有する医薬組成物が好ましい。
式1(式中、
R1は、H、メチルであり;
R2は、H、メチルであり;
Xは、クロライド又は1/2ジベンゾイルタートレートからなる群より選ばれるアニオン、好ましくはクロライドであり;
jは、1又は2、好ましくは2である)
の化合物を含有する医薬組成物が好ましい。
【0016】
塩酸塩として下記の表の例1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10を含有する医薬組成物が好ましい。更に、二塩酸塩として下記の表の例1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10を含有する医薬組成物が好ましい。
本発明の他の目的は、経口的に送達可能な剤形である上記の医薬剤形である。
本発明の他の目的は、錠剤(フィルムコート錠を含めて)、カプセル、ペレット、粉末又は顆粒の形である上記の医薬剤形である。
本発明の他の目的は、薬剤として用いるための上記の医薬剤形である。
本発明の他の目的は、呼吸器疾患より選ばれる疾患又は状態の治療のための上記の医薬剤形である。
本発明の他の目的は、呼吸器疾患より選ばれる疾患又は状態の治療用の薬剤の調製のための上記の医薬剤形の使用である。
本発明の他の目的は、呼吸器疾患より選ばれる疾患又は状態の治療及び/又は予防方法であって、上記の所定の医薬剤形の有効量を、毎日1回、2回、3回又は数回患者に経口的に投与することを特徴とする、前記方法である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
用いられる用語及び定義
用語「約」は、指定された値が5%多いか少ないかを意味する。従って、約100分は、95~105分として読みとることができる。
本明細書において詳しく定義されない用語は、開示内容及び前後関係を考慮して当業者がこれらに与える意味を与えられなければならない。しかしながら、明細書に用いられている下記の用語は、そうでないと指定されない限り、指示された意味を有し、下記の取り決めが守られる。
下記で定義される基、ラジカル又は部分において、炭素原子の数は、しばしば基に先行して明記され、例えば、C1-6-アルキルは、1~6個の炭素原子を有するアルキル基又はラジカルを意味する。一般に、2つ以上の下位基を含む基に対しては、最初の名前の下位基が基結合点であり、例えば、置換基「C1-3-アルキル-アリール」は、C1-3-アルキル-基に結合しているアリール基を意味し、C1-3-アルキル-基は、コアに又は置換基を結合している基に結合している。
本発明の化合物が化学名の形で及び式として表される場合に、不一致の場合には式が優先する。星印は、定義したようにコア分子に結合している結合を示すために、下位式において用いることができる。
【0018】
特に指示されない限り、明細書及び添付の請求の範囲の全体にわたって、所定の化学式又は名称は互変異性体及びすべて立体異性体、光学異性体、幾何異性体(例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体等)及びこれらのラセミ化合物並びに異なる割合の別個のエナンチオマーの混合物、ジアステレオマーの混合物、又はこのような異性体とエナンチオマーが存在する前記形の混合物だけでなく、その医薬的に許容され得る塩及びその溶媒和化合物、例えば遊離化合物の溶媒和物又は化合物の塩の溶媒和物を含める水和物を含めて塩を包含する。
用語「C1-n-アルキル」(ここで、nは2~nの整数である)は、単独で又は他の基と組み合わせて、1~n個のC原子を有する非環式の飽和した分枝鎖又は直鎖の炭化水素基を示す。例えば、用語C1-5-アルキルは、基H3C-、H3C-CH2-、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)-CH2-、H3C-C(CH3)2-、H3C-CH2-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH(CH3)-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-、H3C-CH2-C(CH3)2-、H3C-C(CH3)2-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH(CH3)-及びH3C-CH2-CH(CH2CH3)-を包含する。
用語「C1-n-ハロアルキル」(ここで、nは2~nの整数である)は、単独で又は他の基と組み合わせて、1つ以上の水素原子がフッ素、塩素又は臭素、好ましくはフッ素及び塩素、特に好ましくはフッ素より選ばれるハロゲン原子で置き換えられている、1~n個のC原子を有する非環式の飽和した分枝鎖又は直鎖の炭化水素基を示す。例としてはCH2F、CHF2、CF3が挙げられる。
用語「C3-n-シクロアルキル」(ここで、nは4~nの整数である)は、単独又は他の基と組み合わせて、3~n個の炭素原子有する環式の不飽和の非分枝鎖の炭化水素基を示す。例えば、用語C3-7-シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが挙げられる。
【0019】
剤形/成分
