(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081540
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】油中水型乳化組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/33 20060101AFI20220524BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20220524BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20220524BHJP
A61K 8/894 20060101ALI20220524BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20220524BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20220524BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220524BHJP
B01J 13/00 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
A61K8/33
A61K8/06
A61K8/34
A61K8/894
A61K8/39
A61K8/86
A61Q19/00
B01J13/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029363
(22)【出願日】2022-02-28
(62)【分割の表示】P 2017000637の分割
【原出願日】2017-01-05
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宗吉 裕樹
(57)【要約】
【課題】パラベン類を含有しなくても十分な防腐力を有し、かつ安定性に優れ、低刺激性の油中水型乳化組成物を提供する。
【解決手段】モノアルキルグリセリルエーテル、及び有機変性粘土鉱物を含有する、油中水型乳化組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノアルキルグリセリルエーテル、有機変性粘土鉱物、及び微粒子金属酸化物を含有する油中水型乳化組成物であって、
前記モノアルキルグリセリルエーテルは、1-(2-エチルヘキシル)グリセリルエーテル、1-ヘキシルグリセリルエーテル、1-ヘプチルグリセリルエーテル、1-(3,5,5-トリメチルヘキシル)グリセリルエーテル、1-オクチルグリセリルエーテル、1-デシルグリセリルエーテル、1-ドデシルグリセリルエーテルからなる群から選択され、
前記モノアルキルグリセリルエーテルの含有量が、組成物全体に対して0.05質量%以上であり、
粉体の総含有量が組成物全体に対して10質量%以上であり、
パラベン類を実質的に含有しない、油中水型乳化組成物。
【請求項2】
モノアルキルグリセリルエーテル、有機変性粘土鉱物、及び微粒子金属酸化物を含有する油中水型乳化組成物であって、
前記モノアルキルグリセリルエーテルは、1-(2-エチルヘキシル)グリセリルエーテル、1-ヘキシルグリセリルエーテル、1-ヘプチルグリセリルエーテル、1-(3,5,5-トリメチルヘキシル)グリセリルエーテル、1-オクチルグリセリルエーテル、1-デシルグリセリルエーテル、1-ドデシルグリセリルエーテルからなる群から選択され、
前記有機変性粘土鉱物の含有量が組成物全体に対して0.5~4質量%であり、
粉体の総含有量が組成物全体に対して10質量%以上であり、
パラベン類を実質的に含有しない、油中水型乳化組成物。
【請求項3】
さらに、フェノキシエタノール、及び/又は1,2-アルキレンジオールを含有する、請求項1又は2に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項4】
さらに、ポリエーテル変性シリコーン、及び/又はポリグリセリン変性シリコーンを含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項5】
前記モノアルキルグリセリルエーテルの含有量が組成物全体に対して0.05質量%以上である、請求項2~4のいずれか一項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項6】
炭素数14~22の直鎖又は分岐鎖の2価カルボン酸の少なくとも1種と、平均重合度8~15のポリグリセリンとのオリゴマーエステルを含有する、請求項2~5のいずれか一項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項7】
粉体の総含有量が組成物全体に対して40質量%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項8】
皮膚外用剤である、請求項1~7のいずれか一項に記載の油中水型乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤として好適な油中水型乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料等の皮膚外用剤において油中水型乳化剤型は、油性成分による保湿感が得られることや、種々の粉体を多く含有させてメークアップやスキンケア上の機能を持たせることができることから、汎用されている剤型である。
油中水型乳化剤型においては、有機変性粘土鉱物を含有させると乳化安定性が向上することが知られている。
【0003】
また、通常、皮膚外用剤等においては防腐力を付与して保存性を向上させることを目的として、防腐剤が配合される。代表的な防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル(通称、パラベン類)が挙げられ、これは幅広い菌種に対して静菌作用を示し、また安全性も認められていることから汎用されている。
しかしながら、パラベン類は、敏感な使用者においては使用時にピリピリした刺激を感じる場合がある。また、近年、肌に対して優しい使用感の皮膚外用剤が求められる傾向にあるため、パラベン類のみを防腐手段とするだけでは、消費者からの需要に応えきれないという状況にある。
【0004】