式1の化合物から作られる用時使用/経口摂取の固体医薬組成物は、散剤、顆粒剤、ペレット剤、錠剤、カプセル剤、咀嚼錠、分散錠、トローチ剤及びロゼンジ剤を含んでいる。
詳細には:
・本発明のカプセル製剤は、慣用のカプセル、例えば硬ゼラチン又はHPMCカプセルに充填した、式1の化合物の粉末中間体、粉末中間体を含む中間体ブレンド、適切な中間体ブレンドの慣用の湿潤、乾燥又はホットメルト造粒又はホットメルト押出し又は噴霧乾燥によって得られたペレット又は顆粒を含んでいる。
・上記のカプセル製剤は、式1の化合物の粉末中間体を圧縮された形で含んでいてもよい。
・本発明のカプセル製剤は、液体又は液体の混合物に懸濁又は希釈した式1の化合物を含んでいる。
・本発明の錠剤製剤は、適切な最終ブレンドの直接圧縮によって又は適切な中間体ブレンドの慣用の湿潤、乾燥又はホットメルト造粒又はホットメルト押出し又は噴霧乾燥によって得られたペレット又は顆粒を打錠することによって得られたような錠剤を含んでいる。
【0020】
本発明の他の目的は、pH調整剤又は緩衝剤が有効成分の安定性改善のために添加される剤形である。pH調節剤/緩衝剤は、アミノ基とアルカリの特性(等電点、pI: 7.59~10.76)を有する塩基性アミノ酸、例えばL-アルギニン、L-リシン又はL-ヒスチジンであってもよい。pH調整剤/緩衝剤は、メグルミンのような塩基性糖アルコールであってもよい。本発明の意味の範囲内で好ましいpH調整剤は、メグルミン又はL-アルギニンである。L-アルギニン及びメグルミンは、例えば式1の化合物の化学分解を抑制することによって、本発明の組成物に対して特定の適切な安定効果を有する。
従って、実施態様において、本発明は、式1の化合物及び特に化学分解に対して、組成物を安定化するためのL-アルギニン又はメグルミン; 並びに1つ以上の医薬賦形剤を含む医薬組成物(例えば経口固体剤形、特に錠剤)に関する。
適切には、本発明の範囲内で用いられる医薬賦形剤は、充填剤としてセルロース及びその誘導体、D-マンニトール、二塩基性リン酸カルシウム、コーンスターチ、予備糊化デンプン、結合剤としてコポビドン、崩壊剤としてクロスポビドン、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム、流動促進剤としてコロイド無水シリカ、フィルムコーティング剤としてヒプロメロース、ポリビニルアルコール、可塑剤としてポリエチレングリコール、顔料として二酸化チタン、酸化鉄赤色/黄色、及びタルク等の慣用の材料である。
【0021】
詳細には、医薬賦形剤は、第1及び第2の希釈剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤であり得る; 追加の崩壊剤及び追加の流動促進剤は、更なる選択である。
・本発明の医薬組成物に適している希釈剤は、セルロース粉末、ミクロクリスタリンセルロース、種々の結晶変態のラクトース、二塩基性リン酸カルシウム無水物、二塩基性リン酸カルシウム二水和物、エリスリトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、デンプン又は加工デンプン(例えば予備糊化又は部分的加水分解)又はキシリトールである。これらの希釈剤の中でも、二塩基性リン酸カルシウム無水物及びミクロクリスタリンセルロースが好ましい。
・第2の希釈剤として好ましい希釈剤は、上述の希釈剤二塩基性リン酸カルシウム無水物及びミクロクリスタリンセルロースである。
・本発明の医薬組成物に適している滑沢剤は、タルク、ポリエチレングリコール、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、硬化ヒマシ油又はステアリン酸マグネシウムである。好ましい滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
・本発明の医薬組成物に適している結合剤は、コポビドン(ビニルピロリドンと他のビニル誘導体とのビニルピロリドンの共重合体)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、予備糊化デンプン、ステアリン酸-パルミチン酸、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)であり、コポビドン及び予備糊化デンプンが好ましい。上述の結合剤予備糊化デンプンとL-HPCは、追加の希釈剤と崩壊剤の特性を示し、第2の希釈剤又は崩壊剤としても使用し得る。
・本発明の医薬組成物に適している崩壊剤は、コーンスターチ、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)又は予備糊化デンプン; 好ましくはクロスカルメロースナトリウムである。
・任意の流動促進剤として、コロイド二酸化ケイ素が使用し得る。
【0022】
本発明の例示的な組成物は、希釈剤の二塩基リン酸カルシウム、追加の崩壊特性を有する希釈剤としてのミクロクリスタリンセルロース、結合剤のコポビドン、崩壊剤のクロスカルメロースナトリウム及び、滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウムを含んでいる。
典型的な医薬組成物は、下記を含んでいる(質量%)
10~50%の有効成分
20~88%の希釈剤1、
5~50%の希釈剤2、
1~5%の結合剤、
1~15%の崩壊剤、及び
0.1~5%の滑沢剤。
好ましい医薬組成物は、下記を含んでいる(質量%)
10~50%の有効成分
20~75%の希釈剤1、
5~30%の希釈剤2、
2~30%の結合剤、
1~12%の崩壊剤、及び
0.1~3%の滑沢剤
【0023】
好ましい医薬組成物は、下記を含んでいる(質量%)
10~90%の有効成分
5~70%の希釈剤1、
5~30%の希釈剤2、
0~30%の結合剤、
1~12%の崩壊剤、及び
0.1~3%の滑沢剤
好ましい医薬組成物は、下記を含んでいる(質量%)
10~50%の有効成分
20~75%の希釈剤1、
5~30%の希釈剤2、
2~30%の結合剤、
0.5~20%の緩衝剤
1~12%の崩壊剤、及び
0.1~3%の滑沢剤
好ましい医薬組成物は、下記を含んでいる(質量%)
30~70%の有効成分
20~75%の希釈剤1、
5~30%の希釈剤2、
2~30%の結合剤、
0.5~20%の緩衝剤
1~12%の崩壊剤、及び
0.1~3%の滑沢剤
【0024】
好ましい医薬組成物は、下記を含んでいる(質量%)
30~70%の有効成分
10~75%の希釈剤1、
5~30%の希釈剤2、
0~30%の結合剤、
0.5~30%の緩衝剤
1~12%の崩壊剤、及び
0.1~3%の滑沢剤
好ましい医薬組成物は、下記を含んでいる(質量%)
30~70%の有効成分
10~75%の希釈剤1、
5~30%の希釈剤2、
0.5~30%の緩衝剤
1~12%の崩壊剤、及び
0.1~3%の滑沢剤。
10~90%の有効成分、好ましくは30~70%の有効成分(質量%)を含有する医薬組成物が好ましい。
【0025】
本発明の錠剤製剤は、被覆されなくてもよく、最終製剤の溶解特性に負に影響しないことが知られている適切なコーティングを用いて被覆されてもよく、例えばフィルムコートされてもよい。例えば、錠剤は、ポリビニルピロリドン又はポリビニルアルコール又はヒドロキシプロピルメチルセルロースのような高分子量ポリマーを水又はアセトンのような有機溶媒中の可塑剤、滑沢剤及び必要により顔料及び界面活性剤と一緒に溶解し、この混合物を錠剤コア上にウルスターインサートを装備したパンコータ又は流動床コータのようなコーティング装置内部で噴霧することによって、患者環境及び臨床スタッフの保護のために並びに湿気防止のためにシールコートを備えることができる。
更に、みつろう、シェラック、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセテートフタル酸エステル、ゼインのような薬剤、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ポリマーのメタクリレートのような膜形成ポリマーを錠剤に適用することができるが、但し、コーティングが剤形の崩壊/溶解に実質的な影響を及ぼさず且つ被覆された剤形がその安定性において影響されない。
剤形がフィルムコートされた後、糖衣が密封された医薬剤形上へ適用されてもよい。糖衣は、スクロース、デキストロース、ソルビトール等又はこれらの混合物を含むことができる。所望により、着色剤又は乳白剤が糖液に添加されてもよい。
本発明の固体製剤は、吸湿性の傾向がある。これらは、PVC-ブリスター、PVDC-ブリスター又はアルミニウム箔ブリスターパックのような防湿性の包装材料、alu/aluブリスター、ポーチを有する透明又は不透明なポリマーブリスター、ポリプロピレンチューブ、ガラス瓶及び必要により子供に安全な特徴を含有してもよく又は不正開封の跡がすぐ分かり得るHDPE瓶を用いて包装されてもよい。一次包装材料は、APIの化学安定性を改善するために分子篩又はシリカゲルのような乾燥剤を含んでもよい。色のついたブリスター材料、チューブ、褐色ガラス瓶等の不透明な包装が、光分解の減少によってAPIの貯蔵寿命を延長するために使用し得る。
【0026】
投薬量
式1の化合物の投薬量範囲は、通常100~1000mg、特に200~900mg、300~900mg又は350~850又は390~810mgである。1錠又は2錠を投与することが可能であり、1日100、200、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900mg、好ましくは350、400、450、750、800、850mgの経口投薬量に対して2錠剤が好ましい。
投薬量範囲は、1錠で又は2錠で達成することができ; 好ましくは2錠剤が投与され、各々が投薬量の半分を含有する。
有効成分の適用は、1日3回まで、好ましくは1日1回又は2回あってもよい。具体的な有効性成分含量は、400mg又は800mgである。
【0027】
製造方法
直接圧縮
薬剤物質の悪い流動特性及び約1.40の高いハウスナー比のため、錠剤を製造する直接圧縮プロセスは実行できない。それ故、造粒プロセス(湿式又は乾式造粒)が行われなければならない。
湿式造粒