かかる要請に対して、パラベン類とフェノキシエタノール等の防腐助剤とを組み合わせることにより、十分な防腐力を発揮しつつパラベン類の含有量を減らすといった対策が取られてきたが、刺激性にはまだ改善の余地があった。
また、パラベン類に代えて、フェノキシエタノールと1,2-アルキレンジオールとを組み合わせることにより、刺激性を抑えつつ防腐力を確保することも提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、フェノキシエタノールと1,2-ペンタンジオールとを組み合わせて含有させることにより、油中水型乳化組成物に防腐力を付与しているが、組成物の安定性や臭いに問題がある。
このような状況に鑑みて、本発明は、パラベン類を含有しなくても十分な防腐力を有し、かつ安定性に優れ、低刺激性の油中水型乳化組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、油中水型乳化組成物において、モノアルキルグリセリルエーテル及び有機変性粘土鉱物を含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]モノアルキルグリセリルエーテル、及び有機変性粘土鉱物を含有する、油中水型乳化組成物(以降、「本発明の組成物」とも記す)。
[2]さらに、フェノキシエタノール、及び/又は1,2-アルキレンジオールを含有す
る、[1]に記載の油中水型乳化組成物。
[3]さらに、ポリエーテル変性シリコーン、及び/又はポリグリセリン変性シリコーンを含有する、[1]又は[2]に記載の油中水型乳化組成物。
[4]さらに、微粒子金属酸化物を含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[5]前記モノアルキルグリセリルエーテルが、1-(2-エチルヘキシル)グリセリルエーテルである、[1]~[4]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[6]前記モノアルキルグリセリルエーテルの含有量が0.05質量%以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[7]粉体の総含有量が10質量%以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[8]皮膚外用剤である、[1]~[7]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、パラベン類を含有しなくても十分な防腐力を有し、かつ安定性に優れ、低刺激性の油中水型乳化組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の油中水型乳化組成物は、モノアルキルグリセリルエーテル、及び有機変性粘土鉱物を含有する。
【0011】
モノアルキルグリセリルエーテルは、本発明の組成物に防腐力を付与する成分である。
モノアルキルグリセリルエーテルにおけるアルキル基は、直鎖又は分岐鎖の、炭素数が3~14のものが好ましく、5~12のものがより好ましい。
モノアルキルグリセリルエーテルとしては例えば、1-ブチルグリセリルエーテル、1-ヘキシルグリセリルエーテル、1-ヘプチルグリセリルエーテル、1-(2-エチルヘキシル)グリセリルエーテル、1-(3,5,5-トリメチルヘキシル)グリセリルエーテル、1-オクチルグリセリルエーテル、1-デシルグリセリルエーテル、1-ドデシルグリセリルエーテル等が挙げられ、これらのうち1-(2-エチルヘキシル)グリセリルエーテル(エチルヘキシルグリセリンとも記す)が特に好ましい。
【0012】
本発明の組成物において、モノアルキルグリセリルエーテルの含有量は、組成物全体に対して0.05質量%以上であることが十分な防腐力を付与できることから好ましい。より好ましくは、0.05~0.4質量%、さらに好ましくは0.1~0.3質量%である。多すぎると効果が頭打ちになり、組成物の処方設計の自由度が制限される場合がある。
【0013】
有機変性粘土鉱物は、粘土鉱物の一部に有機化合物の一部を共有結合又はイオン結合を介して結合させた粘土鉱物である。本発明の組成物においては、乳化粒子を安定化に寄与する。
粘土鉱物としては、スクメタイト系のヘクトライト、ベントナイトやモントリロナイト、カオリナイト、イライト、マリーン粘土鉱物(海泥)、デザートローズ粘土鉱物、パスカライトなどが挙げられる。有機化合物としては、4級アミノ基を有する化合物が挙げられる。具体的には、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
本発明においては、有機変性粘土鉱物として、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド変性ヘクトライト(ジステアリルジモニウムヘクトライト)を用いることが好ましい。
本発明において、有機変性粘土鉱物の含有量は、組成物全体に対して0.5~4質量%が好ましく、より好ましくは1.5~3質量%である。少なすぎると組成物の安定性が不十分になる場合があり、多すぎるとかえって安定性を損なう場合があり、また組成物の処
方設計の自由度が制限される場合がある。
【0014】
本発明の組成物は、モノアルキルグリセリルエーテルを必須に含有することにより優れた防腐力を備えるが、さらに他の防腐作用を有する成分を含有してもよい。他の防腐作用を有する成分としては、例えば、フェノキシエタノールや、1,2-アルキレンジオールが好ましく挙げられ、これらを1種又は2種以上含有させることにより、防腐力をより高めることができる。1,2-アルキレンジオールとしては、炭素数5~10のものが好ましく、具体的には1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールである。これらのうち、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、及び1,2-オクタンジオール等が挙げられる。
本発明において、フェノキシエタノールの含有量は、組成物全体に対して0.2~2質量%が好ましく、より好ましくは0.3~1質量%である。また、本発明において、1,2-アルキレンジオールの総含有量は、組成物全体に対して1~5質量%が好ましく、より好ましくは2~4質量%である。
【0015】