湿式造粒プロセスにおいて、造粒液体は、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトンのような溶媒、好ましくはエタノールであり、コポビドンのような結合剤を含有する。溶媒は揮発性成分であり、最終生成物には残存しない。有効成分及び滑沢剤を除くその他の賦形剤を予備混合し、高剪断造粒機を用いて造粒液体と顆粒化する。湿式造粒工程の後に、任意の湿式篩分け工程、乾燥及び顆粒の乾燥篩分けが続く。次に、例えば流動床乾燥機が乾燥するために使用し得る。
乾燥した顆粒を適切な篩で篩過する。滑沢剤を除くその他の賦形剤の添加後、混合物を自由落下ブレンダーのような適切な慣用のブレンダー内で混和し、その後にステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤の添加及びブレンダー内での最終混和が続く。
【0028】
従って、本発明の医薬組成物の調製のための例示的な湿式造粒プロセスは、以下の工程を含む
a. コポビドンのような結合剤をエタノールのような溶媒に周囲温度で溶解して、造粒液体を得る工程;
b. CCR3アンタゴニスト、希釈剤、及び崩壊剤を適切なミキサー内で混和して、プレミックスを得る工程;
c. プレミックスを造粒液体で湿らせ、引き続き湿らせたプレミックスを例えば高剪断ミキサー内で顆粒化する工程;
d. 必要により、顆粒化したプレミックスを少なくとも1.0mm、好ましくは3mmのメッシュサイズを有する篩で篩過してもよい工程;
e. 1~3%の範囲の望ましい乾燥減量値が得られるまで、例えば流動床乾燥機内で40~75℃、好ましくは55~65℃の入口空気温度で顆粒物を乾燥する工程;
f. 乾燥した顆粒物を、例えば、0.6mm~1.6mm、好ましくは1.0mmのメッシュサイズを有する篩で篩過することによって、細分(delumping)する工程; 及び
g. 顆粒物に好ましくは篩にかけた滑沢剤を添加し、例えばキューブミキサー内で最終混和する工程。
【0029】
別のプロセスにおいて、工程gの最終混和の前に崩壊剤(例えばコーンスターチ)又は希釈剤(例えば予備糊化デンプン)の一部又は追加の崩壊剤(クロスポビドン)のような賦形剤の一部を顆粒外層に添加し得る。
プロセスの他の別の変形例において、工程a~eで得た顆粒物をワンポット高剪断造粒プロセスで得、続いてワンポット造粒機内で乾燥する。
カプセル剤の調製のために、最終ブレンドを更にカプセルに充填する。
錠剤又は錠剤コアの調製には、最終ブレンドを更に、適切な打錠機を用いて適切なサイズと破砕強さを有する標的錠剤コア質量の錠剤に圧縮する。
フィルムコート錠の調製には、コーティング懸濁液を調製し、圧縮した錠剤コアを、標準フィルムコータを用いてコーティング懸濁液で約2~4%、好ましくは約3%の質量増加分まで被覆する。フィルムコーティング溶媒は揮発性成分であり、最終生成物には残存しない。錠剤中必要量の滑沢剤を減少するために、外部滑沢システムを用いることは選択である。
【0030】
流動床造粒
湿式造粒プロセスにおいて、造粒液体は、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトンのような溶媒、好ましくはエタノールであり、コポビドンのような結合剤を含有する。溶媒は揮発性成分であり、最終生成物には残存しない。有効成分及び滑沢剤を除くその他の賦形剤を予備混合し、流動床造粒機を用いて造粒液体で顆粒化する。造粒工程の後に、顆粒の乾式篩分けが続く。
乾燥した顆粒を適切な篩で篩過する。滑沢剤を除くその他の賦形剤の添加後、混合物を自由落下ブレンダーのような適切な慣用のブレンダー内で混和し、その後にステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤の添加及びブレンダー内での最終混和が続く。
従って、本発明の医薬組成物の調製のための例示的な湿式造粒プロセスは、以下の工程を含む
a. コポビドンのような結合剤を精製水のような溶媒に周囲温度で溶解して、造粒液体を得る工程;
b. CCR3アンタゴニスト、希釈剤、及び崩壊剤を流動床で混和して、プレミックスを得る工程;
c. プレミックスを造粒液体と流動床造粒機内で顆粒化する工程;
d. 1~3%の範囲の望ましい乾燥減量値が得られるまで約40~75℃、好ましくは55~65℃入口空気で顆粒の乾燥工程を行う工程;
e. 乾燥した顆粒物を、例えば、0.6mm~1.6mm、好ましくは1.0mmのメッシュサイズを有する篩で篩過することによって、細分する工程; 及び
f. 顆粒物に好ましくは篩にかけた滑沢剤を添加、例えばキューブミキサー内で最終混和する工程。
【0031】
別のプロセスにおいて、工程fの最終混和の前に崩壊剤(例えばコーンスターチ)又は希釈剤(例えば予備糊化デンプン)の一部又は追加の崩壊剤(クロスポビドン)のような賦形剤の一部を顆粒外層に添加し得る。
カプセル剤の調製には、最終ブレンドを更にカプセル剤に充填する。
錠剤又は錠剤コアの調製には、最終ブレンドを更に、適切な打錠機を用いて適切なサイズと破砕強さを有する標的錠剤コア質量の錠剤に圧縮する。
フィルムコート錠の調製には、コーティング懸濁液を調製し、圧縮した錠剤コアを、標準フィルムコータを用いてコーティング懸濁液で約2~4%、好ましくは約3%の質量増加分まで被覆する。フィルムコーティング溶媒は揮発性成分であり、最終生成物には残存しない。錠剤中必要量の滑沢剤を減少するために、外部滑沢システムを用いることは選択である。
【0032】
ホットメルト造粒