本発明の組成物は、通常は界面活性剤を含有するが、非イオン性界面活性剤としてポリエーテル変性シリコーン及び/又はポリグリセリン変性シリコーンを含有することが好ましい。
ポリエーテル変性シリコーン類としては、例えば、ポリエチレングリコール-10ジメチコン、ポリエチレングリコール-12ジメチコン等が挙げられ、ポリグリセリン変性シリコーン類としては、例えば、ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、(ポリグリセリル-3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられ、これらを1種又は2種以上含有させることにより、組成物の安定性をより高めることができる。
本発明において、ポリエーテル変性シリコーン又はポリグリセリン変性シリコーンの総含有量は、組成物全体に対して0.5~15質量%が好ましく、より好ましくは1~10質量%、さらに好ましくは2~7質量%である。
【0016】
本発明の組成物に紫外線防御効果を付与したい場合は、さらに微粒子金属酸化物を含有させてもよい。かかる組成物は、後述の化粧料の態様で日焼け止め用化粧料(サンスクリーン)として好ましく適用できる。
微粒子とは、通常、電子顕微鏡観察により測定される一次粒子径が、約10~80nmの範囲にあるものをいう。
微粒子金属酸化物としては、微粒子二酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化ジルコニウム、微粒子酸化セリウム等が好適挙げられ、紫外線散乱効果に優れることから微粒子二酸化チタン、微粒子酸化亜鉛が特に好ましい。
また、これらの表面は、シリカ、アルミナ等の無機化合物、または脂肪酸金属石鹸、シリコーン、パーフルオロアルキル基等の有機化合物により被覆されていてもよい。
本発明において、各微粒子金属酸化物の含有量は総量で、組成物全体に対して1~20質量%が好ましく、より好ましくは2~15質量%である。
【0017】
微粒子金属酸化物は、該当する金属の塩を気相中で熱分解するなどの常法により調製することができるが、市販品をそのまま用いることもできる。市販品の具体例としては、微粒子二酸化チタンとして、「MTY-110M3S」(テイカ株式会社製)、「MTY-02」(テイカ株式会社製)、「MT-100TV」(テイカ株式会社製)、「MT-500HSA」(テイカ株式会社製)、「MT-100T」(テイカ株式会社製)、「MT-01」(テイカ株式会社製)、「MT-10EX」(テイカ株式会社製)、「MT-05」(テイカ株式会社製)、「MT-100Z」(テイカ株式会社製)、「MT-150EX」(テイカ株式会社製)、「MT-100AQ」(テイカ株式会社製)、「MT-100WP」(テイカ株式会社製)、「MT-100SA」(テイカ株式会社製)、「MT-500B」(テイカ株式会社製)、「MT-500SA」(テイカ株式会社製、「MT-600B」(テイカ株式会社製)、「MT-500SAS」(テイカ株式会社製)、)「タイペークCR-50」(石原産業株式会社製)、「タイペークTTO-M-1」(石原産業株式会社製)「タイペークTTO-V4」(石原産業株式会社製)、「ST-455」(チタン工業株式会社製)、「STT-65C-S」(チタン工業株式会社製)、「STT-30EHS」(チタン工業株式会社製)、「バイエルチタンR-KB-1」(バイエル社製)等が挙げられる。また、微粒子酸化亜鉛として、「MZ-300」(テイカ株式会社製)、「MZY-303S」(テイカ株式会社製)、「MZ-306X」(テイカ株式会社製)、「MZ-500」(テイカ株式会社製)、「MZY-505S」(テイカ株式会社製)、「MZ-506X」(テイカ株式会社製)、「MZ-510HPSX」(テイカ株式会社製)、「WSX-MZ-700」(テイカ株式会社製)、「SANT-UFZO-450」(三好化成株式会社製)、「SANT-UFZO-500」(三好化成株式会社製)、「FZO-50」(石原産業株式会社製)、「マックスライトZS-032」(昭和電工株式会社製)、「マックスライトZS-032D」(昭和電工株式会社製)等が挙げられる。
【0018】
本発明の組成物は、さらに粉体を含有させることができる。かかる粉体としては、特に限定されないが、後述の化粧料に通常配合されるものが挙げられ、前述の微粒子金属酸化物とも重複するものも含む。
粉体としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、アルミナ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリ(メタ)クリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ-酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等が挙げられる。
【0019】
このような粉体のうち、本発明の組成物には球状粉体を含有させることが好ましい。球状粉体とは、通常、球状又は略球状の形状を有しており、平均粒径が約2.5~6μmの単分散のものをいう。好ましいものとしては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ポリアクリル酸メチルやポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ナイロン、ポリエチレン、シリコーン等の球状粉体、またはこれらに表面処理を施したものが挙げられる。
【0020】
本発明において、粉体の総含有量は、組成物全体に対して10質量%以上とすることができ、さらに12質量%とすることもできる。一般的に、粉体をこのように多量に含有する組成物を皮膚に適用すると、刺激を感じやすい傾向にあるが、本発明の組成物では粉体を総量で10質量%以上含有させた場合であっても、刺激が抑制され、優れた使用感を与えることができる。
なお、粉体の含有量の上限は、組成物全体に対して、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましい。
【0021】
本発明の組成物は、さらに、炭素数14~22の直鎖又は分岐鎖の2価カルボン酸の少なくとも1種と、平均重合度8~15のポリグリセリンとのオリゴマーエステルを含有することが好ましい。かかる成分を含有させることにより、組成物の使用感をより高めることができる。
前記オリゴマーエステルとしては、例えば、特開2007-137847号公報記載の方法により調製したものを使用できるが、市販品も存在するので、かかる市販品を入手して使用することもできる。このような市販品としては、具体的には、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10である「Neosolue-AquaS」(日本精化株式会社製)が好適に例示される。
【0022】
本発明の組成物は、パラベン類を実質的に含有しないことが好ましい。パラベン類としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ベンジルパラベン等が挙げられる。
なお、「実質的に含有しない」とは、組成物全体に対して好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下、さらに好ましくは0.001質量%以下であることをいう。
【0023】
本発明の組成物の剤型は、油中水型乳化剤型である。油中水型乳化剤型は、水相成分の肌への浸透により塗布後ただちにみずみずしさとさっぱりした使用感が得られる。さらに、油相が連続相であるために皮膚に塗布したときに皮膚表面に油膜が残り、水分が透過しにくいので、長時間にわたる保湿感が得られたり、メークアップ化粧料の態様においては化粧持ちに優れたりする。
なお、本発明において水相成分は、水及び水溶性の成分をいい、水溶性の成分とは、通常は25~65℃の水に混合して溶解する成分をいう。また、後述する油剤等が、通常は油相に含まれる。
本発明の組成物において内相比は特に限定されないが、安定性の観点から水相:油相=1:9~5:5が好ましい。
【0024】
本発明の化粧料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、通常皮膚外用剤に用いられる他の成分を任意に配合することができる。かかる任意成分としては、例えば、油剤、アルコール類、保湿剤、界面活性剤、金属イオン封鎖剤、単糖、オリゴ糖、多糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、ビタミン類、酸化防止剤、水溶性高分子、各種有効成分等が挙げられる。
【0025】
油剤としては、シリコーン油、極性油、天然油、炭化水素油等が挙げられる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン、好ましくは粘度10~10000csのもの)、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、カプリリルメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられ、これらのうちジメチコンが好ましい。
本発明の組成物においてはジメチコンを油剤として、組成物全量に対して1~10質量%含有することが好ましく、3~7質量%含有することがより好ましい。
【0026】
極性油としては、合成エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、オクチルメトキシシンナメート等が挙げられる。
【0027】
天然油として、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
炭化水素油としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、スクワラン、ワセリン、水添ポリ(C6-12オレフィン)、水添ポリイソブテン等が挙げられる。
【0028】
多価アルコールとしては、2価以上であれば特に限定されないが、3価以上のものが好ましい。具体的には、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0029】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0030】
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-
アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POEアルキルエーテルカルボン酸;POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0031】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3
,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POEアルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0032】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0033】
非イオン性界面活性剤としては、前述のポリエーテル変性シリコーン類やポリグリセリン変性シリコーン類の他に、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等);グリセリンアルキルエーテル等の非親水性非イオン性界面活性剤が挙げられる。また、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリル等);POEソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等);POEグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEモノオレエート等);POE脂肪酸エステル類(例えば、POEジステアレート、POEモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POEアルキルエーテル類(例えば、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等);POEアルキルフェニルエーテル類(例えば、POEノニルフェニルエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POPアルキルエーテル類(例えば、POE・POPセチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等);テトラ POE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等);POEミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POEソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POEプロピレングリコール脂肪酸エステル;POEアルキルアミン;POE脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルグルコシド;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等の親水性非イオン性界面活性剤も挙げられる。