ホットメルトプロセスにおいて、結合剤は、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ステアリン酸-パルミチン酸、ポロキサマー、モノステアリン酸グリセリン又はポリエチレンオキシドのような溶融剤である。有効成分及び滑沢剤を除くその他の賦形剤を予備混合し、例えば高剪断造粒機を用いて結合剤で顆粒化する。造粒工程の後に、冷却工程、及び顆粒の篩分けが続く。
顆粒を適切な篩で篩過する。滑沢剤を除くその他の賦形剤の添加後、混合物を自由落下ブレンダーのような適切な慣用のブレンダー内で混和し、その後にステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤の添加及びブレンダー内での最終混和が続く。
従って、本発明の医薬組成物の調製のための例示的なホットメルト造粒プロセスは、以下の工程を含む
a. CCR3アンタゴニスト、希釈剤、及び崩壊剤を適切なミキサー内で混和して、プレミックスを得る工程;
b. プレミックスを加熱し、引き続きプレミックスを、例えば高剪断ミキサー内で顆粒化する工程;
c. 顆粒物を約28°に冷却する工程;
d. 顆粒物を、例えば、0.6mm~1.6mm、好ましくは1.0mmのメッシュサイズを有する篩で篩過することによって、細分する工程; 及び
e. 顆粒物に好ましくは篩にかけた滑沢剤を添加し、例えばキューブミキサー内で最終混和する工程。
【0033】
別のプロセスにおいて、工程eの最終混和の前に崩壊剤(例えばコーンスターチ)又は希釈剤(例えば予備糊化デンプン)の一部又は追加の崩壊剤(クロスポビドン)のような賦形剤の一部を顆粒外層に添加し得る。
プロセスの他の別の変形例において、工程a~cで得た顆粒物をワンポット高剪断造粒において得る。
カプセル剤の調製には、最終ブレンドを更にカプセル剤に充填する。
錠剤又は錠剤コアの調製には、最終ブレンドを更に、適切な打錠機を用いて適切なサイズと破砕強さを有する標的錠剤コア質量の錠剤に圧縮する。
フィルムコート錠の調製には、コーティング懸濁液を調製し、圧縮した錠剤コアを、標準フィルムコータを用いてコーティング懸濁液で約2~4%、好ましくは約3%の質量増加分まで被覆する。フィルムコーティング溶媒は揮発性成分であり、最終生成物には残存しない。錠剤中必要量の滑沢剤を減少するために、外部滑沢システムを用いることは選択である。
【0034】
ローラー圧縮
乾燥造粒プロセスにおいて有効成分を単独で又は有効成分を滑沢剤と一緒に又は有効成分及び希釈剤又は希釈剤と滑沢剤の混合物を予備混合し、ローラー圧縮機を用いて圧縮する。乾式造粒工程の後に、1つ又は2つの篩分け工程が続く。
顆粒を適切な篩で篩過する。滑沢剤を除くその他の賦形剤の添加後、混合物を自由落下ブレンダーのような適切な慣用のブレンダー内で混和し、その後にステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤の添加及びブレンダー内での最終混和が続く。
従って、本発明の医薬組成物の調製のための例示的な乾燥造粒プロセスは、以下の工程を含む
a. CCR3アンタゴニスト、希釈剤、及び滑沢剤を適切なミキサー内で混和して、プレミックスを得る工程;
b. プレミックスをローラー圧縮機を用いて圧縮する工程;
c. 顆粒化したプレミックスを少なくとも0.6mm、好ましくは0.8mmのメッシュサイズを有する篩で篩過する工程;
d. 顆粒物を、例えば、0.6mm~1.6mm、好ましくは1.0mmのメッシュサイズを有する篩で篩過することによって、細分する工程; 及び
e. 追加の希釈剤と崩壊剤を添加し、適切なブレンダー内で混和する工程
f. 好ましくは篩にかけた滑沢剤を顆粒物に添加し、例えばキューブミキサー内で最終混和する工程。
【0035】
別のプロセスにおいて、工程bの造粒の前に崩壊剤又は希釈剤(コポビドン)の一部のような賦形剤の一部を顆粒内に添加し得る。
カプセル剤の調製には、最終ブレンドを更にカプセルに充填する。
錠剤又は錠剤コアの調製には、最終ブレンドを更に、適切な打錠機を用いて適切なサイズと破砕強さを有する標的錠剤コア質量の錠剤に圧縮する。
フィルムコート錠の調製には、コーティング懸濁液を調製し、圧縮した錠剤コアを、標準フィルムコータを用いてコーティング懸濁液で約2~4%、好ましくは約3%の質量増加分まで被覆する。フィルムコーティング溶媒は揮発性成分であり、最終生成物には残存しない。錠剤中必要量の滑沢剤を減少するために、外部滑沢システムを用いることは選択である。
【0036】
ホットメルト押出し
ホットメルト押出しプロセスにおいて、結合剤は、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ステアリン酸-パルミチン酸、ポロキサマー、ビタミンE TGPS、モノステアリン酸グリセリン又はポリエチレンオキシドのような溶融剤である。有効成分及び滑沢剤を除くその他の賦形剤を、押出機を用いて結合剤と予備混合し、顆粒化する。造粒工程の後に、冷却工程、及び顆粒の篩分けが続く。
顆粒を適切な篩で篩過する。滑沢剤を除くその他の賦形剤を添加した後、混合物を自由落下ブレンダーのような適切な慣用のブレンダー内で混和し、その後にステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤の添加及びブレンダー内での最終混和が続く。
従って、本発明の医薬組成物の調製のための例示的なホットメルトプロセスは、以下の工程を含む
a. CCR3アンタゴニスト及び結合剤を適切なミキサー内で混和して、プレミックスを得る工程;
b. 加熱したプレミックスを押出機内で顆粒化する工程;
c. 顆粒化したプレミックスを少なくとも1.0mm、好ましくは3mmのメッシュサイズを有する篩で篩過する工程;
d. 顆粒物を、例えば、0.6mm~1.6mm、好ましくは1.0mmのメッシュサイズを有する篩で篩過することによって、細分する工程; 及び
e. 希釈剤及び崩壊剤を添加し、適切なブレンダー内で混和する工程
f. 好ましくは篩にかけた滑沢剤を顆粒物に添加し、例えばキューブミキサー内で最終混和する工程。
【0037】
別のプロセスにおいて、工程bの押出しの前に崩壊剤又は希釈剤の一部又は追加の崩壊剤のような賦形剤の一部を顆粒内に添加し得る。
カプセル剤の調製には、最終ブレンドを更にカプセルに充填する。
錠剤又は錠剤コアの調製には、最終ブレンドを更に、適切な打錠機を用いて適切なサイズと破砕強さを有する標的錠剤コア質量の錠剤に圧縮する。
フィルムコート錠の調製には、コーティング懸濁液を調製し、圧縮した錠剤コアを、標準フィルムコータを用いてコーティング懸濁液で約2~4%、好ましくは約3%の質量増加分まで被覆する。フィルムコーティング溶媒は揮発性成分であり、最終生成物には残存しない。錠剤中必要量の滑沢剤を減少するために、外部滑沢システムを用いることは選択である。
【実施例0038】
本発明は、CCR3受容体に関係のある疾患の治療用の医薬製剤の調製のための式1の化合物の使用に関する。この活性を示すCCR3受容体結合試験は、国際公開第2010115836号パンフレットですでに開示した。式1の化合物のKi値(ヒトCCR3受容体におけるヒトエオタキシン-1)を下記の表に示す。本明細書に用いられる「活性」は、上述した分析で測定したときの阻害において1μM以上で50%の阻害を示す化合物を意味するものである。そのような結果は、CCR3受容体活性の阻害剤として化合物の固有の活性を表している。
式1の化合物の例は、国際公開第2010115836号パンフレットの説明に従って合成することができ、この明細書の記載は本願明細書に援用されている。これらの例の塩は、HClを含有する溶液から遊離塩基を結晶化することによって形成することができる。好ましくは、例1、2 3、4、5、6、7、8、9及び10は、二塩酸塩の形である。
【0039】


【0040】
分解に対する実施例
逆相カラム及び緩衝剤/アセトニトリルによる勾配を有する高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)及びUV定量化を分解産物の定量化のために用いた。
純粋な薬剤物質及び異なる錠剤製剤についてストレス条件(40℃/60℃の瓶)下の貯蔵及び25℃/60% r.h.での屋外貯蔵の安定性の結果は、製剤によって著しい安定性改善が達成されたことを証明している。
25℃/60% r.h.で1週間開封して貯蔵した薬剤物質は液化し、分解(2.5%の全分解)を伴っている。密閉した容器内で3ヶ月間貯蔵すると、43%の全分解が定量化された。
開発した異なる製剤成分は、同一条件及び同様の包装下で分解を示さず(alu/aluブリスターは3ヶ月後>0.1%の分解産物を示さない)、25℃/60% r.h.(1週間)の屋外貯蔵条件下で0.7%の全分解を示す。
国際的に認められたガイドライン(例えばICH Q3b)に従って改良された安定特性は、患者に新規な化学物質の投与を可能にする。
【0041】
錠剤
上記の化合物、すなわち塩酸塩の形の例1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10又は二塩酸塩の形の例1、2 3、4、5、6、7、8、9及び10による固体医薬組成物の下記の限定されない実施例を行うことができる:
【0042】
実施例1 - 錠剤製剤 - 湿式造粒
コポビドンをエタノールに周囲温度で溶解して、造粒液体を得る。CCR3アンタゴニスト有効成分、ラクトース及びクロスポビドンの一部を適切なミキサー内で混和して、プレミックスを得る。プレミックスを造粒液体で湿らせ、引き続き顆粒化する。湿った顆粒物を、必要により1.6~3.0mmのメッシュを有する篩で篩過してもよい。顆粒物を、1~3%の乾燥減量に対応する残留水分含量まで適切な乾燥機内で45℃において乾燥する。乾燥した顆粒物を1.0mmのメッシュを有する篩で篩過する。顆粒物を、クロスポビドンの一部及びミクロクリスタリンセルロースと適切なミキサー内で混和する。ステアリン酸マグネシウムをこのブレンドに添加した後、細分するために1.0mmの篩を通過させる。引き続き、適切なミキサー内で最終混和することによって最終ブレンドを生成し、錠剤に圧縮する。下記の錠剤組成物を得ることができる:
【0043】
【0044】
実施例2 - 錠剤製剤 - 溶融造粒