【0034】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0035】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等);六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等);アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
【0036】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0037】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0038】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシ
ルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0039】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0040】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0041】
pH調製剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0042】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0043】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0044】
水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ
、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等の天然の水溶性高分子、
デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等の半合成の水溶性高分子、
ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等の合成の水溶性高分子が挙げられる。
【0045】
各種有効成分としては、例えば、消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0046】
本発明の油中水型乳化組成物は、パラベン類を含有しなくても十分な防腐力を有し、かつ安定性に優れ、低刺激性であるため、皮膚外用剤として好ましく適用できる。より好ましくは化粧料(医薬部外品を含む)として適用でき、スキンケア化粧料やメークアップ化粧料への適用がさらに好ましい。
【0047】
本発明の組成物は、通常の油中水型乳化組成物の調製方法により製造することができる。例えば、油剤等の油相成分、及びモノアルキルグリセリルエーテル等の界面活性剤を加熱溶解し、アスコルビン酸2-グルコシド、アルコール、及び水等の水相成分を別途加熱溶解し、それぞれ加熱溶解して混合した後、油相成分に水相成分を添加して撹拌混合しながら冷却することにより製造することができる。
【実施例0048】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0049】
<組成物の調製>
表1に示す処方に従って、微粒子金属酸化物を含有しない油中水型乳化組成物(実施例1~7及び比較例1~3)を調製した。すなわち、まず成分A、成分B、及び成分Cをそれぞれ80℃に加熱溶解して混合した。次いで成分Aに成分Bを添加し、撹拌混合したところにさらに成分Cを徐々に添加し、撹拌混合して、室温まで冷却し、油中水型乳化組成物を得た。
また、表2に示す処方に従って、微粒子金属酸化物を含有する油中水型乳化組成物(実施例8~13及び比較例4~5)も同様に調製した。
【0050】
<組成物の評価>
調製した各組成物の「安定性」、「防腐力」及び「刺激性」について、それぞれ以下の基準で評価を行った。結果を表1及び表2にそれぞれ示す。
また、いずれの実施例の組成物も、特に不快なにおいは生じなかった。
【0051】
(安定性)
40℃で1ヶ月保管した後の乳化状態について観察した。
◎:均一な乳化状態
○:ほぼ均一な乳化状態
△:やや不均一な乳化状態
×:油相と水相が分離している
【0052】
(防腐性)
調製した各乳化組成物について、日本薬局方の「保存効力試験法」に準じ、微生物試験を行い、防腐力を評価した。具体的には、各乳化組成物を調製後、30gずつに分け、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、酵母(カンジダ)、又はカビ(クロコウジカビ)の菌液を接種し、塗沫法により菌数の経日変化を追跡した。試験は4週間実施し、得られた結果を以下の4段階に分類し、その総合評価を微生物試験の結果とした。
(評価基準)
◎:確実に減少した
○:減少したが、減少速度がやや遅かった
△:減少したが、減少速度が明らかに遅かった ×:増減なし
【0053】
(刺激性)
スティンギングテストにより組成物の塗布時の刺激性を評価した。化粧料において、一過性の刺激を感じやすいパネラー10名を用い、刺激感を感じた場合に教えてほしいと伝え、目の下の頬に各サンプルを少量塗ってもらい、刺激の有無を確認した。評価基準としては、
2点:刺激を感じない
1点:少し刺激を感じる
0点:刺激を感じる
と設定し、各サンプルについて算出した10名の被験者の平均点に基づき、以下の4段階評価を行った。
◎:1.5点以上
○:1.5~1点
△:1~0.5点。
×:0.5点以下
【0054】
【0055】