CCR3アンタゴニスト有効成分、ラクトース、mccの一部、ポリエチレングリコール、ラクトース及びクロスポビドンの一部を適切なミキサー内で混和して、プレミックスを得る。プレミックスを高剪断ミキサー内で加熱し、引き続き顆粒化する。熱い顆粒物を室温に冷却し、1.0mmのメッシュを有する篩で篩過する。顆粒物をクロスポビドンの一部及びミクロクリスタリンセルロースと適切なミキサー内で混和する。このブレンドにステアリン酸マグネシウムを添加した後、細分するために1.0mmの篩を通過させる。引き続き、適切なミキサー内で最終混和することによって最終ブレンドを生成し、錠剤に圧縮する。下記の錠剤組成物を得ることができる:
【0045】
【0046】
実施例3 - 錠剤製剤 - ホットメルト造粒
CCR3アンタゴニスト有効成分、マンニット、ポリエチレングリコール及びクロスポビドンの一部を適切なミキサー内で混和して、プレミックスを得る。プレミックスを高剪断ミキサー内で加熱し、引き続き顆粒化する。熱い顆粒物を室温に冷却し、1.0mmのメッシュを有する篩で篩過する。顆粒物をクロスポビドンの一部及びマンニットと適切なミキサー内で混和する。このブレンドにステアリン酸マグネシウムを添加した後、細分するために1.0mmの篩を通過させる。引き続き、適切なミキサー内で最終混和することによって最終ブレンドを生成し、錠剤に圧縮する。下記の錠剤組成物を得ることができる:
【0047】
【0048】
実施例4 - 錠剤製剤 - ホットメルト押出し
CCR3アンタゴニスト有効成分及びステアリン酸-パルミチン酸を適切なミキサー内で混和して、プレミックスを得る。プレミックスを二軸スクリュー押出機内で押出し、引き続き顆粒化する。1.0mmのメッシュサイズを有する篩で篩過する。顆粒物をマンニット及びクロスポビドンと適切なミキサー内で混和する。このブレンドにステアリン酸マグネシウムを添加した後、細分するために1.0mmの篩を通過させる。引き続き、適切なミキサー内で最終混和することによって最終ブレンドを生成し、錠剤に圧縮する。下記の錠剤組成物を得ることができる:
【0049】
【0050】
実施例5 - 錠剤製剤 - ホットメルト押出し
CCR3アンタゴニスト有効成分及びステアリン酸-パルミチン酸を適切なミキサー内で混和して、プレミックスを得る。プレミックスを二軸スクリュー押出機内で押出し、引き続き顆粒化する。1.0mmのメッシュサイズを有する篩で篩過する。顆粒物を硬カプセルに直接充填する。下記の錠剤組成物を得ることができる:
【0051】
【0052】
実施例6 - 錠剤製剤 - ローラー圧縮
CCR3アンタゴニスト有効成分、マンニットとクロスポビドンの一部及びステアリン酸マグネシウムを適切なミキサー内で混和して、プレミックスを得る。プレミックスをローラー圧縮機で圧縮し、引き続き顆粒化する。必要により、顆粒物を0.8mmのメッシュサイズを有する篩で篩過してもよい。顆粒物をマンニットとクロスポビドンの一部と適切なミキサー内で混和する。このブレンドにステアリン酸マグネシウムを添加した後、細分するために1.0mmの篩を通過させる。引き続き、適切なミキサー内で最終混和することによって最終ブレンドを生成し、錠剤に圧縮する。下記の錠剤組成物を得ることができる:
【0053】
【0054】
実施例7.1 - 錠剤製剤 - ローラー圧縮
CCR3アンタゴニスト有効成分及びステアリン酸マグネシウムを適切なミキサー内で混和して、プレミックスを得る。プレミックスをローラー圧縮機で圧縮し、引き続き顆粒化する。必要により、顆粒物を0.8mmのメッシュサイズを有する篩で篩過してもよい。顆粒物をマンニット及びクロスカルメロースナトリウムと適切なミキサー内で混和する。このブレンドにステアリン酸マグネシウムを添加した後、細分するために1.0mmの篩を通過させる。引き続き、適切なミキサー内で最終混和することによって最終ブレンドを生成し、錠剤に圧縮する。下記の錠剤組成物を得ることができる:
【0055】
【0056】
実施例7.2 - 錠剤製剤 - ローラー圧縮
CCR3アンタゴニスト有効成分をローラー圧縮機で圧縮し、引き続き顆粒化する。必要により、顆粒物を0.8mmのメッシュサイズを有する篩で篩過してもよい。顆粒物を二塩基性リン酸カルシウム無水物、ミクロクリスタリンセルロース及びクロスカルメロースナトリウムと適切なミキサー内で混和する。このブレンドにステアリン酸マグネシウムを添加した後、細分するために1.0mmの篩を通過させる。引き続き、適切なミキサー内で最終混和することによって最終ブレンドを生成し、錠剤に圧縮する。下記の錠剤組成物を得ることができる:
【0057】
【0058】
実施例8 - 錠剤製剤 - ローラー圧縮
CCR3アンタゴニスト有効成分及びステアリン酸マグネシウムを適切なミキサー内で混和して、プレミックスを得る。プレミックスをローラー圧縮機で圧縮し、引き続き顆粒化する。必要により、顆粒物を0.8mmのメッシュサイズを有する篩で篩過してもよい。顆粒物をミクロクリスタリンセルロース及びクロスポビドンと適切なミキサー内で混和する。このブレンドにステアリン酸マグネシウムを添加した後、細分するために1.0mmの篩を通過させる。引き続き、適切なミキサー内で最終混和することによって最終ブレンドを生成し、錠剤に圧縮する。下記の錠剤組成物を得ることができる:
【0059】
【0060】
実施例9.1 - コート錠製剤
上述した製剤の錠剤コアを使用して、フィルムコート錠を得ることができる。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレングリコール、タルク、二酸化チタン及び酸化鉄を精製水に周囲温度で適切なミキサー内で懸濁して、コーティング懸濁液を得る。錠剤コアを約3%の質量増加分までコーティング懸濁液で被覆して、フィルムコート錠を得る。下記のフィルムコーティング組成物を得ることができる:
【0061】
【0062】
実施例9.2 - コート錠製剤
上述した製剤の錠剤コアを使用して、フィルムコート錠を得ることができる。ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール、タルク、二酸化チタン及び酸化鉄を精製水に周囲温度で適切なミキサー内で懸濁して、コーティング懸濁液を得る。錠剤コアを約3%の質量増加分までコーティング懸濁液で被覆して、フィルムコート錠を得る。下記のフィルムコーティング組成物を得ることができる:
【0063】
【0064】
適応症
上記の通りの式1の化合物は、CCR3-受容体の活性が関係している疾患の予防及び/又は治療のための医薬製剤を製造するのに有効である。
呼吸器又は胃腸の病気の様々な炎症性、感染性、及び免疫調節性障害及び疾患、関節の炎症性疾患及び鼻咽頭、眼、及び皮膚のアレルギー性疾患(喘息及びアレルギー疾患、好酸球性疾患、病原菌(定義上、ウイルスを含める)による感染を含めて)、並びに自己免疫性の症状、例えば関節リウマチやアテローム硬化症、並びに異常促進血管新生と関連する疾患、例えば加齢黄斑変性(AMD)(非滲出型加齢黄斑変性(dAMD)及び滲出型加齢黄斑変性(wAMD)を含めて); 糖尿病性網膜症及び糖尿病性黄斑浮腫、未熟児網膜症(ROP)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎や好酸球性腸炎)、過好酸性症候群及びチャーグストラウス症候群の予防及び/又は治療用の薬剤を製造することが好ましい。
加齢黄斑変性は、世界的に失明の主要な原因である。AMDのほとんどの失明は、脈絡膜血管新生による網膜の浸潤から生じる。CCR3は、AMD患者の脈絡膜新生血管内皮細胞において特異的に発現される。AMDにしばしば用いられるマウス動物モデルにおいて、レーザー傷害によって誘発された脈絡膜血管新生は、CCR3又はCCR3リガンドの遺伝的欠乏によってだけでなく抗CCR3抗体又はCCR3アンタゴニストによるマウスの治療によって減少した(Takeda et al, Nature 2009, 460(7252):225-30)
【0065】
例えば炎症性又はアレルギー性の疾患及び状態(呼吸器アレルギー性疾患、例えば喘息、通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、アレルギー結膜炎、過敏性肺疾患、過敏性肺炎、好酸球性蜂巣炎(例えば、ウェルズ症候群)、好酸球性肺炎(例えば、レフレル症候群、慢性好酸球性肺炎)、好酸球性筋膜炎(例えば、シュルマン症候群)、遅延型過敏反応、間質性肺疾患(ILD)(例えば、特発性肺線維症、又は関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強直性脊椎炎、全身性硬化症、シェーグレン症候群、多発性筋炎又は皮膚筋炎を伴うILD)を含めて); 非アレルギー性喘息; 運動誘発性気管支痙攣; 全身性アナフィラキシー又は過敏反応、薬物アレルギー(例えば、ペニシリン、セファロスポリンに対して)、汚染トリプトファンの摂取による好酸球増加筋肉痛症候群、昆虫刺傷アレルギー; 自己免疫疾患、例えば関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発硬化症、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、免疫性血小板減少症(成人ITP、新生児血小板減少症、小児ITP)、免疫性溶血性貧血(自己免疫性及び薬剤誘発性)、エヴァンズ症候群(血小板及び赤血球免疫性血球減少症)、新生児のRh疾患、グッドパスチャー症候群(抗GBM病)、セリアック病、自己免疫カルディオミオパチー若年型糖尿病; 糸球体腎炎、自己免疫甲状腺炎、ベーチェット病; 移植片拒絶(例えば、移植術における)(同種異系移植片拒絶又は移植片対宿主病を含めて); 炎症性腸疾患、例えばクローン病や潰瘍性大腸炎; 脊椎関節症; 強皮症; 乾癬(T細胞仲介乾癬を含めて)及び炎症性皮膚疾患、例えば皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、じんま疹; 血管炎(例えば、壊死性、皮膚性、及び過敏性血管炎); 結節性紅斑; 好酸球性筋炎、好酸球性筋膜炎; 皮膚又は臓器の白血球浸潤を有するがん; 慢性閉塞性肺疾患、加齢黄斑変性(AMD)、糖尿病性網膜症及び糖尿病性黄斑浮腫の予防及び/又は治療用の薬剤の製造が最も好ましい。
本発明の他の態様において、加齢黄斑変性(AMD)(非滲出型加齢黄斑変性(dAMD)及び滲出型加齢黄斑変性(wAMD)を含めて); 糖尿病性網膜症及び糖尿病性黄斑浮腫; 及び未熟児網膜症(ROP)より選ばれる疾患の予防及び/又は治療用の薬剤の製造が好ましい。
【外国語明細書】